検証126

本ページで取り上げるサイトはいずれも仮想通貨取引所 (暗号資産交換業者) に該当すると思われますが、いずれも日本語表示に対応しているのに日本の金融庁が公表している暗号資産交換業者の登録リストに該当がありません。無登録の違法業者である可能性が高いです。またこれらのサイトは「検証114」「検証118」で検証したサイトと同じグループによって同じテンプレートから立ち上げられたサイトと考えられ、海外の大手金融機関の名称やロゴを盗用したサイトも含まれています。

▼本サイトでの検証は名誉棄損に当たらないと考えます。→ 雑記1

「検証63」「検証64」「検証65」「検証66」「検証67」「検証68」「検証69」「検証70」「検証71」「検証72」「検証73」「検証74」「検証75」「検証76」「検証77」「検証78」「検証79」「検証80」「検証81「検証82「検証83「検証84「検証85「検証86」「検証87「検証88「検証89「検証90「検証91「検証92「検証93「検証94「検証95「検証96「検証97「検証98「検証99「検証100「検証101「検証102「検証103「検証104「検証105「検証106「検証107「検証108「検証109「検証110「検証111「検証112「検証113「検証114「検証115「検証116「検証117」「検証118」「検証119」「検証120」「検証121」「検証122」「検証123」「検証124」「検証125で検証してきたTinderを始めとするマッチングサイト (出会い系サイト) やSNSで外国人による勧誘が行われているという共通点がある一連の詐欺仮想通貨取引所のサイトについての検証64ページ目です。「検証127」「検証128」「検証129」「検証130」「検証131」「検証132」「検証133」「検証134」「検証135」「検証136」「検証137」「検証138」「検証139」「検証140」「検証141」「検証142」「検証143」「検証144」「検証145」「検証146「検証147」にも続編があります。勧誘の手口などについては「検証63」の最初に書いてあるので参照してください。本ページでは以下のサイトを検証します。検証項目は順次追加の予定です。


●J.P.Morgan (J.P.モルガン https://www.apqdzst.top//#/、スマホ用サイト:https://www.apqdzst.top/h5/#/)

●J.P.Morgan (J.P.モルガン https://www.jraqedc.top//#/、スマホ用サイト:https://www.jraqedc.top/h5/#/)

●J.P.Morgan (J.P.モルガン https://www.jpmorgandect.com/#/、スマホ用サイト:https://www.jpmorgandect.com/h5/#/)

●NFEX (https://www.nfexers.com/、スマホ用サイト:https://www.nfexers.com/h5/#/)

●NFEX (https://www.nfexat.com/、スマホ用サイト:https://www.nfexat.com/h5/#/)

●BOA (https://www.usboawkx.com//#/、スマホ用サイト:https://www.usboawkx.com/h5/#/)

●BOA (https://www.boamfi33.top/#/、スマホ用サイト:https://www.boamfi33.top/h5/#/)

●BlackRock Inc (ブラックロックインク https://www.blackrockkgtd.com/#/、スマホ用サイト:https://www.blackrockkgtd.com/h5/#/)


まず以下の2つのサイトを検証します。

●J.P.Morgan (J.P.モルガン https://www.apqdzst.top//#/、スマホ用サイト:https://www.apqdzst.top/h5/#/)

●J.P.Morgan (J.P.モルガン https://www.jraqedc.top//#/、スマホ用サイト:https://www.jraqedc.top/h5/#/)

これはYahoo知恵袋に出てきた質問投稿から見つかってきたサイトです。またこれらのサイトは既に上で書きましたが「検証114」「検証118」で検証してきた一連のサイトと明らかに似ている部分があり、それらのサイトの派生形のサイトと思われます。運営グループも同じである可能性が高いです。まずこれらのサイトに結びつくことになったYahoo知恵袋への投稿を引用します。

2023年1月9日投稿

Twitterで知り合った自称・日本語勉強中の外国人に投資を勧誘されたということです。そして勧誘役の外国人は以下のような主張を展開したようです。

>①兄弟がJPMorganの元アナリストでデータを元に投資をしている。

>②仮想通貨のサイトの利用手順をスクリーショットを用いて解説。

>③投資勝率100%

家族が金融の専門家であるというのは「検証63」の冒頭で説明した中国系と思われる詐欺グループによる詐欺の勧誘でしばしば出てくる誘い文句の定番ですし。投資のプロでも「投資勝率100%」は有り得ません。非現実的な説明としか思われません。そしてその勧誘役が送ってきた以下のURLアドレスが問題です。

http://www.jpmorgan-coinet.com/

この質問投稿が出た2023年1月上旬の時点でこのURLアドレスにアクセスしてみると表題最初のURLアドレスが異なる以下のサイトにリダイレクトされました。サイト冒頭部のキャプと共に示します。

▼J.P.モルガン (https://www.apqdzst.top//#/) [表示言語:英語、香港語、中国語、フランス語、日本語、韓国語、マレー語、ロシア語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、タイ語、ポルトガル語、ベトナム語、トルコ語]

しかしこのサイトは2023年1月中旬に閉鎖されました。ところが2023年1月下旬になって再度アクセスしてみると今度はまた別のURLアドレスのサイトにリダイレクトされるようになっていました。さらに上で引用したYahoo知恵袋の質問に記されていたURLアドレス (http://www.jpmorgan-coinet.com/) からも同じサイトのリダイレクトされることが分かりました。 

そのリダイレクト先が表題2番目のサイトです。これも以下にサイト冒頭部のキャプを示します。

▼J.P.モルガン (https://www.jraqedc.top//#/) [表示言語:英語、香港語、中国語、フランス語、日本語、韓国語、マレー語、ロシア語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、タイ語、ポルトガル語、ベトナム語、トルコ語]

2つのサイトは非常によく似ています。いずれもJ.P.Morgan (J.P.モルガン) という名称でテキスト部分も画像部分も全く同じに見えます。さらにプルダウンメニューに見える表示言語の選択肢も全く同じです。さらにこのサイトを見て気が付きましたがこのサイトには「検証114」「検証118」で検証した一連のサイトと似ている部分があるのです。例えば以下は「検証114」「検証118」の両方で検証したBitpie (ビットパイ https://www.bitpiecrypto.com/#/) というサイトの冒頭部のキャプ画像です。このサイトはサイトの見かけが途中で大幅に変更されており、以下には2022年8月上旬に取得した改変前のキャプと2022年9月下旬に取得した改変後のキャプの両方を改変前 → 改変後の順で示します。

本項で検証対象としているJ.P.モルガンのサイトの冒頭部と比較すると例えばメニューバーの項目が左から「ホームページ」「コイン取引」「契約トランザクション」「法定通貨取引」「財務管理」の5項目で共通しています。さらに冒頭部中央に記されている文章はいずれの場合も

>世界をリードするデジタル資産取引プラットフォーム

>最も人気のあるデジタル資産取引プラットフォーム,市場で最も強力で便利なテクニカル分析および取引ツールへのアクセス。

で共通しています。また右側のプルダウンメニューから選択出来る表示言語の選択肢はいずれの場合も英語、香港語、中国語、フランス語、日本語、韓国語、マレー語、ロシア語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、タイ語、ポルトガル語、ベトナム語、トルコ語の15言語で並び順や国旗型のアイコンまで含めて全く同じなのです。

さらに以下は2つのJ.P.モルガンのサイトで冒頭部に続いて出てくる「最も信頼出来る暗号通貨プラットフォーム」と題されたサイトの特長を説明している部分のキャプです。表題と同じJ.P.モルガン (https://www.apqdzst.top//#/) → J.P.モルガン (https://www.jraqedc.top//#/) の順で以下にキャプを示します。

2つのJ.P.モルガンのサイトはここでも互いに全く区別出来ません。そしてやはり「検証114」「検証118」で検証した一連のサイトにはこの部分と似ている部分があります。ここでもやはり以前に「検証114」「検証118」で検証したBitpie (ビットパイ https://www.bitpiecrypto.com/#/) というサイトと比較します。以下には2022年8月上旬に取得したビットパイのサイトの改変前のキャプと2022年9月下旬に取得した改変後のキャプの両方を改変前 → 改変後の順で示します。

項目名は「最も信頼出来る暗号通貨プラットフォーム」ではなく「私たちの機能」となっていますがサイトの特長を6項目にまとめて説明しているという点は同じです。そして添えられているイラストや項目の配置は変わっていますが6項目の説明文はかなり似ているのです。例えばいずれのサイトでも最初に出てくる「私たちは安全です」という項目の文章を比較します。

J.P.モルガン (https://www.apqdzst.top//#/)

>私たちは安全です

>ユーザーのプライバシー、複数の署名、階層化されたアーキテクチャ、およびその他のセキュリティ設計を保護するための公平なゼロ知識証明プライバシーおよび機密保持テクノロジ

ビットパイ (https://www.bitpiecrypto.com/#/) (改変前後で同じ。)

>私たちは安全です

>ユーザーのプライバシー、複数の署名、階層化されたアーキテクチャ、およびその他のセキュリティ設計を保護するための公平なゼロ知識証明プライバシーおよび機密保持テクノロジー。

違うのはJ.P.モルガンのサイトで最後の伸ばし棒と句読点が欠けていることだけです。コピペする際に文章の最後までコピペするのに失敗したとしか思われません。他の5つの項目も相互比較してみると例えば J.P.モルガンのサイトでは「私たちはパワフルです」となっている部分がビットパイでは「私たちは強力です」になっているなど完全に同じというわけではありませんが、非常に似ていることは間違いありません。

さらに以下に示すのはJ.Pモルガンのサイトのアプリのダウンロードボタンが用意されている部分です。ここでも表題と同じJ.P.モルガン (https://www.apqdzst.top//#/) → J.P.モルガン (https://www.jraqedc.top//#/) の順で以下にキャプを示します。

やはりURLアドレスが異なる2つのJ.P.モルガンのサイトはこの部分でも全く同じに見えます。QRコードの部分さえ同じに見えます。この部分についてもBitpie (ビットパイ https://www.bitpiecrypto.com/#/) の相当すると思われる部分と比較します。やはり2022年8月上旬に取得したビットパイのサイトの改変前のキャプと2022年9月下旬に取得した改変後のキャプの両方を改変前 → 改変後の順で示します。

画像部分は全く似ていませんが「iOSダウンロード」「ANDROID ダウンロード」「H5 ログイン」の3つのボタンが用意されているのは同じです。この内、「H5 ログイン」のボタンはスマホ用サイトへのリンクになっています。J.P.モルガンのサイトの場合のみ

> +43 モバイルアプリ 24時間取引量

> +3000万 私たちを信頼する登録ユーザー

> < 0.10% 最低取引手数料

という記述がありますが、これと似たような記述がビットパイなど「検証114」「検証118」で検証した一連のサイトでは別項目として存在します。以下はBitpie (ビットパイ https://www.bitpiecrypto.com/#/) の相当すると思われる部分のキャプです。やはり2022年8月上旬に取得したビットパイのサイトの改変前のキャプと2022年9月下旬に取得した改変後のキャプの両方を改変前 → 改変後の順で示します。

明らかに異なるのは最初の項目です。2つのJ.P.モルガンのサイトの記述

> +43 モバイルアプリ 24時間取引量

というのはモバイルアプリの数が43個以上ということのように読めますが、だとすれば後半の「24時間取引量」の意味が分かりません。「24時間取引量」がどれほどあるという話にしてはその数字がありません。対してビットパイなど「検証114」「検証118」で検証した一連のサイトの記述は完全に取引量のみの記述になっています

しかしいずれのサイトでも3000万人以上という顧客を抱えていると主張しているのは同じです。しかしこれらのサイトが本当に3000万人以上もの顧客を実際に抱えているかどうかは極めて疑問です。この点については後述します。

次にスマホ用サイトを比較します。ここでもまず2つのJ.P.モルガンのサイトについてスマホ用サイトのトップページとログイン画面のキャプを示します。

▼J.P.モルガンスマホ用サイト (https://www.apqdzst.top/h5/#/)

▼J.P.モルガンスマホ用サイト (https://www.jraqedc.top/h5/#/)

スマホ用サイトについてもやはり2つのJ.P.モルガンのサイトは互いに区別出来ません。そしてこのスマホ用サイトはPC用サイトと同様以上にビットパイなど「検証114」「検証118」で検証した一連のサイトと似ています。以下にはやはりビットパイのスマホ用サイト (https://www.bitpiecrypto.com/h5/#/) のキャプを比較対象として示します。まず改変前のスマホ用サイトです。

そして以下が改変後のビットパイのスマホ用サイト (https://www.bitpiecrypto.com/h5/#/) のキャプです。

特に似ているのはスマホ用サイトの冒頭に出てくるイラストの部分です。J.P.モルガンの場合には日本語、ビットパイについては英語で説明文が添えられているという違いはありますがイラストそのものは同じものでしょう。やはりこれらのサイトが同じテンプレートから同じグループによって立ち上げられている可能性は極めて濃厚と考えます。さらにPC用のサイトは似ているとは思えないのですが、「検証99」で検証しているAllcoin / ALC (オールコイン https://www.alcvipa.com/#/、スマホ用:https://www.alcvipa.com/h5) など10個のサイトもスマホ用サイトでは明らかに似ており、同じグループによるサイトの可能性が高いです。以下には比較の為にAllcoin / ALC (オールコイン) のスマホ用サイト (https://www.alcvipa.com/h5) とスマホ用サイトのログイン画面のキャプを再掲します。2つのJ.P.モルガンのスマホ用サイトと共通性が認められます。

次にJ.P.モルガンのサイトで連絡先情報は何も見当たりません。そこで例によってWho Is 情報を確認しました。まず以下は最初に引用した2023年1月9日付のYahoo知恵袋の質問に出てきたURLアドレスのサイト (http://www.jpmorgan-coinet.com/) のWho Is 情報を示します。このサイトはこの質問が出てきた時点で閉鎖されていたようでアクセスを試みると本項の検証対象の1つ目のサイト (https://www.apqdzst.top//#/) にリダイレクトされる設定になっていました。 

まず黄色の枠で囲った部分に記されているサイトの登録・開設日は2022年11月16日となっています。そして赤枠で囲った部分に示されている登録者に関する情報は以下のようになっています。

登録者名:tianping Yang

住所:beijinglu235hao, XinXiangShi, HeNan, 453000, China

電話番号:+86.13402050377 

メールアドレス:shipailang62@163.com

登録者名は中国系の個人名と思われる「tianping Yang」となっています。「Yang」は漢字表記すれば「楊」ではないかと思われます。さらに住所は中国の河南省新郷市 (しんごう-し) という地域の住所と思われます。電話番号も中国の国番号である[+86] から始まっています。メールアドレスも「@163.com」という中国で広く使われているフリーメールのアドレスのようです。

どれほど信頼出来る情報かどうかは疑問ですが、このサイトについては登録者に関する情報が一応は公開されています。そして運営者は中国人ということになっています。しかし本項の検証対象である2つのJ.P.モルガンのサイトについては開示されている登録者に関する情報が少なくなっています。以下にはまずJ.P.モルガン (https://www.apqdzst.top//#/) のサイトのWho Is 情報を示します。

黄色の枠で囲った部分に記されているサイトの登録・開設日は2022年11月9日となっています。そして赤枠で囲った部分に示されている登録者に関する情報は以下のようになっています。

登録者名:非開示

登録者所属機関名:Yang Tian Ping

住所:ShangHaiShi, China

電話番号:非開示 

メールアドレス:非開示

住所は中国の上海市とあるだけです。電話番号やメールアドレスも非開示です。

最後はJ.P.モルガン (https://www.jraqedc.top//#/) のWho Is 情報です。

黄色の枠で囲った部分に記されているサイトの登録・開設日は2022年11月9日となっています。これはJ.P.モルガン (https://www.apqdzst.top//#/) のサイトの登録・開設日と同一です。そして赤枠で囲った部分に示されている登録者に関する情報は以下のようになっています。

登録者名:非開示

登録者所属機関名:Yang Tian Ping

住所:ShangHaiShi, China

電話番号:非開示 

メールアドレス:非開示

開示されている情報もJ.P.モルガン (https://www.apqdzst.top//#/) のサイトのWho Is 情報に示されている情報と全く同じです。

改めて結論するまでもないと思いますがこれらJ.P.モルガンという名称のサイトは到底信頼出来る投資先になるとは思えません。そもそもJ.P.モルガンというサイト名はアメリカの大手金融機関であるJ.P.Morgan (J.P.モルガン https://www.jpmorgan.com/global) の名称を盗用しているとしか思われません。実際にはアメリカの金融機関とは何の関係もないでしょう。URLアドレスが異なるだけのサイトが複数立ち上げられてしばしば閉鎖されるというのも明らかに異様ですし、情報開示は明らかに不充分、不適切です。また3000万人以上の顧客を抱えているという記述など全く信用出来ません。それだけの顧客を本当に抱えているならばこれらのサイトについて検索すれば非常に多くの情報が出てくるはずですが、実際には殆ど情報が見つからないのです。Who Is 情報からはいずれも2022年11月に登録されたばかりの新しいサイトであることが分かりますから開設からこの検証を書いている2023年1月下旬時点では3ヵ月も経過していない新しいサイトということになり、3000万人もの顧客を抱えているという主張は益々信用出来ません。そしてこれらのサイトは「検証114」「検証118」で検証してきた少なくない被害報告が出ている一連のサイトと明らかに似ている部分があり、同じグループによるサイトと思われます。信頼できる要素は全くありません。これらのサイトでの投資を勧誘されても応じるべきではありません。


※付記

本項で検証した最初のJ.P.モルガン (https://www.apqdzst.top//#/) というサイトは2023年3月中旬時点で確認したところ、閉鎖されているようです。また2つ目のJ.P.モルガン (https://www.jraqedc.top//#/) というサイトについてもPC用のサイトはアクセス出来なくなっていて、スマホ用サイトのみがアクセス可能という状況になっています。そして閉鎖されたサイトの代わりということなのかもしれませんが、2つのサイトと非常によく似た、同じグループによると思われるサイトがさらに見つかってきました。以下で検証しているので参照してください。


●J.P.Morgan (J.P.モルガン https://www.jpmorgandect.com/#/、スマホ用サイト:https://www.jpmorgandect.com/h5/#/)

●NFEX (https://www.nfexers.com/、スマホ用サイト:https://www.nfexers.com/h5/#/)

●NFEX (https://www.nfexat.com/、スマホ用サイト:https://www.nfexat.com/h5/#/)

これら3つのサイトも上で検証した2つのJ.P.モルガンという名称のサイトと酷似しており、同じテンプレートから量産されたサイトと思われます。本項で検証する3つのサイトの内、最初のJ.P.モルガン (https://www.jpmorgandect.com/#/) というサイトはYahoo知恵袋に質問が出てきたサイト、他の2つのサイトは画像検索で見つけてきたサイトです。まず最初のJ.P.モルガンというサイトについてYahoo知恵袋に出てきた質問投稿を引用します。

2023年3月15日投稿 (J.P.モルガン (https://www.jpmorgandect.com/#/) に関する投稿)

Instagramで車好きという趣味で繋がった自称・台湾と日本のハーフで日本在住の女性から投資を勧誘されたようです。従姉妹が金融系の会社にいてアドバイスをくれるから収益が得られるという主張だったようですが、こうした勧誘の経緯は「検証63」の冒頭で説明した中国系と思われるグループによる勧誘の手口にまさに合致するように思われます。そしてこの質問投稿に記されていた以下のURLアドレスにアクセスしてみました。

>https://www.jpmorganraise.com/

するとどうやらリダイレクトされるようで実際にアクセスすることになったのが表題最初のJ.P.モルガンという名称のサイトです。まずこのサイトの冒頭部のキャプを以下に示します。

▼J.P.モルガン (https://www.jpmorgandect.com/#/) [表示言語:英語、香港語、中国語、フランス語、日本語、韓国語、マレー語、ロシア語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、タイ語、ポルトガル語、ベトナム語、トルコ語]

ついでにこのサイトからの画像検索で見つかってきた表題2番目、3番目の2つのNFEXという名称のサイトについても以下にサイト冒頭部のキャプを順に示します。

▼NFEX (https://www.nfexers.com/) [表示言語:英語、香港語、中国語、フランス語、日本語、韓国語、マレー語、ロシア語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、タイ語、ポルトガル語、ベトナム語、トルコ語]

▼NFEX (https://www.nfexat.com/) [表示言語:英語、香港語、中国語、フランス語、日本語、韓国語、マレー語、ロシア語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、タイ語、ポルトガル語、ベトナム語、トルコ語]

これら3つのサイトは互いに非常によく似ていますし、上で検証した2つのJ.P.モルガンという名称でURLアドレスが異なるサイトとも非常によく似ています。以下には比較の為に上で検証したJ.P.モルガン (https://www.apqdzst.top//#/) のサイト冒頭部のキャプを再掲します。表示言語の選択肢やその並び順まで含めて同じです。同じテンプレートから殆どURLアドレスだけ変更しただけのサイトが多数量産されていることは間違いないと思います。

さらに本項で検証している3つのサイトが互いに、あるいは上で検証した2つのJ.P.モルガンというサイトと酷似しているのはこのサイト冒頭部だけではありません。以下では冒頭部に続いて出てくるサイトの特長を6項目にまとめて説明している部分を比較します。本項で検証対象としている3つのサイトからのキャプを表題と同じJ.P.モルガン (https://www.jpmorgandect.com/#/) → NFEX (https://www.nfexers.com/) → NFEX (https://www.nfexat.com/) という順で示し、さらに比較対象として上で検証したJ.P.モルガン (https://www.apqdzst.top//#/) のキャプを4枚目として並べてみます。

この部分では4枚のキャプ画像は互いに全く同じに見えます。

さらに以下に示すのはサイトのアプリのダウンロードボタンが用意されている部分です。やはりJ.P.モルガン (https://www.jpmorgandect.com/#/) → NFEX (https://www.nfexers.com/) → NFEX (https://www.nfexat.com/) →比較対象J.P.モルガン (https://www.apqdzst.top//#/) という順で4枚のキャプ画像を順に示します。

この部分でも4つのサイトの4枚のキャプ画像は互いに全く同じに見えます。それぞれのサイトのキャプ画像の下端中央部には

>+3000万

>私たちを信頼する登録ユーザー

と書いてあって3000万人以上の顧客を抱えているという意味としか思われませんが、それだけの顧客を抱えているかどうかは極めて疑問でしょう。

さらに以下ではそれぞれのスマホ用サイトを比較します。まず本項の検証対象である3つのサイトについてスマホ用サイトのトップページとログイン画面のキャプをそれぞれ示し、さらに比較対象のJ.P.モルガンスマホ用サイト (https://www.apqdzst.top/h5/#/) のキャプを示します。

J.P.モルガンスマホ用サイト (https://www.jpmorgandect.com/h5/#/

▼NFEX スマホ用サイト (https://www.nfexers.com/h5/#/)

▼NFEX スマホ用サイト (https://www.nfexat.com/h5/#/)

▼J.P.モルガンスマホ用サイト (https://www.apqdzst.top/h5/#/)

スマホ用サイトで比較してもこれらのサイトは互いに明らかに似ていますし、上で検証した2つのJ.P.モルガンのスマホ用サイトとも非常によく似ています。

次にこれらのサイトで連絡先情報など探しましたが殆ど開示されていません。例えば以下にはJ.P.モルガン (https://www.jpmorgandect.com/#/) の「私たちについて」というサブページの記述のキャプです。

「私たちについて」という表題名から期待されるような連絡先情報とか経営者情報、金融ライセンス情報などは殆ど何も記されていません。最後の行に

>プラットフォームはカナダ関連の法律を厳格に遵守し、金融監督機関の監督下で業務を展開することを約束しています。

と書いてあるのでカナダに本拠があるのかと思われますが、それ以上の具体的な住所などの情報は何もありません。表題2番目、3番目の2つのNFEXという名称のサイトについても「私たちについて」のサブページを確認しましたが、同様の内容が英語で記されているだけです。いずれのNFEXのサイトでもカナダの法規に従うと書いてあるものの連絡先情報は開示されていません。

そこで例によって各サイトのWho Is 情報を確認しました。以下は表題最初のJ.P.モルガン (https://www.jpmorgandect.com/#/) のWho Is 情報です。

さらに以下は本項の最初に引用したYahoo知恵袋への質問投稿に記されていたURLアドレス

>https://www.jpmorganraise.com/

のサイト、アクセスすると表題最初のJ.P.モルガン (https://www.jpmorgandect.com/#/) にリダイレクトされるサイトのWho Is 情報です。

これら2つのサイトのWho Is 情報は互いに非常によく似ています。まずいずれのサイトでも黄色の枠で囲った部分に示されているサイトの登録・開設日は2023年2月10日となっています。この検証は2023年3月中旬に書いているのでサイトが開設されてから1ヶ月を超えたばかりということになります。そして赤枠で囲った部分に登録者に関する情報が記されていますが2つのサイトの記述内容は全く同じです。以下にまとめて書き出します。

登録者名:qikun Guo

所在地:simenzizhen, ZiBoShi, ShanDong, 255000, China

電話番号:+86.18650674807

メールアドレス:zaduanzhao2327@163.com

まず所在地は山東省・淄博市 (しはく-し) という地域の住所のようです。電話番号も中国の国番号である[+86] から始まっています。登録者名も中国系ではないかと思われる名前になっています。「Guo」というのは「郭」という名字かもしれません。さらにメールアドレスも「@163.com」という中国で広く利用されているフリーメールのアドレスになっています。運営グループはやはり中国系の可能性が高いように思われます。

さらに表題2番目、3番目のNFEXというサイトのWho Is 情報を以下に示します。

これら2つのサイトのWho Is 情報も互いにかなり似ています。いずれのサイトでも黄色の枠に囲まれた部分に記されているサイトの登録・開設日は2023年1月8日となっています。赤枠で囲った部分に記されている登録者に関する情報はいずれのサイトでも大半の項目が非開示となっていて所在地情報の一部だけが開示されています。しかしその所在地は2つのサイトで異なっています。NFEX (https://www.nfexers.com/) の場合はShangHaiShi, CN (上海市、中国)、NFEX (https://www.nfexat.com/) の場合はNeiMengGuZiZhiOu, CN (内モンゴル自治区、中国) となっているのです。これら2つのサイトは名称が同じというだけでなく、互いに明らかに互いに酷似していますし、ドメイン名が登録されたのも2023年1月8日で一致しています。同じグループによるサイトで間違いないでしょう。それなのに登録者の所在地が全く異なるというのは異様です。

Who Is 情報に記されている登録者の所在地情報は全く信用出来るとは思えませんが、やはりこれらのサイトの運営者は中国系のグループである可能性が高いように思います。そしてやはり同じグループによると思われる上で検証したJ.P.モルガン (https://www.apqdzst.top//#/) というサイトが何の告知もなく閉鎖されていることなど考えると本項で検証したサイトについても突然告知なしで閉鎖される可能性が充分に考えられます。これらのサイトでの投資を勧誘されても決して応じるべきではありません。


●BOA (https://www.usboawkx.com//#/、スマホ用サイト:https://www.usboawkx.com/h5/#/)

●BOA (https://www.boamfi33.top/#/、スマホ用サイト:https://www.boamfi33.top/h5/#/)

1つ目のBOA (https://www.usboawkx.com//#/) というサイトはYahoo知恵袋に出金出来なくなったという被害者からの投稿が出てきたサイト、2つ目のBOA (https://www.boamfi33.top/#/) というサイトは画像検索で見つけてきたサイトでURLアドレス以外は1つ目のサイトと全く同じに見えます。そしてこれらのサイトは本ページの冒頭で書いたように「検証114」「検証118」で検証したサイト、上で検証してきたJ.P.モルガン (https://www.apqdzst.top//#/) 以下のサイトと似ている部分が認められ、同じグループによるサイトの可能性が高いです。

まず1つ目のBOA (https://www.usboawkx.com//#/) というサイトについてYahoo知恵袋に出てきた質問投稿を引用します。

2023年7月8日投稿

インスタグラム経由で親しくなった女性 (外国人かどうかは不明) に勧誘され、大手銀行だから安心して取引ができるとの言葉を信用して入金してしまったようです。そして数字の上では利益が出たので出金しようとしたところ手数料とか保証金といった意味不明の名目で追加入金を要求されて一向に出金出来ないというまさに「検証63」の冒頭で説明した中国系と思われる詐欺グループによる詐欺の手口に合致する状態となり、警察に相談したところ詐欺であると指摘されたようです。

とにかくこの質問に出てきたサイト、画像検索で見つけてきたURLアドレスが異なる表題2番目のサイト、計2つのBOAという名称のサイトのPC用サイトの冒頭部のキャプ画像を以下に示します。

▼BOA (https://www.usboawkx.com//#/) [表示言語:英語、香港語、中国語、フランス語、日本語、韓国語、マレー語、ロシア語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、タイ語、ポルトガル語、ベトナム語、トルコ語]

▼BOA (https://www.boamfi33.top/#/) [表示言語:英語、香港語、中国語、フランス語、日本語、韓国語、マレー語、ロシア語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、タイ語、ポルトガル語、ベトナム語、トルコ語]

これら2つのBOAというサイトはURLアドレスは異なっていても互いに非常によく似ていて区別することも出来ません。さらにこれらのサイトは幾つかの点で「検証114」「検証118」で検証したサイト、上で検証してきたJ.P.モルガン (https://www.apqdzst.top//#/) 以下のサイトと似ていることにも気が付きました。以下には比較の為に「検証114」で検証したシティコイン (https://www.citicoiniing.com/#/)、および上で検証したJ.P.モルガン (https://www.apqdzst.top//#/) のサイト冒頭部のキャプを再掲します。

シティコイン (https://www.citicoiniing.com/#/) [表示言語:英語、香港語、中国語、フランス語、日本語、韓国語、マレー語、ロシア語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、タイ語、ポルトガル語、ベトナム語、トルコ語]

▼J.P.モルガン (https://www.apqdzst.top//#/) [表示言語:英語、香港語、中国語、フランス語、日本語、韓国語、マレー語、ロシア語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、タイ語、ポルトガル語、ベトナム語、トルコ語]

これら4つのサイトの冒頭部を相互比較すると例えばいずれのサイトでも

>世界をリードするデジタル資産取引プラットフォーム

>最も人気のあるデジタル資産取引プラットフォーム,市場で最も強力で便利なテクニカル分析および取引ツールへのアクセス。

という文章が確認出来ます。メニューバーの項目名とその並びも互いに似ていますし、表示言語を選択するプルダウンメニュー、表示言語の選択肢とその並び順も全く同じです。以下には本項で検証している2つのBOAというサイト、比較対象の2つのサイトの言語選択メニューの画像をまとめて示します。左下から右下に向けてBOA (https://www.usboawkx.com//#/) → BOA (https://www.boamfi33.top/#/) → シティコイン (https://www.citicoiniing.com/#/) → J.P.モルガン (https://www.apqdzst.top//#/) と4つのサイトの言語選択メニューです。

いずれのサイトも15の言語に対応しており、選択肢とその並び順、国旗型のアイコン全てが同じです。明らかに同じテンプレートが使われているものと考えられ、これらのサイトが同じグループによるサイトである可能性が強く示唆されます。

さらに以下ではスマホ用サイトを比較します。まず本項で検証している2つのBOAというサイトのスマホ用サイトトップページとログイン画面を示します。

▼BOA スマホ用サイト (https://www.usboawkx.com/h5/#/)

▼BOA スマホ用サイト (https://www.boamfi33.top/h5/#/)

スマホ用サイトの相互比較でも2つのBOAのサイトは互いに非常によく似ています。さらにこれらのスマホ用サイトと比較の為に「検証114」で検証したシティコイン スマホ用サイト (https://www.citicoiniing.com/h5)、上で検証したJ.P.モルガンスマホ用サイト (https://www.apqdzst.top/h5/#/) のキャプを再掲します。

▼シティコイン スマホ用サイト (https://www.citicoiniing.com/h5)

J.P.モルガン スマホ用サイト (https://www.apqdzst.top/h5/#/

2つのBOAのスマホ用サイトは特にJ.P.モルガンのスマホ用サイト (https://www.apqdzst.top/h5/#/) とよく似ています。シティコイン スマホ用サイト (https://www.citicoiniing.com/h5) についても背景が黒になっているので一見しての印象はかなり異なりますが、トップページの上部に見える画像部分など明らかに似ている部分も認められます。

それから本項で検証している2つのサイトに共通するBOAという名称とロゴはアメリカの大手銀行であるBank of America (https://www.bankofamerica.com/) からの盗用ではないかと思われます。左下が本項で検証しているBOA (https://www.usboawkx.com//#/) のサイトのロゴ、右下がBank of Americaのロゴです。

本項の最初で引用したインスタグラムで知り合った人物にBOA (https://www.usboawkx.com//#/) での投資を勧められて出金出来なくなったという被害者から出てきたYahoo知恵袋への投稿では「大手銀行だから安心して取引ができる」という勧誘文句が使われていたようですが、この「大手銀行」というのはBank of Americaのことであり、ここで検証している2つのBOAというサイトはBank of Americaの偽サイトということになるものと思われます。上で検証した3つのJ.P.モルガンというサイトがやはりアメリカの大手投資銀行であるJ.P.Morgan (https://www.jpmorgan.com/global) の名称を盗用したサイトと思われるのと同じ構図です。ここで比較対象にしているシティコイン (https://www.citicoiniing.com/#/) の名称やロゴもアメリカの大手金融機関であるCiti Group (https://www.citigroup.com/global) の名称やロゴの盗用でしょう。

さらに2つのBOAのPC用サイトに戻って比較を続けます。PC用サイトの冒頭部に続いては仮想通貨の相場情報を示す部分があり、さらに「仕組み」と題された部分が出てきます。まずは2つのBOAのサイトについてその「仕組み」と題された部分のキャプを表題と同じ順、BOA (https://www.usboawkx.com//#/) BOA (https://www.boamfi33.top/#/) という順で示します。

2つのBOAのサイトはこの部分でも互いに全く同じです。さらに比較対象としているシティコイン (https://www.citicoiniing.com/#/) J.P.モルガン (https://www.apqdzst.top//#/) のサイトにも「仕組み」と題された部分があるのでシティコイン → J.P.モルガンという順で以下にキャプを示します。

シティコインの場合にはスマホサイトで使われているのと同じイラスト画像、スマホサイトではスライドショー形式で順繰りで表示される3枚の画像がまとめて表示されています。添えられている文章は2つのBOAのサイトの文章とは全く異なります。

一方でJ.P.モルガン (https://www.apqdzst.top//#/) の場合はイラストは2つのBOAのサイトのものと全く異なりますが、

>多くの国がローカライズされた取引を確立しています

といった文章がBOAのサイトの文章と同じです。イラスト部分は入れ替わっていてもJ.P.モルガンと2つのBOAのサイト同じテンプレート由来のサイトであることは間違いないと思われます。

2つのBOAのサイトではこの部分に続いて「最も信頼できる暗号通貨プラットフォーム」と題されたサイトの特長を6項目にまとめて説明する部分が出てきます。やはりその部分のキャプを表題と同じ順、BOA (https://www.usboawkx.com//#/) → BOA (https://www.boamfi33.top/#/) という順で以下に示します。

この部分でも2つのBOAのサイトは互いに全く同じです。そして比較対象としているシティコイン (https://www.citicoiniing.com/#/) やJ.P.モルガン (https://www.apqdzst.top//#/) のサイトにもこれに相当すると思われる部分があります。以下に比較の為にシティコインの相当すると思われる部分 J.P.モルガンの相当部分の順でキャプを再掲します。

見かけは全く異なりますが、いずれも6つの特長を挙げており、比べてみると対応すると思われる項目があるようです。例えば最後の6番目の項目は以下のようになっています。

▼BOA

>高度なデータ」 暗号化

>あなたの取引データはエンドツーエンドの暗号化によって保護され、あなただけがあなたの個人情報にアクセスできるようになります.

シティコイン

>高度なデータ暗号化

>トランザクションデータはエンドツーエンドの暗号化によって保護され、あなただけがあなたの個人情報にアクセスできるようになります。

J.P.モルガン

>高度なデータ暗号化

>あなたの取引データはエンドツーエンドの暗号化によって保護され、あなただけがあなたの個人情報にアクセスできるようになります.

シティコインの場合は少し文章が違うようですが、BOAと J.P.モルガンの文章は全く同じです。他の5項目についても対応すると思われる項目がおおよそ分かるぐらいには似ているようです。少しずつ変遷があるにしてもやはりこれらのサイトが同じテンプレートから同じグループによって立ち上げられたサイトであることはまず間違いないでしょう。

次に2つのBOAのサイトで連絡先情報を探しましたが何の情報もありません。金融ライセンスに関する情報もありません。そこで例によって各サイトのWho Is情報を確認しましたがやはり登録者に関する情報は何もありません。サイトの登録・開設日のみ以下にまとめておきます。

サイト名 (URLアドレス) 登録・開設日

BOA (https://www.usboawkx.com//#/) 2023125日

BOA (https://www.boamfi33.top/#/) 2023116日


本項の最初に書いたようにBOA (https://www.usboawkx.com//#/) についてはYahoo知恵袋にSNS経由で知り合った人物に勧誘されて入金してしまい、出金しようとしたところ手数料とか保証金といった意味不明の名目で追加入金を要求されて一向に出金出来ないという投稿が出ています。さらにこれらのサイトは「検証114」「検証118」で検証したサイト、上で検証してきたJ.P.モルガン (https://www.apqdzst.top//#/) 以下のサイトと似ている部分が認められ、それらの同じグループによると思われるサイトの幾つかについても被害が報告されています。またBOAというサイト名やロゴはアメリカの大手銀行であるBank of America (https://www.bankofamerica.com/) からの盗用としか思われません。

これらのサイトは非常に危険なサイトとしか思われません。これらのサイトでの投資を勧誘されても決して応じないことを強く推奨します。


●BlackRock Inc (ブラックロックインク https://www.blackrockkgtd.com/#/、スマホ用サイト:https://www.blackrockkgtd.com/h5/#/)

これもYahoo知恵袋に質問が出てきたサイトで結論から言えば上で検証してきた一連のサイトと同様、「検証114」「検証118」で検証したサイトと同じグループによって同じテンプレートから立ち上げられたサイトである疑いが濃厚です。まずこのサイトに関してYahoo知恵袋に出てきた質問投稿を引用します。

2023年11月29日投稿

「友だち」に投資を勧められたが怪しいと感じて質問しているということしか分かりません。勧誘してきた「友だち」がどういう関係の「友だち」なのか、外国人なのかといった情報もありません。とにかくこの質問に示されているURLアドレスにアクセスしてみました。まずサイト冒頭部の画像を以下に示します。

▼ブラックロックインク (https://www.blackrockkgtd.com/#/)

このサイトの背景画像などは全く見たことがないものなのですが、ここに大きな活字で示されている以下の文章については以前に幾度も見てきた文章と同じであることに気が付きました。

>世界をリードするデジタル資産取引プラットフォーム

>最も人気のあるデジタル資産取引プラットフォーム,市場で最も強力で便利なテクニカル分析および取引ツールへのアクセス。

この文書は上で検証したJ.P.モルガン (https://www.apqdzst.top//#/) 以下のサイトと同様で「検証114」「検証118」で検証してきたサイトの冒頭部にある文章と同じなのです。

例えば以下は「検証114」「検証118」の両方で検証したBitpie (ビットパイ https://www.bitpiecrypto.com/#/) というサイトの冒頭部のキャプ画像です。「検証114とで検証した際画像とサイトが改訂されて「検証118」ので再検証した際に取得した画像の2つを以下に順に示します。

>世界をリードするデジタル資産取引プラットフォーム

で始まる文章が全く同じであるだけでなく、よく見るとメニューバーの項目名とその並び順についても共通しているようです。

▼ブラックロックインク

「ホームページ」「コイン取引」「契約トランザクション」「法定通貨取引」「財務管理」「ログイン」「登録」

ビットパイ

「ホームページ」「コイン取引」「契約トランザクション」「法定通貨取引」「財務管理」「ログイン」「登録」

さらにブラックロックインクのサイトでは表示言語の選択メニューがなぜか脚注部分にあるプルアップメニューになっています。このブラックロックインクのプルアップメニューを左下に示します。一方で右下に示したのはBitpie (ビットパイ https://www.bitpiecrypto.com/#/) (改訂前) の言語選択メニュー (プルダウンメニュー) です。

プルアップメニューとプルダウンメニューの違いはありますが、英語、香港語、中国語、フランス語、日本語、韓国語、マレー語、ロシア語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、タイ語、ポルトガル語、ベトナム語、トルコ語という15言語の選択肢は全く同じですし、その並び順や国旗型のアイコンも全く同じです。

しかし、以下に示すスマホ用のサイトとスマホ用サイトのログイン画面はビットパイなど、これまでに検証対象としてきたサイトのスマホ用サイトと特に似ているようには見えません。

またPC用サイトに戻って冒頭部に続いて出てくる「仮想通貨ポートフォリオを今すぐ作成」と題された以下に示す部分はこれまで検証してきたサイトに相当する部分が見当たりません。この部分はブラックロックインクのサイト独自の部分ということになるようです。

しかし以下に示す「私たちの機能」と題されたサイトの特長を6項目にまとめて説明している部分では再び以前に検証対象としてきたサイトとの一致が確認されました。

この部分を例えば以下に示す以前に「検証114」で検証した当時のビットパイ (https://www.bitpiecrypto.com/#/) のサイトの相当する部分画像と比較してみるとかなり似ていることが分かります。

6つの項目の配置は変わっているのですが、項目名は「私たちは安全です」「私たちは強力です」「豊富な種類の暗号通貨」「ベストサポート」「私たちはグローバルです」「高度なデータ暗号化」という項目名は2つのサイトで同じです。さらにそれぞれの項目の説明文も同じです。

さらに以下はブラックロックインクのサイトのアプリをダウンロード出来るようになっている部分の画像です。

この部分を「検証114」で検証した当時のビットパイ (https://www.bitpiecrypto.com/#/) のサイトと比較するとビットパイのサイトで2つの部分に分かれていた要素がブラックロックインクのサイトのサイトでは1つに統合されたような形になっていることが分かりました。すなわち、上の画像で中央のスマホのイラスト画像の左側にあるアプリのダウンロードボタンが並んでいる部分と右側の取引量とかユーザー数を示している部分がありますが、ビットパイのサイトではこれら2つの部分がそれぞれ独立した形になっているのです。尚、右側の24時間取引量とか登録ユーザーが3000万以上といった数字が事実であるかどうかも極めて疑問であり、この点についてはまた後述します。

まず以下に示したのがビットパイのサイトでアプリをダウンロード出来る部分の画像です。

iOSやアンドロイド用のダウンロードボタンが並んでいることは共通ですが、この部分には取引量や登録ユーザー数は示されていません。実はそうした数字はビットパイのサイトでは別の項目として示されています。その部分の画像を以下に示します。

>+430億 24時間取引量

>+3000万 私たちを信頼する登録ユーザー

><0.10% 最低取引手数料

という記述内容はブラックロックインクのサイトアプリをダウンロード出来る部分の右側に並んでいる記述と全く同じです。これは偶然の一致ではないでしょう。また一連のサイトには本項の検証対象であるブラックロックインクのサイトも含めて共通して

>+3000万 私たちを信頼する登録ユーザー

という記述がありますが、到底事実とは思えません。本当にそれだけのユーザー数がいるなら例えばブラックロックインクのサイトについて検索すればこのサイトに関する情報が多数見つかってくるはずです。しかし現実にはブラックロックインクのサイトに関する情報はネット検索しても殆ど見つかりません。「blackrockkgtd.com」というドメイン名をGoogle検索に掛けて見つかってくるのはブラックロックインクのサイト自体を含めてわずか4件ほどです。3000万人以上の登録ユーザーがいるとは到底思えません。

次にブラックロックインクのサイトで連絡先情報を探しましたが殆ど何の情報もありません。脚注の「私たちについて」という項目からリンクされているサブページの記述を以下に示します。

かなり長い文章ですが、住所や電話番号といった連絡先情報は何も記されていませんし、金融ライセンスに関する情報もありません。何も連絡先情報がないので例によってサイトのWho Is 情報も確認しましたが登録者に関する情報は何もありません。サイトの登録・開設日は2023年8月1日となっています。

このブラックロックインクというサイトはここまで示してきたように明らかに上で検証したJ.P.モルガン (https://www.apqdzst.top//#/) 以下のサイトや「検証114」「検証118」で検証してきた一連のサイトと似ている部分が認められ、同じグループによって同じテンプレートをモデルチェンジして構築されたサイトと思われます。そしてそれら同じグループによるサイトの中には被害報告が出ているサイトも複数含まれています。

またブラックロックインクのサイトの記述には到底事実とは認めがたい部分が確認され、連絡先情報の開示や明らかに不充分、不適切です。ブラックロックインクは投資先として全く信用出来るとは思えません。このサイトでの投資を勧誘されても決して応じるべきではありません。