荷葉岳(かよう) 積雪期に登る展望と滑走の山
秋田県 荷葉岳1,254m 2015年3月21日
石黒山(三角点1,097m、最高点1,103m)
(荷葉岳、石黒山)旧秋田県の山・脚注
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名山一人旅
私の登る山には名山と呼べない山もあるだろう。だが、登っているときに心ときめくものがあれば、それは私にとって名山だ。
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登山道もなく、目立つ姿でもないが、積雪期に登って周囲の展望やスキー滑走を楽しむことができる。
沢沿いから広い尾根を登ると乳頭山、秋田駒、岩手山などが並ぶ。すごい絶景だ。
平らな石黒山から広い稜線を辿って荷葉岳へ。のんびりと雪山逍遥。
たどり着いた荷葉岳の頂上は細い稜線のピーク。男女岳と男岳が並ぶ秋田駒がすばらしい。頂上で腰を下ろし、四周の山々を眺める。
荷葉岳頂上でシールを外し、往路とは違うルートを滑走。2度ほど登り返し、林道までの滑走を楽しむ。
駐車場を出ると青空になっていて、滑走してきた荷葉岳の一角、1,062m峰を再び見る。
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久しぶりに晴れた雪山
まぶしいほどの銀世界
冷たく張りつめた空気
山好きたちの歩いた跡が延々と続き
白い息を切らし、軽い足取り
(雪山の散歩)
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旧版「秋田県の山」で紹介されている荷葉岳と石黒山にスキーで登る。登れるか疑心暗鬼だったが、インターネットにも記録があり、先行トレースはなかったが、GPSを活用して周回。登山道もなく、目立つ姿でもないが、積雪期に登って周囲の展望やスキー滑走を楽しむことができる。
岩手SAに泊まった翌朝は快晴。盛岡インターから田沢湖に向かうと真っ白な秋田駒と岩手山が見える。田沢湖スキー場を過ぎ、鶴の湯の手前奥の駐車場に停める。大白森の登山口。雪はべったりついており、沢があるが踏み跡がない。車道を少し戻って橋を渡り、右岸の雪の上に登って歩き始める。散歩している親子連れ3人。雪壁を登って雪原に上がり、スキーで出かけようとしている私をもの珍しそうに見ていた。雪原は広くてなだらか。すぐに上着を脱ぐ。私は右岸を歩いていたのだが、左岸に踏み跡があり、堰堤の近くに簡易橋があった。しかし橋の先には踏み跡はなく、堰堤監視の踏み跡だったのかもしれない。右岸には踏跡がなかったが、入力しておいたGPSのピンクラインに従って進み、堰堤の手前で左折して支沢沿いに登る。支沢はところどころ割れていて、スノーブリッジを渡りながら登り、頃合いで左岸尾根に取付く。
沢沿いから広い尾根を登ると、左岸尾根は次第に広大な雪原尾根となり、行く手に石黒山の頂上部分が見えてくる。あと高低差百メートルくらい。広い傾斜を登っていくと次第に周辺の視界が開け、乳頭山、秋田駒、岩手山などが並ぶ。すごい絶景だ。空はやや薄曇り。格好の良い白い乳房。平らな笊森山、双耳の秋田駒、そして傾いた岩手山も見えてくる。壮観。二つの鋭鋒が並ぶ秋田駒が特に見事。
プログにもあった通り、石黒山の三角点は小さなコブの上だった。GPSがないと確認は難しかっただろう。標識はないが赤いテープがあった。GPSで確認した石黒山の最高地点は三角点の西だが、平坦な雪原だった。平らな石黒山から広い稜線を辿って荷葉岳へ。のんびりと雪山逍遥。荷葉岳は細い稜線上のピークで、田沢湖や森吉山も見える。
石黒山の西側に出ると、行く手に荷葉岳が見える。複雑な地形の向こうにピークが三つあり、このときはどれが頂上なのかわからなかったが、中央最奥のピークが荷葉岳頂上だった。右手前にある険しいピークは1,210m峰。まだ先は長い。平らな石黒山から広い稜線を辿って荷葉岳へ。緩い傾斜を下り、コルに向かう。地形は複雑で、どこがコルなのか、どこを目指せばいいのか分かりにくい。GPSのピンクラインに従い、やや左下がりの斜面をトラバース気味に進み、低いピーク(1,066m峰南端)に登り返す。GPS軌跡を見ると、きちんと石黒山と1,066m峰のコルを通過している。いったん下り、すぐに次の小ピークに登る。再び下って正面の斜面を登るが、ピンクラインに従い、右にトラバース。
コルから稜線に到達し、1,174m峰に着く。この先でスノーシューの踏み跡を見る。今日のものに見えた。荷葉岳の頂上が近づくと視界が開け、田沢湖も見える。たどり着いた荷葉岳の頂上は細い稜線のピーク。誰もいなかった。男女岳と男岳が並ぶ秋田駒がすばらしい。ここにも標識はなく、灌木に赤いテープ。頂上で腰を下ろし、四周の山々を眺める。石黒山は林に覆われてその名の通り黒々としている。やや薄曇りで写真映りがいまいちなのが残念。北には森吉山も見えている。
荷葉岳頂上でシールを外し、往路とは違うルートを滑走。2度ほど登り返し、林道までの滑走を楽しむ。最初は荷葉岳の南東尾根をコルまで滑走。やや狭いがショートターンで軽快に滑走。スノーシューの踏み跡は1,174m峰の手前から南に下っていた。その1,174m峰を左からトラバースして登りトレースを外れ、コルからカニ登りで、広くて平らな1,190m峰に着く。ここで北東に向きを変え、滑走再開。ここが本日滑走のハイライト。木立がまばらで広い斜面を豪快に滑る。真下の沢に滑り込まず、左岸をトラバースしていき、ピンクラインを外れたあたりで停止。スキーを担いで歩いて斜面を登る。
登り返しは思ったよりも長くなり、石黒山の南にある1,062m峰に到達。再び秋田駒を見る。ピンクラインは1,062m峰から南東尾根だったが、登りトレースに近い東の沢筋の左岸を滑る。対岸から見た南東尾根は痩せていて、滑らなくてよかった。左岸から小尾根を越えて東に向かうが、車道の出発点に近い位置に出られそうなので、南に下る。松の植林帯から雪原中央の丘に登ると、それは林道だった。雪の上に頭だけのカーブミラー。林を抜け、山からスキーで下って来て車道のすぐ横に滑りこんだとき、車道を走る車の人を驚かせてしまったようだ。背後を見上げると、白い斑点の1,062m峰が見えていた。雪原と車道の間は高い段差があり、しかも車道は泥んこ。車道には降りず、車道沿いに雪の上を駐車場に向かって歩く。
雪原に登った箇所から車道に降り、駐車場に戻る。楽しいツアーだった。鶴の湯温泉の日帰り入浴は15時までで入れず。残念。駐車場を出ると青空になっていて、滑走してきた荷葉岳の一角、1,062m峰を再び見る。スキー場から見る秋田駒は少し違う姿で青空に白く映えている。水沢温泉に入るのは2007年以来かもしれない。二つの露天風呂があり、熱い方に入る。湯につかるのは久しぶり。
山にいる間は薄く霞がかかっていて絶景の写真写りがだいなしだったが、夕刻に快晴となり、青空の秋田駒はきれいに写っていた。誰にも会わず、踏跡は荷葉岳付近にしか見なかったが、スキー・ツアーには向いており絶景も楽しめる良い山である。
岩手山(岩手山SAより)
旧版「秋田県の山」で紹介されている荷葉岳と石黒山にスキーで登る。登れるか疑心暗鬼だったが、インターネットにも記録があり、先行トレースはなかったが、GPSを活用して周回。登山道もなく、目立つ姿でもないが、積雪期に登って周囲の展望やスキー滑走を楽しむことができる。
岩手山(雫石付近より)
岩手SAに泊まった翌朝は快晴。盛岡インターから田沢湖に向かうと真っ白な秋田駒と岩手山が見える。
高倉山と雫石スキー場
秋田駒ヶ岳(R46より)
鶴の湯の案内
田沢湖スキー場を過ぎ、鶴の湯の手前奥の駐車場に停める。大白森の登山口。雪はべったりついており、沢があるが踏み跡がない。車道を少し戻って橋を渡り、右岸の雪の上に登って歩き始める。散歩している親子連れ3人。雪壁を登って雪原に上がり、スキーで出かけようとしている私をもの珍しそうに見ていた。雪原は広くてなだらか。すぐに上着を脱ぐ。私は右岸を歩いていたのだが、左岸に踏み跡があり、堰堤の近くに簡易橋があった。しかし橋の先には踏み跡はなく、堰堤監視の踏み跡だったのかもしれない。右岸には踏跡がなかったが、入力しておいたGPSのピンクラインに従って進み、堰堤の手前で左折して支沢沿いに登る。支沢はところどころ割れていて、スノーブリッジを渡りながら登り、頃合いで左岸尾根に取付く。
秘湯・鶴の湯
取付き地点
沢沿いの雪原
尾根登り
広い稜線
雪はべったりついており、沢沿いから広い尾根を登ると、左岸尾根は次第に広大な雪原尾根となり、行く手に石黒山の頂上部分が見えてくる。あと高低差百メートルくらい。広い傾斜を登っていくと次第に周辺の視界が開け、乳頭山、秋田駒、岩手山などが並ぶ。すごい絶景だ。空はやや薄曇り。格好の良い白い乳房。平らな笊森山、双耳の秋田駒、そして傾いた岩手山も見えてくる。壮観。二つの鋭鋒が並ぶ秋田駒が特に見事。
秋田駒ヶ岳
岩手山
石黒山・三角点峰
プログにもあった通り、石黒山の三角点は小さなコブの上だった。GPSがないと確認は難しかっただろう。標識はないが赤いテープがあった。GPSで確認した石黒山の最高地点は三角点の西だが、平坦な雪原だった。平らな石黒山から広い稜線を辿って荷葉岳へ。のんびりと雪山逍遥。荷葉岳は細い稜線上のピークで、田沢湖や森吉山も見える。男女岳と男岳が並ぶ秋田駒がすばらしい。
石黒山・最高点
荷葉岳
石黒山の西側に出ると、行く手に荷葉岳が見える。複雑な地形の向こうにピークが三つあり、このときはどれが頂上なのかわからなかったが、中央最奥のピークが荷葉岳頂上だった。右手前にある険しいピークは1,210m峰。まだ先は長い。平らな石黒山から広い稜線を辿って荷葉岳へ。緩い傾斜を下り、コルに向かう。地形は複雑で、どこがコルなのか、どこを目指せばいいのか分かりにくい。GPSのピンクラインに従い、やや左下がりの斜面をトラバース気味に進み、低いピーク(1,066m峰南端)に登り返す。GPS軌跡を見ると、きちんと石黒山と1,066m峰のコルを通過している。いったん下り、すぐに次の小ピークに登る。再び下って正面の斜面を登るが、ピンクラインに従い、右にトラバース。
荷葉岳
荷葉岳途上から東の景観:小畚山、三ツ石山、岩手山、乳頭山、笊森山、湯森山、秋田駒ヶ岳(男女岳)、秋田駒ヶ岳・雄岳
岩手山
大白森
荷葉岳頂上
コルから稜線に到達し、1,174m峰に着く。この先でスノーシューの踏み跡を見る。今日のものに見えた。荷葉岳の頂上が近づくと視界が開け、田沢湖も見える。たどり着いた荷葉岳の頂上は細い稜線のピーク。誰もいなかった。男女岳と男岳が並ぶ秋田駒がすばらしい。ここにも標識はなく、灌木に赤いテープ。頂上で腰を下ろし、四周の山々を眺める。石黒山は林に覆われてその名の通り黒々としている。やや薄曇りで写真映りがいまいちなのが残念。北には森吉山も見えている。
石黒山(荷葉岳頂上より)
秋田駒ヶ岳
荷葉岳頂上から見る秋田駒ヶ岳
荷葉岳頂上から北東の景観:大深岳、源太ヶ岳、小畚山、三ツ石山、岩手山、乳頭山、笊森山
荷葉岳頂上から北の景観:焼山、八幡平、畚岳、大白森
秋田駒ヶ岳
乳頭山
森吉山
畚岳と曲崎山
荷葉岳頂上から秋田駒ヶ岳
荷葉岳からの滑走
荷葉岳頂上でシールを外し、往路とは違うルートを滑走。2度ほど登り返し、林道までの滑走を楽しむ。最初は荷葉岳の南東尾根をコルまで滑走。やや狭いがショートターンで軽快に滑走。スノーシューの踏み跡は1,174m峰の手前から南に下っていた。その1,174m峰を左からトラバースして登りトレースを外れ、コルからカニ登りで、広くて平らな1,190m峰に着く。ここで北東に向きを変え、滑走再開。ここが本日滑走のハイライト。木立がまばらで広い斜面を豪快に滑る。真下の沢に滑り込まず、左岸をトラバースしていき、ピンクラインを外れたあたりで停止。スキーを担いで歩いて斜面を登る。
カニ登り
1,190m峰からの滑走
1,062m峰への登り
1,062m峰頂上から秋田駒ヶ岳
登り返しは思ったよりも長くなり、石黒山の南にある1,062m峰に到達。再び秋田駒を見る。ピンクラインは1,062m峰から南東尾根だったが、登りトレースに近い東の沢筋の左岸を滑る。対岸から見た南東尾根は痩せていて、滑らなくてよかった。左岸から小尾根を越えて東に向かうが、車道の出発点に近い位置に出られそうなので、南に下る。松の植林帯から雪原中央の丘に登ると、それは林道だった。雪の上に頭だけのカーブミラー。林を抜け、車道に出るが、雪原と車道の間は高い段差があり、しかも車道は泥んこ。山からスキーで下って来て車道のすぐ横に滑りこんだとき、車道を走る車の人を驚かせてしまったようだ。背後を見上げると、白い斑点の1,062m峰が見えていた。車道には降りず、車道沿いに雪の上を駐車場に向かって歩く。
三ツ石山
乳頭山
1,062m峰からの滑走
雪に埋もれたカーブミラー
1,062m峰を見上げる
雪原に登った箇所から車道に降り、駐車場に戻る。楽しいツアーだった。鶴の湯温泉の日帰り入浴は15時までで入れず。残念。駐車場を出ると青空になっていて、滑走してきた荷葉岳の一角、1,062m峰を再び見る。スキー場から見る秋田駒は少し違う姿で青空に白く映えている。水沢温泉に入るのは2007年以来かもしれない。二つの露天風呂があり、熱い方に入る。湯につかるのは久しぶり。
泥んこの車道
車道から見上げる1,062m峰
夕刻の青空と秋田駒ヶ岳
水沢温泉
山にいる間は薄く霞がかかっていて絶景の写真写りがだいなしだったが、夕刻に快晴となり、青空の秋田駒はきれいに写っていた。誰にも会わず、踏跡は荷葉岳付近にしか見なかったが、スキー・ツアーには向いており絶景も楽しめる良い山である。