カムエク 日高第二の雄峰

北海道(日高山系)  カムイエクチカウシ(通称カムエク)1,979m  2006年8月13日~15日(テント2泊)

日本二百名山

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へばりながら八ノ沢の最後の滝の横を登っていると、上から「あと10分で源頭、その先がカール」と声がかかる。元気づけてくれてありがたいが、ぐずぐずして迷惑をかけてはいけない。さっさと登り、礼を言う。

予想に反してカールは見晴らしのよい草原で、あちこちに花が咲き乱れており、こんなにきれいなところとは思わなかった。

八ノ沢カールから見るカムエクは雄大で、まさに王者の風格。これを見るだけでも価値はあるだろう。

ハイ松の岩尾根を辛抱強く登り、ようやくあこがれのカムエク頂上に到達。このときはガスに包まれて視界は無かったが、感無量だった。いつまでもいたい気持ちを抑えて頂上から下る。

私にとって初めての沢登り。

八ノ沢カールから主稜線に上がる道からのカムエク(カムイエクチカウシ)。
札内川:思い切って深みにじゃぶじゃぶ
予想に反してカールは見晴らしのよい草原
ウサギギク:あちこちに花が咲き乱れている

四周から見るカムエク

南(1,839m峰)から見るカムエクは、中央に南カール、左右に尾根を広げた姿(2008年9月映像)

南西(ビセナイ)から見るカムエクは、ピラミッド峰との双耳峰になっている(2014年9月映像)
北東(十勝幌尻岳)から見るカムエクは、中央に八ノ沢カールが見えており、豪快(2012年9月映像)
北(エサオマン)から見るカムエクは、急峻な北壁(2014年4月映像)
D1 9:53 駐車場発11:48 七ノ沢出合(入渓)13:57 八ノ沢出合(テントサイトだが通過)15:15 テント設営・・・・・・・・・・・・・・・・・・・登り5時間22分
D2 4:25 テント発 5:23 最初の雪渓 5:53 三股・二つ目の雪渓 8:38 八ノ沢カール11:15 カムエク・・・・・・・・登り6時間50分11:58 カムエク発13:31 八ノ沢カールからの下降点15:32 三股・二つ目の雪渓16:12 最初の雪渓17:11 テント・・・・・・・・・・・・・・・・・・往復合計12時間46分
D3 5:51 テント発 7:03 八ノ沢出合 9:16 七ノ沢出合11:23 駐車場着・・・・・・・・・・・・・・・・下降5時間32分

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沢登り用のタイツ、沢靴、スパッツを身に着け、沢を徒渉。思い切って深みにじゃぶじゃぶ入ると、ヒザ下までもぐるがひんやりしていて心地良い。裸足だと冷たくて耐えられないだろうが、ほどよい心地よさ。水から上がってしばらくすると、濡れた部分はどんどん乾いてゆき、さっぱりして着心地がよい。だんだん沢登りに慣れ、楽しめだしてきた。

八ノ沢テントサイトよりも少し先にテントを張る。できれば翌日中に下山したかったためだが、結局、カムエク往復に一日かかり、2泊となった。

翌日、テントを出発し、雪渓を越え、やがて最後の滝が見えてくる。その横をへばりながら登っていると、大きなザックをしょって上から下ってきた男女が「あと10分で源頭、その先がカール」と教えてくれる。元気づけてくれてありがたいが、ぐずぐずして迷惑をかけてはいけない。さっさと登り、礼を言う。

教えてもらった通りに源頭に達し、カールに着く。大きな岩があってそこで休憩してカールと頭上のカムエクを眺める。予想に反してカールは見晴らしのよい草原で、正面に雪渓が残っており、真ん中に水が流れている。あちこちに花が咲き乱れていて、こんなにきれいなところとは思わなかった(この後、稜線から西に見下ろしたコイボク・カールは対照的に石ころだらけ)。八ノ沢カールから見るカムエクは雄大で、王者の風格。これを見るだけでも、ここまで登ってくる価値はあるだろう。

ハイ松の岩尾根を辛抱強く登り、その先の道を登りきると舞台のようになっており、テント場のような空き地の上に頂上があった。少し小高い頂上に登ると、折れた標識と大きな一等三角点があった。誰もいない。ガスに包まれていたが、あこがれのカムエクの頂上に到達して感無量。幸福感でいっぱいだった。

頂上で少し横になって休み、いつまでもいたい気持ちを抑えて昼過ぎに頂上出発。ゆっくりペースで進む。声がすると思ったら、八ノ沢カールに人がいるようだ。登ってはこないでテントを張っている。熊よけの爆竹を鳴らしていた。

翌朝、八ノ沢テントサイトに着くと、昨日、ここに泊まったが、山頂まで登るのは断念して帰るという、おばさんグループに会う。それにしては元気で、いきなり沢をじゃぶじゃぶ渡ってゆき、その後ついに追いつけなかった。

メモ: 四周から見るカムエク

    • 南(1,839m峰)から見るカムエクは、中央に南カール、左右に尾根を広げた姿(2008年9月映像)

    • 南西(ビセナイ)から見るカムエクは、ピラミッド峰との双耳峰になっている(2014年9月映像)

    • 北東(十勝幌尻岳)から見るカムエクは、中央に八ノ沢カールが見えており、豪快(2012年9月映像)

    • 北(エサオマン)から見るカムエクは、急峻な北壁

札内川

沢登り用のタイツ、沢靴、スパッツを身に着け、沢を徒渉。思い切って深みにじゃぶじゃぶ入ると、ヒザ下までもぐるがひんやりしていて心地良い。裸足だと冷たくて耐えられないだろうが、ほどよい心地よさ。水から上がってしばらくすると、濡れた部分はどんどん乾いてゆき、さっぱりして着心地がよい。だんだん沢登りに慣れ、楽しめだしてきた。

八ノ沢出合テントサイト

八ノ沢テントサイトよりも少し先にテントを張る。できれば翌日中に下山したかったためだが、結局、カムエク往復に一日かかり、2泊となった。


テント設営(八ノ沢出合の少し先)


三股付近の雪渓

翌日、テントを出発し、雪渓を越え、やがて最後の滝が見えてくる。その横をへばりながら登っていると、大きなザックをしょって上から下ってきた男女が「あと10分で源頭、その先がカール」と教えてくれる。元気づけてくれてありがたいが、ぐずぐずして迷惑をかけてはいけない。さっさと登り、礼を言う。

八ノ沢上部

源頭付近

八ノ沢カールと慰霊碑

教えてもらった通りに源頭に達し、カールに着く。大きな岩があってそこで休憩してカールと頭上のカムエクを眺める。予想に反してカールは見晴らしのよい草原で、正面に雪渓が残っており、真ん中に水が流れている。あちこちに花が咲き乱れていて、こんなにきれいなところとは思わなかった(この後、稜線から西に見下ろしたコイボク・カールは対照的に石ころだらけ)。八ノ沢カールからのカムエクは雄大で、王者の風格。これを見るだけでも、ここまで登ってくる価値はあるだろう。

ピラミッド峰

八ノ沢カール・・・・・主稜線より

ハイ松の岩尾根を辛抱強く登り、その先の道を登りきると舞台のようになっており、テント場のような空き地の上に頂上があった。少し小高い頂上に登ると、折れた標識と大きな一等三角点があった。誰もいない。ガスに包まれていたが、あこがれのカムエクの頂上に到達して感無量。幸福感でいっぱいだった。

カムエク頂上

頂上で少し横になって休み、いつまでもいたい気持ちを抑えて昼過ぎに頂上出発。ゆっくりペースで進む。声がすると思ったら、八ノ沢カールに人がいるようだ。登ってはこないでテントを張っている。熊よけの爆竹を鳴らしていた。

翌朝、八ノ沢テントサイトに着くと、昨日、ここに泊まったが、山頂まで登るのは断念して帰るという、おばさんグループに会う。それにしては元気で、いきなり沢をじゃぶじゃぶ渡ってゆき、その後ついに追いつけなかった。

カールの花1: イワオトギリ?

カールの花2: ウサギギク

カールの花3: アキノキリンソウ

沢沿いの花1: ヤマアジサイ

沢沿いの花2: ヨメナ

(四周から見るカムエク)

南(1,839m峰)から見るカムエクは、中央に南カール、左右に尾根を広げた姿

(2008年9月映像)

南西(ビセナイ)から見るカムエクは、ピラミッド峰との双耳峰になっている(2014年9月映像)

北東(十勝幌尻岳)から見るカムエクは、中央に八ノ沢カールが見えており、豪快(2012年9月映像)

北(エサオマン)から見るカムエクは、急峻な北壁(2014年4月映像)