大山 西日本の百名山からスキー滑走
鳥取県 大山(剣ヶ峰1,729m、弥山1,711m) 2005年3月19日
日本百名山
30
名山一人旅
私の登る山には名山と呼べない山もあるだろう。だが、登っているときに心ときめくものがあれば、それは私にとって名山だ。
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中国地方で唯一の百名山だが、深田久弥は「誇るべき一つ」と記し、その理由に「剃刀の刃のように鋭い東西に長い頂稜」を挙げているが、この山の魅力はそれ以外にもたくさんある。
弥山から見る最高峰・剣ヶ峰の雄姿もその一つだろう。剣俊、崇高、優美、比類なき名山。
周囲を取り巻く三鈷峰、甲ヶ山、烏ヶ山、孝霊山などもそれぞれの個性を見せている。
たどり着いた剣ヶ峰は細長く、一番東側が最高点のようだ。
剣ヶ峰の南の先に尖がったピークが見える。烏ヶ山というやつだろう。剣ヶ峰から北東方向には三鈷峰の向こうに甲ヶ山や矢筈ヶ山らしきピークが見えていた。
弥山から急峻な沢筋を下るダウンヒルは山スキーヤーにとって最高の挑戦。はるか眼下を目指してエッジを刻む。(別山沢を滑走)
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登山口下の駐車場に行ってみると既に10数台停まっている。みんな登山らしい。登山口からシールで細い道を歩く。前を何人か歩いていく。後からも父子連れ。五合目を過ぎたあたりからスロープが急になり、アイスバーンなので、スキーをかつぎ、アイゼンを付ける。次第に晴れてきた。風もない。
尾根に出ると、木々の合間に頂上稜線が白く輝いている。正面、谷向こうの尾根に白い岩峰がそびえていて、それが三鈷峰。行く手には弥山の手前に険峻な黒い岩峰がそびえていて、別山と言うらしい。尾根を登っていくと、前にも後にも登山者がたくさん歩いていて、もう降りてくる人もいる。別山の後ろに白いピークが見えてきて、それが弥山。さらにもっと奥に高いピークがあり、それが剣ヶ峰に違いない。北面の絶壁を眺めていると、ここをスキーで降れると言われ、その気になって眼下を見下ろす(それらが行者谷や別山沢であることを同定したのは後日)。谷底に見える広場から、林道を川沿に行けば駐車場に戻れるらしい。
八合目まで上がるとスロープが楽になり、再びスキーをはく。標高差1,100mなので5~6時間かかると思っていたが、結局3時間で弥山小屋に着く。白い三鈷峰と黒い別山はもう眼下になっていて、三鈷峰の向こうに見えているはるか東の遠いピークはどうやら甲ヶ山らしい。北の方向にはぼんやりと黒い山がみえていて、おそらく孝霊山だろう。
中国地方で唯一の百名山だが、深田久弥は「誇るべき一つ」と記し、その理由に「剃刀の刃のように鋭い東西に長い頂稜」を挙げているが、この山の魅力はそれ以外にもたくさんある。弥山から見る最高峰・剣ヶ峰の雄姿もその一つだろう。剣俊、崇高、優美、比類なき名山。周囲を取り巻く三鈷峰、甲ヶ山、烏ヶ山、孝霊山などもそれぞれの個性を見せている。
小屋の先の小高いピークから剣ヶ峰を眺めている人がいるので行っていみると、なんと剣ヶ峰の上に人が立っている!途中を歩いている人もいる。そこで、弥山の東ピークにスキーを立て、ザックを下ろし、アイゼンを付ける。剣ヶ峰から戻ってきた人が、これから弥山沢というのを下るという。はるかに見える大きな岩の両側を滑れるらしいが、さっき通ったときは斜面の下まで見えなかった。南面の沢沿いにも滑れるらしい。
弥山の東ピークから細尾根を剣ヶ峰に向かう(*)。切り立った尾根の北斜面を回ったり、岩の出たやせ尾根を上り下りするのがたいへん。三人パーティが先行。近くから見る剣ヶ峰は左右に長く、雪庇が張っている。たどり着いた剣ヶ峰は細長く、一番東側が最高点のようだ。三人パーティはもうおらず、更に東にあるピーク(天狗峰)の上にいて、北側に降りていった。雪がやわらかくなってきて踏みぬける。
剣ヶ峰の南の先に尖がったピークが見える。烏ヶ山というやつだろう。剣ヶ峰から北東方向には三鈷峰の向こうに甲ヶ山や矢筈ヶ山らしきピークが見えていた。青空だが、遠くは霞んで見えない。細い尾根を戻る。途中、別の三人パーティが細尾根を通って来るのを5~6分待つ。すれ違うのは難しい。ガイドには一方通行とあった。弥山の東ピークに戻り、ビールで休憩。風もなく、気分良い。
弥山から急峻な沢筋を下るダウンヒルは山スキーヤーにとって最高の挑戦。はるか眼下を目指してエッジを刻む。シールをはがして滑走開始。弥山小屋の周りは登山者で一杯。スキーヤーやボーダーも少しはいるようだ。弥山沢と思われるところから下る。さっきの人の滑った跡は全く見えない。ガリガリのアイスバーンの上に氷のツブが乗っていて滑りにくい。大きな岩の東側を少し下ったが、先が見えない。しばらく考えたが、スキーを外して西側に登り直す。(結局、下っても大丈夫だった)8合目付近からの西側の別山沢を下る。西側は雪がやわらかく、滑りやすい。しかし、かなりの急斜面。2~3回ターンすると足が疲れて小休止。大きな岩の上では二人が岩登りをやっている。
下まで降りて振り返ると沢筋にきれいにターンの跡。大きなデブリがたまっていて、こいつの上は硬くて滑れない。迂回して滑る。何人か滑ってる人が広場のあたりにいる。これから登ろうとしている人もいる。降りてきた沢筋の西側には7合目からと思われる沢筋(行者谷?)があり、そこを滑ってきたのだろう。東側の弥山沢からもスキーの跡がついていて、弥山で会った人はやはりあそこを滑ってきたのだろう。ここから見ると大丈夫に見えるが、上からはオーバーハングしていて見えなかった。広場のあたりから傾斜がなく、スケーティングで行く。やがて神社に出、更に行くと大山寺があった。その門のところでスキーを外して歩くと、門前街の上に大山が白く光っている。
北側の駐車場付近から剣ヶ峰と弥山が並ぶ迫力の稜線を仰ぎ見る。駐車場から西に向かうと、大山は富士山型に姿を変えていた。
(*)メモ(入山制限)
鳥取県公式サイトでは、剣ヶ峰までの縦走路は崩落が激しく危険なため立入禁止、とある
一方、晴れた積雪期に大山に登ると、剣ヶ峰に登っている人がおり、トレースができている
天候や雪の状況、アイゼンやピッケルなどの装備を確かめ、自分の技術で可能と判断して登ることにした
「原則一方通行」との情報があり、帰路では登ってくる人が通過するまで広い場所で待った
登山口標示
登山口下の駐車場に行ってみると既に10数台停まっている。みんな登山らしい。登山口からシールで細い道を歩く。前を何人か歩いていく。後からも父子連れ。五合目を過ぎたあたりからスロープが急になり、アイスバーンなので、スキーをかつぎ、アイゼンを付ける。次第に晴れてきた。風もない。
山の神さん
大山北壁が見えてきた
尾根に出る
尾根に出ると、木々の合間に頂上稜線が白く輝いている。正面、谷向こうの尾根に白い岩峰がそびえていて、それが三鈷峰。行く手には弥山の手前に険峻な黒い岩峰がそびえていて、別山と言うらしい。
尾根を登っていくと、前にも後にも登山者がたくさん歩いていて、もう降りてくる人もいる。別山の後ろに白いピークが見えてきて、それが弥山。さらにもっと奥に高いピークがあり、それが剣ヶ峰に違いない。
北面の絶壁を眺めていると、ここをスキーで降れると言われ、その気になって眼下を見下ろす(それらが行者谷や別山沢であることを同定したのは後日)。谷底に見える広場から、林道を川沿に行けば駐車場に戻れるらしい。
八合目まで上がるとスロープが楽になり、再びスキーをはく。標高差1,100mなので5~6時間かかると思っていたが、結局3時間で弥山小屋に着く。
白い三鈷峰と黒い別山はもう眼下になっていて、三鈷峰の向こうに見えているはるか東の遠いピークはどうやら甲ヶ山らしい。北の方向にはぼんやりと黒い山がみえていて、おそらく孝霊山だろう。
別山
夏道尾根の登り
三鈷峰
弥山・・・・・左手前は別山
剣ヶ峰
甲ヶ山、三鈷峰、別山
孝霊山
弥山頂上
中国地方で唯一の百名山だが、深田久弥は「誇るべき一つ」と記し、その理由に「剃刀の刃のように鋭い東西に長い頂稜」を挙げているが、この山の魅力はそれ以外にもたくさんある。弥山から見る最高峰・剣ヶ峰の雄姿もその一つだろう。剣俊、崇高、優美、比類なき名山。周囲を取り巻く三鈷峰、甲ヶ山、烏ヶ山、孝霊山などもそれぞれの個性を見せている。
剣ヶ峰
小屋の先の小高いピークから剣ヶ峰を眺めている人がいるので行っていみると、なんと剣ヶ峰の上に人が立っている!途中を歩いている人もいる。そこで、弥山の東ピークにスキーを立て、ザックを下ろし、アイゼンを付ける。剣ヶ峰から戻ってきた人が、これから弥山沢というのを下るという。はるかに見える大きな岩の両側を滑れるらしいが、さっき通ったときは斜面の下まで見えなかった。南面の沢沿いにも滑れるらしい。
弥山・東ピーク
剣ヶ峰への稜線
弥山の東ピークから細尾根を剣ヶ峰に向かう(*)。切り立った尾根の北斜面を回ったり、岩の出たやせ尾根を上り下りするのがたいへん。三人パーティが先行。
剣ヶ峰・直下
剣ヶ峰頂上・・・・・奥は甲ヶ山、矢筈ヶ山、天狗ヶ峰
近くから見る剣ヶ峰は左右に長く、雪庇が張っている。たどり着いた剣ヶ峰は細長く、一番東側が最高点のようだ。三人パーティはもうおらず、更に東にあるピーク(天狗ヶ峰)の上にいて、北側に降りていった。雪がやわらかくなってきて踏みぬける。
烏ヶ山
剣ヶ峰の南の先に尖がったピークが見える。烏ヶ山というやつだろう。剣ヶ峰から北東方向には三鈷峰の向こうに甲ヶ山や矢筈ヶ山らしきピークが見えていた。青空だが、遠くは霞んで見えない。細い尾根を戻る。途中、別の三人パーティが細尾根を通って来るのを5~6分待つ。すれ違うのは難しい。ガイドには一方通行とあった。弥山の東ピークに戻り、ビールで休憩。風もなく、気分良い。
天狗ヶ峰
剣ヶ峰頂上から北東方向・・・・・三鈷峰、甲ヶ山、矢筈ヶ山
北の谷を見下ろす(剣ヶ峰-弥山の稜線より)
南の谷を見下ろす(剣ヶ峰-弥山の稜線より)
弥山から滑走開始
弥山から急峻な沢筋を下るダウンヒルは山スキーヤーにとって最高の挑戦。はるか眼下を目指してエッジを刻む。シールをはがして滑走開始。弥山小屋の周りは登山者で一杯。スキーヤーやボーダーも少しはいるようだ。弥山沢と思われるところから下る。さっきの人の滑った跡は全く見えない。ガリガリのアイスバーンの上に氷のツブが乗っていて滑りにくい。大きな岩の東側を少し下ったが、先が見えない。しばらく考えたが、スキーを外して西側に登り直す。(結局、下っても大丈夫だった)8合目付近からの西側の別山沢を下る。西側は雪がやわらかく、滑りやすい。しかし、かなりの急斜面。2~3回ターンすると足が疲れて小休止。大きな岩の上では二人が岩登りをやっている。
弥山沢入口
弥山沢上部
別山沢入口
別山沢の滑走1
別山沢の滑走2・・・・・奥は三鈷峰
別山とクライマー
大きな岩の上では二人が岩登りをやっている。
別山沢の滑走3
別山沢の滑走4
別山沢の滑走5
下まで降りて振り返ると沢筋にきれいにターンの跡。大きなデブリがたまっていて、こいつの上は硬くて滑れない。迂回して滑る。何人か滑ってる人が広場のあたりにいる。これから登ろうとしている人もいる。降りてきた沢筋の西側には7合目からと思われる沢筋(行者谷?)があり、そこを滑ってきたのだろう。東側の弥山沢からもスキーの跡がついていて、弥山で会った人はやはりあそこを滑ってきたのだろう。ここから見ると大丈夫に見えるが、上からはオーバーハングしていて見えなかった。広場のあたりから傾斜がなく、スケーティングで行く。やがて神社に出、更に行くと大山寺があった。その門のところでスキーを外して歩くと、門前街の上に大山が白く光っている。
別山沢全景
弥山沢全景
大山北壁・西側・・・・・弥山、弥山沢、別山、別山沢
行者谷
谷底の広場
大神山神社
大山寺
麓から見る大山・剣ヶ峰と弥山
北側の駐車場付近から剣ヶ峰と弥山が並ぶ迫力の稜線を仰ぎ見る。
西側から見る富士型の大山
駐車場から西に向かうと、大山は富士山型に姿を変えていた。
北西方向から見る大山