大笠山 白山・北尾根の縦走

石川県  大笠山1,822m、奈良岳1,644m、大門山1,572m  2007年9月22日

(大笠山、大門山)日本三百名山

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見越への登りにかかると大笠が大きく迫ってくる。真っ青な秋空に浮かぶ大きな笠。その名の通りの大笠山の姿が実に雄大。その左背後に見える双耳峰は白山、その真下は笈ヶ岳。

アップダウンの尾根道をたどり、奈良岳のテント場へ。振り返ると大門山のおだやかな姿。右端の白ナギが赤摩木古山。

周囲に立ち並ぶ名峰を確かめながらの、絶景の稜線歩き。剱岳と立山、猿ヶ馬場山、人形山、笈ヶ岳・・・・・

お地蔵さんがいて、その少し先が奈良岳頂上。夜中にはガスが出ていて、星は全く見えず。静かな山のテントの一夜。

翌日は曇。ガスの大笠山頂上にはでっかい一等三角点にいろんな頂上標識。この方向に笈と白山がみえるはずだが・・・・・と白いガスを眺める。

ブナオ峠まで1時間ほどのあたりで、突然雨が降り出した。レインウェアを着こんで帰り道を急ぐ。

真っ青な秋空に浮かぶ大きな笠。その名の通りの大笠山の姿が実に雄大。その左背後に見える双耳峰は白山・・・・・大門山から奈良岳への稜線より
振り返ると大門山のおだやかな姿。右端の白ナギが赤摩木古山。・・・・・見越山付近より
白山・・・・・手前が笈ヶ岳
奈良岳
大笠山頂上
D1 8:11 ブナオ峠発 9:46 大門山・・・・・・・・・・・・・・・・登り1時間35分10:25 赤摩木古山12:43 見越山13:39 奈良岳・・・・・・・・・・・・・・・・大門山から3時間53分、ブナオ峠から5時間28分D2 5:14 奈良岳発 7:32 大笠山・・・・・・・・・・・・・・・・登り2時間18分 7:49 大笠山発10:18 奈良岳・・・・・・・・・・・・・・・・大笠山から2時間29分10:44 奈良岳発11:37 見越山13:41 赤摩木古山15:37 ブナオ峠・・・・・・・・・・・・・・10:44から4時間53分、5:14から10時間23分

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D1

ブナオ峠に着いてみると、こんなに快晴なのに峠には車なし。そういえば今日は金曜だった。ブナオ峠発は8時過ぎ。快晴だが、最初は木陰の道を早足で登る。1時間強で大門分岐に着き、ザックを置いて大門に向かう。帰りに寄ってもいいのだが、まあ、最初に登っておくべきと思う。これは正解で、結局、帰りのときは全く眺望がなかった。

大門の頂上には頂上標識が賑やか。石標二つに木標三つ。去年来たときと全く同じ。大門の山頂からは、東に遠く北アルプス。剣・立山、乗鞍・御岳らしいのが見えている。そして南には目指す大笠。その左背後に見える双耳峰は白山、その真下は笈ヶ岳。青空の下のこの景観は赤摩木古までの途上で次第に広がり、白山の左手の三方崩山、その左の猿ヶ馬場が見える。これはひらべったい。大きな方位盤に山名が記してあったので同定できた。穂高・槍は遠くてよく分からなかったが、薬師、立山、剱岳ははっきり見える。周囲に立ち並ぶ名峰を確かめながらの、絶景の稜線歩き。剱岳と立山、猿ヶ馬場山、人形山、笈ヶ岳・・・・・

さて、赤摩木古から先は道が荒れていると思い、ザックカバーをつけ、メガネ・バンドをつけて出発。ものすごい下りにがっくりきたが、幸い道はしっかりしており、ヤブこぎはなし。木で補強された階段が延々と続き、登り返しとなったあたりで振り返ると赤く崩れた赤摩木古の南面が見えてくる。ここまで来て、初めて山名の由来を見ることができた訳だ。アップダウンの苦しい道を進むと、目指す見越と奈良岳が次第に大きくなってくる。奈良と見越の間もかなりギャップがあるので、二つの山の鞍部に出てほしいと願ったが、残念ながら道は見越のたくさん並んだピークの一番南に向かう。赤摩木古から見越へは2時間半弱かかり、この間に2回休憩。夏の太陽を受けて体力を消耗。前日の疲れや寝不足もたまっていたようだ。

見越への登りにかかると大笠が大きく迫ってくる。真っ青な秋空に浮かぶ大きな笠。その名の通りの大笠山の姿が実に雄大。その左背後に見える双耳峰は白山、その真下は笈ヶ岳。大笠山手前の低いところに立っている白く尖った岸壁が目立っていたが、1,470mということ以外は詳細不明。振り返ると大門山のおだやかな姿。右端の白ナギが赤摩木古山。最後の滑りやすい急な登りで、見越山に到着。思いがけず立派な石の標識と古いベンチ。西側の眺望が開けたが、名前の分からない山が並ぶ。雲が出てきて北アルプスは見えなくなった。大笠の上にも雲がかかり、頂上が陰になっている。少し休んで奈良岳に向かう。アップダウンの尾根道をたどり、奈良岳のテント場へ。振り返ると大門山のおだやかな姿。右端の白ナギが赤摩木古山。周囲に立ち並ぶ名峰を確かめながらの、絶景の稜線歩き。剱岳と立山、猿ヶ馬場山、人形山、笈ヶ岳・・・・・

思ったほどアップダウンはなく、やがて傾斜が緩くなり、お地蔵さんがいて、その少し先が奈良岳頂上。そういえば、赤摩木古で昨年見た地蔵尊がいなくなっていた。奈良岳にも石標と木標あり。小さな黄色い木標は猿ヶ馬場にあったのと同じデザイン。頂上の手前左手に下り道があり、木の幹に河内村山岳会のノート入れ。その先が小さな窪地になっており、どうやらガイドにあったテント場のようだ。もう午後1時を過ぎていたので、今日はここまでにしてテントを張る。とりあえず横になって寝て、16時頃に食事。もう大笠の頂上は雲に隠れていた。夜中にはガスが出ていて、星は全く見えず。静かな山のテントの一夜。

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翌日は曇。4時過ぎに起きて朝食。おもむろに出発したのは5時過ぎ。恐れていた通りこの日はガス。晴れるかなあ。急な坂を下ったところは湿地帯で、暗がりに水溜りが見える。アップダウンをこなしていくと、木道に出る。どうやら中間点あたりの湿地帯らしい。

そして笹ヤブの急登を登りきり、倒木をくぐったところで桂湖からの道との分岐。あいかわらずのガスで眺望はないが、ほぼ水平の道を少し歩いて大笠頂上に到達。ガスの大笠山頂上にはでっかい一等三角点にいろんな頂上標識。大門山や奈良岳のものと同じ石造の頂上標識に大きな木標と小さな黄色の木標。ガスで眺望がないのが残念だが、ザックを下ろしてしばらく休憩。この方向に笈と白山がみえるはずだが・・・・・と白いガスを眺める。

帰途につき、桂湖分岐を経て笹の急坂を下っていくと、突然ガスが晴れて下の景色が見え始めた。こんなに高低差のあるところを登ってきたのかと驚く。その下に続く曲がりくねった尾根と、左右の深い谷。木道のある草原までやってくると背後の大笠の全景が見えてくる。昨日見えていた左右対称の形ではなく、左端の頂上から右に傾いた非対称の形。その稜線の真ん中あたりに草原のような一角が見える。前方には雲の中から奈良岳、見越山、さらに大門、赤摩木古が遠くに見えてくる。右下の谷には昨日から見えていた巨大な岸壁が迫る。大笠からはかなり距離があり、桂湖への支流が見えていた。

奈良岳への最後の鞍部の湿原を通り、テントを畳んで奈良岳を出発。また雲が出てきて大笠の頂上はガスの中。赤摩木古では、雲は厚いが日も射していて、大笠から見越までが見えていた。ところが、ブナオ峠まで1時間ほどのあたりで、突然雨が降り出した。降り方が本格的っぽいのでレインウェアを着こんで帰り道を急ぐ。この後はカメラも出しにくいほどの降りとなり、淡々と歩いてブナオ峠に降りる。ブナオ峠の車が見えたときはほっとした。なぜか観光客が一人。

D1

1.ブナオ峠・・・・・こんなに快晴なのに峠には車なし。そういえば今日は金曜だった

2.大門山頂上・・・・・頂上標識が賑やか。石標二つに木標三つ

3.樹間からの大笠山

その左背後に見える双耳峰は白山、その真下は笈ヶ岳。

4.白山と笈ヶ岳(手前)・・・・・白山の双耳は、御前峰(左)と大汝峰(右)。剣ヶ峰は御前峰と重なっている

5.大門山・・・・・赤摩木古山より

6.赤摩木古山の頂上石標・・・・・これと同じものが大門山、見越山、奈良岳、大笠山にもあった

7.前年の赤摩木古山にいた地蔵尊・・・・・この年にはいなくなっていた

8.大笠山

見越への登りにかかると大笠が大きく迫ってくる。真っ青な秋空に浮かぶ大きな笠。その名の通りの大笠山の姿が実に雄大

9.白山と笈ヶ岳

10.見越山・・・・・左端は奈良岳。登路はたくさん並んだピークの一番南(左)

11.奈良岳

12.三方岩岳(左)、三方崩山(中央奥)、奥三方岳(右奥)・・・・・南南東方面、白山の左

13.上記を同定した方位盤

14.猿ヶ馬場山・・・・・南東方面

15.劔岳(左)と立山(右)・・・・・東北東方面

16.猿ヶ山・・・・・北北東方面

17.人形山(左)と三ヶ辻山(右)・・・・谷を挟んですぐ東

18.赤摩木古山とナギ・・・・・見越山付近より

19.なだらかな大門山・・・・・見越山付近より。右端は赤摩木古山

20.見越山・・・・最後の滑りやすい急な登りで、見越山に到着

21.見越山頂上・・・・・思いがけず立派な石の標識と古いベンチ

22.見越山頂上(南峰1,610m)から北側の見越山・最高点ピーク(1,621m)を見る

23.大笠山手前にある岸壁・・・・低いところに立っている白く尖った岸壁が目立っていたが、1,470mということ以外は詳細不明

24.奈良岳頂上手前の地蔵尊・・・・・思ったほどアップダウンはなく、やがて傾斜が緩くなり、お地蔵さんがいて、その少し先が奈良岳頂上

25.奈良岳頂上・・・・・奈良岳にも石標と木標あり。

26.小さな黄色い木標は猿ヶ馬場にあったのと同じデザイン

27.テントを奈良岳頂上直下の平地に張る

28.奈良岳から大笠山へのコル付近、湿地帯に木道があった

29.大笠山頂上・・・・・大門山や奈良岳のものと同じ石造の頂上標識に大きな木標と小さな黄色の木標。でっかい一等三角点。

ガスで眺望がないのが残念

30.帰路の木道・・・・・少し晴れてきた

31.大笠山・・・・・木道のある草原までやってくると背後の大笠の全景が見えてくる。昨日見えていた左右対称の形ではなく、左端の頂上から右に傾いた非対称の形。その稜線の真ん中あたりに草原のような一角が見える

32.コル付近の湿原にある池塘