錫ヶ岳 西日光の長い稜線

栃木県  錫ヶ岳2,388m、 白根隠山2,410m、 前白根山2,372m  2014年9月14日

(錫ヶ岳)栃木百名山、群馬百名山

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菅沼駐車場から溶岩の歩きにくい道を登り、逆光に神秘的な弥陀ヶ池を越えると、五色沼の上にダイヤモンド朝日。

前白根山は草木のない黒い溶岩台地。その頂上から、快晴の青空に奥白根と五色沼。空と山と湖が作る絶景。奥白根の頂上岩峰には、人々が鈴なりに立っていた。

登山者がたくさん行き交う道から道標のない道へ。その稜線の先の白根隠山と白桧岳を越えて錫ヶ岳へ。それは黒々とした樹木に覆われ、地味だが存在感のある姿。

日が陰り、風が吹いてきた。白根隠の岩峰を下り、白桧岳の笹原から林に入り、突然、夫婦連れと出会う。思いがけない人との出会いで、張りつめていた緊張感がほぐれ、ほっとする。

ようやくたどり着いた林の中の錫ヶ岳頂上には、大きな頂上標識に鈴なりの小さな頂上標識、御料局三角点に三等三角点。誰もいないが人の気配のする頂上。去りがたし。

帰りの白桧岳では白色化した枯木が輝き、白根隠山は荒々しい岩峰の姿の迫力。見事な造形。

錫ヶ岳・・・・・白桧岳付近より。黒い樹木に覆われ、地味だが存在感のある姿
白根隠山・・・・・南西側コル付近より。荒々しい岩峰の姿の迫力。見事な造形。
前白根山・・・・・南西側コル付近より。草木のない黒い溶岩台地
弥陀ヶ池
奥白根山と五色沼・・・・・空と山と湖が作る絶景

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いつかテントを担いで登ろうと思っていた錫ヶ岳だが、プログによると、スキー場や菅沼口から日帰りで登っている。私も日帰りのプランを立て、GPSマップを作成し、夏の終わりにトライする。

菅沼キャンプ場の駐車場に着き、入口で1,000円払う。もう満車に近い車が並んでいた。数百メートル先に別の駐車場があったらしいが、このときは分からず。ヘッドランプで出かけていく人たち。

九十九折りの途中で、休憩中の学生パーティを追い越す。溶岩の歩きにくい道を進み、弥陀ヶ池に出る。逆光だが、すばらしい天気になりそうだ、弥陀ヶ池の先に、五色山への分岐があるが、五色沼に下る。ダイヤモンド朝日。

稜線に出ると、前白根への道標がある。錫ヶ岳へは、反対側の西に稜線を進むのだが、案内表示はなし。前白根に向かう。稜線を進むと、中禅寺湖に男体山、そして前白根が見えてきた。それは草木のない黒い溶岩台地。思ったよりも遠い。それにだいぶ下らないといけない。コルまで下りると五色沼への分岐道標があった。人通りが多い。

ガレの九十九折りを登って前白根の頂上に着く。三角点はなく、頂上標識のみ。すごい快晴の青空に奥白根と五色沼が美しい。空と山と湖が作る絶景。登山者がたくさん行き交う。奥白根の左の稜線には白根隠山と、その奥の錫ヶ岳が見えていた。

稜線分岐から錫ヶ岳に向かう。ここからは誰にも会わないだろうと思ったが、向こうから男性が一人下りてきた。白根隠まで行ってきたのだろうか。

白根隠山の頂上にもケルンがあり、その上に頂上標識。そこからは奥白根が雄大で、南には白桧山の向こうに錫ヶ岳が見えている。奥白根の頂上岩峰には、人々が鈴なりに立っているのが見える。日が陰り、風が吹いてきたので、またレインウェアを着込む。白根隠の南西側のガレ場の急斜面を下る。帰りの登り返しが憂鬱だ。右手下には、奥白根山と白根隠山の間の深い谷がある。コルからは笹ヤブが始まる。

古い赤テープと狭い空地のところを過ぎると行く手に錫ヶ岳。黒々とした樹木に覆われ、地味だが存在感のある姿。その先に古い標識跡(読めない)。そのあたりが白桧岳の頂上地点。ここからは錫ヶ岳に向かって下りとなるが、間にいくつかマイナーピークがあるようだ。

P6の先に池。このあたりで笹原の中の踏跡をしばしば見失い、探し回って辿っていく。西の山の斜面に、スキー場ロープウェイの駅が見える。その向こうに燧岳が見えるが、その手前にあるのは四郎岳と燕巣山のようだ。笹原から林に入り、テープを頼りに進む。突然、夫婦連れと出会う。どうやら、避難小屋から錫ヶ岳まで往復していたようだ。思いがけない人との出会いで、張りつめていた緊張感がほぐれ、ほっとする。「気をつけて」と言われ、先を急ぐ。

林の中の小さな広場がある。スキー場から沢を登ってくるルートとの出合はこのあたりなのかもしれない。広場の奥に「水場」の標識。そこからは登りとなる。

休み休みのしんどい登りが続き、最後の笹原の急斜面を登り、頂上手前の窪んだ地形を越え、林の中の錫ヶ岳頂上に着く。木の幹の高いところにある大きな頂上標識、もっと低いところに鈴なりに付けられている頂上標識、御料局の×印の三角点。そして、少し離れた草むらの中に三等三角点を発見した。頂上の反対側に踏跡が続いており、「三俣山、宿堂坊」とある。虫ネットをかぶって少し休み、名残を惜しみながら帰途につく。

白桧が近付くと、白色化した枯木が日に映えている。笹原のどまんなかで白桧岳頂上を認定。荒々しい岩峰の白根隠山がすばらしい。コルから見上げるガレの急斜面もまた迫力。見事な造形。

弥陀ヶ池の手前で暗くなり、ヘッドランプ点灯。ところが、沢筋の石ころの道でロスト。何度か引き返して確認するが、良く分からない。マップとコンパスで方角を定め、道なき平原を直進。ヤブに突入するが、車の走る音が聞こえ、駐車場裏の崖の上に出る。枝や笹を掴んで駐車場に下ると、それは菅沼登山者用駐車場の西側にある駐車場だった。

往路、復路共に8時間、合計16時間のロング・ツアーは、ペテガリの二日目17時間に次ぐもの。前白根山に寄ったこともあるが、ネット記録に比べると明らかにペースが遅いことが分かる。元来、急がずあわてずマイペースなので仕方ないが、もう少しペースを上げられればずいぶん違うだろう。

5:23 菅沼駐車場発 6:56 弥陀ヶ池 7:21 五色沼 8:33 前白根山・・・・・・・・・・・・登り3時間10分 9:43 白根隠山・・・・・・・・・・・・前白根山から1時間10分12:39 錫ヶ岳・・・・・・・・・・・・・・白根隠山から2時間56分、菅沼駐車場から7時間45分12:50 錫ヶ岳発16:28 白根隠山・・・・・・・・・・・・錫ヶ岳から3時間38分17:33 五色沼⒙:21 弥陀ヶ池20:49 菅沼駐車場・・・・・・・・・・白根隠山から4時間21分、錫ヶ岳から7時間59分、往復(含休憩)15時間55分

1.菅沼キャンプ場の駐車場・・・・・入口で1,000円払う。もう満車に近い車が並んでいた。数百メートル先に別の駐車場があったらしいが、このときは分からず。ヘッドランプで出かけていく人たち。

2.溶岩の歩きにくい道

3.弥陀ヶ池・・・・・逆光だが神秘的

4.奥白根山・・・・・弥陀ヶ池の向こうに初めて見える

5.ダイヤモンド朝日

6.五色沼

7.奥白根山・・・・・五色沼から見上げる

8.避難小屋

9.奥白根山と五色沼・・・・・青と緑のコントラスト

10.前白根山・・・・・黒い溶岩台地

11.前白根山頂上から奥白根山

12.太郎山(左)、女峰山(中央)と大真名子山(右)・・・・・小真名子山は女峰山の前に重なっている

13.男体山・・・・・上の写真の右側

14.男体山と中禅寺湖

15.白根隠山・・・・・稜線の北より。こちらから見る白根隠はおだやか

16.白根隠山頂上・・・・・背景は奥白根山

17.奥白根山の頂上に鈴なりの登山者

18.白根隠山からの奥白根山

19.奥白根山と白根隠山の間の深い谷

20.錫ヶ岳・・・・・黒い樹木に覆われ、地味だが存在感のある姿

21.燧岳

22.四郎岳(左)、燧岳(中央奥)、燕巣山

23.丸沼高原ロープウェイ頂上駅・・・・・ここに奥白根山への登山口があるが、錫ヶ岳へのルートもある

24.稜線コル付近・・・・・林の中に池塘がある

25.錫ヶ岳頂上・・・・・林の中の錫ヶ岳頂上には、大きな頂上標識に鈴なりの小さな頂上標識、御料局三角点に三等三角点。誰もいないが人の気配のする頂上。去りがたし。

26.皇海山・・・・・稜線の更に先。帰りの稜線上より

27.庚申山・・・・・皇海山の左(東)

28.中禅寺湖

29.白桧岳・・・・・笹に覆われている

30.白桧岳と白色化した枯木

31.白根隠山・・・・・荒々しい岩峰の姿の迫力。見事な造形。

32.白根隠山・・・・・コルから見上げるガレの急斜面

奥白根山から見る錫ヶ岳(2005年3月7日)

位置

5:23 菅沼駐車場発 6:56 弥陀ヶ池 7:21 五色沼 8:33 前白根山・・・・・・・・・・・・登り3時間10分 9:43 白根隠山・・・・・・・・・・・・前白根山から1時間10分12:39 錫ヶ岳・・・・・・・・・・・・・・白根隠山から2時間56分、菅沼駐車場から7時間45分12:50 錫ヶ岳発16:28 白根隠山・・・・・・・・・・・・錫ヶ岳から3時間38分17:33 五色沼⒙:21 弥陀ヶ池20:49 菅沼駐車場・・・・・・・・・・白根隠山から4時間21分、錫ヶ岳から7時間59分、往復(含休憩)15時間55分