神籠岳(かろう) 奥会津の雪尾根

福島県  1,376m  2016年3月13日

会津百名山

100

神籠岳のことを知ったのは、道の駅で「懐かしき南会津」という本を買った時。会津駒や博士山以外にも積雪期にしか登れない、こんな山もあるのか、と思ったが、その後、この山が会津百名山にも選ばれているのを知り、是非登りたくなった。

ネットでも調べ、メールで情報をいただき、万全の準備で臨んだが、予想した通り、前日の大倉山よりもだいぶ難度の高い山で、細い支尾根から主尾根への50mくらいの笹薮帯に苦労。登りではシートラーゲンで笹を掴んで登り、下りは谷の雪を拾って下ろうと思ったが、やはり雪が切れていて、いったんスキーを外した。

主尾根では、前夜降った雪がシールについてゲタになり、苦労。ようやく着いた頂上から小野岳や高倉山を見る。那須連峰と旭岳は雲に隠れてしまっていたが、奥会津の名山の頂上で至福のひと時を過ごす。

主尾根の滑走は1/4程度は横歩きで慎重に下るが、苦労して登った細尾根の滑れそうなルートを探して滑走するのもまた楽しい。支尾根の谷もスキーを履いてからは立木の少ない斜面を豪快に滑走。林道の雪はスピードは出なかったが、ゆるゆると出発地点までノンストップで滑走できた。難しかったが、充実のツアーであった。

本ツアーに当たっては「恒さんの気ままに山歩き」(net1.jway.ne.jp/tsune3402)とメールでのアドバイスを参考にさせていただきました。ありがとうございました。

大内宿(神籠岳の北東)方面から見る神籠岳・・・中央左の東尾根の裏にある支尾根から登った
神籠岳頂上
旭岳・・・・未踏の那須連峰の峻峰
谷の滑走・・・・・主尾根からの下降でいったんスキー外すが、すぐに履き、広い谷を滑走
林道の標識
7:26 鉄塔発 7:38 道標と林道 8:16 支尾根取付き 9:10 シートラーゲン 9:24 主尾根11:12 神籠岳・・・・・・・・・・・・・登り3時間46分11:32 神籠岳発11:58 主尾根から谷12:01(スキー外す)12:15 滑走再開12:22 支尾根取付き地点12:33 鉄塔着・・・・・・・・・・・・往復5時間7分(含休憩)

KKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKK

夜中に小雪が降るが、車のフロントガラスに積もるほどでもなかった。天気予報は晴後曇。ややゆっくりして6時過ぎ出発。5時にはまだ暗いので出足がにぶる。シールは貼っておく。JR七ヶ岳登山口駅の前を通過。家老岳の登山口付近だが、「駅」の雰囲気はなし。青空が広がり、行く手に権現岩と思われる岩峰、国道から左折して山に向かうと、高倉山が見えてくる。高度があがり、南には旭岳の雄姿。東には小野岳の大きな山容。鉄塔の手前に林道入口があったが、鉄塔の少し先のスペースに駐車。今回は踏み跡もトレースもなし。しかし赤リボンがあり、やがて林道らしき雪のくぼみがあり、その先に道標(道標は林道を横断しており、東に大内宿まで1.5kmとある)。林道は神籠山の南東の谷に向かっているので、それを辿る。何度か林道を外れるが、神籠山に向かうとまた同じ林道に出会う。葉の落ちたブナ林の中をのんびり登るが、途中で上着を脱ぐ。林道に沿ってピンクリボン。一つはえらく高いところにあったが、雪が積もっていたのだろうか。やがて集積場らしき広場に出る。その奥に谷があり、谷の右が主尾根、左が支尾根で、支尾根を登ればよいのだろう。

背後に旭岳が見えるが、だいぶ薄雲が出てきた。支尾根の登りは急で細く、休み休みとなる。小トラバースのときにスキーがずり落ちて手をついてしまうが、このときは手袋をはめていなかった。用心すべき。主尾根まで50mくらいのところで、笹薮の急斜面となり、スキーでは登れない。シートラーゲンし、笹を掴んでヤブ斜面を登る。スキー靴が汚れるが、仕方ない。ようやく主尾根に着き、スキーを下ろしてシールで進む。まだ頂上は見えていないが、視界は開ける。北に磐梯山が見えていたが、この後雲をかぶってしまう。シールに雪がついてゲタになるので、スキーを外して雪を落とす。最初の急傾斜で、ブッシュを避けて北斜面にトラバースしがちになるが、切れ落ちているので落ち着かない。なるべく尾根上に戻るようにし、せわしなくキックターンを繰り返す。

笹薮の先は平原になっており、行く手にあるはずの頂上は木々でまだ隠れている。緩い丘に上がり、残り100mほどになって、ようやく頂上が見えた(6457)。平地から頂上尾根の登りになると、左右に見える北尾根と南尾根を休みながら写す。頂上手前に雪庇があり、それを斜めに登ると(登らなくてもよかった)そのすぐ先が頂上だった。GPSで確認。感激の瞬間。標識はなし。ピンクリボンが一つ。南正面に南尾根ピークが見えるが、その背景にあるはずの那須連峰が見えなくなってしまったのは残念。ストックを立て、周囲を写すが、遠景は小野岳くらい。西に高倉山の尾根が見えるが、その右端にあるはずの横山は木々に隠れている。

シールを外して滑走開始。頂上手前平地までは一気に下り、急傾斜2の上の笹薮を大きく左側から迂回すると、大量の雪が斜面を落ちていく。あまり調子に乗っていると谷に落ちてしまいそうなので、切れ落ちている北側トラバースを避け、南側にルートを探すが、そちらは木々が密集していて滑りにくい。結局、1/4くらいを横歩きで下るが、長く感じた。急傾斜が終わり、傾斜が緩くなると、細尾根の上をゆっくり滑走。多少の登り返しはたいしたことなし。

支尾根合流点から更に下り、笹の出ている谷に滑り込むが、やはり雪が切れていて滑れず、スキーを外す。傾斜がきつくてザックを下ろせないので、スキーを傾斜に滑らせ、ブッシュを掴んで下るが、ブッシュのない箇所もあり、尻セードで数メートル下る。ウェアのおしりが土で汚れてしまった。雪のある場所まで降りてスキーを履き、滑走再開。谷は木々が少なく、豪快にターンを刻む。沢筋まで下りすぎないよう、やや右に向かうと、すぐに支尾根取り付き付近の登りトレースを発見。集積場に下ったところでいったんスキーを外し、ブーツの汚れを雪で落とす。あとは林道をゆるゆると滑るが、雪が腐っていてスピードでず。今にも止まりそうだが、止まるほどの登り返しはなし。道標の先も林道を辿ると、鉄塔の西側の車道に出た。左の林に入るとすぐ鉄塔に着き、駐車地点に帰着。林道入口に停めればよかった。

汚れたブーツとスキーの手入れをし、車に入る。昨年買った汚れ落としのワックスをティッシュで塗るが、効果はあるのだろうか。朝は全く車が通らなかったが、片づけている間に数台の車が通過。大内宿の付近で、背後に神籠岳を見る。東尾根と北東谷が写っていたが、頂上そのものは見えていないようだ。芦ノ牧のドライブ温泉(セブンイレブンの向かい)に寄っていく。

小野岳

出発地点の鉄塔

林道の道標

林道終点の集積場?

旭岳・・・・・未踏の那須連峰の峻峰

集積場から支尾根

主尾根の登り

磐梯山・・・・・主尾根より

頂上手前平地から見る神籠岳

頂上直下・・・・・雪庇があるが、左側を登れる

神籠岳頂上

鷹倉山・・・・・頂上から西に見える

尾根の滑走

谷の滑走・・・・・主尾根からの下降でいったんスキー外すが、すぐに履き、広い谷を滑走