棺森(がんもり)     伝説の秘峰

青森県  588m  2015年2月21日

青森110山

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名山一人旅

私の登る山には名山と呼べない山もあるだろう。だが、登っているときに心ときめくものがあれば、それは私にとって名山だ。

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鋭角的な山容で、伝説が語り継がれているという棺森(がんもり)には登山道はなく、残雪期に登る秘峰になっている。

プログにあった金ヶ沢沿いの林道から北東尾根を登る。

細尾根を登り、吊尾根を渡り、急坂を登ってたどり着いた棺森最高点は細長く、林に囲まれた狭い頂上だった。

最高地点には何もなかったが、細尾根になっている頂上尾根のやや低い西側に行ってみると、木の幹に「三角点↓」のペンキマークがあった。そこに何か三角点があるのだろう。

「青森の山110」には、棺森には坂上田村麻呂に滅ぼされた人の墓があるという伝説が紹介されているが、頂上にはその痕跡はないようだ。最高地点に戻り、休憩。ホットレモンを飲む。ほとんど人の訪れない秘峰に一人。賑やかな百名山の登頂とは違う、心に沁みる山旅。

さて、去り難くなった頂上から下る。バックルを締め、ビンディングを固定して滑走開始。狭い尾根筋のルートを探して滑走するスキーもまた楽しい。さっき苦労した急斜面を一気に滑る。

林道が日陰に入ったところからスキーが滑り出し、最初の堰堤まで順調滑走。駐車地点に戻ると青空が広がり、岩木山が美しく見えていた。

車道を戻る途中、背後には久渡寺山と棺森が並んで見えていた。平坦で四角い顏の久渡寺山に対し、棺森は鋭角的な山容をしている。

 車道を戻る途中、背後には久渡寺山と棺森が並んで見えていた。平坦で四角い顏の久渡寺山に対し、棺森は鋭角的な山容をしている。
急坂を登ってたどり着いた棺森最高点は細長く、林に囲まれた狭い頂上だった。
 駐車地点に戻ると青空が広がり、岩木山が美しく見えていた。
 棺森の北東尾根に取付く。
  8:22 林道入口発  9:41 北東尾根取付き10:47 480m峰12:05 棺森・・・・・・・・・・・・・・登り3時間43分12:29 棺森発、滑走12:47 480m峰トラバース13:08 北東尾根取付き点13:44 林道入口・・・・・・・・・・合計5時間22分

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鋭角的な山容で、伝説が語り継がれているという棺森(がんもり)には登山道はなく、残雪期に登る秘峰になっている。道の駅なみおかでスキーにシールを貼り、ホットレモンを作ってから車を出す。津軽の朝は曇っていて、岩木山は頂上が隠れている。弘前南部の山々が見えるが、どのピークが棺森だろう。

プログにあった金ヶ沢沿いの林道から北東尾根を登ることにし、「大山神」の鳥居のある林道入口に駐車し、GPSのスイッチを入れて金ヶ沢沿いの林道をシールで歩きはじめる。林道湯口線の標識。駐車した本流沿いの道にはダンプが行きかっている。沢の左岸の林道の雪は溶けかけていて歩きにくい。林道分岐が数ヶ所あり、やや迷う。沢と別れて東に登る林道の途中でGPSのコースから逸れていることが分かり、沢岸まで戻る。沢岸の林道を見つけ、左岸から右岸に渡り、進むと大きな堰堤。それを越えたあたりでGPSチェックするとまたコースから逸れているので、戻る。大きな堰堤手前にある分岐を左へ。小さな沢沿いの林道は昔の採鉱跡を越えたところで堰堤の右岸を越えて上流に向かう。

雪に埋まりかけた二俣のところでGPSで確認し、棺森の北東尾根に取付く。正面は急なので、少し右奥から登る。尾根に上がると樹間に青空。上着を脱いで腰にまく。岩木山が見えるが、まだ頂上は雲の中。弘前市街。尾根は次第に広くなり、480m峰に着く。480m峰の樹間から、東の谷向こうに久渡寺山、すぐ西に棺森頂上が見えていたが、正面南に見えている寒汐山が棺森かと思い、尾根沿いに進む。だいぶ下らないといけないようだ。少し下ったところでGPSを確認すると、ルートを外れている。480m峰に戻り、東のすぐ谷向こうのが棺森と分かる。斜面をよく見ると吊尾根があり、そこに下る。

480m峰からのシールでの急坂滑走でブナの細木にぶつかりそうになり、左足を曲げた状態でストップ。右スキーを外して立ち上がるが、左足を少し痛める。青空が広がり、白い雪がきれいだが、木々が邪魔をしていい写真が撮れていない。樹間に雲谷峠が見える。岩木山はすっかり姿を現している。最後の急坂は手ごわく、スキーが斜面をずり落ちるのをバランスでよじ登り、ようやく棺森頂上に着く。細尾根を登り、吊尾根を渡り、急坂を登ってたどり着いた棺森最高点は細長く、林に囲まれた狭い頂上だった。最高地点には何もなかったが、細尾根になっている頂上尾根のやや低い西側に行ってみると、木の幹に「三角点↓」のペンキマークがあった。地理院地図には三角点の印がなく、雪に埋まっていて確認できなかったが、そこに何か三角点があるのだろう。他に標識はなし。

「青森の山110」には、棺森には坂上田村麻呂に滅ぼされた人の墓があるという伝説が紹介されているが、頂上にはその痕跡はないようだ。木々が邪魔で視界はよくない。最高地点に戻り、休憩。ホットレモンを飲む。ほとんど人の訪れない秘峰に一人。賑やかな百名山の登頂とは違う、心に沁みる山旅。

さて、去り難くなった頂上から下る。バックルを締め、ビンディングを固定して滑走開始。ロシニュールB2のショートターンで急坂を滑走。狭い尾根筋のルートを探して滑走するスキーもまた楽しい。さっき苦労した急斜面を一気に滑る。コル直前でストックがブッシュにとられ、スキーを外して取りに行く。480m峰への登り返しを避けてトラバースしたかったが、この前の三角岳の失敗もあるので、北東斜面が見えるところまで横登りで登り返す。うまく登りトレースに合流。北東尾根は次第に狭く、木々が混んできて滑りにくい。ストップ&ゴー。ようやく尾根末端に達し、登ってきた北側斜面を斜めに下って沢沿い。林道が日陰に入ったところからスキーが滑り出し、途中で掘削跡の風景を映すのに停止したが、最初の堰堤まで順調滑走。

日向となり、傾斜もなくなり、ビンディングを外して歩く。駐車地点に戻ると青空が広がり、岩木山が美しく見えていた。片づけしている間、ダンプが何台も通る。雪に埋まった鳥居には大山神とある。

車道を戻る途中で岩木山と八甲田が見え、戻って狭いスペースに停め、雪の上に登って岩木山と八甲田を撮影。いずれも真っ白な派手な雪山。背後には久渡寺山と棺森が並んで見えていた。平坦で四角い顏の久渡寺山に対し、棺森は鋭角的な山容をしている。

棺森へは、昨週、準備して出かけながら天気が悪くてやめていた。藍内集落からの北西尾根と、金ヶ沢からの北東尾根の二つがプログに記録されており、GPSには両方を入力していたが、2013年に記録のある金ヶ沢に向かう。沢沿いの林道から尾根を登ったが、GPSを見て何度もルートを修正した。この新しいGPS、イートレックスが無ければ、棺森には登れていなかっただろう。これで私の登山は変わるだろう。

林道入口の鳥居

鋭角的な山容で、伝説が語り継がれているという棺森(がんもり)には登山道はなく、残雪期に登る秘峰になっている。道の駅なみおかでスキーにシールを貼り、ホットレモンを作ってから車を出す。津軽の朝は曇っていて、岩木山は頂上が隠れている。弘前南部の山々が見えるが、どのピークが棺森だろう。

雪の林道

プログにあった金ヶ沢沿いの林道から北東尾根を登ることにし、「大山神」の鳥居のある林道入口に駐車し、GPSのスイッチを入れて金ヶ沢沿いの林道をシールで歩きはじめる。林道湯口線の標識。駐車した本流沿いの道にはダンプが行きかっている。沢の左岸の林道の雪は溶けかけていて歩きにくい。林道分岐が数ヶ所あり、やや迷う。沢と別れて東に登る林道の途中でGPSのコースから逸れていることが分かり、沢岸まで戻る。沢岸の林道を見つけ、左岸から右岸に渡り、進むと大きな堰堤。それを越えたあたりでGPSチェックするとまたコースから逸れているので、戻る。大きな堰堤手前にある分岐を左へ。小さな沢沿いの林道は昔の採鉱跡を越えたところで堰堤の右岸を越えて上流に向かう。

尾根登り

雪に埋まりかけた二俣のところでGPSで確認し、棺森の北東尾根に取付く。正面は急なので、少し右奥から登る。尾根に上がると樹間に青空。上着を脱いで腰にまく。岩木山が見えるが、まだ頂上は雲の中。弘前市街。尾根は次第に広くなり、480m峰に着く。480m峰の樹間から、東の谷向こうに久渡寺山、すぐ西に棺森頂上が見えていたが、正面南に見えている寒汐山が棺森かと思い、尾根沿いに進む。だいぶ下らないといけないようだ。少し下ったところでGPSを確認すると、ルートを外れている。480m峰に戻り、東のすぐ谷向こうのが棺森と分かる。斜面をよく見ると吊尾根があり、そこに下る。

尾根登り

尾根登り

樹間の棺森

樹間の久渡寺山

最高地点直前

480m峰からのシールでの急坂滑走でブナの細木にぶつかりそうになり、左足を曲げた状態でストップ。右スキーを外して立ち上がるが、左足を少し痛める。青空が広がり、白い雪がきれいだが、木々が邪魔をしていい写真が撮れていない。樹間に雲谷峠が見える。岩木山はすっかり姿を現している。最後の急坂は手ごわく、スキーが斜面をずり落ちるのをバランスでよじ登り、ようやく棺森頂上に着く。細尾根を登り、吊尾根を渡り、急坂を登ってたどり着いた棺森最高点は細長く、林に囲まれた狭い頂上だった。最高地点には何もなかったが、細尾根になっている頂上尾根のやや低い西側に行ってみると、木の幹に「三角点↓」のペンキマークがあった。地理院地図には三角点の印がなく、雪に埋まっていて確認できなかったが、そこに何か三角点があるのだろう。他に標識はなし。

棺森・最高地点

「青森の山110」には、棺森には坂上田村麻呂に滅ぼされた人の墓があるという伝説が紹介されているが、頂上にはその痕跡はないようだ。木々が邪魔で視界はよくない。最高地点に戻り、休憩。ホットレモンを飲む。ほとんど人の訪れない秘峰に一人。賑やかな百名山の登頂とは違う、心に沁みる山旅。

木の幹に「三角点↓」のペンキマーク

細尾根の滑走

さて、去り難くなった頂上から下る。バックルを締め、ビンディングを固定して滑走開始。ロシニュールB2のショートターンで急坂を滑走。狭い尾根筋のルートを探して滑走するスキーもまた楽しい。さっき苦労した急斜面を一気に滑る。コル直前でストックがブッシュにとられ、スキーを外して取りに行く。480m峰への登り返しを避けてトラバースしたかったが、この前の三角岳の失敗もあるので、北東斜面が見えるところまで横登りで登り返す。うまく登りトレースに合流。北東尾根は次第に狭く、木々が混んできて滑りにくい。ストップ&ゴー。ようやく尾根末端に達し、登ってきた北側斜面を斜めに下って沢沿い。林道が日陰に入ったところからスキーが滑り出し、途中で掘削跡の風景を映すのに停止したが、最初の堰堤まで順調滑走。

林道の滑走

日向となり、傾斜もなくなり、ビンディングを外して歩く。駐車地点に戻ると青空が広がり、岩木山が美しく見えていた。片づけしている間、ダンプが何台も通る。雪に埋まった鳥居には大山神とある。

相馬村から見る棺森

車道を戻る途中で岩木山と八甲田が見え、戻って狭いスペースに停め、雪の上に登って岩木山と八甲田を撮影。いずれも真っ白な派手な雪山。背後には久渡寺山と棺森が並んで見えていた。平坦で四角い顏の久渡寺山に対し、棺森は鋭角的な山容をしている。

 四角い久渡寺山と鋭角的な棺森

真っ白な岩木山

棺森へは、昨週、準備して出かけながら天気が悪くてやめていた。藍内集落からの北西尾根と、金ヶ沢からの北東尾根の二つがプログに記録されており、GPSには両方を入力していたが、2013年に記録のある金ヶ沢に向かう。沢沿いの林道から尾根を登ったが、GPSを見て何度もルートを修正した。この新しいGPS、イートレックスが無ければ、棺森には登れていなかっただろう。これで私の登山は変わるだろう。