三界山 焼石連峰の西の鋭峰

岩手県  三界山1,381m、大森山1,149m  2016年4月10日

(三界山)岩手の山150

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閉鎖中の国道397号を秋田側から歩き、大森トンネル、大森山を経て、焼石連峰の秘峰・三界山に向かう。

夜明けに大森山トンネルに着き、稜線に上がり、初めて焼石連峰の西側の情景を見るが、どれが焼石岳?どれが三界山?しばらく分からず。

丸くて大きな大森山に登ると、焼石連峰が東に並び、その北端に右に頭を傾けた三界山。

大森山の東斜面を滑走して尾根に下るが、ハンガーノック症状が出てペースが落ちる。

ようやく到達した頂上はガスに包まれて視界が無かったが、雪の上の三角点とアイゼンの踏み跡を見つけた。

頂上からの徒歩の下りは試練の登りに比べて楽だったが、尾根のすぐ横の南西斜面には雪が豊富についており、スキー滑走できなかったのが残念。

ブッシュ帯を抜け、スキーをつけて南西尾根の下半分を滑走。その先、更に1kmくらい滑走し、最低コルでシールを貼る。へばりきっていたので、ゆっくり歩いて大森山手前コルに向かう。しんぼうのシール歩行。

大森山手前コルからは大森山をトラバース。夏道ルートがあるらしく、テープを見た。トラバースを終わり、滑走再開。往路に戻ると驚いたことに複数の踏み跡があった。大森山まで行ったのだろうか。三界山頂上の踏み跡といい、ここに登っている人は少なくないようだ。

トンネルのすぐ下から、電線の下のショートカット・コースを滑り、夏道の登山道表示に出る。そこからしばらく車道滑走だが、車道の雪は思ったよりもよく滑ったので助かった。終盤は雪のないところでスキーを担ぎ、トンネルでヘッドランプを点け、ゲートに帰着。

三界山・・・・・稜線上の1,054m峰付近より。右手前の南西尾根を登ったが、黒く見えるブッシュ帯は強烈だった。
大森山頂上からの情景2・・・・・南本内岳(中央)と焼石岳(南本内岳の右奥)
大森山・・・・・東側から見た姿。往路では頂上から左(南東)尾根を滑走。復路では裏側(南側)をトラバース
三界山頂上の三角点・・・・・雪から出ていた。三等三角点
焼石連峰(帰路の稜線上より):左端・三界山、左から3つ目・南本内岳、右端・柴沢山
3:40 ゲート発 6:44 大森山トンネル 9:11 大森山11:15 南西尾根起点13:24 三界山・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・登り9:4413:39 三界山発14:46 南西尾根起点16:24 大森山トラバース17:53 大森山トンネル18:45 ゲート着・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・往復(含休憩)15:05

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1時アラームで起き、着替え、ホットレモンをテルモス2杯分作り、出発。ゲートに着くと、ゲートの向こうは雪が積もっている。そこで自転車を出さず、シールで出発。スキーウェア上下にレインウェアも上下を着込んでいく。夜は寒い。ところが、数十メートル進むと雪が切れて舗装路が出ている。そこで、車に戻って自転車を出し、再出発。ところが、舗装路を数十メートル進むとまた雪が積もっている。自転車はタイヤの空気が抜けていたこともあり、もう一度車に戻って自転車をしまい、再々度出発。いやはや。

雪の切れているところを数か所、スノーショエッド一つとトンネル3つにも雪がなく、スキーを担いで歩く。まだ暗かったので写真なし。明るくなると北東方向に大森山の西にある1060m峰が見える。まだ夜明け前に焼石岳登山道入口表示を通過。林道が1060m直下あたりまで付いているのだろう。大森山トンネル直前のヘアピンカーブでショートカット。他にもショートカットできる箇所はたくさんあった。秋田県のシンボル、スギッチに東成瀬村の仙人。ようやく大森山トンネルに到着し、最初の休憩。パンを食べ、テルモスのホットレモンを半分強飲む。8kmを3時間、時速2.5km強。

トンネル脇の斜面には古いスキートレース、潅木の枝にピンクテープがある。やはり登っている人はいるようだ。斜面を登っている途中でスキーウェアを脱ぐ。この後着ることはなし。ややトラバース気味に北東方向に登り、稜線上に出る。最初に見えたのは1180m峰の三つのピーク、その左に柴沢山3峰(1241m、1250、1280)。最初は尖っている1280m峰が三界山と思った。その更に左に頭だけ見えていたのが三界山だった。稜線ピークから北に滑り降りる。ここは帰りにシールを貼って登った。背後には登ってきた稜線とその左(東)にR397の高架橋が見える。

980mピークに達すると、初めて行く手に大森山の大きな丸い頂上が見えた。その右奥にあるあのピークが三界山で間違いあるまい。今日は晴れるはずだが、いつの間にか太陽は雲に隠れてしまった。日差しの中を歩くよりはいいが、写真写りはいまいち。大森山へは思ったよりも長くて急な登りで、ようやく頂上に着き、休憩。一つ目のバナナを食べる。三界山と南本内岳が並び、その右奥にわずかに焼石岳が見えている。その手前が1511m峰。その右に柴沢3山。雁森岳のときとはだいぶ違う広い稜線歩き。行く手には三界山があと3kmのところにあり、低いくねくねした稜線が続いている。コルまではだいぶ急坂のようなので、シールを外して滑走。だいぶ右寄りに方向転換し、急斜面の小尾根を横滑りを交えた滑走でコルまで滑る。まばらな潅木を避けながらの滑走。

コルに滑り降り、シールを貼って1080m峰に登り始めるが、ここでハンガーノックになる。心臓の鼓動が速くなり、進めなくなる。登らずに左にトラバースしてゆき、次のコルに滑り込む。かなりの急傾斜だったが、雪は柔らかく、ザラメなので難しくはなかった。コル3でザックを下ろして休憩。ここからは緩い下りになるため、ザックを下ろさずにこまめに休憩とりながらゆっくり前進。やや複雑な地形をGPSを見ながら方角確認し、広いコルに滑り込んで行く手の広い稜線の左をトラバース気味に登る。少し登ったところで休憩。少しでも登りが入ると疲れてしまう。

西尾根は登りにくそう。南西斜面には滑走できそうだが、スキーでは登れまい。ずっと東まで回り込むべきだったのだが、その手前にある南西尾根が登れるだろうと思った。その南西尾根起点に滑り込み、休憩を取ってから登り始める。これはきつそうだ。雪は斜面途中までだが、傾斜がきつくてスキーも限界なので、やや平なところにスキーを置き、歩いて登ることにする。元気ならスキーも担いで登るところ。いつの間にか雲が降りてきて、高い山の頂上が隠れてきた。休憩時にポカリを飲んだと思う。スキーがなくても登りは辛い。雪の上でもう一度休憩した先で猛烈なブッシュ帯に突入。この登りは更に辛かった。何度もGPSを見るが、頂上まであと300mがなかなか詰まらない。左には南西斜面が見えており、そっちを登ればよかったと何度も思う。

ヤブの中で休憩。高度が上がると左に南西斜面が見えてくる。下で見たときよりも傾斜は緩く、スキー滑走できないのが残念。いやあこいつは後悔するなあ・・・と思いつつ登る。真上に見えていたブッシュの頭に達し、最後のしぶとい灌木をまたぎ、ようやくブッシュ帯を抜ける。残雪の中の潅木帯斜面が更に続いているが、格段に楽になる。雪斜面の左に潅木を避けて登るが、その下は南西斜面につながっているので、慎重に歩く。ここでアイゼンを付けるべきだったか。南西尾根から西尾根に上がるが、頂上はまだ。

更に東に登り、あともう少しというところでアイゼンの踏み跡を発見。そしてそのすぐ先に、雪から出ている三角点を発見。白杭の隣に三等三角点。南西尾根起点から頂上まで2時間もかかったのは仕方ない。通常なら1時間だろう。あいにくガスがかかって視界は全くなくなっていて、東尾根には雪がついていたが、割れ目ができていた。アイゼンの主はたぶん東尾根から登ってきたのだろう。横になって休憩し、もう一つのテルモスを飲み、二つ目のバナナを食べる。

下りは登りよりも格段に楽。体が疲れないからだ。尾根のすぐ横の南西斜面には雪が豊富についており、スキー滑走できなかったのが残念。ウォークマンのバッテリーが切れたので2台目に替え、一台目に充電する。往路ではトラバース気味に登ったが、復路では尾根をまっすぐ下降。あのしぶとい灌木をまたぎ、ブッシュ帯に突入。ブッシュ帯の中で座り込んで休憩。ガスがかかっていたのは頂上部分だけのようで、下っていくと視界が開けている。

スキー・デポ地点に戻り、シールを外し、滑走開始。かなりの急斜面だが広いので横に大きくターンを刻んで下降。南西尾根起点に滑り込み、南西側の尾根に少し登ると、その先も下りになっているので更に滑走。そのまま尾根の北側を滑走してゆき、コル4まで滑走できた。複雑な地形になっていて、間違えて北西方向に滑り込むところを、GPSをよく確認して尾根を西から南西にトラバースし、最低コル(コル4)に滑り込むことができた。コル4のすぐ南西にある1054m峰に登り、休憩。このくらいの登りで疲れてしまう。夕方が近くなり、青空が広がってくる。往路よりもやや上をトラバースしていって、コル3の往路地点に滑り込み、そこからトラバース登り返し。へばりきっていたので、ゆっくり歩いて大森山手前コルに向かう。しんぼうのシール歩行。1080m峰の西尾根に上がり、休憩。ここまで来ればあとは大森山をトラバースできればもうたいした登りはない。

コル2から大森山の南側をトラバース。ここには夏道があるらしく、リボンもついていた。幸い雪が柔らかくてトラバースはそれほど難しくなかった。もう往路稜線に滑り込める位置まできて、シールを外しておいて休憩。トラバースを終わり、滑走再開。往路に戻ると驚いたことに複数の踏み跡があった。ヘッドランプを出してウェストバッグに入れておく。往路稜線に戻ると、往路トレースの他に徒歩の踏み跡がある。誰かが大森山まで登りにきたらしい。三界山頂上の踏み跡といい、ここに登っている人は少なくないようだ。980m峰手前でシールを貼り、最後の登り。登り切って最後の休憩。立ち上がり、焼石連峰の最後の撮影。徒歩数人の踏み跡に加え、スキー・トレースも一つあった。同じパーティなのだろうか。

大森山トンネル入口から車道に滑り込む。車道の雪は思ったよりもよく滑ったので助かった。電線の下の部分をショートカット滑走。徒歩の踏み跡もそこを登り降りしたようだ。4回目のショートカットで下ったところは焼石岳登山道入口表示のところだった。登りで50分のところを下りは7分。3つ目のトンネルでスキーを外して歩く。一つ目のトンネルのところでヘッドランプを点灯。この後は暗くなったのでカメラを使っていないが、雪の切れているところが朝よりも増えていて、何度もスキーを外して歩き、最後の滑走でゲートに到着。

温泉が閉店してしまうかも知れないので、スキーやブーツを手早く片付け、着替えもせずに出発。バックドアの下が土だったこともある。もう営業終了している栗駒スキー場の中にあるやまゆり温泉に入る。(外で着替えてから建物に入る)熱い湯につかり、生き返る。

雪の積もった国道397号を歩く。大森山トンネル手前で夜明け

大森山トンネル

稜線上に出ると焼石連峰が見えた・・・・・左端に半分見えているのが南本内岳、中央左は柴沢山、中央右は1,180m峰だと思う

三界山・・・・稜線を北上していくと、南本内岳の左に見えてくる

大森山・・・・・稜線の980m峰に登ると、北に見える。左の尾根から登ったが、緩やかに見えるが距離はたっぷり。復路では南斜面(映像手前)をトラバース。右奥に三界山が見えている

大森山頂上・・・・・広大な雪原。奥は急斜面になっていて、映像の右手に滑走し、稜線ルートに戻る

大森山頂上からの情景・・・・・三界山(左)と南本内岳(右)

大森山頂上からの情景2・・・・・南本内岳(中央)と焼石岳(南本内岳の右奥)

大森山・・・・・東側から見た姿。往路では頂上から左(南東)尾根を滑走。復路では裏側(南側)をトラバース

三界山・南西尾根・・・・・南西尾根起点から見上げる。南西尾根(右)を登る。

三界山の南西斜面上部・・・・・南西尾根のブッシュの中より

南西尾根のブッシュ・・・・・かき分けたり、またいだりして進む

三界山の頂上尾根・・・・・スキーで滑りたかった。頂上は右。

三界山頂上の三角点・・・・・雪から出ていた。三等三角点

南本内岳・・・・・帰路の稜線上より

焼石連峰・・・・・帰路の稜線上より

左端:三界山

左から3つ目;南本内岳

右端:柴沢山