摩須賀岳     白神山地の秘峰に登る

青森県  摩須賀岳1,012m、タケガクラノボッチ989m  2015年4月10日~12日(2泊3日)

(摩須賀岳)青森110山

7

一日目、林道終点にある展望台に登ると、はるか北に摩須賀岳が見えている。西(向白神岳)から見た鋭いピラミッドではなく、てっぺんに白い班のある丸っこい姿。それほど難しそうには見えない。待ってろよ、明日、登ってやるからな。あれなら昼過ぎまでに往復して、明日中に下山できるだろうと思ったが、とんでもなかった。

翌朝はなんと雨。しかし、霧雨程度なのでレインウェアでなんとかなるだろう。P1・タキガワノボッチ940mまでの急な下りの細尾根はスキー滑走。コル840mでシールを貼って登り返し。雪庇を乗り越して北尾根に乗る。

P4・979m峰からは広大な雪原の稜線で、緩く登り返したタケガクラノボッチ989mの頂上は、まばらに樹木の立つ、だだっ広い雪原だった。この雪原で明らかなスキートレースを判別。古いものだがここにやってきている人がいるのだ。

北尾根を登り返していくと、霧が晴れてきて摩須賀岳が見えてきた。あと1km。よおし、ここまできたら絶対に登ってやる。

最後のコル手前で、摩須賀岳の全身を見る。中央に白く細い雪斜面が走る黒いピラミッド。摩須賀岳の頂上から雲が流れ、青空が広がり始めた。そしてついに摩須賀岳の頂上に着く。雄叫びはなし。神秘の世界の情景、思いもよらぬ展開、難関を切り抜けたときの爽快さ。どれもかけがえのない思い出。

摩須賀岳の南斜面をシールを外して滑走。疲れていたためか余計な力が抜け、切り返しはスムーズに、エッジングはしっかりかかり、足は動き続けた。滑り終えたときは爽快な気分で、少し元気が出る。

P6・875m峰でシールを外し、3回目の滑走。ここも狭い急傾斜で、シールを外して正解。摩須賀岳南尾根で掴んだ自信で、滑走を楽しむ。

タケガクラノボッチへの長く苦しい登り返し。しかし、いつの間にか青空が広がり、日がさしてきて、木々の影が雪面に落ちている。振り返ると青空の下に摩須賀岳が見えていた。手前の875m峰の上に少しだけ顔を見せ、頂上に少し雲がかかっている。これはとても神々しく見えた。苦労して辿った尾根道は、今はもう穏やかに見える。

次第に全身が見えてきた摩須賀の左奥には向白神岳が見えていた。往路のときは霧で全く見えていなかった。頂上の雲が消え、神々しさは薄れたが、夕暮れのもやが立ち込め始めていて、広がり始めた夕闇にたたずむ幻想的な摩須賀。

高度が上がり、全身を見せた摩須賀をタケガクラの雪原斜面に横になって眺める。もうすぐ日が暮れる。ありがとう、最後に姿を見せてくれて。長い一日、苦難の旅、心に残る景観、そして平穏。

ついに夕日となり、BDのヘッドランプを装着。ネックウォーマーもつけ、レイングローブから普通の手袋に変える。

タキガワノボッチの南斜面の途中でシールを外し、4回目の滑走。斜面はアイスバーンになっており、ガリガリいわせながら滑り、コル840mに滑りこむ。枝パンチを数発、喰らったと思うが、総じて快心の滑り。あとはテントまで登るのみ。

テントにもぐりこみ、横になる。不思議に疲れ切ってはおらず、しばらく目はさえていた。

 帰路、振り返ると、青空の下に摩須賀岳が見えていた。手前の875m峰の上に少しだけ顔を見せ、頂上に少し雲がかかっている。これはとても神々しく見えた。苦労して辿った尾根道は、今はもう穏やかに見える。
 次第に全身が見えてきた摩須賀の左奥には向白神岳が見えていた。往路のときは霧で全く見えていなかった。頂上の雲が消え、神々しさは薄れたが、夕暮れのもやが立ち込め始めていて、広がり始めた夕闇にたたずむ幻想的な摩須賀。
向白神岳から見る摩須賀岳(西から見た鋭いピラミッド)
 展望台の階段の下にテント設営
最後のコル手前で、摩須賀岳の全身を見る。中央に白く細い雪斜面が走る黒いピラミッド。
 摩須賀岳の頂上は細長く、三角点のある南東部より北西部の方がやや標高が高く見えた。積雪のためだろうが、一応そこまで歩いておく。
摩須賀岳からの滑走
 タケガクラの雪原を行くと、夕暮れ前の青空にダケカンバが細い枝を大きく広げていた。
湯っこランド
D1  6:50 白神大橋発、シートラ  7:36 除雪終点、シール15:52 林道終点・展望台(テント)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・登り9時間2分D2  6:24 テント発、滑走  6:39 コル840m、シール  7:19 P2・931m  8:23 P4・979m  8:53 タケガクラノボッチ10:46 P6・875m11:39 コル800m14:01 摩須賀岳・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・登り7時間37分14:25 摩須賀岳発14:34 麓コル880m、シール15:57 P6・875m、滑走16:16 コル780m、シール18:05 タケガクラノボッチ18:41 P4・979m20:15 P2・931m20:53 タキガワノボッチ南斜面、滑走21:21 コル840m、シール22:29 テント・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・下り8時間28分往復16時間5分D3  8:29 三町界峰945m  8:36 林道終点・展望台発  9:32 林道870m付近、滑走  9:50 林道730m付近、シール11:02 林道690m付近、滑走12:43 除雪終点、シートラ13:24 白神大橋・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・下り4時間48分

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D1

2週間前に目指したが稜線の天気が悪くて引き返した白神山地の秘峰、摩須賀岳に再び向かう。前日夕刻、キャベツとソーセージを切って袋に詰め、二週間前と同様、道の駅みねはまで車中泊。翌朝、二週間前とは違い、きれいな朝日が上がる。

二週間前と同じ白神橋に駐車し、重いザックとスキーを担いで出発。除雪終点地点からシール・スキー。ザックが軽くなってほっとするが、二ツ森登山口(つまり林道終点)まで10.7㎞の表示があり、先は長い。重いザックを背負っての林道歩きは辛く、11㎞の間に何度も休憩をとる。ヒュー・ホッパーを聞きながらだが、林道を歩くには暗い曲が多い。林道が稜線付近まで上がり、左折する地点で2度目の休憩。暖かくなり、スキーウェアを脱ぐ。そして二週間前には見えなかった山々が見えてくる。白神山地の二つの主峰、白神岳と向白神岳がゆったりと並び、その手前に真瀬岳のピラミッドが鋭く天を突いている。青空に白い山肌が映え、すばらしい景観。これを見るためだけでも、ここまで登ってくる価値はあるかもしれない。林道は屈曲部に入り、いったん山々は見えなくなる。最後の橋を渡る頃、空に薄雲がかかり、再び見えてきた真瀬岳、白神岳の眺めはいまいち。斜面の上にカーブミラーが見える。二週間前は左からショートカットしたが、この日は雪も溶けていて難しい。右に大きく回って稜線に上がる。

稜線に上がると目の前に二ツ森。これも二週間前には見えなかった。白神山地の標識の先の大きな雪の吹きだまりを越え、その次で林道が大きく左に迂回している場所を直進してショートカット。ショートカットの先で緩い下りから少し登り返し、ようやく林道終点に到着。トイレと休憩小屋。林道終点にある展望台に登ると、はるか北に摩須賀岳が見えている。西から見た鋭いピラミッドではなく、てっぺんに白い班のある丸っこい姿。それほど難しそうには見えない。待ってろよ、明日、登ってやるからな。あれなら昼過ぎまでに往復して、明日中に下山できるだろうと思ったが、とんでもなかった。北東方向にはピラミッドの岩木山がかすかに見えている。西風が吹いており、テント設営場所をどこにするか迷ったが、展望台の階段の下にテント設営。固い雪を丁寧に削ったが、頭の方がやや低くなってしまった。もってきた水2リットルを使い、キャベツとブナタケの野菜スープを作り、ソーセージにシオコショウで食べる。うまい。カップに二杯。ソックス・スリッパを二つ持ってきていたので、一つを外履きに使う。スキーブーツは着脱が面倒なので、雪が乾いているときは正解。アイスバーンでも滑らない。

D2

翌朝はなんと雨。曇の天気予報だったが、雨は困った。しかし、霧雨程度なのでレインウェアでなんとかなるだろう。往復9時間でいけるだろう。ウェストバッグにはポリエステル布をかけ、タフに持ちかえるが、ザックカバーを忘れていた。周囲には霧が立ち込め、遠景はほとんど見えない。P1・タキガワノボッチ940mまでの急な下りの細尾根はスキー滑走。途中の雪が大きく割れていて、東斜面側をきわどく迂回する。コル840mでシールを貼って登り返し。二週間前に登ったタキガワノボッチへの斜面上部の雪は切れていて、スキーでは登れそうもない。コースはタキガワノボッチの頂上の東側なので、頂上に向かわず、急斜面をトラバースしてゆく。トラバースした先の尾根を東に下るが、GPSを見ると方角が違う。コースは北だ。北に登り返し、雪庇を乗り越して北尾根に乗る。これは、GPSが無ければ気付かなかっただろう。歩きやすい稜線を進み、P2・931m峰ピーク。ここはだだっ広い雪原だったが、北東への下りでまた間違えそうになり、GPSを見て方向を修正。上からは分からなかった小尾根がそこにある。

P4・979m峰への登り返しの途中で、ハンガーノックと思われる体調悪化に陥り、腰を下ろして最初の休憩。霧雨が降っており、横になるのは難しい。この日のうちに下山しようと、朝の低血圧のときにペースを上げて進んでいたのが良くなかったようだ。息が上がり、腰が辛く、立ったままでは疲労回復できない。もう一日泊まることにし、ゆっくり進む。

P4・979m峰からは広大な雪原の稜線で、緩く登り返したP5・タケガクラノボッチ988.56mの頂上(GPS三角点地点)は、まばらに樹木の立つ、だだっ広い雪原だった。このときは霧がたちこめ、遠景は見えなかったが、この雪原で明らかなスキートレースを判別。古いものだがここにやってきている人がいるのだ。タケガクラノボッチの広大な雪原を進んでいて、間違えて北東尾根に進んでいるのにGPSで気づき、方角修正。割に急な下り斜面が延々と続き、シール滑走の途中で苦しくなって2度目の休憩。P6・875m峰への登り返しで明らかにペースが落ちる。霧雨がいったん止み、横になって休む。

P6・875m峰直前のマイナーピークで引き返すか考えるが、まだ10時半だったので進むことにする。12時までには登れるだろう。P6・875m峰から雪のついている尾根をシール滑走で下るが、それは西尾根で、GPSを見て方向が違うことに気づく。P6・875m峰に登り返すが、北尾根は崖になっていて直接下れなかった。そこで、西尾根を少し下り、西尾根の途中から北西斜面をトラバース滑走で下り、コル800mで北尾根に戻る。ここが今回の最難関だった。スキーを外して北尾根を下る手もあったと思うが、今回の西側トラバースが危険度が少なく、正解だと思う。コル800mで休憩。また降っていた霧雨は止み、横になってだいぶ休んだ。北尾根を登り返していくと、霧が晴れてきて摩須賀岳が見えてきた。あと1km。よおし、ここまできたら絶対に登ってやる、と思う。しかし、あの南斜面の細い雪尾根を登れるだろうか。若干不安だが、縦位置から見ているからで、なんとか登れるだろう。

最後のコル手前で、摩須賀岳の全身を見る。中央に白く細い雪斜面が走る黒いピラミッド。よし、登ってやる。摩須賀岳の登りの途中の最初の休憩。二つ目のホットレモンを半分飲む。標高があがり、西に真瀬岳が見えている。摩須賀岳の頂上から雲が流れ、青空が広がり始めた。背後には越えてきたタケガクラノボッチとP6・875m峰も見えている。ついに摩須賀岳の頂上に着く。雄叫びはなし。GPSを見て、その三角点地点を探すが、雪の稜線のやや西よりの灌木の生えているあたりのようだ。摩須賀岳の頂上は細長く、三角点のある南東部より北西部の方がやや標高が高く見えた。積雪のためだろうが、一応そこまで歩いておく。せっかく青空が見えてきたが、白神岳は雲をかぶっている。周囲には知らない白神の山々が並ぶが、同定する気力がない。一応撮影しておき、早々に帰路につく。もう14時半。ヘッドランプ必至。来るべきではなかったか、と一瞬思うが、そんなことはない。神秘の世界の情景、思いもよらぬ展開、難関を切り抜けたときの爽快さ。どれもかけがえのない思い出。

摩須賀岳の南斜面をシールを外して滑走。滑ってみるとなかなか面白い斜面だった。連続ショートターンする体力気力はもうないと思っていたが、ショートターンを刻まないと下りにくい狭い急斜面なので、声を出してショート・ターン。だが、疲れていたためか余計な力が抜け、切り返しはスムーズに、エッジングはしっかりかかり、足は動き続けた。滑り終えたときは爽快な気分で、「滑ってみるとなかなか面白い斜面だった」というのは実感。少し元気が出る。コルでびしょぬれのシールを貼る。水分を拭き取らないと張り付かないが、黄色のブラシタオルが威力発揮。レイングローブもびしょぬれ。P6・875m峰へのトラバースの登り返しで、青空の摩須賀岳を見る。P6・875m峰・西尾根に出たところで休憩。トラバースしている間は休めなかった。P6・875m峰でシールを外し、3回目の滑走。ここも狭い急傾斜で、シールを外して正解。摩須賀岳南尾根で掴んだ自信で、滑走を楽しむ。

タケガクラノボッチへの長く苦しい登り返し。しかし、いつの間にか青空が広がり、日がさしてきて、木々の影が雪面に落ちている。振り返ると青空の下に摩須賀岳が見えていた。手前の875m峰の上に少しだけ顔を見せ、頂上に少し雲がかかっている。これはとても神々しく見えた。苦労して辿った尾根道は、今はもう穏やかに見える。

次第に全身が見えてきた摩須賀の左奥には向白神岳が見えていた。往路のときは霧で全く見えていなかった。頂上の雲が消え、神々しさは薄れたが、夕暮れのもやが立ち込め始めていて、広がり始めた夕闇にたたずむ幻想的な摩須賀。

高度が上がり、全身を見せた摩須賀をタケガクラの雪原斜面に横になって眺める。もうすぐ日が暮れる。ありがとう、最後に姿を見せてくれて。長い一日、苦難の旅、心に残る景観、そして平穏。ヒューホッパーも終盤になっていて、最後のDUNEは日本人ピアニスト兼スキャットボーカルとの共演。やはり暗い。タケガクラの雪原を行くと、夕暮れ前の青空にダケカンバが細い枝を大きく広げていた。ついに夕日が射す。もうすぐ暗くなる。BDのヘッドランプを装着。ネックウォーマーもつけ、レイングローブから普通の手袋に変える。BDヘッドランプの使い方がよくわからない。赤ランプの点滅はやめてくれ。明るすぎるやつは電池消費が早いだろう。やっと普通の明るさにセットする。休憩してヘッドランプを消すと、夜空に星々が見える。同定する気力はなし。でも、天気が回復してよかった。暗闇で横になって目をつぶり、うとうとして目が覚める。立ちあがってザックをしょい、再び歩き始める。テントに戻ったら即シュラフに入って寝よう。それから雪を溶かして野菜スープを飲もう。いや、明日の昼には車に戻り、シートに横になり、暖房を点け、DVDを見よう、などとくどくどと考えを巡らせる。

タキガワノボッチへの登り返しではGPSが一時、間違った位置表示を示したため、北東尾根の西側から尾根上に登り返す。ヒューホッパーが終了。運よく登りトレースを見つけ、雪庇から南斜面に斜めに下降。タキガワノボッチの南斜面の途中でシールを外し、4回目の滑走。斜面はアイスバーンになっており、ガリガリいわせながら滑り、GPSで方角を確認して三町界峰へのコル840mに滑りこむ。枝パンチを数発、喰らったと思うが、総じて快心の滑り。あとはテントまで登るのみ。ここもシールで下るのは難しかっただろう。

登り返しは二段階になっていて、雪の切れたギャップは上の段。やはり東の切れ落ち斜面にいったん出なければならず、大きく下を迂回した下りトレースではなく、切れ目沿いに東斜面を最小限に回って切れ目の上に出る。登り切ってやや平坦になったところで休憩。その先はもう短かったはずだが、数回休んだと思う。ついにテントに到着。スキーを寝かせ、スコップを組み立ててきれいな雪をかき出し、テントの前に集めておく。それからテントの中のマットに空気を入れ、ブーツを脱ぎ、テントにもぐりこむ。上だけを着替え、いったんたたんだシュラフを広げ、イアン・ウォレスを聞きながら横になる。不思議に疲れ切ってはおらず、しばらく目はさえていた。

D3

夜中に目が覚めて小用に外にでたが、霧に閉ざされていて星は見えなかった。起床はたぶん6時半頃。雪を溶かして野菜スープを作って食べる。うまかった。野菜スープ2杯にコーヒーを飲むがパンは食べず。ホットレモンは1本作る。霧で視界がなく、風が強かったが、淡々とテントを撤収。階段に結んでおいたヒモの一つがほどけていた。ザックに荷物を詰めるのに、アイゼンを上に入れることにし、ダウンや着替えなどを下にぎゅうぎゅうに詰める。この方が効率がよいようだ。重いザックをしょって帰るのは気が重い。その前に空身で三町界峰の945m地点に登ってみるが、そこにはニノ森への道しるべがあり、青森県境は北、藤里町が南としてあるので、たぶん西が八森町なのだろう(青森県鰺ヶ沢町、秋田県藤里町、八森町)。途中で登り返しがあるので、シールを貼ったまま出発。しかし、クラスト気味の雪だったので二週間前に比べてよく滑っていた。ジェフベックを聞く。

登りでショートカットした場所をやや西寄りから滑走。慎重に滑ったが、林道に戻る直前にザックを木の枝にひっかけて転倒。ちょっとひっかけただけだが、重いザックのときはバランスが崩れてしまう。やれやれ。吹きだまりのところを登り返し、白神山地標識のところで最初の休憩。やはり登りがあると疲労がたまるようだ。霧が晴れてきて、二ノ森が見えていた。傾斜のでてくる後半までは歩くつもりだったが、傾いた林道のトラバースは雪が固くて歩きにくく、シールを外して滑ることにする。これは大正解で、最後の橋がある手前まで、快調に滑る。滑るだけなら楽だが、支えている足が疲れてくる。滑走の途中で2回目の休憩。シールを外した場所は傾斜のある固い斜面で、休めなかった。次第に青空が広がり、ネックウォーマーを外す。晴れそうだ。やや登り返しとなって停止したところでシールを貼り、休憩してから歩く。

最後の橋「おくのだいばし」を過ぎて下り傾斜になったところでシールを外す。雪が緩んできてあまり滑らなくなってくるが、ビンディングを外さずにストックこぎでがんばる。白神岳が見えてきた。この区間に林道の雪が急な片傾斜になっていて、割れ目のできている箇所があり、緊張の滑走となる。灌木を避けるため、雪の切れているぎりぎりを通過したり、割れ目の大きくないところを通過したり。失敗していたら大変なところだ。真瀬岳、向白神岳、白神岳と並んだところで休憩し、ホットレモンを飲みほす。杉の葉がたくさん落ちていてブレーキがかかり、滑りにくい。林道が谷に下る地点を停止せずに通過。除雪終点に到着(この間に、一度休憩したと思う)。

スキーとザックの両方を担いでの最後の歩き。わずかな下りが幸いし、ゆっくりリズムを崩さずに歩く。次第に肩が痛くなるが、体を揺らさず、我慢して歩く。ゲートの先でザックとスキーを道端に置き、空身で車まで歩く。靴を履きかえ、ゲートに戻ってスキーとザックを回収。ブーツとスキーの汚れを落とす。白神大橋に戻り、着替えていると、ジープが一台やってくる。道路工事の人だろうか。二週間前と同じく湯っこランドに寄っていく。熱い湯につかり、生き返る。気持ちよさそうに湯につかっているおじいさんがいた。無言の会話。おじいさん、元気かい。山はたいへんだったけど、僕も元気だよ。マックスバリュー深浦店で買物し、さしみとサラダを買い、道の駅ふかうらでNFLを見ながら食べる。至福のひととき。

摩須賀に登った翌週、健康診断の結果が送られてきた。γGDP、総コレステロール、悪玉コレステロールを含め、全てが健全となった。アルコールを止めて3年、肉も止めて魚にかえて1年、その効果が表れた。(歯医者に行き始めてからキュウリも生かじりできるようになった。) しかし、肉をやめたことでバランスが崩れ、スタミナがもたない原因が生じているのではなかろうか。

メモ: 白神山地世界遺産地域への入山


 D1

夜明け

2週間前に目指したが稜線の天気が悪くて引き返した白神山地の秘峰、摩須賀岳に再び向かう。前日夕刻、キャベツとソーセージを切って袋に詰め、二週間前と同様、道の駅みねはまで車中泊。翌朝、二週間前とは違い、きれいな朝日が上がる。

白神大橋

二週間前と同じ白神橋に駐車し、重いザックとスキーを担いで出発。除雪終点地点からシール・スキー。ザックが軽くなってほっとするが、二ツ森登山口(つまり林道終点)まで10.7㎞の表示があり、先は長い。重いザックを背負っての林道歩きは辛く、11㎞の間に何度も休憩をとる。ヒュー・ホッパーを聞きながらだが、林道を歩くには暗い曲が多い。

しらがみおおはし

林道ゲート

二ツ森まで10.7kmの標識

除雪終点

雪の林道

真瀬岳

林道が稜線付近まで上がり、左折する地点で2度目の休憩。暖かくなり、スキーウェアを脱ぐ。そして二週間前には見えなかった山々が見えてくる。白神山地の二つの主峰、白神岳と向白神岳がゆったりと並び、その手前に真瀬岳のピラミッドが鋭く天を突いている。青空に白い山肌が映え、すばらしい景観。これを見るためだけでも、ここまで登ってくる価値はあるかもしれない。林道は屈曲部に入り、いったん山々は見えなくなる。最後の橋を渡る頃、空に薄雲がかかり、再び見えてきた真瀬岳、白神岳の眺めはいまいち。斜面の上にカーブミラーが見える。二週間前は左からショートカットしたが、この日は雪も溶けていて難しい。右に大きく回って稜線に上がる。

白神岳

向白神岳

白神岳、向白神岳、真瀬岳

白神山地の二つの主峰、白神岳と向白神岳がゆったりと並び、その手前に真瀬岳のピラミッドが鋭く天を突いている。青空に白い山肌が映え、すばらしい景観。これを見るためだけでも、ここまで登ってくる価値はあるかもしれない。

最後の橋(おくのだいばし)

白神岳、玄関岳、向白神岳、真瀬岳

二ツ森

二ツ森

稜線に上がると目の前に二ツ森。これも二週間前には見えなかった。白神山地の標識の先の大きな雪の吹きだまりを越え、その次で林道が大きく左に迂回している場所を直進してショートカット。ショートカットの先で緩い下りから少し登り返し、ようやく林道終点に到着。トイレと休憩小屋。

白神山地木標

林道終点

摩須賀岳

林道終点にある展望台に登ると、はるか北に摩須賀岳が見えている。西から見た鋭いピラミッドではなく、てっぺんに白い班のある丸っこい姿。それほど難しそうには見えない。待ってろよ、明日、登ってやるからな。あれなら昼過ぎまでに往復して、明日中に下山できるだろうと思ったが、とんでもなかった。北東方向にはピラミッドの岩木山がかすかに見えている。西風が吹いており、テント設営場所をどこにするか迷ったが、展望台の階段の下にテント設営。固い雪を丁寧に削ったが、頭の方がやや低くなってしまった。もってきた水2リットルを使い、キャベツとブナタケの野菜スープを作り、ソーセージにシオコショウで食べる。うまい。カップに二杯。ソックス・スリッパを二つ持ってきていたので、一つを外履きに使う。スキーブーツは着脱が面倒なので、雪が乾いているときは正解。アイスバーンでも滑らない。

摩須賀岳

摩須賀岳、岩木山

岩木山

展望台

展望台

 D2

展望台の下のテント

翌朝はなんと雨。曇の天気予報だったが、雨は困った。しかし、霧雨程度なのでレインウェアでなんとかなるだろう。往復9時間でいけるだろう。ウェストバッグにはポリエステル布をかけ、タフに持ちかえるが、ザックカバーを忘れていた。周囲には霧が立ち込め、遠景はほとんど見えない。P1・タキガワノボッチ940mまでの急な下りの細尾根はスキー滑走。途中の雪が大きく割れていて、東斜面側をきわどく迂回する。

タキガワノボッチとP2

タキガワノボッチへの登り

コル840mでシールを貼って登り返し。二週間前に登ったタキガワノボッチへの斜面上部の雪は切れていて、スキーでは登れそうもない。コースはタキガワノボッチの頂上の東側なので、頂上に向かわず、急斜面をトラバースしてゆく。トラバースした先の尾根を東に下るが、GPSを見ると方角が違う。コースは北だ。北に登り返し、雪庇を乗り越して北尾根に乗る。これは、GPSが無ければ気付かなかっただろう。歩きやすい稜線を進み、P2・931m峰ピーク。ここはだだっ広い雪原だったが、北東への下りでまた間違えそうになり、GPSを見て方向を修正。上からは分からなかった小尾根がそこにある。

広い尾根道

P2・931m

P4・979m峰への登り返しの途中で、ハンガーノックと思われる体調悪化に陥り、腰を下ろして最初の休憩。霧雨が降っており、横になるのは難しい。この日のうちに下山しようと、朝の低血圧のときにペースを上げて進んでいたのが良くなかったようだ。息が上がり、腰が辛く、立ったままでは疲労回復できない。もう一日泊まることにし、ゆっくり進む。

最初の休憩

スキー・トレース

タケガクラノボッチ頂上

P4・979m峰からは広大な雪原の稜線で、緩く登り返したP5・タケガクラノボッチ988.56mの頂上(GPS三角点地点)は、まばらに樹木の立つ、だだっ広い雪原だった。このときは霧がたちこめ、遠景は見えなかったが、この雪原で明らかなスキートレースを判別。古いものだがここにやってきている人がいるのだ。タケガクラノボッチの広大な雪原を進んでいて、間違えて北東尾根に進んでいるのにGPSで気づき、方角修正。割に急な下り斜面が延々と続き、シール滑走の途中で苦しくなって2度目の休憩。P6・875m峰への登り返しで明らかにペースが落ちる。霧雨がいったん止み、横になって休む。

P6・875m峰への急登

P6・875m峰直前のマイナーピークで引き返すか考えるが、まだ10時半だったので進むことにする。12時までには登れるだろう。P6・875m峰から雪のついている尾根をシール滑走で下るが、それは西尾根で、GPSを見て方向が違うことに気づく。P6・875m峰に登り返すが、北尾根は崖になっていて直接下れなかった。そこで、西尾根を少し下り、西尾根の途中から北西斜面をトラバース滑走で下り、コル800mで北尾根に戻る。ここが今回の最難関だった。スキーを外して北尾根を下る手もあったと思うが、今回の西側トラバースが危険度が少なく、正解だと思う。コル800mで休憩。また降っていた霧雨は止み、横になってだいぶ休んだ。

P6・875m頂上

P6・875m北西斜面

ブナ

摩須賀岳

北尾根を登り返していくと、霧が晴れてきて摩須賀岳が見えてきた。あと1km。よおし、ここまできたら絶対に登ってやる、と思う。しかし、あの南斜面の細い雪尾根を登れるだろうか。若干不安だが、縦位置から見ているからで、なんとか登れるだろう。

摩須賀岳

摩須賀岳

最後のコル手前で、摩須賀岳の全身を見る。中央に白く細い雪斜面が走る黒いピラミッド。よし、登ってやる。摩須賀岳の登りの途中の最初の休憩。二つ目のホットレモンを半分飲む。標高があがり、西に真瀬岳が見えている。

タケガクラノボッチ、P6、二ツ森

青空と摩須賀岳頂上(1)

青空と摩須賀岳頂上(2)

摩須賀岳の頂上から雲が流れ、青空が広がり始めた。背後には越えてきたタケガクラノボッチとP6・875m峰も見えている。

鍋倉森、857m峰

タケガクラノボッチ

摩須賀岳頂上

ついに摩須賀岳の頂上に着く。雄叫びはなし。GPSを見て、その三角点地点を探すが、雪の稜線のやや西よりの灌木の生えているあたりのようだ。摩須賀岳の頂上は細長く、三角点のある南東部より北西部の方がやや標高が高く見えた。積雪のためだろうが、一応そこまで歩いておく。せっかく青空が見えてきたが、白神岳は雲をかぶっている。周囲には知らない白神の山々が並ぶが、同定する気力がない。一応撮影しておき、早々に帰路につく。もう14時半。ヘッドランプ必至。来るべきではなかったか、と一瞬思うが、そんなことはない。神秘の世界の情景、思いもよらぬ展開、難関を切り抜けたときの爽快さ。どれもかけがえのない思い出。

摩須賀岳頂上から四周

櫛石山

摩須賀岳からの滑走

摩須賀岳の南斜面をシールを外して滑走。滑ってみるとなかなか面白い斜面だった。連続ショートターンする体力気力はもうないと思っていたが、ショートターンを刻まないと下りにくい狭い急斜面なので、声を出してショート・ターン。だが、疲れていたためか余計な力が抜け、切り返しはスムーズに、エッジングはしっかりかかり、足は動き続けた。滑り終えたときは爽快な気分で、「滑ってみるとなかなか面白い斜面だった」というのは実感。少し元気が出る。コルでびしょぬれのシールを貼る。水分を拭き取らないと張り付かないが、黄色のブラシタオルが威力発揮。レイングローブもびしょぬれ。P6・875m峰へのトラバースの登り返しで、青空の摩須賀岳を見る。P6・875m峰・西尾根に出たところで休憩。トラバースしている間は休めなかった。P6・875m峰でシールを外し、3回目の滑走。ここも狭い急傾斜で、シールを外して正解。摩須賀岳南尾根で掴んだ自信で、滑走を楽しむ。

摩須賀岳

青空

青空と摩須賀岳

タケガクラノボッチへの長く苦しい登り返し。しかし、いつの間にか青空が広がり、日がさしてきて、木々の影が雪面に落ちている。振り返ると青空の下に摩須賀岳が見えていた。手前の875m峰の上に少しだけ顔を見せ、頂上に少し雲がかかっている。これはとても神々しく見えた。苦労して辿った尾根道は、今はもう穏やかに見える。

青空と摩須賀岳(上の拡大)

向白神岳と摩須賀岳

次第に全身が見えてきた摩須賀の左奥には向白神岳が見えていた。往路のときは霧で全く見えていなかった。頂上の雲が消え、神々しさは薄れたが、夕暮れのもやが立ち込め始めていて、広がり始めた夕闇にたたずむ幻想的な摩須賀。

向白神岳

摩須賀岳

夕日の摩須賀岳

高度が上がり、全身を見せた摩須賀をタケガクラの雪原斜面に横になって眺める。もうすぐ日が暮れる。ありがとう、最後に姿を見せてくれて。長い一日、苦難の旅、心に残る景観、そして平穏。ヒューホッパーも終盤になっていて、最後のDUNEは日本人ピアニスト兼スキャットボーカルとの共演。やはり暗い。

ダケカンバ

タケガクラの雪原を行くと、夕暮れ前の青空にダケカンバが細い枝を大きく広げていた。

日暮れ

ついに夕日が射す。もうすぐ暗くなる。BDのヘッドランプを装着。ネックウォーマーもつけ、レイングローブから普通の手袋に変える。BDヘッドランプの使い方がよくわからない。赤ランプの点滅はやめてくれ。明るすぎるやつは電池消費が早いだろう。やっと普通の明るさにセットする。休憩してヘッドランプを消すと、夜空に星々が見える。同定する気力はなし。でも、天気が回復してよかった。暗闇で横になって目をつぶり、うとうとして目が覚める。立ちあがってザックをしょい、再び歩き始める。テントに戻ったら即シュラフに入って寝よう。それから雪を溶かして野菜スープを飲もう。いや、明日の昼には車に戻り、シートに横になり、暖房を点け、DVDを見よう、などとくどくどと考えを巡らせる。

P4・979m

タキガワノボッチへの登り返しではGPSが一時、間違った位置表示を示したため、北東尾根の西側から尾根上に登り返す。ヒューホッパーが終了。運よく登りトレースを見つけ、雪庇から南斜面に斜めに下降。タキガワノボッチの南斜面の途中でシールを外し、4回目の滑走。斜面はアイスバーンになっており、ガリガリいわせながら滑り、GPSで方角を確認して三町界峰へのコル840mに滑りこむ。枝パンチを数発、喰らったと思うが、総じて快心の滑り。あとはテントまで登るのみ。ここもシールで下るのは難しかっただろう。

登り返しは二段階になっていて、雪の切れたギャップは上の段。やはり東の切れ落ち斜面にいったん出なければならず、大きく下を迂回した下りトレースではなく、切れ目沿いに東斜面を最小限に回って切れ目の上に出る。登り切ってやや平坦になったところで休憩。その先はもう短かったはずだが、数回休んだと思う。ついにテントに到着。スキーを寝かせ、スコップを組み立ててきれいな雪をかき出し、テントの前に集めておく。それからテントの中のマットに空気を入れ、ブーツを脱ぎ、テントにもぐりこむ。上だけを着替え、いったんたたんだシュラフを広げ、イアン・ウォレスを聞きながら横になる。不思議に疲れ切ってはおらず、しばらく目はさえていた。

 D3

三町界峰945m・頂上の標識

夜中に目が覚めて小用に外にでたが、霧に閉ざされていて星は見えなかった。起床はたぶん6時半頃。雪を溶かして野菜スープを作って食べる。うまかった。野菜スープ2杯にコーヒーを飲むがパンは食べず。ホットレモンは1本作る。霧で視界がなく、風が強かったが、淡々とテントを撤収。階段に結んでおいたヒモの一つがほどけていた。ザックに荷物を詰めるのに、アイゼンを上に入れることにし、ダウンや着替えなどを下にぎゅうぎゅうに詰める。この方が効率がよいようだ。重いザックをしょって帰るのは気が重い。その前に空身で三町界峰の945m地点に登ってみるが、そこにはニノ森への道しるべがあり、青森県境は北、藤里町が南としてあるので、たぶん西が八森町なのだろう(青森県鰺ヶ沢町、秋田県藤里町、八森町)。途中で登り返しがあるので、シールを貼ったまま出発。しかし、クラスト気味の雪だったので二週間前に比べてよく滑っていた。ジェフベックを聞く。

木の芽

登りでショートカットした場所をやや西寄りから滑走。慎重に滑ったが、林道に戻る直前にザックを木の枝にひっかけて転倒。ちょっとひっかけただけだが、重いザックのときはバランスが崩れてしまう。やれやれ。吹きだまりのところを登り返し、白神山地標識のところで最初の休憩。やはり登りがあると疲労がたまるようだ。霧が晴れてきて、二ノ森が見えていた。傾斜のでてくる後半までは歩くつもりだったが、傾いた林道のトラバースは雪が固くて歩きにくく、シールを外して滑ることにする。これは大正解で、最後の橋がある手前まで、快調に滑る。滑るだけなら楽だが、支えている足が疲れてくる。滑走の途中で2回目の休憩。シールを外した場所は傾斜のある固い斜面で、休めなかった。次第に青空が広がり、ネックウォーマーを外す。晴れそうだ。やや登り返しとなって停止したところでシールを貼り、休憩してから歩く。

白神岳、向白神岳、真瀬岳

最後の橋「おくのだいばし」を過ぎて下り傾斜になったところでシールを外す。雪が緩んできてあまり滑らなくなってくるが、ビンディングを外さずにストックこぎでがんばる。白神岳が見えてきた。この区間に林道の雪が急な片傾斜になっていて、割れ目のできている箇所があり、緊張の滑走となる。灌木を避けるため、雪の切れているぎりぎりを通過したり、割れ目の大きくないところを通過したり。失敗していたら大変なところだ。真瀬岳、向白神岳、白神岳と並んだところで休憩し、ホットレモンを飲みほす。杉の葉がたくさん落ちていてブレーキがかかり、滑りにくい。林道が谷に下る地点を停止せずに通過。除雪終点に到着(この間に、一度休憩したと思う)。

スキーとザックの両方を担いでの最後の歩き。わずかな下りが幸いし、ゆっくりリズムを崩さずに歩く。次第に肩が痛くなるが、体を揺らさず、我慢して歩く。ゲートの先でザックとスキーを道端に置き、空身で車まで歩く。靴を履きかえ、ゲートに戻ってスキーとザックを回収。ブーツとスキーの汚れを落とす。白神大橋に戻り、着替えていると、ジープが一台やってくる。道路工事の人だろうか。

湯っこランド

二週間前と同じく湯っこランドに寄っていく。熱い湯につかり、生き返る。気持ちよさそうに湯につかっているおじいさんがいた。無言の会話。おじいさん、元気かい。山はたいへんだったけど、僕も元気だよ。マックスバリュー深浦店で買物し、さしみとサラダを買い、道の駅ふかうらでNFLを見ながら食べる。至福のひととき。

摩須賀に登った翌週、健康診断の結果が送られてきた。γGDP、総コレステロース、悪コレステロールを含め、全てが健全となった。アルコールを止めて3年、肉も止めて魚にかえて1年、その効果が表れた。(歯医者に行き始めてからキュウリも生かじりできるようになった。) しかし、肉をやめたことでバランスが崩れ、スタミナがもたない原因が生じているのではなかろうか。

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