三瓶山(さんべ)     神話の山、草黄葉の旅

島根県  1,126m  2007年11月25日 

(男三瓶1,126m、女三瓶953m、子三瓶961m、孫三瓶900m、太平山854m)

日本二百名山

31

名山一人旅

私の登る山には名山と呼べない山もあるだろう。だが、登っているときに心ときめくものがあれば、それは私にとって名山だ。

🍂🍂🍂🍂🍂

北の原から林を登ると草黄葉の三瓶トロイデの世界。国引きの杭になった三瓶の山々を順に巡る。

太平山から石畳を登ってアンテナの女三瓶に向かうと、眼下に水をたたえた小さな火口湖

女三瓶の展望所からは、黒い三角形の孫三瓶、うねった草紅葉の子三瓶、大きな草紅葉の男三瓶。秋空に草黄葉の山旅。

西の原に向かうと、定めの松のところで思いがけず男三瓶山に再会。白いすすきと秋空の中に丸く大きく描かれた稜線のアーチが見事。

 西ノ原から見る男三瓶山。
草黄葉の広い頂上広場の山頂小屋
男三瓶の頂上は柵で囲われているが四周が開けた展望台
定めの松・・・・・一里塚の役割のものらしい
 西ノ原から見る男三瓶と子三瓶 
  8:20 北の原登山口発  9:38 男三瓶山(1,126m)10:47 子三瓶山(961m)11:17 孫三瓶山(907m)11:49 大平山 (854m)12:19 女三瓶山(957m)13:18 北の原登山口・・・・・・・・・・周回4時間58分

*********

佐田町に入ると「三瓶山」の交通案内標識があり、行く手に女三瓶が見えてくる。山頂にたくさんアンテナが立っている。青少年山の家の「北の原登山口」に駐車し、準備していると団体さんが一台やってきたので先に出発。九十九折の急登となり、標高900mを越えたあたりで落葉樹の合間に景色が見えてくる。

稜線に達すると忽然と平らな頂上台地に出る。草黄葉の平原に広い頂上広場、左手に山頂小屋がある。男三瓶の頂上は柵で囲われているが四周が開けた展望台。大きな頂上標識に巨大な一等三角点が小さく見える。方位盤もある。北に日本海と国引き(*)の島根半島が見えるはずだが、霞んでいた。南端にいってみると、「室の内」という旧火口跡を見下ろせるが、朝日の逆光でよく見えず。左奥に室の内池が白く光っている。

男三瓶から下っていくと、正面に子三瓶が低く大きく見えてきた。その左手に逆光に霞む孫三瓶、左端にアンテナの立ち並ぶ女三瓶。いずれも男三瓶に比べるとずいぶん低く見える。よって、子三瓶へはかなり急な下り道。コルから子三瓶に登っていくと樹木の生い茂った室の内火口の底が眼下に広がり、男三瓶が高くそびえる。子三瓶の頂上は縦走路から少し外れたところにあり、そこからすすきの向こうに男三瓶が聳えている様もなかなか立派。

孫三瓶からは林の中の縦走路となり、やがて視界が開けてきて、太平山に着く。広いスペースにベンチもあり、眺望が素晴らしい。太平山からは道が格段によくなり、下った先のコルはリフトに続いていた。火口側には展望所。石畳を登って女三瓶に向かうと、眼下にスキー場が見える。リフトは動いていなかったが、客がくると動かすのだろうか。眼下に水をたたえた小さな火口湖。女三瓶の展望所からは、黒い三角形の孫三瓶にうねった草紅葉の子三瓶、大きな草紅葉の男三瓶を見る。

下山してから西回りで三瓶温泉に向かうと、南側に廻りこんだところにある定めの松のところで思いがけず男三瓶と子三瓶に再会する。そこは広い原っぱの西の原で、店と駐車場があり、人々が遊んでいる。その西の原の背景に、原っぱと同じ草紅葉の三瓶山が立っていた。すすきを前景、青空を背景にし、丸く大きく描かれた稜線が見事。

(*)メモ

 紅葉の女三瓶山・・・山頂にアンテナが見える。東側より

 北ノ原の駐車場

 草黄葉の広い頂上広場の山頂小屋

 男三瓶の頂上は柵で囲われているが四周が開けた展望台

 「国引き」に関する説明

ここからは、三瓶山の北の方向が展望できます。眼下に見えるのが北の原で、県立三瓶自然館やキャンプ場、国立三瓶青年の家などの各施設が見られます。また、前方には、国引き神話の舞台となった白砂青松の出雲砂質海岸と島根半島が見られます。新羅の国から引き寄せたという島根半島を弓なりにのびる砂浜を綱にし、三瓶山を杭にしてつなぎとめたという壮大な物語を思い浮かべながら眺めてみるのもおもしろいでしょう。島根半島の西端(左手)が日御碕、少し手前の砂浜が終わるあたりが出雲大社です。また、天気の良い日には日本海の海上に隠岐島を望むこともできます。

 ところどころ岩肌を見せる男三瓶山・・・子三瓶への途中より

 草黄葉の子三瓶山・・・孫三瓶付近より

 黒い三角形の孫三瓶、うねった草紅葉の子三瓶

 太平山頂上・・・・・広いスペースにベンチもあり、眺望が素晴らしい

 太平山頂上から女三瓶を見上げる

 女三瓶・・・・・山頂に立つアンテナに近づく

 水をたたえた小さな火口湖

 大きな草紅葉の男三瓶

 定めの松・・・・・一里塚の役割のものらしい

 男三瓶と子三瓶