検証90

本ページで取り上げるサイトはいずれも仮想通貨取引所 (暗号資産交換業者) に該当すると思われますが、いずれも日本の金融庁が公表している暗号資産交換業者の登録リストに該当がありません。また少なくとも一部のサイトについて日本人に向けた勧誘が行われている実態や被害報告が確認されていて単に無登録の違法業者であるというだけでなく、詐欺目的で立ち上げられたサイトである疑いが極めて濃厚と考えられます。

▼本サイトでの検証は名誉棄損に当たらないと考えます。→ 雑記1

「検証63」「検証64」「検証65」「検証66」「検証67」「検証68」「検証69」「検証70」「検証71」「検証72」「検証73」「検証74」「検証75」「検証76」「検証77」「検証78」「検証79」「検証80」「検証81「検証82「検証83「検証84「検証85「検証86」「検証87「検証88「検証89で検証してきたTinderを始めとするマッチングサイト (出会い系サイト) やSNSで外国人による勧誘が行われているという共通点がある一連の詐欺仮想通貨取引所のサイトについての検証28ページ目です「検証91「検証92「検証93「検証94「検証95「検証96「検証97「検証98「検証99「検証100「検証101「検証102「検証103「検証104「検証105「検証106「検証107「検証108「検証109「検証110「検証111「検証112」「検証113」「検証114」「検証115」「検証116」「検証117」「検証118」「検証119」「検証120」「検証121」「検証122」「検証123」「検証124」「検証125」「検証126」「検証127」「検証128」「検証129」「検証130」「検証131」「検証132」「検証133」「検証134」「検証135」「検証136」「検証137」「検証138」「検証139」「検証140」「検証141」「検証142」「検証143」「検証144」「検証145」「検証146「検証147」にも続編があります。勧誘の手口などについては「検証63」の最初に書いてあるので参照してください。本ページでは以下互いに非常に似通った15個のサイトを検証します。15個のサイトの中には非常にややこしいのですがMailiエクスチェンジ、Yatifエクスチェンジ、Baderエクスチェンジがそれぞれ2つずつ含まれています。10個のサイトも互いに似ているのですが、サイト名が同じサイトはさらに互いによく似ています。但しURLアドレスは異なるので別個のサイトです。


●Maili Exchange (Mailiエクスチェンジ www.mailiex.com/)

●Yatif Exchange (Yatifエクスチェンジ www.yafitexchange.com/)

●Yatif Exchange (Yatifエクスチェンジ yafitexchange.site/index.html)

●Pilot Pro Exchange (パイロットプロエクスチェンジ pilotproex.site/index.html)

●Bader Exchange (Baderエクスチェンジ www.baderexchange.com/index.html)

●Bader Exchange (Baderエクスチェンジ baderex.site/index.html)

●AXI Exchange (AXIエクスチェンジ www.axiexchange.net/index.html)

●Golden Core (ゴールデンコア goldencoreex.com/)

●Maili Exchange (Mailiエクスチェンジ bjasrfhse.xyz/index.html)

●SGX (jxmstc.com/)

●NASDAQ (ナスダック www.nasdaqsvip.com/index.html)

●IdealCoinEX (アイディアルコインEX www.idealcoinex.com/index.html)

●IdealCoinEX (アイディアルコインEX znshuwang.site/index.html)

●IDEEX (www.idevip.net/home.html)

●Coster (コースター www.costerexchange.com/index.html)


まず以下の8つのサイトをまとめて検証します。

●Maili Exchange (Mailiエクスチェンジ www.mailiex.com/)

●Yatif Exchange (Yatifエクスチェンジ www.yafitexchange.com/)

●Yatif Exchange (Yatifエクスチェンジ yafitexchange.site/index.html)

●Pilot Pro Exchange (パイロットプロエクスチェンジ pilotproex.site/index.html)

●Bader Exchange (Baderエクスチェンジ www.baderexchange.com/index.html)

●Bader Exchange (Baderエクスチェンジ baderex.site/index.html)

●AXI Exchange (AXIエクスチェンジ www.axiexchange.net/index.html)

●Golden Core (ゴールデンコア goldencoreex.com/)

これら8つのサイトは互いによく似ており、同じグループによって運営されていると思われるサイトです。さらにこれらのサイトは「検証89」で検証したIG Markets (IGマーケッツ www.igmarketsex.com/)など11個のサイトと明らかに似ている部分があり、それらのサイトとも同じグループに属するサイトである可能性が高いです。以下、IGマーケッツなどのサイトと比較を加えながら検証します。

まず最初のMailiエクスチェンジと2番目のYatifエクスチェンジについてはYahoo知恵袋に質問が出てきたことで知ったサイトです。3番目、もう一つのYatifエクスチェンジのサイトは「Yatif Exchange」を検索して見つかったサイト、残りの5つのサイトは画像検索で見つかってきた関連サイトです。まずはこれらのサイトを見つける端緒になったYahoo知恵袋への質問投稿を引用します。

2021年1月15日投稿 (Mailiエクスチェンジに関する投稿)

この投稿では信頼出来るサイトかどうかというだけで残念ながら質問の背景は全く説明されていません。

2021年3月2日投稿 (Yatifエクスチェンジに関する投稿)

こちらは最近知り合ったシンガポール出身の人物に勧誘されたとなっていますがそれ以上の情報はありません。これらの情報だけでは「検証63」の冒頭にまとめたような中国系の詐欺グループによるサイトと判断するのは難しいと思われましたが、これら2つのサイトにアクセスしてみると互いに非常に似ていること、さらに画像検索で非常によく似たサイトが見つかってきたこと、そして「検証89」で検証した既に被害報告が出ているサイトとも似ている部分が見つかったことなどからやはりこれらも中国系の詐欺サイトである可能性が高いと判断してここで検証します。

まず表題と同じMailiエクスチェンジ(www.mailiex.com/)、Yatifエクスチェンジ (www.yafitexchange.com/)、Yatifエクスチェンジ (yafitexchange.site/)、パイロットプロエクスチェンジ、Baderエクスチェンジ (www.baderexchange.com/)、Baderエクスチェンジ (baderex.site/)、AXIエクスチェンジ、ゴールデンコア の順でサイト冒頭部のキャプを示します。

表示対応言語は8つのサイトに共通して英語と香港語、さらに2つのYatifエクスチェンジとパイロットプロエクスチェンジ、AXIエクスチェンジ、ゴールデンコアの5つのサイトについては中国語での表示も可能になっています。日本語表示にはいずれも対応していません。そして8つのサイトは互いに非常によく似ていることが分かると思います。実際問題、左上のロゴがなければほぼ区別不能です。またこれら8つのサイトを見てすぐに気が付きましたがこの冒頭部は「検証89」で検証したIGマーケッツ、ICマーケッツ、FXCM、OKEビット、コインチェック (ウィートレード) といったサイトと似ている部分があります。以下にIGマーケッツのサイト冒頭部のキャプを再掲します。

背景画像などは全く異なるのですが、メニューの項目名とかその並び、スライドショー形式で3つの背景画像が入れ替わるのと同調してキャプ範囲の下部に並んでいる3つの四角形が順にハイライトされる形式などが似ているのです。

さらにIGマーケッツなどのサイトと本項で検証している8つのサイトの類似点はこれだけではありません。この冒頭部の直下に8つのサイトに共通してサイトの機能を説明し、アプリをダウンロードするリンクが用意された部分があります。この部分のキャプ画像をこれも表題と同じMailiエクスチェンジ、Yatifエクスチェンジ (www.yafitexchange.com/)、Yatifエクスチェンジ (yafitexchange.site/)、パイロットプロエクスチェンジ、Baderエクスチェンジ (www.baderexchange.com/)、Baderエクスチェンジ (baderex.site/)、AXIエクスチェンジ、ゴールデンコア の順で並べてみます。

8つのサイトのキャプを比べるとスマホの画像の部分は多少の違いも見られますが、左側のテキスト部分やアプリダウンロードのリンクの表示形式、さらにはスマホ画面の向こう側に見えるパソコンあるいはタブレット画面のチャートなど互いに非常に似ています。そしてこの部分は「検証89」で検証したIGマーケッツ、ICマーケッツ、FXCM、OKEビット、コインチェック (ウィートレード) といったサイトにあった相当部分と極めてよく似ています。以下にIGマーケッツのサイトのキャプを再掲します。

タイトルは「Start Your Cryptocurrency Journey Today」で全く同じですし、左側のテキスト部分も全く同じ文章です。上に並べたキャプではテキスト部分の活字が小さくなって比較しにくいのでMailiエクスチェンジとIGマーケッツの場合のみテキスト部分を拡大して比較します。左下がMailiエクスチェンジのテキスト部分のみの拡大、右下がIGマーケッツのテキスト部分のみの拡大ですが全く同じです。

この部分に続いては8つのサイトに共通してブロックチェーンに関する記述が出てきます。以下はMailiエクスチェンジのサイトからのキャプですが、本項で検証している8つのサイトに共通して全く同じイラストとテキストの組み合わせがあります。(他の7つのサイトについてはキャプを省略。)

一方で「検証89」で検証したIGマーケッツ、ICマーケッツ、FXCM、OKEビット、コインチェック (ウィートレード) といったサイトにもブロックチェーンについて説明する部分があります。以下はIGマーケッツからのキャプの再掲ですが一見してこの部分についてはMailiエクスチェンジのサイトと似ているようには見えません。

しかしよく見るとイラスト部分や背景色は全く異なっていてもテキスト部分については全く同じであることが分かりました。タイトルは「Blockchain Technology Development (ブロックチェーン技術の発展)」で全く同じですし、4つのイラストの下にある文章も同じです。例えば左下はMailiエクスチェンジのサイトの第一項目 (Blockchain Wallet Development)のテキスト部分の拡大図、右下はIGマーケッツの第一項目のテキスト部分拡大図です。テキスト部分は全く同じあることが分かります。

さらに「検証89」で検証したIGマーケッツなどのサイトとの類似性はそれぞれのサイトの「About Us」のページでも認められます。「About Us」のページについてもキャプ画像をこれも表題と同じMailiエクスチェンジ、Yatifエクスチェンジ (www.yafitexchange.com/)、Yatifエクスチェンジ (yafitexchange.site/)、パイロットプロエクスチェンジ、Baderエクスチェンジ (www.baderexchange.com/)、Baderエクスチェンジ (baderex.site/)、AXIエクスチェンジ、ゴールデンコアの順で以下に列記していくことにします。まずMailiエクスチェンジの「About Us」です。

このMailiエクスチェンジの「About Us」に書いてある文章や連絡先情報は「検証89」で検証した2つのICマーケッツおよび2つのOKEビットのサイトに書いてあった文章や連絡先に酷似しています。検索しても何の情報も見つからないMylayグループに属しているとか従業員が3300人以上いるといった記述は全く同じです。連絡先情報も

▼Mailiエクスチェンジ:

>Address: 55 Water St, New York, NY 10041 United States

>Phone: +1 (716) 2379398

>Email: merai.service@gmail.com

▼ICマーケッツ:

>Address: 55 Water St, New York, NY 10041 United States

>Phone: +1 520 3793768

>Email: merai.service@gmail.com

となっていて住所と無料登録できるgmailのアドレスは全く同じ。違うのは電話番号だけです。従業員3300人という大企業がフリーのgmailのアドレスなど使うはずがなく記述は全く信用出来ません。

次は2つのYatifエクスチェンジの「About Us」を示します。

2つのYatifエクスチェンジのサイトはこの「About Us」の部分でも互いに全く同じです。Yatifの本社はニューヨークにあり、欧州やアジア太平洋地域に18のオフィスがあって5000人以上の従業員がいるといったことが書いてありますが連絡先情報はニューヨークの1ヵ所しか記されていません。そのニューヨークの住所を含む連絡先

>Address: Solow Building, 9 West 57th Street, New York

>Phone: 16312906089

>Email: yafit.service@gmail.com

を見ると住所になっているSolow Building (ソロービルディング)は50階建ての超高層ビルであり、階数とか部屋番号のない住所は不完全な住所としか思われません。またここでも無料登録できるgmailのメールアドレスが記されていますが、ニューヨークの高層ビルに本社を置き、従業員5000人以上という大企業がフリーメールのアドレスを連絡先とするなど有り得ないです。全く信用出来ません。

次はパイロットプロエクスチェンジの「About Us」です。

パイロットプロの場合は従業員何千人とか世界中にオフィスがあるといった記述はありません。連絡先情報は以下のようになっています。

>Phone: +1 (571) 4750460

>Email: pilotproex@outlook.com

>Address: 1701 John F. Kennedy Blvd Philadelphia, Pennsylvania 19103 USA

住所はアメリカのフィラデルフィアとなっており、調べてみるとこの住所はComcast Center (コムキャストセンター) という58階建ての超高層ビルの住所となっています。やはり階数とか部屋番号がないのは不完全な住所としか思われません。英語版Wikipediaにはこのコムキャストセンターのテナント情報がありますが、主要テナントであるケーブルテレビ会社、Comcast (コムキャスト)以下のテナント情報の中にパイロットプロ社の名前は出てきません。またメールアドレスはOutlook.comというマイクロソフトが提供する無料のメールアドレスになっており、やはり信頼のある金融機関のメールアドレスとは思えません。

次は2つのBaderエクスチェンジのサイトの「About Us」です。

2つのBaderエクスチェンジのサイトの「About Us」にある記述は完全に同じです。そしてここにある「As a global leader」で始まる文章は「検証89」で検証した2つのICマーケッツおよび2つのOKEビットのサイトに書いてあった文章、さらには上に示したMailiエクスチェンジのサイトにあった文章とほぼ同じです。異なるのは他のサイトにあった文章ではMylay Groupに属しているとあったのに対してこのBaderエクスチェンジのサイトの文章では「Mylay」というグループの固有名詞が抜けている点だけです。以下に最初の文章のみ示します。

▼Mailiエクスチェンジの記述

>As a global leader in the AI smart block-chain industry, Mylay Group’s digital asset trading platform is one of the service providers with the largest number of compliance licenses in the world.

▼Baderエクスチェンジの記述

>As a global leader in the AI smart block-chain industry, Group’s digital asset trading platform is one of the service providers with the largest number of compliance licenses in the world.

Baderエクスチェンジの「About Us」には住所、電話番号といった連絡先情報は何もありません。

次はAXIエクスチェンジの場合です。

AXIエクスチェンジの場合には本社がロンドンにあるとなっていますが住所、電話番号、メールアドレスといった連絡先情報は全く示されていません。本社がロンドンとなっているのでイギリスの法人登録を探しましたが該当は見つかりません。

最後はゴールデンコアの「About Us」を示します。

「As a global leader」で始まる文章は「検証89」で検証した2つのICマーケッツおよび2つのOKEビットのサイトに書いてあった文章、さらには上に示したMailiエクスチェンジや2つのBaderエクスチェンジのサイトにあった文章とほぼ同じです。異なるのは最初に文章に書かれている所属するグループ名がGoldenCore Groupとなっている点だけです。最初の文章をMailiエクスチェンジの場合と比較します。

▼Mailiエクスチェンジの記述

>As a global leader in the AI smart block-chain industry, Mylay Group’s digital asset trading platform is one of the service providers with the largest number of compliance licenses in the world.

▼ゴールデンコアの記述

>As a global leader in the AI smart block-chain industry, GoldenCore Group’s digital asset trading platform is one of the service providers with the largest number of compliance licenses in the world.

それ以外には他のサイトに繰り返し出てくる世界各地に子会社や関連会社があって従業員が3300人以上とか世界130ヵ国以上からの数千万人の顧客を抱えているといった記述がコピペされています。住所、電話番号、メールアドレスといった連絡先情報は何もありません。

要するに8つのサイトの「About Us」を調べてみると同じ文章が使い回されたり、明らかに同じグループと思われるのに住所がバラバラでしかも不完全だったり、メールアドレスがフリーメールのアドレスというおよそ有り得ない状況だったり、そもそも連絡先情報が全く記されていなかったりで全く信頼できません。そこで例によって各サイトのWho Is情報を確認してみました。例えば以下はMailiエクスチェンジのサイトのWho Is情報です。

このWho Is情報でまず黄色の枠で囲った部分にサイトの登録・開設日が記されていますが2020年11月13日となっています。この検証は2021年3月頭に書いているのでまだ開設から3ヵ月半という新しいサイトであることが分かります。そして赤枠で囲った部分に登録者の所在地情報があるのですが、シンガポールを意味するSGとあるだけです。State/Province (州) という欄にMan GuとあるのですがシンガポールにMan Guという地名があることを確認出来ません。これは中国系の人名なのではないかと思われます。

他のサイトについてもWho Is情報にあるサイトの開設日と登録者の所在地情報を確認して以下にまとめました。

サイト名 開設日 所在地

Mailiエクスチェンジ (www.mailiex.com/) 2020年11月13日 シンガポール

Yatifエクスチェンジ (www.yafitexchange.com/) 2020年12月2日 香港

Yatifエクスチェンジ (yafitexchange.site/) 2020年12月2日 香港

パイロットプロエクスチェンジ (pilotproex.site/) 2020年11月13日 シンガポール

Baderエクスチェンジ (www.baderexchange.com/) 2020年11月30日 香港

Baderエクスチェンジ (baderex.site/) 2020年11月30日 香港

AXIエクスチェンジ (www.axiexchange.net/) 2021年2月19日 ブラジル・バイーア州

ゴールデンコア (goldencoreex.com/) 2020年11月12日 シンガポール


いずれもかなり新しいサイトであることが分かります。また同じグループによる可能性が高いサイトなのに所在地はシンガポールと香港、さらにはブラジルといったサイトもあって全く信用出来ません。さらにアクセス状況も調べてみましたがいずれのサイトも訪問者数は検出限界以下あるいは非常に少ないようです。例えば以下はMailiエクスチェンジのサイトへのアクセス解析の結果ですが検出限界以下のアクセスしかないという結果になります。

実際問題検出限界以上のアクセスが認められたのはゴールデンコアのサイトだけです。以下がゴールデンコアのサイトへのアクセス解析の結果ですが1日平均の独立訪問者数が148人という結果です。

Mailiエクスチェンジやゴールデンコアのサイトの「About Us」には3300人の従業員を抱えているとか世界130ヵ国に数千万人の顧客がいるといった文章があることを指摘しましたがアクセス解析の結果と全く合いません。「About Us」の記述はでたらめデタラメとしか思われません。

次にそれぞれのサイトで取引されている仮想通貨について触れておきます。しかしMailiエクスチェンジとパイロットプロエクスチェンジのサイトでは取引されている仮想通貨全てのリストやリアルタイムのチャートなどを見ることが出来ない設定になっているので残りの6つのサイトについてのみまとめます。まず2つのYatifエクスチェンジのサイトで取引されている仮想通貨のリストを以下に示します。

2つのYatifエクスチェンジで取引されている仮想通貨は同じ13種類です。その13種類の仮想通貨の中で上から2番目、ビットコイン(BTC)の次にYAFCという耳慣れない仮想通貨があります。このYAFCという仮想通貨については仮想通貨データーベースのCoinMarketCapでも情報がない謎の仮想通貨です。

次はやはり2つのサイトが併存しているBaderエクスチェンジで取引されている仮想通貨のリストです。

やはり13種類の仮想通貨が取引されており、上から2番目にBEDBという聞き慣れない仮想通貨があります。このBEDBという仮想通貨についても仮想通貨データーベースのCoinMarketCapで情報が見つかりません。

最後はAXIエクスチェンジとゴールドコアで取引されている仮想通貨リストです。

2つのYatifエクスチェンジ、2つのBaderエクスチェンジでは13種類の仮想通貨が取引対象になっていましたがAXIエクスチェンジでは14種類の仮想通貨が取引されています。そして左上のリストの上から4番目のAXIと一番下にあるNKNという仮想通貨はCoinMarketCapで情報が見つからない謎の仮想通貨です。

右上のキャプに示したゴールデンコアのサイトで取引されている仮想通貨リストは13種類で上から2番目にGDQという聞き慣れない仮想通貨があります。このGDQについてもCoinMarketCapに登録がないようです。

こうした仮想通貨は取引所独自の仮想通貨である可能性が高いと思われますがそれ以上の情報は見つかりません。とにかくそれらの仮想通貨についてチャートを確認してみました。まず2つのYatifエクスチェンジで取引されているYAFCという仮想通貨のUSDT建て日足チャートを以下に示します。

2つのサイトでのYAFCのチャートは互いに区別出来ません。

次は2つのBaderエクスチェンジのサイトで取引されているBEDBという仮想通貨のUSDT建て日足チャートを示します。

このBEDBという仮想通貨のチャートでも2つのBaderエクスチェンジのチャートで違いが見つかりません。BEDBの値動きを示すローソク足チャートだけでなく、出来高を示す下の棒グラフも全く同じです。

次はAXIエクスチェンジで取引されているAXIとNKNのUSDT建て日足チャートを示します。

何故か理由は全く分かりませんがAXIという仮想通貨のチャートは完全に空白です。現在の相場は示されているのにチャートが出ないというのは意味が分かりません。何かチャートを示せない理由があるのでしょうか?一方のNKNについては何の問題もなくチャートが出てきます。

最後はゴールデンコアのサイトで取引されているGDQという仮想通貨のUSDT建て日足チャートです。

これら取引所独自と思われる仮想通貨のチャート自体には特に違和感はありません。しかし既に指摘したようにこれらのサイトはいずれも非常に新しいサイトであり、訪問者数が非常に少ないことが分かっています。最も訪問者の多いゴールデンコアのサイトでも1日平均の独立訪問者が148人という閑散ぶりなのにローソク足がきちんと並ぶほど取引が実際に成立しているのかどうかについては疑問を感じざるを得ません。上のチャートでは出来高情報の目盛りが見えないので毎日の出来高が分からないのですがマウスをチャートの上に持ってくると以下のキャプに示したように出来高情報が出てきます。

ゴールデンコアのサイトで取引されているGDQの場合、直近で最も出来高が大きかった2021年2月24日には実に1726万枚以上のGSQが1日で取引されたことになっています。この日のGDQは最安値で1枚6ドル強で取引されていますから金額で考えると1日でこのGDQという聞き慣れない仮想通貨の取引だけで1億ドル以上のお金が動いたことになります。さらに以下は同じGDQの5分足チャートです。

5分足チャートで見てもGDQは間断なく取引が成立していることになっています。

サイトへの訪問者数が1日に平均148人というサイトでこれだけ間断なく取引が成立しているというのは極めて非現実的としか思えません。これらのチャートは現実の取引を反映しているものではなく、架空のチャートではないかと強く疑わざるを得ません。

結論としてここで検証した8つのサイトはいずれも全く信用出来ません。これらのサイトでの投資を勧誘されても決して応じないことを強く推奨します。


●Maili Exchange (Mailiエクスチェンジ bjasrfhse.xyz/index.html)

●SGX (jxmstc.com/)

これら2つのサイトは上の8つのサイトの検証を書き終わった後で存在に気が付いたサイトで明らかに上の8つのサイトと酷似しており、コピペで作られたサイトです。最初にMailiエクスチェンジに至ってはこのページで最初に検証したMaili Exchange (Mailiエクスチェンジ www.mailiex.com/)と名称さえ同じで異なるのはURLアドレスだけではないかと思われるほどです。同じようなキャプ画像や文章を繰り返すばかりでは仕方がないので簡単に検証します。まず2つのサイトの冒頭のキャプを示します。

表示言語の選択肢はMailiエクスチェンジ (bjasrfhse.xyz)が英語と香港語のみ、SGXが英語、香港語、中国語の3つです。さらにサイトの機能を説明し、アプリをダウンロードするリンクが用意された部分についてもキャプを示します。

この部分は2つのサイトで全く同じに見えます。上で検証したMailiエクスチェンジ(www.mailiex.com/)のサイトの相当部分と比較しても全く同じに見えます。次いで2つのサイトの「About Us」の部分のキャプを示します。まずMailiエクスチェンジ (bjasrfhse.xyz)の「About Us」のキャプです。

ここにある記述は上で検証したMailiエクスチェンジ(www.mailiex.com/)のサイトの「About Us」にある記述と全く同じです。従業員が3300人、世界130ヵ国から数千万人の顧客を獲得しているとありますが後述するようにこのサイトへのアクセスは非常に少なく、到底信用出来ません。さらに連絡先情報がありますがニューヨークの住所は不完全ですし、メールアドレスは無料で使えるgmailのアドレスとなっていてまともな仮想通貨交換業者の連絡先とは思えません。

もう一つのSGXの「About Us」についてもキャプを示します。

まずロゴですが左に示したSingapore Exchange (シンガポール証券取引所 https://www.sgx.com/) のロゴを真似たものではないかと思われます。

さらに記されている文章は2つのMailiエクスチェンジや2つのBaderエクスチェンジのサイトの場合などと同じで3300人もの従業員や世界130ヵ国からの数千万人の顧客を抱えているといったことが書いてありますが後述するようにこのサイトの場合もアクセス数は非常に少なく、到底信用出来ません。さらに連絡先情報は全く開示されていないという論外の状況になっています。

次に2つのサイトのWho Is情報を示します。まずMailiエクスチェンジ (bjasrfhse.xyz) のWho Is 情報です。

黄色の枠で囲った部分にあるサイトの登録・開設日は2021年1月27日となってい手やはりかなり新しいです。赤枠で囲った部分にある連絡先情報は登録機関名が「Ydhex」、所在地が香港のバンコックという意味不明の記述になっています。

次はSGX (jxmstc.com/)のWho Is 情報です。

サイトの登録・開設日は2005年6月28日となっていてこのページで検証している10個のサイトの中ではとびぬけて古いサイトということになります。しかしビットコインの使用開始が2009年ですから2005年に仮想通貨取引所が開設されていたとは思えません。これは以前は他の目的で使われていたサイトが閉鎖された後でドメインネームを買い取ったものなのかもしれません。そして所在地ですが組織名など多くの情報が公開されておらず、所在地についてはわずかに地域名がHA, 国名がCNと書いてあります。国名のCNは中国だと思われるのですが地域名のHAは何のことか不明です。中国の行政区分一覧を見てもHAに当てはまりそうなものがありません。

次にそれぞれのサイトへのアクセス数解析の結果を示します。以下、Mailiエクスチェンジへのアクセス数SGXへのアクセス数の順でキャプを示します。

要するにいずれのサイトでもアクセス数は検出限界以下です。「About Us」の項目にあった従業員3300人とか世界130ヵ国から数千万人の顧客を抱えているといった記述はデタラメとしか思えません。

結論としてこれら明らかにコピペで量産されている2つのサイトが信頼出来るものとは到底思えません。これらのサイトについてはまだ勧誘されたとか出金出来なくなったといった証言は確認されていませんが、勧誘されても取引することは絶対に避けるべきです。


●NASDAQ (ナスダック www.nasdaqsvip.com/index.html)

●IdealCoinEX (アイディアルコインEX www.idealcoinex.com/index.html)

●IdealCoinEX (アイディアルコインEX znshuwang.site/index.html)

●IDEEX (www.idevip.net/home.html)

●Coster (コースター www.costerexchange.com/index.html)

これら5つのサイトも上で検証した10個のサイトと酷似しているのでここで検証します。最初のナスダックというサイトはYahoo知恵袋に質問が出てきたサイトで他の4つのサイトは画像検索で見つけてきたサイトです。まずナスダックというサイトに関するYahoo知恵袋への投稿を引用します。

2021年4月17日投稿

SNSで知り合った女性に勧誘されたとあるだけであまり詳しい状況は分かりませんが既に出金出来なくなっているようです。とにかく「nasdaqvip.com」というドメイン名から検索して見つけてきたサイトの冒頭部のキャプを以下に示します。

表示対応言語は英語、中国語、香港語の3つです。説明するまでもなく上で検証した10個のサイトと酷似したサイトであることが分かりました。さらに同じテンプレートから作られたサイトが再び増えていることが判明したので画像検索してみると表題に示した4つのサイトが見つかってきました。以下に画像検索で見つかってきたサイトの冒頭部のキャプを表題と同じアイディアルコインEX (www.idealcoinex.com/index.html) → アイディアルコインEX (znshuwang.site/index.html) → IDEEX → コースターの順で示します。

いずれのサイトも表示言語の選択肢は英語、中国語、香港語の3つです。いずれも上で検証してきた10個のサイトと左上のロゴの部分を除いて全く同じです。さらにこれら5つのサイトが上で検証してきた10個のサイトと酷似しているのはこの冒頭部分だけではありません。上で検証した10個のサイトについてもキャプを示したサイトの機能を説明し、アプリをダウンロードするリンクが用意された部分についても表題と同じナスダック → アイディアルコインEX (www.idealcoinex.com/index.html) → アイディアルコインEX (znshuwang.site/index.html) → IDEEX → コースターの順で以下にキャプを示します。

中央に見えるスマホ画面の部分に細かいバリエーションが見られますがこの部分についても5つのサイトは互いに酷似しているだけでなく、上で検証対象とした10個のサイトにも酷似していることが分かります。

次いで5つのサイトについて「About Us」の部分のキャプを示していきます。まずナスダックのサイトの「About Us」を以下に示します。

まずロゴですがこれはアメリカの証券取引所であるNASDAQ (www.nasdaq.com/) のロゴ (左のキャプ参照)を盗用したものと思われます。

連絡先情報は何もありません。

そしてここにある「As a global leader」で始まる文章は「検証89」で検証した2つのICマーケッツおよび2つのOKEビットのサイトに書いてあった文章、さらには上に示した2つのMailiエクスチェンジや2つのBaderエクスチェンジのサイトにあった文章とほぼ同じです。以下に示すIDEEXの「About Us」にも全く同じ文章があります。3300人以上の従業員がいるとか世界130ヶ国から数千万人単位の顧客を抱えているといったことが書かれていますが後述するようにサイトは2021年3月に立ち上げられたばかりであり、アクセスは非常に少ないことなどから記述内容を信用出来るとは思えません。

次は2つのアイディアルコインEXのサイトの「About Us」を示します。

2つのアイディアルコインEXのサイトにある記述は全く同じです。「After 3 years of hadr work」から始まる文章は上で検証した2つのYatifエクスチェンジのサイトの「About Us」にあった文章と非常によく似ています。

▼2つのアイディアルコインEXのサイトのAbout Usの文章

>After 3 years of hard work, KKR Investment Fund successfully acquired IdealCoinEX and established the IdealCoinEX blockchain trading platform. In addition to the headquarters in New York, IdealCoinEX also opened 18 offices in the United States, Europe and the Asia-Pacific region, with more than 5,000 employees With employees in the office, IdealCoinEX will build trustworthy, regulatory compliance, obtain the digital asset exchange compliance licenses of the Ministry of Finance and the Financial Services Department of each country, and bring a safe, smooth and reliable trading environment to all members around the world.

▼2つのYatifエクスチェンジのAbout Usの文章

>After 3 years of hard work, KKR Investment Fund successfully acquired Yafit and established the Yafit blockchain trading platform. In addition to the headquarters in New York, Yafit also opened 18 offices in the United States, Europe and the Asia-Pacific region, with more than 5,000 employees With employees in the office, Yafit will build trustworthy, regulatory compliance, obtain the digital asset exchange compliance licenses of the Ministry of Finance and the Financial Services Department of each country, and bring a safe, smooth and reliable trading environment to all members around the world.

要するに太字で強調したそれぞれのサイトの名称の部分を入れ替えただけで全く同じ文章です。本社はニューヨークにあり、欧州やアジア太平洋地域に18のオフィスがあって5000人以上の従業員がいるといったことが書いてありますが住所はUpper Manhattan (アッパーマンハッタン)という漠然とした住所しか示されていません。その他には「Email: Contact Us」とだけ記されていて「Contact Us」の部分はリンクになっていますがそのリンク先に記されているのは2つのアイディアルコインEXのサイトのいずれの場合でも以下のキャプに示したメールアドレスが1つだけです。

しかもこのメールアドレス

>idealcoing@gmail.com

は無料登録できるgmailのメールアドレスです。仮想通貨取引所の連絡先がフリーメールのアドレスなんて明らかにまともではありません。

次は IDEEXのサイトの「About Us」にある記述です。

ここにある文章はナスダックのサイトにあった文章と全く同じです。やはり3300人以上の従業員、世界130ヶ国から数千万人単位の顧客といったことが書いてありますが後述するようにサイトへのアクセスは非常に少なく、到底信用出来ません。

最後はコースターのサイトの「About Us」の記述を示します。

このサイトではアメリカ・ニューヨークとカナダ・エドモントンの2ヵ所の住所と電話番号が1つが記されています。

>1500 Broadway, new york, USA, new york 10036

>4208-97th Street, AB T6E 5Z9, Edmonton, Canada

>+1(607)300-9919

まずニューヨークの住所ですが「1500 Broadway」というのはニューヨークにある地上37階建て、総床面積4万6000平米という大規模な高層ビルの名称のようです。しかしこの住所では階数とか部屋番号が記されておらず不完全な住所です。カナダの住所も高層ビルではないようですが弁護士事務所などが入居するビルの住所のようであり、やはり部屋番号を欠く不完全な住所のようです。

また連絡先情報の上には会社の沿革とか事業内容を紹介するような文章があり、2018年に創業しておそらく仮想通貨を対象とするETF (上場投資信託) の上場を申請したといったことが書いてありますが以下で説明するようにサイトの登録・開設は2021年4月になってからとなっており、記述内容が事実とは思えません。

各サイトの「About Us」の記述内容とサイトの開設日などに矛盾があるということを指摘しましたが、その説明の根拠となる各サイトのWho Is情報やアクセス状況について説明します。例えば以下はナスダックのサイトのWho Is情報のキャプです。

黄色の枠で囲った部分にあるサイトの登録・開設日は2021年3月22日となっています。この検証は2021年4月下旬に書いているのでちょうど1ヵ月前に開設されたばかりのサイトということになります。赤枠で囲った部分には所在地に関する断片的な情報が記されています。所在地は国が「Th」、州あるいは県が「Nan」となっています。これはタイのナーン県を意味するようです。

さらに以下はアクセス状況を調べられるサイトナスダックのサイトへのアクセス状況を調べた結果です。アクセス数は検出限界以下という結果になっています。

上に書いたようにナスダックのサイトの「About Us」には3300人以上の従業員がいるとか世界130ヶ国から数千万人単位の顧客を抱えているといった記述がありましたが、Who Is 情報やアクセス状況を見るとサイトの記述は到底信用出来るようには思われません。

同様に以下はコースターのWho Is 情報を示します。

ここでもまず黄色の枠で囲った部分にあるサイトの登録・開設日を見ると2021年4月2日となっていてナスダックの場合よりもさらに新しいサイトであることが分かります。この検証を書いている時点でサイトの開設から1ヵ月も経過していません。さらに赤枠で囲った部分にある所在地情報を見ると所在地は国が「CA」、州あるいは県が「Yukon」となっています。これはカナダのユーコン準州を意味します。

さらに以下はアクセス状況を調べられるサイトでコースターのサイトへのアクセス状況を調べた結果です。ナスダックのサイトの場合と同じでアクセス数は検出限界以下という結果になっています。

サイトの「About Us」にあった2018年に創業とかアメリカ・ニューヨークとカナダ・エドモントンの2ヵ所に拠点があるといった記述とは全く一致しません。

これ以外の3つのサイトについてはキャプを省略しますが5つのサイトについてWho Is情報に見えるサイト開設日と所在地の情報を以下にまとめます。

開設日 所在地

ナスダック (www.nasdaqsvip.com/) 2021年3月22日 タイ・ナーン県

アイディアルコインEX (www.idealcoinex.com/) 2021年3月23日 タイ・バンコック

アイディアルコインEX (znshuwang.site/) 2021年3月28日 タイ・バンコック

IDEEX (www.idevip.net) 2021年2月5 スイス・ベルン

コースター www.costerexchange.com/) 2021年4月2日 カナダ・ユーコン準州

いずれも非常に新しいサイトであり、所在地がタイというのが3つありますが、それ以外はスイスとカナダになっていて全く一致しません。各サイトの「About Us」にあった記述とも全く一致しません。さらに5つのサイトはアクセス数がいずれも検出限界以下という結果になります。

わざわざ結論するまでもないと思いますが、これらのサイトも詐欺目的で立ち上げられたサイトである可能性が高く、全く信用出来ません。投資を勧誘されても決して応じないことを強く推奨します。