検証54

このページでは以下を検証します。

●億の近道プロジェクト (sakamoto-biz.sakura.ne.jp/okutika/lpre/)
●新時代ベーシックインカムプロジェクト (nabip4.com/mo/1wane/)
●令和億万長者クラブ (nabip5.com/let/pf/)


まず「億の近道プロジェクト」という案件から検証を始めます。

●億の近道プロジェクト (sakamoto-biz.sakura.ne.jp/okutika/lpre/)

これは「検証52」で検証したJAMプログラムの案件に関連して同じ組織が関与している可能性のある案件、具体的にはS Change The World (チェンジ・ザ・ワールド)という転売、せどりで利益を出すという怪しげな案件の検証に登場していた坂本よしたかという人物が主催あるいは広告塔的な役割を担っている案件です。当然この案件についてもJAMプログラムとの組織的な関連も当然考えられます。調べてみると同じ坂本という人物が関与している案件の勧誘ページが多数確認されました。次の項目で検証している「新時代ベーシックインカムプロジェクト」と「令和億万長者クラブ」も同じグループによる案件ですので併読していただくことが適当かと思われます。さらに本案件より後に取り上げて「検証60」にまとめたRipple Alpha (リップルアルファ)という仮想通貨を投資対象とする「坂本よしたか巨大利権プロジェクト」や「検証62」で検証したPRANCE GOLD (プランスゴールド)という案件にも同じ人物&グループの関与が確認されています。それぞれ参照してください。

尚、表題にはURLアドレスを1つだけ挙げていますが、ここで検証する「億の近道プロジェクト」に属するものだけで表題のものを含めて少なくとも4つのランディングページが存在しているようです。

http://sakamoto-biz.sakura.ne.jp/okutika/lpre/

http://sakamoto-biz.sakura.ne.jp/okutika/riken/

http://sakamoto-biz.sakura.ne.jp/okutika/rikennsl2/

http://sakamoto-biz.sakura.ne.jp/okutika/rikennsl1%202/

以下は左から1~3番目のランディングページそれぞれの冒頭部のキャプです。

案件名が「奥の近道プロジェクト」であること、ビットコインに関係する案件であること、知識や経験などを必要とせずに誰でも大儲け出来ると称していることなどは分かりますが、「2つの巨大利権」の具体的内容、ビジネスモデルについてはこれらのランディングページを見ても殆ど何も分かりません。

そこでこれらのランディングページに埋め込まれている以下のYoutube動画を見るとようやく多少は案件の中身が分かってきました。まず5分弱と短い動画には「2つの巨大利権」に関する非常に簡単な説明が出てきます。

【億の近道プロジェクト】BTC爆上げにより多大な恩恵を受けられる、もう一つの【巨大利権】

(投稿者:坂本よしたか、投稿日:2019/04/04)

まず1つ目の「巨大利権」はアミューズメント、IoT技術、フィンテックの3要素に関係する権利収入であると称していますが具体的な中身は何も分かりません (左下のキャプ)。2つ目の「巨大利権」はビットコイン (BTC)の値上がり益を受け取れる利権だというのですが (右下のキャプ) 何故ビットコインがこれから値上がりを続けると断言出来るのか全く理解出来ません。ビットコインがこれから値下がりしたらどうするつもりなんでしょうか?

もう1つの動画は52分もあるかなり長い動画です。

あなたに莫大な富と権利収入をもたらす「億の近道プロジェクト」を世界初公開!!

(投稿者:坂本よしたか、投稿日:2019/04/01)

動画は左下のキャプに示した2人のインタビューアーが坂本よしたかをインタビューする形で進行しています。男性の方は名を名乗っていませんが、女性はマリーナと名乗るロシア人女性のようです。そして延々と携帯電話の話が続き、特に携帯電話のゲームは巨大市場であるという話しになり、最終的には右下のキャプに示した様に携帯電話のゲームアプリで勝つとパチンコ屋の景品の代わりに暗号資産 (仮想通貨)が貰える事業を開始して巨大な利益を得ると称しています。これがどうやら「2つの巨大利権」の1つのようです。

しかしこんな事業が実際に可能かどうかは非常に疑わしいと考えざるを得ません。ビジネスモデルの説明に出てくるパチンコも日本の法律ではギャンブルとして扱われ、風営法の規制下にあります。パチンコ台の出玉率などについても厳密な規制があるはずです。この案件ではスマホゲームで勝てば仮想通貨が得られるというビジネスを展開すると主張していますが、そんなことをやれば明らかにギャンブルとして扱われてしまうでしょう。法律の改正がない限りそんなビジネスを展開すれば明らかに違法行為です。またカジノ法案でもギャンブル依存症の問題から反対が多いのに携帯電話がカジノに直結するような事業が合法になるような法律が実際に通るはずがないと考えます。最初からビジネスモデルとして論外です。

また仮に法律の問題をクリア出来たとしてもこんなビジネスを展開するとなればゲーム開発会社や携帯電話会社など多くの企業が事業に参加しなければ実現は不可能でしょう。52分もある説明動画でもどんな企業が参加するのかなど具体的な事業計画は殆ど開示されていません。またこの案件では「利権」という言葉が頻繁に使われていますが、一体どの部分で「利権」が発生してどれほどの出資に対してどれほどの利権収入が得られるのかといった説明も一切見つかりません。こんな事業が実現する可能性は殆ど有り得ないと考えます。

それから以下はランディングページからリンクのある「特定商取引法に基づく表示」です。

>特定商取引法に基づく表示

>販売事業者名(社名・商号・屋号) 株式会社ライトニングプレミアム

>販売事業者所在地 愛知県名古屋市中区栄3-15-27いちご栄ビル9階

>販売事務局 TEL.052-243-1737 受付時間10時~17時(土日祝休み)

>代表者または運営統括責任者 坂本よしたか

>代表者または運営統括責任者(フリガナ サカモトヨシタカ

>連絡先/ホームページ http://lightning-premium.com/

>連絡先/TEL 052-746-9458 受付時間10時~17時(土日祝休み)


販売事業者は株式会社ライトニングプレミアムとなっており、住所は愛知県名古屋市ですがこの住所を検索するとFabbit Sakae (fabbit.co.jp/facility/sakae/) というシェアオフィス/バーチャルオフィス業者の住所の住所と一致します。この住所に株式会社ライトニングプレミアムが実在するかどうかは極めて疑問です。

そしてこの株式会社ライトニングプレミアムについて検索してみるとこの会社が以下の様な投資勧誘セミナーを頻繁に開催していることが分かりました。そしてランディングページのURLはここで検証している億の近道プロジェクトのランディングページのURLアドレスと途中まで全く同じです。

▼爆上げインサイダーコイン大公開セミナー

ランディングページ:http://sakamoto-biz.sakura.ne.jp/bakuage/

▼資産無限増殖セミナー

ランディングページ 1:http://sakamoto-biz.sakura.ne.jp/t3t3t7/

ランディングページ 2:http://sakamoto-biz.sakura.ne.jp/Zoushoku/

▼最速億り人量産ノウハウ大放出セミナー

ランディングページ :http://sakamoto-biz.sakura.ne.jp/4thama/sl/

▼OSP大公開セミナー AMATERAS (アマテラス)

ランディングページ :http://sakamoto-biz.sakura.ne.jp/amaterasu%203/sl1/

最後のアマテラスというのはせどり、転売のビジネスらしいですが最初の3つはいずれも詳細は全く分かりませんが以下に示したランディングページ冒頭部を見ても分かるように「爆上げインサイダーコイン」「超有望トークン」「仮想通貨 X 物販」などといった言葉が確認され、仮想通貨と関係がある投資と思われます。また既に削除されているようですが、これ以外にも仮想通貨関連の投資案件紹介のランディングページが存在していた形跡がネット上に見つかります。

そして例えば下は「最速億り人量産ノウハウ大放出セミナー」のランディングページにあった特定商取引法に基づく表示のキャプです。「億の近道プロジェクト」のランディングページの特定商取引法に基づく表示と全く同じで株式会社ライトニングプレミアムの坂本よしたかが責任者になっています。

しかしこの特定商取引法に基づく表示にある株式会社ライトニングプレミアムのサイト (lightning-premium.com/) を見ると業務内容が右のキャプに示した5項目になっていて投資セミナーを連発し、投資案件を紹介しているようには思われません。当然金融関係のライセンスも得ているとは思えません。念の為に金融庁のサイトで公表されている金融商品取引業者のリストを確認しましたが該当がありません。

総合的に判断して「億の坂道プロジェクト」には出資法違反の疑いもありますし、この案件を担っている株式会社ライトニングプレミアムとその責任者であるとされる坂本よしたかという人物についてはこれ以外にも怪しげな案件を連発しているなど信頼性を高く評価することは出来ません。ビジネスモデルも非現実的としか思えません。投資は推奨しません。


●新時代ベーシックインカムプロジェクト (nabip4.com/mo/1wane/)
●令和億万長者クラブ (nabip5.com/let/pf/)

これも上で検証した「億の近道プロジェクト」と同様、坂本よしたかという人物が主催あるいは広告塔的な役を担っている案件です。上の「億の近道プロジェクト」の検証、さらには「検証52」で検証したJAMプログラムの項目、「検証60」にまとめたリップルアルファというアルトコインの案件、「検証62」にまとめたプランスゴールドという仮想通貨のアービトラージで高利回りの運用を行うという案件も坂本よしたかの関与が確認されていますから必要に応じて併読してください。

「新時代ベーシックインカムプロジェクト」とか「令和億万長者クラブ」という案件名が使われているようですが、この2つの案件名はそれぞれ明確な区別はないように思われ、途中から案件名が曖昧な形で入れ替わっているような印象です。そして公式サイトのようなものは存在せず、複数のランディングページと呼ばれる派手な宣伝文句の並んだサイトが確認されます。それらのランディングページとそこに書かれている連絡先情報をまとめることから検証を始めます。

まず「新時代ベーシックインカムプロジェクト」を紹介する第一話から第四話の勧誘動画が掲載された4つのランディングページが見つかります。

▼第一話:http://nabip4.com/mo/1wane/

▼第二話:http://nabip4.com/mo/2wawo1

▼第三話:http://nabip4.com/mo/3wayo/

▼第四話:http://nabip4.com/mo/4wada1/

右のキャプは第一話のランディングページの冒頭部ですが、この冒頭部は第一話から第四話のページまで共通していて「月収100万円を構築」とか「億をも稼がせる」といった派手な宣伝文句が並んでいます。そして以下はそれぞれのページに埋め込まれている勧誘動画のURLアドレスです。

▼第一話:https://youtu.be/4h_ZUxtoW0w

▼第二話:https://youtu.be/hfbbFrQThGU

▼第三話:https://youtu.be/v9lm1wgA31E

▼第四話:https://youtu.be/6XL3RTK6Fhg

ランディングページに書かれている内容は単に誰でも確実に大儲け出来るといった主張の繰り返しが多くて具体的根拠に乏しく、殆ど検証の参考になりません。まだしも動画の方が説明が多少は具体的ですが、四話を合計すると4時間ほどにもなる動画をほぼ全編視聴しても情報開示は明らかに不充分です。それでもこの動画の内容を上回る情報はないので動画の内容を主な検証材料にせざるを得ません。それからこれらの4つのランディングページには「特定商取引法に基づく表記」、つまり連絡先情報が全く見つかりません。連絡先情報の開示を定めた特定商取引法違反の可能性が考えられます。

以下に確認されたランディングページは令和億万長者クラブのランディングページです。右のキャプはこのランディングページの冒頭部です。

▼令和億万長者クラブ:http://nabip5.com/let/pf/

このランディングページには埋め込み動画はありません。しかしこのページの末尾には特定商取引法に基づく表記のページへのリンクがあります (左下のキャプ)。この特定商取引法に基づく表示には会社名と責任者名、住所とメールアドレスがありますが電話番号がありません。会社名は「株式会社BANKER6」、住所は愛知県名古屋市、メールアドレスは誰でも無料登録出来るgmailのアドレスです。代表者は坂本よしたかではなく、下田隆という名前になっています。一方でランディングページ本文には電話相談窓口として03局番の電話番号が明記されています (右下のキャプ)。

しかし容易に気が付くことですが、この連絡先情報は異様です。即ち住所が愛知県名古屋市なのに電話番号は東京の市外局番である(03)で始まっています。どう考えてもこの電話番号は東京の電話番号であって愛知県名古屋市の電話番号ではありません。株式会社BANKER6について検索すると公式サイトらしいサイト (http://banker6.biz/) が見つかります。この公式らしきサイトの企業情報のページにある連絡先情報は以下の様になっています。

>[ 社名 ] 株式会社BANKER6

>[ 代表 ] 下田 隆(シモダ タカシ)

>[ 設立 ] 2017年11月

>[ 所在地 ] 愛知県名古屋市西区名駅2丁目9-14第15平松OFFICE3階

>[ 電話番号 ] 052-756-2775

>[ FAX ] 052-746-9459

電話番号、FAX番号は052という名古屋の市外局番から始まっていて東京の03局番ではありません。また東京に支社とか営業所があるといった記述もありません。どうして相談用電話番号は名古屋ではなく東京の電話番号なのでしょうか?東京に拠点があるのならばその所在地を何故明らかにしないのでしょうか?

また以下はBANKER6のサイトの事業内容の項目のキャプですが「インターネットのコンテンツ企画・制作及び販売」といった項目が挙げられているだけで投資に関係するような事業をやっているような記述は全くありません。

一応金融庁のサイトで公表されている金融商品取引御者のリストを調べてみましたが、BAKNER6という社名でも名古屋市西区の住所でも該当がありません。金融商品取引業者の登録なしに投資名目で資金を集めているとすれば出資法違反が疑われます。

さらにこの案件に関与していると思われるランディングページが他にも3個見つかってきました。それぞれのページのタイトルとURLアドレスを以下に示します。ちなみにこれら3つのサイトのURLアドレスは上に挙げた他の5つのランディングページのURLアドレスと酷似しています。

▼完全他力で100万円Get:http://nabip3.com/nlp/1agib/

▼アマゾンランキング1位全国で話題の稼ぎ方:http://nabip5.com/nlp/6vaew/

▼10秒2ステップで100万稼ぐ方法ゲット:http://nabip3.com/nlp/3incm/

左下のキャプは「完全他力で100万Get」というタイトルのページの冒頭部です。これらのランディングページにある情報は非常に限られており、100万円稼げるなどと書いてあるだけでその具体的な稼ぎ方の手段などに関する記述は殆どありません。特に2番目、3番目は非常に短い記述しかなく、単にメールアドレスを入力する窓があるだけです。これらのページでメールアドレスを入力した人には勧誘のメールがおそらく大量に届くということになるのだと思われます。一方でこれら3つのページには「特定商取引法に基づく表示」があり、右下のキャプに示した様に

>会社名:株式会社ライトニングプレミアム

>販売責任者:坂本よしたか

>住所:愛知県名古屋市中区栄3-15-27いちご栄ビル9階

となっていてこれは上で検証した「億の近持プロジェクト」の連絡先情報と同じです。但し電話番号の記載はありません。

ランディングページのURLアドレスが互いに酷似した同じグループによる事実上同じ案件としか思われないのに(運営)会社が株式会社株式会社BANKER6、株式会社ライトニングプレミアムの2種類があり、それぞれの責任者も下田 隆と坂本よしたか、住所も名古屋市西区名駅2丁目、名古屋市中区栄3丁目と明らかに異なっているのはどういうことになっているのか全く分かりません。

連絡先情報についてはこの案件について検索していて気が付きましたがネット上に現在は連絡先情報が欠落している第一話~第四話のランディングページにかつては連絡先情報、特定商取引法に基づく表記が存在していた形跡があります。どれほど信頼出来るのか分からないのでリンクはしませんがこの手の投資案件を評価しているサイトの一つに以下の様な連絡先情報があったことが記されています。サイトのURLは現在も存在しているランディングページの第一話のURLになっています。

>サイトURL http://nabip4.com/mo/1wane/

>販売業社 合同会社 Total Win

>所在地 東京都中央区日本橋室町1-12-12水島ビル3階

>運営責任者 坂本よしたか

>MAIL mail@nabip1.com

ここに出てくる合同会社 Total Winについて調べてみるとかなり複雑怪奇な状況が判明しました。まず「合同会社 Total Win」の法人登録を国税庁法人番号公表サイトで探すと1件しか該当がありません。「Total Win」で検索すると4件、「トータルウィン」で検索すると10件の法人登録が見つかるのですが、その中に「合同会社」は1件しかありません。他は株式会社と有限会社ばかりです。しかしその合同会社Total Winの法人登録を見ると住所はネット上に見つかった合同会社Total Winの住所 (東京都中央区日本橋宝町1丁目) とは異なっていて東京都港区芝浦1丁目になっています (以下のキャプ)。

そして合同会社Total Winの2つの住所ですが、調べてみるとこれら2つの住所は両方ともバーチャルオフィス業者の住所と一致することが判明しました。

▼八重洲総合事務所 (www.yaesu-j.com/index.html )

住所:東京都中央区日本橋室町1-12-12 水島ビル3F

▼ASSET DESIGN (アセットデザイン) 田町ビジネスセンター (ro-japan.com/office/office/32 )

住所:東京都港区芝浦1-9-7 おもだかビル4F

これではいずれの住所も架空である可能性を疑わざるを得ません。さらにネットを検索すると「合同会社Total Win」はかつて怪しげな投資案件&情報商材の販売などをやっていたという情報が出てきますがこの点については後述することにします。


とにかくこの「新時代ベーシックインカムプロジェクト」&「令和億万長者クラブ」という案件の運営会社/責任者/住所は複数の情報があってどれが本当なのか全く分かりません。また1つのランディングページに所在地が名古屋と書かれている一方で「相談用電話番号」が東京の03局番となっているのは明らかにおかしいです。仮に東京と名古屋の両方に拠点があるのならばそれらを明示するべきです。連絡先情報はいずれもデタラメということだって考えられるかもしれません。連絡先情報を調べただけでも既にこの案件の信頼性を高く評価することは既に難しいという評価にならざるを得ません。

次に案件の内容、資金運用手段について検証します。「新時代ベーシックインカムプロジェクト」については右のキャプに示した4つの投資先、投資運用手段が組み合わされていると説明されています。

1. ビット自動分配システム

2. ビット自動増殖システム

3. 海外自動トレード収益システム

4. 完全利益垂れ流しシステム

この4つについて勧誘動画、特にこの部分について説明が行われている動画の第一話、第二話から分かることを一応説明します。

まず最初の「ビット自動分配システム」は欧州の巨大仮想通貨グループと提携した仮想通貨のマイニングと説明されています。1100日もの間、毎日得られたビットコインを配分すると主張していますからビットコインのマイニングを行うということでしょう。しかしその説明は具体性に全く欠けています。説明として出てくるのは一時期ビットコインの相場が下落してマイニングでは利益を出せないと判断した日本のマイニング業者からマイニングマシンを安値で買い取り、電気代の安いカザフスタンにマイニング施設を作るから利益を出せるという具体性に欠ける話だけです。

マイニング事業を実際に担当すると思われる「欧州の巨大仮想通貨グループ」の具体的名称などは全く明かされていませんし、何処にマイニング施設がどの程度の規模で立ち上げられるのかなどとにかく情報開示が不充分であるという印象を持ちます。そこで何か具体的な情報に結び付くような説明がないかと思っていたら勧誘動画の第二話に左下のキャプに示したカザフスタンに設立したマイニング施設と思われる画像が出てくるのに気が付きました。右下は左下の画像の部分拡大です。

このマイニング施設の画像を画像検索に掛けると2つのサイトが引っかかってきました。

■MINING CITY (マイニングシティ miningcity.com/)

■MineBest (マインベスト www.minebest.com/)

それぞれのサイトの冒頭に出てくるマイニング施設の画像のキャプを以下に示します。左下がマイニングシティ、右下がマインベストのサイトからのキャプです。

マイニングシティの画像とマインベストの画像を比べると右のキャプで赤枠で囲った施設前面のロゴと社名の部分、さらに黄色の楕円で囲った自動車の有無が異なりますが基本的にどちらがオリジナルなのかは分かりませんが同じ画像です。またそれ以外の自動車や通行人の配置や影の向きなどは完全に一致していることから分かるようにこれは実在のマイニング施設の写真画像ではなく、コンピューターグラフィックスのイメージ画像です。オリジナルの画像を拡大してみるとCG画像であることはいよいよ間違いありません。そして本案件「新時代ベーシックインカムプロジェクト」の勧誘動画に出てくるのはマイニングシティのサイトにある画像の施設の前面にある「MININGCITY」という社名の部分にボカシを入れる加工をした画像と思われます。何故わざわざボカシまで入れて低形跡がマイニングシティであることを隠そうとしているのか意味がよく分かりません。

さらに「ビット自動分配システム」について説明している勧誘動画第二話には提携先である「欧州の巨大仮想通貨グループ」のCEOであるGREGという人物が出てきます (左下のキャプ)。そしてマイニングシティのインスタグラムアカウント2019年4月25日付の投稿に同じ人物と思われる男性が出ています (右下のキャプ)。

「ビット自動分配システム」における提携先の「欧州の巨大仮想通貨グループ」が「マイニングシティ」であることは確実でしょう。

そこでこの「マイニングシティ」という提携先が「欧州の巨大仮想通貨グループ」と呼べるものなのかどうか、そもそも大きな利益が確実に見込めるほど有望で信頼出来る投資先なのかが当然問題になります。結論だけ言えば例えばマイニングシティのサイトには連絡先情報が全くない、かなり高額の勧誘報酬を出して投資を募っていて経済的合理性に強い疑問があるなどの理由により、個人的見解としてこの案件を手放しで信頼出来ると言えるような投資先とは到底思えませんが検証しようとするとかなり長くなるのでここではこれ以上は掘り下げずに別項目できちんと検証する予定です。但し、「マイニングシティ」で検索すれば分かるようにマイニングシティについては勧誘報酬 (アフィリエイト報酬) 目当てと思われる日本語の勧誘サイトが多数存在しており、Youtubeにも多数の勧誘目的の日本語動画がかなりの数アップされていて明らかに日本から直接投資が可能な案件です。

しかし例えば「新時代ベーシックインカムプロジェクト」の勧誘動画第二話の開始から11分ぐらいの所で坂本よしたかは「ビット自動分配システム」は(自分たちが)ヨーロッパの仮想通貨の巨大グループと提携する事で提供することが出来る権利なので一般には一切公開されていない(案件である)と主張しています (以下の2つのキャプ参照)。

しかし「ビット自動分配システム」の正体は「マニングシティ」への投資であることはほぼ確実でしょうし、マイニングシティへの直接投資が実際には可能なのですから「一般には公開されていない」という主張は事実に反しているとしか思えません。個人的に「マイニングシティ」への投資を推奨するつもりは全くありませんが、仮に「マイニングシティ」への投資を望むとしてもわざわざ「新時代ベーシックインカムプロジェクト」や「令和億万長者クラブ」からの間接投資を選ぶ必要性は全く感じられません。むしろ紹介報酬などを中抜きされて利回りが低下するなどマイナスの可能性が高いです。

次に「新世代ベーシックインカムプロジェクト」の第2項目、「ビット自動増殖システム」についてですが、勧誘動画第二話ではウクライナの企業が開発したAIを使った仮想通貨の自動運用システムということになっており、最大で1年間に資金が4.5倍になるほどの高利回り運用であると主張しています (右のキャプ参照)。「最大で」という但し書きが付いているということは運用成績がマイナスになるような可能性もあるのかもしれませんが最悪の場合にはどうなるのか、リスクについては説明がありません。

そしてこの「ビット自動増殖システム」についても「ビット自動分配システム」と同様、実際に運用を担当する提携先が何処の誰なのかウクライナの企業という以上の情報はありません。坂本よしたか名義のTwitterには2019年4月12日付でウクライナを訪問しているという投稿 (右のキャプ参照)があり、「システムエンジニア」との極秘対談を行ったという記述がありますが相手は明らかにされていません。

Twitterの投稿にはBlockchain Hubというロゴが見えるので検索してこのBlockchain Hubに関係していると思われるサイト (cryptorous.fund/ ) を見つけましたが、サイトを読んでもどんな事業を行っているのかよく分かりません。

とにかく投資勧誘で運用者に関する情報や運用リスクが開示されないのは極めて不適切と考えざるを得ません。そして「新時代ベーシックインカムプロジェクト」に含まれる4つのビジネスの中で仮想通貨に関係するものはこの2つだけですが、両方とも完全に海外の案件を紹介しているだけということになります。

「新世代ベーシックインカムプロジェクト」の第3項目、「海外自動トレード収益システム」は名称からすれば仮想通貨とか外国為替の自動売買を行うような印象を与えられますが、動画の説明によれば海外と日本の商品の価格差を利用する転売システム、日本で安いものを海外で自動的に販売するシステムだそうです。そして月に数百万円稼ぐことが出来ると主張しています (右のキャプ)。しかしこのシステムについても具体的な説明はほぼ皆無で一体どんな商品を海外に転売するのかなど全く情報がありません。また数名の会員の実際の稼ぎを示すという場面が出てきて例えば下のキャプでは782万7431円の利益であると動画では説明しているのですが、よく見るとこれは利益ではなく売上です。商品の仕入れ、海外への送料等にどれほどのお金が必要だったのかこれでは分からず、本当に利益が出ているのかさえ不明です。

「新世代ベーシックインカムプロジェクト」の最後の4項目は「完全利益垂れ流しシステム」となっていて名称だけ聞いてもどんなビジネスモデルなのか見当もつきませんがこれも転売で稼ぐというシステムということになっています。この件についても具体的な情報は殆ど開示されていませんが、運営側が商品を市場価格よりも安く提供するサイトを会員向けに用意し、会員はその商品をクリックするだけで転売することが出来て利益が出るといった説明になっています。具体的にどんな商品がどれほどの量提供されるのかについては情報がありません。

漠然とした説明ですがこの「完全利益垂れ流しシステム」のビジネスモデルは「検証52」で検証したJAMプログラムの検証の中で触れた、かつて坂本よしたかが主導役あるいは広告塔役を担っていた「S Change The World (チェンジ・ザ・ワールド)」という案件のビジネスモデルと酷似しているように思います。

右は「チェンジザワールド」のランディングページ (s-change-the.world/afi/) にあるビジネスモデルの説明ですが、会員向けに「SHARE」という商品提供サイトが公開され、会員は公開されている商品を選択してクリックするだけで転売が行われて利益が転がり込むということになっています。会員の役割が何だかさっぱり分かりませんがとにかくこれで確実に大儲け出来るようなことが書いてあります。

しかしこれで実際に大儲け出来たかどうかが大問題であり、Yahoo知恵袋には2017年5月14日付で以下のキャプに示した質問投稿が出ています。要するに運営側が用意する商品が少なすぎて利益を上げるチャンスが殆どないという被害報告とも言えるような投稿になっています。

またこの「チェンジ・ザ・ワールド」という案件については以下のキャプに示した様にmatomaというサイトで集団訴訟の呼びかけが行われています。

この集団訴訟の呼びかけに添えられているチェンジザワールドの詳細は以下の様になっています。

>SHAREというサイトに各国で厳選された商材を安価に置く それを会員が買い、サイトが販売する。サイトが販売した価格と会員がサイトから購入した差額が利益として支払われるというもの。その利益は通常30%以上あり、ゴールド会員になったものには最低50%以上の利益があるとされた商材。実際にはサイトに商品はごく少数しかなく、いつも売り切れ状態。宣伝された情報と全く違う内容。

つまり上で紹介したYahoo知恵袋への投稿の内容と同じで実際に提供された商品は非常に数が限られており、会員になっても実際には大儲け出来ることなどなかったということのようです。当然、同じ人物が立ち上げ、ビジネスモデルが明らかに似ている「新世代ベーシックインカムプロジェクト」の「完全利益垂れ流しシステム」についても充分に商品が提供されるかどうかを疑わざるを得ません。そもそもこのビジネスモデルでは会員の役割が全く分かりません。何の為に会員が募集されているのか全く理解不能です。事業、投資対象としての信頼性を再び疑わざるを得ません。

以上が「新時代ベーシックインカムプロジェクト」を支える4つの収益を生み出すシステムということになりますが、いずれも約束されているような高利回りの利益が確実に生み出されるようなものとは思えません。

「新時代ベーシックインカムプロジェクト」については4つのシステムが支えていることになっていますが、その発展形とでも呼ぶべき「令和億万長者クラブ」については「新時代ベーシックインカムプロジェクト」の4つのシステムに加え、さらに8つのシステムが加えられて合計12もの利益を生み出すシステムによって支えられていることになっています。上で引用した「令和億万長者クラブ」のランディングページ (nabip5.com/let/pf/) に記されている12のビジネスは以下の様になっています。

1. ビット自動ダブル分配システム

2. ビット自動増殖システム

3. 海外自動トレード収益システム

4. 完全利益垂れ流しシステム

5. 出資権利の提供

6. ジョイント権利の提供

7. 爆上げ仮想通貨情報の提供

8. 即金で100万円稼ぐ方法の提供

9. 令和億万長者セミナー

10. 権利収入提供セミナー

11. 塩漬け仮想通貨増殖システム

12. 仮想通貨で億を稼ぐ裏情報

第1の項目が「ビット自動分配システム」ではなく「ビット自動ダブル分配システム」と以前の強化版みたいなタイトルになっていますが、最初の4項目は「新時代ベーシックインカムプロジェクト」と同じようなものと考えていいかと思われます。残りの8項目については説明が非常に限られていて詳細は全く分かりません。例えば「出資権利」とか「ジョイント権利」といったものは具体的な投資対象などについて何の情報もなく、評価のしようがありません。さらに「セミナー」とか「情報の提供」「方法の提供」「裏情報」といった項目はやり方だけ教えるから自分でやれといったものなのではないかと思われますがこれらも情報が殆ど開示されていません。少なくとも個人的にこれら追加の項目に関する説明には全く説得力を感じません。

次にこの案件の信頼性にも大きく関わるこの案件の関係者について触れておきます。主催者あるいは広告塔役と思われる坂本よしたかという人物については既に説明しましたがランディングページや勧誘動画には多くの人物が様々な形で登場しています。まず一連の勧誘動画で坂本よしたかにインタビューする役割を担っている清水聖子、原田陽平という2名が問題です。以下は勧誘動画第1話からの自己紹介部分のキャプです。ちなみにテレビの情報番組などにコメンテーターで出演している原田曜平という人物がいますが明らかに同姓同名の別人です。

この内、清水聖子という人物については「検証33」で取り上げた想源プロジェクトの検証で想源プロジェクト日本人代表という肩書で登場していた人物です。この想源プロジェクトや想源プロジェクトにおける清水聖子の役割については同じことを繰り返しても仕方がないので「検証33」の「想源プロジェクト」の項目を参照して頂きたいですがmatomaというサイト で想源プロジェクトに関して集団訴訟の呼びかけが行われているような状況であり、「プロジェクト参加者"全員"が資産1億円を築く仕組み」という勧誘文句は全く実現されていないようです。しかもこのmatomaというサイトで集団訴訟が呼びかけられている清水聖子関連の案件はこれだけではありません。以下の2件の集団訴訟呼びかけでも清水聖子という名前が出てきています。

集団訴訟を”植田希一×清水聖子VICTOR PROJECT”に対して起こす!

運営会社:株式会社ササコジ (法人番号:1120001213793 )

いずれの案件も検索してみると複数のランディングページが存在していたようですが多くは既に閉鎖されているようです。そしてVICTOR PROJECTは競馬、馬券の自動売買で稼ぐという案件だったようです。この時点でマトモな案件とは思えません。一方のRINQという案件は仮想通貨のアービトラージ取引で利益を出すという触れ込みで使用料無料で募集された3000人以上のモニターの内、81.7%が月間で5万円以上の利益を手にしたと主張していたようですが、matomaの集団訴訟呼びかけのページを見ると一向に取引が行われない、当然利益など出なかったという状況だったようです。ここでは本筋を離れてしまうのでこの件についてはこれ以上掘り下げませんが、複数の集団訴訟が呼びかけられているようでは信頼や実績のある人物とは到底言い難いのは確かです。

坂本よしたかの一連の勧誘動画に登場していたもう1人のインタビューアーである原田陽平という人物についてもmatomaで集団訴訟の呼びかけが行われているようです。

集団訴訟を”原田陽平のバケーションレンタルクラブ”に対して起こす!!

運営会社:株式会社モバイルコンサルティングサービス (法人登録なし?)

原田陽平の”ゴールドチェーン”に対して集団訴訟を起こす!!

運営会社:株式会社ネクスト出版 (法人番号:8010901040004)

特に2件目の「ゴールドチェーン」は仮想通貨関連の案件だったようです。

ランディングページは既に削除されているようですが、集団訴訟の呼びかけに添えられている概要、商材によれば有望な仮想通貨を紹介するという投資顧問的なものだったようです (以下のキャプ参照)。

清水、原田という2人のインタビューアーに加え、ランディングページ第三話および第三話に埋め込まれている勧誘動画には9人もの推薦人が登場してこの案件を手放しで推奨しています。登場順に石田健、パンダ渡辺 (別名:渡辺雅典)、ジョニー阿部 (別名:阿部ダイジロウ)、太田賢二、小野里はじめ、本荘大和、黒田公二、小林よしのり、坂本まりといった面々です。

これらの人物の一部はこのサイトの検証で既に登場している人物であり、例えば左下は勧誘動画に登場した小野里はじめという人物のキャプですが、この小野里という人物はこの案件のインタビューアーとして登場していた清水聖子が主催あるいは広告塔役を担っていた想源プロジェクトの勧誘動画でインタビューアー役を担っていた人物です (「検証33」の検証を参照)。同様に坂本まりは坂本よしたかが以前にやっていた「チェンジ・ザ・ワールド 」というせどり・転売の案件の勧誘動画でナビゲーターを務めていた人物ですし (「検証52」のJAMプログラムの検証を参照。)、パンダ渡辺はやはり以前に坂本よしたかが手掛けていたパワーオブドリームスという仮想通貨案件で坂本よしたかと組んでいた人物です (これも「検証52」のJAMプログラムの検証を参照。)

またこれら応援団の面々については清水聖子の場合と同様に集団訴訟の呼びかけが行われているようです。いずれもmatomaでの集団訴訟呼びかけです。

集団訴訟を”渡辺雅典、 蝶乃舞のダイアモンドミリオネアクラブ”に対して起こす!

ジョニー阿部(阿部ダイジロウ)の”THE Treasure”に対して集団訴訟を起こす!!

株式会社ライセンスプラスの阿部ダイジロウに対して集団訴訟を起こす?

ジョニー阿部(阿部ダイジロウ)の”THE Treasure”に対して集団訴訟を起こす!!

集団訴訟を起こす!小野里はじめのJPCエブリディ・ホリディに対して

集団訴訟を”本荘大和のWOSS JOINT PROJECT”に対して起こす!!

集団訴訟を起こす!黒田公二の『THE HEROプロジェクト/HERO’s CLUB』に対して!

集団訴訟を坂本まりの”DREAM OCEAN PROJECT”に対して起こす!!詐欺は絶対許さない!

つまり9人の応援団の内、6人に対して8件の集団訴訟の呼びかけが行われているようです。勿論、matomaでの集団訴訟呼びかけが行われていない案件もあると思われますし、このリストは該当する人物が主催者あるいは広告塔的な役割を担っている案件だけであり勧誘動画のインタビューアーとか推薦者などの形で関与しているケースは含まれていません。

さらにこれらの人物について過去の案件を調べてみるとさらに多くの怪しげな案件で主催者あるいは広告塔的な役割を担っている人が互いに連携しているようです。つまり坂本よしたかが応援団を組織して自分の案件を手放しで推奨させるようなことが他の人物が主導する案件でも行われているということです。例えば右のキャプはパンダ渡辺 (別名:渡辺雅典)という人物によるMDITカレッジ (ミリオンダラーインターネットテーブルカレッジ)という案件のランディングページ冒頭です。

詳細はよく分かりませんが、今でも残っている勧誘動画などを見ると詐欺的なICOや買い時、売り時に関する情報が提供されていない為に損をする人が多い仮想通貨の現状を改める革命を起こしたいと主張しているようです。要するに投資対象とするべきICOや買い時・売り時を指示する投資顧問的なものかと思いますが、この案件でも多数の応援団 (推薦人)、具体的には以下の様な人物が登場してこの案件を推奨しています。

クリス岡崎、坂本マリ、坂本よしたか、小平つかさ、小野たつなり、小野里肇 (小野里はじめ)、松宮義仁、清水聖子、大田賢二、天野裕之、望月こうせい、泉忠司、佐藤みきひろ、二谷誠、畑岡宏光、ジョニー阿部

応援団の中には坂本よしたかも登場しています。つまりパンダ渡辺と坂本よしたかは互いに互いの案件の推薦人になっているということです。さらにこのサイトで繰り返し登場している松宮義仁、泉忠司が推薦人になっていることが個人的に非常に気になります。

松宮義仁については「検証8」で検証したナゲゼニおよびフリーダムライフクラブの主催あるいは広告塔役で登場していた人物です。さらにこの人物はナゲゼニの検証の「付記2」にまとめてありますが国税庁に3億3000万円もの申告漏れを指摘されています。

泉忠司についてはさらに多くの案件に関わっており、「検証13」で検証したノアコイン、ビットクラブ、「検証35」で検証したチリーズ、ホットークン、仮想通貨バンク、「検証38」で扱ったオーキッド 、「検証49」で検証したザ・マイニングといった案件での関与が確認されています。そして「検証13」のノアコインの検証の「付記11」にまとめてありますが、NPO法人の消費者機構日本が株式会社ONE MESSAGEが販売し、泉忠司が勧誘した「仮想通貨バイブル(DVD)」「仮想通貨バイブルVIPコース」「パルテノンコース」といった情報商材に対する被害情報が多数寄せられたことにより提訴を行っています。

▼消費者機構日本:これまでの是正申し入れ等の状況

つまり松宮義仁と泉忠司については集団訴訟の呼びかけといった段階を超えて公的機関によって不正や被害が認められて処分を受けたり、提訴に突入する事態になっています。到底信頼出来る人物とは思えません。そして特に泉忠司はMDITカレッジの勧誘動画に短い時間ですが登場して以下のような発言をしています (以下のキャプも参照)。

>誰も彼もが「謎の仮想通貨」を突然出してきて正直(仮想通貨業界は)無茶苦茶ですよ。

自分が宣伝していたノアコインなどの仮想通貨は「謎の仮想通貨」ではないのかと突っ込みたくなるのは私だけではないはずです。ちなみに泉忠司が大幅に値上がりすると主張していたノアコインは上場されたもののその現在の相場はプレセール価格 (約0.7円)を大幅に下回っており、投資した人たちの多くの人が損失を被っているはずですし、フィリピン政府やフィリピンの企業からは関係を否定され、フィリピンで行うとしていた開発計画も実現するのか極めて疑わしいとしか思えません。

こうした主催者あるいは広告塔役の人物が互いに互いの案件を推奨しあうという状況は考え方によっては非常に奇妙です。これらの人物が扱っている案件は互いに似たような案件であることが多いです。例えば仮想通貨を自動的に売買するソフトで売買して大きな利益を生み出すといった投資案件が複数出ており、それらは投資を集めようとすれば互いに競争相手になるはずです。それなのにいわば商売敵が互いに自分の案件のライバル的な投資案件を互いに推奨しあうという状況になっていることに違和感があるのです。

しかしこの違和感は実際にはこれらの案件が全て同じ組織によるものである可能性を考えれば解消するかもしれません。例えば「検証52」に書いたJAMプログラムの検証に関連して芋づる式に出てきた怪しげな投資案件の幾つかは特定商取引法に基づく表記に販売会社として株式会社ABCという法人が記されていました。以下は「検証52」で掲載した表の再掲ですが、坂本よしたかの案件も含めて複数の案件で株式会社ABC (法人番号:8012401031796) という1つの法人を舞台に複数の人物がそれぞれ案件を紹介し、それらの幾つかについては集団訴訟の呼びかけが行われています (「検証52」参照)。

これは1つの法人が次々と使い回されてきたことを示す事例ですが逆にこれら一連の案件を出しているグループは多数の法人を次々と立ち上げているようです。例えば「令和億万長者クラブ」のランディングページで運営元になっていた株式会社BANKER6 の法人登録を調べると確かに愛知県名古屋市西区名駅2丁目9-14という住所にBANKER6社の法人登録 (法人番号 3180001130288) は確認されますが全く同じ住所に以下のキャプに示した様に全く同じ住所にBANKER6社以外に6つ、合計7つの法人登録が見つかります。

これらの法人の幾つかは単にこの住所にある第15平松オフィスビルディングというオフィスビルに入居しているというだけでなく、一連の案件と関係のある法人である可能性が高いようです。すなわち以下の4法人は平成29年 (2017年) 10月13日~10月23日の10日間にほぼ一斉に所在地の変更が行われており、しかも転居前の旧住所が全て名古屋市中区栄3丁目15-27で共通しています。そしてこの転居前の住所は上で検証した「億の近道プロジェクト」の販売元である株式会社ライトニングプレミアムの住所 (愛知県名古屋市中区栄3-15-27いちご栄ビル9階) と同じです。4法人の内、3つについてはホームページも見つかります。

セドリーム株式会社(法人番号:2011101064955)

平成29年10月13日 所在地変更、旧情報 愛知県名古屋市中区栄3丁目15番27号

ホームページ:http://www.sedream.jp/

株式会社ナチュラルナイン (法人番号:7180001126563)

平成29年10月13日 所在地変更、旧情報 愛知県名古屋市中区栄3丁目15番27号

ホームページ:http://www.natural-nine.com/top/

株式会社world gate (法人番号:1180001123946)

平成29年10月23日 所在地変更、旧情報 愛知県名古屋市中区栄3丁目15番27号いちご栄ビル9階

ホームページ:https://worldgate-tool.com/

株式会社GENERAL HAWK (法人番号:2180001123243)

平成29年10月16日 所在地変更、旧情報 愛知県名古屋市中区栄3丁目15番27号いちご栄ビル9F

ほぼ間違いなくこれら4法人も株式会社BANKER6や株式会社ライトニングプレミアムと同じグループ企業でしょう。ホームページを見ると最初のセドリーム社はせどり転売系のスマホアプリを提供しているようです (以下のキャプ参照)。業務内容的にもグループ企業と考えて矛盾はないように思われます。

調べれば調べるほど芋づる式に関係していると思われる案件や法人が出てきてきりがありませんがとにかくこれは非常に大きな組織だと思われます。本件の坂本よしたかなど主催者的な役割の人物は次々と入れ替わっていますが単に広告塔的な役割を担っているだけという可能性が高いように思います。公式サイトを設けずに主にランディングページやセミナーの開催で勧誘しているのも一連の案件の共通点と言えるかもしれません。またランディングページのデザインは案件が別でも記述内容やデザインに共通性を強く感じます。同一人物が多くのランディングページの作成を担当していても不思議ではありません。

そして言うまでもないでしょうがこれら一連の案件について信頼性は極めて低いものと考えざるを得ません。本件、「新時代ベーシックインカムプロジェクト」や「令和億万長者クラブ」を含む一連の案件への投資や情報商材の購入は全く推奨出来ません。


※付記

危惧していた通り、新時代ベーシックインカムプロジェクト / 令和億万長者クラブで被害が出ているようで集団訴訟の呼びかけが始まっているようです。