検証74

本ページで取り上げるサイトはいずれも仮想通貨取引所 (暗号資産交換業者) に該当すると思われますが、いずれも日本の金融庁が公表している暗号資産交換業者の登録リストに該当がありません。ここで検証するサイトの多くは日本語対応しており、さらに少なくとも一部のサイトについて日本人に向けた勧誘や被害報告が確認されていて単に無登録の違法業者であるというだけでなく、詐欺目的のサイトである疑いが極めて濃厚と考えられます。

▼本サイトでの検証は名誉棄損に当たらないと考えます。→ 雑記1

「検証63」「検証64」「検証65」「検証66」「検証67」「検証68」「検証69」「検証70」「検証71」「検証72「検証73」で検証してきたTinderを始めとするマッチングサイト (出会い系サイト) やSNSで外国人による勧誘が行われているという共通点がある一連の詐欺仮想通貨取引所のサイトについての検証12ページ目です。「検証75」「検証76」「検証77」「検証78」「検証79」「検証80」「検証81」「検証82」「検証83」「検証84」「検証85」「検証86「検証87「検証88」「検証89「検証90「検証91「検証92「検証93「検証94「検証95「検証96「検証97「検証98「検証99「検証100「検証101「検証102「検証103「検証104「検証105「検証106「検証107「検証108「検証109「検証110「検証111「検証112」「検証113」「検証114」「検証115」「検証116」「検証117」「検証118」「検証119」「検証120」「検証121」「検証122」「検証123」「検証124」「検証125」「検証126」「検証127」「検証128」「検証129」「検証130」「検証131」「検証132」「検証133」「検証134」「検証135」「検証136」「検証137」「検証138」「検証139」「検証140」「検証141」「検証142」「検証143」「検証144」「検証145」「検証146「検証147」にも続編があります。勧誘の手口などについては「検証63」の最初に書いてあるので参照してください。 本ページでは以下のサイトを検証します。


●PERFSO (perfso.org/)

●Bitkein (bitkein.top/dist/#/)

●GMQ (www.gfmyq.com/#/home)

●NCA Coin eXchange (NCAコインエクスチェンジ ex.ncacoin.com)


まず以下を検証します。

●PERFSO (perfso.org/)

2020年8月に以下のキャプに示したYahoo知恵袋の質問に出てきた仮想通貨取引所のサイトです。

紹介されたとありますが、どんな経緯で誰から紹介されたのか全く分かりません。しかし「perfso」を検索して出てきた表題のサイトは「検証63」以降で検証してきた一連の中国系と思われる詐欺サイトの特徴を備えているのでここで検証します。まず以下がサイトの冒頭部のキャプです。

表示対応言語は右上のプルダウンメニューに見えますが英語、日本語、韓国語となっています。この冒頭部に続いてはサイトの3つの特長をイラストと共にまとめた部分があり、さらにマルチプラットフォームを強調する説明図が出てきます。

使われているイラストや画像は「検証63」以降で検証してきた一連のサイトと一致するものではありませんが、サイトの構成などは他のサイトと極めてよく似ていると感じます。次に連絡先情報を探しましたが全く見当たりません。これまで検証してきたサイトでは脚注にメールアドレスぐらいは記載されていることが多かったのですが以下のキャプに示したようにそれも見当たりません。

上のキャプの左側にはTwitterなどのSNSのアイコンが並んでいてリンクになっているように見えますが実際にはこれらはリンクになっておらず、単にアイコンの画像が並んでいるだけです。「Perfsoについて」とか「連絡しろ (英語表示ならContact Us」)といった項目が並んでいるのも見えますが、これらのリンク先はこのトップページ自体になっていて何の意味もありません。明らかに情報開示は不充分、g不適切です。

次にPERFSOで取引されている仮想通貨のリストを右のキャプに示します。取引されているのはたったの5種類でしかも全てUSDT建ての取引だけしか扱われていません。そして取引されている5種類の仮想通貨ですが、ビットコイン (BTC)、イーサリアム (ETH)、イオス (EOS)、ライトコイン (LTC)とメジャーな仮想通貨が並んでいる中にPFOという聞きなれない仮想通貨が並んでいます。このPFOについては仮想通貨データーベースのCoinMarketCapで探してみましたが全く情報は出てきません。PFOという名称からしてPERFSOという取引所の独自仮想通貨である可能性が高いように思われます。しかしPFOが取引所独自の仮想通貨ならばPERFSOのサイトにこのPFOという仮想通貨の説明が全く見当たらないのは明らかに異様でしょう。

そして以下はPFOという謎の仮想通貨の日足チャートです。

何故か理由は分かりませんがこのPERFSOというサイトではビットコインなども含めて取引されている全ての仮想通貨について25日間のチャートしか出ない設定になっているようでPFOのチャートも25日分の日足チャートしか見ることが出来ないのですが直近の25日間では徐々に相場が上昇していることが分かります。そして出来高が直近25日間で最低でも250万枚、最大では1200万枚以上もあったということになっています。この仮想通貨は1枚4ドル台後半から6ドル前後で取引されていますから金額で考えると1日当たりの出来高は1000万ドルを余裕で超え、最高では7000万ドルほど、日本円で考えれば数十億円もあったことになります。

しかしこのPERFSOのサイトへのアクセス状況をアクセス状況を解析出来るサイトで調べてみても非常に少ないという結果になりますし、以下のキャプに示したWho Is情報を見るとPERFSOのサイトが立ち上げられたCreation Dateが2020年7月21日となっています。

立ち上げられて1ヶ月あまりしか経過していないサイトでしか取引されていない独自の仮想通貨が既に1日当たり何十億円もの単位で取引されているという状況が真実とは考えにくいです。現実の取引を反映したチャートなのか大いに疑問を感じざるを得ません。

結論としてPERFSOは到底信頼出来る仮想通貨取引所とは思えません。取引は避けるべきと結論します。


※付記

このPERFSOのサイトと明らかに似ている、同じグループによって運営されている可能性が高いLafebit (www.lafebit.com/)とBitbear (ビットベアー bitbear.cc/)という2つのサイトが見つかってきました。さらにPERFSOのサイトは「検証71」で検証したRainbowbit (レインボービット www.rainbowbit.io/) といったサイトと明らかに似ている部分があることも判明しました。これも同じグループによる可能性が高いです。これらのサイトとの関係については「検証88」のLafebitやビットベアーの検証を参照してください。


●Bitkein (bitkein.top/dist/#/)

これもYahoo知恵袋に出てきた質問で知った仮想通貨取引所のサイトです。質問のキャプを以下に示しますが出会い系アプリで台湾人の女性にすすめられたとあって一連の中国系と思われる詐欺の特徴と合致するように思えたので検証することにしました。

まずURLアドレスが気になります。

>http://bitkein.top/dist/#/

「検証63」以降で検証してきた一連の詐欺サイトにしばしば見られるのですがURLアドレスに「#」が入っています。どういう意味なのか全く分からず異様です。またURLアドレスが暗号化されていることを示す「https」ではなく、暗号化されていないことを意味する「http」で始まっています。仮想通貨取引所のサイトとして有り得ません。

以下がサイト冒頭のキャプですが表示対応言語は香港語、中国語、英語となっています。

連絡先情報を探しましたが全く見当たりません。まず下のキャプに示しましたが「About Us」という項目があります。

しかし書いてあることは優秀で経験豊富な専門家が集まって運営しているので安心して取引出来るといった抽象的な話だけで住所や電話番号といった連絡先情報や経営者の名前などは全く書かれていません。そしてこのサイトはコピーペーストが出来ない設定になっていることも非常に気になります。脚注の部分には以下のキャプに示しましたようにメールのアイコンやTwitterなどのSNSのアイコンが並んでいます。

しかしこれらのアイコンも単なる画像データーでリンクになっていません。クリックしてもメールアドレスが出てきたり、SNSのアカウントに繋がるようになっていないのです。見かけ上は連絡先情報などが公開されているように見えても実際にはダミーの画像データーだけというのはペテンであり、明らかに悪意を感じます。

さらに脚注には以下の様な記述があります。

>©2018-2020 Timepayex All Rights Reserved

この記述では「Timepayex」が運営会社のように思えるので検索してみましたが何も出てきません。また2018-2020と書いてあるので2018年から営業しているように解釈されますが、サイトのWho Is情報を見ると以下のキャプに示したようにサイトの開設日 (Creation Date)が2020年8月6日とつい最近になっています。

2018年から営業しているという記述も信頼出来ません。

次に取引されている仮想通貨ですが以下にリストを示します。

ビットコイン (BTC)、イーサリアム (ETH)、リップル (XRP)、ライトコイン (LTC)、イオス (EOS)、ビットコインキャッシュ (BCH)、イーサリアムクラシック (ETC)とメジャーな仮想通貨が並んでいるだけです。しかしチャートを確認しようとするとログインを要求するポップアップ画面が出てきて見ることが出来ません。何故この様な設定になっているのか分かりません。チャートの中にはメジャーな仮想通貨ではないものがあるのかもしれません。

結論としてこのサイトも到底信用出来るサイトとは思えません。取引は避けるべきです。


●GMQ (www.gfmyq.com/#/home)

これもYahoo知恵袋の質問に出てきた仮想通貨取引所のサイトです。検証を準備している間に閉鎖されたようなので簡単な検証にします。まず以下が知恵袋に出てきた質問投稿と添付されていた勧誘者の自己紹介画像です。但しこういった自己紹介画像はネットからの拾い物である疑いが強く、勧誘者本人の画像ではないと思われます。

まず以下がサイトの冒頭部のキャプです。表示言語の選択肢は中国語、英語、日本語ですが例によって日本語表示を選んでも中国語が残りますし、表示される日本語はしばしば意味が分かりません。

この冒頭部に続いてはサイトの特長を4項目にまとめ、マルチプラットフォーム対応を説明する部分があります。「検証63」以降で検証してきた中国系と思われる一連の詐欺サイトと比較してこれまでのサイトでは別項目になっていた特長のまとめとマルチプラットフォーム対応を説明する部分が合体したような形になっています。

以下はサイトの脚注部のキャプです。「私たちについて」といった項目があるのですが見かけ上はリンクになっているように見えても実際にはリンクになっておらず、単にテキストデーターがあるだけです。連絡先情報は何も見つかりません。

次に以下のキャプに示したのはGMQで取引されていた仮想通貨のリストです。

ビットコイン (BTC)、イーサリアム (ETH)、ビットコインキャッシュ (BCH)、ライトコイン (LTC)、イオス (EOS)、リップル (XRP)などメジャーな仮想通貨が並んでいる中に上のキャプの右側、GMQとELGという仮想通貨データーベースのCoinMarketCapで調べても何の情報も見つからない耳慣れない2つの仮想通貨が出てきます。取引所の名称がGMQですから少なくとも2つの謎の仮想通貨の内、GMQについてはこの仮想通貨独自の仮想通貨である可能性が強いものと思われます。

それら2つの謎の仮想通貨の日足チャートを以下に示します。順にGMQのUSDT建て日足チャート、ELGのUSDT建て日足チャートです。

2つのチャートは共に右肩上がりとなっており、特にGMQのチャートはチャートがカバーしている1ヶ月弱の間、陽線ばかり並んでいて毎日相場が上昇しています。そして何の情報も見つからない謎の仮想通貨なのに連日2000万枚以上の出来高があることになっています。既にGMQのサイトが閉鎖されてしまったことなどを考えるとこれら2つのチャートはGMQやELGの価値が急速に上昇しているように見せかける為の実際の取引を反映していないチャートであった可能性が高いものと考えざるを得ません。

やはりGMQは最初から詐欺目的で立ち上げられたサイトであった可能性が高いです。


●NCA Coin eXchange (NCAコインエクスチェンジ ex.ncacoin.com)

これもYahoo知恵袋に出てきた以下のキャプに示した質問投稿で知ることになったサイトです。

ネットで知り合った自称・台湾人、実際には中国人と思われる女性に資産が100倍になるクラウドファンディングに投資勧誘されて入金してしまったということのようです。早速この投稿にあったリンクからサイトに行ってみました。以下がサイト冒頭部のキャプです。

右上のプルダウンメニューに見える表示言語の選択肢は中国語と英語になっています。そしてこのサイト冒頭部を見て直ぐに気が付きましたがこのサイトは「検証63」で検証したAEC Digital Asset Exchange (AECデジタルアセットエクスチェンジ www.51aec.com/) という既に閉鎖されたサイトと明らかに似ています。以下にAECデジタルアセットエクスチェンジのサイト冒頭のキャプを再掲します。

同じ画像が並んでいる訳ではありませんが、8枚の画像パネルが並ぶ構成は2つのサイトで共通していて偶然とは思えません。さらに2つのサイトの共通点はこれだけではありません。この冒頭部に続いて2つのサイトにはサイトの3つの特長をイラスト付きで説明する部分があります。まずNCAコインエクスチェンジのサイトからのキャプです。

AECデジタルアセットエクスチェンジのサイトにはこの部分にそっくりな部分がありました (以下のキャプ参照)。

背景色は異なりますが3つ並んでいるイラスト部分は2つのサイトで全く同一に見えます。さらに特長の1つ目は2つのサイトで共通して「Safety and trastworthiness (安全性と信頼性)」、3つ目の項目も「Customer first (顧客最優先)」と全く同じです。2番目の項目だけはそれぞれ「High-end High-quality」と「Global Ecological Distribution」と全く異なりますが2つのサイトは間違いなく同一グループによるものでしょう。

さらに「検証63」のAECデジタルアセットエクスチェンジの検証でも触れましたが、この3つの特長を説明する部分の文章部分だけ見ると他の多くのサイトとも共通性があります。例えば最初の項目の文章だけ抜き出してみます。

■5 years of digital asset financial services experience  Professional distributed architecture and anti-DDOS attack system (HKEX) →「検証63」

■5 years experience in digital asset financial services Professional distributed Architecture and Anti-DDOS attack system (OKEXコイン) →「検証63」

■Five years'experience in digital assets financial services  Professional Distributed Architecture and Anti-DDOS System (AECデジタルアセット) →「検証63」

■Five years'experience in digital assets financial services Professional Distributed Architecture and Anti-DDOS System (NCAコインエクスチェンジ) →本項

5 years experience in digital asset financial services Professional distributed architecture and anti-DDOS attack system (モチベーテド) →「検証69」(以下のキャプも参照)

要するに書かれている文章は大文字小文字の違いとか「5 years」と「Five years」の違いなどわずかな違いしかなく殆ど同じです。これらイラスト付きで3つの特長をまとめた部分が確認されるサイトは「検証66」で取り上げたアントコインとユーコイン、「検証69」でモチベーテドとの関連で検証したTMTグローバルなど、「検証72」で検証したレモンコイン、VTBITなど多数あります。これらは全て同一の詐欺グループが量産したサイトである可能性は極めて高いものと思われます。

次に連絡先や運営者などの情報を探しましたが殆ど見つかりません。わずかに脚注にメールアドレスが3つあるだけです (右のキャプ参照)。

>Business : bd@ncacoin.com

>Security:security@ncacoin.com

>Service:support@ncacoin.com

経営者情報は全く見当たらずこれでは情報開示が明らかに不充分です。

本項の最初に引用したYahoo知恵袋の投稿ではクラウドファンディングに投資するように誘導されたということですが、取引されている仮想通貨についても触れておきます。右のキャプにあるのが取引されている仮想通貨のリストですが、ビットコイン (BTC)、イーサリアム (ETH)、リップル (XRP)、ビットコインキャッシュ (BCH)、ライトコイン (LTC)、イオス (EOS)とメジャーな仮想通貨が並んでいる最後にNCOCというまるで聞きなれない、仮想通貨データーベースのCoinMarketCapで調べてもまるで情報が出てこない謎の仮想通貨がリストされています。

NCOCという名称からすればこれはこのNCAコインエクスチェンジという仮想通貨取引所独自の取引所トークンの様なものである可能性が高いように思います。

そしてそのNCOCという謎の仮想通貨の日足チャートを以下に示します。

この日足チャートは「検証63」以下で検証してきた中国系と思われる詐欺の疑いが濃い仮想通貨取引所で登場する謎の仮想通貨のチャートにしばしば見られるようにほぼ一方的な右肩上がりのチャートになっています。さらに出来高を見るとここ最近は毎日1000万枚以上、時として2000万枚もの出来高があることになっていますが、アクセス状況を解析出来るサイトで調べてみると以下のキャプに示したように検出限界以下のアクセスしかないようです。

一体誰が毎日1000万枚以上の情報が全く見つからない謎の仮想通貨を取引しているのか想像もつきません。このNCOCという仮想通貨のチャートは実際の取引を反映したものか非常に疑わしいと考えざるを得ません。

結論としてNCAコインエクスチェンジはやはり中国系の詐欺グループによる詐欺サイトの疑いが濃厚です。取引は全く推奨出来ません。