検証69

本ページで取り上げるサイトはいずれも仮想通貨取引所 (暗号資産交換業者) に該当すると思われますが、いずれも日本の金融庁が公表している暗号資産交換業者の登録リストに該当がありません。ここで検証するサイトの多くは日本語対応しており、さらに少なくとも一部のサイトについて日本人に向けた勧誘や被害報告が確認されていて単に無登録の違法業者であるというだけでなく、詐欺目的のサイトである疑いが極めて濃厚と考えられます。

▼本サイトでの検証は名誉棄損に当たらないと考えます。→ 雑記1

「検証63」「検証64」「検証65」「検証66」「検証67」「検証68で検証してきたTinderを始めとするマッチングサイト (出会い系サイト) やSNSで外国人による勧誘が行われているという共通点がある一連の詐欺仮想通貨取引所のサイトについての検証7ページ目です。「検証70」「検証71」「検証72」「検証73」「検証74」「検証75」「検証76」「検証77」「検証78」「検証79」「検証80」「検証81」「検証82」「検証83」「検証84」「検証85」「検証86「検証87「検証88」「検証89「検証90「検証91「検証92「検証93「検証94「検証95「検証96「検証97「検証98「検証99「検証100「検証101「検証102「検証103「検証104「検証105「検証106「検証107「検証108「検証109「検証110「検証111「検証112」「検証113」「検証114」「検証115」「検証116」「検証117」「検証118」「検証119」「検証120」「検証121」「検証122」「検証123」「検証124」「検証125」「検証126」「検証127」「検証128」「検証129」「検証130」「検証131」「検証132」「検証133」「検証134」「検証135」「検証136」「検証137」「検証138」「検証139」「検証140」「検証141」「検証142」「検証143」「検証144」「検証145」「検証146「検証147」にも続編があります。勧誘の手口の説明については「検証63」の冒頭を参照してください。但しこのページで取り上げるサイトの殆どについてはネットで知り合った外国人に勧誘されたという証言は現時点で確認されていません。しかしこれまで検証してきたサイトの幾つかと明らかな類似点があって同じグループが関与していることは殆ど間違いないと思われるので検証対象とします。

 

●Motivated (モチベーテド www.motavatebi.cn/)

●TMT Global (TMTグローバル www.xttmt.com/dist/#/)

●Biteas Global (Biteas グローバル biteas.com/dist/#/)

●Kimax (www.arspweb.cn/html/#/home)

●BTC 360 (www.giex.vip/dist/#/)

●Coinle Pro (coinle.pro/dist/#/)

●Yoobi (47.244.3.60/dist/#/)

●DIU (http://www.diuni.org/#/)

●BIT-C (bit-c.com.cn/html/#/home)

●IKC (www.lkccoins.com/dist/#/)


まず以下を検証します。

●Motivated (モチベーテド www.motavatebi.cn/)

これはネット検索で偶然見つけた仮想通貨取引所のサイトでこのページで検証する複数のサイトに芋づる式に結び付いたサイトでもあります。URLアドレスは以下の様になっています。

>http://www.motavatebi.cn/

暗号化されているサイトであることを示す「https」ではなく暗号化されていないサイトであることを示す「http」で始まっているのは仮想通貨取引所のサイトとして論外でしょう。

以下がサイトの冒頭部のキャプでキャプの下端には取引されていると思われる仮想通貨の相場情報が並んでいますがログインしないとチャートを見られない設定になっているようです。ビットコイン (BTC)などのメジャーな仮想通貨に並んでいる中に右から2番目にCTCという仮想通貨があるのが気になります。CTCというのは「検証63」で検証したモビコインなど幾つかのサイトで取引されていた実在するかどうか確認出来ない仮想通貨の名称と同じです。

下のキャプの右端には表示言語を選択する国旗のアイコンが並ぶプルダウンメニューが見えますが、中国語、英語、日本語、韓国語での表示が可能になっています。

そしてこの国旗のアイコンで日本国旗の赤丸の部分の比率が全体に対して大きすぎるのが気になります。右のキャプにプルダウンメニュー部分だけの拡大を示しましたがこの違和感がある日本国旗のアイコンは「検証63」で検証したHOEx、HKEX、mobicoin (モビコイン)、mobi exchange (モビ・エクスチェンジ)といったサイトの言語選択プルダウンメニューにあった日本国旗アイコンと似ているのです。

例えば以下は「検証63」で検証したHKEX (hkex.us/#/)という仮想通貨取引所のサイトの冒頭部のキャプですが、表示言語選択のプルダウンメニューが国旗のアイコンになっていて、しかも日本国旗のアイコンの赤丸部分が異様に大きく感じられます。さらにキャプの下端の部分に仮想通貨の相場が並んでいるサイトの構成などもモチベーテドのサイトの冒頭部と似ているように思われます。 選択出来る表示言語も中国語、英語、日本語、韓国語の4つで同じです。

モチベーテドのサイトには他にも一連の中国系の詐欺目的と思われるサイトと似た部分があります。最も明らかなのは冒頭部に続く部分にあるこのサイトの特長をまとめた部分です。以下は問題の部分を英語表記で示したキャプです。最初の項目は「Safe and trustworth (安全で信頼出来る)」と題して5年の経験があると書いてあります。この5年の経験という主張については後述します。

そしてこの部分に記されている文章やアイコンには明らかに見覚えがあります。以下は「検証63」で検証したHKEX (hkex.us/#/)のサイトからのキャプですが「Customer first」が「User first」になっているなどわずかな違いはあるもののイラストなどコピペしたとしか思えないほど酷似しています。

さらに以下は「検証66」で取り上げたANT COIN (アントコイン) のサイトからのキャプですが、モチベーテドのサイトからのキャプと殆ど区別出来ません。

同じく「検証66」で検証しているUCOIN (ユーコイン)のサイトや「検証72」で検証しているLEMONCOIN (レモンコイン)やVTBITのサイト、次項で検証しているTMTグローバル、Biteasグローバル、Kimaxという3つのサイトにも同じイラストと説明文の組み合わせがあります。これらのサイトは明らかに同じグループによるサイトでしょう。それぞれの検証を参照してください。

同じグループによるサイトが量産されているというだけで明らかに信用出来ませんが、一応連絡先情報を探してみました。しかし予想通り殆ど開示されていません。わずかに脚注に右のキャプに示したメールアドレスがありますが、無料登録出来るYahooのメールアドレスです。マトモな会社のメールアドレスとは思えません。

会社設立の経緯や運営者については「Company profile」というページに以下のキャプに示した記述があります。

活字が小さくて全く読めないので以下に書き出します。まず最初の文節です。

>Since its establishment in 2017, the company has invested more than 20 billion yen in the total equity of Japanese J group. In the following year, the accumulated trading volume exceeded 100 million US dollars, once becoming a global influential digital asset trading platform. At present, the company has invested 30% of its total equity More than upstream and downstream enterprises have completed the establishment of compliance service teams in Singapore, China, Japan, South Korea, the United States, Australia, Thailand, Laos, Hong Kong, Taiwan and other countries and regions, providing safe and reliable digital asset trading and asset management services for millions of users in more than 130 countries. 

この文節には会社は2017年に設立され、200億円以上を投資したとかシンガポール、中国、日本、韓国、アメリカ、オーストラリア、タイ、ラオス、香港、台湾など世界各国に拠点があるといったことが書かれています。また100万人単位の顧客を130以上の国から獲得しているとも書かれています。

しかしこういった実績が事実かどうかは著しく疑問です。まず会社設立が2017年とありますが、上で引用した3つの特長をまとめた部分の第一項に5年の経験があると記されていることとの整合性が取れません。後述しますがWho Is情報を見るとサイトの開設日は2019年11月18日となっていてサイトの開設からはこの検証を書いている2020年7月現在で1年も経過していないことになります。世界中にあるという拠点の連絡先情報が記されていないのは全く意味不明ですし、アクセス状況を解析出来るサイトで見ても殆どアクセスが無いようです。仮想通貨データーベースのCoinMarketCapにある取引所のリストを探してもこのサイトに関する情報は見つかりません。100万人単位の顧客を抱えている取引所のサイトとは到底思えません。

これに続く部分には経営陣に関する記述があるのですが経営トップは日本人であるという主張になっています。

Sugawara Atsushi         President & CEO graduated from the law department of Waseda University and worked in famous Japanese cosmetics companies. He has successively held the posts of minister and President of foreign cosmetics companies In June, with its rich operation and market experience, it established a comprehensive enterprise of health and the United States, and completed a total sales of billion yen in the first year. After that, it extended its business tentacles overseas, successively established local corporate bodies with Hong Kong, Thailand, South Korea, Malaysia, Vietnam, Singapore, the United Arab Emirates, Taiwan and Mainland China, through the maintenance products Health food industry, playing the banner of "health and beauty globalization". Beau is gradually expanding the world.

>Aida Syoko         Chief Technology Officer         Senior C + + programmer has 12 years of development experience, participated in the development and management of many payment projects, and once worked in PayPal payment company. Since 2012, he has been committed to the exploration and application of memory block chain technology, which has established a solid technical foundation for the technology team of worth China and provided sufficient technical support for the realization of its strategic concept.

プレジデント兼CEO (最高経営責任者) は早稲田大学を卒業し、有名な化粧品会社に勤務した経験のあるSugawara Atushiという日本人の名前になっており、Chief Technology Officer (CTO、最高技術責任者) もPayPalで勤務した経験があるというAida Syokoという日本人らしき名前になっています。しかしこのサイトを見る限り、経営トップが日本人とは到底思えません。日本語の文章はしばしば不自然で文章の意味かよく分かりませんし、Who Is情報を見ると以下のようになっています。

上でも書きましたがサイトの開設日は2019年11月18日で登録者は黄琪という中国系としか思えない名前、メールアドレス (lucy123789@163.com)も中国のポータルサイトと思われるNETEASEというサイト (www.163.com/) で取得出来るメールアドレスのようです。またドメイン登録を代行しているレジストラーが阿里云計算有限公司 (jp.alibabacloud.com/) というアリババ系列のクラウドサービスの会社になっているようです。これは中国で登録されているサイトで間違いないでしょう。中国人が実在するかどうかも分からない日本人の名前を語っているとしか思えません。ちなみにWho Is情報に中国人と思われる人名が登場しているというパターンは以下で検証しているKimaxやBIT-C、「検証75」で検証している77EXでも確認されています。

またこのCEOやCTOを紹介する文章と酷似した文章が「検証72」で検証しているVTBITというサイトでも見つかっています。VTBITのCEOやCTOは日本人ではなく中国人らしき名前なのですが、例えば早稲田大学を卒業して化粧品会社に就職したといったCEOの経歴など共通していて文章も殆ど同じです。こうなるとCEOとかCTOの名前や経歴など全てが信用出来なくなります。

結論としてこのサイトは到底信用出来るサイトとは思えません。勧誘を受けても絶対に取引するべきではありません。

それから最初に書いた通り、このモチベーテドのサイトを見つけて検証したことで同じグループによるサイトを多数発見することになりました。具体的にはモチベーテドのサイトにある以下の画像を画像検索してみたところ、全く同じ画像が使われている互いに酷似したサイトが多数見つかってきたという経緯になります。具体的にこの画像検索で見つかってきたサイトを次項以下で検証します。


●TMT Global (TMTグローバル www.xttmt.com/dist/#/)

●Biteas Global (Biteas グローバル biteas.com/dist/#/)

●Kimax (www.arspweb.cn/html/#/home)

互いに酷似したサイトなので3つをまとめて検証します。まずURLは以下のようになっています。

TMTGlobal:https://www.xttmt.com/dist/#/

Biteas Global:http://biteas.com/dist/#/

Kimax:http://www.arspweb.cn/html/#/home

最初のTMTグローバルのURLは暗号化されていることを示す「https」で始まっていますが残りの2つのサイトは暗号化されていないことを示す「http」で始まっています。仮想通貨取引所として有り得ません。次に3つのサイトの冒頭部を比較します。以下、順にTMTグローバル、Biteas グローバル、Kimaxのサイトの冒頭部のキャプです。

3つのサイトを並べてみるとやはり互いに似ていることが分かります。特に言語選択のプルダウンメニューに見られる国旗のアイコン、キャプの下端の部分に見られる仮想通貨の相場情報のフォーマットなどが似ているようです。最後のKimaxは中国語と英語にしか対応していませんが、TMTグローバルとBiteas グローバルは日本語表示に対応しており、日本国旗のアイコンは赤丸の部分の割合が不自然に大きくなっています。こういった特徴は上で検証したモチベーテドやモチベーテドと比較したHKEXのサイトでも共通しています。同じグループによるサイトである可能性を示唆するものと考えます。

さらにこれらのサイトが同じグループによるサイトであることをより明確に示すのがこの冒頭部に続く部分にある特長を説明している部分です。以下、順にTMTグローバル、Biteas グローバル、Kimaxのサイトの特長を説明する部分を英語版で示します。

3つを並べて比較するのも無駄に感じるほど互いに酷似しているのは明らかです。殆ど違いがありません。またこの特長を説明する部分は上で検証したモチベーテドのサイト、「検証63」で検証したHKEX (hkex.us/#/)のサイト、「検証66」で取り上げたANT COIN (アントコイン)やUCOIN (ユーコイン) のサイトにも殆ど区別できない部分が存在します。モチベーテドの検証を参照してください。

さらに元々画像検索して見つけてきたサイトですから当然ですが上のモチベーテドの検証の最後で取り上げたパソコンのチャート画面+スマホの取引画面の画像が3つのサイトに共通して確認されます。以下のキャプはTMTグローバルのサイトから取得したキャプですがモチベーテドのサイトにあった画像と全く同じに見えます。

次に連絡先情報ですが3つのサイトとも殆ど開示がありません。わずかにTMTグローバルとKimaxのサイトの脚注には以下のキャプに示したメールアドレスがありますがいずれも無料で登録出来るgmailのメールアドレスです。

TMTグローバル:tmtexcsd@gmail.com

Kimax:kimax.vip1@gmail.com

Biteas グローバルについてはメールアドレスさえも見当たりません。他に連絡先や運営者に結び付きそうな情報としてはKimaxのWho Is情報に以下のキャプに示したようにRegistrant (登録者)として見たことのない漢字が使われていて読み方も不明ですが、中国系と思われる名前とメールアドレス (447404@qq.com)が出てきます。

この「@qq.com」で終わるメールアドレスは中国本土で最も普及しているというテンセントQQというインスタントメッセンジャーソフトのアドレスです。やはりこれらのサイトを運営しているのは中国本土のグループの可能性が高いものと思われます。このWho Is情報に登録者として中国人らしき個人名が登場するパターンは上で検証したモチベーテドや下で検証しているBIT-C、「検証75」で検証している77EXでも確認されています。

ちなみにWho Is情報からサイトの開設日 (Creation Date)を拾うと以下のようになります。

TMTグローバル:2019年10月29日

Biteas グローバル:2020年6月2日

Kimax:2020年4月15日

上で引用した3つの特長をまとめた部分にはいずれも「5 years experience (5年の経験)」と書いてありますが到底信用出来ません。言うまでもありませんがこれら3つのサイトはいずれも非常に危険と判断します。勧誘を受けても取引は避けるべきです。


※付記

TMTグローバルのサイトの冒頭部は「検証63」で検証したHKEX (hkex.us/#/) というサイト および「検証80で検証しているRichcoin (リッチコイン richcoins.net/dist/#/)およびBottcoins (ボットコインズ www.bottcoins.com/dist/#/)というサイトに酷似していることが判明しました。明らかに同じテンプレートが使い回されています。「検証80のリッチコイン、ボットコインズの検証で比較しているので参照してください。


●BTC 360 (www.giex.vip/dist/#/)

●Coinle Pro (coinle.pro/dist/#/)

●Yoobi (47.244.3.60/dist/#/)

これらも互いに酷似したサイトなので3つをまとめて検証します。まずURLは以下のようになっています。

BTC 360:http://www.giex.vip/dist/#/

Coinle Pro:https://coinle.pro/dist/#/

Yoobi:http://47.244.3.60/dist/#/

2番目のCoinle ProのURLは暗号化されていることを示す「https」で始まっていますが残りの2つのサイトは暗号化されていないことを示す「http」で始まっています。仮想通貨取引所として有り得ません。最後のYoobiではIPアドレスそのものがURLになっています。まだ準備中のサイトなのかもしれません。

次に3つのサイトの冒頭部を比較します。以下、順にBTC 360、Coinle Pro、Yoobiのサイトの冒頭部のキャプです。

3つのサイトの冒頭部は互いに似ていますし、上で検証したモチベーテド、TMTグローバル、Biteasグローバル、Kimaxの各サイトの冒頭部とも明らかに似ている部分が認められます。特に言語選択のプルダウンメニューに見られる国旗のアイコン、キャプの下端の部分に見られる仮想通貨の相場情報のフォーマットなどは明らかに似ています。2番目のCoinle Proは中国語 (+香港語)と英語にしか対応していませんが、BTC360と最後のYoobiは日本語表示に対応しており、日本国旗のアイコンは赤丸の部分の割合が大きく感じられます。これらのサイトが同じグループによるサイトである可能性はかなり高いと思われます。

さらにこれらのサイトが同じグループによるサイトであることをより明確に示すのがこの冒頭部に続く部分にある特長を説明している部分です。以下、順にBTC360、Coinle Pro、Yoobiの各サイトの特長を説明する部分を英語版で示します。

この部分は3つのサイトで全く同じです。また上で検証したモチベーテド、TMTグローバル、Biteasグローバル、Kimaxの4つのサイトの特長を説明する部分と比べて3つのアイコンの部分は違いますがその下に書いてある文章は同一です。

さらにモチベーテドの検証の最後で取り上げたパソコンのチャート画面+スマホの取引画面の画像がこれら3つのサイトに共通して確認されます。以下のキャプはBTC 360のサイトから取得したキャプですがモチベーテドのサイトにあった画像とテキスト部分の配置が異なりますが画像部分は全く同じです。

連絡先情報ですが3つのサイトの内、Coinle Proについてのみ以下のキャプに示した2ヶ所にメールアドレスなどが記されています。まず脚注にはLINEなどのQRコードとメールアドレス (coinle@yeah,net)が記されています。さらにCooporationというページにももう一つメールアドレス (Coinle@hotmail.com) があります。これら2つのメールアドレスも無料で取得出来るメールアドレスであり、マトモな企業の連絡先とは思えません。

他の2つのサイト、BTC 360とYoobiには全く連絡先情報が見当たりません。論外だと思います。これらの業者での取引も全く推奨出来ません。


●DIU (http://www.diuni.org/#/)

これもモチベーテドのサイトにあった画像から画像検索して見つかってきたサイトです。以下がサイト冒頭部のキャプで右端に見える言語選択のプルダウンメニューには中国語、英語、韓国語、日本語の選択肢が国旗のアイコンで示されています。但し国旗のアイコンは円形になっており、このページで検証してきたモチベーテド以下のサイトで見られた国旗型のアイコンとは一線を画しています。しかしこのページで検証してきたサイトと似ている部分もあります。例えば下のキャプの下端に仮想通貨の相場情報が出ている構成は他のサイトと似ているように思います。

そしてこのキャプは中国語表示を選んだ場合なのですがサイトが未完成なのか中国語以外の言語を選択するとサイト冒頭部に大きな空白が出来てしまいます。例えば以下は日本語表示を選んだ場合ですがバックグラウンドの画像が指定されていないのか大きな空白が生じています。

この冒頭部に続く部分を見ると例によって3つの特長を示す部分があります。以下は英語表示を選択した場合のキャプですがこのページで検証してきたサイトと一見して似てはいますがアイコン部分は微妙に異なります。

しかしアイコンの下に記されている文章はこのページで検証してきたサイトの文章と酷似しています。3つの項目はモチベーテドの場合、

▼Safe and trustworthy

▼Global ecological layout

Customer first

となっていましたがこのDIUのサイトでは

▼Safe and trustworthy

▼Global ecological layout

▼User first

となっていて最後の項目の「Customer」が「User」で置き換えられているだけでほぼ同じです。さらにその下に記されている文章も「5年の経験がある」などコピペしたとしか思えない文章になっています。

さらにこのサイトでは国旗型のアイコンや3つの特長を説明する部分のアイコンに違いがあると書きましたが「検証63」で検証したOKEX COIN (OKEXコイン)のサイトにあったアイコンと酷似しているのです。以下はOKEXコインのサイトの冒頭部と3つの特長を説明する部分のキャプの再掲です。

アイコン部分は明らかに互いに酷似しています。OKEXコインのサイトは既に閉鎖されているようですが、このDIUというサイトは明らかに同じグループによるサイトでしょう。

一方でこのDIUのサイトはモチベーテドのサイトにあった画像の検索で見つかってきたサイトですから当然ですがモチベーテドのサイトにあったのと同じ画像が確認されます。

それからDIUのサイトでも連絡先情報を探してみましたが全く見当たりません。Who Is情報も確認しましたがDIUのサイトのWho Is情報には登録者に関する情報はないようです。サイトの開設日は以下のキャプに示したように2020年3月10日とかなり新しいです。3つの特長をまとめた部分にある「5年の経験」といった文章は真実とは到底思えません。

言うまでもありませんがこのサイトも非常に危険なサイトであると考えざるを得ません。取引は絶対に避けるべきと結論します。


●BIT-C (bit-c.com.cn/html/#/home)

これはこのページで検証したサイトの中では唯一Yahoo知恵袋の投稿に出てきた仮想通貨取引所のサイトで上で検証しているモチベーテド以下のサイトと同じグループによると思われるのでここで検証します。まずURLアドレスですが以下の様になっており

BIT-C:http://bit-c.com.cn/html/#/home

モチベーテドなどのサイトのURLと同様に暗号化されていることを示す「https」ではなく、暗号化されていないことを意味する「http」で始まっていてこれだけで仮想通貨取引所のサイトとして論外だと思われます。このサイトについては以下に引用するYahoo知恵袋に出てきたBIT-Cに関する質問で知ることになりました。

勧誘してきたのはネットで知り合った自称・投資家の台湾人女性となっていて「検証63」以降で検証してきた一連の詐欺サイトと似たような状況と思われます。アプリのダウンロードからBIT-Cのサイトに誘導されたようです。とにかくこの知恵袋の投稿に出てきたリンクからBIT-Cのサイトにアクセスしてみました。以下がサイトの冒頭部のキャプです。

表示対応言語は英語、中国語、日本語、アラビア語の4つです。この冒頭部だけ見ても本ページの上で取り上げたモチベーテド、TMTグローバル、Biteas グローバル、Kimaxのサイトと似た印象を受けましたが、この冒頭部に続く部分を見ていくと他のサイトとの関連が明確になりました。例えば以下のキャプはBIT-Cのサイトにある3つの特長をまとめた部分を英語表示にした場合のキャプですが、上で取り上げた複数のサイトにも全く同一としか思えない部分があります。

以下はモチベーテドのサイトにある相当部分のキャプの再掲です。まさに瓜二つです。

また上のキャプの左側の項目には5 years experience (5年の経験)と書いてありますが、後述するようにBIT-Cのサイトが開設されたのは2か月ほど前のことでしかなく、5年の経験が本当にあるかどうかは極めて疑問です。 

さらにBIT-Cのサイトのこれに続く部分には以下の様な画像があってパソコンでもスマホでも取引出来るし、iOS、アンドロイド、WindowsといったOSに対応しているといった主張がなされているのですが

モチベーテドなどのサイトにも殆ど見分けがつかないような部分があります。以下はモチベーテドのサイトからの相当部分のキャプの再掲ですが違いはパソコン画面とスマホ画面の位置関係と大きさぐらいで添えられている文章も全く同じですし、パソコン画面に示されているローソク足の形さえ同じです。明らかに2つのサイトは同じグループによるものでしょう。

次に連絡先情報ですが、まずAbout Usのページにはシンガポール、香港、日本、アメリカ、イタリア、ドイツ、ロシア、イスラエルにオフィスがあると書いてあります (以下のキャプ参照)。

しかし連絡先情報として見つかるのは以下に示した脚注の右端にあるシンガポールの住所とメールアドレスだけです。

実は検証を始めて最初に確認した時には住所はなく、以下のメールアドレスがあるだけでした。

>email:bitc100200@163.com

しかし翌日に再度確認してみると上のキャプに示した別のメールアドレスとシンガポールの住所が登場していました。

>email:bitc2020@yeah.net

>Address: 178clemenceau Ave, # 08-00 RICE, Haw Par Glass Tower, Singapore

2つのメールアドレスは「@163.com」「@yeah.net」というドメイン名からいずれも中国のフリーメールのアドレスでマトモな仮想通貨取引所のものとは思えません。またシンガポールの住所は検索してみるとRice Communications Pte. Ltd. (ricecomms.com/) というマーケッティング関係の会社のシンガポール拠点の住所と部屋番号まで一致するようです。以下はこのRice Communication社のLinked Inアカウントからのキャプですが左下にあるシンガポール拠点の住所がBIT-Cの住所と一致しています。この住所にBIT-Cの事業実体があるかどうかは疑問でしょう。

また運営者情報は全く見当たらないのですが、Who Is情報を見るとRegistrant (登録者)として全く読めませんが「刘尧銮」という中国人らしき名前が出てきます (以下のキャプ参照)。さらにこの人物のメールものと思われるアドレス (lyl_12346@163.com) も記されています。このWho Is情報に登録者として中国人らしき個人名が登場するパターンは上で検証したモチベーテドやKimax、「検証75」で検証している77EXでも確認されています。

また既に上で書きましたがサイトの開設日 (Registration Time) は2020年6月4日となっていてこの検証を書いている時点で2ヶ月ほどしか経過していない新しいサイトということになります。5年の経験、実績がるサイトという記述は事実かどうか極めて疑わしいです。

次にこの取引所では11種類の仮想通貨が取引されていることになっています。取引されている中にはビットコイン、イーサリアム、ライトコイン、リップルなどメジャーな仮想通貨も含まれていますが、仮想通貨データーベースのCoinMarketCapで該当する仮想通貨が見つからないものが3種類あります。以下にその3種類の聞きなれない仮想通貨 (BLTC、NBC、ZBCY) の日足チャートを示します。

いずれも2020年6月13日に取引が始まっており、相場は概ね右肩上がりです。またいずれも出来高がかなり多いのが気になります。例えば最初のBLTCという仮想通貨は1枚が360ドルほどとかなり高価なのに直近の出来高は1日当たり40億枚を超えています。360ドルで40億枚の取引があれば1日に1兆4400億ドルという巨額のお金が動いていることになります。CoinMarketCapによると例えばビットコインの出来高も直近で1日当たり20億ドル前後のようですから1兆4400億ドルという莫大な取引があるBLTCのチャートは非現実的としか思えません。

結論としてBIT-Cは信頼出来る取引所とは到底思えません。中国系のグループによる詐欺サイトの疑いが濃厚で取引は絶対に避けるべきと結論します。ちなみにBIT-Cの画像から画像検索したことで以下で検証しているIKCという明らかに同じグループに属する非常によく似たサイトが見つかってきました。参照してください。


●IKC (www.lkccoins.com/dist/#/)

これは上で検証したBIT-Cのサイトにあった画像から画像検索で見つかってきたサイトです。モチベーテドのサイトにあった画像を画像検索に掛けたことでTMTグローバル以下、7つもの兄弟サイトが見つかった経緯を上で説明していますが、BIT-Cのサイトにも微妙に異なるが極めて異なる画像があったので同様に画像検索に掛けてみたところ本項で検証するIKCというサイトが見つかってきたという経緯になります。現時点ではこのサイトについて勧誘を受けたとかお金を騙し取られたといった証言が得られている訳ではありませんが、詐欺目的のサイトである可能性は高いので検証します。

まずURLアドレスはBIT-Cの場合と同じで暗号化されていないことを示す「http」で始まっています。

IKC;http://www.lkccoins.com/dist/#/

これだけで仮想通貨取引所のサイトとして安心出来るものではないと思われます。さらにサイトの名称はIKC (アイ・ケー・シー) なのにURLアドレスはlkccoins (エル・ケー・シーコインズ) になっており非常に違和感があります。 

ともかく以下がサイトの冒頭部のキャプです。

対応言語の選択肢は中国語、英語、香港語、日本語となっています。この冒頭部に続いては例によって以下の様な3つの特長をまとめた部分があります。

改めて指摘するまでもなく上で検証したモチベーテド、TMTグローバル、Biteasグローバル、Kimax、BIT-C、「検証63」で検証したHKEX「検証66」検証したアントコインといったサイトに全く同一、あるいは酷似した部分があることが確認されており、IKCはこれらのサイトと同じ詐欺グループによるサイトであると考えられます。

さらにこの部分の画像検索で見つけてきたサイトですから当然ですがBIT-Cのサイトにあったのと同じパソコンとスマホの操作画面を並べた画像が出てきます。

サイトの下端の脚注部分にはBIT-Cの場合は連絡先情報として住所とメールアドレスが記されていたのですが、IKCの場合には全く情報がありません。

上のキャプに見えるように脚注には「私たちに関して」という項目があって連絡先情報などが書かれているページにリンクされているように見えますが、実際にはこの部分はリンクになっておらず、単にテキストデーターが存在しているだけです。同様に一番右側にはFacebookやTwitter、さらにはメールのアイコンが並んでいるのでクリックしてみましたがこれらのアイコンも単なる画像として存在しているだけでリンクになっていません。

ユーザーサポートと書いてある下にある「プライバシー条例」「ユーザー契約」「法律的声明」という3項目だけはリンクになっていてそれぞれサブページに繋がっていますが連絡先情報は見当たりません。シンガポールの法律に準拠するといったことが書いてあって運営の本拠がシンガポールに在るのだろうということは分かりますがそれ以上の情報はないのです。そして「ユーザー契約」のページの冒頭部には奇妙なことが書いてあります。

活字が小さくなって読みにくいので冒頭部のみ書き出します。

>BTC360は、シンガポールの法律に基づいて設立されたIBS FOUNDATION PTE.LTD.(以下基金会社である)。本基金会社の運営ウェブサイトhttps://www.beauglobal.com は、デジタル資産取引および関連サービス(以下「本サービス」または「本サービス」と呼びます)のユーザー専用のプラットフォームです。

日本語訳がおかしいのでそもそも理解が困難ですが一人称が「IKC」ではなく「BTC360」になっています。これは元々上で検証したBTC 360のサイトにあった文章をコピペして持ってきた際に修正を忘れた結果ではないかと思います。但し現時点でBTC 360のサイトを確認しても同じ記述は見当たりません。さらにBTC 360の運営元のサイトとしてウェブサイトのURL (https://www.beauglobal.com) が記されていますがこのURLのサイトは既に閉鎖されているようです。運営元に関する情報開示は明らかに不充分であり、信用出来ません。

IKCで取引されている仮想通貨のリストは右のキャプのようになっています。ビットコイン (BTC)、イーサリアム (ETH)、ビットコインキャッシュ (BCH)、イオス (EOS)、リップル (XRP)、ライトコイン (LTC)とメジャーな仮想通貨ばかり並んでいて上で検証したBIT-Cのように聞きなれない謎の仮想通貨は取引されていないようです。

但しログインしないで見られるのはこのリストだけでチャートを確認しようとするとログインを求められる設定になっており、これ以外に取引されている仮想通貨がないかどうかは今一つ不明確です。

改めて書くまでもありませんが、このIKCというサイトも詐欺目的で立ち上げられたサイトである可能性は極めて高く、全く信用出来ません。勧誘を受けることがあっても取引は避けるべきと結論します。