検証151

▼本サイトでの検証は名誉棄損に当たらないと考えます。→ 雑記1

本ページでは有名人の名前や画像を盗用したなりすまし詐欺広告で勧誘活動を行っていると思われる海外の投資詐欺グループによると考えられる以下のサイトを検証します。詐欺広告の実例や詐欺勧誘の手口などについても説明します。


●Granimator (https://mp7.jpcrypt.com/jp)

●Granimator (https://gran-imator.co/ja/)

●Granimator (https://granimator.io/jp/)

●Granimator (https://thegranimator.com/jp/)

●Granimator (https://the-granimator.com/jp/)

●Granimator (https://granimator.com/jp/)

●Granimator (https://granimatortrading.com/)

●Granimator (https://jp09.cryp-mp.com/jpgg01)

●CryptoBot (クリプトボット https://jpbgmp39.sys-cryb.com/jp1/)

●CryptoBot (クリプトボット https://jpbgmp28.sys-cryb.com/jp1/)

●CryptoBot (クリプトボット https://jpbgmp29.sys-cryb.com/jp1/)

●CryptoBot (クリプトボット https://jpbgmp32.sys-cryb.com/jp1/)

●CryptoBot (クリプトボット https://jpbgmp36.sys-cryb.com/jp1/)

●CryptoBot (クリプトボット https://jpbgmp37.sys-cryb.com/jp1/)

●CryptoBot (クリプトボット https://jpbgmp54.sys-cryb.com/jp1/)

●CryptoBot (クリプトボット https://jpbgmp55.sys-cryb.com/jp1/)

●CryptoBot (クリプトボット https://jpbgmp57.sys-cryb.com/jp1/)

●CryptoBot (クリプトボット https://jpbgmp58.sys-cryb.com/jp1/)

●CryptoBot (クリプトボット https://jpbgmp59.sys-cryb.com/jp1/)

●CryptoBot (クリプトボット https://jpbgmp60.sys-cryb.com/jp1/)

●CryptoBot (クリプトボット https://jpbgmp61.sys-cryb.com/jp1/)

●CryptoBot (クリプトボット https://jpbgmp62.sys-cryb.com/jp1/)

●CryptoBot (クリプトボット https://jpbgmp63.sys-cryb.com/jp1/)

●CryptoBot (クリプトボット https://jpbgmp64.sys-cryb.com/jp1/)

●CryptoBot (クリプトボット https://jpbgmp65.sys-cryb.com/jp1/)

●CryptoBot (クリプトボット https://jpbgmp66.sys-cryb.com/jp1/)

検証対象は順次追加の予定です。

このページで検証するサイトは「検証63以降で検証してきた中国系と思われる詐欺グループとはまた別個の海外の詐欺グループによると思われるサイトです。同じグループによると思われるFXの詐欺サイトが多数確認されており、姉妹サイトの「検証4」で検証している以下のサイトが該当します。

▼XPro Markets (エックスプロマーケッツ https://xpromarkets.com/ja/) → 閉鎖済み

▼XPro Markets (エックスプロマーケッツ https://xpromarkets.website/ja/) → 閉鎖済み

▼Elland Road (エランドロード https://www.ellandroadcapital.com/ja/) → 閉鎖済み

▼Phoenix LTD (フェニックスリミテッド https://www.ltdphoenix.com/ja/)

▼InvesaCapital (インベサキャピタル https://www.invesacapital.com/international/ja/)

▼InvestMarkets (インベストマーケッツ https://www.investmarkets.com/international/ja/)

▼31FX (https://31-fx.co/) → 閉鎖済み

▼Kyoto FX (https://kyotofx.com/) → 閉鎖済み

▼Asiafxpro (アジアFXプロ https://www.asiafxpro.com/)

▼FXKYOTO (https://fxkyoto.com/) → 閉鎖済み

▼FxMagnus (FXマグナス https://www.fxmagnus.com/ja/Home) → 閉鎖済み

▼FX Tampa (FXタンパ https://www.fxtampa.com/ja/Home/Index)

▼RN investing (RNインベスティング https://rn-investing.com/index.html)

▼Investico (インベスティコ https://www.investico.com/international/ja/)

▼BigMarkets (ビッグマーケッツ https://www.bigmarkets.com/international/ja/)

▼Ventorus (https://www.ventorus.com/ja)

▼Azelis Finance (Azelisファイナンス https://azelisfinance.pro/)

▼EDGE Finance (エッジファイナンス https://edgefinance.ltd/ja)

▼Tradepol (トレドポール https://tradeopol.com/ja/)

▼PORTRADES (ポートレイズ https://por-traders.com/ja/)

これらのサイトを運営しているのは姉妹サイトの「検証4」で説明してありますが、以前に24オプション (http://www.24option.com) というバイナリーオプションの詐欺サイトで多くの被害者を出していたのと同じ詐欺グループである可能性が高いです。以下は2017年11月に取得した24オプションの日本語対応の口座開設を勧誘するサイトの画像です。

その24オプションのサイトは閉鎖されて詐欺グループの動向も不明だったのですが、いつの間にか日本人に対する詐欺を大規模に再開したようで当初は上で示したFXの詐欺サイトへの勧誘を行っていたようです。そして上のリストのサイトの全てに当てはまるかどうかは分かりませんが勧誘の手段として偽の新聞記事をネットにアップするという手法が用いられていました。例えば既に姉妹サイトの「検証4」でも引用していますが有名人の名前や画像を使った広告でBigMarkets (ビッグマーケッツ https://www.bigmarkets.com/international/ja/) というサイトでの投資を勧誘されたという質問投稿がYahoo知恵袋に出ています。

2023年11月10日投稿

芸能人、有名人がビッグマーケッツで投資していることをテレビ番組で語っていたという広告を見たということで共通しています。これらの投稿で投資先として勧められたのはビッグマーケッツというFXなどを取引するサイトですが、同様の勧誘手口で仮想通貨のサイトへの投資を勧められるという事例も確認されていました。例えば以下はYahooニュースに出ていたソフトバンクの孫正義氏がソフトバンクの新しい公式デジタル通貨を購入できると称し、Bitcode Primeという取引プラットフォーム (仮想通貨取引所) を提供するという日本経済新聞の記事を装った偽記事広告がFacebookに出現していることに関する記事です。

フェイスブックのニセ広告に注意!日本経済新聞風の『ソフトバンクの最新プラットフォーム』詐欺サイト登場 (2022年8月23日付 Yahooニュース)

このBitcode Primeがどういうサイトだったのか情報はありませんが、ソフトバンクが実際に新しいデジタル通貨を提供したり、Bitcode Primeという取引プラットフォームを提供した事実はありません。

こうした偽記事広告で実際に被害が出た事例も確認されています。例えば以下の動画はトヨタの豊田章夫氏が登場してトヨタがBit Capex 360という新しい仮想通貨取引プラットフォームを提供するという日本経済新聞の偽記事広告に騙されてしまったという被害者の経験談を語る動画です。ネット広告から個人情報を入力したところ、外国人から怪しげな日本語で勧誘の電話が掛かってきて投資したところ出金出来なくなったようです。

衝撃!私はこうして「仮想通貨詐欺」に遭いました! その手口、被害金額は? (Youtube動画)

こうした詐欺の事例が多数確認されていることは知っていたのですが、本サイトで検証してきた中国系と思われる詐欺グループによる詐欺サイトがさらに数を増やし続けていて手が回らなかったこと、偽記事広告を見る機会が少なかったことなどからきちんとした検証が出来ていませんでした。この系列の詐欺目的と思われるサイトも中国系と思われる詐欺グループによる詐欺サイトと同様に多数存在していて全ての詐欺サイトをカバーすることは到底出来ませんが偽記事広告の実例を示したり、幾つかの詐欺目的と思われるサイトについて取り上げて検証することで詐欺被害の拡大を少しでも防ぐことに役立てたいと思います。その為にまず詐欺サイトを取り上げて検証する以前にここで取り上げる詐欺サイトを運営している詐欺グループの勧誘の手口について実例を示して説明しいと思います。

まず以下で検証するGranimatorというサイトを知ることに繋がった広告から説明します。以下の画像の右側、楽天の三木谷浩史氏の画像が使われている広告が問題の広告です。広告スポンサーは「Ukvassist LTD」となっています。この「Ukvassist LTD」についてはまた後述します。

その後、左に示したサムネイル画像が改訂された広告も確認しましたが、広告主 (Ukvassist LTD) やリンク先は同じです。

これらのネット広告をクリックして出てきたサイト (URLアドレス: https://pl7.jpcrypt.com/jp) の冒頭部をまず以下に示します。[この広告サイトは危険なサイトの可能性が高いのでアクセスはオススメしません。リンクは外してあります。アクセスする場合には自己責任でお願いします。]

見かけは完全にYahooニュースの記事なのですが、注意して見るとおかしな点が幾つもあります。

1. URLアドレスがYahooニュースのURLアドレスとは全く異なる。

2. 「Yahooニュース」というロゴの部分がYahooニューストップ (https://news.yahoo.co.jp/) へのリンクになっていない。「Yahoo Japan」「ログイン」、右側の「トピックス」「アクセスランキング」などの他の記事の見出しもやはりリンクになっておらずテキストデーターのみ。

3. 「トピックス」「アクセスランキング」などの他の記事のリストは更新されていない。

4. 記事の配信元情報がない。一方で画像には「CNN BUSINESS」のロゴが含まれているが「CNN BUSINESS (https://edition.cnn.com/business)」に日本語サイトは存在しない。

5. 「Yahooニュース (https://news.yahoo.co.jp/) 」にこの記事が掲載された形跡が見つからない。

6. 記事の日本語がおかしい。例えばタイトルを見ても「三木谷浩史選手」となっているが企業経営者を「選手」扱いとしていることに非常に違和感がある。

これは明らかにYahooニュースの記事ではありません。Yahooニュースの体裁だけ盗用した全くの偽記事としか思われません。そして「三木谷浩史選手」という非常に違和感のある記述についてですが、この記事の続きを読んでいくと何故こんな違和感のある記述になっているのか推測できる部分が出てきます。以下が冒頭部に続く部分の画像です。

最初の部分を以下に書き出します。

>三木谷浩史選手が「アメトーク」の生放送中にうっかり自身の秘密を明かしてしまったことから、スキャンダルが勃発しました。なおみ選手の "うっかり"発言は、大勢の視聴者の注目を集め、多くのメッセージが寄せられ始めました。

細かいことですが、実在のテレビ朝日の番組の名称は「アメトーク」ではなく「アメトーーク!」のはずです。伸ばし棒と感嘆符が抜けています。

そして書き出した部分の最初の文章の主語は「三木谷浩史選手」ですが、2つ目の文章の主語は「なおみ選手」となっています。これは明らかにおかしいです。そこで調べてみるとこの三木谷氏の偽記事と非常によく似た、但し記事で「うっかり発言」したのが三木谷氏ではなく、別の人物になっている偽記事が他にも存在することに気が付きました。それらの中にプロテニス選手の大坂なおみ氏の偽記事があります。偽記事はTime Business News (https://timebusinessnews.com/) というサイトの記事として掲載されています。 以下にまず大坂なおみ氏の偽記事の冒頭部の画像を示します。

▼大坂なおみ選手の生放送での発言で日銀が提訴 (URLアドレス: https://timebusinessnews.com/大坂なおみ選手の生放送での発言で日銀が提訴/) [この偽記事サイトも危険なのでアクセスはオススメしません。リンクは外してあります。]

上に示した「三木谷浩史選手」のYahooニュースの偽記事とタイトルなどが一致しています。Time Business News (https://timebusinessnews.com/) というサイトの素性がよく分からないのですが、トップページは英語のみで表示言語の選択肢も見当たらない、この大坂なおみ選手の記事は日本語のみということでサイト自体がステマの為に立ち上げられたサイトなのかもしれません。

さらにこの大坂なおみ選手の記事の続きを以下に示します。

>大坂なおみ選手が「アメトーク」の生放送中にうっかり自身の秘密を明かしてしまったことから、スキャンダルが勃発しました。なおみ選手の “うっかり”発言は、大勢の視聴者の注目を集め、多くのメッセージが寄せられ始めました。

この文章も「三木谷浩史選手」の偽記事の文章と非常によく似ています。

>三木谷浩史選手が「アメトーク」の生放送中にうっかり自身の秘密を明かしてしまったことから、スキャンダルが勃発しました。なおみ選手の "うっかり"発言は、大勢の視聴者の注目を集め、多くのメッセージが寄せられ始めました。

2つの記事を比べると「大坂なおみ選手」の部分が「三木谷浩史選手」に置き換えられているだけで他は全く同じです。2つ目の文章の主語である「なおみ選手」は置き換えられずにそのままになっています。大坂なおみ選手の記事も間違いなく偽記事でしょうし、三木谷氏の記事は大坂なおみ選手の記事をテンプレートにして作ったものでしょう。「三木谷浩史選手」の偽記事を作る際に「大坂なおみ」 → 「三木谷浩史」という単純な置き換えだけを行った為に三木谷氏が「選手」扱いになっているし、「なおみ選手」の部分の修正を忘れた為にこんな異様な記事の文章になっているのだと思われます。番組名が「アメトーーク!」ではなく、伸ばし棒1本と感嘆符が抜けた「アメトーク」になっているのも同じです。

さらに以下はYahoo知恵袋に出てきた質問ですが、俳優・アイドルの櫻井翔氏が日銀に提訴されたという非常によく似た内容の記事に関する質問になっています。

2023年9月22日投稿

この質問にはYahooニュースの偽記事の画像が添付されているのですが、その後、偽記事が置き換えられて読売新聞の記事を模倣した偽記事になっているようです。やはり偽記事 (https://onl.bz/81NCqLM) へのアクセスはオススメしません。リンクは外してあります。以下はまず冒頭部の画像です。

この冒頭部を見ても上に示した「三木谷浩史選手」のYahooニュースの偽記事、「大坂なおみ選手」のTime Business Newsの偽記事とタイトルなどが一致しています。俳優・アイドルなのに「選手」扱いになっているのも同じです。これも見かけは読売新聞の記事に見えますが、明らかに読売新聞の記事ではありません。さらにこの「櫻井翔選手」の記事の続きを以下に示します。

この偽記事からも上で比較してきた部分を以下に抜き出します。

>櫻井 翔が「アメトーク」の生放送中に誤って秘密を暴露したことでスキャンダルが勃発した。櫻井 翔選手の "うっかり"発言は、大勢の視聴者の注目を集め、多くのメッセージが寄せられ始めました。その結果、日銀から直ちに番組の中断を要求される事態となりました。

「櫻井翔」が2回出てきますが、2つ目が「櫻井翔選手」になっています。またここでも番組名が「アメトーーク!」ではなく、伸ばし棒1本と感嘆符が抜けた「アメトーク」になっています

尚、同じ内容の英文の偽記事も発見しました。掲載サイトは大坂なおみ選手の偽記事が掲載されていたのと同じTime Business News (https://timebusinessnews.com/) というサイトです。

▼Sho Sakurai Immediate Momentum Review – Scam or Legit? (https://timebusinessnews.com/sho-sakurai-immediate-momentum-review-scam-or-legit/)

この英文の偽記事では「選手」という奇妙な表現は出てきませんが、また別のおかしな部分が出てきます。この記事がテレビ朝日の「アメトーーク!」という番組の中での発言を取り上げた記事ということになっているのですが、発言の相手としてアメトーーク!のMCである蛍原徹 (ほとはらとおる) 氏の画像や発言が出てきます。

>Toru Keihara:  “Is this all? What should I do next?”

>Sho Sakurai:  “There’s nothing else to do. Let’s see how much we can make in 20 minutes.”

ところがこの蛍原徹氏の名前がこの英文記事では「Toru Keihara」となっています。蛍原氏を知らない人物が英文に訳したのは間違いないと思われます。

さらに以下は「教えて!goo」というサイト (https://oshiete.goo.ne.jp/) で見つけた似たような偽記事に関する質問です。

「徹子の部屋」で笑福亭鶴瓶氏がBit Spric GPTという投資に関して話したとあり、以下に冒頭部の画像を示したやはり上で示してきた偽記事と同じ内容の偽の新聞記事へのリンクが記されています。以下にその偽記事の冒頭部の画像を示します。

さらにこの記事でも冒頭部に続く部分の画像を示します。

やはり文章の一部を抜粋します。

>笑福亭 鶴瓶が「今週の徹子の部屋」の生放送中に誤って秘密を暴露したことでスキャンダルが勃発した。笑福亭 鶴瓶選手の "うっかり"発言は、大勢の視聴者の注目を集め、多くのメッセージが寄せられ始めました。その結果、日銀から直ちに番組の中断を要求される事態となりました。

この記事でも「笑福亭 鶴瓶選手」という奇妙な表現が出てきます。そして笑福亭鶴瓶氏については以下のような記事が出ています。

【日銀が鶴瓶を提訴】と騙り…『読売新聞』サイトを模した“ニセ広告”がFBに横行、所属事務所も「知恵を教えてください」と困惑 (FLASH/Yahooニュース)

ハッキリと「読売新聞オンライン」と全く同じ体裁の記事だが偽物であると断定されています。

同様に以下は登場人物が俳優・ミュージシャンの吉川晃司氏に入れ替わったバージョンでやはり読売新聞オンラインのロゴやフォーマットを盗用しています。

日銀、生放送番組での発言で吉川晃司を提訴 (https://jpbgpl39.sys-cryb.com/jp1/) (リンクは外してあります。)

この吉川氏が登場する偽記事広告サイトは検索していて見つけたのですが、その後、Googleが配信する以下のバナー広告からリンクされていることを確認しました。

このバナー広告の広告主情報を見ると以下に示したようにイギリスのRUSHCONT LTDが広告主となっています。

このRUSHCONT LTDについては他にも楽天・三木谷浩史氏の画像を盗用したバナー広告の広告主となっていることが確認されており、以下で検証しています。

吉川晃司氏の偽記事広告の続きは以下のようになっています。

この記事では「選手」扱いされている部分が減っていますが、

>削除された吉川晃司選手のインタビュー

という部分には「選手」が残っています。記事全体としては上で示してきた偽記事広告と殆ど同じで「徹子の部屋」というテレビ番組に出演した吉川氏がうっかり有利な投資について口にしてしまい、日銀から提訴されたという内容になっています。

またこの吉川晃司氏の偽記事広告とIPアドレス(51.68.203.201) を共有するサイトとして2つの偽記事広告サイトが見つかってきました。まず以下のマツコ・デラックス氏の偽記事広告サイトです。

日銀、生放送番組での発言でマツコ・デラックスを提訴 (https://jp49.sys-btc.com/jp1) (リンクは外してあります。)

この偽記事広告も吉川晃司氏の偽記事広告と同じで読売新聞オンラインの記事の体裁を模倣しています。また文章も吉川晃司氏の名前がマツコ・デラックス氏の名前で置き換えられているだけです。以下にこの冒頭部に続く部分の画像を示します。

この記事でも

>削除されたマツコ・デラックス選手のインタビュー

という選手扱いの文章が登場する点まで同じです。

さらに以下のファーストリテイリングの柳井正氏が登場する偽記事広告 (https://jpplmp24yh.sys-cryb.com/jp) も吉川晃司氏やマツコ・デラックス氏の偽記事広告と同じIPアドレス(51.68.203.201) 上にあることで見つかってきたサイトです。

ニューズウィークの記事がYahooニュースに転載されたような形式になっていますが、URLアドレスなどから明らかにYahooニュースの記事ではありません。記事の内容は少し変わっていてニューズウィークのインタビューの中で「3、4ヶ月以内に誰でも裕福になれる新しい仮想通貨のアルゴリズム」について述べたということになっています。そして上の画像の右上にもバナー広告のようなものが見えますが、CRYPTOBOT (クリプトボット) という投資の勧誘になっていて氏名や電話番号などを登録するよう促しています

さらに以下はgooニュース (https://news.goo.ne.jp/) のサイトを模倣した偽記事と思われます。文章は少し変わっていますが、この偽記事でもファーストリテイリングの柳井正氏が登場しており、東京MXテレビの寺島実郎氏が司会を務める番組でBTC Avage Proという投資について「うっかり発言」したことで日銀から提訴されたという内容になっています。ここまで示してきた偽記事の内容とよく似ています。

この偽記事はX (旧Twitter) の広告機能で拡散されたようで日本ファクトチェックセンターというサイト (https://factcheckcenter.jp/) でファクトチェックを行った結果、以下に示すように虚偽であると結論する記事が出ています。

このファクトチェックによれば実際に柳井氏はTOKYO MXテレビの寺島氏が司会を務める番組に出演していたようですが、その出演番組の動画はTOKYO MXの公式アカウントからアップされており、内容を確認することが出来るようです。

【ゲスト:柳井正】寺島実郎の世界を知る力対談篇〜時代との対話〜#24(2023年3月26日放送)

勿論、柳井氏がこの番組でBTC Avage Proという投資について「うっかり発言」したという事実はありません。

さらに以下も同じグループによる偽記事と思われます。

▼Makoto Shinkai Btc Avage 24 口コミ- 詐欺か合法か (URLアドレス:https://medium.com/@falcuw/makoto-shinkai-btc-avage-24-口コミ-詐欺か合法か-cd6a60b54592)

映画監督の新海誠氏が登場していますが、日本語の文章なのに名前が全てアルファベット表記なのが気になります。「Btc Avage 24」という投資を勧めているような内容になっています。さらに以下はこの冒頭部に続く部分の文章なのですが文章の内容が滅茶苦茶で何が書いてあるのかさえよく分からない文章になっています。

最初の部分を以下に書き出します。

>(徹子 の 部屋) — Makoto Shinkai II は、自分のお金の稼ぎ方について正直であることを気にしない、生意気な率直な話し手として有名です。

>先週、彼女はNoa Iwamoto’sに出演し、3~4か月以内に誰でも億万長者になれるという新たな「富の抜け穴」を発表した。 ghfghh氏は、大手銀行がこの素晴らしい機会を永久に閉鎖する前に、この素晴らしい機会に飛びつくよう日本の皆さんに呼びかけました。

>そして案の定、インタビュー終了から数分後、日本銀行は笑福亭 鶴瓶インタビューの放映を中止するよう求めたが、時すでに遅しだった。Makoto Shinkai 日銀

こうして書き出してみても日本語訳がおかしいのか何が書いてあるのか理解不能です。

また偽記事広告自体を確認していませんが、日銀から提訴された人物が映画監督の宮崎駿氏に入れ替わっている偽記事広告も存在するようで報道対象になっています。

「日銀が宮崎駿さんを提訴」などと掲載…悪質すぎる「偽ニュースサイト」に要注意、絶対にクリックしないで! (弁護士ドットコム  2023年12月29日付)

この偽記事広告は上で示したファーストリテイリングの柳井正氏が日銀に提訴されたという偽記事と同じく、gooニュース (https://news.goo.ne.jp/) のサイトを模倣した偽記事となっているようです。日本テレビのNEWS ZEROで宮崎駿氏が岩本乃蒼アナのインタビューを受けた中でうっかり発言したことになっています。

さらに以下はTBSの「news23」で報じられたソフトバンクの孫正義氏と小川彩佳キャスターの対談の画像を盗用した偽記事に関する報道動画です。

放送内容が改ざんされ無断使用 news23小川キャスターとソフトバンクG孫社長の対談が“偽記事”に 投資サイトを直撃、“必ず稼げる”には要注意 (TBS NEWS DIG 2024年3月20日)

動画にはかなり怪しげな日本語で強引な調子で勧誘する勧誘の電話が出てきます。そしてこの報道動画に出てくる孫正義氏+小川彩佳氏の画像を使った偽記事広告を探してみると明らかに同じ内容、画像の偽記事を発見しました。

▼日本銀行が生放送での発言で孫 正義さんを提訴 (https://wjq1qocje2iik5ov2mvmrk14.craftpremiers.com/Billion/) リンクは外してあります。

上に示した宮崎駿氏の偽記事と同じでGooニュースのフォーマットを模倣した偽記事になっています。またこの偽記事ではこれは「news23」での画像や発言ではなく、フジテレビ系列の「僕らの時代」という番組での画像や発言となっています。どう見ても上の画像は「僕らの時代」の一場面ではないでしょう。

とにかくこうした明らかに事実と反する内容の有名人の発言を取り上げるような、しかも新聞記事に見せかけた偽記事広告がかなり広く出回っていて怪しげな仮想通貨投資を勧めているということが確認されました。

尚、以下の記事も同じグループによると思われる詐欺の事例を紹介し、注意を喚起するネット記事です。参照してください。

森永さん・前澤さん・ホリエモンをかたっての投資詐欺にダマされない!600万円の被害に遭った男性の後悔 (Yahooニュース 2024年1月7日)

さらに同じグループによると思われる偽記事広告を複数確認しました。

松本人志 Immediate 8.0 Eurax 口コミ- 詐欺か合法か? Hitoshi Matsumoto (Time Bussiness News 2024年1月6日)

明石家さんま Immediate Momentum Review (Time Bussiness News 2023年10月2日)

これら3つの明らかな偽記事はいずれもTime Bussiness News (https://timebusinessnews.com/) というサイトに掲載されています。このTime Bussiness Newsというサイト自体、ステルスマーケティングの為に立ち上げられているサイトである可能性が高いように思われます。

同様に以下は某サイトでみつけたバナー広告です。4つの広告が集まって掲載されており、いずれも明石家さんま氏の画像が使われ、それぞれ「Bunshun」という週刊文春を思わせるような記載があります。週刊文春の広告の様にも見えます。

しかしこのバナー広告はいずれも以下の読売新聞の記事に見せかけた広告サイトに繋がっています。

明石家さんま選手の生放送の発言で日銀が提訴 (2024年3月01日) (https://yomiurinews.press/)

これも明石家さんま氏がテレビ番組でうっかりと非常に有利な投資について口にしてしまい、日銀が提訴したという上で示してきた偽記事と同じ内容になっています。発言の主が入れ替わっているだけで明らかな偽記事であり、明石家さんま氏が上で示した三木谷浩史氏などの場合と同様に「明石家さんま選手」というスポーツ選手のような扱いになっています。そしてこの偽記事で気になるのはURLアドレスです。「https://yomiurinews.press/」というURLアドレスは読売新聞オンラインのURLアドレス (https://www.yomiuri.co.jp/) に意図的に似せているものと考えられます。尚、この偽記事にはIMMEDIATE MOMENTUM (https://immediatemomentum.pro/) という投資サイトへのリンクが用意されています。


さらに以下のYahoo知恵袋に出てきた質問からも同様の但し画像や名前が盗用されている有名人が変わっている同様の詐欺広告存在に気が付きました。

2023年8月1日投稿

この質問にある情報から検索してみると以下の偽記事広告が見つかりました。

▼日銀、森田一義氏を提訴 生放送での発言めぐり (https://medianews77.com/landers/japan2307/1/) (リンクは数してあります。)

やはり日銀が生放送での発言を問題視して発言の主を提訴したという内容の記事になっています。そしてこの記事の続きには明らかにおかしな部分があります。

同じことを上でも指摘しましたがテレビ朝日の番組の正式名称は「アメトーク」ではなく「アメトーーク!」ですし、「アメトーク」を「American Talk」の意味としている部分も疑問に感じたので調べてみると間違いのようです。Wikipediaの記事によれば以前に『雨上がり決死隊のトーク番組 アメトーーク!』だった番組名を改題したという由来のようです。「アメ」は「アメリカン」ではなく、「雨上がり決死隊」由来ということです。またこの番組が生放送とされているのも検索してみると収録日の観覧者募集といった情報が見つかるので事実に反していると思われます。

同様に以下もYahoo知恵袋への質問投稿から偽記事広告が見つかった例です。

2024年2月28日投稿

>ほんまでっかTVで川島さんがImmediate Sprintですがね、なんか株式投資みたいので簡単にお金が増えるとか言って日銀から番組放送中止を言われたって本当でしょうか?

これも明らかに上で紹介してきた詐欺広告の内容と似ている、但し当事者の名前がこれまで偽記事広告で名前や画像を盗用されていることが確認されている人たちとは異なるということで検索してみると以下のやはり明らかに偽記事と思われる広告が見つかってきました。

川島明 Immediate Sprint 日銀が提訴 (Medium 2024年2月27日)

複数個所で芸能人である川島明氏が「川島明選手」というスポーツ選手のような扱いを受けています。これは上で示してきた楽天の三木谷浩史氏などの場合と同じ扱いです。さらにテレビ番組でうっかり非常に有利な投資について口を滑らせて日銀から提訴されたという記事の内容は上で検証した複数の偽記事の内容と全く同じです。さらにこの偽記事から芋づる式で同様の偽記事広告が見つかってきました。

マツコ・デラックス Immediate Edge 口コミ- 詐欺か合法か? (Medium 2024年2月22日)

川島明、マツコ・デラックス、木村拓哉と登場人物は変わっても記事の内容は殆ど同じです。川島明氏と木村拓哉氏については違和感のある「選手」扱いで書かれている部分があることまで同じです。これらも間違いなく同じ詐欺グループによる詐欺広告でしょう。


以上、勧誘の手口に関する実例を挙げての説明が非常に長くなりましたがいよいよこのグループによる詐欺目的と思われるサイトについて個別の検証を始めることにします。

まず楽天の三木谷浩史氏の名前や画像を盗用した偽の新聞記事で勧誘が行われていた以下のGranimatorという名称の8つのサイトを検証対象としたいと思います。


●Granimator (https://mp7.jpcrypt.com/jp)

●Granimator (https://gran-imator.co/ja/)

●Granimator (https://granimator.io/jp/)

●Granimator (https://thegranimator.com/jp/)

●Granimator (https://the-granimator.com/jp/)

●Granimator (https://granimator.com/jp/)

Granimator (https://granimatortrading.com/)

●Granimator (https://jp09.cryp-mp.com/jpgg01)

これら8つのGranimatorというサイトの内、最初のサイトが上で説明したYoutubeの公式サイトに出てきた三木谷浩史氏の画僧を使った広告 → 偽の新聞記事広告から発見したサイトです。2番目~7番目の同じ名称のサイトは「Granimator」を検索して発見したサイトで名称が同じであるというだけでなくサイトの見かけも似ている部分があり、同じグループによるサイトの可能性が濃厚ということで説明します。最後の8番目のサイトはこの検証を書いた後で見つけてきたサイトで後述しますが、再びYoutubeに三木谷浩史氏の画像を使った詐欺広告を見つけてリンク先として見つけてきたサイトです。

まずは本項で検証する8つのサイトについてサイト冒頭部の画像を表題と同じ順で以下に示します。

8つものサイトが見つかってきたのですが、最初の偽記事広告からリンクされていたGranimator (https://mp7.jpcrypt.com/jp) と7番目のGranimator (https://granimatortrading.com/)、8番目のGranimator (https://jp09.cryp-mp.com/jpgg01) というサイトは表示言語の選択肢が見当たらず、それぞれ日本語のみ対応、英語のみ対応になっています。それ以外の5つのGranimatorのサイトは日本語を含む複数の言語から表示言語を選択出来るようになっています。

そしてこれら8つのサイトの内、最初のYoutube広告からリンクされていたGranimator (https://mp7.jpcrypt.com/jp) と後から見つかってきた8番目のGranimator (https://jp09.cryp-mp.com/jpgg01) は互いに全く同じに見えます。それ以外のサイトはデザインは互いに異なるのですが、部分的には似ている部分もあるようです。例えば上の8枚の冒頭部の画像で右側には口座開設の為に個人情報を入力する欄が用意されているという点で共通性が認められます。

また例えば3番目のGranimator (https://granimator.io/jp/)と6番目のGranimator (https://granimator.com/jp/) のサイトの言語選択のプルダウンメニューは互いによく似ているようですし、4番目のGranimator (https://thegranimator.com/jp/) と5番目のGranimator (https://the-granimator.com/jp/) のサイトの言語選択のプルダウンメニューも互いによく似ています。以下には比較の為に左下から右下に向けて3番目のGranimator (https://granimator.io/jp/) の言語選択メニュー → 6番目のGranimator (https://granimator.com/jp/) の言語選択メニュー →  4番目のGranimator (https://thegranimator.com/jp/) の言語選択メニュー → 5番目のGranimator (https://the-granimator.com/jp/) の言語選択メニューの順で画像を示します。

左側2つの言語選択メニュー、右側の2つの言語選択メニューの組み合わせは互いに非常によく似ています。

表題最初のGranimator (https://mp7.jpcrypt.com/jp) のサイトでは上に示した冒頭部に続いて以下に示した取引開始までの3段階を説明する部分が出てきます。

これと似た内容の部分が他の5つのGraniatorのサイトの内、2番目のGranimator (https://gran-imator.co/ja/)、4番目のGranimator (https://thegranimator.com/jp/)、5番目のGranimator (https://the-granimator.com/jp/)、7番目のGranimator (https://granimatortrading.com/) の各サイトに見つかります。その部分を以下に順に示します。

おおよそは「口座開設」→「入金」→「取引開始」という3段階になっているようですが、文章は似ているとは言い難いです。それ以外の共通点としては入金額が似ているようです。表題4番目のGranimator (https://thegranimator.com/jp/) の場合のみ最低入金額が250英国ポンドとなっていますが、表題最初のGranimator (https://mp7.jpcrypt.com/jp)、表題2番目のGranimator (https://gran-imator.co/ja/)、表題5番目のGranimator (https://the-granimator.com/jp/)では入金額が250米ドルとなっています。7番目のGranimator (https://granimatortrading.com/) には入金額の記述はありません。

それ以外の部分で最初の7つのサイトの比較で明らかに似ているのは3番目のGranimator (https://granimator.io/jp/) のHighlight (ハイライト) という部分と6番目のGranimator (https://granimator.com/jp/) のやはりHighlight (ハイライト) と題された部分、さらに7番目のGranimator (https://granimatortrading.com/) のOverviewと題された部分の組み合わせがあります。但し3番目のGranimator (https://granimator.io/jp/) のHighlight (ハイライト) という部分は日本語表示を選択しているのに以下に示すように中国語 (簡体字) 表記になっています。

一方で6番目のGranimator (https://granimator.com/jp/) のHighlight (ハイライト) と題された部分は普通に日本語表記になっています。

表題7番目のGranimator (https://granimatortrading.com/) のサイトは英語のみなので当然以下に示すOverviewと題された部分も英語で、さらに項目数が少ないですが上に示したばかりの2つのHighlight (ハイライト) と題された部分と似ています。

表示言語が異なる点を除けばこれら3つのサイトのHighlight (ハイライト) / Overview という部分は互いに非常によく似ているようです。

次に8つのサイトで連絡先情報を探しましたが、殆ど情報がありません。唯一、表題2番目のGranimator (https://gran-imator.co/ja/) の場合のみ、脚注部分に住所とメールアドレスだけ記されています。以下に日本語版と英語版の連絡先情報の部分を示します。

英語版に記されている住所とメールアドレスを以下に書き出します。

>Address: 435 Orchard Rd #11 Wisma Atria SG 238877

>Email: info[at] gran-imator.co

電話番号の記載はなく、住所はシンガポールの住所のようです。そしてこのシンガポールの住所を検索すると以下に示したシェアオフィスの住所に一致するようです。

この住所にGranimatorの事業実体が実際するかどうか極めて疑問です。別の言い方をすればこの住所は架空住所の可能性が濃厚と考えます。

連絡先がこれだけでは話にならないので例によって各サイトのWho Is 情報を確認しましたが殆ど情報はありません。わずかに表題3番目のGranimator (https://granimator.io/jp/)Granimator (https://the-granimator.com/jp/) の場合に登録者の所在国がそれぞれFR (フランス)、US (アメリカ) とだけ記されています。これでは情報不足ですし、同じグループによるサイトとしか思えないサイトの運営元がフランスとアメリカに分かれているというのも非現実的としか思えません。各サイトの登録・開設日、アップデート日を以下にまとめます。

サイト名 (URLアドレス) 登録・開設日 アップデート日

Granimator (mp7.jpcrypt.com/jp) 2023年11月16 2023年11月16日

Granimator (gran-imator.co/ja/) 2023623日 2023年8月22

Granimator (granimator.io/jp/) 2023年5月4日 2023年59

Granimator (thegranimator.com/jp/) 202383 2023年8月3日

Granimator (the-granimator.com/jp/) 2023年8月3日 2023年8月3日

Granimator (granimator.com/jp/) 2010226日 2023年5月24日

Granimator (granimatortrading.com/) 2023年8月26 2023年929

Granimator (jp09.cryp-mp.com/jpgg01) 2023年10月20日 2023年10月20日

6番目のGranimator (https://granimator.com/jp/) の場合のみドメインが登録されてから13年以上経過していますが、これは中古ドメインを買ってきて立ち上げたサイトかもしれません。それ以外のサイトは2023年の5月以降に立ち上げられていてかなり新しいサイトです。特に表題最初の日本語にしか対応していないサイトは2023年11月16日に登録・開設となっていて非常に新しいサイトです。

ところが例えば表題7番目のGranimator (https://granimatortrading.com/) のサイトには以下のような記述があります。

1日に170万回の取引があり、取引額が6億2000万ドル (期間は不明)、年間で5万3000人もの新規顧客を迎えているといったことが書いてありますが、2023年8月26日に登録・開設されていてこの検証を書いている2023年12月下旬時点でサイトの開設からまだ4ヶ月ほどしか経過していないのに「年間で5万3000人もの新規顧客を迎えている」というのはおかしいです。

またGranimator (https://granimatortrading.com/) のサイトへのアクセス数を調べてみると以下に示したように1日当たりの独立訪問者数が56人、月間のアクセス数が1700回弱という結果になります。とてもではありませんが1日に170万回の取引があるサイトとは思えません。

あるいは本項で検証している8つのサイトは口座を開設させる為のランディングページであり、本物のサイトはどこか別に存在するのかもしれませんが、そのサイトへのリンクがないというのは明らかにおかしいです。

関連してこれらのサイトには連絡先情報がないと書きましたが表題6番目のGranimator (https://granimator.com/jp/) のサイトにアクセスすると以下のような「免責事項」と書かれたポップアップウインドウが開きます。

>免責事項

>Granimatorは単なるマーケティング名であり、独立した組織やシステムではありません。

>登録した後、お客様には一人のブローカーが紹介されます。そのブローカーが取引プラットフォームを提供します。

>選択したブローカーがお客様のお住まいの国で取引サービス提供の認可を受け、現地の規制を順守していることを確認するのはお客様の責任となります。

>登録前にリスクノートと免責事項を注意深くお読みになることを強くお勧めします。


正直言って何が書いてあるのか意味が分かりません。Granimatorはマーケティング名であり、独立した組織ではないと書いてありますがこれらのサイトを運営しているのは誰なんでしょうか?個人が投資名目で資金を集めているということならば当然金融ライセンスなど取得しているわけがなく、違法ということになるでしょう。Granimatorの連絡先情報を開示していない、金融ライセンスを取得していないことの言い訳、責任回避としか思えません。

Granimatorがマーケティング名であるという記述と関係しますが、本項で取り上げた8つのサイトはいずれも金融機関などのサイトとは思えない印象があります。運営者に関する情報、連絡先情報が殆ど開示されていない点だけでなく、投資対象に関する説明は極めて乏しく、実績などに関する情報もありませんし、相場情報などもありません。やはり既に書きましたがこれらのサイトは口座開設させることだけを目的としたいわゆるランディングページとしか思えないのです。

それからGranimatorという一連のサイトについて調べることになったYoutubeに出ていた三木谷氏の画像を使った広告の広告主として社名が出ていた「Ukvassist LTD」について調べてみました。

「Ukvassist LTD」を検索すると以下に冒頭部の画像を示したUk Vassist (https://ukvassist.com/) というサイトが見つかってきました。

このサイトによればUk Vassist社は「バーチャルアシスタント」の会社ということになっています。例えば秘書の代わりに出張に必要なチケットやホテルの予約などを代行するといったサービスを提供しているようです。そしてこのサイトのメニューバーには「BLOGS」という項目がありますがその「BLOGS」というサブページ (https://ukvassist.com/category/blogs/) を確認してみると10本の投稿があるのですがその内、4本の投稿がどういうことなのか日本語の投稿になっています。ちなみに残りの6本の投稿は1本が英語、3本がマレー語、2本がポルトガル語の投稿になっています。以下は4本の日本語の投稿の内、3本の投稿の一部です。

これら3本の投稿はそれぞれテニス選手の大坂なおみ氏、楽天の三木谷浩史氏、そしてタレント・司会者のタモリ氏です。これら3名の内、大坂氏と三木谷氏については上で説明した偽記事広告で名前や画像を使われていることが確認されています。このブログ投稿には特定の投資先を推奨するような文章は出てきませんが、やはりこのUk Vassistという会社が偽記事広告に関与している疑いは相当に濃いものと考えられます。

そしてこのUk Vassist (https://ukvassist.com/) のサイト連絡先情報は以下のようになっています。

>UKVASSIST LIMITED

>OFFICE: 167-169, Great Portland Street, 5th Floor, London, England, W1W 5PF

>EMAIL: info@ukvassist.com

>PHONE: +447441393181

イギリス・ロンドンの住所、メールアドレス、イギリスの国番号[+44]から始まる電話番号が記されていますがロンドンの住所を検索してみるとTHE LONDON OFFICE (https://thelondonoffice.com/) というバーチャルオフィス/シェアオフィス業者のCentral London Office の住所と一致することが判明しました。

上の画像の左下、オレンジ色の四角の中に記されている住所がUk Vassistの住所と一致します。この住所はほぼ間違いなく架空住所でしょう。そこでイギリスの法人登録を探してみると以下に示したUk Vassistの法人登録が見つかりました。

法人登録の日付は2023年3月22日とかなり新しいです。

この法人登録上の住所

>167-169 Great Portland Street, 5th Floor, London, England, W1W 5PF

Uk Vassist社、およびTHE LONDON OFFICE (https://thelondonoffice.com/) というバーチャルオフィス/シェアオフィス業者の拠点の住所と一致しています。これがUk Vassist社の法人登録で間違いないでしょう。この法人登録の日付は2023年3月22日となっています。そしてこの法人登録の経営者情報のページを見ると以下の画像に示すTEJADA, Dyline Dalisayというフィリピン国籍、フィリピン在住の人物が唯一の経営者として登録されています。

この人物は本項で検証している一連のサイトと多少なりとも関わりのある人物かもしれません。

さらに2024年3月にやはりYoutubeで以下の広告を見つけました。

この広告をクリックするとやはり三木谷氏の名前や画像を盗用した偽記事広告 (https://jp09.cryp-prel.com/jpgg01) が出てきます。以下に冒頭部を示します。

上で全く同じ偽記事広告を引用しましたがURLアドレスは微妙に変化しています。

以前の偽記事広告: https://pl7.jpcrypt.com/jp

新しい偽記事広告: https://jp09.cryp-prel.com/jpgg01

(アクセスはオススメしません。リンクは外してあります。)

そしてこの偽記事広告からさらにリンクされていたのが表題8番目のGranimator (https://jp09.cryp-mp.com/jpgg01) というサイトです。

Youtubeの広告に戻りますが、三木谷氏の画像を使った広告の広告主情報は以下のようになっています。

>この広告主について

>広告主(Google により身元確認済み)

>広告主

>RUSHCONT LTD

>地域

>イギリス

広告主がイギリスのRUSHCONT LTDとなっていますがこれは上で説明した吉川晃司氏のバナー広告の出稿主と同じ会社です。残念ながらこの「RUSHCONT LTD」の公式サイトらしきものは検索しても見つかりません。しかし「UKVASSIST LIMITED」と同じイギリスの会社となっているのでやはりイギリスの法人登録を探してみるとそれと思われる法人登録が見つかってきました。以下が見つかってきたRUSHCONT LTD」の法人登録情報です。

法人登録の日付は2022年11月2日となっています。そしてこの法人登録は定期的に必要な書類の提出が為されていないということでこのままだと法人登録が取り消しになる状況のようです。住所は以下のようになっています。

>5 South Charlotte Street, Edinburgh, Scotland, EH2 4AN

上で説明した「UKVASSIST LIMITED」はTHE LONDON OFFICE (https://thelondonoffice.com/) というバーチャルオフィス/シェアオフィス業者の拠点の住所 (167-169, Great Portland Street, 5th Floor, London, England, W1W 5PF) を所在地としていましたが、このRUSHCONT LTDの住所も同じTHE LONDON OFFICEというバーチャルオフィス/シェアオフィス業者の別の拠点の住所に一致するようです。以下の画像、赤枠で囲った部分に示されているエジンバラオフィスの住所がRUSHCONT LTDの住所に一致しています。

これもまず間違いなく架空住所でしょう。そしてこのRUSHCONT LTDの法人登録上の経営者情報を見ると以下に示したABELLAR, Ritchel Aranteというフィリピン国籍、フィリピン在住の人物が唯一の経営者として登録されています。

上で説明した「UKVASSIST LIMITED」の場合も法人登録上の経営者はTEJADA, Dyline Dalisayというフィリピン国籍、フィリピン在住の人物になっていましたから本ページで検証しているような詐欺サイトを運営しているのはフィリピン系のグループなのかもしれません。

改めて結論するまでもなく、本項で検証してきた8つのGranimatorというサイトは到底信頼出来る投資先とは思われません。かなり大掛かりな海外の詐欺グループによる詐欺サイトの疑いが極めて濃く、これらのサイトでの投資を勧められても決して応じるべきではありません。


●CryptoBot (クリプトボット https://jpbgmp39.sys-cryb.com/jp1/)

●CryptoBot (クリプトボット https://jpbgmp28.sys-cryb.com/jp1/)

●CryptoBot (クリプトボット https://jpbgmp29.sys-cryb.com/jp1/)

●CryptoBot (クリプトボット https://jpbgmp32.sys-cryb.com/jp1/)

●CryptoBot (クリプトボット https://jpbgmp36.sys-cryb.com/jp1/)

●CryptoBot (クリプトボット https://jpbgmp37.sys-cryb.com/jp1/)

●CryptoBot (クリプトボット https://jpbgmp54.sys-cryb.com/jp1/)

●CryptoBot (クリプトボット https://jpbgmp55.sys-cryb.com/jp1/)

●CryptoBot (クリプトボット https://jpbgmp57.sys-cryb.com/jp1/)

●CryptoBot (クリプトボット https://jpbgmp58.sys-cryb.com/jp1/)

●CryptoBot (クリプトボット https://jpbgmp59.sys-cryb.com/jp1/)

●CryptoBot (クリプトボット https://jpbgmp60.sys-cryb.com/jp1/)

●CryptoBot (クリプトボット https://jpbgmp61.sys-cryb.com/jp1/)

●CryptoBot (クリプトボット https://jpbgmp62.sys-cryb.com/jp1/)

●CryptoBot (クリプトボット https://jpbgmp63.sys-cryb.com/jp1/)

●CryptoBot (クリプトボット https://jpbgmp64.sys-cryb.com/jp1/)

●CryptoBot (クリプトボット https://jpbgmp65.sys-cryb.com/jp1/)

●CryptoBot (クリプトボット https://jpbgmp66.sys-cryb.com/jp1/)

最初のクリプトボット (https://jpbgmp39.sys-cryb.com/jp1/) というサイトは上で示した吉川晃司氏の名前や画像を盗用した偽記事広告からのリンク先として見つかってきたサイト、2番目のクリプトボット (https://jpbgmp28.sys-cryb.com/jp1/) は最初のクリプトボットと同じIPアドレス (51.68.203.201) 上にあることで見つかってきたサイトです。そして最初の2つのクリプトボットのサイトのURLアドレスがほぼ同じで「39」と「28」が違うだけということで試しにURLアドレスの数字の部分を入れ替えてみた結果として見つかってきたのが3番目以降のクリプトボットのサイトです。実際問題これだけ多くのクリプトボットというサイトがあってもURLアドレス以外に違いが見つからないので吉川晃司氏の偽記事広告のリンク先となっていた最初のクリプトボット (https://jpbgmp39.sys-cryb.com/jp1/) を検証対象とします。

まず以下が吉川晃司氏の偽記事広告 (https://jpggpl10.sys-cryb.com/jp1/) の最後の方に出てくるクリプトボットへの登録を促している部分の画像です。

この「吉川晃司氏が提供する」と称するリンクボタンのリンク先、「公式ウェブサイト」が以下にサイト冒頭部の画像を示した表題最初のクリプトボット (https://jpbgmp39.sys-cryb.com/jp1/) というサイトになっています。

>稼げる金額

>115,000 円から 275,000 円/日

>稼ぐことができます

>日本での登録はすでに開始しています

1日当たり11万5000円~27万5000円稼げるとやたらに具体的な数字が書いてありますが、一体どれほどの投資額があればこれだけの利益が出るのかは不明です。そして氏名、メールアドレス、電話番号を登録するようになっています。この登録の窓が冒頭右側に出てくるパターンは上で検証した一連のGranimatorのサイトと似ているように思えます。そしてこれだけでは利益を生み出す仕組みが分かりませんが、この冒頭部に続いて出てくる以下の部分に運用の仕組みに関する簡単な説明とサイトの特長のまとめがあります。

利益を生み出す仕組みの説明は以下のようになっています。

>その秘密は取引所の仕組みにあります。コインの価格は需要と供給によって上下し、通貨の需要と供給は取引所によって異なります。このため、異なる取引所では同じコインの価格に大きな差が生じることがよくあります。Coinbase、Binance、Bybit、BitFlyer、Coincheck、OKX、Huobi、その他多くの取引所と統合しているため、瞬間的にお金を稼ぐチャンスを得ることができます。

仮想通貨取引所間の価格差を利用するいわゆるアービトラージによる運用ということのようです。これは例えば「検証62」で検証したプランスゴールドやジュビリーエースといった案件で用いられていたのと基本的に同じ仕組みです。しかしそうしたアービトラージ案件の検証でも指摘していますが、仮想通貨を取引所間で送るのには時間が掛かりますし、大きな資金を運用するのには向いていません。大きな資金を投入すれば相場が動いてしまい、安く買って高く売ることが困難になるからです。実際問題、こんな運用システムで多くの人から集めた巨額の資金を運用して大きな利益を生み出せるとは全く思えません。ちなみにプランスゴールドやジュビリーエースでは多数の被害者が出て裁判沙汰になっています。つまり詐欺案件だったということです。こんな仕組みで明確に利益の幅を示せるような確実な運用が出来るはずがありません。

そしてこのサイトで最も問題なのは以下に示した次に出てくる部分でしょう。

ソフトバンクの孫正義氏と女優の柴咲コウ氏がクリプトボットに投資していてクリプトボットでの投資を勧めるような発言をしていることになっています。柴咲氏は

>私は数年前からこのプラットフォームを利用しています。

と書いていますが、このサイトのWho Is 情報を見ると以下に示したように黄色の枠で囲った部分に記されているサイトの登録・開設日が2024年1月23日になっています。柴咲コウ氏が数年前からこのプラットドームを利用できるわけがないです。

そもそもこれだけ多くの全く同じにしか見えないサイトが存在している時点で明らかにおかしいです。吉川晃司氏、柳井正氏といった有名人を使った明らかに偽の新聞記事を勧誘に使う手口、記事に書かれている明らかに事実と反している点など考えてもこれは間違いなく危険な案件です。絶対に個人情報を入力したり、投資勧誘に応じたりするべきではありません。