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（パソコンのCPU性能，円周率 π１００万桁演算時間）
パソコンの処理速度の目安として，πの計算結果が利用される．東京大学の金田研究室が提供している実行形式プログラム（Super π）をダウンロードして実行するだけで自分が使用しているパソコンの性能の目安が判る．一般には，104万桁を何秒で計算するかを比較することが多いようだ．
WIndows 用のソフトの場合，SUPER_PI フォルダ内の SUPER_PI.EXE がプログラム本体である．ダブルクリックして起動する．Mac用ソフトは WIndows とは操作を異にする．Macの場合はターミナル上で実行し，パラメータとして20を入力する．
これまでに散発的に実行した結果をまとめてみた．
OSの種類やメモリーの量で多少変化するが，報告されているデータと比較しても大きな差はない．
手元のPCについて処理速度が大きい順に列べたのが上記の表である．私の場合，50 秒以下なら，現在提供されているwebブラウザが気にならない速度で動いてくれるようだ．Google のストリートビューや Google Earth等は高速 CPUと比較すると待たされる感じはいなめない．webカメラで，外出先から自宅のカメラを動かして様子を見る場合．操作と表示の間に何となく遅れを感じる．
π 104万桁計算で，もっとも早いマシンは Core i7 であり，10秒程度である．なお，Core i7 は並列処理を意識したプログラムなら4CPUで処理する機能を有している．
先日，中規模病院の評議員会に出席した際，来年度電子カルテシステムが導入され，Pentium や celeron 系の約100台のマシンが新端末（dual CPU, core i5）にリプレイスされることが報告された．Core i5 は，104万桁の π計算では core i7 より僅かに遅い 12 秒程度で，単CPU比較では殆んど差がない．ちなみに Apple のデスクトップマシン，IMac や Mac mini 等は core i5 が標準仕様である．
小企業が青色申告する際に利用するブ ルーリターンというソフトがある．主に個人商店向けのため，古いパソコンでも動くようになっている．家内が薬局をやっていた頃はノート型パソコン (ThinkPad) の Windows 2000上で利用していた．ネットに繋ぐのは修正プログラムをダウンロードする時だけの会計専用機であった．医薬品の在庫管理も古いPPC Mac (G４)を専用機として使用していた．
整理のため，青色申告用パソコンを引っぱり出したついでに，ブラウザを立ち上げてみたら処理が遅く使い物 にならなかった．最近のパソコンの処理速度に慣れ，商業主義に毒されてしまったためではないかと思い，念のため計測してみると237秒を要した．
このように，画像処理を必要としない文字データの処理はかなり古いパソコンでもストレスなく動くが，ソフトウエアの改訂の際に古いOSは切り捨てられる運命にあるようだ．事務所の片隅で専用機として動いているパソコンを，XPサポート打ち切りの際に業者に言いくるめられ，音楽や動画の再生に重点を置く最新マシンに，買い替えたという人も多いようだ．もったいない話である．
研究環境に居た頃は，高速化に腐心した．非経験的分子軌道計算はパソコンで実行すると何日もかかるが，並列計算機を利用するとそれなりに計算時間を短縮できた．1970年〜2000年の間は，X線解析や分子計算は，大学の大型計算機センターで行っていた．2004年には Pentium4 16 CPU，2006年には Itanium2 8CPUの並列処理サーバーで実行できるようになり，最近は家庭用パソコンで処理可能になった．
参考データ
PowerMac G4/1.25GHz Dual RAM 2GB OS/10.2.8での計測結果で66秒です。
Windows マシン Pentium4 (Northwood) 3GHz RAM 2GB OS/XP pro SP1 HT ON での計測で47秒です。
Lenovo C305, Athlon II X2 250u 1.6GHz，メモリー４GB は49秒です（2017.8.1）．
参考資料
(2015.3.16)