検証144

本ページで取り上げるサイトはいずれも仮想通貨取引所 (暗号資産交換業者) に該当すると思われますが、いずれも日本語表示に対応しているのに日本の金融庁が公表している暗号資産交換業者の登録リストに該当がありません。無登録の違法業者である可能性が高いです。

▼本サイトでの検証は名誉棄損に当たらないと考えます。→ 雑記1

「検証63」「検証64」「検証65」「検証66」「検証67」「検証68」「検証69」「検証70」「検証71」「検証72」「検証73」「検証74」「検証75」「検証76」「検証77」「検証78」「検証79」「検証80」「検証81「検証82「検証83「検証84「検証85「検証86」「検証87「検証88「検証89「検証90「検証91「検証92「検証93「検証94「検証95「検証96「検証97「検証98「検証99「検証100「検証101「検証102「検証103「検証104「検証105「検証106「検証107「検証108「検証109「検証110「検証111「検証112「検証113「検証114「検証115「検証116「検証117」「検証118」「検証119」「検証120」「検証121」「検証122」「検証123」「検証124」「検証125」「検証126」「検証127」「検証128」「検証129」「検証130」「検証131」「検証132」「検証133」「検証134」「検証135」「検証136」「検証137」「検証138」「検証139」「検証140」「検証141」「検証142」「検証143」で検証してきた中国系と思われる海外の詐欺グループによって勧誘が行われていると思われる一連の詐欺仮想通貨取引所のサイトについての検証82ページ目です。「検証145」「検証146「検証147」にも続編があります。勧誘の手口などについては「検証63」の最初に書いてあるので参照してください。特にLINEのグループを利用した勧誘については「雑記2」に説明があります。検証項目は順次追加の予定です。


●EFIC [EBCコイン] (https://efic-ex.com/web/#/home)

●KATRA [NEVコイン] (https://katra.top/web/#/home)

●BitNest [NISトークン] (ビットネスト https://bitnest-ex.com/web/#/home、スマホ用サイト:https://bitnest-ex.com/wap/#/)

●NovaSwap [ASTトークン] (ノバスワップ https://novaswap-ex.com/web/#/home、スマホ用サイト:https://novaswap-ex.com/wap/#/)


まず以下の2つのサイトをまとめて検証します。

●EFIC [EBCトークン] (https://efic-ex.com/web/#/home)

●KATRA [NEVトークン] (https://katra.top/web/#/home)

これらもYahoo知恵袋に質問が出てきたサイトで明らかに互いに似ているのでまとめて検証します。いずれの場合も「雑記2」に説明があるLINEグループを利用した勧誘が行われているようです。まず最初のEFICに関してYahoo知恵袋に出てきた質問投稿を引用していきます。

2023年11月29日投稿 (EFICに関する質問)

最初の質問だけでは何もありませんが、回答に対する返信によればSNSの広告からLINEの投資勉強グループに加入することになり、「某有名投資家」がチャートの読み方などを直接指導してくれてとても勉強になったということです。さらに株式銘柄を推奨してくるようになり、実際に値上がり益を得ることも出来たようです。但しこの「某有名投資家」が本人だったかどうかは極めて疑問でしょう。そしてポートフォリオの分散を名目に仮想通貨への投資を勧められ、指定されたアプリで未公開の仮想通貨を買ってしまったようです。

さらにこの質問投稿に対して自分も同じ仮想通貨投資を勧められたという回答も出てきました。

LINEグループを勧誘に利用する手口の詐欺があることをグループで指摘したところ、数分後にグループから追放されたようです。

2023年11月30日投稿 (EFICに関する質問)

この質問はおそらく1日前に知恵袋に投稿された上の質問に気が付いて自分も同じサイトでの詐欺に遭っている可能性に気が付いてこの質問を投稿しているようです。そしてこの質問の投稿者の場合、X (旧Twitter) で出会った「Yamato-B-」と名乗る人物に「山田広美」と名乗る投資アシスタントを紹介され、「情報の共有と交流15」というLINEの投資関係グループに加入することになったようです。そしてそのLINEグループでEFICという取引所での「新エネルギー蓄電池プロジェクト」に関する仮想通貨への投資を勧められ、仮想通貨建てで3万円入金してしまったようです。こうした経緯はやはり「雑記2」で説明している中国系と思われる詐欺グループによる勧誘の手口に合致するように思われます。

さらにこの検証を書いた後ですがこのサイトで詐欺に遭ったという投稿がやはりYahoo知恵袋に出てきました。

2023年12月13日投稿 (EFICに関する質問)

この投稿者の場合は関原大輔、山田広美、そしてアシスタントの国松景子という人物がLINEグループの運営側の人物として登場していたようです。さらに有名投資家の名前を自称している先生役がいるようです。添付画像に見えるLINEでアプリを更新してくださいという告知を送ってきているのはアシスタント役の国松景子となっています。そしてLINEに返信せずにいたところ、LINEグループから追放され、個人的に送られていたLINEで暴言を吐かれたということです。

2024年1月5日投稿 (EFICに関する質問)

この質問の投稿者も経緯は不明ですがLINEのグループに加入してしまい、先生役とか「山田広美」と名乗るアシスタント役の人物からEFIC取引所での仮想通貨投資を勧められ、仮想通貨建てで送金してしまったようです。そして出金しようとしたところ、5%の出金手数料の支払いを求められておかしいと気が付いてこの質問を投稿しているようです。

次に表題2番目のKATRAについてYahoo知恵袋に出てきた質問投稿を引用します。

2023年11月17日投稿 (KATRAに関する質問)

この質問は情報不足でサイトのURLアドレスもこの時点では不明、入金を考えている状況と思われますが、それまでの経緯も不明です。しかし次の投稿で状況がかなり明らかになりました。実際にKATRAでの投資を勧誘されて投資したところ、数字の上では利益が出ていたものの結局出金できなくなってしまったという被害者からの投稿です。

2024年1月13日投稿 (KATRAに関する質問)

この質問の投稿者はTwitterで仮想通貨関連の投稿をしていた「◯ACHI◯んがりコインナー 」と名乗る人からLINEのグループに加入することになり、そのLINEグループでNEVという仮想通貨への投資を推奨されたようです。LINEのグループを勧誘に利用する手口はここで一緒に検証するEFICの場合と同じで「雑記2」で説明してある中国系と思われる詐欺グループによる詐欺勧誘の手口に一致するように思われます。入金方法は日本国内の仮想通貨取引業者でイーサリアムを購入し、KATRAにイーサリアムを送金、NEVという推奨された仮想通貨を購入という流れだったようです。その後、ICOの期間が終了した時点で投資したお金が数字の上では4倍ほどになったようですが、税金名目での追加入金を要求され、その追加入金に応じても再び税金名目での追加入金を要求されるということになり、さすがに詐欺の可能性に気が付いてこの質問を投稿しているという状況のようです。

さらに取引所の名前が記されていなかったので後になって気が付きましたが以下も同じNEVという仮想通貨に投資してしまい、出金出来なくなっているという質問です。勧誘された経緯や後述しますが購入してしまったNEVという仮想通貨が電気自動車関連であるといった点がここで検証するKATRAという取引所の件と一致しており、これも投資先の取引所は同じKATRAだったと思われます。

2023年12月5日投稿 (KATRAに関する質問)

この質問の投稿者は「Twitterで知り合った人」に誘われて投資関係のLINEグループに加入してしまい、そこで「電気自動車の仮想通貨であるNEVという上場前の仮想通貨のICO投資」を勧められ、30万円投資してしまったようです。

>12月中に投資した金額と同じ金額が配当されると言われていたのですが、最近になって、その配当は当たるかはわからないと言われました。

投資額と同額の配当が出るなんて夢物語としか思えませんし、当初の説明と話が明らかに変わっているようです。

以下もこの検証を書いた後で出てきた質問投稿です。

2023年1月21日投稿 (KATRAに関する質問)

どういう経緯なのか不明ですが「投資家になりすましの勉強会」とあるのでおそらく投資で成功しているイメージのある有名人の名前を語ったLINEのグループに誘導され、そのLINEグループで勧誘を受けてKATRAという取引所で新エネルギー電気自動車に関するプロジェクトに投資してしまったようです。数字の上では利益が出ていたものの出金しようとすると莫大な税金を払うことを要求されて出金出来ないということになり、詐欺であることに気が付いて対処に困っているという状況と思われます。

さらにこのKATRAという取引所について検索してみたところ、以下のTwitter投稿を発見しました。

2023年11月16日投稿 (KATRAに関する質問)

FXや仮想通貨に関する投稿をしている高城泰氏のアカウントからの投稿ですが、自分の名前を語った偽アカウントからLINEグループへの加入を勧誘し、KATARAでNEVという仮想通貨を購入するよう勧めるような投稿が行われていることに気が付いて当該の偽アカウントに接触を試みたところ、コメントが全削除されたということのようです。以下は添付画像で示されていた高城泰を名乗る偽アカウントからの投稿の画像です。高城泰氏本人のアカウント (@takagifx) とは全くアカウントのアドレスが異なります。

上で示したYahoo知恵袋への2024年1月13日付の被害者からの投稿ではTwitterで仮想通貨関連の投稿をしていた「◯ACHI◯んがりコインナー 」と名乗る人勧誘投稿から詐欺サイトに誘導されてしまったということでしたが、この「◯ACHI◯んがりコインナー 」というTwitterアカウントについても偽のアカウントだった可能性が考えられるかもしれません。

とにかくこれらの投稿に出てきた2つのサイトにアクセスしてみることにしました。以下にサイト冒頭部の画像を順に示します。

▼EFIC (https://efic-ex.com/web/#/home) [表示言語:英語、日本語、韓国語、中国語、香港語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、イタリア語、ポルトガル語、ベトナム語]

▼KATRA (https://katra.top/web/#/home) [表示言語:英語、日本語、韓国語、中国語、香港語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、イタリア語、ポルトガル語、ベトナム語]

これら2つのサイトはこれまでに検証してきたサイトと特に似ているようには思われませんが互いに明らかに似ています。例えば表示言語の選択肢とその並び順が完全に同じですし、メニューバーの項目名やその並び順なども同じです。そしていずれのサイトでも「市場トレンド」というタイトルで5種類の仮想通貨の相場情報が示されています。それぞれのサイトで相場情報が示されている各5種類の仮想通貨について仮想通貨データーベースのCoinMarketCap (https://coinmarketcap.com/ja/) というサイトで調べてみるとEFICのサイトで2~5番目の4つの仮想通貨についてはそれぞれ略称とロゴが一致する仮想通貨の情報が見つかってきました。

Decentraland (MANA)

Monero (XMR)

Polygon (MATIC)

Polkadot (DOT)

しかし最初のEBCという略称の仮想通貨については該当すると思われる仮想通貨の情報が見つかりません。

同様にKATRAのサイトで相場情報が示されている5種類の仮想通貨についてもBTC (ビットコイン)、ETH (イーサリアム) に加えてEFICのサイトでも取り上げられていたDecentraland (MANA)、そして

The Sandbox (SAND)

についてはCoinMarketCapで情報を確認出来ます。しかし3番目のNEVという仮想通貨については情報が見つかりません。

上で引用したYahoo知恵袋への投稿ではEFICのサイトで「未公開の仮想通貨」、「新エネルギー蓄電池プロジェクトに関する仮想通貨」への投資を勧誘されたということなのでこのEBCという仮想通貨がその未公開の新エネルギー蓄電池プロジェクトに関する仮想通貨に該当するのではないかと思われました。同様にKATRAのサイトでの投資を勧誘されたというYahoo知恵袋への被害者からの投稿ではNEVという仮想通貨に投資してしまったということなのでこれがKATRAのサイトにおける推奨される投資対象と思われます。

そしてこれらのサイトをよく見るとメニューバーに「白書」という項目があり、それぞれのサイトにEBC、NEVへの投資を勧誘する動画とホワイトペーパーが用意されていることが判明しました。

まずEFICのサイトに用意されているEBCへの投資を勧誘する動画EBCのホワイトペーパーペーパーから説明しますが動画とホワイトペーパーの内容は食い違っているようにしか見えませんし、記されている内容にも事実かどうか疑わしい部分が認められ、到底高い評価をできるようなものではありません。まず動画ですが、英語のナレーションと日本語字幕という組み合わせになっています。この動画の画像を以下に幾つか示します。

既に書いたようにこの動画は英語のナレーションと日本語字幕という組み合わせで説明が加えられています。ところが上の画像で示したようにいきなり日本語ではないと思われる部分が登場する場面があります。英語のナレーションを聞くとこのおそらく中国語と思われる部分は「エコロジー」という意味と思われたのでGoogle翻訳で英語の「Ecology」を中国語 (簡体字) に翻訳してみると確かにこの画像に出てくる「生态 (Shēngtài)」という中国語が出てきました。この動画を作ったのは中国系の人物である可能性が高いように思われます。

さらに5分弱の動画の中で2分30秒ぐらいのところからプロジェクトの参加者、協力者に関する説明が出てきます。ところがこの動画の説明と動画の内容に食い違いがあるのです。

上のキャプ画像の字幕には

>経済産業省および独立行政法人省エネルギーセンターと連携し

と記されています。ところが画像に出ているのは国立研究開発法人・日本原子力研究開発機構 (Japan Atomic Energy Agency (JAEA)) という研究機関のロゴです。以下に示す日本原子力研究開発機構 (JAEA) のサイト (https://www.jaea.go.jp/) のサイトのロゴを示しますが、上の画像に示されているロゴと完全に一致しています。

そしてJAEAは「日本原子力研究開発機構」という名称からも想像できるように明らかに原子力分野の研究機関であり、「蓄電池プロジェクト」に関与しているとは全く思えません。またこの日本原子力研究開発機構 (JAEA) のサイト (https://www.jaea.go.jp/) のサイトにECGという仮想通貨に関する情報があるかどうかサイト内検索を行ってみましたが、それらしき情報は出てきません。

また字幕に出てきている「独立行政法人省エネルギーセンター」を検索してみましたが、確認出来たのは「独立行政法人省エネルギーセンター」ではなく、「一般財団法人省エネルギーセンター」です。以下に確認出来た「一般財団法人省エネルギーセンター」のサイト (https://www.eccj.or.jp/) の冒頭部を示します。

このサイトでもECGという仮想通貨に関する情報があるかどうかサイト内検索を行ってみましたが、やはりそれらしき情報は出てきませんし、蓄電池に関する技術開発を行っている様子もありません。動画で主張されている内容には明らかに事実とは思えない部分が多すぎます。

尚、この動画には英語版の動画も存在するのですが、日本語版との違いは日本語の字幕が出てこないことだけのようです。相変わらず日本の実在さえが疑われる研究機関と共同で開発を進めるといった説明になっています。

さらにホワイトペーパーの方にも大きな問題があります。まずこのホワイトペーパーは54ページもあるのですが、運営主体に関する情報が何もありません。連絡先情報とか責任者に関する情報が何もないのです。さらに仮想通貨のホワイトペーパーなら必ず記されているべき総発行枚数とか今回売り出す枚数、売り出し価格といった基本情報の詳細がよく分かりません。以下にホワイトペーパーの38ページ目にあるEBCという仮想通貨の基本情報の部分を示します。

記載内容を以下に書き出します。

>5.1 トークン経済学

>中国語名称:エネルギー蓄電池コイン

>略称: EBC

>コアアルゴリズム: SHA256

>リリース日:2023 年 9 月

>ブロックスピード:3~5 秒/ブロック

>難易度調整:1 ブロック

>総発行ブロック数:100,000,000,000(略称:100,000,000,000、増えることはなく一定数)

>初回購入価格:3USDT

まずかなり違和感があるのが

>中国語名称:エネルギー蓄電池コイン

という部分です。どうしてこれが「中国語名称」なのでしょうか?やはりこのホワイトペーパーも中国系の人物によって書かれたものではないかと疑いたくなります。ちなみに英語版のホワイトペーパーでもこの部分は

>Chinese name: Energy Storage Battery Coin

となっています。どうして「Chinese name」なのか意味不明です。

ともかく英語版を見るとEBCは「Energy Storage Battery Coin」の略称であることが分かりました。そしてここに記されている情報によればEBCコインは2023年9月に発行されること、当初の発行価格が3USDT (3ドル) であるといったことが分かります。よく分からないのは「総発行ブロック数」という項目です。この項目は英語版でも「Total number of blocks issued」となっています。普通に考えてここに記されているべき総発行枚数ではないかと思われるのですが、1億ブロックが発行されるという記述では意味がよく分かりません。「blocks」の意味が分からないのです。しかしこのホワイトペーパーの39ページ目を見るとやはりこの記述は発行枚数に関する記述で間違いないようです。以下にその部分の画像を示します。

やはりEBCコイン (トークン) の総発行枚数は1億枚でその内、6000万枚が売り出され、残りの4000万枚はEBC財団に10% (1000万枚)、創業チームに10% (1000万枚)、戦略的パートナーに20% (2000万枚)が割り当てられるとあります。但し、ここに出てくる「EBC財団」とか「創業チーム」に関する情報はやはり見当たりません。

そして20% (2000万枚)が割り当てられる「戦略的パートナー」については動画に出ていた国立研究開発法人・日本原子力研究開発機構 (Japan Atomic Energy Agency (JAEA)) とか「独立行政法人省エネルギーセンター」を指すのかと思っていたのですが、このホワイトペーパーはそれらの組織はプロジェクトのパートナーとして取り上げられていません。パートナーに関する記述があるホワイトペーパーの最後の部分、51~52ページにある【協力団体】という項目の記述を以下に示します。

「協力団体」に関する説明文と、おそらくそれら協力団体に対応すると思われるロゴが並んでいます。説明文の部分を以下に書き出します。

>【協力団体】 蓄電池チェーン(EBC)サービスプラットフォームの現在の開発動向と運用速度によると、EBCは日本エネルギー経済研究所、日本の経済産業省、日本の地方エネルギーセンター庁、日本の松下電器産業株式会社、日本の東京通信工業株式会社、日本の日立マクセル株式会社、ジェイシーユーソー株式会社、GS-YUASAグループなどの企業、国際戦略協力組織として有名なブロックチェーンメディア組織や投資組織の支持を得ている。 

この文章には疑問点が多数あります。例えば「松下電器産業株式会社」は2008年に「パナソニック株式会社」に商号変更しています。15年も前に使われなくなった旧社名をここに「協力団体」として示すのは明らかにおかしいです。さらに酷いのは「東京通信工業株式会社」です。これは現在の「ソニー」が1958年に社名変更するまで使っていた旧社名です。協力団体に対応すると思われるロゴには確かにソニーのロゴが含まれていますから別個の「東京通信工業株式会社」が存在するとも思われません。65年も前の旧社名を協力団体の1つを示すのに使うことなどおよそ考えられません。同様に「日立マクセル株式会社」についても現在のマクセル株式会社が2017年に日立グループから独立するまで使っていた旧社名です。さらに「ジェイシーユーソー株式会社」は検索しても見つかりません。並んでいるロゴからするとユアサ商事を意味しているのかもしれませんが、明らかに間違っています。

これら以外に中国の電気自動車用電池メーカーである寧徳時代新能源科技(ねいとくじだいしんのうげんかぎ、CATL, Contemporary Amperex Technology)、韓国のLGグループ、アメリカの電気自動車メーカーであるテスラ社、イスラエルの再生可能エネルギー関連企業であるソーラーエッジ社のロゴが並んでいるようですが、文章での説明は全くありません。

とにかくこれら勧誘動画やホワイトペーパーの内容は論外としか思えません。ソニーの65年も前に使われていた旧社名を協力団体の1つとして挙げるなど一体いつの時代の話をしているのか分かりません。基本的な知識にも欠けている人物がろくに資料を集めもせずにでっち上げたものとしか思われませんし、こんなホワイトペーパーでは多くの投資家を納得させられるわけがありません。そもそもこれだけ多くの日本企業が本当にこの仮想追加の発行に関与しているならば各企業のサイトで必ず発表されているはずですし、ニュースにもなっているはずです。しかしそうした情報は全く見つかりません。

ところがホワイトペーパーには

>リリース日:2023 年 9 月

となっていたようにこのEBCという仮想通貨は既にIEOの段階を過ぎてこのEFICというサイトで活発に取引されていることになっているようです。以下はそのEBCのUSDT (米ドル) 建てのチャートです。まず日足チャートを示します。

このチャートを見ると2023年11月6日に、2023年9月に公開された価格である3ドル付近の初値で取引が始まっています。その後、殆ど陰線無しの右肩上がりで相場は上昇し続けており、この検証を書いている2023年12月上旬時点で6.7ドル近辺で取引されているようです。上場からちょうど1ヶ月ほどで公開価格の倍以上になっているということです。それだけならば普通に有り得ることでしょうが、非常に問題なのは出来高の部分です。上のチャートの画像の右上、赤枠で囲った部分に以下のように書いてあります。

>24h出来高 (EBC) 87.91M

>24h売買代金 (USDT) 534.87M

これは直近の24時間で8791万枚のEBCが取引され、24時間での売買代金が5億3487万ドルに達しているという意味としか思われません。既に示したようにホワイトペーパーにはEBCコイン (トークン) の総発行枚数1億枚でその内、6000万枚が売り出されると書いてあるのですから直近24時間で8791万枚という売り出されて市場に出回った6000万枚を遥かに超える出来高があるというのは明らかに異常です。24時間で売り出されたEBCが平均して1回転以上したことになります。

さらに以下は5分足チャートです。

この範囲で見える5分チャートでは5分毎の売買代金が2.5M=250万ドル前後でほぼ一定しています。また5分足を見ると上ヒゲ、下ヒゲが確認される場合が殆どで5分の間に複数の取引が成立していることになります。巨額の取引が非常に頻繁に繰り返されているということになりますが、これが事実ならば非常に多くの人が取引に参加していなければなりませんが、2023年9月に売り出されたばかりの、しかも仮想通貨データーベースのCoinMarketCap (https://coinmarketcap.com/ja/) というサイトで登録も見当たらないような仮想通貨の取引でこれだけ巨額のお金が本当に動いているかどうか極めて疑問です。この件についてはまた後述します。

次に表題2番目のKATRAのサイトに用意されているNEVという仮想通貨への投資を勧誘する動画NEVのホワイトペーパーについて説明します。とは言っても動画は単に電気自動車について説明しているだけで最後の方にブロックチェーンが出てくるのですが電気自動車とどう結びついているのか分かりません。また電気自動車と言いながら動画には水素自動車の画像も出てきます。電気自動車について専門的な知識がある人物が作成した動画とは全く思えません。ホワイトペーパーについてもEBCのホワイトペーパーペーパーと同じで運営元に関する情報が何もありません。発行条件などが記されている部分を一部抜粋して以下に示します。

一部を抜粋します。

>6.1 発行計画

>中国語名:新エネルギー電気自動車コイン

>略称: NEV

>コアアルゴリズム: SHA256

>リリース日:2023 年 10 月

>ブロックスピード:3~5 秒/ブロック

>難易度調整:1 ブロック

>総発行ブロック数:100,000,000(略称:100,000,000,000、これ以上増えることはない、一定数)

>初回購入価格:2USDT

この部分でまず違和感があるのが

>中国語名:新エネルギー電気自動車コイン

という部分です。上で示したEBCコインのホワイトペーパーでも相当する部分に「中国語名称」という意味不明の記述がありましたがどうして「中国語名」なのかさっぱり分かりません。

リリース日は2023年10月となっていて「初回購入価格」は2USDT (2米ドル) となっています。また総発行枚数は1億枚で70%を市場流通に充てるとなっていますから7000万枚を1枚当たり2米ドルで売り出して仮に完売したとすれば1億4000万ドルを集めたことになります。

一方、残りの30%、3000万枚は10% (1000万枚) ずつ「業務協力」「技術チーム」「一次設立投資家」に割り当てられることになっています。そしてこのホワイトペーパーにはこの業務協力先と思われる「協力団体」の紹介の項目があって以下に示す様な企業の名称が挙げられています。

まず違和感があるのが「LEXUS (レクサス)」です。レクサスは企業名ではなく、トヨタ自動車が展開する高級車のブランド名のはずです。また自動車メーカーの名前ばかりが並んでいる中に「MITSUBISHI ELECTRIC (三菱電機)」が入っていることにも違和感があります。これは自動車メーカーの三菱自動車の間違いではないかと思います。また根本的な問題としてトヨタ、ホンダ、日産といった名だたる日本企業がこぞって仮想通貨事業に参加するとなればニュースになっていないわけがありません。しかしそんな事実は確認出来ません。実際にこうした日本の大企業が参加した仮想通貨事業について確認が全く取れないのです。これらの自動車メーカーは勝手に名称やロゴを盗用されているだけではないかと考えざるを得ません。

そして1枚2ドルで売り出されたNEVコインが現状幾らで取引されていることになっているのかKATRAのサイトで探してみると以下の日足チャートに示されているように相場はほぼ一方的な右肩上がりとなっていて1枚18ドル台、IPO価格の2ドルから9倍に値上がりしていることになっています。

また以下はNEVの5分足チャートです。

しかしこれらのチャートには上で説明したEBCのチャートの場合と同様に違和感を感じる部分があります。上のチャートの右上の部分に以下のような数字が確認出来ます。

>24h出来高 (NEV) 2.30M

>24h売買代金 (USDT) 43.92M

また5分足チャートを見ると上の5分足チャートで確認出来る範囲でいずれの5分間でも必ず取引が成立しており、5分間の出来高は150K = 15万枚前後でほぼ安定しています。また5分足チャートでも必ず上ヒゲ、下ヒゲの付いたローソク足が間断なく並んでいます。どの5分間をとっても必ず4回以上の取引が成立しているということになります。こうしたチャートになっているということはEFIC取引所におけるEBCコインの売買と同様に非常に多くの人がKATRAのサイトにアクセスしてNEVという仮想通貨の売買に参加しているはずということになります。しかし後述しますがEFIC取引所やKATRA取引所のサイトへのアクセスは非常に少ないようです。とてもではありませんがチャートから読み取れるほど盛んに取引が行われているとは思えません。


次に一度トップページに戻って上に示した2つのサイトの冒頭部、仮想通貨の相場情報に続く部分を確認します。と言ってもこれらのサイトのトップページは情報が少なくて他には以下に示したアプリをダウンロード出来るようになっている部分と取引開始までの4段階を簡単に説明している部分ぐらいしかありません。まずアプリをダウンロード出来るようになっている部分について表題と同じ順、EFIC → KATRA という順で画像を示します。

この部分で2つのサイトは互いに明らかに似ています。

さらに以下では「取引を開始する」と題された取引開始までのステップを説明している部分についてやはり表題と同じ順、EFIC → KATRA という順で画像を示します。

さらに以下にはEFICの口座開設画面 (https://efic-ex.com/web/#/auth/register)、KATRAの口座開設画面 (https://katra.top/web/#/auth/register) の画像を順に示します。 

これら口座開設画面についてもEFICとKATRAのサイトは互いに明らかに似ています。

次にそれぞれのサイトで連絡先情報を探しましたが、いずれのサイトでも全く見当たりません。いずれのサイトでも脚注には「アバウト」という項目があるのでクリックしてみると以下に示したような記述があるポップアップが出てくるだけで連絡先情報はやはり何もありません。このポップアップ画面についても表題と同じ順、EFIC → KATRA という順で画像を示します。

連絡先情報が何も見つからないので例によってサイトのWho Is 情報も確認しました。やはり表題と同じ順、EFIC → KATRA という順で画像を示します。

これらのWho Is 情報でも多くの項目が非開示になっていて開示されている情報はわずかです。黄色の枠で囲った部分に記されているサイトの登録・開設日と赤枠で囲った部分に記されている登録者の情報で唯一公開されている所在地の情報を以下にまとめます。

サイト名 登録・開設日 登録者所在地

EFIC 2023年11月13日 中国・上海市

KATRA 2023年9月14 中国・上海市

どれほど信頼できる情報化については疑問ですが所在地情報を信じるならば中国系のグループによるサイトということになります。そして明らかに情報開示は不充分、不適切です。さらにWho Is 情報を調べていて気が付きましたが、以下に示したようにこれらのサイトへのアクセス数は非常に少ないです。やはり表題と同じ順、EFIC → KATRA という順でアクセス数を調べた結果の画像を示します。

いずれのサイトでも1日当たりの独立訪問者数とか月間のアクセス数といった数字が検出限界以下になっています。上で示したようにEBCやNEVという仮想通貨は非常に頻繁に取引されていて巨額の資金が動いているはずなのにアクセスが殆どないという状況は明らかにおかしいです。

総合的に判断してこれら2つのサイト、EBCやNEVという仮想通貨は到底信用出来るものとは思われません。開示されている情報は明らかに不足していますし、事実に反するとしか思えない部分も多々認められます。これらのサイトでの投資を勧誘されても決して応じるべきではありません。


※付記

本項で検証したEFICおよびKATRAという2つのサイトは2024年2月上旬に再訪したところいずれも閉鎖されているようです。その代わりということなのだと思いますが、BitNest (ビットネスト)、NovaSwap (ノバスワップ) という同じテンプレート由来と思われるサイトが確認されたので以下で検証しています。参照してください。


●BitNest [NISトークン] (ビットネスト https://bitnest-ex.com/web/#/home、スマホ用サイト:https://bitnest-ex.com/wap/#/)

●NovaSwap [ASTトークン] (ノバスワップ https://novaswap-ex.com/web/#/home、スマホ用サイト:https://novaswap-ex.com/wap/#/)

最初のビットネストはYahoo知恵袋に質問投稿が出てきたサイト、2つ目のノバスワップは検索していて偶然見つけたサイトで互いによく似ているだけでなく、上で検証したEFIC、KATRAという2つのサイトと明らかに似ており、同じテンプレート由来と思われるのでここで検証することにします。

まず最初のビットネストについてYahoo知恵袋に出てきた質問投稿を運用します。

2024年1月26日投稿

野瀬健太郎と名乗る人物が主催する「Lehman株式学院」という名称のLINEのグループチャットで投資が勧められているNISトークンという仮想通貨に関しての質問になっています。この質問の投稿者によれば野瀬健一郎と名乗る人物が主催するグループチャットが少なくとも7つ存在しており、さらに福岡新聞、神奈川新聞、福井新聞、仙台新聞など存在しないステルスマーケッティング目的と思われる新聞社のサイトにNISトークンに関する怪しげな記事が掲載されており、それらの怪しげな記事がNISトークンへの投資を勧める材料として紹介されているということのようです。

LINEのグループを勧誘の場として利用しているという経緯はまさに「雑記2」で説明した中國系と思われる詐欺グループによる詐欺の手口と合致しますし、福岡新聞などの実在しない新聞社のサイトにステルスマーケッティング目的と思われる記事が掲載されているという件についても「雑記3」で説明してある以前にも確認されているやはり中国系と思われる詐欺グループによる勧誘の手口に合致します。実際に福岡新聞のサイト (http://www.fukuoka-ken.com/) で「野瀬健太郎」に関する記事を探すと確かに以下に示した記事が見つかってきました。

2024年科学技術金融サミットが開催され、野瀬健太郎先生を招いて現在の経済状況の分析と展望を行うとともに、Sean Duca氏がプロジェクトをシェア (2024年1月14日付)

この記事の冒頭

>金融庁と日本経済新聞の共催による「2024テクノロジーファイナンスサミット」が2024年1月15日に東京で開催。

という記述があるので「2024テクノロジーファイナンスサミット」がどんな会議だったのか確認しようとしましたが、そうした会議が開かれたという事実を全く確認出来ません。また野瀬健太郎なる人物はLehman経済研究所所属となっているのですが、「Lehman経済研究所」を検索しても見つかるのは福岡新聞など「雑記3」で説明した一連のステルスマーケッティング目的と思われる架空の新聞社の記事だけです。つまり「Lehman経済研究所」という研究所が実在しているかどうか確認出来ません。

尚、福岡新聞以外の一連の架空の新聞社サイトの野瀬健太郎に関する記事のリンクを以下にまとめておきます。記事のタイトルはいずれの場合も「2024年科学技術金融サミットが開催され、野瀬健太郎先生を招いて現在の経済状況の分析と展望を行うとともに、Sean Duca氏がプロジェクトをシェア」、記事の日付は2024年1月14日で共通しています。

「神奈川新聞」記事

「北海道トラベルネット」記事

「今日の福井」記事

「徳島オンライン」記事

「埼玉ネット」記事

「銀座新聞」記事

「SENDAISHIMBUN」記事

「YAMATOCORE」記事

「東海通信」記事

「日光新聞」記事

「ニホンデイリー」記事

「WDPP」記事

「FUJIYAMA TIMES」記事

「TKBER」記事

「雑記3」で取り上げているステマ目的と思われる偽の新聞社サイトの内、明治発展日報 (http://www.meiji-mura.com/) を除く15個のサイトで同じタイトル、同じ内容の記事が確認されました。これらの記事には共通してLehman経済研究所の野瀬健太郎が登場しますが、本項で検証対象とするビットネストについては全く出てきません。LINEのグループでの権威を高め、グループの参加者に信頼出来るグループだと思い込ませる為にこうしたステマ記事を使っているものと思われます。

次にビットネストについてYahoo知恵袋に出てきた2件目の質問投稿を運用します。

2024年2月1日投稿

この質問の投稿者は野瀬健太郎を名乗る人物のLINEグループで騙されて既に140万円ほどの損害を被ったようです。この質問にビットネストは出てきませんがまず間違いなくビットネストでの投資を勧誘されて入金してしまい、出金できなくなったという状況と思われます。

さらにこの検証を書いた後ですがやはりYahoo知恵袋にビットネストに関する3件目の質問が投稿されました。

2024年3月1日投稿

経緯が分かりませんが、この質問の投稿者は野瀬健太郎と名乗る人物が先生役を務めるLINEのグループに参加してNisトークンへの投資を勧められ、投資してしまったようです。さらに追加投資を勧められているけれども追加投資してよいかどうか判断に迷ってこの質問を投稿しているようです。明らかに「雑記2」で説明しているLINEグループを勧誘の場として利用する手口が使われているようです。

2024年3月4日投稿

この質問の投稿者も経緯は分かりませんが、LINEで投資勧誘されて入金してしまい、上場予定日として伝えられていた3月15日を目前にして連絡が取れなくなったようです。

2024年3月5日投稿

この質問の投稿者も野瀬健太郎と名乗る人物が講師役を務めるLINEグループに加入してしまい、Nisトークンという仮想通貨への投資を勧められて投資してしまったようです。

2024年3月15日投稿

経緯が全く分かりませんが、BitNestに投資してしまい、出金には税金の支払いが必要と言われて事実上出金できなくなっているようです。海外の金融機関が源泉徴収に対応しているわけがありませんし、源泉徴収なら出ている利益の一部を留保すれば完了するはずで追加入金を要求してくるというのは明らかに不合理でまさに中国系と思われる詐欺グループによる詐欺の手口に合致します。

前置きの部分がかなり長くなりましたがようやく表題の2つのサイトの検証を始めます。まず2つのサイト、PC用サイトの冒頭部の画像を以下に示します。

▼ビットネスト (https://bitnest-ex.com/web/#/home)  [表示言語:英語、日本語、韓国語、中国語、香港語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、イタリア語、ポルトガル語、ベトナム語]

▼ノバスワップ (https://novaswap-ex.com/web/#/home) [表示言語:英語、日本語、韓国語、中国語、香港語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、イタリア語、ポルトガル語、ベトナム語]

これら2つのサイトの冒頭部は互いによく似ていますし、上で検証したEFICやKATRAのサイトの冒頭部と比較しても明らかに似ています。以下には比較の為にEFICのサイト冒頭部の画像を再掲します。表示言語の選択肢はいずれのサイトでも英語、日本語、韓国語、中国語、香港語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、イタリア語、ポルトガル語、ベトナム語の11言語で並び順まで含めて全く同じです。

▼EFIC (https://efic-ex.com/web/#/home) [表示言語:英語、日本語、韓国語、中国語、香港語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、イタリア語、ポルトガル語、ベトナム語]

そしてこれら3つのサイトではいずれの場合も「市場動向」あるいは「市場トレンド」という項目があって5種類の仮想通貨の相場を示しているようですが、ビットネストではNIS、ノバスワップではASTという聞いたことがない、仮想通貨データーベースのCoinMarketCapで調べても該当が見つからない仮想通貨の相場が1番上に示されています。上で引用したYahoo知恵袋へのビットネストに関する2024年1月26日付の質問投稿では野瀬健一郎と名乗る人物のLINEグループでNISトークンへの投資を勧められている、紹介された福岡新聞など架空の新聞社サイトの記事でもNISトークンが取り上げられているという情報が出ています。またEFICのサイトでの投資対象として勧められていたのも同じ位置に相場情報が示されていたEBCという仮想通貨です。

ノバスワップのサイトでは相当する位置に相場情報が示されているASTという仮想通貨を主な投資対象として推奨されている可能性が高いものと考えられます。この点についてはまた後述します。

さらにこの冒頭部分に続いては以下に示したマルチプラットフォーム対応を説明し、アプリをダウンロード出来るようになっている部分が出てきます。ビットネスト → ノバスワップ → 比較対象のEFICの順で相当部分の画像を3枚示します。

本項の検証対象である2つのサイト、ビットネストとノバスワップについてはこの部分でも互いに非常によく似ています。比較対象のEFICのサイトの相当部分は非常に似ているとは言い難いですが、この範囲に記されている文章はやはり一致していて変わっているのは画像の部分だけです。やはり同じグループによるサイトと考えて矛盾がないように思います。

但しノバスワップのサイトでは日本語表示を選択しているのに「いつでもどこでも取引を開始する」と書いてあるべきと思われる部分に「随时随地开启交易」という中国語 (簡体字) で同じ意味の文章が示されています。これはノバスワップのサイトが元々中国語で立ち上げられ、その後、複数の言語バージョンを用意する際に修正を忘れた為としか思われません。やはりこのサイトを立ち上げているのは中国系のグループである可能性が高いように思われます。

次に口座開設画面を比較します。ビットネストの口座開設画面 (https://bitnest-ex.com/web/#/auth/register) → ノバスワップの口座開設画面 (https://novaswap-ex.com/web/#/auth/register) → 比較対象のEFICの口座開設画面 (https://efic-ex.com/web/#/auth/register) という順で3枚の画像を示します。

ビットネストとノバスワップの口座開設画面は互いに非常によく似ています。上で検証したEFICとかKATRAの口座開設画面と似ているとは言い難いですが、文章部分については一致している部分もあるようです。

次に連絡先情報を探しましたが上で検証したEFICやKATRAの場合と同じで殆ど情報がありません。脚注部分に「私たちに関しては」という項目があって、クリックするとEFICやKATRAの場合と同様に以下に画像を示したような窓が立ち上がってきます。ビットネスト → ノバスワップ → 比較対象のEFICの順で「私たちに関しては」の画像を3枚示します。

ノバスワップの「私たちに関しては」の記述はEFICの「私たちに関しては」の記述と非常によく似ています。連絡先情報は全くありません。ビットネストの「私たちに関しては」の記述は字数が増えていますがやはり連絡先情報と言えるような記述はありません。ビットネストは2020年に設立されたとか世界170以上の国で約1,000万人のユーザーがいるといったことが書いてありますが、事実かどうかは極めて疑わしいです。疑わしいと考える最大の根拠は以下に示したビットネストのサイトのWho Is 情報にあります。

まず黄色の枠で囲った部分にサイトの登録・開設日が記されていますが2023年11月22日となっています。この検証を書いてる2024年2月上旬時点でサイトが開設されてから2ヵ月半ほどしか経過していません。ビットネストが2020年に設立されたという「私たちに関しては」の記述の信憑性を疑わざるを得ません。赤枠で囲った部分に記されている登録者に関する情報は殆どの項目が非開示となっていますが、登録者の所在地が中国・上海であるということだけ分かります。

ビットネストのサイトの「私たちに関しては」には世界170以上の国で約1,000万人のユーザーがいるという記述もありましたが、以下に示したビットネストのサイトへのアクセス状況を見ると1日当たりの独立訪問者数とか1ヶ月のアクセス数といった項目が全て検出限界以下となっています。むしろサイトの開設から2ヵ月半しか経過していないサイトでは当然の結果でしょう。とてもではありませんが、1000万人ものユーザーを抱えているサイトとは思えません。

ついでにノバスワップのサイトについてもWho Is 情報を以下に示します。

黄色の枠で囲った部分に記されているサイトの登録・開設日はビットネストのサイトのWho Is情報と同じで2023年11月22日になっています。つまりビットネストとノバスワップのサイトは同じ日に登録・開設されています。そして赤枠で囲った部分に記されている登録者に関する情報についてもビットネストの場合と全く同じで登録者の所在地が中国・上海であることだけ開示されています。また画像は省略しますがノバスワップへのアクセス数も検出限界以下のレベルとなっています。

にスマホ用と思われるサイトについて触れておきます。これらのサイトにスマホ用と思われるサイトが存在することは上で引用したYahoo知恵袋に出てきたビットネストのサイトに関する2024年1月26日付の質問投稿にスマホ用と思われるサイトのURLアドレスが記されていたからです。その後、ビットネストのスマホ用サイトのURLアドレスから類推してノバスワップのサイトにもスマホ用サイトが存在することが確認されました。上で検証した上で検証したEFICとかKATRAの場合にもスマホ用と思われるサイトが存在していた可能性は高いように思いますが、既にサイトが閉鎖されているので確認することは出来ません。

とにかく本項の検証対象である2つのサイト、ビットネストとノバスワップについてスマホ用と思われるサイトのトップページと登録画面の画像を以下に順に示します。

▼ビットネスト スマホ用サイト (https://bitnest-ex.com/wap/#/)

▼ノバスワップ スマホ用サイト (https://novaswap-ex.com/wap/#/)

説明するまでもなくスマホ用サイトの相互比較でもこれら2つのサイトは互いに非常によく似ています。

このスマホ用サイトで最も気になるのはノバスワップのスマホ用サイトのトップページの画像に見える

>AISemiToken (AST) トークンの四半期4%配当を米ドルで・・・

という記述です。ノバスワップのサイト独自の仮想通貨としてASTトークンという仮想通貨への投資が勧められている模様であるといったことを上で書きましたが、どうやらこのASTトークンの正式名称がAISemiToken (AST) トークンであること、名称から考えてAI関連の事業に関する仮想通貨である可能性が高いこと、さらに「四半期4%配当」という記述から高利回りの配当を約束しているらしいことが分かります。

しかし上で検証したEFICのサイトで販売されていたEBCコイン、KATRAのサイトで販売されていたNEVコインの場合はホワイトペーパーが公開されていたのとは違ってビットネストのサイトのNISトークン、ノバスワップのサイトのASTトークンについてはホワイトペーパーが公開されていません。口座を開設してログインすればホワイトペーパーへのアクセスが可能になる、あるいはこれらのサイトへの投資を勧誘しているLINEのグループに参加すればホワイトペーパーが入手できる可能性が高いように思いますが、少しでも多くの人に関心を持って貰いたければホワイトペーパーは広く公表するべきではあるのは明白でしょう。それなのにホワイトペーパーを広く公開することは避けているという状況からNSIトークンとかASTトークンのプロジェクトの信頼性を強く疑わざるを得ません。

改めて結論するまでもないと思いますが、本項で検証したビットネスト、ノバスワップといったサイトは投資先として信頼出来るものとは到底思われません。これらのサイトでの投資を勧誘されても応じるべきではないと結論せざるを得ません。