検証20

このページではJGBコインという仮想通貨に関係しているサイトなど以下のサイトを検証しています。

●JGB Coin (JGBコイン www.jgb-coin.com)

●J.COSME (ジェイコスメ・オンラインショップ junebride.jp)

●J.COSME JAPAN Customer's Shopping Web (ジェイ コスメ・ジャパン会員制商品ポイントサイト jcosme-hk.net)

●J COSME GLOBAL BANK (ジェイコスメ グローバル バンク jc-gb.com)

●ICO BANK (ICO バンク www.ico-bank.io)


それでは検証を始めます。まずはJGBコインという仮想通貨に関係している以下のサイトを検証します。

●JGB Coin (JGBコイン www.jgb-coin.com)

●J.COSME (ジェイコスメ・オンラインショップ junebride.jp)

●J.COSME JAPAN Customer's Shopping Web (ジェイ コスメ・ジャパン会員制商品ポイントサイト jcosme-hk.net)

●J COSME GLOBAL BANK (ジェイコスメ グローバル バンク jc-gb.com)

JGBコインについては知恵袋に出てきた質問を切っ掛けに検証することになりました。

JGB Coin 知恵袋質問.PNG

検索すると表題のJGBコインの公式サイトが出てきます。

JGB Coin サイト冒頭.PNG

このサイトに記されている連絡先情報は以下にあるだけです。社名は「JCOSME HOLDINGS LIMITED. H.K」となっています。H.Kは香港の意味と思われます。

JGB Coin 公式サイト連絡先情報.PNG

>JCOSME HOLDINGS LIMITED. H.K

>20/F, C.C. Wu Building, 302-308, Hennessy Road, Wan Chai, H.K

電話番号や経営者情報はありません。香港の住所を検索すると日本人が経営するRINGOBAKOというオフショア会社の香港拠点の住所と酷似しています。違いは部屋番号(Room 2008)の有無だけです。

JGB Coin 香港住所リンゴバコ.PNG

>RINGOBAKO

>会社名 Ringobako co. Limited/蘋果箱有限公司(香港法人)

>設立 2011年

>本社 東京都中央区日本橋人形町2-29-9ISビル5F

>代表者 David Akamatsu

>住所 Room 2008, 20F, C C Wu Building, 302-308 Hennessy Road, Wan Chai, Hong Kong

>電話 +852-3111-2571(日本からの連絡 03-4570-8091)

>FAX +852-3016-9452

これは電話番号がないことと併せ、架空住所の可能性が強く疑われます。JGBコインの発行元であるはずの香港法人はダミーで実際には以下で検証する日本のジェイコスメが発行元である可能性は高いでしょう。さらにこのサイトにはJGBコインについて以下の様な記述があります。

>JGBcoinとは?

>JGBcoinはFinTech時代に適した決済手段、開発されたデジタル通貨です。 JCOSME HOLDINGS LIMITED. H.Kが発行するインターネット上での取引となります。 ジェイコスメグループのネットショッピング、会員同士の決済、送金に活用できます。

>JGBcoin所有者には当社が企画するイベント、パーティー、国内外ツアーの参加など様々なサービスが受けられます。

>スマートフォンで、24時間365日、JGBcoin購入、決済、送金が可能です。 また、コインの価値は需要によって変動、価格の上昇が見込めます。

FAQのページにも以下の記述があります。

>Q : コインで商品の購入ができますか?

>A : ジェイグループショッピングサイトにご希望の商品を購入できます。

>Q : 価格の変動はどのようになっていますか?

>A : 会員数の増加と共に値上がります。

どうやら仮想通貨として商品の購入などに仕えるのは「ジェイ(コスメ)グループショッピングサイト」だけのようです。JGBコインが本当に仮想通貨として多くの人に使われて価値が上昇するという説明に説得力があるかどうかはこの「ジェイグループショッピングサイト」に多くの顧客が集まる可能性があるかどうかに関わるものと思います。この点に関しては後述します。

その他にコインを保有すると特典などが与えられるとありますが、特典などを得るには非常に高額の投資が必要なようです。最低ランクの「ゴールドクラブ」でも500万円、最上級の「プレジデントクラブ」になるには1億円が必要とあります。

JGB Coin クラブタイトル.PNG

この表にあるサービスコインというのがよく分かりませんが、「サービスコインは年末に保有数によって付与いたします。」とありますからコインを保有したままでいると年末にコインの数が増えるということのようです。しかしコインの数が増えれば需給バランスが崩れてコインの相場にとって下落要因のはずです。資産が増えるかどうかは疑問です。さらにコインを保有して得られる「特典」に関しては以下の様な記述があります。

>タイ、ハワイ、日本のリゾート会員券が コインで格安で購入できます。

>リゾート会員券を使用し、 リゾート施設を使用できます。 会員権はコイン時価で譲渡が可能です。

リゾート会員権の購入が格安で可能などとありますが具体的に何処のリゾートの会員権が幾らで買えるといった具体的な説明が全く見当たりません。サイトのメニューには「会員特典」→「トラベル」という項目があるのですが「現在工事中」と書かれているだけです。本当にリゾート会員権の購入にコインが使えるのか確認出来ません。

さらにメニューの「会員特典」の項目には「抽選」「ショッピング」の2項目がありますが、「抽選」の項目に書かれているのは

>JGB抽選会

>毎年3回JGBコイン購入者対象

>総額3,000万円

という全く具体性に欠ける記述のみです。本当に抽選会なるものが開催されて3000万円の大盤振る舞いが行われたかどうかは確認出来ません。そして最後の「ショッピング」の項目は表題の2つ目のジェイコスメ・オンラインショップ (junebride.jp)というサイトにリンクされています。JGBコインで購入出来るのは以下のキャプにあるようなスキンケア、ヘルスケア商品のようです。

JGB Coin ショッピング JCOSME 品揃え.PNG

商品の品質などは評価のしようがありませんが、こういった商品を数百万円から億の単位の金額で購入する人がどれほどいるのでしょうか?コインを最低500万円も購入して特典を得る人がおよそ想像出来ません。

そしてこのサイトにある会社概要は以下の様になっています。

JGB Coin 唯一の商品購入可能な化粧品会社.PNG

>社名 株式会社ジェイ・シックス

>本社所在地 〒104-0061 東京都中央区銀座8-14-12 銀座第1ビル6階

>電話 03-3524-2220 (代表)

>代表取締役 菅原淳司

この住所を一応調べてみると不動産屋のサイトの情報によればこの銀座第一ビルの1つのフロアには1つの部屋しかなく、区画面積は12.75坪(42.1平米)となっています。あまり規模の大きな会社とは思えません。

さらに何が違うのかよく分かりませんが、ジェイコスメで検索すると全く同じ銀座の住所を所在地として記載しているサイトが他にも出てきます。それが表題の3つ目のサイト、ジェイ コスメ・ジャパン会員制商品ポイントサイト (jcosme-hk.net)です。よく分かりませんがポイントサイトということはJGBコインを買うなど何らかの手段で得られるポイントで商品を入手する為のサイトということでしょうか?

JGB Coin JCOSME GINZA 連絡先情報.PNG

>本社所在地

>〒104-0061 東京都中央区銀座8-14-12 銀座第1ビル6階

>TEL : 03-6264-1747 (代表)

>FAX : 03-6264-1930

>代表者 菅原 淳司

ポイントサイトの方にある会社概要をジェイコスメ・オンラインショップのサイトの会社情報と比較すると上のキャプで確認出来るように住所や代表者の氏名は完全に同じですが、電話番号は異なるようです。そしてこれら2つのサイトにどれほどのアクセスがあるかをアクセス状況解析が可能なサイトで調べてみると赤い線で囲ったよう部分にあるように通販サイトの方が1日当たりの独立な訪問者数が50人程度、ポイントサイトの方が360人程度という結果になりました。

JGB Coin JCOSME 2つのサイトアクセス状況まとめ.PNG

「検証15」で取り上げたDコインの検証でも大手の通販サイトとのアクセス数の比較を行いましたが、1日当たり数百万人単位の独立な訪問者を集めているアマゾンのような大手の通販サイトならともかくとしてせいぜい数百人程度の訪問者しかないサイトでは独自の仮想通貨を決済手段を持つことの必要性、意義があるとは到底思えません。ましてやこの程度の通販サイトが用意する仮想通貨への需要が高まって需給が逼迫し、価値が上昇するなどということがあるとは全く思えません。

さらにジェイコスメについて検索すると知恵袋にも多数の投稿があるようでそれらを見る限り非常に評判が良くありません。商品の問題ではなく、投資と称した販売方法、マルチ方式と思われる勧誘方法の合法性が疑わしいということのようです。

ジェイコスメというネットワークビジネス会社って、確実に出資法違反にあたると思いますが、未だ摘発されないのは何故でしょう?

ジェイコスメについて質問です。108,000円投資すると年に140.000円に増えるそうです。

108000円が2か月後から月5000円×10回+10万で使わないで放っておくと複利で年に18万になるそうです。

私の姉がJコスメという化粧品会社に投資しています。最初は100万円くらいだったのですが、最近はエスカレートして父の遺産や母の預金にまで手を付けています。

株式会社ジェイコスメ・ジャパンてどんな会社ですか?会員になると儲かるみたいな話しを聞いたのですが、怪しいような。。。

ジェイコスメのNPポジションという事業について詳しい方、参加されている方いませんか。

10万8千円投資すると1年後に14万円になるといった約束をして投資を募っているなら確かに出資法に抵触している可能性はありそうです。またマルチ商法的な勧誘を行っているという点でも違法性が疑われます。

さらに疑問なのは表題の4つ目のサイト、J COSME GLOBAL BANK (ジェイコスメ グローバル バンク jc-gb.com)です。このサイトはJGBコインの公式サイト中にある「会員サービス」→「JCOSME GLOBAL BANK」でリンクされているサイトですが、どうやらJGB Coinという仮想通貨の名称はこの「JCOSME GLOBAL BANK」の頭文字を取ったものではないかと思われます。

JGB Coin JCOSME GLOBAL BANKサイト冒頭.PNG

JGBコインの名称がジェイコスメ グローバル バンクに由来するものならばこれこそJGBコインの発行元ではないかと思われるのですが、そういった記述は全く見当たりません。プライベートバンクと自称していますが仮想通貨との発行の関りやジェイコスメとの関係性なども不明でどんな業務を行っているかも分かりません。さらに疑問なのは所在地情報です。右のキャプにあるように登録住所はアフリカの大西洋岸にあるガンビアという国になっていて銀行としての登録もガンビアにあると書いてありますが確認は困難です。そもそも高所得者を顧客にするはずのプライベートバンクがさして豊かとは言えないであろうアフリカの小国にあるのは異様です。

JGB Coin JCOSME GLOBAL BANK 連絡先+Map.PNG

そしてガンビア以外には英国ロンドンにサポートセンターがあることになっていますが、上にあるGoogle Mapを見ると所在地を示す矢印がBritish Monomarks Ltd.という会社の位置に刺さっています。そこでこのBritish Monomarks Ltd.を調べてみるとこれはバーチャルオフィス業者です。

http://www.britishmonomarks.co.uk/

このロンドンの住所にサポートセンターが実在するとは思えません。さらにいずれの連絡先情報にも電話番号がないこと、経営者情報も見当たらないこと、そもそもこのサイトには殆どアクセスがないことなどからジェイコスメ グローバル バンクは幽霊会社の疑いが濃いと判断せざるを得ません。

総合的に判断してJGBコインへの投資は推奨出来ません。


※付記

matomaというサイトでジェイコスメに対する集団訴訟の呼びかけが行われていることに気が付きました。

2020年7月には集団訴訟の呼びかけが始まっているようなのでこれ以前に配当の支払い、原本の返還が既に滞っていたものと思われます。尚、表題の4つのサイトの内、ジェイ コスメ・ジャパン会員制商品ポイントサイト以外の3つのサイトは閉鎖されているようです。

またデイリー新潮/Yahooニュースにジェイコスメに関する記事が出ていることにも気が付きました。有料記事なので全文は見ていませんが詐欺的自転車操業と断定しています。


●ICO BANK (ICO バンク www.ico-bank.io)

これもYahoo知恵袋に質問が出てきた案件です。仮想通貨のICOに投資して高利回りを得ると称して勧誘を行っているようです。

ICO-Bank 知恵袋質問.PNG

検索してみると表題のサイト以外に幾つかの日本語で書かれた勧誘目的と思われるサイトが見つかります。

Bibit Post【ICOに参加したい方必見!】クラウドファンディング型ICOサイトの紹介

Ermis ハードウェアウォレットショップ 「ICO BANKでトークン購入してみました」

但しこれらの日本語サイトには登録方法とか入金方法の説明があるだけでICOバンクについて殆ど情報はありません。公式サイトは英語で書かれていて連絡先情報は以下にあるだけです。

ICO-Bank 連絡先情報.PNG

>Company Name : Cryptech Works Limited

>Address : 30-32 Cameron Road, Tsim Sha Tsui, Kowloon, Hong Kong

>Email : info@ico-bank.io

>Support Email : support@ico-bank.io

まずこれも電話番号がありません。住所は香港ですがこの住所を調べるとHK BUSINESS SOLUTION LIMITEDという日本人経営と思われるオフショア会社の住所と酷似しています。

ICO-Bank 香港オフショア会社.PNG

>会社名 HK BUSINESS SOLUTION LIMITED

>責任者 Founder & Director:Ogawa Takuya

>Founder & Director:Shigiya Kenji

>本社 Flat 1, 5/F, Cammer Commercial Building, 30-32 Cameron Road, Tsim Sha Tsui, Kowloon, Hong Kong

オフショア会社の住所の方にはビルの名称と部屋番号がありますが、ICOバンクの住所は住所だけで不完全な住所の様に思われます。これは架空住所の疑いが強いと考えざるを得ません。

さらにICOバンクの住所が香港でサイトは英語で書かれているのにアクセス状況解析サイトで見るとページビューの99.6%、訪問者の98.6%が日本からです。とても香港の会社とは思えません。日本の詐欺グループが香港に幽霊会社を設立し、日本で勧誘活動を行った結果と疑わざるを得ません。

ICO-Bank アクセス大半が日本から.PNG

またICOバンクの情報開示は極めて貧弱です。誰が運営しているのか、どれほどの資金が集められてどれほどの収益が得られているのかなど何も情報がありません。この件への投資は到底推奨出来ません。