検証78

本ページで取り上げるサイトはいずれも仮想通貨取引所 (暗号資産交換業者) に該当すると思われますが、いずれも日本の金融庁が公表している暗号資産交換業者の登録リストに該当がありません。ここで検証するサイトの多くは日本語対応しており、さらに少なくとも一部のサイトについて日本人に向けた勧誘や被害報告が確認されていて単に無登録の違法業者であるというだけでなく、詐欺目的のサイトである疑いが極めて濃厚と考えられます。

▼本サイトでの検証は名誉棄損に当たらないと考えます。→ 雑記1

「検証63」「検証64」「検証65」「検証66」「検証67」「検証68」「検証69」「検証70」「検証71」「検証72「検証73」「検証74」「検証75」「検証76「検証77で検証してきたTinderを始めとするマッチングサイト (出会い系サイト) やSNSで外国人による勧誘が行われているという共通点がある一連の詐欺仮想通貨取引所のサイトについての検証16ページ目です。「検証79」「検証80」「検証81」「検証82」「検証83」「検証84」「検証85」「検証86「検証87「検証88」「検証89「検証90「検証91「検証92「検証93「検証94「検証95「検証96「検証97「検証98「検証99「検証100「検証101「検証102「検証103「検証104「検証105「検証106「検証107「検証108「検証109「検証110「検証111「検証112」「検証113」「検証114」「検証115」「検証116」「検証117」「検証118」「検証119」「検証120」「検証121」「検証122」「検証123」「検証124」「検証125」「検証126」「検証127」「検証128」「検証129」「検証130」「検証131」「検証132」「検証133」「検証134」「検証135」「検証136」「検証137」「検証138」「検証139」「検証140」「検証141」「検証142」「検証143」「検証144」「検証145」「検証146「検証147」にも続編があります。勧誘の手口などについては「検証63」の最初に書いてあるので参照してください。 本ページでは以下のサイトを検証します。


●BitUP A (www.bitupa.com/#/home)

●BitUp A (www.govbit.com/#/home)

●MG (www.mggst.com/html/#/home)

●EBITCEX (ebitcex.com/html/#/home)

●Bitfliex (main.bitfliex.co/dist/#/)

●BBANK (www.zldz100.com/dist/#/)

●BTCSGE (www.btcsge.com/dist/#/)

●MITOOEX (www.mitooex.com/#/)

●LIBRA3.0 (www.libra30.vip/#/)

●ORIONLBT (www.orionex.top/#/)

●MONGOLIANATIONAL BLOCKCHAINDIGITAL ASSETS EXCHANGE (モンゴリアナショナル ブロックチェーンデジタル アセッツ エクスチェンジ https://mde.mn/#/)

●MTZEX (mtzex.com/dist/#/)

●XFUNEX (www.xfunex.com/dist/#/)

●ZNEX (znex.pro/dist/#/)

●TMEXPRO (www.tmexpro.com/dist/#/)


まず以下を検証します。 

●BitUP A (www.bitupa.com/#/home)

●BitUp A (www.govbit.com/#/home)

URLアドレスが異なるだけでタイトルも同じ、サイトの内容も全く区別出来ない2つのサイトです。いずれもYahoo知恵袋に出てきた投稿で知ることになりました。まず以下のキャプに示した2020年9月14日付の質問で1つ目のサイトを知ることになりました。

ネットで知り合ったマレーシア人の女性に勧誘されたとあるので「検証63」以降で検証してきた中国系の詐欺グループによる詐欺サイトの可能性が考えられました。

2つ目のサイトは2020年11月4日に出てきた以下の投稿で存在に気が付きました。

こちらは残念ながら既に出金が出来なくなって被害が生じているようです。勧誘された経緯が分かりませんが1つ目のサイトとの相動性からやはり中国系の詐欺グループの関与が疑われます。とにかく質問にあるリンクからアクセスしてみたサイトの冒頭部のキャプを以下に示します。順に1番目、2番目のサイトの冒頭部です。

わざわざ指摘するまでもなく2つのサイトは全く同じに見えます。

右上のプルダウンメニューに見える言語の選択肢は国旗のアイコンと一緒に示されており、英語、香港語、日本語の3つになっています。この時点で既視感を感じましたがこの冒頭部に続いては「検証63」以降の一連の中国系の詐欺サイトの検証で何度も出てきているサイトの特長3項目をイラスト付きでまとめた部分が出てきます。比較の為に英語表示でキャプを示します。これも順に1番目、2番目のサイトからのキャプです。

例えば以下は「検証69」で取り上げたモチベーテドのサイト (既に閉鎖済み) からのキャプですが全く同じです。明らかに同じグループによるサイトでしょう。

さらにこの下にはマルチプラットフォーム対応を説明する以下の図が出てきます。これも順に1番目、2番目のサイトからのキャプです。

よく見るとiOS downloadと書かれた下にあるQRコードが2つのサイトで異なっていることが分かりますがそれ以外は全く同じに見えます。これも以下に示したモチベーテドのサイトからのキャプと比較すればQRコードの有無とか配置に若干の違いはあっても明らかに酷似していることが分かります。

BitUP Aはこれらの部分について明らかな相同性、類似性が認められる多くのサイト、具体的には「検証63」で検証したHKEX、「検証66」で取り上げたアントコインやユーコイン、「検証69」に検証を書いたモチベーテドなど複数のサイト、「検証72」で扱っているレモンコインとVTBIT、「検証75」で検証したビットエックスプロなど複数のサイトなどなど全て同じグループによる詐欺サイトである可能性が極めて濃厚です。

次に連絡先情報を探しましたが殆ど情報がありません。同じグループによるサイトではメールアドレスぐらいの記載はあることが多かった脚注部分を見ても何も情報がありません。これも順に1番目、2番目のサイトからのキャプを以下に並べます。

上のキャプで右端には連絡先と書かれていてTwitterのアイコンがあるので公式のTwitterアカウントがあるのかと思ってクリックしてみましたがリンク先はこのBitUP Aのサイト自体になっています。一方で左端の列にリンクが並んでいる「私たちに関して」というページの冒頭部のキャプをやはり2つのサイトについて順に以下に示します。

2つのサイトの記述は全く同じです。活字が小さくて読みにくいので以下に書き出します。

>私たちに関して

>BitupAは世界に先駆けたデジタル通貨資産取引プラットフォームであり、ユーザーに安全、専門、便利なデジタル通貨取引サービスを提供することに力を入れている。BitupAは確実にユーザーの角度から、ブロックチェーン領域に対する深い認知によって、全世界のユーザーのために優良な金銭種を選別し、ブロックチェーン技術の流れをリードしている。本社はブダペストにあり、ドイツ、エストニア、香港、マレーシア、フィリピンなどの国と地域に独立したチームを運営している。

本社はブダペストにあるとありますが到底信頼出来ません。ブダペストはハンガリーの首都を指すと思われますがそれならサイトの表示言語の選択肢が英語、香港語、日本語の3つだけという状況はおかしいでしょう。本当にハンガリーに本拠があるならハンガリーの公用語であるハンガリー語に対応しているべきですし、拠点がドイツ、エストニア、香港、マレーシア、フィリピンにあると書かれているのですからドイツ語やエストニアの公用語であるエストニア語、マレーシアのマレーシア語やフィリピンのタガログ語などにも対応しているべきです。またハンガリーの本社についてもそれ以外の国の拠点についても住所や電話番号といった情報は全く開示がありません。経営者情報も開示なしです。メールアドレスさえ分からないとなれば信頼性は皆無という結論にならざるを得ません。そもそもほぼ区別不能なサイトが別URLで2つ存在するのも怪しすぎます。

これらのサイトでの口座開設は避けるべきです。さらにこのページの以下で取り上げているサイトはBitUP Aのマルチプラットフォーム対応を説明するパソコンとスマホの画像から画像検索で見つかった同じグループによる関連サイトです。多数の明らかに似たサイトが存在することもこのサイトが詐欺目的のサイトである疑いをさらに濃くするものと考えます。


●MG (www.mggst.com/html/#/home)

●EBITCEX (ebitcex.com/html/#/home)

●Bitfliex (main.bitfliex.co/dist/#/)

●BBANK (www.zldz100.com/dist/#/)

●BTCSGE (www.btcsge.com/dist/#/)

これらは上で検証したBitUP Aのサイトからの画像検索で見つかってきたサイトであり、尚且つこれら5つのサイト間でも互いに酷似している部分が認められるのでまとめて検証します。まずはURLアドレスです。

MG :  http://www.mggst.com/html/#/home

EBITCEX :  http://ebitcex.com/html/#/home

Bitfliex : https://main.bitfliex.co/dist/#/

BBANK:http://www.zldz100.com/dist/#/

BTCSGE:http://www.btcsge.com/dist/#/

「検証63」以降の一連の中国系詐欺サイトの検証で何度も同じことを書いていますが3番目のBitfliex以外の4つのサイトについては暗号化されていることを示す「https」ではなく、暗号化非対応であることを意味する「http」でURLアドレスが始まっています。仮想通貨取引所のサイトのURLアドレスとして有り得ません。

次に各サイトの冒頭部のキャプを順に示します。まず以下はMGのサイト冒頭で右上のプルダウンメニューにある中国語、英語、香港語、日本語の4つの表示言語の選択肢から英語表示を選択した場合です。

英語表示を選択しても中国語と思われる文章が残っており、このサイトは中国系のサイトであると考えられます。そしてまだサイトの構築が不完全なのかあるいは単に作りが粗雑なのかこのMGのサイトでは香港語あるいは日本語表示を選ぶと以下のキャプに示したように大きな空白の様な物が残ります。

次はEBITCEXのサイト冒頭のキャプです。こちらは特に表示に大きな問題はありません。表示言語の選択肢は中国語、英語、香港語、日本語の4つです。

以下はBitfliexのサイトですがやはり表示言語の選択肢は中国語、英語、香港語、日本語の4つで以下は中国語表示を選択した場合のサイト冒頭のキャプです。

ところが中国語以外の言語表示を選択するとこのサイトも未完成なのかあるいは単に粗雑な作りなのか以下のキャプに示したように一番上にあるメニューバーの部分と仮想通貨の相場を示す部分が重なり合ったような異様なことになってしまいます。

次はBBANKのサイト冒頭です。やはり表示言語の選択肢は中国語、英語、香港語、日本語の4つです。

最後はBTCSGEのサイトです。これも表示言語の選択肢は中国語、英語、香港語、日本語の4つです。

そしてこの冒頭部に続いては5つのサイトに共通して「検証63」以降で検証したサイトで繰り返し確認されてい売るサイトの特長を3項目にまとめて簡単なイラスト付きで説明する部分が登場します。以下、順にMG、EBITCEX、Bitfliex、BBANK、BTCSGEのサイトからのキャプですが互いに全く区別出来ませんし、例えば上で検証したBitUP Aなどでも同じイラストと短文の組み合わせが確認されています。

さらにこの部分に続いては元々これらのサイトは上で検証したBitUP Aのサイトからの画像検索で見つかってきたサイトなので当然なのですがマルチプラットフォーム対応を説明するこれもお馴染みのパソコンとスマホの操作画面の画像と文章の組み合わせが出てきます。以下も順にMG、EBITCEX、Bitfliex、BBANK、BTCSGEのサイトからのキャプですが互いに殆ど同じです。

最後に5つのサイトの脚注部分のキャプを並べます。

MGとEBITCEXについては唯一の連絡先情報としてメールアドレスだけが記されています。

>1888888888@qq.com

>Ebitcex@gmail.com

住所、電話番号、経営者情報、ライセンス関係の記述などは全く見当たりません。しかも「qq.com」は中国企業のテンセント、「gmail.com」はGoogleが提供する無料登録出来るメールアドレスです。マトモな仮想通貨取引所のメールアドレスではありません。Bitfliex、BBANK、BTCSGEについてはメールアドレスさえ公開されておらず、上の脚注のキャプを見ると右端にFacebookやTwitterといったSNSのロゴが並んでいてリンクになっているように見えますがこれらのロゴは単に画像データーでリンクになっていません。これは「検証75」で検証したX-コインなどと同じパターンで欺瞞としか思えません。

最初に書いたようにこれらのサイトは画像検索で見つかってきたサイトであり、これまでのところはこれらのサイトに投資勧誘されたとか詐欺被害に遭ったといった証言は出てきていません。しかしこれらは既に被害報告が出ているサイトと同じグループによるサイトである可能性が極めて濃厚であり、非常に危険と思われます。投資勧誘されても決して応じないことを強く推奨します。


●MITOOEX (www.mitooex.com/#/)

●LIBRA3.0 (www.libra30.vip/#/)

●ORIONLBT (www.orionex.top/#/)

●MONGOLIANATIONAL BLOCKCHAINDIGITAL ASSETS EXCHANGE (モンゴリアナショナル ブロックチェーンデジタル アセッツ エクスチェンジ https://mde.mn/#/)

これらも上で検証したBitUP Aのサイトからの画像検索で見つかってきたサイトであり、互いに似ている部分が認められるのでまとめて検証します。まずサイト冒頭のキャプを示します。

いずれのサイトでも右上のプルダウンメニューからは丸形の国旗アイコンで示される表示言語が選択出来るようになっており、中国語、英語、韓国語、日本語の4つについては3つのサイトで共通、2番目のLIBRA3.0のサイトについてのみはこれらに加えてフランス語が選択出来るようになっています。

この冒頭部に続いては例によってサイトの特長をイラスト付きで説明する部分があります。以下も順にMOTTOEX、LIBRA3.0、ORIONLBT、モンゴリアナショナルのサイトからのキャプです。互いに全く区別出来ません。

このイラストと説明文の組み合わせは「検証63」で検証したOKEX COIN (OKEXコイン)「検証69」で取り上げたDIU、あるいは「検証75」で検証したCHAINBTC (チェーンBTC)、RMIEX、77EXといったサイトで見られたものと全く同じです。以下はOKEXコインのサイトからのキャプの再掲ですが全く違いが見つかりません。 

さらにこの部分に続いてはマルチプラットフォーム対応を説明するこれもお馴染みのパソコンとスマホの操作画面の画像と文章の組み合わせが出てきます。以下も順にMITOOEX、LIBRA3.0、ORIONLBT、モンゴリアナショナルのサイトからのキャプですが3番目のORIONLBTでQRコードが加わっているぐらいで互いに殆ど区別出来ませんし、BitUP Aの相当部分を画像検索した結果で見つかってきたサイトなので当然ですがこのページで検証しているBitUP A以下のサイトともパーツの配置が少し違うぐらいでほぼ同じです。

次に連絡先情報ですがこれらのサイトではメールアドレスが幾つか確認出来るだけです。以下にサイトの脚注部、メールアドレス部分のキャプをMITOOEX、LIBRA3.0、ORIONLBT、モンゴリアナショナルの順に示します。

▼MITOOEX

ビジネスメールアドレス : mitooservice@gmail.com

新米の援助 : support@mitooex.com

コミュニティ群 : mitooservice3@gmail.com

▼LIBRA3.0

ビジネスメールアドレス : libra3.0@outlook.com

新米の援助 : libra3.0@outlook.com

コミュニティ群 : libra3.0@outlook.com

▼ORIONLBT

ビジネスメールアドレス : ORIONLBT@gmail.com

新米の援助 : support@ORIONLBT.com

コミュニティ群 ; ORIONLBTservice3@gmail.com

▼モンゴリアナショナル ブロックチェーンデジタル アセッツ エクスチェンジ

記載なし


開示されている連絡先情報がメールアドレスだけというのは明らかに情報開示不足ですし、特にMITOOEXとORIONLBTのメールアドレスは2つが無料登録出来るgmailのアドレスです。さらに最後のモンゴリアナショナルでは連絡先情報が皆無です。論外としか思えません。

連絡先情報について言えばORIONLBTとモンゴリアンナショナルの2つに限ってですがWho Is情報に連絡先に結び付きそうな情報がわずかに見られます。まずORIONLBTについてです。

重要なのは赤枠で囲った部分です。Registrant Organization (登録機関)という項目は「wang di」となっていて中国語は全く分かりませんが「王」という名字の個人名ではないかと思われます。そしてその住所が「hu bei、CN」となっており、これは中国の湖北省を意味すると思われます。「検証75」で検証した77EXや「検証76」で検証したビットバンクの偽サイトでもWho Is情報に中国の湖北省が所在地であるという情報が見つかっていたことが思い出されます。特に77EXは3つの特長をイラスト付きで説明する部分やマルチプラットフォーム対応を説明する部分で共通性があり、明らかに同じグループによるサイトです。必要に応じてそれぞれのサイトの検証を参照してください。

次はモンゴリアナショナルのWho Is情報です。

やはり重要と思われる部分を赤枠で囲いました。この囲った部分にある情報をまとめると以下のようになります。

登録者:wang yu

登録法人:wall street mongolia co.

登録者住所:khan uul duureg 12 khoroo 61 bair, ulaanbaatar,  Töv, 14200, MN

登録者電話番号:+976.85881852

登録者メールアドレス:17000001314@126.com

登録者は「wang yu」という中国系と思われる個人名と「wall street mongolia co.」という法人名の両方が記されていて住所はモンゴルの首都であるウランバートルになっています。電話番号もモンゴルの国番号である[+976]から始まっています。但し「検証63」以降で検証してきた一連の詐欺の疑いが濃いサイトは中国系である可能性が高いように思われるのでこのモンゴルの連絡先情報がどれほど信じられるかは分かりません。

取引されている仮想通貨についても簡単に触れておきます。まずMITOOEXで取引されている仮想通貨は下のキャプの左側に示されている5種類だけのようです。

取引されている仮想通貨の中でビットコイン (BTC)、イーサリアム (ETH)、ライトコイン (LTC)、ビットコインキャッシュ (BCH)まではメジャーな仮想通貨ですが最後のMITOという仮想通貨は聞いたことがありませんし、仮想通貨データーベースのCoinMarketCapで探しても情報が見つかりません。上のキャプの右側に示したMITOの日足チャートを見ると取引が成立する頻度はかなり低いようです。サイトの名称・MITOOEXと謎の仮想通貨の名称・MITOが似ていることからこの取引所独自の仮想通貨ではないかと思われますが詳細は不明です。

LIBRA3.0の場合は取引されている仮想通貨がかなり多く、その数は67種類にもなります。67種類の中にはビットコイン、イーサリアムなどメジャーな仮想通貨も1枚1円以下で取引されているようないわゆる草コインも含まれていますがCoinMarketCapで確認していくとLIBRAという取引所の名称・LIBRA3.0そのままのような仮想通貨に目が留まりました。以下に取引されている仮想通貨のリストの一部と問題のLIBRAという仮想通貨の日足チャートを以下に示します。

LIBRAという名前の仮想通貨で思い浮かぶのは、あるいは「LIBRA、 仮想通貨」を検索して出てくるのは2019年にFacebook社が計画を発表後、世界各国の金融当局から反対論が出たためにストップしている仮想通貨です。例えばオンライン百科事典のWikipediaにもFacebookによるLIBRAの開発に関する項目がありますし、CoinMarketCapにもLIBRAの項目がありますが、記されているのはやはりFacebookによるLIBRAの発行計画に関してです。しかしFacebookによるLIBRAはまだ計画の段階で停止しているはずであり、LIBRA3.0で取引され、チャートが動いているLIBRAではないはずです。LIBRA3.0という取引所の名称やLIBRAという謎の仮想通貨の名称はFacebookによる仮想通貨と誤解させる意図があるのではないかと疑わざるを得ません。

3番目のORIONLBTについては取引されている仮想通貨のリストを右のキャプに示しましたがビットコイン (BTC)、イーサリアム (ETH)、イオス (EOS)、ライトコイン (LTC)など10種類が取引されており、MITOOEXやLIBRA 3.0の場合のような取引所独自の仮想通貨などと思われるものはありません。

最後のモンゴリアナショナル ブロックチェーンデジタル アセッツ エクスチェンジについても取り扱い仮想通貨のリストを右のキャプに示します。

5番目以降はイーサリアム (ETH)、ビットコイン (BTC)、イオス (EOS)、ビットコインキャッシュ (BCH)、イーサリアムクラシック (ETC)、ダッシュ (DASH)、ライトコイン (LTC)、フォビトークン (HT)とメジャーな仮想通貨が並んでいますが最初から4つ目までのMNTT、MNDC、GCT、MDEと全く聞き慣れない仮想通貨が並んでいます。そしてこれら4つの仮想通貨については殆ど情報がありません。

まず仮想通貨データーベースのCoinMarketCapで調べてみましたが4つの仮想通貨いずれについても全く情報が出てきません。またこれら4つの仮想通貨についてはチャートも出てこないようですし、右のキャプでも変動率が全てゼロになっています。

よく見るとモンゴリアンナショナルのサイトでこれら4つの仮想通貨に関する情報が開示されているのですが例えば2番目のMNDCという仮想通貨について開示されている情報は右のキャプにあるだけです。以下に書き出します。

発行時間 2020-08-08

総発行量 330000000 (3億3000万枚)

流通総量 1000000 (100万枚)

ICO価格 1

これ以外に公式サイトとか白書 (ホワイトペーパー)へのリンクがあるように見えるのですがクリックしてみるとモンゴリアンナショナルのサイト自体にリンクされているようで意味がありません。これ以外の3つの仮想通貨、MNTT、GCT、MDEについても似たような状況で公式サイトやホワイトペーパーへのリンクは見せかけだけです。強い不審を感じざるを得ません。

本項で検証した4つのサイト、MITOOEX、LIBRA3.0、ORIONLBT、モンゴリアナショナル ブロックチェーンデジタル アセッツ エクスチェンジについては投資勧誘されたといった情報は現時点で確認されていません。しかしこれまで検証した中国系のグループによって詐欺目的で量産されたと思われるサイトとの類似性や情報開示が極めて限定されていることなどからやはり同様の詐欺サイトである可能性は極めて高いです。これらのサイトへの投資を勧誘されても絶対に応じないことを強く推奨します。


●MTZEX (mtzex.com/dist/#/)

これも上で検証したBitUP Aのサイトからの画像検索で見つかってきたサイトです。見つかってきた時点では普通にサイトにアクセス出来ていたのですが検証を準備している間に設定が変更され、トップページアクセスしようとすると一瞬トップページが出てくるものの直ぐにログインを求める画面に切り替わるという仕様に変わったようです。以下はログインを要求する画面のキャプです。表示言語の選択肢は中国語、英語、香港語、日本語となっています。

従って以下はログインが要求されるように仕様が変更されるより前に取得しておいたキャプや情報だけに頼らざるを得ません。とりあえず以下が以前に取得したサイト冒頭部のキャプです。表示言語の選択肢は上に示したログイン画面と同じで中国語、英語、香港語、日本語の4つです。

このサイト冒頭部を見ても右上のプルダウンメニューに見られる国旗アイコンで表示言語を選ぶ方式になっている点とかキャプの下に仮想通貨の相場が示されている点など上で検証した一連のサイトと似ていることが感じられました。さらにこの冒頭部に続いて一連のサイトとの類似が明らかな部分が出てきます。まずサイトの特長をイラスト付きで説明する部分です。

これは「検証69」で検証したBTC 360 (www.giex.vip/dist/#/)、Coinle Pro (coinle.pro/dist/#/)、Yoobi (47.244.3.60/dist/#/)という3つのサイトに出てきたイラスト+短文の組み合わせに酷似しています。以下はBTC360のサイトからのキャプですが、イラスト部分は全く同じに見えますし、左右両側の項目に付いては説明文についても同じです。異なるのは中央の項目の説明文だけです。

この部分に続いてはマルチプラットフォーム対応を説明する部分が出てきて、元々BitUP Aのサイトの相当部分にあるパソコンとスマホの操作画面の画像を画像検索に掛けて見つかってきたサイトなので当然ですが同じ画像が使われていることが分かります。但しタイトル部分は少し変更されているようです。

次に連絡先情報を探しましたが全く情報がありません。以下に示した脚注部分にも全く情報が見当たりません。右側に「Contact us (連絡先)」と書いてあってFacebookやTwitterなどSNSのアイコンが並んでいますがこれらのアイコンは単なる画像データーであり、リンクになっていません。見かけだけ連絡先情報があるように見せかけているだけとしか思えません。

次に取引されている仮想通貨について触れておきます。以下がMTZEXで取引されている仮想通貨のリストです。

ビットコイン (BTC)、イーサリアム (ETH)といったメジャーな仮想通貨に混じって聞きなれないものも取引されていることになっています。仮想通貨データーベースのCoinMarketCapで調べてみるとSGB、KLM、TESTの3つは略号が一致するものが見つかりません。BHDについてはBitcoinHD、NGCについてはNAGAという仮想通貨の略号と一致しますが相場水準が全く異なるようなので別物と思われます。そこでこれらの謎の仮想通貨についてチャートを確認しようとしましたがこのサイトに気が付いた時点でログインしないとチャートを閲覧出来ない設定になっていて確認不能です。その後、チャートだけでなくトップページへのアクセスにさえログインを要求されるようになったことは本項の最初に書きました。何故こういう設定になっているのか不審を感じざるを得ません。

結論としてこのサイトも同じグループによると思われる多数のサイトで使われていたパーツを組み合わせて量産されたサイトであり、全く信用出来ません。取引は絶対に避けるべきと考えます。

尚、このMTZEXのサイトと酷似したサイトがその後、3件見つかってきました。以下で検証しているので参照してください。


●XFUNEX (www.xfunex.com/dist/#/)

●ZNEX (znex.pro/dist/#/)

●TMEXPRO (www.tmexpro.com/dist/#/)

これら3つのサイトは画像検索で見つかってきたサイトで上で検証したMTZEXと明らかに似ている部分があり、おそらく同じグループによるサイトと思われるのでここで検証します。まず3つのサイトの冒頭部のキャプを表題と同じXFUNEX、ZNEX、TMEXPROの順で示します。XFUNEXとZNEXの冒頭部は上に示したMTZEXのサイト冒頭部とそっくりです。

最後のTMEXPROのサイトだけは背景の画像、デザインが他のサイトと異なりますが、何故かMTZEX Exchangeと大きく書いてあることが確認出来ますし、MTZEXとここで取り上げる3つのサイトに共通してそれぞれのキャプの右上に見える言語選択のプルダウンメニューに見える日本国旗のアイコンが何故か白地に赤丸ではなく、黒字に赤丸になっています。

この冒頭部に続いてはサイトの特長をイラスト付きで3項目にまとめて説明する部分が出てきます。この部分についても以下に表題と同じXFUNEX、ZNEX、TMEXPROの順で示します。

この部分は3つのサイトで全く同じですし、上で検証したMTZEXの相当する部分もイラスト、文章共に全く同じです。同様にそれぞれのサイトでこの3つの特長を説明する部分の直下にあるマルチプラットフォーム対応を説明する部分のキャプをやはり表題と同じXFUNEX、ZNEX、TMEXPROの順で示します。

この部分でも3つのサイトは互いに全く区別出来ませんし、上で検証したMTZEXの相当する部分も全く同じです。最後に3つのサイトの脚注部分のキャプを並べてみます。

この部分でも3つのサイトは互いによく似ています。連絡先という項目にあるのはチャットのアイコンのようです。チャットで対応するということでしょうか?住所とか電話番号といったものは全く開示されていません。そしてこれら3つのサイトではチャートもログインを要求されて見ることが出来ない設定になっているようです。

最初に書いたようにこれらのサイトは画像検索で見つかってきたサイトであり、これらのサイトへの投資を勧誘されたとか入金したら出金出来なくなったといった被害報告は確認されていません。しかしこれだけ互いに酷似しているサイトが乱立しているというだけで充分に怪しいですし、情報開示は明らかに不充分です。到底信用出来るサイトとは思えません。これらのサイトへの投資を勧誘されても決して応じないことを推奨します。