検証87

ページで取り上げるサイトはいずれも仮想通貨取引所 (暗号資産交換業者) に該当すると思われますが、いずれも日本の金融庁が公表している暗号資産交換業者の登録リストに該当がありません。ここで検証するサイトの多くは日本語対応しており、さらに少なくとも一部のサイトについて日本人に向けた勧誘が行われている実態や被害報告が確認されていて単に無登録の違法業者であるというだけでなく、詐欺目的のサイトである疑いが極めて濃厚と考えられます。

▼本サイトでの検証は名誉棄損に当たらないと考えます。→ 雑記1

「検証63」「検証64」「検証65」「検証66」「検証67」「検証68」「検証69」「検証70」「検証71」「検証72」「検証73」「検証74」「検証75」「検証76」「検証77」「検証78」「検証79」「検証80」「検証81「検証82「検証83「検証84「検証85「検証86」で検証してきたTinderを始めとするマッチングサイト (出会い系サイト) やSNSで外国人による勧誘が行われているという共通点がある一連の詐欺仮想通貨取引所のサイトについての検証25ページ目です。「検証88」「検証89「検証90「検証91「検証92「検証93「検証94「検証95「検証96「検証97「検証98「検証99「検証100「検証101「検証102「検証103「検証104「検証105「検証106「検証107「検証108「検証109「検証110「検証111「検証112」「検証113」「検証114」「検証115」「検証116」「検証117」「検証118」「検証119」「検証120」「検証121」「検証122」「検証123」「検証124」「検証125」「検証126」「検証127」「検証128」「検証129」「検証130」「検証131」「検証132」「検証133」「検証134」「検証135」「検証136」「検証137」「検証138」「検証139」「検証140」「検証141」「検証142」「検証143」「検証144」「検証145」「検証146「検証147」にも続編があります。勧誘の手口などについては「検証63」の最初に書いてあるので参照してください。本ページでは以下を検証します。


●Bcyll (https://www.bcyll.com/dist/#/)

●FabCoin (Fabコイン https://www.fabcoin.net/dist/#/)

●LxgCoin (Lxgコイン https://www.lxgcoin.com/dist/#/)

●TCECoin (TCEコイン http://www.tcecoin.com/dist/#/)

●ZMCoin (ZMコイン http://www.zmcoin.live/#/)

●GMOBTC (https://www.gmobtc.com/dist/#/)

●MQL (https://www.mql5global.com/#/home)

●24ExChange (24エクスチェンジ https://24ex.me/dist/#/)

●FHIndex (FHインデックス https://www.fhindex.top/dist/#/)

●bitxbtc (https://www.bitxbtc.com/dist/#/)

●BIIDAEX (https://www.biidaex.me/dist/#/)

●ODX (https://optcoin.me/html/#/home、スマホ用サイト:https://optcoin.me/h5)

●Fullcoin (フルコイン https://www.fullcoinai.com/dist/#/)

●BTCTER (https://btcter.com/dist/#/)

●GGOCOIN (GGOコイン https://www.ggocoin.com/dist/#/)

●AOC [AOCトークン] (https://www.aoc-s.com/dist/#/)

●VAC [VACトークン] (https://www.vactapp.com/dist/#/)

●LLB [SHELTER CHAIN (SHC、シェルターチェーン)] (https://www.llb-ex.com/dist/#)

●COR [CORトークン] (https://www.coruvw.com/dist/#/)

●CAR [CARトークン] (https://www.cars888.com/dist/#/)

●LHC eXchange (LHCエクスチェンジ https://lhc114.com/#/)


まず数が多いですが以下の10個のサイトをひとまとめにして検証します。いずれもYahoo知恵袋に質問投稿が出てきたサイトで互いに似ている部分があり、同じグループが運営している可能性も考えられます。

●Bcyll (https://www.bcyll.com/dist/#/)

●FabCoin (Fabコイン https://www.fabcoin.net/dist/#/)

●LxgCoin (Lxgコイン https://www.lxgcoin.com/dist/#/)

●TCECoin (TCEコイン http://www.tcecoin.com/dist/#/)

●ZMCoin (ZMコイン http://www.zmcoin.live/#/)

●GMOBTC (https://www.gmobtc.com/dist/#/)

●MQL (https://www.mql5global.com/#/home)

●24ExChange (24エクスチェンジ https://24ex.me/dist/#/)

●FHIndex (FHインデックス https://www.fhindex.top/dist/#/)

●bitxbtc (https://www.bitxbtc.com/dist/#/)

既に閉鎖されているサイトもあってあまり詳しい検証は出来ませんが、まずそれぞれのサイトを知ることになったYahoo知恵袋の投稿を引用していきます。

2020年11月29日投稿 (Bcyllに関する投稿) 

この投稿には残念ながら質問の背景、何故Bcyllという取引所について質問しているのか、例えば誰かから勧誘されたのかなど何も説明がありません。

2021年1月21日投稿 (Bcyllに関する投稿) 

この投稿では既に出金出来なくなってしまっているようです。

2020年11月21日投稿 (Fabコインに関する投稿)

この質問投稿では出会い系サイトで出会った人物に勧誘されて5万円を仮想通貨建てで送金してしまったということのようですが、勧誘してきた相手については外国人だったかどうかも含めて情報がありません。勧誘の経緯は「検証63」で説明した手口に似ているように思われます。

2021年2月5日投稿 (Lxgコインに関する投稿)

出会い系サイトで知り合った中国人女性から勧誘されたという経緯はまさに典型的な中国系の詐欺の手口としか思われません。

2021年3月20日投稿 (Lxgコインに関する投稿)

こちらは勧誘してきた人物に関する情報がありませんが、既に出金出来なくなって被害が発生している状況のようです。

2021年4月20日投稿 (TCEコインに関する投稿)

この投稿では残念ながらなぜ質問しているのかなど背景について何の情報もありません。

2021年5月23日投稿 (TCEコインに関する投稿)

これもTCEコインに関する質問投稿でマッチングサイトで知り合った人物から勧誘されて入金してしまったようです。

2020年11月24日投稿 (ZMコインに関する投稿) 質問だけでなく状況が説明されているベストアンサーも示します。

質問ではURLアドレスが分かるだけですが、ベストアンサーになっている投稿では自称・大阪在住の台湾女性から勧誘されて40万円ほどの詐欺被害に遭ったという経緯が説明されています。

2020年11月22日投稿 (GMOBTCに関する投稿)

この投稿では自称・シンガポール在住のハーフの女性 (30歳)とTikTokで知り合ってLINEで勧誘されたという経緯が説明されています。幸いにして被害には遭わずに済んだようです。

2021年1月6日投稿 (MQLに関する投稿)

LINEで知り合った女性に勧誘されたとあるだけで詳しい状況は分かりません。

2020年12月16日投稿 (24エクスチェンジに関する投稿)

この24エクスチェンジに関する投稿は短時間で削除されてしまったようで気が付いた時には投稿があった形跡しか残っていませんでした。辛うじて24エクスチェンジのURLアドレスが分かるだけです。どういう経緯で質問が投稿されたのかは不明です。

次のFHインデックスというサイトについては複数の質問投稿がYahoo知恵袋に出ています。

2020年12月26日投稿 (FHインデックスについての投稿1) 

SNSで知り合った外国人に勧められているという投稿が1件、そして最後の投稿ではSNSで知り合った自称・台湾人女性から勧誘されて入金してしまい、既に出金出来なくなっているようです。

2021年8月11日投稿 (bitxbtcに関する投稿)

この投稿では単にサイトに関する情報、特に出金に関する情報を求めているだけで質問の背景は全く説明されていません。

そしてとにかくこれらのサイトにアクセスしてみました。以下にサイト冒頭部のキャプを表題と同じ順 (Bcyll→Fabコイン→Lxgコイン→ZMコイン→GMOBTC→MQL→24エクスチェンジ→FHインデックス→bitxbtc) に並べてみます。まずBcyllのサイトの冒頭部のキャプです。

表示対応言語の選択肢は英語、中国語、香港語、日本語の4つです。このBcyllのサイト冒頭に出てくる画像は以前にも出てきた画像です。具体的には「検証63」で検証したHKEX、「検証69」で検証したTMTグローバル、「検証80」で取り上げたリッチコインとボットコインズ など幾つかのサイトで冒頭部に同じ画像が使われていることが確認されています。また以下にキャプを示すMQLというサイトの冒頭にも同じ背景画像が使われています。

次はFabコインのサイト冒頭です。

表示対応言語の選択肢は中国語、英語、香港語、日本語、韓国語の5つです。一見して分かるように日本語表示を選んでも中国語の表記が残ります。これらのサイトが中国のグループによるものであることは確実でしょう。

次にキャプを示すLxgコインのサイト、さらにその次に示すTCEコインのサイトは明らかに上のfabコインのサイトと似ています。まずLxgコインのサイトのキャプを示します。

表示対応言語の選択肢は中国語、英語、香港語、日本語、韓国語の5つで上のFabコインのサイトと同じです。さらにメニューバーの項目が「相場」「法定通貨取引」「現物取引」「レバレッジ」「秒契約取引」の5つとなっているのもFacコインのサイトと同じですし、ソフトフォーカスの夜景が背景に使われていることにも共通性があります。次に示すTCEコインのサイトも明らかにFacコインおよびLxgコインのサイトと似ています。

このTCEコインのサイトも表示対応言語の選択肢は中国語、英語、香港語、日本語、韓国語の5つで上のFacコインおよびLxgコインのサイトと同じです。メニューバーの項目は3項目に減っていますがソフトフォーカスの夜景が背景に使われているのは同じです。さらにこれ以外の部分でもFacコイン、Lxgコイン、TCEコインの3つのサイトに共通性があることは後述します。

次はZMコインのサイトからのキャプです。

このサイトでは表示言語は英語のみです。

次はGMOBTCのサイトです。

このGMOBTCのサイト冒頭には異様な空白があります。表示対応言語は中国語、英語、香港語、日本語の4つです。

次はMQLのサイトのキャプです。

表示言語の選択肢は中国語、英語、香港語、日本語となっています。背景の画像は「検証72」で検証したVTBIT、「検証84」で検証したHEXSのサイト冒頭の背景に使われていた画像と同じです。

次は24エクスチェンジのサイトからのキャプです。このサイトについてはスライドショー形式で入れ替わる背景画像の2つのパターンを示します。

2つ目の背景画像は上で示したBcyll、「検証63」で検証したHKEX、「検証69」で検証したTMTグローバル、「検証80」で取り上げリッチコインとボットコインズといったサイトで使われていた背景画像と明らかに同じものです。表示言語の選択肢は英語、中国語、香港語、日本語の4つになっています。

次はFHインデックスのサイト冒頭のキャプです。

表示言語は英語、中国語、香港語、日本語の4つです。

最後はbitxbtcのサイト冒頭部のキャプです。

表示言語は英語、中国語、香港語、日本語の4つです。

これら10個のサイトは冒頭分を見ただけでは表示言語の選択肢に国旗のアイコンが付いているとかスライドショー形式で背景画像が入れ替わる、冒頭部の直下に幾つかの仮想通貨の相場情報が表示されているぐらいの共通点しか見当たりませんが、この冒頭部に続くサイトの特長をイラスト付きで3項目にまとめた部分を見ると様相が変わります。これも以下に表題と同じ順 (Bcyll→ Fabコイン→Lxgコイン→TCEコイン→ ZMコイン→ GMOBTC→ MQL→ 24エクスチェンジ→ FHインデックス→bitxbtc) でキャプを並べてみます。

この3つのイラストと説明文の組み合わせは「検証63」以降で検証してきた中国系と思われる詐欺サイトの多くで確認されています。2~4番目のFabコイン、Lxgコイン、TCEコインの場合が白黒反転になっている、最後のFHインデックスでは色違いになっているという若干のバリエーションはありますが7つのサイトで全く同じイラストと説明文の組み合わせが使われているのは明らかです。FabコインとLxgコインはサイト冒頭部の比較でも共通性が高いことを指摘しましたが、この3つの特長をまとめた部分での共通性も認められるとなればいよいよ2つのサイトは近い関係にあることが確実です。

FHインデックスとbitxbtcのサイトのイラスト部分が色違いのバージョンになっているのも初めてというわけではなく「検証80」で検証したグローバルデジタルカレンシーの例があります。以下に再掲したグローバルデジタルカレンシーのサイトからのキャプと比較すると少し配色が異なる、具体的にはグローバルデジタルカレンシーではイラストの赤が部分的に濃い色になっている、色味もFHインデックスとbitxbtcのイラストは赤よりもオレンジ色に近いことが分かりますがよく似ていることは確かです。

このサイトの特長を3項目にまとめて説明する部分に続いてはマルチプラットフォーム対応を説明する部分が出てきます。これも以下に表題と同じ順 (Bcyll→ Fabコイン→Lxgコイン→ ZMコイン→ GMOBTC→ MQL→ 24エクスチェンジ→ FHインデックス→bitxbtc) でキャプを並べてみます。

Bcyll

Fabコイン

Lxgコイン

TCEコイン

ZMコイン

GMOBTC

MQL

24エクスチェンジ

▼FHインデックス

▼bitxbtc

10個のサイトはこの部分についてもやはり互いに似通っていることが明らかです。最も明確に異なるのは最後のFHインデックスとbitxbtcの場合で一見すると他の8つのサイトと全く異なるように見えますが記されている

>Multi-platform terminal trading anytime, anywhere

という文章は他の8つのサイトに記されている文章と全く同じです。添えられている画像とか背景の色などは変わっていますがやはり同じ系列であることは疑いないと考えます。

さらにサイトの脚注部分を比較します。これも以下に表題と同じ順でキャプを並べてみますが残念ながらGMOBTCの脚注のキャプは取得する前にサイトが削除されたようなので欠落しています。以下は順にBcyll→ Fabコイン→Lxgコイン→ TCEコイン→ZMコイン→ MQL→ 24エクスチェンジ→ FHインデックス→bitxbtcからのキャプです。

連絡先情報らしきものがあるのは2~4番目のFabコイン、Lxgコイン、TCEコインの場合のみです。それもメールアドレスがそれぞれ1つあるだけです。

Fabコイン: fabcoinservice@gmail.com

Lxgコイン: lxgcoinservice@gmail.com

TCEコイン: tcecoinservice@gmail.com

しかもこれら3つのメールアドレスは無料登録できるgmailのアドレスです。仮想通貨取引所の連絡先情報がフリーメールのアドレスだけというのは話になりません。

これ以外にも幾つかのサイトには連絡先、運営人に関して断片的な情報が見つかりますがいずれも信用出来るようなものには思えません。例えばBcyllのサイトの脚注に「Bcyll 簡単な介紹」、FHインデックスのサイトの脚注に「FHIndex 簡単な介紹」、bitxbtcの脚注にも「BITXBTC 簡単な介紹」という項目があります。「紹介」ではなく「介紹」となっているのは単なるミスタイプなのかそれとも中国では紹介を「介紹」というのか分かりませんが、「検証80」で検証したリッチコイン、ボットコインズという2つのサイトでも脚注の項目名が「簡単な介紹」となっていました。以下はリッチコインの脚注のキャプの再掲なのですが赤枠で囲った部分に何故か「Richcoin 簡単な介紹」ではなく「Bottcoins 簡単な介紹」とあるのが分かります。脚注にある他の項目名にも一致が見られることからリッチコイン、ボットコインズ、Bcyll、FHインデックス、bitxbtcの5つのサイトは同じテンプレートの使い回しで作られている可能性が高いです。

とにかくBcyllの「Bcyll 簡単な介紹」のページを見ると以下のキャプに示すような文章があります。

活字が小さすぎるので以下に記述内容を書き出します。気になる部分を下線で強調してあります。

>Bcyll 简単な介绍

>Bcyll グループは2016年に設立され、ブロックチェーンの発展にリーダーシップとより安定した環境を提供することを目的としています。本社はシンガポールにあり、デジタル資産国際駅、電子マネー、投資ファンド、研究機関などを含む業務ネットワークを運営しています。グループの旗艦プラットフォームは業界トップのデジタル資産国際ステーションBcyll Globalです。発売以来、このプラットフォームは革新の面で業界のトップに位置しています。

>Bcyll Globalは、ウォールストリート及び日本ヨーロッパのシニア量子化取引チームによるブロックチェーンのベテラン従業員によって、中心化された組織形式に行くことによって創立されたブロックチェーンの資産交流と交換のプラットフォームに専念します。運営チームは5年間のデジタル資産金融サービスの経験を持っています。社員は米国、スイス、シンガポール、日本、韓国、中国香港、マルタなどに分布しています。

>TM Globalは世界トップのデジタル資産国際ステーションであり、取引の活発度は世界ランキングでリードしており、すでに世界の数百万人のユーザーにデジタル通貨取引サービスを提供しています。


さらにどうせ活字が小さくて判読しにくいのでキャプは省略しますがFHインデックスの「FHIndex 簡単な介紹」のページにもほぼ同じ文章があります。これも気になる部分を下線で強調します。

>FHIndex 简単な介绍

>FHIndexグループは2016年に設立され、ブロックチェーンの発展にリーダーシップとより安定した環境を提供することを目的としています。本社はシンガポールにあり、デジタル資産国際駅、電子マネー、投資ファンド、研究機関などを含む業務ネットワークを運営しています。グループの旗艦プラットフォームは業界トップのデジタル資産国際ステーションFHIndex Globalです。発売以来、このプラットフォームは革新の面で業界のトップに位置しています。

>FHIndex Globalは、ウォールストリート及び日本ヨーロッパのシニア量子化取引チームによるブロックチェーンのベテラン従業員によって、中心化された組織形式に行くことによって創立されたブロックチェーンの資産交流と交換のプラットフォームに専念します。運営チームは5年間のデジタル資産金融サービスの経験を持っています。社員は米国、スイス、シンガポール、日本、韓国、中国香港、マルタなどに分布しています。

>TM Globalは世界トップのデジタル資産国際ステーションであり、取引の活発度は世界ランキングでリードしており、すでに世界の数百万人のユーザーにデジタル通貨取引サービスを提供しています。


要するにBcyllのサイトにある「介紹」の文章とFHインデックスのサイトにある「介紹」の文章はほぼ同じです。異なるのは主語の部分だけですがそれも3つ目の文節で主語が「TM Globalは」となっていて非常に違和感があります。おそらく「TM Global」という同じグループによるサイトが存在していてそのサイトをテンプレートにしてこれらのサイトを作った為に主語がおかしくなっているのではないかと思われます。そして「本社はシンガポールにあり」とか「社員は米国、スイス、シンガポール、日本、韓国、中国香港、マルタなどに分布」と書いてありますがそれらの拠点の具体的な連絡先情報は全く開示されていません。さらに「2016年に設立され」とありますが、これも信用出来るとは思えません。以下は順にBcyllとFHインデックスのサイトのWho Is情報ですが、黄色の枠で囲った部分に記されているサイトの登録・開設日はそれぞれ2020年10月20日と2020年11月18日になっています。とてもではありませんが2016年設立という主張を信用出来ません。

ついでにこれらのWho Is情報の赤枠で囲った部分には登録機関やその所在地に関する断片的な情報が記されています。

▼Bcyll

登録機関: Ao Men

登録者所在地: 中国・マカオ

▼FHインデックス

登録機関: fang yao

登録者所在地: 中国・広東省

中国語は分からないのですが登録機関名は両方とも中国系の個人名ではないかという気がします。また所在地はマカオと広東省となっており、非常に共通点が多いサイトなのに所在地が全く異なるということになります。これらの所在地情報も信用することは出来ませんが、それぞれのサイトの「介紹」の項目にあったシンガポールに本社があるという主張も信用出来るとは思えません。

これらはいずれもYahoo知恵袋に質問が出てきたサイトですが、質問の背景、例えば勧誘の経緯などに関する情報は不充分です。しかしこれらのサイトもやはり「検証63」以降で検証してきた中国系の詐欺サイトと共通点が非常に多くて到底信用出来るサイトとは思えません。これら10個のサイトの内、既に幾つかは何の告知もなく閉鎖されていることはこれらのサイトが詐欺目的のサイトである可能性と矛盾しません。

これらのサイトでの投資勧誘を受けても決して応じないことを強く推奨します。


●BIIDAEX (https://www.biidaex.me/dist/#/)

●ODX (https://optcoin.me/html/#/home、スマホ用サイト:https://optcoin.me/h5)

これらもYahoo知恵袋に質問投稿が出てきたサイトです。まずそれらの質問投稿を引用します。

2021年5月5日投稿 (BIIDAEXに関する投稿)

マッチングサイトのTinderで知り合ったシンガポール人女性に勧誘されているという一件目の投稿、なぜ取引することになってしまったのかといった経緯は不明ですが出金出来なくなっているという2件目の投稿を合わせて考えると「検証63」の冒頭で説明した典型的な中国系の詐欺グループによる詐欺の手口と合致するように思われます。

2021年5月12日投稿 (ODXに関する投稿)

この投稿でもどうやら出会い系のサイトで出会った人物に勧誘されて入金してしまい、出金に支障が生じているようです。

とにかくこれらの投稿に出てきたサイトにアクセスしてみました。以下に2つのサイトの冒頭部のキャプをBIIDAEX  → ODXの順で示します。

BIIDAEXの場合、表示言語の選択肢は国旗アイコンで示されている中国語、英語、香港語、日本語の4つになっています。

ODXの表示言語はやはり国旗アイコンで示されていますが英語、香港語、日本語、韓国語の4つからの選択になっています。

そしてこの冒頭部に続く部分にはサイトの特長を簡単なイラスト付きで説明する部分があります。比較の為に英語表示のキャプをこれもBIIDAEX  → ODXの順で以下に示します。

この簡単なイラストと説明文の組み合わせは上でまとめて検証したBcyll以下の9つのサイトなど「検証63」以降の一連の検証の対象にしたサイトで非常に頻繁に出てくるものと全く同じです。

この部分に続いてはマルチプラットフォーム対応を説明する部分が出てきます。これもBIIDAEX  → ODXの順で以下に英語版のキャプを示します。

ODXのこの部分は上で検証したBcyllのサイトなどの場合とそっくりですがBIIDAEXの場合はこれまで見てきたサイトのどれにも似ていません。但し記載されている内容自体は要するにマルチプラットフォーム対応の説明であり、大意は変わっていません。

最後にトップページの一番下にある脚注部分のキャプを示します。

子の脚注部分にいずれの場合にも唯一の連絡先情報としてメールアドレスだけ記載があります。

BIIDAEX: Biidaex.com@gmail.com

ODX: ODX@gmail.com

いずれのメールアドレスも無料登録できるgmailのアドレスです。仮想通貨取引所の唯一の連絡先情報がフリーメールのアドレスというのは話になりません。

連絡先情報についてはBIIDAEXに限ってですがWho Is 情報に断片的な情報があります。

まず赤枠で囲った部分を見ると登録機関名が「Shen Zhen Shi Qing Guo Hu Yu Ke Ji You Xian Gong Si」、所在地がHeilongjiang、CNとなっています。これは中国の黒竜江省を意味します。この所在地情報がどれほど信頼出来るかは疑問ですが、やはりこのサイトは中国と繋がりがあるように思われます。

そして黄色の枠で囲った部分を見るとサイトの登録・開設日が2021年3月4日となっています。この検証は2021年6月半ばに書いているので3ヵ月半ほどしか経過していない新しいサイトということになります。ところがこの検証を書いている最中にこのBIIDAEXのサイトは何の告知もなく突然閉鎖されたようです。何の告知もなく突然閉鎖されるという事態になるという時点でこのサイトは明らかにまともなサイトではありません。やはり詐欺目的のサイトであったと判断せざるを得ません。

もう一方のODXのサイトは現時点でアクセス可能ですが、やはり突然閉鎖されてしまう可能性があるような詐欺サイトとしか思われません。投資勧誘を受けても決して応じないことを強く推奨します。


●Fullcoin (フルコイン https://www.fullcoinai.com/dist/#/)

●BTCTER (https://btcter.com/dist/#/)

●GGOCOIN (GGOコイン https://www.ggocoin.com/dist/#/)

フルコインとBTCTERはYahoo知恵袋に質問が出てきたサイト、GGOコインはbtcterの関連サイトです。まずフルコインとbtcterについてYahoo知恵袋に出てきた質問を引用します。

2021年6月20日投稿 (フルコインに関する投稿)

この質問投稿ではURLアドレス以外に殆ど何の情報もありませんが不審を抱いていることだけは分かります。

2021年3月23日投稿 (btcterに関する投稿)

マッチングサイトのTinderで知り合った女性に勧誘されて仮想通貨建てで送金してしまったようです。

2021年613日投稿 (btcterに関する投稿)

こちらは勧誘された経緯は不明で口座を開設しただけでまだ入金はしていないという状況のようです。

とにかくこれらのサイトにアクセスしてみました。以下に2つのサイトの冒頭部のキャプを示します。まずフルコインのサイトの冒頭部のキャプです。

表示言語の選択肢は英語、日本語、韓国語の3つです。

次はBTCTERのサイト冒頭部のキャプです。

表示言語は一見するとプルダウンメニューから選択出来るようになっているように見えるのですが実際にはプルダウンメニューは存在しておらず、英語表示のみのようです。

そして2021年6月下旬に検証を書く為に再度このBTCTERのサイトにアクセスしようとしたのですが、BTCTERのサイトがおそらく閉鎖されて以下にキャプを示すGGOコインのサイトに強制的にリダイレクト (自動転送) されるようになっていました。これが本項で検証する3つ目のサイトです。

キャプ画像を比較すれば明らかにBTCTERとGGOコインのサイトは非常によく似ているのが分かります。表示言語もBTCTERのサイトと同様に英語のみです。しかしURLアドレスは異なっており、名称が変更されただけという問題ではなく、BTCTERのサイトとは別個のサイトです。

冒頭部に続いては3つのサイト共に上で検証したBcyllなど多くのサイト同様にサイトの特長を簡単なイラスト付きで3項目にまとめて説明する部分が出てきます。表題と同じフルコイン→BTCTERGGOコインの順でその部分のキャプを以下に示します。

最初のフルコインの場合はBcyllなどこれまで検証してきた多くのサイトに見られたものとイラスト部分も説明文の部分も全く同じ3項目になっています。しかし2番目、3番目のBTCTERGGOコインの場合は3つのイラスト部分は全く同じなのですがその下の説明文の部分が全く異なるものになっています。3項目の内容も左側の第1項目はいずれの場合でもセキュリティに関するものですが第2項、第3項は全く内容も変わっています。いずれにしろイラスト部分が全く同じなので同じグループによるサイトとしか思えないのは同じです。

さらにこの下にはそれぞれマルチプラットフォーム対応を説明する部分が出てきます。これも表題と同じフルコイン→BTCTER→GGOコインの順でその部分のキャプを以下に示します。

この部分についてはBTCTERGGOコインのサイトにあるものは上で検証したBcyllなど多くのサイトで見慣れたものになっていますが、最初のフルコインのサイトで使われている画像はこれまで見たことがないものです。しかし

>Multi-platform terminal trading anytime, anywhere

という文章はこれまでに検証してきたサイトにも見られる文章と同じで共通になっています。

最後にトップページ一番下の脚注部分を比較します。これもフルコイン→BTCTER→GGOコインの順でキャプを以下に示します。

最初のフルコインのサイトには連絡先情報が全く見当たりません。キャプでは活字が小さくなってしまって読みとれませんがBTCTERとGGOコインについては脚注の右端にメールアドレスだけが記載されています。

BTCTER: info@btcter.com

GGOコイン: info@ggocoin.com

連絡先情報がこれだけでは話にならないので3つのサイトのWho Is 情報も確認しました。以下に示すのはBTCTERのサイトのWho Is 情報です。

黄色の枠で囲った部分にはサイトの登録・開設日が記されていますが2020年9月11日となっています。そして赤枠で囲った部分にある登録者の情報を見ると登録機関名が空欄になっており、所在地は「Bangkok, HK」となっています。「Bangkok」はタイの首都であるバンコク、「HK」は香港を意味するとしか思えず、意味が分かりません。

他の2つのサイトのキャプは省略しますが、登録・開設の日付と登録者の所在地情報は以下のようになっています。

▼フルコイン

登録・開設日: 2021年4月22日 所在地情報: 記載なし

▼BTCTER

登録・開設日: 2020911 所在地情報: Bangkok, HK

▼GGOコイン

登録・開設日: 2021年6月1日 所在地情報: Bangkok, HK

所在地情報は記載なしかあるいは香港のバンコクという有り得ない住所となっていて何も情報がないのと同じです。

言うまでもありませんが既に何の告知もなく閉鎖されたと思われるBTCTERを含むこれら3つのサイトは既に被害報告が出ている多くの詐欺サイトと同じテンプレートから作られたサイトと思われ、全く信用出来ません。これらのサイトでの投資勧誘を受けても決して応じないようにするべきです。


●AOC [AOCトークン] (https://www.aoc-s.com/dist/#/)

●VAC [VACトークン] (https://www.vactapp.com/dist/#/)

●LLB [SHELTER CHAIN (SHC、シェルターチェーン)] (https://www.llb-ex.com/dist/#)

いずれもYahoo知恵袋に質問質問投稿が出てきたサイトで明らかに互いに似ているのでまとめて検証します。それぞれサイト独自の仮想通貨を販売しているようです。まずこれらのサイトを知ることになったYahoo知恵袋への投稿を引用します。

2021年1月24日付投稿 (AOCに関する投稿) 

マッチングサイトのTinderで知り合った自称・シンガポール人の女性から勧誘されたということで「検証63」の冒頭で説明した中国系の詐欺グループによる勧誘のパターンに合致しています。

2021年4月14日投稿 (VACに関する投稿)

この投稿では「紹介してくれた人」というのが誰なのか情報がありませんが中国の医療関係(の仮想通貨)とありますからやはり中国に関係のある人物からの紹介だった可能性は考えられます。

2021年5月26日投稿 (VACに関する投稿)

この投稿では「出会い系のサイトで知り合った中国在住?の女性」から勧誘されたとあります。やはり中国の医療関係の仮想通貨への投資を勧められたようです。

2021年4月21日投稿 (LLBに関する投稿)

この投稿では残念ながら詳しい状況は何も書かれていません。「中国の仮想通貨サイト」と認識し、詐欺を疑っていることだけが分かります。

ともかくこれらの質問にあったURLアドレスから3つのサイトにアクセスしてみました。以下に表題と同じAOC → VAC → LLBの順で冒頭部のキャプを示します。

表示対応言語はAOCとVACが中国語、英語、日本語の3つ、最後のLLBは中国語と英語の2つのみです。VACとLLBの背景に使われているイラストは同じものでしょう。また最後のLLBでは英語表示を選択しているのに中国語の表示が残ります。この時点でLLBのサイトを運営しているのは中国語圏の人物と考えざるを得ません。

この冒頭部に続く部分に続いては各サイトで取引されている仮想通貨のリアルタイムの相場情報が出てきます。まず左下がAOCで取引されている7つの仮想通貨のリスト、右下がVACで取引されている仮想通貨のリストです。

最後に左に示したのがLLBのリアルタイム相場s情報のキャプです。

3つのサイトではいずれの場合もリアルタイムの相場情報はドル建てとCNY (中国人民元) 建てで表示されます。このサイトが中国系のサイトであることを示すものでしょう。

そしてこれら3つのサイトではいずれも7種類の仮想通貨が取引されているようでビットコイン (BTC)、イーサリアム (ETH)、ビットコインキャッシュ (BCH)、イオス (EOS)、リップル (XRP)、ライトコイン (LTC)と6つまではメジャーな仮想通貨ですが7番目に出てくる仮想通貨が問題です。

AOCのサイトではAOC、VACのサイトではVACというサイト名と同じ略称の仮想通貨が取引されていることになっています。3番目のLLBのサイトではSHCという仮想通貨が取引されています。これら3つの聞き慣れない仮想通貨について仮想通貨の情報サイトであるCoinMarketCapで情報を探してみましたがいずれも該当がありません。VACについては最初に引用したYahoo知恵袋の投稿でVACという医療関係の仮想通貨に投資するように勧められているとありましたがこれがその勧められた仮想通貨と思われます。

ともかくこのAOCなど聞き慣れない仮想通貨のチャートを確認しようとしましたがいずれのサイトでも以下のキャプに示したようなログインを要求する画面が出てきてチャートを見ることが出来ません (以下のキャプはACOのサイトの場合)。

このログインを要求する画面は例えば上で検証したBcyllのサイトでもチャートを見ようとすると出てくるログインを要求する画面と全く同じです (以下のキャプ参照)。

このログイン画面が互いに酷似していることからここで検証している3つのサイトはいずれもBcyllなど多くのサイトを運営しているのと同じグループが運営してる可能性が考えられました。そしてリアルタイムの相場情報を表示している部分に続いては以下のキャプに示しましたがサイトの特長をイラスト付きで3項目にまとめている部分が出てきます。これもAOC → VAC → LLBという表題と同じ順で比較の為に英語版のキャプを以下に並べます。

イラスト部分はVACとLLBのものは互いに同じですが最初のAOCのサイトのイラストは異なります。しかしイラストの雰囲気は明らかに似通っていて同類であることは間違いないでしょう。そしてこれらのイラスト部分はこれまでに見たことのないものだったのですが、よく見ると説明文の部分は上で検証した7つのサイトなどこれまで検証してきた多数の中国系と思われるサイトで共通する説明文と一致していることに気が付きました。例えば最も頻繁に検証に登場しているイラストと説明文の組み合わせとして上で検証したBcyllのサイトからのキャプを以下に再掲しますが説明文の部分は全く同じです。

説明文の一致を分かりやすくするために英語ではなく日本語で表示した場合についても以下に2つのサイトのキャプを並べて比較します。以下、順にAOC、Bcyllのサイトからのキャプです。

かなり不自然な日本語訳ですが、2つのサイトで文章は全く同じです。AOCを運営しているのはBcyllなど非常に多くの仮想通貨取引所のサイトを運営している中国系と思われる詐欺グループである可能性が極めて高いと結論してよいかと思います。

この3つの特長をまとめた部分の次にはBcyllなどのサイトではマルチプラットフォーム対応を示すパソコンやスマホのチャート画面の画像が出てくるのですが、ここで検証している3つのサイトではそのような部分はありません。3つの特長をまとめた部分の直下に出てくるのは以下のキャプに示した脚注です。

いずれのサイトでも右端に「連絡先」あるいは日本語に対応していないLLBの場合には「Contact Us」という項目がありますが、記されているのはメールアドレス1つだけです。活字が小さくて読みにくいのでメールアドレスを以下に書き出します。

AOC:service@aoc-s.com

VAC:service@vactapp.com

LLB:service@llb-ex.com

そしてAOCとVACの脚注には「会社案内」、LLBの場合にはおそらく中国語で会社案内を意味すると思われる「公司简介」という項目があります。但し、VACの会社案内のページは空白で何も書かれていません。AOCの「会社案内」のページの冒頭部のキャプを以下に示します。

活字が小さくで読みにくいので最初の部分を以下に書き出します。

>AOCは世界をリードする暗号通貨取引所であり、シンガポール共和国セイシェルによって発行されたデジタル暗号通貨取引ライセンスを持っています。シンガポールに本社を置き、アジア太平洋、ヨーロッパ、米国、中東などにオフィスを構えています。 AOCコアチームは、コンピューター、情報セキュリティ、通信、数学、金融、Web開発、高周波アルゴリズム取引など、さまざまな分野の最高の業界専門家で構成されており、ブロックチェーン基盤アーキテクチャ、分散データベース、暗号化アルゴリズムの市場と実践を持っています。 

「シンガポール共和国セイシェル」のライセンスを持っているという記述がありますが、これはシンガポールとセイシェルの両方からライセンスを受けているという意味かと思われます。さらにシンガポールに本社があってアジア太平洋、ヨーロッパ、米国、中東などにオフィスがあると書いてありますがそれらの拠点の住所とか電話番号といった連絡先情報は全く見当たりません。

LLBの場合には英語表示を選択してもAOCの会社案内に相当すると思われる「公司简介」のページに書かれているのは中国語の文章であり、何が問題なのかGoogle翻訳に掛けてみても翻訳がうまくいかないので意味がよく分かりませんが、Seychell (セーシェル) という国名など断片的に理解できる単語を見るとほぼ同じ内容の文章だと思われます。こちらも拠点の住所や電話番号などは記されておらず、情報開示は明らかに不適切です。

さらに3つのサイトの脚注には「白書」あるいは「White Paper」という項目があり、それぞれのサイト独自の仮想通貨のホワイトペーパーが以下のURLアドレスにPDFファイルとして用意されていることが分かりました。上で少し触れたAOC、VACとSHCという仮想通貨のホワイトペーパーということになります。

AOCのサイトのAOCのホワイトペーパー:https://www.aoc-s.com/upload/AOCjp.pdf (全67ページ)

VACのサイトのVACのホワイトペーパー:https://www.vactapp.com/upload/jp.pdf (全70ページ)

LLBのサイトのSHCのホワイトペーパー:https://www.llb-ex.com/upload/shc.pdf (全93ページ)

これらのホワイトペーパーの中で2つ目のVACのホワイトペーパーは日本語版になっています。英語版のホワイトペーパーもURLアドレス (https://www.vactapp.com/upload/VACen.pdf)は用意されているのですが削除されてしまったのかダウンロード出来ません。

これらの中で最後のSHCはSHELTER CHAINの略称のようです。

いずれもかなり長大なホワイトペーパーなので内容を全て精査する気になりませんが拾い読みして目に付いたことを書いていきます。まずAOCのホワイトペーパーで分からないのがAOCという仮想通貨の名称です。以下はホワイトペーパーの30ページからの抜粋です。

以下に上のキャプに書かれている文章を書きだします。

>Global Vaccine Ecology Blockchain Network, English is Vaccine Ecology Block Chain Network, abbreviated as: AOC , which means metaphor for intelligent vaccine immunization medical health ecologica l application on block chain, is a distributed vaccine immunization medical application on block chain application Health ecology is also a unified and open blockchain vaccine immunization medical health service platform.

ついでにこの英文をGoogle検索で日本語訳した結果も以下に書き出します。

>グローバル ワクチン エコロジー ブロックチェーン ネットワーク、英語はワクチン エコロジー ブロック チェーン ネットワーク、略称: AOC は、インテリジェント ワクチン予防接種のメタファーを意味しますチェーンは、ブロックチェーンアプリケーションの分散型ワクチン免疫医療アプリケーションです 健康生態学も統合されたオープンなブロックチェーン ワクチン免疫医療医療サービス プラットフォーム。

このホワイトペーパーに書かれている英文はおそらく英語以外で書かれた文章を英語役にした文章と思われ、意味が分からない部分があります。AOCは医療分野を標的とした仮想通貨らしく「Vaccine Ecology Block Chain Network (ワクチン エコロジー ブロック チェーン ネットワーク)」の略称がAOCだというのですが英語の頭文字を並べてもAOCになるとは思えません。元の文章は中国語の文章でその頭文字を並べるとAOCになるのかもしれませんがこれでは意味が分かりません。

また以下はAOCのホワイトペーパーの48ページにあるAOCの基本情報です。

リリースの日付は2020年6月になっています。そして総発行枚数はかなり多くて10億枚となっています。上で示したように2021年1月現在でAOCは1枚が2.56ドルほどで取引されていることになっていますから総発行枚数の10億枚から計算するとAOCの時価総額は25億6000万ドルとかなりの規模になるはずです。これで仮想通貨データーベースのCoinMarketCapに情報が見つからないことにはかなり違和感があります。さらに世界的なワクチンの接種に貢献できると書いてありますがどの様な形でワクチン接種に貢献する仮想通貨になるのか個人的に納得できるような説明は見当たりません。

67ページもあるAOCのホワイトペーパーには他にも信じ難い部分が見つかります。例えばホワイトペーパーの30ページ目には以下の記述があります。

AOCを共同で運営しているという企業や団体として国連組織であるWHO (世界保健機関)、シンガポール政府、シンガポールのDBS銀行ビル&メリンダ・ゲイツ財団ソフトバンク・ビジョン・ファンド、などなど笑ってしまうほどの錚々たる企業、財団などが挙げられています。しかしこれらの企業や財団などがこのAOCという仮想通貨に関与しているといった公式発表的なものは検索しても全く見つかりません。

例えばソフトバンググループの会社が仮想通貨事業に関与しているかどうか検索して見つかってきたのは逆にソフトバンクグループやその職員が仮想通貨事業に関与していないという警告です (以下のキャプ参照)。ソフトバンクグループの名前を語った詐欺が横行しているようだから注意してくれということでしょう。

次にVACのホワイトペーパーからいくつか指摘します。まず以下はVACのホワイトペーパーの50ページ目にある「トークンの紹介」という項目の冒頭部のキャプです。

AOCのホワイトペーパーは英語版しかなく、VACのホワイトペーパーは日本語版しかないので2つのホワイトペーパーを直接比較するのが困難なのですが、AOCとVACの2つの仮想通貨の基本情報には一致する部分が非常に多いです。

▼名称はAOCが「ワクチン エコロジー ブロック チェーン ネットワーク」の略称、VACが「ワクチンエコロジカルブロックチェーン」の略称とされていて極めて似ている。

▼発売日が両方とも2020年6月で一致。

▼総発行枚数が両方とも10億枚で一致。

▼ブロック速度が3-5秒/ブロックで一致。

▼難易度調整も1ブロック毎で一致。

▼機能がワクチンの接種など医療関係で一致。

AOCとVACの2つのサイトは同じグループによって運営されているとしか思えないのですが、仮想通貨の基本情報もそっくりです。さらにホワイトペーパーの69ページ目には以下のキャプに示しますがVACはシンガポール政府、シンガポールのDBS銀行ビル&メリンダ・ゲイツ財団ソフトバンク・ビジョン・ファンド、などの協力を得ているとあります。

これらは上に書いたAOCの共同運営者として登場していた豪華メンバーと非常によく似ています。

こうなるとこれほど似通った仮想通貨が2つ存在する意味が全く分かりません。しかもおそらく出資や主導に関与している豪華メンバーも明らかに似通っています。医療分野で専用の仮想通貨が必要とされているかどうか疑問ですが仮に必要だとしてもどちらか一方あれば充分でしょう。同じような機能の仮想通貨が2つ必要な理由など全く思い浮かびません。同じホワイトペーパーのテンプレートをコピペして使いまわしているようにしか思えないのです。もしかするとさらにこれ以前にテンプレートが存在していた可能性だって考えられるでしょう。

次はLLBのサイトからダウンロードしたSHCのホワイトペーパーについても簡単に触れます。但しこのホワイトペーパーは最も基本的な情報さえ明示されていないようでさらに英語にも間違いが目につき、非常に分かりにくいです。ともかくまず以下が「INTRODUCTION (序章)」の冒頭部のキャプです。

まず人類と最近の新型コロナウイルスを含む多様な感染症の長い戦いの歴史について書いてあり、赤枠で囲ってありますが「Shelter Chain (SHC、シェルターチェーン)」という仮想通貨は仕組みが理解出来ませんが人類と感染症との戦いに貢献するといったことが書いてあります。医療関係の仮想通貨という点では上のAOCやVOCと明らかに似ています。次に上のAOCやVACのホワイトペーパーとのさらなる比較の為にも基本的な発行条件など探したのですが以下のキャプに示したぐらいの情報しか見つかりません。

とりあえず総発行枚数は20億枚となっているようでAOCやVACの10億枚とは異なってます。そしてイーサリアムのERC20というシステムを当初は使い、後に独自のシステムに移行すると書いてあります。そこでイーサリアムのシステムを使っている仮想通貨についての情報を調べることが出来るEtherscanというサイト (https://etherscan.io/) でShelter Chain (SHC)の情報を探しましたが該当すると思われる仮想通貨は見つからないという結果になります。この仮想通貨は上に書いたようにLLBのサイトで現時点での相場情報が表示されていて現に取引されていることになっているのですし、ホワイトペーパーの41ページにあるロードマップには以下の文章があります。

>In April 2020, the project tokens were first sold globally (2020年4月に売り出しが始まった)

イーサリアムのシステムを使って既に販売、取引されている仮想通貨であるはずなのですからEtherscanでデーターが見つからないはずはありません。既に独自のシステムに移行した後で既にイーサリアムのシステムを使っていないということなのでしょうか?

さらにこのホワイトペーパーには3ページに渡って画像付きで運営者12名のプロフィール紹介があります。しかしこのプロフィール画像に違和感を感じたので画像検索に掛けてみると幾つかの画像はネットから拾ってきた画像で間違いないようです。例えば以下はホワイトペーパーでシェルターチェーン財団の副総裁と紹介されているRosalind Queenという人物の画像とプロフィールです。

しかしこのプロフィール画像を画像検索に掛けてみると「稿定素材」という中国系と思われる画像素材のサイトで同じ画像を発見しました。

これは明らかにペテンでしょう。この女性がシェルターチェーン財団の副総裁とは全く思えません。さらにこれ以外にもシェルターチェーンの運営者の幾人かのプロフィール画像がネット上に見つかります。シェルターチェーンのホワイトペーパーは明らかに信用出来ません。

またここで各サイトへのアクセス状況を調べてみました。まずAOCのサイトへのアクセス状況を調べてみると以下の以下のキャプに示したように検出限界以下のアクセスしかないという結果になります。

とてもではありませんが、世界に名だたる大企業やシンガポール政府、大規模で著名な財団などが関与している大規模な仮想通貨事業のサイトとは思えません。AOCの販売チャンネルは他にもあるのでしょうか?あるのだとすればそれは何処のサイトなのでしょうか?

同様に以下の2つのキャプはそれぞれVACのサイトへのアクセス状況、LLBのサイトへのアクセス状況を示しています。VACへのアクセスはAOCの場合と同じく検出限界以下、LLBへのアクセスも1日当たりわずか49人です。

これほどアクセスが少ないサイトで新しい仮想通貨を売ったところで普及するとは全く思えず、買う人が少なければ相場が上昇することも全く期待出来ません。

また以下のキャプに示したのはAOCのサイトのWho Is情報です。

このWho Is情報を見るとサイトの登録・開設日が2020年10月16日とこの検証を書いている2021年1月の時点で3ヶ月ほどしか経過していないかなり新しいサイトであることが分かります。ホワイトペーパーにはAOCが2020年の6月にリリースと書いてあったのと食い違っているように思われます。さらに赤枠で囲った部分にある登録機関名が空白、所在地は香港という記述はシンガポールに本社があるという主張と矛盾しています。

同様に以下はVACのサイト、LLBのサイトのWho Is 情報のキャプです。

いずれも赤枠で囲った部分にある所在地情報を見るとVACの所在地は香港、LLBの所在地は中国のHeilongjiang、つまり黒竜江省であるとなっています。3つのサイトは同じグループによる運営の可能性が非常に高いので香港、香港、黒竜江省という所在地は信用する気にはなりませんがこれはやはり中国系の詐欺サイトである疑いが極めて濃いと考えます。

改めて結論するまでもないと思いますが、これら3つのサイトは全く信用出来ません。これらのサイトでの仮想通貨投資を勧誘されても決して応じないことを強く推奨します。


※付記

VACのサイトに極めてよく似たCORというサイトが見つかってきました。以下で検証しているので参照してください。


●COR [CORトークン] (https://www.coruvw.com/dist/#/)

Yahoo知恵袋に質問が出てきたサイトで上で検証したAOC、VAC、LLBの3つのサイトに似ているのでここで検証します。まずYahoo知恵袋に出てきた質問を引用します。

2021年11月16日投稿

この投稿の投稿者はマッチングサイトのTinderで知り合った女性に勧誘されたようです。勧誘者が外国人であったかどうかは不明ですが「検証63」の冒頭に書いた中国系と思われる詐欺勧誘の典型的なパターンかと思われます。

2022年1月15日投稿

こちらは経緯は全く分かりませんが既に投資してしまい、円に戻したいけれどやり方が分からないという質問になっています。記されているURLアドレスは1件目の質問にあったのと全く同じです。ともかくこれらの投稿に出てきたURLアドレスのサイトに行ってみました。以下がサイト冒頭のキャプ画像です。

表示言語の選択肢は中国語、英語、日本語です。そしてこの冒頭部だけ見ても既視感があったのですがこの冒頭部に続く部分を見ていくと上で検証したAOC、VAC、LLBの3つのサイトに似ていることに気が付きました。まず取引対象になっている仮想通貨のリアルタイム相場情報の表が出てきます。左下が本項の検証対象であるCORのサイトからのキャプ、右下が上で検証したVACのサイトからのキャプ画像です。

一見してこれら2つのサイトからのキャプ画像が互いに非常によく似ています。表の形式は互いにそっくりですし、両者ともに仮想通貨のリアルタイムと思われる相場がドル建てと中国の人民元 (CNY) 建てで示されています。しかも2つのサイトで取引されている仮想通貨は上からビットコイン (BTC)、イーサリアム (ETH)、ビットコインキャッシュ (BCH)、イオス (EOS)、リップル (XRP)、ライトコイン (LTC) のまでメジャーな仮想通貨6種が共通で並んでおり、最後の7番目にそれぞれのサイト名と同じCOR、VACと同じ略号の見慣れない仮想通貨が出てきています。仮想通貨データーベースのCoinMarketCapで調べるとVACという仮想通貨の情報は見つかりませんし、CORという略号の仮想通貨についても2件の該当 (CoretoCorgiNFTGame) はあるものの相場水準が全く異なるので別個の仮想通貨と思われます。後述しますがこのCORという仮想通貨はこのCORという取引所独自で売り出している仮想通貨と思われ、ホワイトペーパーがダウンロード出来るようになっています。

そして独自と思われる仮想通貨を含めて少なくとも7種類の仮想通貨が取引されていると思われるのですが、チャートを見ようとすると以下に示したログインを要求する画面が出てきて見ることが出来ないようになっているのもAOC、VAC、LLBなどのサイトと同じです。

さらにこの相場情報を示す部分に続いてはサイトの特長を簡単なイラスト付きで説明する部分が出てきます。以下にキャプを示します。

比較の為に上で検証したVACのサイトの相当部分のキャプ画像を以下に示します。CORのサイトはこの部分でもVACなどのサイトに酷似していることが明らかです。

そして以下はCORの脚注部分のキャプ画像です。比較の為にVACの脚注のキャプも再掲します。

この脚注部分でもCORのサイトはVACのサイトに極めてよく似ています。「白書」という項目が見えますが、これがこの取引所独自と思われるCORという仮想通貨のホワイトペーパーへのリンクになっています。このホワイトペーパーについては後述します。そしてこのキャプ画像の右端に共通して連絡先情報としてメールアドレスのみ記されています。CORのメールアドレスは以下のようになっています。

>連絡先 services@coruvw.com

これ以外には会社案内のページに以下の記述があります。

活字が小さくて読みにくいので冒頭部を書き出します。

>CORは世界をリードする暗号通貨取引所であり、シンガポール共和国セイシェルによって発行されたデジタル暗号通貨取引ライセンスを持っています。シンガポールに本社を置き、アジア太平洋、ヨーロッパ、米国、中東などにオフィスを構えています。 

この文章は上で検証したAOCのサイトにあった文章と酷似しています。

>AOCは世界をリードする暗号通貨取引所であり、シンガポール共和国セイシェルによって発行されたデジタル暗号通貨取引ライセンスを持っています。シンガポールに本社を置き、アジア太平洋、ヨーロッパ、米国、中東などにオフィスを構えています。

「シンガポール共和国セイシェル」という2つの国名が繋がっている部分は明らかに意味不明ですし、シンガポールに本社があってそれ以外にも世界各地に拠点があるとしながらもそれらの具体的な住所とか電話番号など連絡先情報は開示されていません。さらに以下に示したサイトのWho Is 情報も確認してみました。

赤枠で囲った部分に登録者に関する断片的な情報がありますが所在地は香港の湾仔 (わんし、広東語読み: ワンツァイ) となっています。そしてWho Is 情報を調べるのと並行してCORのサイトへのアクセス状況を調べた結果が以下のキャプです。

1日当たりの独立訪問者数、月間のアクセス数などいずれも検出限界以下になっています。非常にアクセスは少ないのですから会社案内にあった

>シンガポールに本社を置き、アジア太平洋、ヨーロッパ、米国、中東などにオフィスを構えています。 

という記述は不合理であり、到底信用出来ません。

そして取引されている仮想通貨のリストの最後にあったCORという仮想通貨についてですが、脚注のリンク (https://www.coruvw.com/upload/CORjp.pdf) からホワイトペーパーがダウンロード出来るようになっていることについては触れましたがそのホワイトペーパーは上で検証したVACのホワイトペーパーと酷似しているようです。例えば以下はそれぞれのホワイトペーパーの表紙の比較です。

これだけでも2つのホワイトペーパーが同じテンプレート由来であることが分かります。さらにそれぞれのホワイトペーパーの3ページ目にある「ビジョン」というタイトルの序論的な文章の部分でも2つのホワイトペーパーを比較してみます。以下にCOR → VACの順でキャプを示します。

左上のヘッダー部分にそれぞれ「CORホワイトペーパー」VACホワイトペーパー」と書いてあるのがこのキャプの範囲で唯一の違いのようです。そして内容的にはどうやって新しい仮想通貨と結びつけるのか理解に苦しみますが新型コロナウイルスのワクチン関連のことが書いてあります。

さらにそれぞれのホワイトペーパーの50ページ目にある「7.1 トークンの紹介」という仮想通貨の基本情報をまとめている項目の冒頭部を比較します。これも以下にCOR → VACの順でキャプを示します。

やはり仮想通貨の名前が入れ替わっているだけで記載内容は基本的に同じです。2つのホワイトペーパーは単に仮想通貨の名称を変えただけでのコピーです。

そしてこの検証を書いている2022年1月現在でVACのサイトは閉鎖されていますし、VACという仮想通貨が上場されている気配もありません。VACもCORも詐欺目的で用意された詐欺コインと考えざるを得ません。

言うまでもありませんがCORという取引所での投資、とりわけCORという新しい仮想通貨への投資を勧誘されても絶対に応じるべきではありません。


※付記

時期は不明ですがCORのサイトは閉鎖されたようです。その代わりということなのかもしれませんがCORのサイトと非常によく似たCARというサイトが見つかってきました。次項で検証しているので参照してください。


●CAR [CARトークン] (https://www.cars888.com/dist/#/)

Yahoo知恵袋に質問が出てきたサイトで上で検証したCOR (https://www.coruvw.com/dist/#/) とよく似ていて明らかに同じテンプレートに由来するサイトなのでここで検証します。まずYahoo知恵袋に出てきた質問投稿を引用します。

2022年4月21日投稿

このサイトで取引することになるまでの経緯が全く分からないのですが、数字の上では2万ドルを稼いだことになっている状態で出金しようとしたところ税金とさらに資金移動の安全の為と称して保険金名目で追加入金を要求されて戸惑っているという状況のようです。質問の記されているURLアドレスの「extension」以下の部分はおそらくアフィリエイターのIDでしょう。この質問者はアフィリエイト報酬目当ての人物に勧誘されて取引してしまったという可能性が高いです。

さらにこの検証を書き終えた後ですが同じサイトに勧誘されたという投稿が出てきました。

2022年6月5日投稿

シンガポールのCFPアナリスト (?)を名乗る人物に勧誘されて入金してしまったようです。やはり典型的な詐欺のパターンのように思われます。

ともかくこれらの質問に出てきたサイトの冒頭部のキャプを以下に示します。

表示言語の選択肢は右上のプルダウンメニューに見える中国語、英語、日本語の3つです。そしてこの冒頭部に既視感を感じたので調べてみると最初に書いたように上で検証したCORというサイト (https://www.coruvw.com/dist/#/) に非常によく似ていることが分かりました。以下に比較の為にCORのサイトの冒頭部のキャプを再掲します。

さらにこの冒頭部に続く部分には左下に示した仮想通貨の相場情報を示す部分が出てきますが上で検証したVACやCORのサイトにも非常によく似た部分が確認されています。右下に示したのがCORのサイトからのキャプの再掲です。

相場はどうやらドル建てと人民元(CNY)建てで示されているようです。人民元建ての相場を示していることからやはりこのサイトも中国系のサイトであることが示唆されます。

またここで相場情報が示されている仮想通貨を2つのサイトで比較するとビットコイン (BTC)、イーサリアム (ETH)、ビットコインキャッシュ (BCH)、イオス (EOS)、リップル (XRP)、ライトコイン (LTC) までは共通です。そして最後の1つがそれぞれのサイト名と同じCARとCORとなっており、これらはサイト独自の仮想通貨と思われます。仮想通貨データーベースのCoinMarketCap (https://coinmarketcap.com/ja/) でCARという略称の仮想通貨を探すとSupercars (CAR)CarBlock (CAR) という2つの仮想通貨が見つかりますが、後者は未流通、前者も相場水準が全く異なるということでここで取引されているCARという仮想通貨とは別物のようです。このCARという仮想通貨についてはまた後述します。

相場情報の次に出てくるのはサイトの特長を3項目にまとめて説明している部分です。以下にキャプを示します。

この部分も上で検証したVACやCORのサイトと非常によく似ています。以下にはCORのサイトの相当部分のキャプを比較の為に再掲します。

さらに以下ではCARとCORの脚注部分を比較しています。この部分でも互いに非常によく似ているのが明らかです。

この脚注部分の右端にはメールアドレスが示されています。

>連絡先 services@cars888.com

具体的な連絡先情報として開示されているのは殆どこれが全てです。それ以外にはこの脚注の「会社案内」の項目に以下のような記述があります。

活字が小さく出読みにくいので最初の部分を以下に書き出します。

>CARは世界をリードする暗号通貨取引所であり、シンガポール共和国セイシェルによって発行されたデジタル暗号通貨取引ライセンスを持っています。シンガポールに本社を置き、アジア太平洋、ヨーロッパ、米国、中東などにオフィスを構えています。

この文章も上で検証したCORなどのサイトにあった文章と酷似しています。「シンガポール共和国セイシェル」という2つの国名が並んでいる部分は理解に苦しみます。またシンガポールに本社、それ以外にもアジア太平洋、ヨーロッパ、米国、中東などにオフィスがあると主張していますが具体的な住所とか電話番号といったものは何も示されていません。所在を明らかにしないオフィスに何の意味があるのでしょうか?

さらにCARのサイトの脚注部分には「白書」という項目があります。この項目をクリックしてみるとCARという仮想通貨のホワイトペーパーのPDFファイルが用意されていました。以下はホワイトペーパーの表紙のキャプです。

これはCARのサイトのリアルタイム相場情報を示している部分に示されていたCARという仮想通貨のホワイトペーパーと思われます。そしてこのホワイトペーパーを簡単に確認してみましたがこれは上で示したCORやVACのホワイトペーパーとほぼ同じものです。例えば以下はCARのホワイトペーパーの3ページ目にある「ビジョン」という項目の冒頭部です。

そしてここにある文章は上で検証したCORのホワイトペーパーにも存在します。以下はCORのホワイトペーパーの相当部分の再掲です。背景画像が違うだけで文章自体は全く同じです。いずれも新型コロナウイルス関連の仮想通貨ということになっているようです。

さらにまず以下はCARのホワイトペーパーの50ページ目にあるCARという仮想通貨の概要説明です。

これも上で検証したCORのホワイトペーパーの相当部分と比較します。

背景画像と仮想通貨の略称が違うだけで他は全く同じです。つまりホワイトペーパー自体が使い回しです。

わざわざ結論を書くまでもないと思いますが本項の検証対象であるCARというサイトは言うまでもなく全く信用出来ません。特に上で検証した明らかにCARのサイトに酷似していて同じグループのよって同じテンプレートから量産されたと思われるCORなどのサイトが軒並み何の告知もなく閉鎖されていることを考えればCARのサイトも突然告知もなしに閉鎖される可能性大でしょう。CARのサイトは詐欺目的のサイトとしか思われません。このサイトでの投資を勧誘されても絶対に応じるべきではありません。


●LHC eXchange (LHCエクスチェンジ https://lhc114.com/#/)

これもYahoo知恵袋に質問が出てきたサイトです。まずそれら知恵袋への投稿から引用します。

2020年12月21日投稿

いずれもTinderというマッチングサイトで知り合ったシンガポールの女性から勧誘されたということになっています。「検証63」冒頭に書いた中国系と思われる詐欺の勧誘の手口に似ているのは間違いありません。とにかくこれらの投稿にあったURLアドレスにアクセスしてみました。以下がアクセスしたサイトの冒頭部のキャプです。表示言語は英語だけのようです。

LHCというサイトの名称の下に

>LIFE CODE GENE HEALTH CHAIN

>New currency subscription World debut

と書いてあり、全く説明がないのですがLHCというのは「LIFE CODE GENE HEALTH CHAIN」の略称であり、新しい仮想通貨なのではないかと思われます。右に示した取引されている仮想通貨のリストにもビットコイン (BTC)、イーサリアム (ETH)、リップル (XRP)、ライトコイン (LTC)、ビットコインキャッシュ (BCH)、イオス (EOS)、ビットコインSV (BSV)といったメジャーな仮想通貨に並んでLHCという仮想通貨が取引されていることになっています。このLHCという仮想通貨については仮想通貨データーベースのCoinMarketCapで情報を探しても見つかりません。またホワイトペーパーも見当たりませんし、チャートを見るにはログインを要求される設定になっています。

LHCという仮想通貨についてはOfficial Announcement (公式発表)というページに3件の発表が出ていることが分かりました (以下のキャプ参照)。

これらの発表を読んでみましたが殆ど情報がありません。辛うじて以下のような記述を見つけました。

> As the world’s first "blockchain + gene health and medical" digital contract business ecological model, 

どうやら遺伝子医療、遺伝子治療と関係する仮想通貨らしいということは分かりますが遺伝子治療と仮想通貨がどう関係するのか漠然としていて何も分かりません。

これ以外のサイトの内容で特に気になるのは以下のキャプに示した部分です。

サイトの特長を3項目にまとめてイラスト付きで説明しているのですがイラストの下に書かれている説明文は上で検証したBcyllなど非常に多くのサイトに共通して見られる以下のイラストと説明文の組み合わせに書かれている説明文と全く同じではないにしろかなり似ています。

特に似ているのは第1項目です。

▼LHC

Safety and trustworthiness

Five years'experience in digital assets financial services

Professional Distributed Architecture and Anti-DDOS System

▼Bcyll

Safety and trustworthy

5 years experience in digital asset financial setvices

Professional distibuted architecture and anti-DDOS attack system

断言は出来ませんが偶然とはちょっと考えにくいほど似ているように思います。同じグループが運営に関与している可能性も考えざるを得ません。

それから連絡先ですが殆ど情報がありません。以下はサイトの脚注部分のキャプですが右下にメールアドレス (security@lhc114.com) だけが記されています。

運営の所在地については以下のキャプに示したWho Is情報に断片的な情報が見られます。

赤枠で囲った部分に登録者に関する記述があります。登録機関名は空白になっており、所在地のGuangdongというのは中国の広東省を意味するようです。

英語表示にしか対応していないサイトですが最初に引用した知恵袋の2件の投稿によれば日本人を標的にした勧誘が行われているようですし、非常に危険なサイトと考えざる得ません。勧誘されても応じないことを推奨します。