観音森、丁岳(ひのと) 南秋田の縦走路
秋田県 観音森1,050m、丁岳1,146m、庄屋森1,091m、萱森1,070m 2016年7月24日
(観音森)旧秋田県の山・脚注
(丁岳)東北百名山
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美しい出羽富士の形の鳥海に、ずっしりと立つ重厚な丁岳。二つの山のツー・ショットが迫るすごい眺め。
観音森、庄屋森、萱森は対照的に緑の丸いピークで、それぞれの頂上にはカラー刷りの頂上標識。
周囲は山また山で、縦走路からは出羽山地の名峰、甑山(こしき)と加無山(かぶ)の双耳が印象的。
萱森の東面の登路はほとんど垂直に見え、足元はしっかりしていたが終始不安。時々休憩しながら登ったが、緊張が解けることはなく、頂上に着いたときはほっとした。
その先の広くて平坦なところで昼寝。心地よい。
八方まで登り返すと、観音森、庄屋森、萱森とつづく縦走路の全景が見渡せた。眼下には縦走路の反対側から見たあの丁岳の急斜面を見下ろす。これまた絶景。
丁岳頂上で初めて人に会う。ずっと一人で歩いてきたためか、人声の中に入ると緊張感が抜け、安心感に包まれる。
周回9kmのハードな縦走だった。道の大半は生きているが、数ヶ所が分断されている。整備すれば、すばらしい縦走路がよみがえるだろう。
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前回、丁岳に登ったのは2008年。このときは登山口から左回りに丁岳に登り、丁岳頂上から縦走路を南西へ萱森まで登ってそこで引き返し、丁岳と萱森の間の下山路を下っている。よって、今回は縦走路を右回りに進み、まだ登っていない観音森と庄屋森に登るのが第一目標。
しかし、登山口についてみると、前回には存在した観音森への道標はない。どっちみちヤブは覚悟していたので、GPSで方角を見定めて進む。登山道の踏み跡は大部分しっかり残っていたものの、3ヶ所で見失った。詳細は以下のとおり。
(観音森までの登山道)
荒れた作業道らしき踏跡を進み、岩がむき出しになった斜面で最初のロスト。GPSの破線も怪しいので、潅木尾根に上がって尾根を登る。P1を過ぎたあたりで登山道に遭遇。登山道は尾根のだいぶ北側をトラバースしているらしい。その後、急坂で2度目のロスト。坂の上で登山道に復帰。次は観音森への最後の登りの途中、大きな岩の右の獣道みたいな踏み跡を登ると、本当に獣道だったらしく、ロスト。面倒なのでそのまま登り、だいぶ上で登山道に復帰。やはり登山道は大岩の左側にあったようだ。
観音森頂上の少し手前に小さな展望ピークがあり、全方位が見渡せた。雲がとれそうな鳥海にずっしりと立つ重厚な丁岳。その二つの山のツー・ショット。すごい眺めだ。観音森頂上にはカラー刷りの頂上標識。周囲は山また山で、縦走路からは西に、甑山や加無山を同定。どちらも緑の丸い双耳峰。
稜線を辿り、庄屋森。ここにもカラー刷り頂上標識。行く手に見える萱森の東面に見える登山路はほとんど垂直に見える。それを登れるか不安だったが、取付いてみると、頼りの潅木は多くないものの、ホールドとなるものはあり、思ったより足元はしっかりしていて、行き詰ることなく登れた。時々休憩して周囲を撮影。この急坂にのみギボウシが咲いていた。8年ぶりの萱森頂上のカラー刷り頂上標識に再会(と思ったが、2代目だったようだ)。あのときはロープがあったような気がするが、今回はなし。ここをロープなしで下るのは至難だろう。その後も滑りやすい下り、道が崩壊している崖のトラバースがあったが、ロストはなし。広くて平坦なところで昼寝。心地よい。
コルから丁岳に登り返していき、丁岳頂上の東にある八方というピークのあたりからは、観音森、庄屋森、萱森とつづく縦走路の全景が見渡せる。ツブツブの岩は丁岳の頂上西の崖の淵にあり、それが最後の難場。今回は登りだったが、ここをロープなしで下るのはかなりのストレスだろう。丁岳頂上で初めて人に会う。5人ほどいたので、人気のほどがうかがえる。「この先の展望所はすぐですか?」と聞かれ、ハイと答えたが、丁岳からの下りではほとんど展望はなかったので、八方まで行かないとあのすばらしい景色、広大な縦走路や鳥海山は見ることはできないのだろう。
下りの途中で西への分岐を展望所に寄るが、もう鳥海は雲の中。その下のお花畑にも寄ったが、何もなし。スティックを出して長い下りを降りる。途中で追い付いてきた若い3人に先に下ってもらい、ゆっくり最後の1km弱を下る。樹間から、観音森、庄屋森、萱森が並んでいるのを見る。
周回9kmだが、ずいぶんハードな縦走だった。道の大半は生きているが、数ヶ所が分断されている。整備すればすばらしい縦走路がよみがえるだろう。
観音森への入口・・・・・GPSで方角を見定めて進む。丁岳登山口よりも少し奥
2008年には存在していた「観音森~丁岳コース」の道標・・・・・今回はなし
花1: 青いヤマアジサイ
花2: トリアシショウマ
花3: ヒヨドリバナ
P1・665m峰頂上・・・・・潅木尾根に上がって尾根を登り、P1を過ぎたあたりで登山道に遭遇。登山道は尾根のだいぶ北側をトラバースしているらしい
登山道・・・・・P1の先で遭遇。しっかりした踏み跡
観音森・・・・・最後の登りの手前より。
観音森頂上のカラー刷り頂上標識・・・・・古い標識が重ねてある
花4: カラマツソウ
丁岳・・・・・庄屋森付近より。
鳥海山・・・・・ここから見る鳥海山はほとんど富士山の形。出羽富士の姿の鳥海
庄屋森・・・・・萱森頂上より。周囲にマイナーピークをいくつか従えた姿
庄屋森のカラー刷り頂上標識・・・・・「森」の字に黄色と青色が配色されている。この下にも古い標識が重なっていた
萱森・・・・・庄屋森とのコル付近より。大きなスラブ岩の右、斜面中央の薄緑の跡が登路。
この萱森の北面に見える登山路はほとんど垂直に見える。それを登れるか不安だったが、取付いてみると、頼りの潅木は多くないものの、ホールドとなるものはあり、思ったより足元はしっかりしていて、行き詰ることなく登れた。
ただし、ここをロープなしで下るのは至難だろう。
萱森の登り
花5: ギボウシ・・・・・萱森の急斜面にのみ群落が咲いていた
萱森のカラー刷り頂上標識 ・・・・・8年ぶりの萱森頂上のカラー刷り頂上標識に再会と思ったが、2代目だったようだ。8年前のものと構図は同じだが、ちょっと違っていた
8年前の萱森のカラー刷り頂上標識
花6: アリドオシ
花7: イワオトギリ
花8: 白いヤマアジサイ
花9: クロヅル
甑山・・・・・女甑(左)と男甑の双耳峰。庄屋森頂上付近より
加無山とトンボ・・・・・男加無(左)と女加無の双耳峰。庄屋森頂上付近より
八方(左手前)と丁岳(右奥)・・・・・P8・1,000m峰付近より。
観音森、庄屋森、萱森
八方から下の情景・・・・・中央の尾根沿いに丁岳への登山路がある。はるか眼下
丁岳頂上・・・・・石版(「奉納、山神」とある)に一等三角点
観音森(左端)、庄屋森(右から2番目)、萱森(右端)・・・・・縦走路最後のマイナーピークより。登山口まで10分の位置。
花10: ナデシコ
花11: ミヤマトウキ(ミヤマセンキョウ)?
花12: ナナカマドの実
花13: シロバナニガナ
花14: ヘビイチゴ