岩手山 傲岸不屈な東北の名峰

岩手県  岩手山2,038m、鬼ヶ城1,841m、黒倉山1,570m迂回、姥倉山1,517m、湯ノ森1,049m  2005年9月9日

(岩手山)日本百名山

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名山一人旅

深い森の道から稜線に上がり、展望が開けると、周囲の名峰、秋田駒ヶ岳、乳頭山、三ツ石山、大深岳、源太ヶ岳、八幡平などがずらりと並ぶ。壮観。

そして、居並ぶ名峰を見下ろすように、傾いた岩手山が現われる。傲岸不屈な東北の名峰。

鬼ヶ城尾根から見下ろす火口原には広大な緑の森と神秘的な火口湖。

傾いた岩手山に上がると、灰色の噴火口と砂礫の頂上、そこに集う人々。雄大な鬼ヶ城尾根の全景。

帰りは火口原に下り、二つの火口湖、御苗代湖と御釜湖のほとりへ。森に隠れた御釜湖の上に立つ緑の岩手山。

もう暗くなった松川温泉に着き、大きな露天風呂に寄っていく。

四周から見る岩手山: 傲岸不屈さは変わらないが、その姿は見る方向により大きく変化する

北の安比スキー場から見る岩手山は、丸い山頂から伸びるスロープが美しく、優雅。

東(西根付近)から見る岩手山は、美しいスロープの富士型の東岩手に、鬼ヶ城尾根の一角がかぶさっている。

南西(雫石スキー場下)から見る岩手山は横長で、ややおとなしい姿。

行く手に現われた傾いた岩手山。周囲を圧する傲岸不屈な姿
森に隠れた御釜湖の上に立つ緑の岩手山。
北の安比スキー場から見る岩手山は、丸い山頂から伸びるスロープが美しく、優雅。
東(西根付近)から見る岩手山は、美しいスロープの富士型の東岩手に、鬼ヶ城尾根の一角がかぶさっている。
南西(雫石スキー場下)から見るややおとなしい岩手山
岩手山頂上から見る雄大な鬼ヶ城尾根の全景。左端は頂上の一角、右端奥に御苗代湖と尾根末端の黒倉山
5:58 松川口発 8:25 姥倉山 9:14 切通分岐(鬼ヶ城尾根へ)11:25 鬼ヶ城(御神坂分岐)12:11 不動平分岐12:17 岩手山・・・・・・・・・・・・・・・登り6時間19分12:52 岩手山発13:14 不動平分岐(旧火口原へ)14:09 木道14:16 御釜湖14:18 御苗代湖15:10 切通分岐(往路に戻る)16:03 姥倉山18:06 松川口・・・・・・・・・・・・・・・往復(含休憩、一部周回)12時間8分

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早朝に松川温泉を出発し、濡れた葉の登山道を歩く。展望が開けると森の上は晴天。背後に現われた広大な稜線台地は大深岳と源太ヶ岳。その左に頂上に石を抱いた三ツ石山、南西には小さな尖峰の乳頭山と外輪の上のドームの姿の秋田駒。北には前森山から茶臼岳、八幡平、畚岳までの稜線。名峰がずらりと並んでいる。壮観。稜線を登り、姥倉山を過ぎると、行く手に傾いた岩手山の頂上が現われる。傲岸不屈な東北の名峰。周囲の諸峰を見下ろしているような貫禄。

鬼ヶ城尾根に向かい、 切通分岐から尾根に登っていくとヘリコプターが飛んでいる。不動平小屋の工事をやっていて、10回以上、荷物を運んでいた。鬼ヶ城尾根からの眺望も素晴らしい。正面に頂上がそびえ、眼下には広大な緑の火口原と神秘的な湖。岩手山の右後方(南西)には早池峰、南の眼下には箱ヶ森から東根山の山塊、南西には和賀連峰、その手前にスキー場のある高倉山。鬼ヶ城尾根では誰にも会わず、不動平に降りて初めて人に出会う。

ザレ道を登って12時半前に山頂に着く。平日にかかわらず頂上は10数名の賑わい。頂上からの景色は絶景。いかめしい中央火口の妙高岳、眼下に広がる緑の西岩手・旧噴火口とその中央で水をたたえる御苗代湖。その両側に切り立つ鬼ヶ城と屏風尾根。午後から雲が出てきて、西の遠くの山はもう見えない。

帰りは旧火口原に下る。不動平からの下りにある平べったい岩。今にも倒れそうに見える。木道に出るが花は無し。1年ぶりに御釜湖と御苗代湖を見る。ヤブは刈り払いされていた。澄んだ水をたたえる御苗代湖。森に隠された御釜湖とその上に立つ岩手山。青空に岩手山頂が映えている。

沢に出ると少し下流で硫黄のような白いのが出ていて、そこから下流は濁っている。ここから登り返しとなり、15時過ぎに切通。黒倉山、姥倉山を過ぎ、余り人の歩いていない道を淡々と下る。湯ノ森あたりで日が暮れ、暗がりのなかを登山口に到着。松川荘に寄って、大きな露天と室内風呂に入る。

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メモ: 四周から見る岩手山: 傲岸不屈さは変わらないが、その姿は見る方向により大きく変化する

①西の三ツ石山から見る岩手山は、姥倉山から見たのと同じ、傾いた岩手山。遠くから見ると、アシンメトリー(左右非対称)が強調されている。

②北西(源太ヶ岳)から見る岩手山は、東岩手のスロープの上に西岩手のギザギザがかぶさり、いかつく見える

③北の安比スキー場から見る岩手山は、丸い山頂から伸びるスロープが美しく、優雅。西岩手のギザギザは目立たない。東北道の北から見る姿

④北東(焼走登山口)から見る岩手山は富士山型。左右均整がとれている姿

⑤東(西根付近)から見る岩手山は、日本百名山に掲載されている写真とほぼ同じアングルで、「日本の汽車の窓から仰ぐ山の姿の中で、最も見事なものの一つであろう」とされている。美しいスロープの富士型の東岩手に、鬼ヶ城尾根の一角がかぶさっている。

⑥南東の青松葉山から見る岩手山は、富士形の東岩手に西岩手の鬼ヶ城(鬼又沢とハート沢)が喰らいついているようにも見える。

⑦南東、直下にある鞍掛山から見あげる岩手山はゴツゴツした沢筋だらけの斜面。

⑧南西にある雫石スキー場(下)から見る岩手山は横長で、ややおとなしい姿。東北道の南から見る姿

⑨ところが、同じ雫石スキー場の高い地点から見る岩手山は、とても豪快な姿となる

早朝、松尾八幡平付近からの岩手山

優雅な山裾に暁の光

大深岳(左奥)と源太ヶ岳

広大な稜線台地

小さな尖峰の乳頭山


頂上に石を抱いた 三ツ石山


秋田駒ヶ岳(手前左:三角山、中央手前:笊森山)

外輪の上のドームの姿

犬倉山(右手前)と鎌倉森・・・右奥シルエットが和賀連峰



姥畚岳(左端)から八幡平、茶臼岳(中央)、前森山(右端)と並ぶ稜線・・・・・北側

姥倉山


鬼ヶ城とヘリコプター

不動平小屋の工事をやっていて、10回以上、荷物を運んでいた

黒倉山

岩手山の外輪の西端

広大な火口原と神秘的な火口湖、御苗代湖

二等辺三角形の早池峰

眼下に連なる箱ヶ森から東根山の山塊

和賀連峰(奥)と犬倉山の小屋(中央)

岩雫石スキー場のある高倉山と小高倉山(中央の縦に二つ並んだ山)

不動平小屋の工事をやっていて、10回以上、荷物を運んでいた


鬼ヶ城尾根・・・・・岩手山頂上の一角(左端)から黒倉山と御苗代湖(右端奥)

岩手山頂上

頂上火口と火口丘(妙高岳)


不動平からの下りにある平べったい岩。今にも倒れそうに見える

火口原の木道


森に隠された御釜湖とその上に立つ岩手山

澄んだ水をたたえる御苗代湖


白く濁った水


四周から見る岩手山

①西(三ツ石山)から見るアシンメトリーな岩手山(2008年4月映像)

姥倉山から見るのと同じ、傾いた岩手山。その手前に西岩手の全景、屏風岩尾根(左)と鬼ヶ城尾根(右)その間の火口原の左手前に姥倉山。

遠くから見るとアシンメトリーが強調されている。

②北西(源太ヶ岳)から見るいかつい岩手山(2015年4月19日映像)

上の映像よりも少しだけ北からの映像だが、左に伸びる美しいスロープが目立ち、かなり違った印象。

③北(安比スキー場)から見る優雅な岩手山(2002年1月映像)

左にゆったり伸びるスロープが美しい。右に相変わらず西岩手を背負っているが、それが目立たないほど。

東北道の北側から見えるのと同じ

④北東(焼走登山口)から見る富士山型の岩手山(2003年8月22日映像)

西岩手が見えなくなり、左右均整がとれている姿

⑤東(西根付近)から見る岩手山(2007年1月21日映像)

日本百名山に掲載されている写真とほぼ同じアングルで、「日本の汽車の窓から仰ぐ山の姿の中で、最も見事なものの一つであろう」とされている

美しいスロープの富士型の東岩手に、鬼ヶ城尾根の一角がかぶさっている

⑥南東(青松葉山)から見る岩手山(2006年4月映像)

上の映像よりも高い位置から見た映像。頂上噴火口が見える

富士形の東岩手(右半分)に西岩手の鬼ヶ城(鬼又沢とハート沢)が喰らいついているようにも見える

⑦南東(鞍掛山頂上)から見るゴツゴツした岩手山(2007年1月21日映像)

岩手山の真下から見上げるアングル。鬼ヶ城尾根のゴツゴツした沢筋だらけの斜面。頭上右はハート沢。

⑧南西(雫石スキー場下)から見るややおとなしい岩手山(2002年1月映像)

東北道の南側から見るのと同じ、横長の姿


⑨南西(雫石スキー場上)から見る豪快な岩手山(2002年1月映像)

上の映像から高度が上がると、傾いた頂上が見えてきて、臥せていた獣が立ち上がろうとしているように見える