検証 5

本ページでは以下の2つのグループに分かれる8つのサイトを検証しています。

●ALOHA COIN (アロハコイン alohacoin.link)

●FELIZ株式会社 (フェリス株式会社 www.feliz-1.com/index.html)

●Land of Aloha (ランドオブハワイ landofaloha.net/)

●Rebgloex (www.rebgloex.com)

●PRESTO RIPPLE [XID、XNC、XEP コイン] (プレストリップル prstr.co.jp)

●Numismatic Lab [XNC コイン] (xnc-uk.com)

●デジタルコインマーケット(DCM)-株式会社バード [XID コイン] (store.bird-jp.com)

●日本クリプトカレンシー協会 (JCA www.cryptocurrency-japan.org)


それでは検証を始めます。

●ALOHA COIN (アロハコイン alohacoin.link)

●FELIZ株式会社 (フェリス株式会社 www.feliz-1.com/index.html)

●Land of Aloha (ランドオブハワイ landofaloha.net/)

●Rebgloex (www.rebgloex.com)

いずれもAloha Coin (アロハコイン)という仮想通貨に関係するサイトですが下の2つのサイトは検証の最後に「付記3」で触れることにします。まずアロハコインのサイト(alohacoin.link)について説明します。

Aloha Coin JCL冒頭.PNG

これも知恵袋でステマと思われる投稿があったので取り上げることにしました。

まず連絡先情報は以下のようになっています。

>マイニング総代理店

>GOLD OCEAN ENTERPRISE

>ゴールドオーシヤシ・エンタープライズ東京オフィス

>〒103-0015東京都中央区日本橋箱崎町20-15KYビル5F

>TEL.03-6661-7738

>FAX.03-6661-7438

>http://www.alohacoin.net

>正規代理店

>株式会社JCL アロハコイン事業部

>〒150-6018

>東京都渋谷区恵比寿4-20-3 恵比寿ガーデンプレイスタワー18階

>TEL 03-5789-5770

>FAX 03-5789-5780

>e-mail: info@alohacoin.link

正規代理店、JCLの渋谷区恵比寿の住所はバーチャルオフィス業者のServcorpの拠点の住所と一致します。つまり架空住所です。

一方、総代理店のゴールドオーシャン社の住所を検索すると住所が完全に一致するだけでなく電話番号とFAX番号まで共通するフェリス(FELIZ)株式会社という会社が存在するようです。これが表題に掲げた2つ目の会社です。

Aloha Coin 住所重複.PNG

このフェリス社のサイトにはビジネスモデルなるものに関する説明がありますが

Aloha Coin 関連会社PDFファイル3.PNG
Aloha Coin 関連会社PDFファイル.PNG

フェリス社自身を「MLM企業」つまり「マルチレベルマーケッティング企業」と自称しています。要するにマルチ商法方式で勧誘を行っているようです。

ちなみにアロハコインのサイトの「Who IS」情報は隠匿されていますが、フェリス社の「Who IS」情報はどれほど信用出来るかは別として以下に示すように横浜在住の人物が登録者になっています。

Aloha Coin関連サイト Who IS情報.PNG

仮想通貨としてはハワイでのみ流通しており、将来的には日本でも流通させるということになっています。しかし本当にハワイで既に流通しているかどうかについては疑問です。アロハコインによる支払いを受け付けている会社としていずれもハワイのホテル、エステ・クリニック、ジュエリー(宝石)店といった会社、店舗の名前が挙げられていますが、「導入決定店舗」という表現になっていて既に使用可能になっているかどうか極めて不明確です。

Aloha Coin 流通店舗.PNG

それぞれの会社、店舗について調べてみるとそれぞれに公式サイトらしきものが見つかりますから実在する会社、店舗であることは事実としても仮想通貨による支払いを受け付けているとか導入が決定しているといった記載はいずれのサイトにも見つかりません。

http://www.manoavalleyinn.com/

http://www.jujubehawaii.com/

http://www.rhhj.com/

さらに「アロハコイン」あるいは「Aloha Coin」をネット検索しても引っかかるサイトは殆どが日本語で書かれたサイトばかりです。実際には「Aloha Coin」で引っかかる英語のサイトは存在していても例えばハワイ州のコレクション用の古銭を扱う古銭商など仮想通貨とは全く関係のないサイトばかりです。アロハコインがハワイで流通している実態があるかどうか極めて疑問と考えざるを得ません。また日本での流通については「日本の店舗も順次募集開始」とあるだけです。換金の方法に関する情報も明確に示されていません。

そもそもアロハコインはハワイ独立自治国「lndependent & Sovereign Nation State of HAWAI'I」を支援するなどと称してハワイ発祥であることを強調していますが、このハワイ独立支援の為にアロハコインの募集を行っていると称する「ネイディブコミュニティー支援協会」のサイト

Aloha Coin ネイティブコミュニティ.PNG

に書かれている連絡先は名古屋の住所(電話番号は無し)になっていますし、

>〒464-0062

>愛知県名古屋市千種区池下1-4-15 6C

>mail : info@native-csa.jp

サーバーも東京、サイトの登録者も岡山在住の日本人としか思われない名前です。

Aloha Coin ネイティブコミュニティサーバー登録.PNG

ハワイ発祥という主張には信憑性が全く感じられません。むしろ日本のグループがハワイ発祥という名目で勝手に立ち上げた仮想通貨であり、ハワイでも流通の実態がない名目だけの仮想通貨と考えざるを得ません。少なくとも現時点でこれが仮想通貨として広範に流通するかどうか非常に疑わしく投資対象として全く推奨出来ません。

※付記1

2017年2月に表題の2つのサイト、ALOHA COIN (アロハコイン alohacoin.link)、FELIZ株式会社 (フェリス株式会社 www.feliz-1.com/index.html)は共に閉鎖されていることを確認しました。特に後者のサイトにはこの会社が「ハワイCoin」という仮想通貨(?)の発行を名目に資金を集めていたけど他の事業(苗木ビジネス)に転用、要するに横領行為が行われ、結局は仮想通貨の発行まで至らず、投資した人に損害を与えたことを謝罪するみたいなことが書いてあります。かなり長くなりますがそのまま引用します。

Aloha Coin Feliz 閉鎖とお詫び.PNG

>フェリス株式会社 ホームページ閉鎖のお知らせ お詫びについて

>拝啓 時下ますますご清祥の段、お慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。さて、掲題の件につきまして本年9月1日をもちまして閉鎖いたしました。フェリス会員及び関係各位の皆様へは、深くお詫び申し上げます。

>敬具

>フェリス設立の経緯について

>昨年5月ハワイお茶苗木栽培の情報があり、見切りスタートでしたがMLMシステムを採用し会員の皆様からご協力いただきました。知人のリフォーム会社経営社長から東京都中央区日本橋箱崎町の事務所を貸して頂き、同社長が暗号通貨ビジネスを企画していたことから許可無くハワイcoinとしてお茶の苗木ビジネスに見切り転用してしまい会員の皆々様へご迷惑をおかけしております。

>ハワイcoinとは、FELIZ株式会社の独自コインの予定でしたが資金不足により設立まで到達出来なかったこと更にお詫び申し上げます。現在 Hawaii側へ畑の借地代金の支払いが出来ない事、東京都中央区日本橋箱崎町の事務所の賃料が未払いである事から下記事務所に移転しております。今後Hawaii 苗木ビジネス及びハワイコインへのご質問は、下記住所にお願い申し上げます。

>FELIZ株式会社 www.feliz-1.com

>〒216-0006神奈川県川崎市宮前区宮前平3丁目3-14-105号室

>〒225-0002神奈川県横浜市青葉区美しが丘一丁目18番地たまプラーザ団地3-6棟304号

>FELIZ株式会社 代表 西村 英明

>TEL 090-3007-3768

>FAX 044-948-4966

------引用終了------

明らかに犯罪としか思われない使い込み、横領行為をやっていたことを認めており、謝罪するだけでは全く話しになりません。

もう一方のALOHA COIN (アロハコイン alohacoin.link)のサイトにはサイト閉鎖後は以下の3つのサイトに情報を出すとあります。

>http://alohacoin.club

>http://alohacoin.info

>http://alohacoin.net

Aloha Coin Club 加盟店リスト.PNG

しかし最後のサイトは既に閉鎖されており、ALOHACOIN CLUB (アロハコインクラブ)という最初のサイトにはアロハコインが使用可能な店舗のリストなるものがあるように見えますが実際には以下に示すように「現在調整中です。」と書いてあるだけです。結局実際にアロハコインが使用可能な店舗などは全く確認出来ません。

※付記2

アロハコインはイープロテクションズという無登録の違法な海外送金会社(地下銀行)を中心とするグループの一角である可能性があります。イープロテクションズはその後、bitwaller (ビットウォレット bitwallet.com/ja/) と改称して地下銀行業務を続けているようです。ビットウォレットについては姉妹サイトである「危ない投資の備忘録」「無登録海外送金業者検証2」を参照してください。

またアロハコインに関する記述のあったグローバル フィンテック ファンデーションには一時期アロハコインに関する記述がありましたが現在ではGARUDA-Coin (ガルーダコイン)という類似の仮想通貨の販売を開始したようです。「検証14」のGlobal Fintech Foundation (グローバル フィンテック ファンデーション gff.or.jp)の項目を参照してください。

アロハコイン関連のサイトが続々閉鎖されているようなのでガルーダコインを新たな詐欺の材料の後継にするつもりなのではないかと考えざるを得ません。

※付記3

関連サイトが閉鎖されるなどしてそのまま終わるかと思っていたアロハコインを復活する気配があるようです。まずLand of Alohaというサイトにアロハコイン専用のページがあることに気が付きました。このページが何時から存在していたのか分かりませんが、Land of Alohaのサイト自体は1898年のアメリカ合衆国によるハワイ共和国併合を無効であると主張して「ハワイ独立主権国」を名乗っている人たちの主張を掲載したサイトということになるようです。そしてこの「ハワイ独立主権国」の基軸通貨としてアロハコインを採用するとしています。

>世界平和の夢を乗せたハワイ発の暗号通貨「アロハコイン」がスタート。しかもアロハコインはランド・オブ・アロハの『基軸通貨』として採用することになった。

しかしこのLand of Alohaというサイトは以前に検証対象にした「ネイディブコミュニティー支援協会」のサイト (現在は削除されている。)と同じで日本人が勝手に作ったものではないかと思われます。まずサイト全体が日本語のみで書かれています。これが本当にハワイ独立主義国の人たちの作ったサイトならば英語及びアメリカ併合前からハワイに住んでいた人たちの使っていたハワイ語で書かれていないはずはありません。

またサーバーの位置情報を見ると東京になっていますし、Who Is情報を見るとURLを日本のドメイン登録サービス業者のお名前.comから取得していることなどが分かります。

これはどう考えても日本のグループが作ったサイトです。そしてこのサイトには複数のアロハコイン関連サイトへのリンクが設けられています。それぞれのリンク先は以下のようになっています。

https://www.facebook.com/alohacoinhawaii/

https://www.aloha-coin.com/

https://www.alohacoin.today/

https://www.alohacoin.world/

そしてこれらのサイトを見ると内容はどれも似たり寄ったりの上に中身が乏しくてシステムをアップグレードする為に現在はアロハコインを販売していないがRebgloex (www.rebgloex.com)という仮想通貨取引所で入手出来るとなっています。但しRebgloexとは何の関係もないので問題が起こっても責任は取れないなどとも書いてあります。(右はaloha-coin.comからのキャプです。)

Rebgloexという取引所でアロハコインが取引可能になったといった記載はTwitterの書き込みや幾つかの日本語サイトにも見られます。以下は誰が書いているのか分かりませんが某ブログの記事です。

そこでこの仮想通貨取引所のサイトを確認してみましたがこれはハッキリ言って仮想通貨取引所のサイトの体をなしていません。まずセキュリティに細心の注意が求められる取引所のURLなのにセキュリティ保護の高い「https:」ではなく「http:」から始まっている時点で明らかに有り得ないと思います。またこのサイトを見てもアロハコインの取引が何処で可能なのか、アロハコインの相場が幾らなのかさっぱり分かりません。さらに連絡先情報がメールアドレス

>SUPPORT@REBGLOEX.COM)

しか見当たりませんし、アクセス状況を解析出来るサイトで見ると1日当たりの訪問者数が30人しかいません。訪問者30人では取引が殆ど成立しないでしょう。

さらに冗談としか思えないのが「CLIENT'S FEEDBACK (顧客の意見)」という部分です。

意見を寄せている顧客3名の名前は

>Mabashi Yuki

>Emma Watson

>Adam Smith

となっています。エマ・ワトソンにアダム・スミスとは映画の「ハリーポッター」などで有名な女優有名な哲学者・経済学者の名前から適当に取ったとしか思えません。またこの取引所は40種類もの仮想通貨を取引可能と書いてあったはずなのに3名の内、2名がアロハコインを取引可能なのが素晴らしいといったコメントになっています。これはアロハコインを販売していたグループによる幽霊取引所の可能性が高いと判断せざるを得ません。


※付記4

この件について集団訴訟の呼びかけが行われています。

この呼びかけには以下の様な説明が付いています。

>2016年初頭にゴールドオーシャンの代理店からアロハコインを購入。その時の説明では、2016年6月にはコインが入手できるという説明だったが、実際には入手できなかった。その後約3年経過した現在も手にすることはできていない。

>この間ゴールドオーシャン及び代理店よりコイン購入者に対し、遅れている理由や送金時期、上場の予定について明確な説明は行われていない。

>最近では、ランドオブアロハ、ホームページ上や、ラインなどで購入者に対して有料にて電子住民登録なるものを求めてきており、この登録をしないとコインが入手できないかのような表現がなされている。

>コイン購入時にこのような条件は告知されておらず、コイン購入費以外に予期せぬ新たな出費まで要求されている。(電子住民登録料300ドル+パスポート画像)また、購入して3年も経つ現段階においてもコインの支給時期や方法、上場の予定などは一切知らされていない。このような状況が続き、購入者は大変不安を抱いている。

>アロハコインは今のところプロジェクトが止まっており、このままいけば詐欺と言われてもしょうがない。


●PRESTO RIPPLE [XID、XNC、XEP コイン] (プレストリップル prstr.co.jp)

●Numismatic Lab [XNC コイン] (xnc-uk.com)

●デジタルコインマーケット(DCM)-株式会社バード [XID コイン] (store.bird-jp.com)

●日本クリプトカレンシー協会 (JCA www.cryptocurrency-japan.org)

この項目は知恵袋への質問投稿に対する回答として書いたものです。最後の日本クリプトカレンシー協会については付記の形で最後に説明します。

まずプレストリップル社はXID、XNC、XEPという3種類の仮想通貨を並べて販売しています。Numismatic Lab (直訳すれば貨幣学研究室)というサイトはその3種の内、XNCの元締めの様な役割を担っていることになっているようです。最後のデジタルコインマーケットはXIDを販売しているようです。取り扱っている仮想通貨が重複しているのでまとめて検証します。

PRESTO RIPPLE 取扱商品2.PNG

まずプレストリップル社の連絡先情報は以下のようになっています。

>社名 株式会社プレストリップル

>設立年月日 平成26年12月11日

>資本金 100万円

>代表者 代表取締役 小山好文

>サポートセンター 〒335-0001 埼玉県蕨市北町1-21-12-604

>TEL:048-432-9997(代表)

>FAX:048-432-9997

>取引銀行 みずほ銀行 横浜駅前支店>事業内容 仮想通貨販売、仮想通貨ユーザーの環境整備

住所は「サポートセンター」の住所となっています。これは本社が別に存在するような意味に解釈出来るように思うのですが、「サポートセンター」の連絡先しか書かれていない点にはかなり違和感があります。検索するとこの住所には「エステスクエア蕨」という分譲マンションがあるようです。「サポートセンター」は分譲マンションの一室ということになります。

3種類の仮想通貨の説明は以下のようになっています。かなり長いですがそのまま引用します。

>■XID (インターナショナルダイヤモンド)

>従来の価値記録(暗号通貨)にはない、〝資産価値の創造と保存〝に特化した価値記録(暗号通貨)です。オープン後は、資産価値の高いダイヤモンドとの現物交換が可能で、価値記録(暗号通貨)自体の発行枚数も限定されているので、価格の上昇が見込める価値記録(暗号通貨)です。

>発行枚数 67,000,000XID

>担保 30%程度

>オープン日 2016年初旬を予定

>2015年3月から先行販売開始

>限定販売終了後(オープン後)のサービス

>・お客様のアジアンペイの口座にてXIDの両替、及びゲートウェイにて売買が可能になります。

>・研磨済み鑑定証付きダイヤモンドと交換可能。

>・既製品(指輪、ネックレス等)をXIDで購入可能。更に、稀少ダイヤモンドとも交換可能。

>■XNC (アンティークコイン)

>従来の価値記録(暗号通貨)にはない、〝資産価値の上昇〝に特化した価値記録(暗号通貨)です。希少価値の高いアンティークコインとXRPを保有していく事により、担保価値の上昇が大きく見込めます。担保価値が上昇すれば、価値記録(暗号通貨)自体の価格の上昇にもつながります。オープン後は、資産価値の高いアンティークコインとの現物交換が可能です。

>発行枚数 120,000,000XNC

>担保 30%程度(内10%はXRP)

>オープン日 2016年秋頃を予定

>2015年8月から先行販売開始

>限定販売終了後(オープン後)のサービス

>・NGC社又はPCGS社鑑定済みのスラブケースに入れたアンティークコインが購入可能

>・お客様のアジアンペイの口座にてXNCの両替及びゲートウェイにて売買が可能になります。

>■XEP (東南アジア)

>フィリピンでの不動産投資及び、レンディング事業を軸に東南アジア投資を行い、オープン後は“半年ごとに収益分配が受けられる”画期的な価値記録(暗号通貨)です。不動産価値の上昇が見込める為、担保価値の大幅な上昇が見込め、さらにレンディング事業の収益分配を定期的(初回が2016年12月を予定。その後月ごとに配当)に受けられるので、価格の大きな上昇に期待が持てる価値記録(暗号通貨)です。

>発行枚数 50,000,000XEP

>担保 50%程度

>オープン日 2016年年末を予定

>2015年8月から先行販売開始

>限定販売終了後(オープン後)のサービス

>・お客様のアジアンペイの口座にてXEPの両替及びゲートウェイにて売買が可能になります。

>・東南アジアの物件等をXEPで買える様にする構想もあります。

>・不動産売却時に一部買取も考えております。

まず3つの仮想通貨に共通してアジアンペイという会社の口座で運用するという記載が出てきます。このアジアンペイという会社は既に「検証3」で取り上げたXRCコイン(XRC Regulus coin)という仮想通貨に関して登場した詐欺会社と同じ会社と思われます。従ってこれら3つの仮想通貨を発行しているのはXRCコインを発行している詐欺グループと同じである可能性が高いと考えるのが自然です。この点に関してはさらに以下で検証します。

3つの仮想通貨に関する検証に戻ると要するにこれら3種類の仮想通貨の売り上げの一部をダイヤモンド、アンティークコイン、フィリピンの不動産に投資して担保とするという主張ですが、これが事実であるとしても仮想通貨の価値担保になるかどうかは極めて疑問です。いずれも即時に換金するのが難しい資産ですし、勿論値下がりの可能性もあります。仮想通貨を買った人の多くが現金への換金を望んだら投資対象を即時に換金しなければならないはずなのですから話しになりません。そもそもこれらの資産に本当に投資しているのか確認のしようがありません。例えばフィリピンの何処にあるどんな不動産物件を投資対象にしているのかなどという具体的な情報は一切見当たりませんし、こんな投資をするのは担保価値の保全ではなく単なる「使い込み」です。

そもそも3つの仮想通貨の内、XIDとXEPについては運営主体さえ情報が見つかりません。プレストリップルはあくまでも販売元という主張のようであり、誰がダイヤモンドやフィリピンの不動産を吟味して投資を行っているのか不明です。唯一XNCについては運営主体らしいものが検索で見つかります。それが表題に加えた2つ目のサイト(xnc-uk.com)を運営しているNumismatic Labという会社です。

XNC 仮想通貨冒頭.PNG

Numismatic Labの連絡先情報は以下のようになっています。

>会社名 Numismatic Lab Ltd.

>会社番号 9686313

>問い合わせ先 support@xnc-uk.com

>ADDRESS 20-22 Wenlock Road, London, England

住所を検索するとこの住所はMade Simpleというバーチャルオフィスの住所です。つまり架空住所です。

そもそも「Numismatic Lab Ltd.」と英語の会社名で住所もイギリスなのにこのサイト(xnc-uk.com)は日本語でしか表記出来ないのは明らかに茶番です。イギリスの会社はダミーで実際には日本国内の詐欺グループが運営していると考えるのが妥当でしょう。

会社番号が書いてあるので検索すると確かにイギリスに会社登録はあるようですが、香港の「UNITED KINGDOM SECRETARIAL SERVICES LIMITED」というオフショア会社らしき会社を仲立ちにして香港在住の中国国籍の人物と日本在住の日本国籍の人物が経営者として名前を連ねています。

>Filter officers

>UNITED KINGDOM SECRETARIAL SERVICES LIMITED

>Correspondence address 1/F, No.25 , Lane-7th, Po Sheung Tsuen, Sheung Shui Wai, Sheung Shui, Hong Kong, Hong Kong, 0000HK

>LAI CHIU, Yim

>Correspondence address 1/F, No.25 , Lane-7th, Po Sheung Tsuen, Sheung Shui Wai, Sheung Shui, Hong Kong, Hong Kong, 00000

>Role Director

>Nationality Chinese

>Country of residence Hong Kong

>YUICHI, Ito

>Correspondence address 20-22, Wenlock Road, London, England, N1 7GU

>Role Director

>Nationality Japan

>Country of residence Japan

但し「YUICHI, Ito」という日本在住であるはずの日本人の住所は「Numismatic Lab社」の住所と同じイギリスのバーチャルオフィスの住所になっています。さらにこの「YUICHI Ito」という人物は全く同じバーチャルオフィスの住所を使ってEAST ASIA CROWD ESTATE LTD (09686329)という会社の経営者にもなっています。

XNC 仮想通貨経営者情報.PNG

このEAST ASIA CROWD ESTATE LTDという会社は既にアジアンペイという無登録の送金会社(地下銀行)との繋がりで登場したXRCコイン(XRC Regulus coin)という仮想通貨を発行している会社です(「検証3」)。つまりXNCという仮想通貨を発行している業者とXRCコイン(XRC Regulus coin)を発行している詐欺グループとの繋がりを示す情報が再度出てきたことになります。アジアンペイについては本サイトの姉妹サイトである「危ない投資の備忘録」「海外無登録送金業者検証1」にある検証を参照してください。

それから「YUICHI Ito」という日本人らしき名前の人物ですが、後になって検証した2つの案件、具体的には「検証37」で検証したRise Token Project (ライズトークン)という仮想通貨、「検証41」で検証したRevollet (レボレット) / xGateToken (クロスゲートトークン)という案件でも「YUICHI Ito」という名前が登場します。特にレボレットについてはイギリスの法人登録に経営者として登録されているのですが、登録名は「Yuichi Ito」となっていて「Numismatic Lab Ltd.」の経営者である「Ito Yuichi」と姓名の順序が逆になっているものの1984年10月生まれという点が一致しており、同じ人物である可能性がかなり高いものと思われます。同一グループが次々と怪しげな案件を立ち上げている可能性が強く疑われます。

さらに以下に示すようにXNCコインの発行元であるNumismatic LabのサイトとXRCコインの発行元であるEAST ASIA CROWD ESTATEのサイトには丸いアナグラム様のデザインが多用されている共通点があります。これも同じ詐欺グループによる詐欺サイトであることを示していると考えられます。

Numismatic Lab [XNC coin] のサイトより

XNC 仮想通貨冒頭2.PNG

EAST ASIA CROWD ESTATE [XRC Regulus coin]のサイトより

Regulus Coin フィリピン不動産.PNG

さらに「検証3」ではオーシャンコインやXRC レグルスコインについてリディアリッチ系列という巨額の被害を出している詐欺グループの関与を示す情報があることを指摘しましたが、ここで検証しているXID、XNC、XEPという仮想通貨を販売しているのもリディアリッチ系列との関連があると思わせる情報があるようです。

例えばXNCコインで検索して投資セミナーの様子をレポートしているサイトを見つけましたがXNCコインへの投資に関して講師が以下の様な説明をしたと書かれています。

XNC 収納代行エーティーエム.PNG

「収納代行を行うエーティーエム社」というのが出てきますがこのエーティーエムという収納代行業者は「検証3」のオーシャンコインの検証でも登場しており、リディアリッチ系列の詐欺グループが立ち上げたグループ企業とされています。リディアリッチについては別サイトの「リディアリッチ」の項目を参照してください。

ダイヤモンドを担保として購入しているという仮想通貨、XIDを販売しているのが3つ目に取り上げたデジタルコインマーケット(DCM)です。これは株式会社BIRD (バード http://bird-jp.com/)という会社が運営しているようです。まず「株式会社バード」の会社概要は以下のようになっています。

>商号 株式会社バード

>本社 〒103-0014 東京都中央区日本橋蛎殻町1-32-9 深山ビル102号

>TEL 03-6661-9911 FAX 03-6661-9910 E-MAIL support@bird-jp.com

>ホームページ http//bird-jp.com/

>設立 2012年10月

業務内容を見ると海外不動産紹介などとあり、マレーシアとフィリピンを縄張りとしているようです。XEPという仮想通貨はフィリピンの不動産を担保にしているという主張ですが系列と思われる株式会社バードがフィリピンの不動産購入に噛んでいるのかもしれません。ちなみにバードの住所を検索してみると面積11.64坪(38.48m2)の事務所用物件です。あまり大規模な会社とは思えません。

デジタルコインマーケットの「特定商取引法に基づく表記」は以下のようになっています。

>販売業者 株式会社DCM

>運営統括責任者名 田淵静也

>郵便番号 103-0013

>住所 東京都中央区日本橋人形町1-11-12 リガーレ日本橋人形町アネックスB204

>電話番号 03-5645-3843

>公開メールアドレス (空欄)

>ホームページアドレス http://store.bird-jp.com

ここにある住所を検索すると部屋番号まで同じ住所を使っている会社が少なくとも3つ存在するようです。

JUPITER LIMITED LIABILITY COMPANY

株式会社家族介護

株式会社Jfbs (JAPAN FOOD BRANDING SYSTEM)

加えて「リガーレ日本橋人形町」の公式サイトにはフロアガイドがあり、問題の「アネックスB204」という部屋には教育事業・託児・コンサルティングを業務とする「JBM株式会社」という会社が入居していることになっています。

Digital Coin Market住所.PNG

部屋番号まで同じ住所に投資関連、介護、日本食品のブランド化、教育事業など業種もバラバラな会社が共存しているとは極めて考えにくく、この住所に「デジタルコインマーケット」が実在するかどうか極めて疑わしいです。

さらにバードのサイトにも以下のキャプに示すようにアジアンペイというリディアリッチ系列と思われる会社の名前が出てきます。

XID デジタルコインマーケット ASIAN PAY.jpg

そしてこれら3つの仮想通貨は実際の商品やサービスの購入に使えるのかに関して全く情報が見つかりません。仮想通貨としての実態が全くない名前だけの仮想通貨と言わざるを得ません。

総合的に判断してこれら3種類の仮想通貨(XID、XNC、XEP)は全く信用出来ません。非常に悪質な投資詐欺を繰り返しているリディアリッチ系列の詐欺の可能性が極めて高く、投資対象にするべきではないと結論せざるを得ません。

※付記1

表題の最後、日本クリプトカレンシー協会(JCA)という団体がバナー広告や勧誘セミナーでXIDやXNCへの投資勧誘を行っているようです。広告にはビットコイン投資と書いてありますが、

XNC 日本クリプトカレンシー協会バナー広告1+3+4.PNG

FAQのページを見ると取り上げられているのは以下のキャプに示すようにXIDやXNCへの投資に関する質問ばかりです。詐欺組織と一体の疑いが濃厚な送金会社・アジアンペイも登場します。

XNC 日本クリプトカレンシー協会FAQ2.PNG

この団体の連絡先は以下の様になっています。

>団体名 一般社団法人 日本クリプトカレンシー協会

>代表 CEO 安富 康裕

>住所 東京都中央区日本橋室町1-8-2 日本橋末広ビル3階

>メールアドレス info@jca.asia

電話番号が見当たらず、住所は日本橋の雑居ビルです。この雑居ビルは不動産屋の情報によれば1フロアが1区画だけのいわゆるペンシルビルのようですが階数まで同じ住所に「株式会社女子マネ」という「オンラインサロンの運営代行」を業務内容としている会社が共存していることになっています。そしてまさにこの住所がレンタルスペースとして貸出し対象になっています。この住所に日本クリプトカレンシー協会が実在するとは思えず、信用出来るとは到底思えません。

※付記2

この案件に関すると思われる報道が2017年6月にNHKから出たようです。仮想通貨セミナーで勧誘されおそらくXNCコインに投資してしまった人を取材しています。イギリスの登記で発行元(Numismatic社)が休眠会社になっていることが指摘されており、確かに登記を確認すると以下のキャプで赤線で囲んである部分に書いてあるように2016年7月末でdormant (休眠)になっているようです。

※付記3

知恵ノートから本サイトへの移行に伴って2017年12月に確認したところ、

●PRESTO RIPPLE [XID、XNC、XEP coin] (プレストリップル prstr.co.jp)

●Numismatic Lab [XNC coin] (xnc-uk.com)

●デジタルコインマーケット(DCM)-株式会社バード (store.bird-jp.com)

の3つのサイトはいずれも閉鎖されたようです。デジタルコインマーケットのサイトはカラーミーショップ(https://shop-pro.jp/)という月額900円で始められるネットショップ作成サービスのサイトのエラー画面に転送されます。


※付記4

付記2を書いた時点で休眠会社となっていた発行元(Numismatic社)のイギリスにおける登記を再度確認したところ2019年1月8日でDissolved (解散)になっていることが判明しました。

また3つの仮想通貨、XID、XNC、XEPの中でXEPを購入してしまった人たちがenjinというサイトで集団訴訟の呼びかけを行っているようです。集団訴訟の対象はASIAN PAY (アジアンペイ) 安在氏となっています (以下のキャプ参照)。

この呼びかけの詳細情報には仮想通貨の購入に際してアジアンペイという地下銀行による送金であったこと、購入したXEPという仮想通貨は換金出来なかったといった経緯が記されています (再び以下のキャプ参照)。 このアジアンペイという地下銀行と安在という人物については姉妹サイトである「危ない投資の備忘録」「無登録海外送金業者検証1」のアジアンペイの項目に検証を書いたので参照してください。このアジアンペイと安在という人物の繋がりから本案件の実際の運営元は非常に多くの怪しげな投資案件に関わっている可能性が強いです。