検証71

本ページで取り上げるサイトはいずれも仮想通貨取引所 (暗号資産交換業者) に該当すると思われますが、いずれも日本の金融庁が公表している暗号資産交換業者の登録リストに該当がありません。ここで検証するサイトの多くは日本語対応しており、さらに少なくとも一部のサイトについて日本人に向けた勧誘や被害報告が確認されていて単に無登録の違法業者であるというだけでなく、詐欺目的のサイトである疑いが極めて濃厚と考えられます。

▼本サイトでの検証は名誉棄損に当たらないと考えます。→ 雑記1

「検証63」「検証64」「検証65」「検証66」「検証67」「検証68」「検証69「検証70」で検証してきたTinderを始めとするマッチングサイト (出会い系サイト) やSNSで外国人による勧誘が行われているという共通点がある一連の詐欺仮想通貨取引所のサイトについての検証9ページ目です 「検証72」「検証73」「検証74」「検証75」「検証76」「検証77」「検証78」「検証79」「検証80」「検証81」「検証82」「検証83」「検証84」「検証85」「検証86「検証87「検証88」「検証89「検証90「検証91「検証92「検証93「検証94「検証95「検証96「検証97「検証98「検証99「検証100「検証101「検証102「検証103「検証104「検証105「検証106「検証107「検証108「検証109「検証110「検証111「検証112」「検証113」「検証114」「検証115」「検証116」「検証117」「検証118」「検証119」「検証120」「検証121」「検証122」「検証123」「検証124」「検証125」「検証126」「検証127」「検証128」「検証129」「検証130」「検証131」「検証132」「検証133」「検証134」「検証135」「検証136」「検証137」「検証138」「検証139」「検証140」「検証141」「検証142」「検証143」「検証144」「検証145」「検証146「検証147」にも続編があります。勧誘の手口については「検証63」の冒頭を参照してください。本ページでは以下のサイトを検証します。


●Bitfiy (bitfiy.com/#/index)

●CoinBte (coinbte.com/)

●Virus Vaccine Token (ウイルスワクチントークン vvtchain.com/)

●Inchoi (inchoi.org/)

●Toffs (toffs.me/)

●biteleven (ビットイレブン www.biteleven.com/)

●Rainbowbit (レインボービット www.rainbowbit.io/)

●FIGHTEX (www.fightex.org/)

●INCOINHG (www.incoinhg.com/index.html#/)

●HK ECOINEX (www.hkecoinex.com/index.html#/)


まず以下を検証します。

●Bitfiy (bitfiy.com/#/index)

●CoinBte (coinbte.com/)

●Virus Vaccine Token (ウイルスワクチントークン vvtchain.com/)

BitfiyはYahoo知恵袋に出てきた以下の質問投稿で知ることになった仮想通貨取引所のサイトです。CoinBteは既に閉鎖されているサイトですが、Bitfiyと同じグループによる兄弟サイトと思われるので関連サイトとして取り上げます。最後のウイルスワクチントークンはbitfiyのサイトで取引されていて中国系と思われる詐欺組織が投資対象として推奨しているらしい仮想通貨です。

この投稿ではBitfiyのURLも記されていないし、紹介してきた「知人」についての情報が何もないので「検証63」以降で検証してきた中国系と思われるグループによる出会い系サイトなどでの勧誘だったかどうかは未確認ということになります。しかしこのサイトも検証を進めていくとやはり中国系のグループによるサイトと考えられる情報が幾つか確認されることになりました。

とりあえず以下がbitfiyを検索して出てきたサイトの冒頭部です。表示対応言語は英語のみです。

とりあえず連絡先情報を探しましたが殆ど何もありません。右のキャプに示したメールアドレスが1つあるだけで経営者情報もありません。

>services@bitfiy.com

さらに右のキャプの一番下の行に

>Copyright 2018-2020 BITFIY LIMITED

と書いてあるのでbitfiyは2018年から事業を継続しているという意味だと思われます。

さらに取引手数料を説明するページには以下の記述があります。

>The current fee will be implemented from September 13, 2018. Https://bitfiy.com has the right to interpret. 

この取引手数料は2018年9月13日から適用されると書いてあって2018年9月の時点では確実に営業していたことになります。

しかしこのbitfiyのサイトのWho Is情報を確認すると以下のキャプに見えるようにサイトの開設日 (Creation Date)が2020年5月5日となっており、2018年から事業を行っているという記述と矛盾しています。2018年以降にURLアドレスを変更したとしか思われませんが、そんな記述はありませんし、URL変更の意味も分かりません。

2018年の時点では既に別のURLで詐欺サイトを運営していて被害者から逃げる為に以前の詐欺サイトは閉鎖してまた新しく立ち上げたのがbitfiyのサイトというぐらいの可能性しか思いつきません。いずれにしろこの検証は2020年7月末に書いているのでサイト開設からまだ3ヶ月も経過していない非常に新しいサイトということになります。

bitfiyについて検索したことで開設から3か月未満の新しいサイトでもあるのに関わらず、既に否定的な見解が複数のサイトに出ていることが分かってきました。まずは以下のブログです。

けっぱれ ~金融と情報リテラシーを付けて、生きる力を育てよう~:暗号資産サイト大丈夫?信頼性検証 bitfiy cryptocurrency (2020年7月20日投稿)

このブログ投稿によればSNSで知り合った自称シンガポール在住の女性から仮想通貨投資を勧められ、紹介された2つの案件の1つがbitfiyであったということのようです。ちなみに紹介されたもう1つの案件はInformationChain (INF, www.inftoken.pro/)というICOのサイトとそのINFが取引されているCoolCoin (www.coolcoin.pro/#/)という取引所のサイトの組み合わせだったようでこちらもいずれ本サイトで検証対象にするかもしれません。

とにかく最初に引用したYahoo知恵袋の投稿では確認されなかったネットを介した外国人女性による勧誘がbitfiyの場合も確認されたことになります。

次に以下のYoutube動画です。

BITFIY SCAM (2020年7月29日投稿)

Hakasauars という名義で投稿されているYoutube動画でタイトルも「bitfiyは詐欺」という直接的なものになっています。ちなみにこの投稿者は一連の中国系と思われる詐欺サイトを告発する動画を多数投稿していてそれらの中には「検証64」で検証したCoinTen (コインテン)を告発する動画も含まれていますが大半の動画で俎上に上がっているのは初見のサイトばかりです。

この動画自体は単にbitfiyのサイトを紹介しているだけでナレーションもありませんが、動画の説明部分には英語、中国語、韓国語、ベトナム語、日本語で注意を呼び掛ける文章が貼り付けられています。多数の詐欺サイトについて同じ手口の勧誘が行われ、世界各国で被害が出ているらしいことが分かります。おそらく翻訳ソフトを使って翻訳されたもので意味不明遼な部分がありますが日本語版の警告文冒頭部分を引用します。

>これは、投資してはならないもう1つの中国のビットコイン詐欺です。すべての偽の中国のビットコイン詐欺を公開して、お金を失わないようにします。彼らはすべて同じ戦術、テンプレートを使用し、すべて中国本土から来たもので、外国からのものであると主張しています。それはあなたを騙すために雇われた人々の複数の異なるグループです。

最後にRedditという英語のサイトで見つけた以下の掲示板スレッドです。

bitfiy.com legit? (2020年7月上旬投稿)

まず質問のキャプを示します。oreverthrowawayという質問者は背景を全く説明せずにbitfiyが信頼出来るかどうかだけが質問しています。

この投稿に対して回答者の1人はTinderで知り合った女性にbitfiyでVVTという仮想通貨を買うように強く勧められているが疑っているという回答を寄せ、質問者も同様にTinderで知り合った女性にbitfiyでVVTを買うように勧誘されているという状況を説明しています。勧誘の手口は明らかに「検証63」以降で検証してきた一連のサイトに共通するものです。

質問者は詐欺ではないかと疑う一方でネット検索するとUS Experts Say VVT Is an excellent Cryptocurrency (アメリカの専門家がVVTは素晴らしい仮想通貨であると評価)という非常にポジティブな記事が見つかってきて判断に迷っているということのようです。以下にその記事のタイトル部分と記事の一部のキャプを示します。

この記事では赤枠で囲った部分にあるようにVVTはVirus Vaccine Tokenの略であるとなっており、青枠で囲った記事の末尾の部分にbitfiyのURLアドレスが記されています。この記事で取り上げられているVirus Vaccine Token (VVT) とbitfiyの繋がりは間違いないでしょう。

そしてこの記事を調べてみるとモーニングヘラルドというアメリカの新聞社のサイトに掲載されているものの他の記事と異なって執筆した記者の氏名がなく、お金を払って掲載する広告記事とかプレスリリース記事の類ではないかと思われます。内容を鵜呑みには出来ません。VVTについてはまた後述します。

Redditのスレッドに戻るとまた別の回答者はやはり自称・香港在住のZoeと名乗る女性に同様の勧誘を受けていると書き、その女性が送ってきた本人と称する画像の1つをリンクしています (右のキャプ参照)。

さらに別の回答者はTinderで知り合った自称・日本在住のDianaと名乗る女性から勧誘を受けていると報告し、根拠が分かりませんが勧誘者が実際には男性であり、間違いなく詐欺であると断言しています。「検証63」で検証してきた同様の詐欺案件はほぼ間違いなく中国本土の詐欺グループによるものと思われるものの勧誘役は香港、台湾、シンガポール在住などと自称していることを書いてきましたが日本在住を称していたケースというのは初めてと思われます。

そしてこのスレッドで最も決定的と思われるのはcointasticalという投稿名で投稿された以下のキャプに示したスレッドのベスト回答ともなっている回答です。

この回答者は主に2つの点を指摘してbitfiyは危険な詐欺サイトであると結論しています。まず最初の指摘はbitfiyのサイトの以下のキャプに示したbitfiyの特長を3項目にまとめて説明する部分にある記述です。

問題は最後の項目の文章です。その部分だけを右のキャプで拡大しています。

>Coinbte supports a variety of the most popular digital currencies.

Coinbteは最も人気のある様々なデジタル通貨をサポートしているというのですが主語になっているCoinbteの意味が分かりません。

上で引用したRedditへの書き込みによればこのCoinbteというのはbitfiyと同じグループによって運営されていたと思われる仮想通貨投資のサイトであり、Coinbteのサイトを改編してbitfiyのサイトを作る際にCoinbteをbitfiyで置き換えるべき部分を見落とした為にこの様な理解不能な文章が残ってしまったということなのです。

そこでbitfiyのサイトの原型として使われた可能性が高いCoinbteのサイトを探しましたが残念ながら既に閉鎖されているようです。辛うじてGoogleのキャッシュにヘルプのページがいくつか残っていました。

上のキャプはその残っていたヘルプのページの1つ (URLアドレスはhttps://help.coinbte.com/Bitcoin-Cash-FAQ ) の冒頭部でビットコインキャッシュという仮想通貨についての説明になっています。キャプの右上の「CoinBte.com」と書かれている部分はCoinBteのトップページへのリンクにもなっており、閉鎖されてしまったCoinbteのURLアドレスが https://coinbte.com/ であったことが分かりました。

そしてbitfiyのサイトにもヘルプのページがあるので探してみると上のキャプに示したCoinBteのヘルプの文章と全く同じ文章が確認されました。

キャプの一番下の行でCoinbteとBitfiyというサイトの固有名詞が入れ替わっているだけでそれ以外は全く同じ文章になっています。Redditへの書き込みで指摘されていたようにbitfiyとCoinbteが同じテンプレートから作られた、同じグループが運営している兄弟サイトであることは確かに間違いないと思われます。

そして既に閉鎖されたCoinbteについて検索してみると被害報告のようなものが見つかってきます。例えば以下は「SAKT被害者」というTwitterアカウントのプロフィール部分のキャプですがTinderで知り合った女性の勧誘でcoinbteでSAKTという仮想通貨を購入してしまったが詐欺だと思われるので注意を呼び掛けるということが書かれています。

さらにこのTwitterアカウントには他のCoinBteの被害者からの返信が寄せられています。

Redditにも以下のキャプに示したCoinBteでICO詐欺に遭ったという投稿が出ていました。

そもそもCoinBteのサイトが既に閉鎖されているという事実がCoinBteが詐欺サイトであったことの証左になっていると思います。CoinBteが詐欺サイトならば同じグループによる兄弟サイトと思われるbitfiyも非常に疑わしいと考えざるを得ません。

再びbitfiy.com legit?というRedditへの書き込みに戻るとCoinBte以外にもbitfiyの兄弟サイト思われるものが多数存在しているとして10個のサイトのURLが挙げられ、さらにこれ以外にも多数存在することが示唆されています。

▼MetaFX Option (https://metafxoption.com)

▼Daxassets (https://www.daxassets.com)

CryptoMagnus (https://www.cryptomagnus.com)

▼CryptoVirtue (https://crypto-virtue.com)

Coinvaultpro (https://coinvaultpro.com)

Metro Crypto Trade (https://metrocryptotrade.com)

Guarantee Miners (https://guaranteeminers.com)

▼btcpayhub.com (https://btcpayhub.com)

▼Cryptogainpay (https://cryptogainpay.com)

Cryptovestment Expert (https://cryptovestmentexpert.com)

これらのサイトを一応見てきましたけど、いずれも仮想通貨の取引所というよりは仮想通貨を投資運用して配当を出すような投資を募集しているサイトと思われ、bitfyiとの共通点についても確かに認められますがそれほど明確ではないので同じグループによる兄弟サイトと断言出来るかどうかについては微妙なところかもしれません。これらの関連サイトについてはまた項目を改めて検証するかもしれません。

次に最初に引用したYahoo知恵袋の投稿にも登場していたbitfiyで購入することを勧められたVVTという仮想通貨についてです。bitfiyでは16種類の仮想通貨が取引されており、右のキャプはその上場されている仮想通貨リストの一部です。ビットコイン (BTC) 、イーサリアム (ETH)などのメジャーな仮想通貨が並んでいる中に確かにVVTという聞きなれない仮想通貨が確認されます。例によって仮想通貨データーベースのCoinMarketCapでこのVVTという仮想通貨の情報を探してみましたが該当がありません。

まずbitfiyのサイトにあるVVTのチャートを確認します。以下は日足チャートのキャプです。2020年5月30日に上場初値0.0516 USDT (ドル) で上場され、右肩上がりで上昇相場が続いており、このキャプの時点で0.4111 USDT (ドル)ですから2ヶ月ほどで8倍程度に上昇していることになります。この検証を書いている時期に仮想通貨の相場が上昇基調にあることを考慮してもかなり不自然なチャートのように思えます。

次に以下のキャプに示したのは5分足チャートですが間断なくローソク足が並んでいて5分間当たりで10万枚ほどが安定的に取引されていることになっています。

しかし一連のサイトでは毎度のことですがアクセス状況を解析出来るサイトでbitfiyのサイトへのアクセス状況を調べると非常に少ないようで検出限界以下という結果になります (以下のキャプ参照)。

チャートが示している頻繁に取引が行われている状況と合致しません。このチャートは実際の取引状況を反映しているようには全く思えません。

bitfiyのサイトにはチャート以外にはVVTに関する記述が何もないのですが、上で引用した記事でVVTがVirus Vaccine Tokenの略称であることが分かっていたので「Virus Vaccine Token」で検索してみると公式サイトらしきものが見つかってきました。それが表題の3番目のサイトです。以下はそのVVTの公式サイトのキャプですが、ホワイトペーパーのPDFファイルが用意されているだけでサブページもないペライチのサイトです。また連絡先情報とか運営者情報の様なものは何もありません。

ホワイトペーパー表紙や目次まで入れても17ページしかない貧弱なものでやはり連絡先とか運営者に関する情報は何もありません。内容的にも非常にお粗末で専門知識のある人が書いたものとは思えません。

このVVTという仮想通貨への投資は全く推奨出来ませんし、bitfiyという仮想通貨取引所での取引も避けるべきと結論します。


●Inchoi (inchoi.org/)

●Toffs (toffs.me/)

●biteleven (ビットイレブン www.biteleven.com/)

明らかに同じグループによる兄弟サイトと思われるのでまとめて検証します。最初のInchoiというサイトはYahoo知恵袋に出てきた以下の投稿で知ったサイトです。

これだけの投稿では何も分からないのですが、上のbitfiyの検証の中で取り上げたHakasauars名義のYoutubeアカウントから投稿されている詐欺サイトへの警告を呼び掛ける動画の中に「INCHOI SCAM」というタイトルの動画があることに気が付きました。この動画にはbitfiyを詐欺とする動画と同様に英語、中国語、韓国語、ベトナム語、日本語で警告文が付いています。日本語版の冒頭を引用します。

>これは、投資してはならないもう1つの中国のビットコイン詐欺です。すべての偽の中国のビットコイン詐欺を公開して、お金を失わないようにします。彼らはすべて同じ戦術、テンプレートを使用し、すべて中国本土から来たもので、外国からのものであると主張しています。それはあなたを騙すために雇われた人々の複数の異なるグループです。 

これはbitfiyを詐欺とする動画に添付されていた文章と全く同じです。「検証63」以降で検証してきた一連の中国系詐欺取引所の一角である可能性は高いものと思われたのでInchoiを検証することにしました。さらにHakasauars名義で投稿されている一連の警告動画の中にこのInchoiと極めて似たサイトの警告動画があることに気が付きました。すなわち本項表題の2番目に掲げたToffsというサイトに警告を発する「TOFFS SCAM」という動画です。どれほど似ているのかInchoiとToffsのサイトの冒頭部を以下で比較します。

冒頭部を見ただけでも明らかに2つのサイトが同じグループによる兄弟サイトであることが分かりますが、これら2つのサイトの類似は冒頭部だけではなく、共通する画像もあったので画像検索を掛けてみるとさらに本項表題の3番目に掲げたビットイレブンというサイトが見つかってきました。これもサイト冒頭部のキャプを以下に示します。

サイト冒頭部の比較ではビットイレブンのサイトがInchoiやToffsのサイトと似ていることが注意しなければ分かりにくいので画像検索に使った画像で比較してみます。以下、順にInchoi、Toffs、ビットイレブンのサイトから取得した画像でマルチプラットフォームに対応していることを説明しています。

明らかに同じイラスト画像が使い回されています。これら3つは同じグループによる兄弟サイトとしか思えません。3つの兄弟サイトが出揃ったので改めて3つを比較してみます。まずURLアドレスです。

Inchoi;http://inchoi.org/

Toffs;http://toffs.me/

biteleven;https://www.biteleven.com/

InchoiとToffsのURLアドレスは暗号化されていることを示す「https」ではなく、暗号化されていないことを示す「http」で始まっています。これは仮想通貨取引所として有り得ないでしょう。これだけでマトモな取引所とは思えません。次に3つのサイトの表示対応言語の比較です。

Inchoi;英語、日本語、韓国語

Toffs;英語、日本語、韓国語

biteleven;中国語、英語、日本語、韓国語

ビットイレブンのみ中国語表記が可能になっています。

3つのサイトで連絡先情報や運営者情報を探してみましたが全く見当たりません。それぞれのサイトの脚注には「Contact Us」という項目があるのですが、リンク先はそれぞれのトップページ自体になっていて何の意味もありません。体裁が整っているように見せかけているだけで連絡先情報を公開するつもりは全く無いようです。

次に以下のキャプは左からInchoi、Toffs、ビットイレブンで取引されている仮想通貨の種類を示すものです。

3つのサイトに共通してビットコイン (BTC)、イーサリアム (ETH)、イオス (EOS)、ライトコイン (LTC) の4つの仮想通貨が取引されており、ビットイレブンでは他にビットコインキャッシュ (BCH) とリップル (XRP) も取引されています。さらにこれらメジャーな仮想通貨に加えてそれぞれの取引所でいずれも聞きなれない仮想通貨が1種類取引対象になっています。すなわちInchoiではINC、ToffsではTFS、ビットイレブンではNOVという仮想通貨が取引されていることになっています。仮想通貨データーベースのCoinMarketCapでこれら聞きなれない仮想通貨について探してみましたが該当すると思われる仮想通貨は見つかりません。

次にそれぞれのサイトでチャートを確認しようとしましたが、ビットイレブンのサイトではログインしないとチャートを見られない設定になっているようです。何故チャートを公開出来ないのか不審を感じざるを得ません。仕方がないので残る2つのサイトで取引されている謎の仮想通貨のチャートを確認しました。まずInchoiで取引されているINCという仮想通貨の日足チャートです。

一方的な右肩上がりといった不自然なチャートではありませんが、出来高には違和感があります。チャートを見ることが出来る2020年6月11日以降、毎日少なくとも100万枚前後、多い日には1000万枚を超える出来高があることになっています。1枚5ドル前後で取引されているようですから1日に500万ドル~5000万ドルのお金がこの聞きなれない仮想通貨の取引で動いていることになります。

同様にToffsで取引されているTFSという仮想通貨の日足チャートです。

こちらのチャートは2020年7月19日から始まっており、まだ半月ほどの期間のチャートしかありませんが右肩上がりの傾向を示しており、4~6ドルほどでやはり1日当たり100万枚から1000万枚を超えるほどの出来高があります。金額で考えても数百万ドルから数千万ドルのお金が1日で動いていることになります。

一方でアクセス状況を解析出来るサイトInchoiのサイトへのアクセス状況Toffsのサイトへのアクセス状況を調べてみましたがいずれのサイトの場合でもアクセスは具体的な数字が出ないほどに少ないようです。聞きなれない仮想通貨だけで1日当たり数百万ドル以上の取引があるという状況とは思えません。つまりこれらのチャートが実際の取引を反映しているとは信じ難いです。

結論として本項で検証した3つのサイトは連絡先情報などが開示されていないといった状況からいずれも信頼出来るとは全く思えません。そもそも明らかに同じグループによると思われる互いに極めてよく似たサイトが3つ存在するというだけで怪しすぎます。これらのサイトでの取引は絶対に推奨しません。


※付記1

Hakasauars名義で投稿されている一連のYoutube警告動画でInchoi、Toffs、ビットイレブンと酷似しているサイトがもう1つ存在していたことに気が付きました。、Lawex (http://www.lawex.org/)というサイトは既に閉鎖されているようですが以下に示した「LAWEX SCAM (LAWEXは詐欺)」というタイトルの動画のキャプで分かるように一見しただけでInchoi、Toffs、ビットイレブンと同じテンプレートから作られたサイトであったことが分かります。今後も同じテンプレートから作られたサイトが続々出現する可能性も充分あるものと考えられます。

※付記2

以下で検証しているレインボービット、FIGHTEXという2つのサイトもInchoi、Toffs、ビットイレブンと酷似しており、同じグループによって立ち上げられたサイトと思われます。検証を併読してください。


●Rainbowbit (レインボービット www.rainbowbit.io/)

上で検証したInchoi、Toffs、ビットイレブンの3つのサイトと明らかに似たサイトなのでここで検証します。以下で検証しているFIGHTEXというサイトも同じグループの可能性が高いです。必要に応じて併読してください。本項で検証するレインボービットについてはYahoo知恵袋に出てきた以下のキャプに示した質問で知ることになりました。

質問者が何故この質問をしているのかについては情報がありません。とにかくサイトにアクセスしてみました。まずサイト冒頭部のキャプです。

右上のプルダウンメニューに見える表示言語の選択肢は中国語、英語、日本語、韓国語となっています。この冒頭部だけ見てもInchoi、Toffs、ビットイレブンのサイトと似ている印象を持ちましたがこの冒頭部に続く部分を見るとさらにレインボービットのサイトがInchoi、Toffs、ビットイレブンのサイトに酷似していることが明確になりました。まず以下はレインボービットのサイトにあるサイトの3つの特長をイラストと短い説明分でまとめた部分のキャプです。

そして全く同じ3つのイラストと説明文の組み合わせが他の3つのサイトにも存在します。以下はビットイレブンのサイトからのキャプですが全く区別出来ません。

さらにこの3つのイラストと説明文の並びの下にはマルチプラットフォーム対応を説明するイラストが出てきます。まず以下はレインボービットからのキャプです。

次いでビットイレブンからの検証でも使ったキャプの再掲です。

パソコンとスマホの画面を意味すると思われる左側の白い四角形の中にそれぞれのサイトのアイコンが入っている違いはありますが、それ以外は全く同じにしか見えません。

次に連絡先情報を探しましたが全く開示が無いようでメールアドレスさえ見つかりません。それらしき情報としては「Rainbowbitについて」というページに以下の記述があります。このページについては英語版とか日本語版のページは存在せず、中国語版しか存在しないようです。

中国語は全く分からないのでこのページをGoogle翻訳の機能を使って翻訳すると以下のキャプのようになります。

レインボービットは2017年に設立した会社であるとか有名なファンドに投資してきたとか仮想通貨取引で50%にもなる大きな市場シェアを持っている、日本を含む世界各地に拠点があるといったことが書いてありますが全く信用出来ません。例えば世界各国の拠点に関する所在地情報は全くありませんし、以下のキャプに示したサイトのWho Is情報を見るとサイトの開設日 (Creation Date) が2020年7月31日となっていて2017年に設立した会社のサイトとは思えません。

あるいはアクセス状況を解析出来るサイトで調べてみると以下のキャプに示したようにアクセス数が検出限界以下という結果になります。とてもではありませんが仮想通貨の取引で50%を占めているサイトとは思えません。

次にレインボービットで取引されている仮想通貨のリストを右のキャプに示します。

ビットコインキャッシュ (BCH)、ビットコイン (BTC)、イーサリアム (ETH)、イオス (EOS)、リップル (XRP)、ライトコイン (LTC)まではメジャーな仮想通貨が並んでいますが、最後のWINという仮想通貨が問題です。仮想通貨データーベースのCoinMarketCapで調べてみるとWINという略号を与えられている仮想通貨としてWINkという仮想通貨が見つかるのですが、レインボービットで取引されているWINという仮想通貨は右のキャプに見えるように5ドル台 (500円台) であるのに対してCoinMarketCapで情報が出てくるWINk (WIN)という仮想通貨はこの検証を書いている2020年9月上旬の時点で0.01円台であり、全く相場が違います。つまりレインボービットで取引されているWINという仮想通貨はWINk (WIN)とは別物と思われます。

上で検証した同じグループによる仮想通貨取引所のサイト、Inchoi、Toffs、ビットイレブンでもそれぞれINC、TFS、NOVという取引所独自と思われる仮想通貨が取引されていることになっていましたが、レインボービットのWINという仮想通貨もこれらに対応する取引所独自の仮想通貨ということになる可能性が高いものと思われます。

結論としてレインボービットは明らかに上で検証したInchoi、Toffs、ビットイレブンの3つのサイトと同じグループによって立ち上げられたサイトであり、詐欺目的のサイトである可能性が極めて濃いです。このサイトでの取引を勧誘されても絶対に応じるべきではないと思われます。


※付記

「検証88」で検証しているLafebit (www.lafebit.com/)とBitbear (ビットベアー bitbear.cc/)、さらに「検証74」で検証したPERFSO (perfso.org/) というサイトはレインボービットと明らかに似ている部分があり、同じグループによるサイトである可能性が高いです。これらのサイトとの関係については「検証88」のLafebitとビットベアーの検証を参照してください。


●FIGHTEX (www.fightex.org/)

これも上で検証してきたInchoi、Toffs、ビットイレブン、レインボービットの4つのサイトと極めてよく似ており同じグループによる詐欺サイトの疑いが濃いサイトなのでここで検証します。このサイトはInchoiが詐欺サイトであるという警告する「INCHOI SCAM」というタイトルの動画をYoutubeにアップしていたHakasauars名義のYoutubeアカウントから2020年11月14日付で投稿された「FIGHTEX SCAM (FIGHTEXは詐欺サイト)」というタイトルの動画で知ることになりました。動画には同じYoutubeアカウントから投稿されている同様の警告動画と同じく中国の詐欺グループによる詐欺サイトであるといった趣旨の警告文が添付されていますが実際に被害例があったかどうかまでは不明です。いずれにしろ上で検証してきた4つのサイトと明らかに似ていることは以下に示すこのサイトのキャプを見ても明らかです。まずサイト冒頭のキャプを示します。

表示言語の選択肢は英語、日本語、韓国語の3つになっています。この冒頭部だけ見ても上で検証しているInchoi、Toffs、ビットイレブン、レインボービットと似ているという印象を持ちましたが、この冒頭部に続く部分を見ていくと似ていることがさらに明白になりました。まずサイトの3つの特長をイラスト付きでまとめた部分です。比較の為に英語版を示します。

これを以下に示したレインボービットのサイトの対応する部分のキャプと比較するとレインボービットでは3項目に同じイラストが使われていたのに対してFIGHTEXでは3項目のイラストがそれぞれ別になっていて両者で一致しているのは左側の握手(?) のイラストだけであることが分かります。さらにイラストの下の文章も少しずつ変わっていることも確認されます。例えば2項目のタイトルはレインボービットでは「Quick trading experience」だったのがFIGHTEXでは「Good trading experience」になっています。しかしこの部分を全体としてみれば2つのサイトで到底偶然とは思われないほど似ていることも確かです。

さらにこの下にはマルチプラットフォーム対応を説明するはずの部分があるのですがFIGHTEXでは以下のキャプのようになっています。

以下に示したレインボービットの相当部分のキャプと比較すると左側のイラスト部分はパソコンおよびスマホの画面に浮かぶロゴの部分を除いて2つのサイトで一致しているのですが、FIGHTEXでは右側のマルチプラットフォーム対応を説明する文章が欠落していることが分かります。説明する文章が欠落しているので何を意味するイラストなのか全く分からなくなっているのです。同じイラストを使い回していることだけでなく非常に粗雑に作られたサイトであるという印象を受けますがこれらのサイトが同じグループによるものであることはいよいよ確実でしょう。

次に連絡先情報を探しましたが全く見当たりません。以下のキャプに示した脚注部分を見ると左下に「Contact Us」という項目もあるのですがこの項目はFIGHTEXのトップページ自体にリンクされていて何の意味もありません。

さらに上のキャプの右側にはTwitterとかFacebook、InstagramといったSNSのアイコンが並んでいるのですがこれらは単なる画像データーでリンクになっていません。当然クリックしても何も起こりません。見た目だけは連絡先情報が開示されているように見えるけど実際には何の情報もないという極めて異様な状況であり、不審を感じざるを得ません。

次に取引されている仮想通貨ですが、右のキャプに取引されている仮想通貨とその相場が示されています。取引されているのは5種類だけとかなり少なく、その内の4種類はビットコイン (BTC)、イーサリアム (ETH)、イオス (EOS)、ライトコイン (LTC)とメジャーな仮想通貨ばかりですが最後のFTXという仮想通貨については聞き覚えもなく、仮想通貨データーベースのCoinMarketCapでも情報が見つかりません。FTXという名称からしてもFIGHTEX独自の仮想通貨である可能性が高いと思われます。

しかしFIGHTEXのサイトを見てもホワイトペーパーのようなものは見つかりませんし、発行枚数などの基本情報も見つかりません。それでもチャートだけは見ることが出来るのでチャートを確認しました。以下はFTXのUSDT建て日足チャートのキャプです。

チャートは2020年8月22日に始値4.6 USDT (=4.6ドル)で始まっており、2020年9月29日に非常に長い上ヒゲが発生しているのでチャートが分かりにくくなっていますが2020年11月半ばの現時点で42.9ドルほどにまでほぼ一貫した右肩上がりで上昇しています。上場時の始値と比べれば約9倍になったことになります。出来高もかなり多く、1日の出来高が1500万枚を超えたことも何度かあったことになっています。直近では1枚の相場が42ドルほど、1日の出来高が200万枚程度はあることになっていますから1日の取引金額では8400万ドルほどはある計算です。1ドル=100円で換算すれば84億円です。本当にそれだけの巨額のお金が全く聞き慣れない、情報も見つからないFTXという仮想通貨の取引で動いているのか疑問を感じざるを得ません。特にアクセス状況を解析出来るサイトでFIGHTEXのサイトへのアクセス状況を調べてみると以下のキャプに示した通り、検出限界以下のアクセスしかないという結果が出ます。

FTXという全く聞いたこともない仮想通貨の1日の取引だけで数十億円ものお金が動いている仮想通貨取引所のサイトとは思えません。チャートは実際の取引状況を反映しているとは信じ難いです。

FIGHTEXは明らかに他のサイトのコピペで作られたサイトであることなどと併せて考えると到底信用出来る仮想通貨取引所とは思えません。取引は絶対に推奨出来ません。


●INCOINHG (www.incoinhg.com/index.html#/)

●HK ECOINEX (www.hkecoinex.com/index.html#/)

互いに非常によく似たサイトなのでまとめて検証します。1つ目のINCOINHGはYahoo知恵袋に出ていた質問で知ったのですが質問者が自己解決したのかキャプを撮る間もなく直ぐに削除されてしまったようで質問は残っていません。ネットで知り合った人から勧誘を受けているといった内容だったと記憶していますが詳細は不明です。とにかくURLアドレスだけは保存していたのでアクセスしてみたサイトの冒頭部を以下のキャプに示します。

表示言語の選択肢は中国語、英語、日本語、韓国語の4つです。但し日本語や英語での表示を選んでも上のキャプに見えるように中国語での表示が残ります。中国系のサイトであると考えるのが妥当でしょう。

一方で表題の2つ目のHK ECOINEXというサイトはネットを見ていて偶然に発見したサイトです。こちらもサイトの冒頭部のキャプを示します。説明の必要がないほど2つのサイトは互いに酷似しています。

こちらのサイトも表示言語の選択肢は中国語、英語、日本語、韓国語の4つで日本語表示や英語表示を選んでも一部中国語表記が残りますから中国系のサイトと思われます。

2つのサイトが互いに似ているのはこの冒頭部だけではありません。2つのサイトには2つのスマホ画面が並んでいる画像が出てきます。以下順にINCOINHGからのキャプ、HK ECOINEXからのキャプです。

後者に英語の説明が加わっているだけでスマホの画像はチャートのパターンまで全く同じです。そしてこの英語の説明が問題です。HK ECOINEXのサイトを見ているのに「HKPFEX GLOBAL」と書いてあります。そこで検索するとこれまで気が付いていなかったのですがYahoo知恵袋に以下の質問投稿があることが分かりました。

どうやらこの投稿があった2020年3月の時点では「HKPFEX GLOBAL」というサイト (www.hkpfex-global.com/) が実在していて「知人」が質問者にATCという仮想通貨への投資を持ちかけてきていたようです。既に閉鎖されているようですがこの「HKPFEX GLOBAL」も一連の詐欺サイトの一角だった可能性が極めて濃厚でしょう。そしてHKPFEX GLOBALのサイトをコピーしてHK ECOINEXを作る際に修正するのを忘れた部分が残っているのだと思われます。

INCOINHGとHK ECOINEXの検証に戻りますが、スマホ2台の画像に続く部分にある以下のキャプに示したサイトの特長を4項目にまとめた部分も互いに全く同じで見分けがつきません。以下順にINCOINHGからのキャプ、HK ECOINEXからのキャプですが部分的に中国語と思われる部分が残っているのも同じです。2つのサイトが同じテンプレートから作られているのは確実でしょう。

これだけ2つのサイトが似通っているので他にもコピペされたサイトが存在しているのではないかと考えて2つのサイトで共通していた2つのスマホが並んでいる画像を画像検索に掛けてみたのですが、これら2つのサイト自体さえ検索に引っかかりません。検索エンジンによる検索を避けるような設定になっているのかもしれません。となれば他にもこれらのサイトと酷似したサイトが存在する可能性は否定出来ません。

次に連絡先情報ですが2つのサイト共に脚注にメールアドレスがあるだけです。

次に2つのサイトで取引されている仮想通貨のリストです。

2つのサイトでは共にビットコイン (BTC)、ライトコイン (LTC)、イーサリアム (ETH)、リップル (XRP)、ビットコインキャッシュ (BCH)といったメジャーな仮想通貨が並んでいて最後に全く聞きなれないPITC、EVECという仮想通貨が出てきます。一応、仮想通貨データーベースのCoinMarketCapでこれら2つの仮想通貨に関する情報を探してみましたが見つかりません。

とにかくこれらの仮想通貨のチャートをそれぞれのサイトから確認してみました。以下それぞれの日足チャートのキャプです。

これらのチャートは一見して非常に不自然で異様です。一貫して右肩上がりのチャートでPITCのチャートの初日を除いて陰線が一つもないというのも非常に異様ですが最も異様なのはこれらのチャートには上ヒゲ、下ヒゲが全くないことです。常に初値がその日の最安値で終値が最高値というのはどう考えても有り得ません。これらのチャートは現実の取引を反映しているようには到底思えません。

結局これら2つのサイトも詐欺目的で立ち上げられたサイトの疑いが極めて濃厚と判断せざるを得ません。取引は絶対に推奨出来ません。