検証75

本ページで取り上げるサイトはいずれも仮想通貨取引所 (暗号資産交換業者) に該当すると思われますが、いずれも日本の金融庁が公表している暗号資産交換業者の登録リストに該当がありません。ここで検証するサイトの多くは日本語対応しており、無登録の違法業者であるというだけでなく、詐欺目的のサイトである疑いが濃厚と考えられます。

▼本サイトでの検証は名誉棄損に当たらないと考えます。→ 雑記1

「検証63」「検証64」「検証65」「検証66」「検証67」「検証68」「検証69」「検証70」「検証71」「検証72「検証73」「検証74」で検証してきたTinderを始めとするマッチングサイト (出会い系サイト) やSNSで外国人による勧誘が行われているという共通点がある一連の詐欺仮想通貨取引所のサイトについての検証13ページ目です。「検証76」「検証77」「検証78」「検証79」「検証80」「検証81」「検証82」「検証83」「検証84」「検証85」「検証86「検証87「検証88」「検証89「検証90「検証91「検証92「検証93「検証94「検証95「検証96「検証97「検証98「検証99「検証100「検証101「検証102「検証103「検証104「検証105「検証106「検証107「検証108「検証109「検証110「検証111「検証112」「検証113」「検証114」「検証115」「検証116」「検証117」「検証118」「検証119」「検証120」「検証121」「検証122」「検証123」「検証124」「検証125」「検証126」「検証127」「検証128」「検証129」「検証130」「検証131」「検証132」「検証133」「検証134」「検証135」「検証136」「検証137」「検証138」「検証139」「検証140」「検証141」「検証142」「検証143」「検証144」「検証145」「検証146「検証147」にも続編があります。勧誘の手口などについては「検証63」の最初に書いてあるので参照してください。 本ページでは以下のサイトを検証します。


●BITXPRO (ビットエックスプロ www.bitxpro.co/#/home)

●CoinsOK (コインズオーケー coinokbiter.com/dist/#/)

●tebiglobal (テビグローバル www.tebiglobal.com/dist/#/)

●tebiglobal (テビグローバル mcpexchange.com/dist/#/)

●X-COIN (X-コイン www.x-coin.pro/dist/#/)

●CHAINBTC (チェーンBTC www.chainbtc.top/#/)

●RMIEX (www.rmiex.com/#/)

●77EX (www.77ex.info/#/)


まず以下を検証します。

●BITXPRO (ビットエックスプロ www.bitxpro.co/#/home)

これもYahoo知恵袋に質問が出てきたことで知ったサイトです。なぜこのサイトについて質問しているのか、例えば誰かに勧誘されたといった経緯は一切書かれていません。

しかし質問に書かれているURLアドレスからアクセスしてみると明らかに「検証63」以降で検証してきた中国系の詐欺グループによる詐欺サイトに属するものであることが判明しました。まずサイト冒頭部のキャプを示します。

右上のプルダウンメニューには例によって国旗のアイコンが並んでおり、中国語、英語、香港語、日本語から表示言語が選択出来るようになっています。この冒頭部を見ただけで既に検証した幾つかのサイトとの類似性を感じましたがこの冒頭部に続く部分にはより明確にこれまで検証してきたサイトと似ている部分があります。まずサイトの特長をイラスト付きで3項目にまとめて説明する部分です。比較の為に英語版のものを以下に示します。

この部分は明らかに以前に検証したかなり多くのサイトで見たものと同じです。例えば以下は「検証69」で取り上げたMotivated (モチベーテド www.motavatebi.cn/) のサイトからのキャプですがほぼ区別出来ません。

さらにこの下には以下のようなマルチプラットフォームを強調する部分がありますがこれも他の多くのサイトに同様の部分があります。

例えば以下も「検証69」で取り上げたMotivated (モチベーテド www.motavatebi.cn/) のサイトからのキャプです。パソコン画面に映るチャートの形まで互いに酷似しているのが明らかです。

このモチベーテドのサイトにあったマルチプラットフォームを説明するパソコンとスマホの画像を画像検索に掛けたところ多数の関連サイトが引っかかってきた経緯は「検証69」で説明しました。ビットエックスプロのサイトは以下のキャプに示したドメイン情報を見ると2020年8月20日に登録されたばかりの非常に新しいサイトであり、以前に画像検索した時には存在していなかった為に引っかかってこなかったものと思われます。

そして今回、画像検索をやり直したところ、ビットエックスプロと同様に最近立ち上げられたと思われる関連サイトがまた見つかってきました。それらの新たに発見された関連サイトについては次項以下で取り上げます。

ビットエックスプロの検証にひとまず戻りますが、このサイトには連絡先情報が何も見つかりません。これまで見てきた同じグループによると思われるサイトでは脚注部分にメールアドレスぐらいは記されている場合が多かったのですが、ビットエックスプロの場合は下のキャプに示した脚注部分を見ても連絡先情報は何もありません。

連絡先に関連して上のキャプの範囲に並んでいる項目の中で左下にある「取引所の紹介」というページの冒頭部のキャプを以下に示します。ついでに英語表示を選んだ場合の対応するIntroduction to the exchange というページの冒頭部のキャプも並べて示します。

▼日本語版

> http://www.rxx.c/世界トップのデジタル資産金融サービス会社で、2019年にシンガポールから承認されて設立されました。シンガポール会社法の監督管理を受けて、取引所は設立された管理構造を通じて、オープンソースコミュニティプロジェクトの一般事項と特権事項を管理します。

▼英語版

> http://www.bitxpro.cc/ It is the world's leading digital asset financial service provider, approved by Singapore in 2019 and regulated by the Singapore company law. Through the established governance structure, the exchange will manage the general matters and privileges of the open source community project.

世界トップのデジタル資産金融サービス会社で、2019年にシンガポールから承認されて設立」という部分は日本語版と英語版で共通しているのですが、その前に書いてある太字で強調したURLアドレス部分が問題です。日本語版の冒頭に書いてある「http://www.rxx.c/」というURLアドレスはドメインネームが「c」の1文字でそのままではURLアドレスとして機能しませんし、ビットエックスプロのURLアドレス (www.bitxpro.co/#/home)とも全く異なるので意味が分かりません。英語版の冒頭に書いてあるURLアドレス (http://www.bitxpro.cc/) もドメイン名の部分がビットエックスプロのURLとは異なりますし、現時点では何処かのサイトに繋がることもありません。このサイトを運営している詐欺グループは大量に詐欺サイトを立ち上げていると思われ、これら謎のURLアドレスも既に閉鎖されているけどかつては詐欺サイトで使われていたURLアドレスなのかもしれません。

ともあれシンガポールで承認を得て設立されたとあるのにシンガポールの住所や電話番号は全く見当たりません。本当にシンガポールに運営元があるかどうかは極めて疑問でしょう。

最後に取引されている仮想通貨のリストについてチェックしておきます。右のキャプに現物取引されている仮想通貨のリストがあります。ビットコイン (BTC)、イーサリアム (ETH)、ライトコイン (LTC)、ビットコインキャッシュ (BCH)、イオス (EOS)、リップル (XRP)とメジャーな仮想通貨ばかり並んでいます。

しかしビットエックスプロのメニューバーには現物取引以外にレバレッジを掛けた取引とか意味がよく分かりませんが「極速取引 (英語ではFast Trading)」といった複数の項目があります。そして現物取引以外の項目はクリックするとログインを求められる設定になっていてどんな取引が可能なのか不明です。最初に引用したYahoo知恵袋の投稿ではバイナリーオプションが出来るといった情報がありましたし、ビットエックスプロは単なる仮想通貨取引所ではなさそうです。

いずれにしろこのサイトでの取引は全く推奨出来ません。


●CoinsOK (コインズオーケー coinokbiter.com/dist/#/)

これは上で検証したビットエックスプロのサイトの画像から画像検索で見つかってきたサイトの1つです。もっと具体的にはビットエックスプロのサイトのマルチプラットフォーム対応であることを説明するパソコンとスマホの画面が映る画像を画像検索に掛けて見つかってきたサイトの1つです。これまでこのサイトでの投資を勧誘されたといった証言は見つかっていませんが後述するように非常に新しいサイトなのでこれからこのサイトへの勧誘が始まっていく可能性が高いと思われたので検証します。

まずURLアドレスが問題です。

>http://coinokbiter.com/dist/#/

暗号化されていることを示す「https」ではなく、暗号化非対応を示す「http」でURLアドレスが始まっています。これは例えば「検証72」のレモンコインの検証でも指摘していますが同じグループに属すると思われる一連の詐欺サイトにしばしば見られる特徴であり、仮想通貨取引所のサイトとして論外です。

次に以下がサイトの冒頭部のキャプです。

表示言語の選択肢は右上のプルダウンメニューに国旗のアイコンが見える中国語、英語、香港語、日本語となっています。但し例によって日本語表示を選択しても上のキャプでも確認出来るように中国語の部分がかなり残ります。サイトの運営者が中国系である可能性が高いことを示していると思われます。そしてこの冒頭部に続く部分には「検証63」以降で検証した一連のサイトに非常に頻繁に出てくる3つの特長をイラストと短文の組み合わせで説明する部分が出てきます。

この3つの特長を説明する部分は上で検証しているビットエックスプロのサイトでも登場しているので再掲した以下のキャプと比較してみれば分かりますがイラストも添えられている文章も互いにほぼ区別出来ません。

さらにこの部分に続いてはマルチプラットフォーム対応を説明するパソコンとスマホの画像が出てきます (以下のキャプ参照)。

元々このパソコンとスマホの画像検索で見つけてきたサイトなので当然ですが以下に再掲したビットエックスプロのサイトにある画像とテキスト部分との少し大小のバランスが変わっているぐらいで酷似しています。これらが同じグループによって量産されたサイトであることは間違いないと思います。

次に連絡先情報ですがわずかに以下のキャプに示した脚注の右端にメールアドレスが見つかりました。

しかしこのメールアドレス

>CoinsOK@gmail.com

は無料登録出来るgmailのアドレスです。マトモな仮想通貨取引所なら絶対にあり得ません。また住所、電話番号、運営者情報など何もありません。

そして連絡先情報を探してリンクを片端からクリックしていたら脚注左下にある「ユーザープロトコル」というページで以下のキャプに示した記述を見つけました。

活字が小さくて読みにくいので記述を書き出します。

>ユーザプロトコル

>Tebi Holdings Co.、Ltd.は、米国の関連法に従って米国で設立された会社であり、ウェブサイトhttp://www.Tebiglobal.com(以下、「このウェブサイト」または「ウェブサイト」と呼びます)を運営しています。サービス(「サービス」または「サービス」)プラットフォーム。お客様の権利と利益を保護するために、このWebサイトを登録または使用する前に、この契約条件の内容全体を読み、完全に理解してください。

ここにある記述はどうやらコインズオーケーに関する記述ではなく、Tebi Holdings Co.、Ltd.というアメリカの会社が運営する http://www.Tebiglobal.com というURLアドレスのサイトに関するもののようです。このURLアドレスにアクセスしてみるとtebiglobal (テビグローバル)というコインズオーケーと見かけが非常に似ているサイトであることが判明しました。このテビグローバルについては以下で検証しますがコインズオーケーのサイトはテビグローバルのサイトをテンプレートにして作られたということを意味していると思われます。

ちなみにコインズオーケーのサイトのWho Is情報を見ると以下のキャプに示したようにサイトの開設日 (Creation Date)が2020年8月22日となっています。この検証は2020年9月上旬に書いているのでまだ半月ほどしか経っていないことになります。

粗製乱造で多数の詐欺サイトを続々と立ち上げては閉鎖することを繰り返している為に明らかなミスが残っているということでしょう。

結論としてコインズオーケーは中国系の詐欺組織が量産した詐欺サイトの一角で間違いないと思われます。このサイトに勧誘されたとか出金出来なくなったといった報告はまだ確認されていませんが取引は絶対に避けるべきです。


●tebiglobal (テビグローバル www.tebiglobal.com/dist/#/)

●tebiglobal (テビグローバル mcpexchange.com/dist/#/)

●X-COIN (X-コイン www.x-coin.pro/dist/#/)

これらも明らかに同じグループによるサイトなのでまとめて検証します。まず1つ目のテビグローバルは上のコインズオーケーのサイトの検証の過程で見つけたサイトです。コインズオーケーのサイトの「ユーザープロトコル」というページに自称としてこのデビグローバルのURLアドレスが記されていたのですが、おそらくはデビグローバルのサイトをテンプレートにしてコインズオーケーのサイトを作る際に本来はコインズオーケーのURLアドレスで置き換えるべき部分をそのまま残してしまったということかと思われます。コインズオーケーと同じグループによるサイトの可能性が最初から濃厚ということで検証します。2つ目のテビグローバルは「検証78」で検証しているBitUP A (www.bitupa.com/#/home)というやはり同じグループに属すると思われるサイトからの画像検索で見つかってきたサイトで1つ目のテビグローバルと名前が同じであるだけでなく見た目もほぼ同じなのでここで追加で検証します。何故殆ど区別の出来ないサイトが2つ存在するのか意味が分かりません。存在に気が付いた順序としては表題の順なのですが以下のキャプに示した2つのサイトのWho Is情報を見るとサイトが登録されたのはそれぞれ2020年7月15日、2019年3月23日となっていて2番目のテビグローバルの方がずっと前からあるサイトのようです。

3つ目のX-コインは1つ目のテビグローバルの画像からの画像検索で見つかったサイトです。

まずURLアドレスです。

tebiglobal : http://www.tebiglobal.com/dist/#/

tebiglobal : https://mcpexchange.com/dist/#/

X-COIN : http://www.x-coin.pro/dist/#/

最初のテビグローバルと最後のX-コインのサイトのURLアドレスは「検証63」以降で検証している一連のサイトの検証でしばしば、例えば上のコインズオーケーの検証でも同じことを書いていますが暗号化されていることを示す「https」ではなく、暗号化非対応を示す「http」でURLアドレスが始まっていてこれだけで仮想通貨取引所のサイトとしてマトモなものとは思えません。

まず以下は順に2つのテビグローバル、X-コインのサイト冒頭部のキャプです。

2つのテビグローバルのサイトはこのサイト冒頭を見る限り、互いに全く違いが見つかりません。X-コインを含めた3つのサイトで右上のプルダウンメニューに国旗のアイコンが並んでいることで分かりますが表示言語の選択肢は中国語、英語、香港語、日本語となっています。

そして2つのテビグローバルのキャプは日本語表示、X-コインのキャプは英語表示を選んだ状態ですが中国語らしき部分が見られます。これらは中国系のサイトで間違いないでしょう。

この冒頭部に続いては一連の検証で散々登場しているイラストと短い説明分の組み合わせでサイトの特長を説明する部分が出てきます。以下は順に2つのテビグローバル、X-コインのサイトからのキャプですが全く区別出来ません。

またこの説明図はほぼ区別できないものが「検証63」で検証したHKEXというサイトで登場して以来、「検証69」で取り上げたモチベーテドなど、「検証72」で扱ったレモンコインなど、さらには上で検証したビットエックスプロやコインズオーケーのサイトなど多くのサイトでも確認されています。

さらにこの下にもまたお馴染みのマルチプラットフォーム対応を説明する部分が出てきます。X-コインのサイトについては元々1つ目のテビグローバルのこの部分にあるパソコンとスマホの操作画面の画像を画像検索に掛けて見つかってきたサイトなので当然でもあるのですが、この部分は3つのサイトで互いに酷似していますし、殆ど同じタイトルと画像の組み合わせが多数のサイトで確認されています。以下は順に2つのテビグローバル、X-コインのサイトからのキャプです。

次は3つのサイトの脚注部分のキャプです。

1つ目のテビグローバルの脚注には連絡先情報として唯一メールアドレスがあります。

>Tebiglobal@aol.com

このメールアドレスはアメリカのインターネットプロバイダー、AOLのアドレスです。一般個人用のメールアドレスならこれで問題ありませんが、仮想通貨取引所の連絡先情報として開示されているのがこれでは明らかに不適切です。2つ目のテビグローバルとX-コインについてはメールアドレスさえありません。互いに酷似した2つのテビグローバルのサイトで目につく違いはこの部分しかありません。右端にSNSのアイコンが幾つか並んでいるのが見えますが、この部分は単なる画像データーでリンクになっていません。

2つのテビグローバルについてはこの他にユーザープロトコルというページがあります。以下に1つ目のテビグローバルのユーザープロトコールのページ冒頭部のキャプを示しました。(2つめのテビグローバルについてはキャプを省略しますが全く同じに見えます。)

キャプでは読みにくいので冒頭の文章を書きだします。

>ユーザプロトコル

>Tebi Holdings Co.、Ltd.は、米国の関連法に従って米国で設立された会社であり、ウェブサイトhttp://www.Tebiglobal.com(以下、「このウェブサイト」または「ウェブサイト」と呼びます)を運営しています。サービス(「サービス」または「サービス」)プラットフォーム。お客様の権利と利益を保護するために、このWebサイトを登録または使用する前に、この契約条件の内容全体を読み、完全に理解してください。

この文章は予想された通り、コインズオーケーのユーザープロトコルのページにあった文章と全く同じです。上のコインズオーケーの検証を参照してください。テビグローバルのサイトをテンプレートにしてコインズオーケーのサイトを作ったことは間違いないでしょう。

結論として2つのテビグローバルもX-コインも中国の詐欺グループによる詐欺サイトの一角と考えられ、到底信用出来ません。取引は絶対に避けるべきです。


●CHAINBTC (チェーンBTC www.chainbtc.top/#/)

●RMIEX (www.rmiex.com/#/)

●77EX (www.77ex.info/#/)

これら3つのサイトはいずれも上で検証したテビグローバルのサイトにあった画像から画像検索して見つかってきたサイトで互いにかなり似ているのでまとめて検証します。勧誘されたとか被害に遭ったといった報告は確認されていませんが明らかに「検証63」以降で検証してきた中国系の詐欺サイトに属すると思われるので検証することにします。

まずそれぞれのサイトのURLアドレスです。

CHAINBTC : https://www.chainbtc.top/#/

RMIEX : https://www.rmiex.com/#/

77EX : http://www.77ex.info/#/

何故か分かりませんが「検証63」以降で検証してきた一連のサイトの多くに見られるようにURLアドレスに「#」が入っています。最後の77EXのURLは暗号化されていることを示す「https」ではなく、暗号化非対応のサイトであることを示す「http」で始まっていて仮想通貨取引所のURLアドレスとして論外と思われます。

次にサイト冒頭部のキャプを比較します。以下順にチェーンBTC、RMIEX、77EXからのキャプです。

3つのサイトには例えばメニューバーの項目が「コイン取引、法貨取引、Contracts、プロジェクト公示」の4つになっている点、右上に見えるプルダウンメニューに表示言語の選択肢を示す丸形の国旗アイコンが並んでいる点、一番下に仮想通貨の相場を示すウィンドウが並んでいる点など明らかな共通点が認められます。表示言語の選択肢も互いに似ていて中国語、英語、韓国語、日本語は3つのサイトで共通。RMIEXの場合のみこれに台湾語が加わっています。

さらにこの冒頭部に続く部分にはサイトの特長を3項目にイラスト付きでまとめた部分がありますが以下にチェーンBTC、RMIEX、77EXの順に並べたキャプで明らかなように全く区別出来ません。

そしてこれら3つのイラストと説明文でサイトの特長を説明している組み合わせは「検証63」で検証したOKEX COIN (OKEXコイン)のサイト「検証69」で取り上げたDIUというサイトで見られたものと全く同じです。以下はOKEXコインのサイトからのキャプですが全く違いが見つかりません。

また「検証63」OKEXコインの検証「検証69」DIUの検証でも指摘しましたが3つの特長を説明する文章の部分だけ見れば「検証63」で検証したHKEX、「検証69」で取り上げたモチベーテドなど、「検証72」で扱ったレモンコインなど、上で検証しているビットエックスプロ、コインズオーケー、テビグローバル、X-コインといったサイトで共通して確認されている3つの特長を説明する部分にある文章と全く同じではないにしろかなり似ています。例えばビットエックスプロとチェーンBTCで3つの特長を説明する文章部分だけを並べてみます。

最初の「Safe and trustworthy」という項目はタイトルも文章も大文字と小文字の違いが2ヶ所あるだけで完全に同じです。2項目目の「Global ecologocal layout」という項目はタイトルは同じでも文章は異なりますが、意味するところはやはり極めて似ています。3項目目はタイトルから「Customer first」と「User first」で異なりますけど「顧客最優先」という意味は同じです。使われている活字も似ていますし、やはり偶然似ているという域を超えていると思います。

次に再び画像の羅列になりますが、次は3つのサイトに共通して存在するマルチプラットフォーム対応を強調する部分の比較です。元々本項で検証している3つのサイトは上で検証したテビグローバルのサイトの相当部分から画像検索で見つかったサイトなので同じ画像があるのは当然なのですが、以下の順にチェーンBTC、RMIEX、77EXのサイトからのキャプを比較してみるとテキスト部分との配置なども含めて全く同じに見えます。

これら3つのサイトは単に同じグループによるサイトであるというだけでなく、同じテンプレートから作られていると考えるべきでしょう。

次に連絡先情報を探しましたが3つのサイトはいずれについても脚注部分にメールアドレスがあるだけで住所とか電話番号、運営者などについては開示が無いようです。右に上から順にチェーンBTC、RIMEX、77Eのそれぞれの脚注からメールアドレスが記されている部分のキャプを示します。

▼チェーンBTC

>business@chainbtc.top

>support@chainbtc.top

▼RIMEX

>RIMEX@gmail.com

>support@gmail.com

>mitooservice3@gmail.com

▼77EX

>business@77ex.info

>support@77ex.info

メールアドレスしか開示されていないというのは明らかに不充分であり、特にRIMEXのメールアドレスは無料登録出来るgmailのアドレスです。論外としか思えません。

連絡先情報とは言えませんがRMIEXの「RMIEXにてご紹介します」

活字が小さくて読みにくいので冒頭部のみ転記します。

>RMIによる

>RobinhoodMarketsInc.,略称Robinhood (RMI)は、アメリカ合衆国カリフォルニア州モンロパークに本社を置く金融サービス会社である。

>RMIは顧客の現金残高と保証金融資による利子で収益する。

>2018年10月、RMIは正式にブロックチェーン専門業務を設立し、主にプライベートブロックチェーン取引及び管理サービスを行い、デジタル通貨、信託基金、資産計画などの方面をカバーする。


日本語がよく分からない部分もありますが、運営元はアメリカのカリフォルニア州にあるRobinhood Markets Inc. (ロビンフッド・マーケッツ) という会社であるとなっています。確かにアメリカのカリフォルニア州にはRobinhood Markets Inc. という会社が存在しますが、これは新興のネット証券会社として知られている会社であり、公式サイト (robinhood.com/us/en/)は全く別です。実在する有名なネット証券会社の名前を語っているだけなのではないかと疑われます。

一方で連絡先情報に関連して77EXのWho Is情報を見ると以下のキャプのようになっています。

特に注目するべきは赤枠で囲った部分です。

>Registrant Organization: 曾祥明

>Registrant State/Province: 湖北

>Registrant Country: CN

登録団体名として中国の個人名と思われる曾祥明という名前が出ており、この登録者の所在地が新型コロナウイルスで有名になった武漢のある中国の湖北省であると書いてあります。この人物がどれほど77EXあるいは多数の同じグループによると思われる詐欺サイトの運営で重要な役割を担っているのかといったことまでは分かりませんが、少なくともアメリカのRobinhood Markets Inc. よりは真の運営元に近い情報である可能性が高いように思います。ちなみにこれまで検証してきた同じグループによると思われる多数の詐欺サイトの中で「検証69」で検証したモチベーテドとKimaxという2つのサイトでもWho Is情報に運営グループに関与している可能性のある中国人らしき名前とそのメールアドレスが確認されています。さらに「検証76」で検証したビットバンクの偽サイト「検証78」で検証しているORIONLBTというサイトでもWho Is情報の所在地情報として中国・湖北省が登場しています。特にORIONLBTというサイトは上で示した3つの特長をイラスト付きで説明する部分、マルチプラットフォームを説明する部分などで共通性があり、明らかに同じグループによるサイトと考えられます。それぞれの検証を参照してください。

最後に取引されている仮想通貨について触れておきます。以下はRIMEXと77EXで取引されている仮想通貨のリストです。(チェーンBTCについては検証を書いている間にサイトが閉鎖されてしまったようなのでやむなく省略。)

RMIEXでも77EXでもビットコイン (BTC)、イーサリアム (ETH)、イオス (EOS)、ライトコイン (LTC)、ビットコインキャッシュ (BCH)といったメジャーな仮想通貨が取引されています。しかしこのリストの中には全く聞きなれない、仮想通貨データーベースのCoinMarketCapで調べても全く情報が出てこない謎の仮想通貨があります。すなわちRMIEXで取引されているRMIという仮想通貨、77EXで取引されているDVPとMWSが謎の仮想通貨に相当します。厳密に言えばDVPという略号を割り振られている仮想通貨としてはDecentralized Vulnerability Platform (DVP)という仮想通貨がCoinMarketCapで見つかるのですが77EXで取引されているDVPとは相場が全く異なるので別物としか思えません。

そこでRMI、DVP、MWSという謎の仮想通貨のチャートを確認してみました。まずRMIEXで取引されているRMIのUSDT建て日足チャートです。

このチャートには「検証63」以降で検証してきた中国系の詐欺サイトの幾つかで見られる怪しげな仮想通貨のチャートの幾つかと共通するような不自然な部分が認められます。例えば「検証64」に書いたクリプトテンダーという取引所で取引されている複数の仮想通貨のチャートで指摘したことですが

1) ほぼ一方的な右肩上がりのチャートである。

2) 1日の中で始値より終値の高い陽線 (緑の棒グラフ) の割合が非常に高い。

3) 毎日の出来高がほぼ一定している。

といった特徴がRMIの日足チャートでも認められます。特に上ヒゲ、下ヒゲも殆ど見られない一方的な右肩上がりのチャートである点には強い違和感を感じます。

さらにこのチャートによれば直近では毎日、優に1000万枚以上、時としては1日に2000万枚を超えるRMIが取引されていることになっていますが、アクセス状況を解析出来るサイトでRMIEXのサイトへのアクセス状況を調べてみると以下のキャプに示した様に検出限界以下のアクセスしかありません。本当にこれだけの出来高があるかどうか極めて疑問です。

そしてRMIのチャートの下には右のキャプに示しましたがこのRMIという仮想通貨の基本情報が一応記されているように見えます。

2020年6月20日に発行されたとか総発行枚数が2億1000万枚であるとか現在流通しているのは1億1631万枚余りであるとか、新規売り出し時の価格が0.3 ドル (?)であったといったことが書いてあります。そして右のキャプの一番下には3つのリンクが並んでいて「Official website」「White paper」「Block Explorer」と書いてあります。当然RMIという謎の仮想通貨の公式サイトやホワイトペーパーが用意されているものだと思ってこれらのリンクをクリックしてみましたが驚いたことに3つのリンク先は全く別の仮想通貨の関連サイトになっていました。リンクのURLをまとめます。

Official website : https://ethereumclassic.github.io/

White paper : https://www.stellar.org/papers/stellar-consensus-protocol

Block Explorer : https://dashboard.stellar.org/

最初のオフィシャルサイトのリンク先はイーサリアムクラシックというメジャーな仮想通貨の公式サイトのようです。次のホワイトペーパーのリンク先もStellar (ステラ) という別の仮想通貨の公式サイト、最後のブロックエクスプローラーというリンクもステラの関連サイトに繋がっています。全く話になりません。

次に77EXで取引されているDVP、MWSについてやはりUSDT建て日足チャートを以下に示します。

理由が全く分かりませんがこれら2つの仮想通貨については2、3日分のチャートしか表示されません。しかもよく見ると2019年12月の10日、14日、22日という不連続の3日分のデーターしかないようです。2019年12月の3日間だけに限って取引が行われ、その後は上場廃止になったのでしょうか?上場廃止になるにしてもあまりにも早急な上場廃止としか思えませんし、2つの仮想通貨が共に同じ時期にだけ取引されていたという状況には強い違和感があります。

以上の検証結果からまとめるとここで検証したチェーンBTC、RMIEX、77EXという3つのサイトはいずれも中国系の詐欺サイトである可能性が極めて濃厚としか思えません。そして既に書きましたがこの検証を書いていた2020年9月上旬にチェーンBTCのサイトは何の告知もなく突然閉鎖されたようです。マトモな仮想通貨取引所のサイトが何の告知もなく閉鎖されるなどということは考えられません。突然閉鎖されたことでチェーンBTCが詐欺目的のサイトであったことを証明しているようなものでしょう。これらの取引所での取引は絶対に推奨出来ません。