検証95

本ページで取り上げるサイトはいずれも仮想通貨取引所 (暗号資産交換業者) に該当すると思われますが、いずれも日本の金融庁が公表している暗号資産交換業者の登録リストに該当がありません。ここで検証するサイトは全て日本語対応しており、さらに少なくとも一部のサイトについて日本人に向けた勧誘が行われている実態や被害報告が確認されていて単に無登録の違法業者であるというだけでなく、詐欺目的で立ち上げられたサイトである疑いが濃厚と考えられます。さらにこれらのサイトが何の告知もなく、続々と閉鎖されていることによっても詐欺サイトであることを疑わざるを得ません。

▼本サイトでの検証は名誉棄損に当たらないと考えます。→ 雑記1

「検証63」「検証64」「検証65」「検証66」「検証67」「検証68」「検証69」「検証70」「検証71」「検証72」「検証73」「検証74」「検証75」「検証76」「検証77」「検証78」「検証79」「検証80」「検証81「検証82「検証83「検証84「検証85「検証86」「検証87「検証88「検証89「検証90「検証91「検証92「検証93「検証94で検証してきたTinderを始めとするマッチングサイト (出会い系サイト) やSNSで外国人による勧誘が行われているという共通点がある一連の詐欺仮想通貨取引所のサイトについての検証33ページ目です。「検証96「検証97「検証98「検証99「検証100「検証101「検証102「検証103「検証104「検証105「検証106「検証107「検証108「検証109「検証110「検証111「検証112」「検証113」「検証114」「検証115」「検証116」「検証117」「検証118」「検証119」「検証120」「検証121」「検証122」「検証123」「検証124」「検証125」「検証126」「検証127」「検証128」「検証129」「検証130」「検証131」「検証132」「検証133」「検証134」「検証135」「検証136」「検証137」「検証138」「検証139」「検証140」「検証141」「検証142」「検証143」「検証144」「検証145」「検証146「検証147」にも続編があります。勧誘の手口などについては「検証63」の最初に書いてあるので参照してください。本ページでは以下のサイトを検証します。検証項目は順次追加の予定です。


●LAFBTC (https://www.lafbtc.com/dist/#/)

●MOCBTC (https://www.mocbtc.com/dist/#)

●OOOBTCS (https://www.ooobtcs.net/#/)

●Uniswapx3 (ユニスワップx3 http://uniswapx3.com/)

●Uncle block (アンクルブロック https://uncleblockings.com/#/home)

●Eta (https://www.etausdc.com/#/home)

●BtcThree (Btcスリー https://www.btcthree.com/#/home)

●Colliesss (https://www.colliesss.com/#/home、スマホ用サイト:https://m.colliesss.com/#/)

●Colliesss (https://www.coins-paying.com/#/home、スマホ用サイト:https://m.coins-paying.com/#/)

●XM (https://www.xmcep.com/#/home、スマホ用サイト:https://m.xmcep.com/#/)

●MASAN (https://www.ythone168.com/#/home、スマホ用サイト:https://m.ythone168.com/#/)

●Bitgemini (ビットジェミニ https://www.coinsultratop.com/#/home、スマホ用サイト: https://m.coinsultratop.com/#/)

●PLASMAORACLE (プラスマオラクル https://www.plasmaoracleglobal.com/#/home、スマホ用サイト:https://m.plasmaoracleglobal.com/#/)

●PLASMAORACLE (プラスマオラクル http://www.plasmaoracleglobalex.com/#/home、スマホ用サイト:https://m.plasmaoracleglobalex.com/#/)

●FERCoin (FERコイン https://www.fer-coin.com/app/#/)

●UPbit (アップビット www.upedexchain.cc/#/)

●UPbit (アップビット www.upedexchain.top/#/)

●Upbit (アップビット upbit.wang/index.html#/home)


まず以下の3つのサイトをまとめて検証します。

●LAFBTC (https://www.lafbtc.com/dist/#/)

●MOCBTC (https://www.mocbtc.com/dist/#)

●OOOBTCS (https://www.ooobtcs.net/#/)

LAFBTCとMOCBTCはYahoo知恵袋に質問投稿が出てきたサイト、OOOBTCSは画像検索で見つかってきたサイトです。互いに似ている部分があるのでまとめて検証します。まずLAFBTCとMOCBTCに関するYahoo知恵袋への投稿を引用します。

2021年7月12日投稿 (LAFBTCに関する投稿)

マッチングサイトで知り合っただけで実際に会ったことはない女性に勧誘されてLAFBTCに入金してしまい、結局は出金出来なくなったようです。勧誘役が外国人だったかどうかは不明ですが「検証63」の冒頭で説明した中国系と思われる詐欺グループによる詐欺の手口と合致しています。

2021年8月6日投稿 (MOCBTCに関する投稿)

2021年8月7日投稿 (MOCBTCに関する投稿)

MOCBTCに関する2件の質問投稿は単に実在するかというだけの質問になっています。2件の質問の質問者の投稿IDは違いますが同じ人物による投稿かもしれません。とにかくこれらの投稿にあったURLアドレスからこれらのサイトに行ってみました。さらに画像検索で見つけてきたOOOBTCSのサイトも含めてサイト冒頭のキャプを表題と同じ順 (LAFBTCMOCBTC OOOBTCS) で以下に示します。

3つのサイトは背景画像が全く異なるので一見して似ている印象は少ないですが、よく見ると例えばメニューバーの項目とその並びが左から「トップページ」「コイン取引」「契約」「私の資産」で一致している点とかプルダウンメニューに見える表示言語の選択肢とその並びも上から英語、香港語、韓国語、日本語、スペイン語の順で一致している点、キャプの下の部分に仮想通貨のUSDT建ての相場が表示されている点など明らかに一致している部分も確認できます。

さらに3つのサイトが互いに似ていることはこの冒頭部に続く分を見ていくとさらに明らかになります。まず以下はサイトの特長を3項目にまとめて説明する部分のキャプです。これも表題と同じ、LAFBTC → MOCBTC → OOOBTCS という順で他のサイトとの比較の為に英語版のキャプを示します。

イラスト部分については理由は不明ですが最後のOOOBTCSの場合には3つ目のイラストが正常に表示されません。それ以外は3つのイラスト部分は3つのサイトで全く同じに見えます。またこのイラスト部分は「検証63」以降で検証対象にしてきたサイトの中でかなり多くのサイトに確認されていたイラストと同じに見えます。例えば以下は既に閉鎖れていますが「検証87」で取り上げたBcyll (https://www.bcyll.com/dist/#/) というサイトからのキャプ画像ですがイラスト部分はそっくりです。

3つのイラストが全て非常に似ていることからここで検証している3つのサイトもこれまで検証してきたBcyllなど多数のサイトと同じグループによるサイトである可能性が示唆されます。

しかしイラストの下に見えるテキスト部分については本項で検証している3つのサイトのものとBcyllなどこれまで検証してきたサイトのものとは意味は似ている部分があっても明らかに違う文章です。

上のキャプでは活字が小さくて分かりにくいですが本項で検証している3つのサイトの間ではテキスト部分は基本的に共通しているようです。しかし英語版と日本語版を比較していて奇妙な部分があることに気が付きました。3つ並んでいるイラストの中央の項目のみを拡大してまずはOOOBTCSについて示します。

OOOBTCS 英語版

>Six year old exchange

>6 years of experience in digital asset financial services

>Professional distributed architecture and anti DDoS Attack System

OOOBTCS 日本語版

>6年老舗の取引所

>6年間のデジタル資産金融サービス経験

>プロの分散アーキテクチャとアンチDDOS攻撃システム

英語版と日本語版の内容は基本的に同じです。しかしLAFBTCやMOCBTCの場合は英語版と日本語版で明らかに内容が異なるのです。以下にはLAFBTCの同じ部分の英語版と日本語版のキャプを示しています。

LAFBTC 英語版

>Six year old exchange

>6 years of experience in digital asset financial services

>Professional distributed architecture and anti DDoS Attack System

▼LAFBTC 日本語版

>3年老舗の取引所

>3年間のデジタル資産金融サービス経験

>プロの分散アーキテクチャとアンチDDOS攻撃システム

英語版では設立から6年間の実績があると書いてあるのに日本語版では設立から3年になっているのです。日本語版だけ3年間にも渡って内容の更新が行われていないのでしょうか?非常に違和感があります。この設立からの経過年数の記述については以下で再度触れることにします。

この3つの特長を説明する部分に次いでは以下にやはり3つのサイトのキャプを順に並べますがマルチプラットフォーム対応を説明する部分が出てきます。これも表題と同じ、LAFBTC → MOCBTC → OOOBTCS という順で他のサイトとの比較の為に英語版のキャプを示します。

この部分について3つのサイトは互いに全く同じに見えます。さらにこの部分も「検証63」以降で検証してきたかなり多くのサイトで非常によく似た部分が確認されています。例えば以下も「検証87」で取り上げたBcyll (www.bcyll.com/dist/#/) というサイトからのキャプ画像ですがパソコンやスマホの取引画面が並ぶ部分はパソコンの取引画面に見えるチャートパターンまで全く同じに見えます。さらに「Multi-Platform terminal trading anytime, anywhere (何時でもどこでもマルチプラットフォーム対応のトレード)」というテキスト部分もBcyllのキャプに見えるテキスト部分と完全に一致しています。

やはりここで検証しているLAFBTC、MOCBTC、OOOBTCSの3つのサイトが同じグループによるサイトである可能性が高いというだけでなく、Bcyllなど非常に多くの類似のサイトとも組織的な繋がりがある可能性は非常に高いようです。

次に3つのサイトで連絡先情報を探してみましたが殆ど開示されていません。わずかにそれぞれの脚注部分にメールアドレスのみ記されています。

LAFBTC: lafbtc@gmail.com

MOCBTC: mocbtcs@gmail.com

OOOBTCS: ooobtcs.vip@gmail.com

しかもこれらのメールアドレスはいずれも無料登録できるgmailのメールアドレスです。開示されている唯一の連絡先がフリーメールのアドレスというのは話になりません。

さらに運営者の連絡先情報を求めて各サイトのWho Is 情報も確認しましたがOOOBTCSの場合のみ断片的な所在地情報が以下のキャプの赤枠で囲んだ部分に確認されました。

所在地情報として記されているのは

>Bei Jing Shi, CN

これは中国の北京市という意味と思われます。やはり中国のグループによるサイトらしいということが分かるだけで情報開示としては明らかに不適切、不充分です。それから黄色の枠で囲った部分にサイトの登録・開設の日付が記されており、2021年6月11日となっています。

キャプは省略しますが、LAFBTCとMOCBTCについてもWho Is 情報のサイトを確認して3つのサイトの登録開設日をまとめると以下のようになります。

LAFBTC: 2021年6月7日

MOCBTC: 2021年7月19日

OOOBTCS: 2021年6月11日

この検証は2021年8月半ばに書いているので最も古いLAFBTCの場合でも開設から2ヶ月を超えたくらい、最も新しいMOCBTCのサイトは1ヵ月も経過していない非常に新しいサイトということになります。上でサイトの特長をまとめた部分に3年、あるいは6年の実績があると記されていることについて書きましたが、実際には1、2ヶ月ほどしか経過していないサイトで3年とか6年の歴史があると書いてあるのは全くのデタラメとしか思われません。

言うまでもありませんがこれらのサイトは全く信用出来ません。投資は絶対に避けるべきです。


●Uniswapx3 (ユニスワップx3 http://uniswapx3.com/)

これもYahoo知恵袋に2件の質問投稿が出てきたサイトです。まずその2つの投稿を引用します。

2021年4月11日投稿

インスタグラムで知り合った人物に勧誘されたとありますが勧誘役が外国人だったかどうかは不明です。そして仮想通貨投資の場合には珍しいのですが入金方法が仮想通貨建ての送金ではなく、日本の銀行 (三井住友銀行) の日本人男性と思われる個人名義の銀行口座への送金を指示されたとあります。日本の銀行の個人名義の口座への入金を指示されるというのは姉妹サイトの「検証13」で説明しているFXの詐欺サイトに誘導される場合では一般的なパターンです。

2021年7月15日投稿

こちらはインスタグラムで知り合った自称・シンガポール人に勧誘されたということのようです。この質問投稿に書いてありますが、Uniswapという名称はUniswap (uniswap.org/) という非中央集権型のイーサリアム系列専用の取引所と混同される可能性がある、むしろ系列の取引所などと誤認させる目的で使われている名称の疑いがあります。

とにかくこれらの質問投稿に記されていたURLアドレスのサイトにアクセスしてみました。以下がサイト冒頭のキャプ画像です。

表示対応言語の選択肢は上のキャプの右側に見えるプルダウンメニューに国旗アイコンが並んでいますが中国語、英語、韓国語、日本語、フランス語、アラビア語、タイ語、スペイン語、ドイツ語、イタリア語、香港語、ベトナム語の12ヵ国語になっています。

そして上のキャプの下端部分に幾つかの仮想通貨のリアルタイム相場情報が出ていますが、非中央集権型のイーサリアム系列専用取引所であるUniswap (uniswap.org/) 取引所とは異なり、ビットコイン (BTC) などイーサリアム系列ではない仮想通貨も含めて19種類の仮想通貨が取引されていることになっています。

そしてこのサイトには例えば上で検証対象にしたLAFBTCのサイトなど「検証63」以降で説明してきた中国系と思われる詐欺サイトの多くと同様にサイトの特長を簡単なイラスト付きでまとめている部分やマルチプラットフォーム対応を説明する部分があります。順序からすれば逆なのですが、まずユニスワップx3のマルチプラットフォーム対応を説明する部分のキャプを以下に示します。ここでは比較の為に英語表示の場合のキャプを示します。

この部分は例えば上で検証したLAFBTCのマルチプラットフォーム対応を説明する部分のキャプを以下に再掲しますが非常によく似ていて殆ど区別出来ません。画像部分の中にあるモニターに映るチャートのパターンまで完全に一致しています。

一方、ユニスワップx3のサイトの特長を簡単なイラスト付きでまとめた部分については以下にキャプを示しますが、イラスト部分についても文章の部分についてもこれまで検証してきた一連のサイトの相当部分とは全く異なるものになっています。

しかしこのサイトの特長を説明する部分のみこれまでに検証してきた多くのサイトに似ていないとしてもそれ以外の部分についてはかなり似ている部分が多いのでやはり同じ中国系の詐欺グループによる詐欺サイトの疑いが濃いものと考えます。

次に連絡先情報を探しましたがやはり殆ど開示がありません。わずかにサイトの脚注部分に右のキャプに示したメールアドレスがあるだけです。

>support@uniswapx3.zendesk.com

さらに運営元に関する情報を求めて例によってサイトのWho Is 情報も確認しましたが何も情報がありません。サイトの登録・開設日が2021年4月7日となっていることが分かったぐらいです。

このサイトについては本項の最初に説明した通り、Yahoo知恵袋に投資勧誘されたという質問投稿が2件出ているだけで実際に出金が出来なくなるなど被害報告が確認されているわけではありません。しかしサイトには明らかにこれまで検証してきた一連の中国系と思われる詐欺サイトと似ている部分があり、さらに情報開示が決定的に不足しているといった点から判断して危険なサイトである可能性が濃厚です。このサイトでの投資を勧誘されても決して応じないことを推奨します。


●Uncle block (アンクルブロック https://uncleblockings.com/#/home)

これもYahoo知恵袋に質問投稿が出てきたサイトです。まずその質問投稿を引用します。

2021年7月20日投稿

質問者は自称・中国系マレーシア人から勧誘されているようです。それに対してベストアンサーの回答者は「中国の女性」から勧誘されて既に「最初儲けさせといて損失を出す」という手口で被害を受けたようです。

2021年8月5日投稿

この質問では勧誘された状況が不明ですが投稿者は既に入金してしまい、利益が出たので出金しようとしたところ出金の条件として資金全体の60~70%もの「保証金」を追加入金するように要求されて資金が事実上凍結されたようです。

2021年8月17日投稿

この質問では質問の背景が何も分かりません。東京保証有限会社という会社についても質問していますがどういう関係があるのかも不明です。しかし上のキャプに含めた添付されている画像にアンクルブロックのサイトのURLアドレスらしきものが見えています。

2021年8月29日投稿

この投稿でも状況が全く分かりませんが出金拒否になっているようです。

2021年9月11日投稿

これはこの検証を書き終えてから出てきた投稿ですがFacebookで知り合った女性に勧誘され、さらに資金を貸してあげるなどと言われて最初は利益が出ていることになっていたけど大きな取引をしたら大きな損失が出たことになり、損失分を請求されているようです。

とにかく質問の添付画像に出てきたURLアドレスのサイトにアクセスしてみました。以下にサイト冒頭部のキャプを示します。

表示対応言語はプルダウンメニューに国旗アイコンが並んでいますが英語、日本語、ベトナム語、タイ語、アラビア語、ドイツ語、イタリア語、フランス語の8つになっているようです。そして上のキャプに見えますが

>UNCLEBLOCK 先生をフォローする

>10年以上の金融リスク管理チーム

といった記述が確認できます。このアンクルブロックというサイトは10年以上の歴史があるという主張のように思われますが実際にそれだけの歴史があるかどうかについてはまた後述します。

そしてこの冒頭部に続いてはサイトの特長を簡単なイラスト付きで3項目にまとめて説明する部分が出てきます。その部分のキャプを以下に示します。

一見しただけでは気が付かなかったのですがこの部分に書いてある文章をよく見ると「検証63」以降で検証してきた一連の中国系と思われる詐欺サイトでしばしば出てくる同様にサイトの特長をまとめた部分にある文章とかなり似ていることに気が付きました。例えば以下は「検証87」で検証したBcyll (www.bcyll.com/dist/#/) という既に閉鎖されたサイトから取得したサイトの特長を説明する部分のキャプ画像です。

テキスト部分は全く同じではないものの互いにかなり似ています。例えば3項目の特長の内、左側にある第1項目の文章を比較してみます。

▼アンクルブロックの文章

>安全で信頼できる

>暗号資産金融サービスでの5年の経験

>プロフェッショナル分散システムとDDOS攻撃防止システム

▼Bcyllの文章

>安全で信頼できます

>5年間の暗号資産金融サービスの経験

>専門的な分散システムとDDOS攻撃防止システム

さらにアンクルブロックとBcyllのサイトで英語表記を選択した場合のこの部分のキャプを以下で比較します。

やはり左側の第1項目の文章を書き出して比較してみます。

▼アンクルブロックの文章

>Safe and reliable

>5 years of experience in crypto and financial services

>new.zhuan

▼Bcyllの文章

>Safe and trustworthy

>5 years experience in digital asset financial services

>Professional distributed architecture and anti-DDOS attack system

アンクルブロックの文章の最後の「new.zhuan」という部分は意味が分かりませんがやはりかなり似ていることは確かです。これらのサイトは中国系の詐欺グループによる詐欺サイトの可能性が高いと思われるので中国語表示にした場合にはさらに他のサイトとの一致度が高くなるのではないかとも考えたのですが、残念ながら既に書いたようにアンクルブロックのサイトは中国語とか香港語表示に対応していないので中国語で比較することは出来ません。

しかしアンクルブロックのサイトとこれまで検証してきた多数のサイトが互いに似ていることはこの部分に続いて出てくるマルチプラットフォーム対応を説明する部分でいよいよ確実です。その部分についてもアンクルブロックのサイトからのキャプ、Bcyllのサイトからのキャプ、さらに上で検証したLAFBTCのサイトからのキャプを以下に順に並べて比較します。

アンクルブロックのサイトのこの部分は特に上で検証したLAFBTCのサイトの相当部分に似ています。Bcyllのサイトとの比較でも同じ画像の組み合わせで作られていることは間違いありません。モニターに映るチャートのパターンまで同じです。「Multi-platform terminal trade anytime, anywhere」という文章も3つのサイトで共通です。

やはりアンクルブロックのサイトもBcyllやLAFBTCなど多くのサイトと同じグループによって同じテンプレートから作られたサイトである可能性が極めて高いと考えます。

次に連絡先情報を探しましたが唯一以下のような画像が示されています。カナダのFINTRACという組織で登録を得ていることを証明する証書のようなものの画像のようです。

さらに活字が小さいので中央部のみ拡大して示します。

この記述を日本語訳して以下にまとめます。

FINTRACでの登録取得日付:2021年6月7日

メインオフィス所在地:UNIT G1 CAPITAL HOUSE 61 AMHURST ROAD, LONDON, UNITED KINGDOM, E8 ILL

事業内容:外国為替取引、送金業務、仮想通貨取引

創業日:2021年5月24日

まず創業日が2021年5月24日と書いてあります。この検証は2021年8月下旬に書いているので創業から4ヶ月ほどという新しい法人ということになります。上で取り上げたサイトの特長をまとめている部分にある「暗号資産金融サービスでの5年の経験」という記述と完全に矛盾しています。

そして本社所在地としてイギリス・ロンドンの住所が書いてあります。とにかくFINTRAC (Financial Transactions and Reports Analysis Centre of Canada https://www.fintrac-canafe.gc.ca/intro-eng) に本当に登録があるかどうか確認してみました。FINTRACのサイトにある登録業者の検索ページから「Uncle Block Global Limited」の登録を探すと確かに以下のキャプに示したアンクルブロックの登録情報が確認されました。

しかし所在地がイギリスなのにカナダのライセンスを得ることの意味が疑問です。そもそもこのFINTRACという組織は調べてみるとマネーロンダリングの防止やテロ組織への資金供給を抑制することが役目と思われます。詳しくは本サイトの姉妹サイトの「検証20」にあるAGA TRADERS GROUP LIMITED (AGAトレーダーズグループリミテッド www.aga-markets.com/) の検証を参照してください。このAGAトレーダーズグループリミテッドというFX業者も中国系と思われる詐欺グループによる詐欺業者の1つと思われ、アンクルブロックと同様にFINTRACからライセンスを取得しています。

とにかくイギリスが創業の地であり、住所もイギリスとなればイギリスの法人登録があるはずと考えて調べてみるとあっさりと以下に示したアンクルブロックのものと思われる法人登録が見つかってきました。

住所 (Unit G1, Capital House 61 Amhurst Road, London, United Kingdom, E8 1LL) と法人登録の日付 (=創業日、2021年5月24日) はFINTRACの登録に記されていた情報と完全に一致するのでこれがここで検証しているアンクルブロックの法人登録であることは間違いないでしょう。

しかしこの住所を検索すると全く同じ住所に数百単位の法人登録があるようです。この住所が信頼できる住所かどうかは極めて疑問です。さらにこの法人登録の経営者情報を見ると以下のキャプに示したTRIEU, Van Themというベトナム国籍、シンガポール在住の人物が唯一の経営者として登録されています。

肩書はDirector (社長) で1992年6月生まれですから2021年8月現在で29歳ということになります。

この人物について調べてみると本サイトの姉妹サイトの「検証16」で検証したHui Deli Global Limited  (Hui Deli グローバルリミテッド www.huidelifx.com/Jp) というやはり中国系と思われる詐欺組織が立ち上げた可能性が高いFXのサイトに対応するイギリスの法人登録の経営者情報に登場している人物であることが分かりました。但しこのHui Deli グローバルリミテッドの経営者情報ではTRIEU, Van Themの居住地が香港になっています。法人登録の日付はHui Deli グローバルリミテッドの方が2021年2月4日となっていてアンクルブロックの法人登録の日付 (2021年5月24日) より早いのでかつて香港に住んでいた人物がシンガポールに転居したことになると思われますが国籍がベトナムでも香港/中国と何らかの繋がりがあることは確かです。

法人登録上の経営者がベトナム人になっていると書きましたが、アンクルブロックのサイトの脚注には「Video Introduction」という項目があって勧誘目的と思われる動画がアップされています。以下にその動画のキャプを幾つか示します。この勧誘動画にはアンクルブロック社のCEO (最高経営責任者) という肩書でDaniel Leoという人物が登場し、アンクルブロック社のロゴが入ったお揃いのシャツを着た社員かと思われる10人ほどに向かってアンクルブロック社について語っています。

しかしイギリスの法人登録によれば既に説明した通り、アンクルブロック社の経営者はTRIEU, Van Themというベトナム国籍で現在29歳の人物のはずです。この動画にCEOとして登場しているDaniel Leoという人物は名前も違いますし、29歳のベトナム国籍には見えません。一体これらの人物は本当にアンクルブロック社の人間なのか疑問を感じざるを得ません。

改めて結論するまでもなく、アンクルブロックは信頼できる業者とは到底思えません。投資勧誘を受けても決して応じるべきではないと考えます。


※付記

時期は不明ですがアンクルブロックのサイトが何の告知もなく閉鎖されているようです。そして閉鎖されたサイトの代わりということなのか明らかにアンクルブロックと同じテンプレートから立ち上げられたと思われる後継のサイトが幾つか見つかってきたので次項以下で検証しています。参照してください。尚、閉鎖されたアンクルブロックのサイトにアクセスしてみると以下のキャプに示したような中国語の文章が出てきます。

中国語は全く分からないのでGoogle翻訳による日本語訳も以下に示します。

全く意味が分かりませんが、少なくともなぜ閉鎖されたのか、アンクルブロックの事業がどうなったのかについての説明ではなさそうです。


●Eta (https://www.etausdc.com/#/home)

●BtcThree (Btcスリー https://www.btcthree.com/#/home)

EtaというサイトはYahoo知恵袋に質問が出てきたサイト、Btcスリーは画像検索で見つけてきたサイトです。これら2つのサイトは上で検証したアンクルブロックのサイトと明らかに似ている部分があるのでここで検証します。まずEtaというサイトについてYahoo知恵袋に出てきた質問投稿を引用します。

2022年4月3日投稿

何の説明もなく安心できる取引所かどうかというだけの質問になっています。とにかくこの質問に記されていたURLのサイトに行ってみました。以下にサイト冒頭のキャプを示します。

表示言語の選択肢は英語、日本語、韓国語、ベトナム語、タイ語、アラビア語、香港語、スペイン語の8つです。

さらにこのEtaのサイトからの画像検索で見つけてきた表題2番目のBtcスリーのサイトについてもサイト冒頭部のキャプを示します。

このサイトはこの冒頭部を比較しただけでは上に示したEtaのサイトに特に似ているようには思えません。プルダウンメニューに示されている表示言語の選択肢は英語、日本語、ベトナム語、タイ語、アラビア語、ドイツ語、イタリア語、フランス語の8つです。国旗アイコンは似ていますし、選択肢の数が8つであることはEtaの場合と同じですが選択肢の言語は8つの内、5つが一致しているだけです。さらに上で検証したアンクルブロックのサイトの冒頭部のキャプを比較の為に再掲します。

このアンクルブロックのサイトの冒頭部と比較すると例えばメニューバーの項目名とその並びやキャプの下端に見える仮想通貨の相場を示している部分などはEtaとアンクルブロックの間で相同性が高いです。しかし一方で表示言語の選択肢はBtcスリーとアンクルブロックが同じ8言語でその並び順まで同じです。

さらにこの3つのサイトの相互比較を続けます。以下は冒頭部に続く部分にあるサイトの特長を簡単なイラスト付きで説明している部分の比較です。これもEta → Btcスリーアンクルブロックの順でキャプを示します。

3つのキャプを比較するとこの部分ではEtaとアンクルブロックがイラスト部分も文章も全く同じに見えます。Btcスリーはイラスト部分が微妙に異なりますが、文章は他の2つのサイトと全く同じです。到底偶然とは思われません。そして文章は3つのサイトで共通していると書きましたが、3つの項目の内の第1項の文章は以下のようになっています。

>暗号資産金融サービスでの5年の経験

>プロフェッショナル分散システムとDDOS攻撃防止システム

本当に「5年の経験」があるかどうかについては後述しますが極めて疑問です。

さらにこの部分に続いてはEtaアンクルブロックの場合のみさらに3項目の特長を説明する部分があります。Etaアンクルブロックの順でキャプを以下に示します。Btcスリーのサイトにはこの部分に相当する部分がありません。

この部分でもEtaとアンクルブロックのサイトはイラスト部分も文章も全く同じに見えます。

このサイトの特長を説明する部分部分に続いてはマルチプラットフォーム対応を説明しアプリのダウンロードボタンが用意されている部分が出てきます。再び3つのサイトからのキャプを以下にEta → Btcスリー → アンクルブロックの順示します。

この部分でもEtaとアンクルブロックの2つのサイトは全く同じに見えます。Btcスリーの場合のみキャプの一番上に見える

>いつでもどこでもマルチプラットフォーム端末で取引します

という文章やダウンロードボタンの中に見えるアイコンの色が変わっていますが非常によく似ているのは間違いありません。

そしてこのマルチプラットフォーム対応を説明する部分に続いてはEtaでもBtcスリーでも何らかのライセンスを保有しているという記述が出てきます。但しEtaの場合とBtcスリーの場合では示されているライセンスの種類が全く異なります。まずEtaの場合はアンクルブロックの場合と同じでカナダのFINTRACという組織で登録を得ているとして以下にキャプを示しますが取得したライセンスを証明する証書のようなものの画像が出てきます。

これをアンクルブロックのサイトにあった同じFINTRACのライセンス証明の画像と比較してみます。

そしてこれら2つのライセンス証明を比較して奇妙なことに気が付きました。上に示した2つのライセンス証明を見比べると緑の枠で囲った部分にあるライセンスを取得した業者名がそれぞれETA GLOBAL LIMITEDとUNCLE BLOCK GLOBAL LIMITEDになっています。ところがこの業者名以外の部分は記載内容が全て同じなのです。記載内容を日本語訳して以下にまとめます。

登録年月日:2021年6月7日

登録有効期限:2024年5月31日

メインオフィスの住所:Unit G1 CAPITAL HOUSE 61 AMHURST ROAD LONDON, UNITED KINGDOM (THE) E8 ILL

法人管轄:カナダ国外 (イギリス)

事業内容:外貨取引、送金、仮想通貨取引

創業日付:2021年5月24日

これらの記載内容が全て同じです。さらに赤枠で囲った部分にあるライセンス番号まで「M21369396」で全く同じです。ライセンス番号まで同じというのはさすがにおかしいとしか思えません。そしてライセンス番号「M21369396」の登録は上に書いたアンクルブロックの検証でアンクルブロックの登録であることが確認されています。そこでEtaが本当にFINTRAC (Financial Transactions and Reports Analysis Centre of Canada https://www.fintrac-canafe.gc.ca/intro-eng) 登録を得ているのか確認を試みました。FINTRACのサイトにある登録業者の検索ページから「ETA (GLOBAL LIMITED)」の登録を探してみたのですが以下のキャプに示したように該当なしという結果になります。

Etaのライセンスが取り消された為に該当なしという結果になるのか、あるいはそもそもライセンスなど取得していないのかこれだけでは分かりませんが、Etaとアンクルブロックのライセンス証明書の画像で業者名の項目以外が全て同じということを考えるとEtaのサイトで示されていたFINTRACのライセンス証明の画像はアンクルブロックのライセンス証明の画像を元に偽造したものである可能性が充分にあるように思われます。さらに上のアンクルブロックの検証でも説明しましたがこのライセンスを得たカナダのFINTRACという組織の役割はマネーロンダリングの防止やテロ組織への資金供給を抑制することであって金融ライセンスの管理ではありません。FINTRACに登録があったところで金融ライセンスを得ているようなことを主張するのはおかしいと思われます。

さらにEtaのサイトにはアメリカのFINANCIAL CRIMES ENFORCEMENT NETWORK (金融犯罪捜査網 https://www.fincen.gov/) という組織に登録があるという証明書 (?) のPDFファイルが示されています。

2021年7月7日付でアメリカのFINANCIAL CRIMES ENFORCEMENT NETWORK (金融犯罪捜査網) からMSB (Money Services Business) の登録を得ているとなっています。

MSB登録番号:31000193057938

登録名:EXTRAORDINARY COIN GLOBAL LIMITED

住所:Flat 43 Perkins House, Wallwood Street, London, E147AH

登録名となっているのがEtaのサイトの運営会社の名称かと思われます。そしてイギリスの住所が記されています。この法人名とイギリスの住所についてはまた後述します。

次にBtcスリーの場合ですが、カナダのFINTRACの登録については記述がなく、アメリカのFINANCIAL CRIMES ENFORCEMENT NETWORK (金融犯罪捜査網) にMSBの登録があるとなっています。以下がその登録を証明する書類となっているようです。

ここでも登録内容の一部を以下に書き出します。

MSB登録番号:31000191021292

登録名:PLASMA ORACLE GLOBAL LIMITED 

住所:Unit G1, Capital House 61 Amhurst Road, London, E81LL

PLASMA ORACLE GLOBAL LIMITED 」というのがBtcスリーのサイトの運営法人名ということになるのだと思われますが、全く名称が似ていないのが非常に気になります。これもBtcThree (Btcスリー) と無関係な法人の登録書をBtcThree (Btcスリー) の登録証明として使っている疑いがあります。(そして実際に同じ登録番号など一致する証明書を掲げるPLASMA ORACLEというサイトが後に見つかってきており、以下で検証しています。また以下で検証しているMASANというサイトでも登録番号が一致する、つまり全く同一の証明書が示されています。)

さらにイギリス・ロンドンの住所が記されていますが上に示したEtaの運営法人であるEXTRAORDINARY COIN GLOBAL LIMITEDの住所とは同じロンドン市内でも全く異なる住所です。2つのサイトは互いにかなり似ており、同じグループによる運営の可能性が高いと思われるのに運営法人名や住所が異なることは気になります。住所などの情報は信頼できるかどうか疑問です。この法人や住所についてもまた後述します。

そもそもFINANCIAL CRIMES ENFORCEMENT NETWORKという組織の役割が問題です。この組織の公式サイトにはMission (使命) を説明するページがありますが、以下のように説明されています。

>The mission of the Financial Crimes Enforcement Network is to safeguard the financial system from illicit use, combat money laundering and its related crimes including terrorism, and promote national security through the strategic use of financial authorities and the collection, analysis, and dissemination of financial intelligence.

その使命は「金融システムを不正使用から保護し、マネーロンダリングとそれに関連するテロを含む犯罪と闘い、金融当局の戦略的使用と金融情報の収集、分析、普及を通じて国家安全保障を推進すること」となっています。役割としてはカナダのFINTRACの担っている役割と似ています。決して金融ライセンスの管理を担う組織ではありません。アメリカの金融ライセンスを管理しているのはSEC (https://www.sec.gov/) という組織と思われます。EtaやBtcスリーの運営元がこのFINANCIAL CRIMES ENFORCEMENT NETWORKという組織で登録を得ていても金融ライセンスを持っているとか信頼出来る仮想通貨取引所であるとは言い難いです。

これらライセンス情報に並んでEtaのサイトにもBtcスリーのサイトにも会社概要という項目があります。いかにまずEtaのサイトの会社概要を示します。

活字が小さいので以下に記載内容を書き出します。

> 2020年にイギリスのロンドンで設立されて以来、Etaはカナダに準拠したブロックチェーンライセンスを取得しています。 ユーザーは、英語、日本語、韓国語、ポルトガル語、トルコ語、ベトナム語、ヒンディー語、マレー語、インド、アフリカ、およびその他の言語地域または国で配布されます。

翻訳がおかしいのか意味不明な部分もありますが、会社概要と題しながら

>2020年にイギリスのロンドンで設立された

とあるだけで連絡先情報などは何もありません。Etaのサイトで連絡先らしきものは脚注にメールアドレスが1つ記されているだけです。

>info@etausdc.com

住所も電話番号もないというのは明らかに情報開示として不適切でしょう。

次はBtcスリーのサイトの会社概要ですが、英語版と日本語版のキャプを以下に並べて示します。

最初の部分を日本語版、英語版で以下に書き出します。但し日本語版はなぜか分かりませんが漢字部分のフリガナが本文に混在したような文章になっていて非常に読みにくいのでその部分を修正した形で以下に示します。

▼日本語版

PLASMAORACLEは英国のロンドンに登録して、米国、シンガポールで完璧な運営センターを設立して、1家は全世界のユーザーのために安全で、便利で、信頼できる権威のデジタル資産デリバティブの国際ステーションを提供することに力を入れます。2021年にサービスを開始して以来、ユーザー至上の理念を堅持し、公平かつ透明な取引原則を堅持し、世界中の投資か家に信頼されている。

▼英語版

BtcThree is registered in London, UK, and has established complete operation centers in the United States and Singapore. It is committed to providing safe, convenient and reliable authoritative digital asset derivatives international site for global users. Since its launch in 2021, it has been adhering to the concept of user first and adhering to the principle of fair and transparent trading, which is trusted by global investors. 

日本語版と英語版にはいずれもイギリスのロンドンで設立されたこと、アメリカとシンガポールに運営センターを設立したこと、2021年にサービスを開始したことが書かれているのですが、奇妙なことに日本語版では最初の文章の主語が「PLASMAORACLE」であるのに対して英語版では主語が「BtcThree」になっています。この異様な食い違いをどう解釈すればいいのか分かりません。尚、主語が「PLASMAORACLE」になっているおかしな日本語の文章は以下で検証しているMASANというサイトでも登場しています。参照して下さい。

Btcスリーのサイトにはこれ以外に連絡先情報が見当たりません。メールアドレスさえ見当たらないのです。明らかに情報開示が不適切、不充分です。

2つのサイトはとにかくいずれもイギリス・ロンドンで設立され、ロンドンに本拠があるということになっているのでまずはイギリスの法人登録を探してみました。するといずれについても対応すると思われるイギリスの法人登録が見つかってきました。まずEtaのサイトに対応すると思われるEXTRAORDINARY COIN GLOBAL LIMITED の法人登録を以下に示します。

この法人登録を見るとまず法人登録の日付が2021年6月28日、業種は金融関係となっています。そして住所が以下のようになっています。

>Flat 43 Perkins House, Wallwood Street, London, England, E14 7AH

この住所は本サイトの姉妹サイトで検証してきたやはり中国系と思われる詐欺グループによるFX業者の法人登録でしばしば登場している住所です。具体的には以下のFX業者に対応すると思われる法人登録でも法人登録上の住所として同じ住所が繰り返し登場しています。

「検証13」 MKNDYリミテッド → 法人登録

「検証25」 DEFIインベストメントリミテッド → 法人登録

「検証28」 ゴールデンレインインベストメント → 法人登録

Fu Da Tian Huiグローバルリミテッド → 法人登録

「検証34」 ロージースタイルウエルスリミテッド  → 法人登録 (住所は2022年1月に変更)

「検証40」 ブリリアンスファイナンス → 法人登録

「検証41」 SUSHIグローバルインベスティングリミテッド  → 法人登録

「検証50」 Visenoキャピタルリミテッド  → 法人登録

これだけ多くの法人が部屋番号と思われる部分まで同じ住所に実在しているとは思えないのでこの住所はオフショア会社などを使った架空住所の疑いが濃厚と考えざるを得ません。そしてこの法人登録の経営者情報のページを見ると経営者となっているのは以下に示すVI, Van Toiというベトナム国籍、中国在住の人物です。

そしてこの人物の中国の住所が以下のようになっています。

>No.58, Group 8, Wei Village, Taiping Town, Jingyang County, Shanxi Province, China, 713707

この住所は中国の陝西省咸陽市涇陽県 (けいよう-けん) 太平鎮という地域の住所のようです。やはり中国と結びつきのある経営者ということになります。

さらにこのVI, Van Toiというベトナム人経営者は1994年3月生まれとなっており、同じ1994年3月生まれでベトナム国籍のVI, Van Toiという人物が経営者となっているイギリスの法人が他にも見つかります。

AISMIXER GLOBAL LIMITED (会社番号 13409600)

法人登録日付:2021年5月19日

MIO MARKET LTD (会社番号:13565707)

法人登録日付:2021年8月13日

8848 GLOBAL LTD (会社番号: 13188044)

法人登録日付:2021年2月9日

PLASMA SHARDING GLOBAL LIMITED (会社番号:13428269)

法人登録日付:2021年5月28日

PLASMA ORACLE GLOBAL LIMITED (会社番号:13430842)

法人登録日付:2021年6月1日

いずれも業種は金融関係となっており、法人登録の日付も2021年の2月~8月に集中しています。同じグループによる法人の可能性は濃厚です。そしてこれら5つの法人登録の内、3番目の8848 Global LTDについては姉妹サイトの「検証28」で検証した8848 GLOBAL LTD (8848グローバルリミテッド https://www.8848global.com/Jp) という既に閉鎖されたFX業者のサイトに対応すると思われる法人登録として検証対象にした法人登録です。さらに最後のPLASMA ORACLE GLOBAL LIMITEDという法人登録の法人名は本項で検証している2つ目のサイト、BTCスリーのサイトで示されていたアメリカのFINANCIAL CRIMES ENFORCEMENT NETWORK (金融犯罪捜査網) 登録証明書に記されていた法人名、つまりBTCスリーのサイトの運営元である可能性がある法人の名称と一致します。

次にそのPLASMA ORACLE GLOBAL LIMITEDのものと思われる法人登録を示します。一応「BtcThree」という名称の法人も探してみましたがこちらは該当がありません。

サイト名と法人登録法人名が全く異なることについては明らかに違和感がありますが、後にPLASMAORACLE (プラスマオラクル) という非常によく似たサイトが2つ見つかってきて以下で検証しています。おそらくこの法人登録は本来は以下で検証しているPLASMAORACLE (プラスマオラクル) に対応する法人として登録されたものをBtcスリーの法人登録であるとして使い回しているものではないかと考えられます。詳細は以下のPLASMAORACLE (プラスマオラクル) の検証を参照してください。

ともかくこのPLASMA ORACLE GLOBAL LIMITEDの法人登録の日付は2021年の6月1日、業種はやはり金融関係になっています。そして住所は以下のようになっています。

>Unit G1, Capital House 61 Amhurst Road, London, United Kingdom, E8 1LL

この住所は上で検証したアンクルブロックの検証でアンクルブロックのサイトに対応すると思われる法人登録の住所などとして登場した住所と同じです。またこれも姉妹サイトで検証したやはり中国系と思われる詐欺グループによる詐欺目的のFX業者のサイトの検証で何度も登場している住所でもあります。具体的には以下のサイトの法人登録でこの住所が法人登録上の住所となっています。

「検証25」 GARDALA  → 法人登録

「検証27」 Bsusdfes Investmen Ltd → 法人登録

「検証28」 Carrodセキュリティーズカンパニーリミテッド → 法人登録

「検証29」 Loowire グローバルリミテッド → 法人登録

「検証34」 グリーンスタンウエルスリミテッド  → 法人登録

カウトレーディングウエルスリミテッド → 法人登録

DBAYEマーケット → 法人登録

「検証40」 ヤマトグローバルリミテッド → 法人登録

「検証50」 Visenoキャピタルリミテッド → 法人登録

「検証53」 エリートストラテジーコーポレーションリミテッド → 法人登録

これだけ多くのFX業者が部屋番号まで同じ住所に存在するとは全く思えません。オフショア会社などを利用した架空住所の疑いが極めて濃いです。

そしてこのPLASMA ORACLE GLOBAL LIMITEDという法人の登録で経営者情報のページに出てくるのはEtaのサイトに対応すると思われるEXTRAORDINARY COIN GLOBAL LIMITED の法人登録でも経営者となっていたVi, Van Toiという1994年3月生まれでベトナム国籍の人物です。居住地はここでは中国ではなくインドネシアになっていますが同じ人物でしょう。

2つのサイトに対応すると思われるイギリスの法人登録は名目だけのもので運営実態が本当にイギリス・ロンドンにあるようには思われません。

さらに連絡先情報を求めて例によってサイトのWho is 情報も確認しましたが登録者に関する情報は何も開示されていません。サイトの登録・開設日だけ書いておきます。

サイト名 登録・開設日

Eta 2021年9月21日 (2022年1月3日改訂)

Btcスリー 2022年1月6日

それからEtaのサイトのみですが上で検証したアンクルブロックのサイトにあったのと似たような勧誘用と思われる4分48秒の動画が用意されています。動画のキャプを幾つか示します。

5人の男女が登場していますが最初のキャプ画像はこの動画の大半で講師役としてExtraordinary Coin (ETA) という仮想通貨について語っている人物です。自分の名前や肩書は語っていないようですが普通に考えてこの案件で主導的な役割を担っている人物ということになると思われます。しかしこの人物がイギリスの法人登録でDirectorとなっているVi, Van Toiという1994年3月生まれでベトナム国籍の人物とは思われません。

3枚目のキャプはこの動画に出てくる5人の人物の集合写真ですが右から2番目がこの講師役の人物です。そして集合写真の左端にも映っている2番目のキャプ画像の男性ですが、上で検証したアンクルブロックの勧誘動画でアンクルブロック社のCEO (最高経営責任者) であるDaniel Leoと名乗って講師役を務めていた人物と同じ人物と思われます。比較の為にアンクルブロックの勧誘動画のキャプを以下に再掲します。

いよいよアンクルブロックとEtaのサイトが同じグループによるものであることは間違いないものと思われます。そしてアンクルブロックのサイトが何の説明もなく閉鎖されていることを考えればこのEtaややはり明らかに同じグループによると思われるBtcスリーのサイトも非常に危険なサイトとしか思われません。これらのサイトでの投資を勧誘されても絶対に応じるべきではありません。


●Colliesss (https://www.colliesss.com/#/home、スマホ用サイト:https://m.colliesss.com/#/)

●Colliesss (https://www.coins-paying.com/#/home、スマホ用サイト:https://m.coins-paying.com/#/)

これらはYahoo知恵袋に出てきた質問投稿から検索して見つけてきたサイトです。まずこのサイトを見つけることに繋がったYahoo知恵袋への質問投稿を引用します。

2022年10月10日投稿

質問としてはこれだけでなぜこの質問をすることになったのか全く説明がありませんが、普通に考えて投資を勧誘されている状態ではないかと思われます。URLアドレスの記載もないので「Colliesss」を検索して見つけてきたのが表題の2つのサイトです。そして見つかってきたサイトが複数の被害報告が出ているアンクルブロックやEta、Btcスリーといった上で検証したサイトと非常に似ていて同じグループによって同じテンプレートから量産されたサイトと思われたのでここで検証することにしました。まず2つのサイトの冒頭部のキャプを示します。

▼Colliesss (https://www.colliesss.com/#/home) [表示言語:英語、日本語、ベトナム語、タイ語、香港語]

▼Colliesss (https://www.coins-paying.com/#/home) [表示言語:英語、日本語、ベトナム語、タイ語、香港語]

2つのColliesssという名称のサイトは互いに酷似しています。表示言語の選択肢も英語、日本語、ベトナム語、タイ語、香港語の5つで同じです。さらにこの2つのサイトが互いに酷似しているのはこの冒頭部だけではありません。冒頭部に続くサイトの特長を説明している部分のキャプを表題と同じColliesss (https://www.colliesss.com/#/home) → Colliesss (https://www.coins-paying.com/#/home) の順で示します。

この部分でも2つのColliesssという名称のサイトはイラストも文章も互いに全く同じで見分けることが出来ません。さらにこの部分は上で検証したアンクルブロックEta、Btcスリーの3つのサイトの相当部分とも非常によく似ています。以下には比較の為にアンクルブロックのサイトの相当部分のキャプを再掲します。

さらに以下は手数料の安さやカスタマーサポートに関する説明の部分です。同様にColliesss (https://www.colliesss.com/#/home) → Colliesss (https://www.coins-paying.com/#/home) → アンクルブロックの順で3つのキャプを示します。

この部分でも本項で検証している2つのColliesssという名称のサイトは上で検証したアンクルブロックのサイトと極めてよく似ていることが分かります。

さらに以下はマルチプラットフォーム対応を説明する部分の比較です。やはりColliesss (https://www.colliesss.com/#/home) → Colliesss (https://www.coins-paying.com/#/home) → アンクルブロックの順で3つのキャプを示します。

この部分では3つのサイトが全く同じに見えます。

次に2つのColliesssのスマホ用のサイトのキャプを示します。左下がColliesss (https://www.colliesss.com/#/home) に対応するスマホ用サイト (https://m.colliesss.com/#/)、右下がColliesss (https://www.coins-paying.com/#/home) に対応するスマホ用サイト (https://m.coins-paying.com/#/) のキャプです。

これら2つのスマホ用サイトも互いに酷似しています。表示言語の選択肢はPC用サイトと同じ英語、日本語、ベトナム語、タイ語、香港語の5つです。PC用サイトで明らかに2つのColliesssのサイトと似ていアンクルブロック、Eta、Btcスリーの3つのサイトにもスマホ用のサイトが存在していたのかもしれませんが、残念ながらこの検証を書いている2022年10月時点でいずれも閉鎖されているようなので確認することが出来ません。

次に連絡先情報を探しましたが殆ど開示されていません。サイトの脚注部分にメールアドレスだけ記されています。以下に同Colliesss (https://www.colliesss.com/#/home) → Colliesss (https://www.coins-paying.com/#/home) の順でメールアドレスが記されている部分のキャプを示します。

2つのサイトに記されているメールアドレスはいずれの場合も

>info@coins-paying.com

となっています。さらに連絡先情報を探して例によって2つのColliesssのサイトのWho Is 情報も確認しましたが登録者に関する情報は何も記されていません。サイトの登録・開設日はColliesss (https://www.colliesss.com/#/home) の場合が2022年718日、Colliesss (https://www.coins-paying.com/#/home) の場合が202246日となっています。

この検証を書いている時点でこれらのサイトで被害を受けたという証言が確認されているわけではありませんが、多数の被害が出ていることが確認されているアンクルブロックなどのサイトと明らかに似たサイトであることを考えると非常に危険なサイトとしか思われません。また連絡先情報などの情報開示も明らかに不充分、不適切ですし、金融ライセンスも確認出来ません。これらのサイトでの投資を勧誘されても決して応じるべきではありません。


●XM (https://www.xmcep.com/#/home、スマホ用サイト:https://m.xmcep.com/#/)

●MASAN (https://www.ythone168.com/#/home、スマホ用サイト:https://m.ythone168.com/#/)

最初のXMというサイトはYahoo知恵袋に質問が出てきたサイト、2つ目のMASANというサイトは画像検索で見つけてきたサイトです。上で検証したアンクルブロックなどのサイトと同じテンプレートから立ち上げられたサイトと思われるのでここで検証します。まずXMというサイトについてYahoo知恵袋に出てきた質問を引用します。

2023年3月18日投稿

これだけの質問でどういう経緯でこのサイトで取引することになったのかなど何も分かりませんがとにかくURLアドレスが書いてあって出金出来ないとあるのでとにかくここに書かれていたサイトを確認しました。以下にまずこの質問に出てきたXMというサイトのPC版の冒頭部の画像を示します。

▼XM (https://www.xmcep.com/#/home) [表示言語:英語、日本語、韓国語、ベトナム語、タイ語、アラビア語、ドイツ語、イタリア語]

このサイトの名称やロゴは海外のFX業者であるXM (https://www.xm.com/) の名称やロゴを盗用したものであるように思われます。 左下が本項で検証しているXM (https://www.xmcep.com/#/home) のロゴの拡大、右下がXM (https://www.xm.com/) のロゴです。全く区別出来ません。

次に画像検索で見つけてきた表題2番目のMASANというサイトについても冒頭部のキャプを示します。

MASAN (https://www.ythone168.com/#/home) [表示言語:英語、日本語、ベトナム語、タイ語、アラビア語、ドイツ語、イタリア語、フランス語]

このサイトの名称やロゴについても盗用の疑いがあります。左下がこのサイトのロゴ、右下に示したのはベトナムの大手企業グループであるMASAN (マソン) グループ の一角であるMASAN Consumer (マソンコンシューマー https://www.masanconsumer.com/) のロゴです。

2つのサイトの冒頭部は互いに特に似ているようには思えません。しかし表示言語のプルダウンメニューに並ぶ国旗アイコンは互いに似ているようですし、表示言語の選択肢やその並びも互いに似ているようです。

冒頭部に続いてはいずれのサイトでもサイトの特長を3項目にまとめて説明する部分が出てきます。まずXMの特長を説明している部分を以下に示します。

この部分は上で検証したアンクルブロック (https://uncleblockings.com/#/home)、Eta (https://www.etausdc.com/#/home)、Colliesss (https://www.colliesss.com/#/home)、Colliesss (https://www.coins-paying.com/#/home) の4つのサイトの特長を説明する部分と酷似しています。以下には比較の為にアンクルブロック (https://uncleblockings.com/#/home) の相当する部分のキャプを再掲します。

XMとアンクルブロックを比較すると3つの簡単なイラストは全く同じもののようですし、文章についてもキャプの上端部分に書いてある2行

>世界をリードするデジタル資産取引プラットフォーム

>130か国以上の数百万人のユーザーに信頼性の高いデジタル資産取引と資産管理サービスを提供しています

は全く同じです。3つのイラストの下にそれぞれ書いてある文章についてはXMとアンクルブロックの間で微妙な違いがあるようですがやはりよく似ています。左側の項目には「資産金融サービスの暗号化に5年間の経験」といった記述がありますが、この点についてはまた後述します。

さらに以下は表題2番目のMASAN (https://www.ythone168.com/#/home) サイトの特長を説明する部分のキャプです。

こちらは上で検証したサイトの中でBtcスリー (https://www.btcthree.com/#/home) の特長を説明する部分と酷似しています。以下に比較の為にBtcスリーからのキャプを再掲します。

MASANとBtcスリーのこの部分はイラストも文章も全く同じです。またXMやアンクルブロックの特長を説明する部分と比較しても文章はかなり似ています。キャプ上部の

>世界をリードするデジタル資産取引プラットフォーム

>130か国以上の数百万人のユーザーに信頼性の高いデジタル資産取引と資産管理サービスを提供しています

という文章はXM、アンクルブロック、MASANBtcスリーの4つのサイトで全く同じです。しかしこれらのサイトが実際に「数百万人のユーザー」を抱えているかどうかは極めて疑問です。またMASANの場合にもXMの場合と同じで左側の項目には「資産金融サービスの暗号化に5年間の経験」という記述がありますが、本当に5年間の経験があるかどうかについては極めて疑問です。この点についてはまた後述します。

次にXMのサイトに限ってですが、「デジタル通貨の旅を始める」と題された部分が出てきます。その部分のキャプを以下に示します。

この部分もサイトの特長を説明しているようですが、この部分と非常によく似た部分がやはり上で検証したアンクルブロック (https://uncleblockings.com/#/home)、Eta (https://www.etausdc.com/#/home)、Colliesss (https://www.colliesss.com/#/home)、Colliesss (https://www.coins-paying.com/#/home) の4つのサイトで確認されています。以下にはアンクルブロックの相当部のキャプを再掲します。

3つのイラストは全く同じに見えます。文章は微妙に変化している部分もありますが、文章の大まかな意味は変わっていません。おそらく翻訳の違い程度の変化です。

さらにXM、MASANの両方のサイトでマルチプラットフォーム対応を説明する部分が出てきます。表題と同じXM → MASANの順でキャプを示します。

この部分についても以下にキャプを再掲したアンクルブロックなど上で検証してきたサイトに最もよく似ています。

これらのサイトがアンクルブロック以下のサイトと同じテンプレート由来であることは間違いないと判断します。

そしてこの部分に続いてXMのサイトでは「会社紹介」という項目があります。以下にキャプを示します。

しかしこの「会社紹介」には殆ど何も具体的な情報がありません。「元宇宙プロジェクト」などと意味の分からない記述が並んでいて連絡先情報とか運営元に関する情報は何も書かれていません。

一方のMASANのサイトについては「会社概要」という項目があって何の説明もなくアメリカのFINANCIAL CRIMES ENFORCEMENT NETWORK (金融犯罪捜査網) にMSBの登録があるという証明書のようなものの画像が示されています。以下がその登録を示す画像です。

しかしこの証明書らしきものをよく見ると明らかにおかしい部分があります。記載内容の内、赤枠で囲った部分を以下に書き出します。

MSB Registration Number:31000191021292

Registration Type:Initial Registration

Legal Name:PLASMA ORACLE GLOBAL LIMITED 

DBA Name:

これはMASANの登録ではなく、「PLASMA ORACLE GLOBAL LIMITED」の登録を示すものです。そしてこれと登録番号などが一致する「PLASMA ORACLE GLOBAL LIMITED」の登録を示す証明書の画像が上で検証したBtcスリーおよび以下で検証している2つのプラスマオラクルのサイトにも登場しています。明らかにMASANの登録を証明するものではない証明書をMASANのサイトに説明もなく掲載して何の意味があるのか全く理解不能です。

さらにこの証明書の右側には「会社概要」の文章が示されているのですが、ここにも明らかにおかしな部分があります。日本語版と英語版のキャプを以下に示します。

右上の英語版は主語が確かにMASANになっていてイギリスのロンドンに登録があり、アメリカとシンガポールにオペレーションセンターがあるなどと書いてあります。創業は2021年となっています。ところが日本語版の方はまず翻訳が明らかにおかしくて殆どの部分が漢字とその読み仮名が重複しているような形になっている上に主語がPLASMAORACLEになっています。イギリスのロンドンに登録があってアメリカとシンガポールにオペレーションセンターがあるといった記述内容は英語版と同じです。そして日本語版のおかしな文章は上で検証したBtcスリーのサイトの会社概要の日本語版の文章と全く同じです。いい加減に使い回しを繰り返した結果としか思われません。

次にスマホ用のサイトについてキャプを示します。まずXMのスマホ用サイト (https://m.xmcep.com/#/) のキャプを左下に、右下には比較対象として上で検証したColliesss (https://www.colliesss.com/#/home) に対応するスマホ用サイト (https://m.colliesss.com/#/) のキャプを示します。 

XMのスマホ用サイト (https://m.xmcep.com/#/) とColliesssのスマホ用サイト (https://m.colliesss.com/#/) には似ている部分が認められます。例えば簡単なイラスト付きで「ICO申請」「実名 (本名) 認証」「雲堀り」「カスタマーサービスへの連絡 (お問い合わせ)」という4つの選択項目が並んでいる部分など明らかに似ています。

一方で右に示したのがMASANのスマホ用サイト (https://m.ythone168.com/#/) です。こちらはこれまでに検証してきたサイトと似ているようには見えません。

説明が何もないので意味がよく分かりませんが、右のキャプの下半分の「メールボックス」「金額」「貨幣種類」という3項目が並んでいる部分はおそらく入出金などの状況を示していると思われるのですが、これだけ多くの人が実際にこのサイトで入出金とか取引を行っているかどうかは極めて疑問です。

既に書いたようにXMのサイトにもMASANのサイトにも連絡先情報などが全く見当たらないので例によって各サイトのWho Is 情報も確認しましたがやはり登録者に関する情報は何も開示されていません。サイトの登録・開設日のみ以下にまとめておきます。

サイト名 (URLアドレス) 登録・開設日

XM (www.xmcep.com) 2022年12月14日

MASAN (www.ythone168.com) 2022年10月28日

サイトの登録開設日は2022年10月あるいは12月です。上で示したようにこれら2つのサイトのサイトの特長を説明している部分には「資産金融サービスの暗号化に5年間の経験」という記述がありますが、2022年10月、あるいは12月に開設されたサイトではこの検証を書いている2023年3月下旬現在でせいぜい開設から半年程度ということになり、「5年間の経験」はおかしいです。

改めて結論するまでもなくこれらのサイトは総合的に判断して信頼できるサイトとは思えません。サイト名やロゴは盗用である可能性が高く、情報開示も明らかに不充分、不適切です。しかも同じテンプレート由来と思われるアンクルブロックというサイトについては既に出金に困難が生じている、具体的には保証金などという名目で追加入金を要求されたという証言が確認されています。非常に危険なサイトと考えざるを得ません。

これらのサイトでの投資を勧誘されても応じないことを推奨します。


●Bitgemini (ビットジェミニ https://www.coinsultratop.com/#/home、スマホ用サイト: https://m.coinsultratop.com/#/)

Yahoo知恵袋に質問が出てきたサイトで上で検証したアンクルブロック (https://uncleblockings.com/#/home) 以下のサイトと同じテンプレート由来と思われるのでここで検証します。まずこのサイトに関してYahoo知恵袋に出てきた質問を引用します。

2023年9月16日投稿

TikTok経由で接触してきた自称・香港在住の女性から

>1.私が取引で勝った金額の2%を慈善活動団体に寄付する。

>2.その女性に日本のNo1の料亭を案内する。

という条件で勝ち方を教えるのでビットジェミニというサイトに10万円入金するよう指示があったようです。しかしこのビットジェミニというサイトについて検索しても情報が見つからないことからこの質問を投稿しているようです。とにかくこの質問投稿に出てきたサイトのPC用サイトの冒頭部の画像をまず以下に示します。

▼ビットジェミニ (https://www.coinsultratop.com/#/home) [表示言語:英語、日本語、韓国語、タイ語、ドイツ語、フランス語、香港語、スペイン語]

この冒頭部はこれまでに検証してきたサイトと似ているようには見えません。しかしこの冒頭部に続く部分を見ていくと上で検証してきたアンクルブロック (https://uncleblockings.com/#/home) 以下のサイトと似ていることが分かりました。まず冒頭部に続いて出てくるサイトの特長を3項目にまとめて説明している部分の画像を以下に示します。

そして以下がアンクルブロック (https://uncleblockings.com/#/home) のサイトの相当部分の画像の再掲です。

ビットジェミニとアンクルブロックのサイトのこの部分を相互比較すると

>世界をリードするデジタル資産取引プラットフォーム

>130か国以上の数百万人のユーザーに信頼性の高いデジタル資産取引と資産管理サービスを提供しています

という表題部は全く同じ文章です。さらに簡単な3つのイラストも同じものでしょう。その3つのイラストに添えられている文章は例えば「ユーザー至上」と「ユーザーファースト」といったように微妙に異なりますが、これは翻訳の違いレベルでしょう。

ビットジェミニのサイトで次に出てくるのは以下に画像を示す「デジタル通貨の旅を始める」と題された部分です。

この部分についても以下に再掲したアンクルブロック (https://uncleblockings.com/#/home) のサイトの相当部分と比較するとよく似ています。文章も3つのイラストも微妙に変わっている部分はあるのですが、似ていることは間違いありません。

さらに以下はアプリをダウンロード出来るようになっている部分の比較です。ビットジェミニアンクルブロック (https://uncleblockings.com/#/home) の順で画像を示します。

文章部分は微妙に変わっている部分もありますが、互いに酷似しているのは間違いありません。

次にビットジェミニのスマホ用サイトを左下に示します。右下には比較対象として上で検証したColliesss (https://www.colliesss.com/#/home) に対応するスマホ用サイト (https://m.colliesss.com/#/) のキャプを示します。

互いに酷似しているというほどではありませんが「ICO申請」「実名(本人)認証」「雲堀り」といった項目名とか添えられているイラストなどは互いに似ています。例えば「ICO申請」という項目に添えられているのはいずれのサイトでも四つ葉のクローバーみたいな形のイラストになっています。スマホ用サイトだけ見たのではこれらのサイトの関係に気が付くのは難しいかもしれませんが、やはりこれらのサイトが同じグループによるサイトであることは間違いないと思います。

次にビットジェミニのサイトで連絡先情報を探してみましたが何の情報もありません。一応トップページの一番下に以下に画像を示した「会社紹介」という部分があるのですが、書いてある文章は意味不明です。

以下に最初の部分を書き出してみます。

>会社紹介

>Bitgemini digital currency trading platform(元宇宙グローバルデジタル通貨取引プラットフォーム)は現在、本格的に中心化している唯一の元宇宙プロジェクトであり、グローバルな総合取引プラットフォームであり、貨幣取引、先物契約、融資融貨、場外取引、全ネット取引、中心化取引など多様化したシステム機能を提供し、各種類の投資家の取引需要を満たす。

「元宇宙」といった記述はまさに意味不明でしかありません。そしてこれと非常によく似た「会社紹介」の文章が上で検証したXM (https://www.xmcep.com/#/home) のサイトで確認されています。以下にその画像を再掲します。

サイト名の部分だけ入れ替わっていますが、「元宇宙プロジェクト」といった意味不明の文章はかなり似ています。これも同じグループのサイトであることを示していると思われます。

そしてこの「会社紹介」を含めてビットジェミニのサイトには連絡先情報が何もありません。そこで例によってWho Is情報も確認しました。以下に画像を示します。

まず黄色の枠で囲った部分に記されているサイトの登録・開設日は2023年6月25日です。また赤枠で囲った部分記されている登録者に関する情報ですが、殆どの項目が非開示になっています。示されているのは登録者の所在地だけなのですが、その記述が矛盾しているように見えます。

>Registrant State/Province: FLORIDA

という1行は所在地が(アメリカの)フロリダ州であるという意味としか思われません。ところが

>Registrant Country: AS

という1行では所在地の国が「AS」となっているのですがこの「AS」は「アメリカ領サモア」を意味すると思われます。記述内容が矛盾しているとしか思えません。

改めて結論するまでもないと思いますがビットジェミニは総合的に判断して信頼できる投資先とは全く思えません。このサイトでの投資を勧誘されても応じるべきではありません。


●PLASMAORACLE (プラスマオラクル https://www.plasmaoracleglobal.com/#/home、スマホ用サイト:https://m.plasmaoracleglobal.com/#/)

●PLASMAORACLE (プラスマオラクル http://www.plasmaoracleglobalex.com/#/home、スマホ用サイト:https://m.plasmaoracleglobalex.com/#/)

2つの同名のサイトでサイトの見た目も明らかに互いに似ているのでまとめて検証します。1つ目のプラスマオラクルのサイト (https://www.plasmaoracleglobal.com/#/home) はYahoo知恵袋に質問が出ていたサイトであると共に上で検証したEtaのサイト (https://www.etausdc.com/#/home) からの画像検索でも見つかってきたサイトです。2つ目のプラスマオラクルのサイトは「PLASMAORACLE」を検索して存在に気が付くことになりました。そして結論から言えばこれらのサイトは上で検証してきたアンクルブロック、Eta、Btcスリー、さらにここで検証する2つのプラスマオラクルのサイトよりも後で見つかってきたXMおよびMASANというサイト、計5つのサイトと似ている部分が認められるなどの理由により、同じグループによるサイトの可能性が高いです。

まず1つ目のプラスマオラクルのサイトについてYahoo知恵袋に出てきた質問から引用します。

2021年11月2日投稿

何の説明もありませんが添付画像の一番下の部分にURLアドレスが見えています。この画像から読み取ったURLアドレスからサイトにアクセスしてみました。検索で見つかってきた表題2番目のサイトと一緒にまずスマホ用サイトのキャプ画像を以下に示します。左下が表題1番目のサイト、右下が2番目のプラスマオラクルのサイトです。

全く同じというわけではありませんがロゴなども含めて2つのサイトが明らかに似ていることが確認出来ます。表示言語の選択肢は2つのサイトで共通して英語、日本語、ベトナム語、タイ語、アラビア語、ドイツ語、イタリア語、フランス語香港語、スペイン語、トルコ語の11言語なっていますさらに2つのプラスマオラクルのPC用のサイトの冒頭部のキャプも以下に順に示します。

スマホ用のサイトの比較では互いに異なっている部分がありましたがPC用の2つのプラスマオラクルのサイトは互いに酷似していて全く区別出来ません。表示言語の選択肢は2つのサイトで共通して英語、日本語、ベトナム語、タイ語、アラビア語、ドイツ語、イタリア語、フランス語の8つでプルダウンメニューに見えるその並び順まで同じです。スマホ用サイトで選択可能だった香港語、スペイン語、トルコ語の3言語はPC用サイトでは選択肢から外れています。

2つのプラスマオラクルのサイトの相互比較を続けます。冒頭部に続いてはサイトの特長を説明する部分が出てきます。ここでも2つのプラスマオラクルのサイトからのキャプを表題と同じ順で以下に示します。

この部分でも2つのサイトは互いに全く区別出来ません。さらにイラスト部分は明らかに違いますが、文章だけを見ると上で検証したアンクルブロック、Eta、Btcスリーの3つのサイトとも完全に一致しています。以下には比較の為にアンクルブロックのサイトの相当部分のキャプを示しますが文章は完全に同じです。

さらにこの部分の文章はアンクルブロックの検証で示しましたが「検証63」以降で検証してきた一連の中国系と思われる詐欺サイトでしばしば出てくる同様にサイトの特長をまとめた部分にある文章とかなり似ています。そして

>130を超える国/地域の数百万人のユーザーに信頼性の高いデジタル資産取引および資産管理サービスを提供しています

>暗号資産金融サービスでの5年の経験

といった記述が真実であるかどうかはかなり疑問です。この部分の検証はまた後述します。

さらにこの特長を説明する部分に続いてはマルチプラットフォーム対応を説明し、アプリのダウンロードボタンが用意されている部分があります。その部分についても2つのプラスマオラクルと比較対象としてアンクルブロックのサイトからのキャプを以下に順に示します。

この部分でも2つのプラスマオラクルのサイトは全く同じです。アンクルブロックのサイトと比較しても背景が白か黒かの違いしか見つかりません。この部分も上で検証したEta、Btcスリーの2つのサイトも含めて5つのサイトが互いに非常によく似ているということになります。

さらにこの部分に続いては上で検証したEtaやBtcスリーのサイトと同じでアメリカのFINANCIAL CRIMES ENFORCEMENT NETWORK (金融犯罪捜査網 https://www.fincen.gov/) という組織に登録があるという証明書の画像が出てきます。2つのプラスマオラクルのサイトに示されている証明書が全く同じなので以下には1つ目のプラスマオラクルのサイトからのキャプを示します。

記載内容の内、重要な部分を日本語訳して以下に書き出します。

MSB登録番号:31000191021292

登録名:PLASMA ORACLE GLOBAL LIMITED 

住所:Unit G1, Capital House 61 Amhurst Road, London, E81LL

これは上で検証したBtcスリーのサイトに示されていたライセンス証明と登録番号などが一致しており、全く同じものです。

さらにこの登録証明に並んで「会社概要」として以下のキャプに示した非常に怪しげな文章が示されています。これも2つのプラスマオラクルのサイトで全く同じなので以下には以下には1つ目のプラスマオラクルのサイトからのキャプを左下に示します。

そしてこの会社概要の文章は右上にキャプを示しましたが上で検証したBtcスリーのサイトの会社概要の文章と全く同じです。単に白黒が反転しているだけの違いしかありません。同様に上で検証したMASAN (https://www.ythone168.com/#/home) のサイトにも全く同じ文章が確認されました。MASANの検証を参照してください。

この文章の中には

>2021年にサービスを開始して以来

という部分がありますが、上に示したサイトの特長を3項目にまとめて説明している部分には

>暗号資産金融サービスでの5年の経験

という記述があります。2021年にサービス開始してこの検証書いている2022年4月現在で「5年の経験」は明らかに矛盾しています。

またロンドンで創業してアメリカとシンガポールに拠点があると書いてありますがそれらの連絡先情報は全く示されていません。メールアドレスさえ見つかりません。情報開示は著しく不適切です。

そしてBtcスリーの検証の中でこのライセンス証明が出てきた際にサイト名と登録機関名が全く別であることに違和感を覚えると書きましたが、このライセンスは本来は本項で検証しているプラスマオラクルのサイトに対応する登録だった可能性が高いように思われます。その後、登録機関と全く異なるBtcスリーのサイトでもライセンスがあるという証明として使い回されたということでしょう。そしてこのライセンスが本物であってもEtaやBtcスリーの検証の中で説明しましたがこのライセンスを出しているアメリカのFINANCIAL CRIMES ENFORCEMENT NETWORK (金融犯罪捜査網) の役割はマネーロンダリングやテロ組織への資金提供を防ぐことであって金融ライセンスの管理ではありません。この登録で金融ライセンスを所有しているという主張は受け入れられません。

またBtcスリーの検証の中でBtcスリーのサイトに対応するイギリスの法人登録として説明したPLASMA ORACLE GLOBAL LIMITEDの法人登録も本来は本項で検証したプラスマオラクルのサイトに対応する法人登録として取得されたものである可能性が高いと思われます。

最後に2つのプラスマオラクルのサイトのWho Is 情報を調べてみましたが登録者に関する情報はやはり何も示されていません。サイトの登録・開設日のみ明らかに同じグループによると思われる上で検証した5つのサイト (アンクルブロック、Eta、Btcスリー、XM、MASAN) と一緒に以下にまとめます。

サイト名 (URLアドレス) 登録・開設日

アンクルブロック (uncleblockings.com) 2021年6月17日

Eta (www.etausdc.com) 2021年9月21日 (2022年1月3日改訂)

Btcスリー (www.btcthree.com) 2022年1月6日

XM (www.xmcep.com) 2022年12月14日

MASAN (www.ythone168.com) 2022年10月28日

プラスマオラクル (www.plasmaoracleglobal.com) 2021年10月3日

プラスマオラクル (www.plasmaoracleglobalex.com) 2022年3月24日

最も古い、そして既に閉鎖されてしまったアンクルブロックのサイトでもこの検証を書いている2022年4月半ばの時点でサイトの開設から1年も経過していません。最も新しい最後のプラスマオラクルのサイトなど開設から1ヵ月未満です。一方でいずれのサイトにもサイトの特長をまとめた部分に

>130を超える国/地域の数百万人のユーザーに信頼性の高いデジタル資産取引および資産管理サービスを提供しています

>暗号資産金融サービスでの5年の経験

という記述があります。明らかに矛盾した記述でしょう。ユーザー数についても開設から1ヵ月未満というサイトもあるのに数百万人のユーザーがいるとは全く思えません。そもそも数百万人のユーザーが本当にいるのならばサイトのURLなど検索して殆ど情報が出てこないということは有り得ません。サイトの記述内容に信ぴょう性が全くありません。

2つのプラスマオラクルのサイトは多数の被害報告が出ているアンクルブロックなどのサイトと同じグループによるサイトである可能性が極めて高いです。サイトの記述内容にも信頼性がなく、詐欺目的のサイトとしか思われません。これらのサイトでの投資を勧誘されたとか出金出来なくなったといった報告が確認されているわけではありませんが非常に危険なサイトと思われるので投資を勧誘されても決して応じるべきではありません。


●FERCoin (FERコイン https://www.fer-coin.com/app/#/)

これもYahoo知恵袋に質問が出てきたサイトで上で検証したEtaやアンクルブロックと組織的に繋がっている可能性があるのでここで検証します。まずYahoo知恵袋に出てきた質問を引用します。

2022年6月21日投稿

外国人かどうかは不明ですがマッチングサイトで知り合った人物にLINEで勧誘されたようです。「検証63」の冒頭に書いた中国系と思われる詐欺グループによる詐欺の勧誘の手口と合致します。とにかく以下にこの質問投稿に出てきたURLアドレスのサイトの冒頭部を示します。

表示言語の選択肢は英語、スペイン語、日本語、香港語の4つです。この冒頭部を見ただけではこれまで検証してきたサイトと明確に似ているようには思われません。しかしこの冒頭部に続く部分にはこれまでに検証してきた多くのサイトと明らかに似ている部分があります。まず以下はサイトの特長を3項目にまとめて説明している部分です。

この部分は日本語表示を選んでも日本語にはならず、英語表示になります。そしてこの部分はこれまでに検証してきた多くのサイトと明らかに似ています。例えば上でも比較対象にしましたが以下は「検証87」検証対象にしたBcyll (https://www.bcyll.com/dist/#/) というサイトからのキャプ画像です。イラスト部分も文章も全く同じに見えます。

例えば最初の項目の文章を比較してみます。

FERコイン

>Safe And Trustworthy

>5 years experience in digital asset financial services

>Professional distributed architecture and anti-DDOS attack system

Bcyll 

>Safe and trustworthy

>5 years experience in digital asset financial services

>Professional distributed architecture and anti-DDOS attack system

2つのサイトでの違いは大文字と小文字が変わっている部分があるぐらいです。5 years experience (5年間の経験) といった文章の内容も非常に疑わしいですが、この点については後述します。

さらにこの特長を説明する部分に続いては以下にキャプを示しましたがマルチプラットフォーム対応を説明する部分が出てきます。この部分も日本語表示を選択しても日本語になりません。

そしてこの部分もこれまで検証してきたサイトで見慣れたものになっています。ここでも「検証87」で検証対象にしたBcyll (https://www.bcyll.com/dist/#/) というサイトからの相当部分を以下に再掲します。画像の配置や大きさが変わっているぐらいで非常によく似ているのが分かります。

そしてこのサイトで最も気になったのがこの次に出てくるライセンスに関する部分です。まずCompany Introduction (会社紹介) という文章の部分のキャプを示します。この部分も日本語表示を選択しても日本語にならないので原文とGoogle翻訳の結果を以下に示します。

2020年にイギリスのロンドンで設立、カナダ準拠のブロックチェーンライセンスを取得しているとあります。そして何の説明もないのですがライセンスの証明書のようなものの画像が添えらえています。

しかしこの画像はおかしいです。赤枠で囲った部分に

>ETA GLOBAL LIMITED

>No. M21369396

と書いてあります。これはFERコインではなく、ETA GLOBAL LIMITEDの登録を証明するものであって上で検証したEta (https://www.etausdc.com/#/home) にサイトに示されていたものと登録番号 (M21369396) まで完全に一致します。なぜFERコインのサイトにETAの登録証明が出てくるのか全く理解不能です。さらにこの証明書らしきものにはイギリスの住所と会社設立の日付 (Date of Incorporation) が書いてあります。

住所:Unit G1 CAPITAL HOUSE 61 AMHURST ROAD LONDON, UNITED KINGDOM (THE) E8 ILL

会社設立:2021年5月24日

これらも上で検証したEtaのサイトに出てきたものと全く同じです。さらにそもそもこの登録証明はEtaの項目で説明したようにこれも上で検証したアンクルブロックの登録証明を改竄したものと考えられます。このFERコインのサイトではさらなる改竄も面倒と感じたのかEtaのサイトに示されていた画像をさらに改竄したりせずにそのまま使っているようです。これは話になりません。

そしてこのFERのサイトの脚注には以下のキャプに示しましたがメールアドレスと住所が示されています。

>会社のメールボックス:admin@fer-coin.com

>会社の住所:11 North Buona Vista Drive, #06-07 Metropolis Building 1, Singapore 138589

住所はシンガポールのThe Metropolisという高層オフィスビルになっています。会社紹介の項目にはイギリスのロンドンで設立と書いてあるのですから記述が明らかに矛盾しています。電話番号の記載がないのもおかしいです。

さらに連絡先情報を探して例によってサイトのWho Is 情報を確認しましたが登録者に関する情報は全く開示されていません。以下にキャプを示しましたがサイトの登録・開設日 (Creation Date) は2022年6月2日となっています。 

最初に引用したYahoo知恵袋に出てきた質問投稿は2022年6月21日付ですから1ヶ月も経過していません。サイトの特長を説明する部分に「5年間の経験」といった記述がありましたが事実とはとても思えません。記述内容には明らかな矛盾があり、情報開示は不充分、不適切です。

改めて結論するまでもないと思いますがこのサイトでの投資は推奨できません。勧誘されても決して応じるべきではありません。


●UPbit (アップビット www.upedexchain.cc/#/)

●UPbit (アップビット www.upedexchain.top/#/)

●Upbit (アップビット upbit.wang/index.html#/home)

同じアップビットという名称のサイトでサイトの見かけもかなり似ている3つのサイトです。特に最初の2つのサイトは互いに非常によく似ています。それら非常によく似ている2つのアップビットのサイトはいずれもYahoo知恵袋に質問が複数回出てきたサイトであり、それらの知恵袋への投稿をまず引用します。

2021年8月23日投稿 [アップビット (www.upedexchain.cc/#/) に関する投稿]

2021年8月29日投稿 [アップビット (www.upedexchain.cc/#/) に関する投稿]

2021年9月30日投稿 [アップビット (www.upedexchain.cc/#/) に関する投稿]

2021年10月9日投稿 [アップビット (www.upedexchain.cc/#/) に関する投稿]

アップビット (www.upedexchain.cc/#/) に関する投稿だけでこれまでに4件が確認されており、情報が断片的ですが勧誘者については4件目に「インスタグラムで知り合った韓国在住の人物」に勧誘されたとあります。そして2件目と3件目の質問では既に入金してしまい、出金に困難が生じているようです。

2021年10月11日投稿 [アップビット (www.upedexchain.top/#/) に関する投稿]

この投稿では勧誘された経緯などが全く分かりませんが既に入金してしまい、韓国の税法上の理由を主張して出金拒否されているようです。アップビットという名称から上で引用したのと同じアップビットのサイト (www.upedexchain.cc/#/) に関する質問かと思ったのですが上の添付画像に示されているURLアドレスをよく見るとまた別のアップビットのサイト (www.upedexchain.top/#/) に関する質問であることが判明しました。

表題3番目のアップビットのサイト(upbit.wang/index.html#/home)についてはテレビを見ていて知ったサイトです。具体的には2021年10月13日夜のTBSのニュース23、「調査報道23時」というコーナーの「国際ロマンス詐欺”犯行グループ”を直撃」という題する調査報道を見ていて知ったサイトです。日本人女性がマッチングサイトで中国人男性と知り合い、会ったこともないのにプロボーズしてきたり、次々と送られてくる動画に違和感を感じたことで国際ロマンス詐欺を疑うというところから調査が始まり、動画で男性がプールに入っているのによく見ると体が水に濡れないとかモーターボートで水面を疾走しているのに髪の毛が全くなびかないといった点からますます疑いが深くなったという経緯が説明されました。残念ながらYoutubeのTBSニュースチャンネルにアップされた動画は直ぐに削除されてしまったようですが誘導された詐欺サイトのURLアドレスが映っていたので以下にキャプ画像を示します。

このURLアドレスを調べてみるとまた新たなアップビットという名称のサイトであることが判明したという次第です。

こうして見つかってきた3つのアップビットというサイトにとにかくアクセスしてみました。以下にそれぞれのサイトの冒頭部のキャプ画像を表題と同じ順で示します。まず1つ目のアップビットのサイト (www.upedexchain.cc/#/) 冒頭部のキャプです。

表示言語は上のキャプで右側にプルダウンメニューに国旗アイコンが見えますが香港語、英語、韓国語、日本語、イタリア語、タイ語、ドイツ語、フランス語、スペイン語の9ヵ国語になっています。

次は2つ目のアップビットのサイト (www.upedexchain.top/#/) の冒頭部を示します。

このサイトは上にキャプを示した1つ目のアップビットのサイト (www.upedexchain.cc/#/) と極めてよく似ています。表示言語の選択肢も香港語、英語、韓国語、日本語、イタリア語、タイ語、ドイツ語、フランス語、スペイン語の9ヵ国語となっています。

最後はテレビで見かけたアップビットのサイト(upbit.wang/index.html#/home) のキャプです。

このサイトも明らかに上の2つのアップビットのサイトと似ていますが同時に上の2つのアップビットのサイトとは異なる部分も認められます。例えば表示言語の選択肢は英語、香港語、日本語、韓国語、ヒンディー語の5つで国旗のアイコンも明らかに異なります。

これらのサイトを見てまず気になったのはUPbit (アップビット) というサイト名とロゴです。左下はここで検証している1つ目のアップビットのサイト (www.upedexchain.cc/#/) のロゴの拡大図です。一方で右下はやはりUPbit (アップビット) という名称で異なるURLアドレス (https://upbit.com/) の仮想通貨取引所のサイトのロゴです。

左上のロゴと右上のロゴを比較すると配色は異なりますが、UとPの間に下から上に向かう矢印が組み込まれている部分など明らかにデザインが似ていることが分かります。このもう1つのアップビットのサイト (https://upbit.com/) は詳しくは調べていませんが、韓国系の取引所と思われ、仮想通貨データーベースのCoinMarketCapでも専用ページで取り上げられており、 かなり訪問者も仮想通貨の取引出来高も多い取引所のようです。どうやらここで検証している3つのアップビットのサイトはこの韓国系のアップビットのサイト (https://upbit.com/) の名称やロゴを意図的に盗用した偽サイトの疑いがあると考えざるを得ません

そしてここで検証している3つのアップビットのサイトでは冒頭部に続いて以下にキャプを示しましたがサイトの特長を簡単なイラスト付きで3項目にまとめて説明する部分が出てきます。まず1つ目のアップビットのサイト (www.upedexchain.cc/#/) 2つ目のアップビットのサイト (www.upedexchain.top/#/) のキャプをまとめて示します。キャプは比較の為に英語版を示します。

最初の2つのアップビットのサイトはこの部分でも互いに非常によく似ています。またこのサイトの特長を3項目にまとめている部分には明らかに既視感があります。例えば「検証63」で検証したOKEXコイン (okexcoin.vip/dist/#/)  という既に閉鎖されたサイトからのキャプと比較します。

2つのアップビットのサイトからのキャプ画像はOKEXコインのサイトからのキャプと極めてよく似ていて区別出来ません。さらにこの特長3項目をまとめた図は他の検証対象としたサイトに何度も登場しています。同じ画像が使い回しされて詐欺サイトが量産されているとしか思われません。

3つ目のアップビットのサイト(upbit.wang/index.html#/home) の場合にも似たようなサイトの特長を簡単なイラスト付きでまとめた部分があります。以下にキャプ画像を示します。

これもまた「検証63」以降の一連の中国系と思われる詐欺サイトの検証で何度も出てきている説明図と酷似しています。例えば以下は「検証87」で検証したBcyll (www.bcyll.com/dist/#/) のサイトからのキャプ画像です。イラスト部分もテキスト部分も全く同じに見えます。せいぜいテキスト部分のフォントの違いぐらいしかありません。

さらにこの部分については3つのアップビットのサイトのいずれでもマルチプラットフォーム対応を説明する部分が出てきます。3つのサイトからのキャプを表題と同じ順で以下に示します。

この部分についても1つ目のアップビットのサイト (www.upedexchain.cc/#/) 2つ目のアップビットのサイト (www.upedexchain.top/#/) は互いに非常によく似ています。一方で3つ目のアップビットのサイト(upbit.wang/index.html#/home) はこの部分でも他の2つのアップビットのサイトと明らかに似ている部分と異なる部分が混在しています。似ている部分として例えば3つのアップビットのサイトに共通してタイトル部分が以下のような文章になっています。

>Multi-platform terminal trade anytime, anywhere

>Covers multiple platforms of iOS,Android,Windows to support full business functions

そして3つ目のアップビットのサイト(upbit.wang/index.html#/home) のこの部分は「検証63」以降で検証してきた多数のサイトと極めてよく似ています。例えば以下は「検証87」で検証したBcyll (www.bcyll.com/dist/#/) のサイトからのキャプ画像です。パソコンの画面に映るチャートのパターンまで3つ目のアップビットのサイトの画像と同じに見えます。

3つのアップビットのサイトはBcyllなど多くのサイトと同じグループによるサイトである可能性が極めて濃厚と考えられます。

次にこれらのサイトで連絡先情報を探しましたが全く見当たりません。わずかに脚注にリンクがある白書という項目の冒頭に以下のような記述があります。

>UPbit は、世界をリードするデジタル通貨資産取引プラットフォームであり、ユーザーに安全でプロフェッショナルで便利なデジタル通貨取引サービスを提供することをお約束します。 UPbitは、ユーザーの視点から始まります。

>ブロックチェーン分野を深く理解し、グローバルユーザー向けに高品質な通貨を選択し、ブロックチェーン技術のトレンドをリードしていきます。同社はシンガポールに登録されており、本社はドイツのクアラルンプール、エストニアにあります。

>香港、マレーシア、フィリピン、その他の国や地域には、独立した運用チームがあります。

シンガポールに法人登録があって、さらに日本語がおかしい部分がありますがマレーシアのクアラルンプール、ドイツ、エストニアに拠点があるといったことが書いてあるようです。日本語が明らかにおかしい部分を理解しようと英語版の文章を確認しましたが以下のようになっています。

>The company is registered in Singapore, headquartered in Kuala Lumpur, in Germany, Estonia,Hong Kong, Malaysia, Philippines and other countries and regions have independent operation teams.

こちらは法人登録がシンガポールにあって本社はマレーシアのクアラルンプール、それ以外にドイツ、エストニア、香港、マレーシア、フィリピン、それ以外の国にも拠点があるといったことが書いてあります。日本語版と英語版で明らかに内容が異なるようですが、いずれにしても具体的な住所、電話番号といった連絡先情報も金融ライセンスの情報もありません。情報開示は明らかに不足です。

そこでさらに3つのサイトのWho Is 情報を確認しました。まず1つ目のアップビットのサイト (www.upedexchain.cc/#/) のWho Is 情報です。

サイトの登録・開設日 (Creation Date) は2021年7月23日になっていてやはりかなり新しいサイトです。登録者に関する情報は全く開示されていません。

次は2つ目のアップビットのサイト (www.upedexchain.top/#/) のWho Is 情報を示します。

サイトの登録・開設日 (Creation Date) は2021年6月16日となっています。1つ目のアップビットのサイトよりは古いサイトですがやはりかなり最近開設されたサイトであることが分かります。そしてこのWho Is 情報では登録者に関する情報の多くの項目がプライバシー保護の為に非公開になっています。公開されている情報は以下にあるだけです。

登録機関名:Tang Jia Qi

住所:中国・上海

Tang Jia Qi」というのは中国系の個人名ではないかという気がします。

最後の3つ目のアップビットのサイト(upbit.wang/index.html#/home) のWho Is 情報以下のようになっています。

このサイトの場合もWho Is 情報で開示されている情報は限られています。黄色の枠で囲った部分にあるサイトの登録・開設日は2021年7月10日になっています。そして赤枠で囲ったん部分にある登録者に関する情報ですが開示されている情報は以下にあるだけです。

登録機関名:Chen senbin

住所:中国・福建省

登録機関名として書いてあるChen senbinというのはやはり中国系の個人名ではないかという気がします。そしてこれら3つのサイトの情報開示は極めて限定的で話になりません。

改めて結論するまでもなく、これらは全て危険な詐欺サイトとしか思われません。投資勧誘を受けても決して応じるべきではありません。