検証57

このページでは以下を検証します。

●World Crypto Binary (ワールドクリプトバイナリー www.worldcryptobinary.com/)
●BitSignX (ビットサインエックス bitsignx.com/)


それでは検証を始めます。まずワールドクリプトバイナリーの検証から始めます。

●World Crypto Binary (ワールドクリプトバイナリー www.worldcryptobinary.com/)

これは多数の勧誘サイトで取り上げられていたことで気が付いたバイナリーオプション業者です。バイナリーオプション業者ということで姉妹サイト、「危ない投資の備忘録」バイナリーオプション業者の項目で取り上げるべきかと迷ったのですが、仮想通貨での入金が可能であるだけでなく、仮想通貨相場をバイナリーオプションの判定対象にしているということで本サイトで検証することにしました。まず検証のきっかけになった勧誘サイトを列挙しておきます。これらのサイトにはアフィリエイトリンクが確認出来るので公正な意見が書かれているとは思えませんが、一部公式サイトには見当たらない情報もあるので一部検証の参考にします。

バイナリーワールド:ワールドクリプトバイナリーの評判は?信頼できる業者かどうか徹底調査

ワクワクバイナリー:仮想通貨ワールドクリプトバイナリー(WorldCryptoBinary)に関する情報サイト。

投資のプロが教える!バイナリーオプションプロ:ワールドクリプトバイナリー/world crypto binary

バイナリーオプション総合評価サイト | バイさん

ワールドクリプトバイナリー(worldcryptobinary)の評判・評価

ワールドクリプトバイナリー評判・攻略ガイド

BO会社徹底比較:【仮想通貨バイナリー】worldcryptobinary(ワールドクリプトバイナリー)詳細情報まとめ

これらの勧誘サイトからのリンク先にもなっていますがこれ以外にランディングページと言われるサイトが少なくとも2つ確認出来ます。URLアドレスはワールドクリプトバイナリーの公式サイトのURLに「lp2」あるいは「lp3」を加えたURLになっています。

https://lp2.worldcryptobinary.com/

https://lp3.worldcryptobinary.com/

またYoutubeに勧誘動画とか脚注にワールドクリプトバイナリーのアフィリエイトリンクが付いている動画がかなり確認出来ます。以下に一部をまとめておきます。

ワールドクリプトバイナリー入金方法

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ワールドクリプトバイナリー出金方法

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そしてようやく公式サイトですが、これが当初は公式サイトではなく、勧誘目的のみのランディングページとしか思えなかったほどの粗雑な造りのサイトです。以下がそのサイトの冒頭部のキャプで右上に「無料登録はこちら」と書いてありますが、このリンクのURLアドレスは以下の様になっています (一部伏字)。

https://app.worldcryptobinary.com/?aff=&click=●●●●●●●●●●●●#/ja/auth/register

これは途中に[?aff=]という部分があることなどからどう見てもアフィリエイトリンクです。公式サイトの口座開設リンクがアフィリエイトリンクになっているというのはどう考えても異様ですからこれはやはりランディングページに過ぎず、顧客登録してログインすればまた別のサイトが出てくるのかもしれませんが、少なくとも誰もが見られるサイトとしてはかなり探してもこれ以外に公式サイトは見当たりません。

また後述しますが、ワールドクリプトバイナリーの連絡先として開示されているメールアドレスは以下の様になっています。

>support@worldcryptobinary.com

このメールアドレスの後半部 (worldcryptobinary.com) は表題のサイトのURLアドレスと一致しています。全く異なるURLアドレスで公式サイトが存在する可能性は低いようにも思います。結論としてこれが本当に公式サイトなのかそれとも日本人向けに作られたランディングページに過ぎないのか、確たる結論は出ませんが、とにかくこれ以外にサイトが見つからないのでやはりこのサイトを検証の主たる対象にせざるを得ません。

検証の続きで再度上のキャプ画像に戻りますが、キャプの右上、「無料登録はこちら」のすぐ左に「日本語▼」と書いてあって一見するとこの部分をクリックすれば言語選択のプルダウンメニューが出てきて表示言語を選択出来そうに思えます。しかしこの部分をクリックしてもプルダウンメニューが出てくるようなことはなく、言語を日本語以外に切り替えることは出来ません。

それなのにこのサイトにあるワールドクリプトバイナリーの特徴の説明の第5項目は以下のキャプに示した様に「8ヵ国語の言語対応済み」となっていて英語、ドイツ語、トルコ語、スペイン語、イタリア語、アラビア語、日本語、中国語での表示が可能となっているのです。また後述しますが、ワールドクリプトバイナリーの本拠はマカオにあることになっています。しかしどれほど探してもワールドクリプトバイナリーのサイトは日本語版のサイトしか見つかりません。どう考えても異様であり、サイトの記述内容と矛盾しています。

また関連してこの検証の冒頭で複数のランディングページを含む勧誘サイト、勧誘動画が存在することを指摘してリンクを並べましたがそれらの勧誘サイトや勧誘動画も全て日本語のサイト、日本語の動画です。この時点でワールドクリプトバイナリーは海外業者を名乗っていても実際には日本のグループによる日本でしか活動していないバイナリーオプション業者としか思えないのです。

日本のグループとしか思えないという結論を既に出してしまいましたが、一応は連絡先情報ついて説明しておきます。しかし現在の公式サイトには連絡先情報らしきものが殆どありません。わずかにサイトの脚注部分に以下のキャプに示した社名とメールアドレスだけが確認出来ます。

>運営会社:FINTECH VENTURES ASIA LIMITED.

>問い合わせ先: support@worldcryptobinary.com

>広告出稿などのお問い合わせ: support@worldcryptobinary.com

メールアドレスが2つあるように見えますが、同じメールアドレスが2回書かれているだけです。このメールアドレスが検証対象としているページのURLアドレスと一致していることは既に指摘した通りです。住所も電話番号も見当たらず、連絡先情報がメールだけということになります。経営者情報もありません。また社名の「FINTECH VENTURES ASIA LIMITED」を検索してみましたが何も情報が見つかりません。

しかし以前には所在地情報が開示されていたのかもしれません。以下は勧誘サイトの1つであるワクワクバイナリーから取得したものですがマカオの住所が書かれています。

>WorldCryptoBinary運営会社

>会社名 FINTECH VENTURES ASIA LIMITED.

>所在地 AVENIDIA COMERCIAL DE MACAU,ROOM59,BLOCK A,5TH FLOOR,FIT CENTRE MACAU,MACAU

>設立年月日 2010年5月10日

>業務内容 仮想通貨でバイナリーオプション取引が行える海外拠点事業者によるサービス

全く同じマカオの住所は別の勧誘サイト、BO会社徹底比較にも記されています。しかしいずれのサイトにある情報でも電話番号や経営者に関する情報はありません。かつては公開されていた所在地情報が今は公式サイトから削除されているのか、あるいは真の公式サイトが別にあってそちらにしか連絡先情報が記されていないとか会員登録しないと連絡先情報が公開されない設定になっているのかもしれませんが、所在地情報が一般に公開されていないというのは明らかに異様です。またこのマカオの住所を検索してみましたが、実在する住所かどうかさえ分かりません。Google Mapにこのマカオの住所を入れても該当がないという結果になってしまいます。

さらに仮想通貨のバイナリーオプション取引については金融ライセンスが必要かどうかはグレーゾーンではないかと思いますが、ワールドクリプトバイナリーは仮想通貨だけでなく一般的な外国為替相場を対象としたバイナリーオプション取引の対象としているのですから金融ライセンスは必要でしょう。しかし金融ライセンスに関する記述は公式サイトにも勧誘サイトにも見つかりません。改めて言うまでもなく、日本の金融庁から出ている金融商品取引業者のリストにもワールドクリプトバイナリーは該当がありません。日本も含めて何処の国からも金融ライセンスを得ていない無登録の違法業者ということになると思われ、信用度評価の観点から大きなマイナスです。

次にワールドクリプトバイナリーの特徴について触れておきます。個人的に既に閉鎖されたサイトも含めて多数の違法な海外のバイナリーオプション業者を見てそれらの検証を本サイトの姉妹サイトである「危ない投資の備忘録」のバイナリーオプション業者の項目にまとめてきたことはこの検証の冒頭でも触れました。しかしこれまで検証してきたバイナリーオプション業者が主に外国為替の相場の上下を当てられるかどうかで勝敗が決まるシステムだったのに対してワールドクリプトバイナリーは外貨市場に加えて仮想通貨の相場の動きを当てられるかどうかという勝負が出来ることを売り物にしています。

以下のキャプに示した様にAUD (豪ドル)、USD (米ドル)、EUR (ユーロ)、CHF (スイスフラン)、GBP (英ポンド)、JPY (日本円)、CAD (加ドル)など主要外国為替16通貨) に加え、ビットコイン、イーサリアム、イーサリアム・クラシック、リップル、ダッシュ、ライトコイン、モネロ、ジーキャッシュの8種類の仮想通貨の相場も予想対象にしていることが分かります。またそれ以外に株インデックス、コモディティその他の相場も予想対象にしているようなことが書いてありますが詳細は不明です。またここで取り上げている8種類の仮想通貨での入金を受け入れているようです。

そして外国為替の市場が週末には休場になるのでバイナリーオプション取引も週末には休みにならざるを得ないのに対して仮想通貨市場は週末でも取引が続くことから仮想通貨のバイナリーオプション取引については週末でも参加が可能であるとしてこれをワールドクリプトバイナリーのセールスポイントにしています (以下のキャプ参照)。

確かに仮想通貨のバイナリーならば週末でも取引が可能という特徴の説明については理解出来るのですが、大きな疑問も生じます。すなわち外国為替市場に比べて出来高のはるかに少ない仮想通貨市場でなら顧客が自ら大きな買い注文、売り注文を出すことによってバイナリーオプションの勝ちを左右する相場操縦も可能なのではないかという疑問が生じるのです。対象になっている8つの仮想通貨の内、判定の対象となる仮想通貨取引所で特に取引の少ない時間帯、取引の少ない仮想通貨を選んでバイナリーオプションの予想を出す一方、対象となる仮想通貨の注文を出せば高い確率で勝敗を左右出来るのではないかと思われます。例えば対象となっているZCash (ジーキャッシュ) という仮想通貨の相場が5分後には現在地よりも上になるという予測でバイナリーオプションのベットを行う一方で判定対象の仮想通貨市場に相場が下落しないように現在値よりも若干上のジーキャッシュの指値買い注文を出して買い支えを行えばほぼ確実に勝てることになってしまうはずです。1人で買い支えを行うことが困難でも人数を集めて集団で買い支え注文を出して同じことを行えば買い支えに成功する確率が高くなるはずです。いわば顧客にとっての必勝法が存在してしまうことになるでしょう。それは同時にバイナリーオプション業者が負け続けることを意味するはずです。仮に買い支えが可能ならワールドクリプトバイナリーはほぼ確実に負け続けることになり、経営が成り立つはずがありません。ビジネスモデルとして無理があるように思われます。

それからワールドクリプトバイナリーのサイトでは公式サイトとしてはかなり違和感があるのですが2名の顧客の体験談を紹介しています。1人目は「市川昌枝さん 48歳 3名のお子さんを育てる専業主婦」となっており、2万円の初期投資から始めて今では毎月20~40万円のへそくりを貯めているといったことが書いてあります (以下のキャプ参照)。

しかしこの専業主婦の画像には何となく違和感を感じたので画像検索してみるとこの画像の由来が判明しました。すなわち下のキャプに示した様にshtterstockという画像を販売するサイトで販売されている画像の1つとしてこの女性の画像を確認しました (以下のキャプ参照)。

同様にワールドクリプトバイナリーのサイトでもう1人の顧客としてサラリーマン 営業職 54歳というプロフィールで紹介されている「松田浩二さん」という名前の顧客についても毎月50万円以上の利益を得ているという体験談が紹介されていますが (左下のキャプ参照)、同様に画像検索してみるとiStockという画像販売サイト「自信に満ちた中国のビジネスマン」というタイトルの同じ画像を見つけました (右下のキャプ参照)。

要するに「市川昌枝さん 48歳 3名のお子さんを育てる専業主婦」についても「松田浩二さん サラリーマン 営業職 54歳」についても架空の人物、その大成功している体験談も架空としか思えません。そもそも姉妹サイト、「危ない投資の備忘録」バイナリーオプション業者検証の前書で指摘していますが、バイナリーオプションでは顧客が勝てばそれはバイナリーオプション業者の損失になるのですから誰でも簡単に利益を出せるならばバイナリーオプション業者の経営が成り立つはずがありません。簡単に儲けられる的な架空としか思えない体験談を並べるのは詐欺的な勧誘としか思えません。

さらにワールドクリプトバイナリーと直接関連はないのでしょうが、上で引用した勧誘動画の中にはワールドクリプトバイナリーで使用可能なシグナルツールを販売しているものがあります。例えば以下は〜ファイナンシャル・インベスター〜Financial Investorというチャンネルから投稿されている動画の説明欄ですがワールドクリプトバイナリーへの登録を誘導するアフィリエイトと並んでLINEへの登録を促すリンク、さらに雷神システムというシグナルツールの販売サイトへのリンクが並んでいます。

この雷神システムの販売サイト (bookmaker-365.com/raijin_lp/) はこの検証を書いている2019年11月現在で既に閉鎖されているようですが、右のキャプに示した様に「仮想通貨 X バイナリー対応」のサインツールを使えば「1日たった1時間の作業でバイナリー初心者のモニター生6人全員が初月から月収100万円達成」「驚異の勝率94%越え!!」が可能であるなど刺激的な宣伝文句が並んでいました。

そしてこの仮想通貨バイナリーがワールドクリプトバイナリーでの取引になることも以下のキャプに示した様に明示されていました。

さらに以下がこの雷神システムの販売ページからリンクされていた特定商取引法のページのキャプです。タイトルが「商品取引法について」となっていますがおそらく「特定商取引法」の間違いでしょう。

>運営元会社名 株式会社Ghibli

>販売者 大本麻以

>所在地 東京都新宿区新宿5丁目18番20号

>メールアドレス nervonly77@gmail.com ※記載の販売者個人情報は弊店契約店舗のものです。

>販売価格 179,800円 (税込)

販売価格は179,800円 (税込)となかなかのお値段です。連絡先情報についてはまず電話番号がないのは問題でしょう。そしてこの株式会社Ghibliという販売会社名、東京都新宿区の住所や無料登録出来るgmailのアドレスには見覚えがあります。すなわち姉妹サイトである「危ない投資の備忘録」にあるハイローオーストラリアという違法なバイナリーオプション業者の検証の中で取り上げていますが、「AKIRAバイナリー分析の鬼」など少なくとも6つのYoutubeチャンネルから「AVALON mode Camelot 」などバイナリーオプションで大儲け出来ると称するツールを何種類も販売している業者です。姉妹サイトの検証で指摘していますが、東京都新宿区の住所はワンストップビジネスセンターというバーチャルオフィス業者の拠点の住所に一致するので架空住所としか思えません。さらに株式会社Ghibliの法人登録は国税庁の法人番号公表サイトで該当がありませんし、金融庁から出ている金融商品取引業者のリストにも該当がありません。違法性が強く疑われますし、到底信用出来ません。

そして雷神システムの販売サイトは既に閉鎖されていると書きましたが、その後継と思われる雷神システム4というツールが宣伝されています。具体的には「不死鳥Binaryサブチャンネル」という チャンネルからアップされている動画の説明欄に不死鳥バイナリー公式というブログ (binary-option.tv/ ) へのリンクがあり、そのブログでこの雷神システム4が販売されています。右のキャプがこの販売ページ (binary-option.tv/raijin4/ ) の冒頭ですがやはり「マーチンなし勝率80%」「怒涛の28連勝」「電光石火で月収237万円達成」など派手な文句が並んでいます。

そしてこの雷神システム4については以下のキャプに示したFAQの中に見えるようにバイナリーオプション業者としてハイローオーストラリアとワールドクリプトバイナリーが推奨されています。

そしてこの雷神システム4の特定商取引法のページを見ると以下に示した様に以前の雷神システムと連絡先情報は同じです。住所がバーチャルオフィスの住所になっているのも電話番号が無いのも「特定商取引法」と書いてあるべき部分が「商品取引法」になっているのも同じです。販売価格が2万円上がって198,000円 (税込)になっただけの違いしかありません。

学とくというYoutubeチャンネルの動画にもワールドクリプトバイナリーでの仮想通貨バイナリーに対応したツールを宣伝しているものがあります。例えば以下の動画では仮想通貨バイナリー専用のK SYSTEMというツールを宣伝しています。

この動画の説明欄にはブログへのリンクがあり、そのブログにはこの「K SYSTEM」の販売ページ、さらにその上位版であるという「リボルバーK」の販売ページがあります。以下は「リボルバーK」の勧誘動画です。右下のキャプに見えるようにワールドクリプトバイナリーで取引可能な仮想通貨8種と外国為替通貨12種の通貨ペアに対応となっています。動画の続きによれば最初の月から月収30~100万円以上を狙えるそうです。

ちなみに価格は「K SYSTEM」が29,800円、「リボルバーK」が98.000円となっています。そしてこれらの販売ページには特定商取引法のページへのリンクがあります。以下は「K SySTEM」の特定商取引法のページのキャプです。表題が「特手商品取引法」となっていますが「特定商品取引法」の間違いでしょう。

>運営元会社名 株式会社アドバンス

>運営責任者 杉森友貴

>住所 埼玉県川口市並木2-24-1-501

>メールアドレス nariagari.trader@gmail.com

上で取り上げた雷神システムの株式会社Ghibliの場合と同じで電話番号がなく、メールアドレスは無料登録出来るgmailのアドレスです。そして運営元会社名の株式会社アドバンス、運営責任者の杉森友貴、再頭兼川口市の住所には見覚えがあります。これは姉妹サイトでのバイナリーオプション業者・ハイローオーストラリアの検証の過程で取り上げた「Fintech Investors-フィンテック インベスターズ-」 というYoutubeチャンネルで宣伝していたハイローオーストラリア対応のリミットブレイクシステムなるシグナルソフトを販売していた業者と同じ業者です。2019年11月現在でも販売サイトは確認され、左下のキャプに示したバージョンアップ版と思われる「リミットブレイクシステム改」なるソフトを128,000円(税別)で販売しているようです。但しこの「リミットブレイクシステム改」については仮想通貨バイナリーに対応しているかどうかは不明です。販売ページのFAQではハイローオーストラリアのみが推奨業者になっています。

そしてこの販売ページからリンクされている特定商取引法のページにある連絡先情報を右上に示します。運営元のアドバンス、代表者の杉森友貴、埼玉県川口市の住所は「K SYSTEM」および「リボルバーK」の特定商取引法のページに出てきた情報と完全に一致します。異なるのはメールアドレスだけです。そして以前に姉妹サイトで書いた検証で指摘したことですが、埼玉県川口市並木2-24-1という住所は実在しない住所であることが判明しています。株式会社アドバンスはどう考えてもマトモな業者とは思えません。絶対に信用するべきではないと考えます。

ちなみに「リミットブレイクシステム改」を宣伝している「Fintech Investors-フィンテック インベスターズ-」 というチェンネルからアップされている動画の中にも下のキャプに示した動画のようにワールドクリプトバイナリーの操作画面を使って仮想通貨バイナリーについて説明し、さらには説明欄にワールドクリプトバイナリーへのアフィリエイトリンクの付いている動画があります。

「Fintech Investors-フィンテック インベスターズ-」からも仮想通貨バイナリーに対応したシグナルツールとか自動売買システムが宣伝、販売される可能性は充分にあるものと思われます。

最後にワールドクリプトバイナリーについてまとめますが金融ライセンスが確認出来ないこと、連絡先情報が殆ど開示されていないこと、実在が極めて疑わしい顧客の紹介、誰でも大儲け出来る的な有り得ない勧誘が行われていることなど非常に怪しい点が多いです。特に海外業者を名乗っていても実際には日本語サイトしか確認出来ないなどの状況からしてこれは日本のグループが最初から悪意を持って開設した幽霊業者の可能性が高いです。結論としてワールドクリプトバイナリーでの取引も、ワールドクリプトバイナリー対応と称するシグナルツール類の購入も到底推奨出来ません。


●BitSignX (ビットサインエックス bitsignx.com/)

これはTwitterで宣伝投稿が出回っていたことで気が付いた案件です。結論から言えばHYIP (ハイプ、High-Yield Investment Program)と呼ばれるポンジースキーム (自転車操業) 方式の単純な詐欺の疑いが濃厚です。案件の存在に気が付いたのが遅かった上の他の検証を優先していたのでこの検証を書き始めた時点で締め切り間近なのですが、募集が延長、復活する可能性もありますし、今後も同様の案件が出てくる可能性もあり、簡単に検証出来そうでもあったので検証対象にすることにしました。

最初に書いた様にこの案件の存在に気が付いたのは右下のキャプに示したようなTwitterでの宣伝投稿によるものです。この宣伝投稿を投稿しているアカウントのプロフィール欄のキャプ (左下のキャプ) も一緒に示します。

さらに同様の宣伝投稿を連発している複数のアカウントが他にも少なくとも6つ、計7つ存在していることにも気が付きました。4つのアカウントはどうやら同一人物によるものらしく、最初に見つけたアカウントがBSX006、後に見つけたアカウントがBSX001BSX002BSX003BSX004BSX005BSX007を名乗っており、以下にその内の3つのアカウントのプロフィール欄のキャプを示しましたが書かれている文章はいずれも「月利20%」から始まって全く同じですから同一人物によるものでしょう。

またプロフィール欄の最後には

>※紹介者コード:BSX00●

と書いてあります。ほぼ間違いなくこれらのアカウントはネズミ講方式の勧誘の為のアカウントでしょう。勧誘に応じた人が紹介コードを入力すれば紹介報酬を得られる仕組みと思われます。さらに本件の宣伝だけのアカウントではありませんがうちやんという名義のアカウントからも宣伝投稿が投稿されているようです。さらに他にも検索してみると日本語の勧誘ブログが2つ見つかってきました。

文旦ねこ ぶんぶんの仮想通貨投資

仮想通貨と株&為替のブログ

後述しますが、この案件は海外、具体的には香港に運営がある案件となっています。しかしBitSignX (ビットサインエックス)で検索して見つかってくるのはこうした日本語の投稿や日本語のブログなど日本語の記述ばかりです。Twitterの宣伝投稿からリンクされている表題のサイトの場合も同じで以下にサイト冒頭部のキャプを示しましたが、全て日本語で書かれていて英語とか中国語など他の言語での表示を選択することは出来ませんし、日本語以外のサイトへのリンクも見当たりません。

とにかくこのサイト冒頭にある説明を読んでみると投資家からビットコインを集めてそれをビットコインを借りたい機関投資家、ヘッジファンド、大手仮想通貨取引所などに貸し出して貸出利用料を得るというのがビジネスモデルの様です。しかしこれで「月利20%、年利243%」などというべらぼうな高利回りの運用が可能であると言われても全く説得力がありません。年利243%の配当を出すには借り手からビットサインエックス社の運営費用も考えれば少なくとも年利243%を超える金利を払う借り手を見つけなければなりません。実際にはビットサインエックス社の運営費用も必要ですから年利243%の金利収入では足りません。さらに高い金利収入が必要ということになります。

しかし誰がそんな異様な高利を払ってビットコインを借りたいと思うのでしょうか?世界的な金余りで信用のある個人や企業ならば非常に低い金利で借金が出来る状況なのですから何らかの理由でビットコインが必要だとしても法定通貨建ての低金利で資金を借り入れてビットコインの購入に充てれば済むことのはずです。最低でも年利243%という馬鹿げた高金利を払う経済的合理性が全く理解出来ません。実際にそんな異常な高金利でビットコインを借り入れている事業者についての具体的情報もありません。さらにビットサインエックスのサイトを見ても借り手の募集している様子がありません。例えば銀行の公式サイトならば預金者向けの情報と銀行からお金を借りたい人の為の情報の両方が必ず示されているはずです。ビットサインエックス社がビットコインの貸出業務を行っているのならば借り手に向けた情報も公開されていてしかるべきでしょう。非常に違和感があります。

さらにこのサイトにある連絡先情報が問題です。以下がビットサインエックスのサイトの会社概要のページのキャプです。

住所は香港になっています。しかし既に指摘したようにこのサイトは日本語表示にしか対応していないのですから香港の会社とは到底思えません。香港の会社の公式サイトならば中国語と英語には対応してしかるべきでしょう。また連絡先情報に電話番号がありませんし、経営者情報もありません。これも明らかに異様です。また運営会社はBSX Global Ltd.となっています。既に上で引用したビットサインエックスのサイトの冒頭には以下の様な記述があります。

>当社 BSX Global Ltd. (BitSignX) は、業界で最も信頼されている会社の一つです。

しかしこのBSX Global Ltd. について検索してもこのビットサインエックスの公式サイト以外に殆ど情報が出てきません。本当にそんな会社が存在しているかどうかさえ確認出来ません。

それからトップページからはリンクがないのではないかと思われますが、ビットサインエックスのサイトには以下のキャプに示した「日本居城者の皆様へのサービス提供中止について」と題する告知が存在することが分かりました。かなり長いですが抜粋引用します。

この文章を読むとどうやらビットサインエックスは以前は投資顧問的な業務を行っていたのではないかと思われます。その後、違法性の指摘などがあった為に日本居住者へのサービスを停止したという経緯があったようです。さらに最後に

>BitSignX代表 深田

と書いてあることからやはりビットサインエックス社を運営しているのはやはり日本人のグループの可能性が高いと考えざるを得ません。そしてこの告知の続きで仮想通貨レンディングサービスを開始したという内容の文章が出てきます。

仮想通貨建てのレンディングならば日本の法律に抵触しないという判断があったのだと思いますが、果たしてこれで違法性がないかどうかは極めて疑問でしょう。リターンを約束して出資を募っているのですから仮想通貨建ての投資であっても出資法に抵触している可能性は充分にあると考えます。

結論としてビットサインエックス社は香港の会社のはずなのに日本語のサイトしか見つからないこと、電話番号や経営者情報が開示されていないこと、そもそもこんな高利で仮想通貨を借りるのは誰なのか、こんな高利回りを払って仮想通貨を借りることの経済的合理性があるのかといった疑問があり、これは非常に危ない案件としか思えません。実際にはレンディング事業など行っていないポンジースキーム型の投資詐欺の可能性だって考えられるでしょう。当然この案件への投資は全く推奨出来ません。