検証139

本ページで取り上げるサイトはいずれも仮想通貨取引所 (暗号資産交換業者) に該当すると思われますが、いずれも日本語表示に対応しているのに日本の金融庁が公表している暗号資産交換業者の登録リストに該当がありません。無登録の違法業者である可能性が高いです。また本ページで検証対象とするサイトの一部ではネットで知り合ったおそらく外国人に投資を勧誘されたという証言が確認されています。

▼本サイトでの検証は名誉棄損に当たらないと考えます。→ 雑記1

「検証63」「検証64」「検証65」「検証66」「検証67」「検証68」「検証69」「検証70」「検証71」「検証72」「検証73」「検証74」「検証75」「検証76」「検証77」「検証78」「検証79」「検証80」「検証81「検証82「検証83「検証84「検証85「検証86」「検証87「検証88「検証89「検証90「検証91「検証92「検証93「検証94「検証95「検証96「検証97「検証98「検証99「検証100「検証101「検証102「検証103「検証104「検証105「検証106「検証107「検証108「検証109「検証110「検証111「検証112「検証113「検証114「検証115「検証116「検証117」「検証118」「検証119」「検証120」「検証121」「検証122」「検証123」「検証124」「検証125」「検証126」「検証127」「検証128」「検証129」「検証130」「検証131」「検証132」「検証133」「検証134」「検証135」「検証136」「検証137」「検証138」で検証してきたTinderを始めとするマッチングサイト (出会い系サイト) やSNSで外国人による勧誘が行われているという共通点がある一連の詐欺仮想通貨取引所のサイトについての検証77ページ目です。「検証140」「検証141」「検証142」「検証143」「検証144」「検証145」「検証146「検証147」にも続編があります。勧誘の手口などについては「検証63」の最初に書いてあるので参照してください。また本ページで検証するサイトの幾つかでは「雑記2」で説明しているLINEのグループ (オープンチャット) を勧誘の場とする勧誘が行われているようです。そちらも参照してください。

本ページでは以下のサイトを検証します。検証項目は順次追加の予定です。


●Cencia (https://cencia.online/#/、スマホ用サイト:https://h5.cencia.online/)

●Cencia (https://cencia.cc/#/、スマホ用サイト:https://h5.cencia.cc/)

●Cencia (https://cencia.cloud/#/、スマホ用サイト:https://h5.cencia.cloud/#/)

●Cencia (https://cencia.club/#/、スマホ用サイト:https://h5.cencia.club/#/)

●Cencia (https://cencia.org/#/、スマホ用サイト:https://h5.cencia.org/#/)

●Cencia (http://cencia.asia/、スマホ用サイト:https://h5.cencia.asia/)

●Cencia (http://cencia.xyz/、スマホ用サイト:https://h5.cencia.xyz/)

●Cencia (http://cencia.live/、スマホ用サイト:https://h5.cencia.live/)

●AKSHAR (https://www.ashmkt.com/#/、スマホ用サイト:https://www.ashmkt.com/aksharh5/#/)

●AAA (https://www.telddfg.com/#/、スマホ用サイト:https://www.telddfg.com/aaah5/#/)

●GBSH (https://www.gbshs.com/#/、スマホ用サイト:https://www.gbshs.com/gbshh5/#/)

●GBSH (https://www.gbshex.com/#/、スマホ用サイト:https://www.gbshex.com/gbshexh5/#/)



まず以下の5つのCenciaという名称のサイトをまとめて検証します。

●Cencia (https://cencia.online/#/、スマホ用サイト:https://h5.cencia.online/)

●Cencia (https://cencia.cc/#/、スマホ用サイト:https://h5.cencia.cc/)

●Cencia (https://cencia.cloud/#/、スマホ用サイト:https://h5.cencia.cloud/#/)

●Cencia (https://cencia.club/#/、スマホ用サイト:https://h5.cencia.club/#/)

●Cencia (https://cencia.org/#/、スマホ用サイト:https://h5.cencia.org/#/)

これら5つのサイトはサイト名が同じであるだけでなくサイトの見かけも互いに非常によく似ているのでまとめて検証します。そして最初の4つはいずれもYahoo知恵袋に質問が出てきたサイト、5番目のサイトは後述しますがサイトに記されているメールアドレスから見つけてきたサイトです。そして少なくとも表題2つ目のCencia (https://cencia.cc/#/) から4番目のCencia (https://cencia.club/#/) まで3つのサイトについては「雑記2」で説明しているLINEのグループを利用した勧誘が行われているようです。まず最初の4つのサイトについてYahoo知恵袋に出てきた質問投稿を引用します。

2023年8月1日投稿 (Cencia (https://cencia.online/#/) に関する投稿)

ネットで株式投資の広告を見てクリックして繋がった勧誘役からLINEで勧誘されたようです。最初は推奨された株を買うと実際に利益が出たようです。そして抽選で当選した人に賞金がプレゼントされるという案内が来て、賞金を受けとるのに本項の検証対象であるCencia (https://cencia.online/#/) での登録を求められたようです。

2023年8月8日投稿 (Cencia (https://cencia.cc/#/) に関する投稿)

この投稿では勧誘された経緯が全く分かりませんが、入金先として個人名義の銀行口座を指定されたことで違和感を感じて詐欺の可能性があるのではないかという質問になっています。URLアドレスは上の質問と似ていますが、異なるサイトです。

2023年8月12日投稿 (Cencia (https://cencia.cc/#/) に関する投稿)

LINEの広告をクリックしたところ「OASG情報共有の部屋」というLINEのグループに加わることになり、Cencisでの投資を勧誘されたようです。このLINEグループでの勧誘の詳細は不明ですが、LINEグループを利用したおそらく中国系と思われる詐欺グループによる詐欺の勧誘はFXの詐欺サイトへの誘導や香港株での仕手行為に利用されるケースなどで確認されており、既に上で書いたように「雑記2」にまとめがあります。このCencisというサイトでの投資勧誘でも同じような勧誘が行われている可能性が考えられます。

次は表題3番目のCencia (https://cencia.cloud/#/) に関する投稿です。

2023年8月16日投稿 (Cencia (https://cencia.cloud/#/) に関する投稿)

情報が断片的ですが伊藤、明智などと名乗る人物が先生役を務めるLINEのグループでCencia (https://cencia.cloud/#/) での投資を勧める勧誘が行われているようです。10件もの回答が寄せられていることからもかなり広範に多くの人をLINEグループに誘導して大規模な勧誘が行われているようです。入金先が個人名義の銀行口座だった点など明らかに怪しい点があることが指摘されています。詐欺の疑いについて指摘したところ、強制退会させられたという証言も出ています。これも「雑記2」で説明したLINEのグループを利用した勧誘が行われていると考えて間違いないでしょう。

次は表題4番目のCencia (https://cencia.club/#/) のサイトに関する質問投稿です。

2023年8月30日投稿 (Cencia (https://cencia.club/#/) に関する投稿)

このサイトについても伊藤と名乗る人物が主催するLINEのグループが勧誘の場として利用されているようです。入金先としてやはり個人名義の銀行口座が指定されたようです。海外の取引所が日本の銀行の個人名義の口座を入金先として指定するといったことはおよそ考えられません。質問の投稿者は既に入金してしまっているようで出金出来るかどうか不安を感じてこの質問を投稿しているようです。

さらにこの検証を書いた後ですが、以下の質問が出てきました。

2023年9月6日投稿

明智健太と名乗る人物のLINEグループに参加してしまい、Cenciaのサイトでの投資を勧誘されて入金してしまったところ出金出来なくなったようです。ベストアンサーの投稿者も被害に遭っているようです。残念ながら複数存在するCenciaのサイトのどれに入金してしまったのかは不明です。

とにかく本項で検証する5つのCenciaという名称のPC用サイトの冒頭部の画像を以下に順に示します。

▼Cencia (https://cencia.online/#/) [表示言語:英語、日本語、韓国語、香港語、スペイン語、タイ語]

▼Cencia (https://cencia.cc/#/) [表示言語:英語、日本語、韓国語、香港語、スペイン語、タイ語]

▼Cencia (https://cencia.cloud/#/) [表示言語:英語、日本語、韓国語、香港語、スペイン語、タイ語]

▼Cencia (https://cencia.club/#/) [表示言語:英語、日本語、韓国語、香港語、スペイン語、タイ語]

▼Cencia (https://cencia.org/#/) [表示言語:英語、日本語、韓国語、香港語、スペイン語、タイ語]

5つのCenciaという名称のサイトはURLアドレスは異なっていても見かけは全く同じです。表示言語の選択肢も英語、日本語、韓国語、香港語、スペイン語、タイ語の6つで同じです。そしてこれら5つのCenciaというサイトは「検証119」で検証した以下の9つのサイトと部分的に似ているようです。

▼Manage Coin (マネージコイン https://www.managecoin.net/dist/#/、スマホ用サイト:https://www.managecoin.net/h5/#/)

▼Bingx (https://bingxd.com/#/home)

▼BingX (https://bingx.cyou/dist/#/、スマホ用サイト:http://bingx.cyou/h5/#/)

▼Ycoin/eToro (https://etororo.top/dist/#/、スマホ用サイト:https://etororo.top/h5/#/)

▼GUTScoin (GUTSコイン https://guts-official.com/dist/#/、スマホ用サイト:https://guts-official.com/h5/#/)

▼BerisCoin (Berisコイン https://beriscoin.net/dist/#/、スマホ用サイト:https://beriscoin.net/h5/#/)

▼Xbest (https://ngocnephrite.com/dist/#/、スマホ用サイト:https://ngocnephrite.com/h5/#/)

▼Xbest (https://xbest.online/dist/#/、スマホ用サイト:https://xbest.online/h5/#/)

▼ISE Global (ISEグローバル https://isegolbaler.com/#/home)

この検証を書いている2023年8月中旬時点でこれら9つのサイトの中で閉鎖されていないのは5番目のGUTSコイン (https://guts-official.com/dist/#/) と7番目のXbest (https://ngocnephrite.com/dist/#/) だけのようです。以下では閉鎖されていない2つのサイトの内、GUTSコイン (https://guts-official.com/dist/#/) を比較対象としてまずはGUTSコインのサイト冒頭部の画像を比較の為に再掲します。

▼GUTSコイン (https://guts-official.com/dist/#/) [表示言語:英語、日本語、韓国語、香港語]

但しこの冒頭部だけの比較では5つのCenciaのサイトとGUTSコインのサイトが一見して特に似ているようには見えません。それでも例えば右上の言語選択メニューの形式が似ています。選択出来る表示言語の選択肢も5つのCenciaのサイトでは英語、日本語、韓国語、香港語、スペイン語、タイ語の6言語、GUTSコインでは英語、日本語、韓国語、香港語の4言語の選択肢となっていてスペイン語とタイ語が選択できないだけで並び順も似ています。また上に示したキャプ画像では分かりませんが、実際のサイトを見ると敷き詰められたドットの地面が波がうねるように動くエフェクトが共通して使われています。さらに5つのCenciaのサイトでは

>信頼性、安全性、迅速性

>仮想通貨取引所

>最もシンプルで安全なプラットフォームで暗号化された通貨の売却、取引、利益

という文章が記されていますが、これと似たような内容の英語の文章がGUTSコインのサイトに記されています。

>The Most Trusted, Secure, Fast, Reliable

>Cryptocurrency Exchange

>Get Started with the easiest and most secure platform to buy, sell trade, and earn Cryptocurrency

さらにこれら5つのCenciaというサイト、比較対象のGutsコインのサイト、計6つのサイトのいずれにも「ログイン」と書かれたリンクボタンが確認出来ますが、これらのボタンからリンクされているログイン画面を以下に順に示します。

ログイン画面の比較でも5つのCenciaのサイトは互いに全く同じに見えます。さらにGUTSコインのログイン画面と比較しても左半分にメールアドレスの記入欄とパスワードの記入欄、さらに「ログイン」と書かれたボタンが並んでいる点など似ているように思えます。

5つのCenciaのサイトでは冒頭部に続いて仮想通貨のリアルタイムの相場情報を示す部分があり、さらに続いてはサイトの特長を4項目にまとめて説明している部分が出てきます。その部分についてもやはりCencia (https://cencia.online/#/) → Cencia (https://cencia.cc/#/) → Cencia (https://cencia.cloud/#/) → Cencia (https://cencia.club/#/) → Cencia (https://cencia.org/#/) 比較対象のGUTSコインの順で画像を以下に示します。

5つのCenciaのサイトはこの部分でも互いに全く同じです。いずれのサイトでも画像の一番上に

>DEX,24時間の出来高 551,878,693 ドル

>130ヵ国以上の数百万人のユーザーに向け、安全で信頼性の高いデジタル資産取引および資產管理サービスを提供しています

と書いてありますが最初の「DEX」の意味が分かりません。ここにはサイトの名称である「Cencia」が入るのではないかと思うのですが、これら5つのCenciaのサイトはDEXという名称のサイトをテンプレートにして立ち上げられたサイトなのかもしれません。そして「DEX,24時間の出来高 551,878,693 ドル」と書いてありますが、この出来高の数字はあまり頻繁に更新されていないようで数日たってから確認しても同じだったりします。また5つのCenciaのサイトの出来高が同じというのもおかしいでしょう。本当に「数百万人のユーザー」がいるかどうかは非常に疑問です。

そしてGUTSコインの相当部分と比較するとイラストなどは全く異なっていて一見すると似ているようには見えませんが、記されている文章は非常によく似ています。例えば4つの特長の内、最初の項目の文章を比較します。

▼Cenciaの場合

>金融レベルの安全性

>全方位の金融リスク管理システムと防犯システム。ホットウォレットとコールドウォレット、マルチシグシステムにより資金の安全を保証します

▼GUTSコインの場合

>金融レベルの安全

>全方位金融風制御システムと盗難防止システム、冷熱財布、多署名システムは資金の安全を保証します


「冷熱財布」といった非常に違和感のある日本語訳があるせいで全く同じという訳ではありませんが、似ていることは確かです。そこでCenciaについてもGUTSコインについても表示言語を英語にすると以下のようになります。

▼Cenciaの場合 (英語表記)

>Financial-grade security

>Comprehensive financial risk control system and anti-theft system, hot and cold wallet,Multi-signature system to ensure the safety of funds

▼GUTSコインの場合 (英語表記)

>Financial security

>Comprehensive financial risk control system and anti-theft system, hot and cold wallet, multi signature system to ensure the safety of funds

英語表記で比較するとCenciaとGUTSコインのサイトはさらに相同性が高くなっていて殆ど同じ文章です。同じテンプレート由来としか思えません。

さらにこの部分に続いてはアプリをダウンロード出来るようになっている部分が出てきます。やはりCencia (https://cencia.online/#/) → Cencia (https://cencia.cc/#/) → Cencia (https://cencia.cloud/#/) → Cencia (https://cencia.club/#/) → Cencia (https://cencia.org/#/) → 比較対象のGUTSコインの順で画像を以下に示します。

この部分でも5つのCenciaのサイトは互いに全く同じです。一方で比較対象のGUTSコインのサイトでは右側のイラスト部分などは全く異なりますが、左側に記されている文章は似通っているように思われます。

次に5つのCenciaのサイトの脚注部分についてやはり表題と同じ順、Cencia (https://cencia.online/#/) → Cencia (https://cencia.cc/#/) → Cencia (https://cencia.cloud/#/) → Cencia (https://cencia.club/#/) → Cencia (https://cencia.org/#/) の順で画像を以下に示します。

いずれの場合も唯一の連絡先情報としてメールアドレスだけ示されていますが、5つのCenciaのサイトに示されているメールアドレスは同じです。

>cs@cencia.org

実は表題5番目のCencia (https://cencia.org/#/) はこのメールアドレスのドメイン名の部分 (cencia.org) から見つけてきたサイトです。Yahoo知恵袋の質問に出てきた最初の4つのサイトのドメイン名がいずれもメールアドレスのドメイン名と異なるということからメールアドレスとドメイン名を共有するサイトが存在するのではないかと考えて探したところ、見つかってきたという経緯です。

連絡先情報については例によってサイトのWho Is 情報も確認してみましたがいずれのCenciaのサイトのWho Is 情報でも登録者に関する情報は何も開示されていません。サイトの登録・開設日は表題5番目の Cencia (https://cencia.org/#/) だけが2023年7月27日、それ以外の4つのCenciaのサイトはいずれも2023年7月30日になっています。特に最初の4つのサイトは同日に登録されたことになり、明らかに同じグループによるサイトでしょう。

さらに上に示した脚注部分でメールアドレスの右側にはInstagram、TwitterなどSNSのアイコンが5つ並んでいてそれぞれ公式サイトへのリンクになっているように見えます。しかし実際にこれら5つのアイコンの内、リンクになっているのは2番目のTwitterのアイコンと4番目のYoutubeのアイコンだけでいずれのCenciaのサイトでも以下のサイトにリンクされています。

Twitter:https://twitter.com/CenciaGroup

Youtube:https://www.youtube.com/@Cenciagroup

これらの内、Youtubeのアカウントの概要のページを見ると以下のようになっています。

この概要によればこのアカウントが登録されたのは2017年7月26日と6年も前になっていてチャンネル登録者数が3万人以上います。しかしアップされている16本の動画を見ると最も古い動画は2023年7月27日に投稿された「Cencia|SPACE ID(スペースID)とは?#Cencia」というタイトルの以下の動画です。そしてこの動画の投稿の日付 (2023年7月27日) は表題最後のCencia (https://cencia.org/#/) のWho Is 情報に示されているサイトの登録・開設日と一致します。

つい最近に投稿された動画ということになり、視聴回数はこのキャプ画像を取得した時点で12回だけです。さらに投稿されている16本の動画の視聴回数合計が231回です。もう一度まとめるとこのYoutubeチャンネルは2017年7月26日と6年も前に登録されていてチャンネル登録者数が3万人以上いるのに現時点で視聴できる16本の動画は2023年7月26日以降に投稿されていて視聴回数合計がわずか231回だけです。一度として動画を見もしないで登録した人が3万人以上いるのか、以前に投稿された3万人もの登録者を集めるのに貢献した動画が全て削除されているということになると思われます。明らかに異様な状況です。

改めて結論するまでもなく、5つのCenciaのサイトは信頼できる投資先とは全く思えません。そもそも全く同じにしか見えない明らかにコピペで作られたサイトが5つも存在するというだけで異様ですし、情報開示は不充分、不適切です。勧誘された経緯についてもこれまで多くの被害者を出している一連の詐欺と一致しているように思われます。

仮にこれらのサイトでの投資を勧誘されても決して応じないことを強く推奨します。


※付記1

Cenciaについて検索すると以下に示した福岡新聞 (http://www.fukuoka-ken.com/) というサイトに掲載されている3本のプレスリリース記事が出てきました。

Cencia(センシア):革新的なセキュリティ対策を重視し、安全な暗号資産取引所を築く (2023年8月3日付)

CenciaとCoinMarketCapが協力して、暗号通貨に関するデータの透明性と信頼性を共に築く (2023年8月3日付)

Cencia取引所:ブロックチェーン分野のリーディング取引プラットフォーム、AIクオンツと革新的IEOモデルの融合 (2023年8月3日付)

記事の内容は基本的にプロジェクトの素晴らしさを褒めたたえるだけになっています。これらはプレスリリース記事、つまり報道機関が取材して書いた記事ではなく、掲載を希望する側が掲載料を払って自ら用意した記事をそのまま掲載する記事ですから否定的な内容になるわけがないのですが、それにしてもこれら3つのプレスリリース記事には違和感を感じる部分があります。

まずこれらの記事にはプレスリリース記事ならまず間違いなく記されているべきCenciaのサイトへのリンクが見当たりませんし、URLアドレスも記されていません。少なくとも5つ確認されたCenciaのどれかに対応した記事というよりは全てのCenciaのサイトを全て高評価しているように思われます。Cenciaという名称のサイトが少なくとも5つもあるということを隠しておきたい意図があるのかもしれません。

また日本人を顧客として仮想通貨取引所を運営するには日本の金融庁に暗号資産交換業者の登録が必要ですが、Cenciaという取引所の登録は金融庁のサイトで公表されている暗号資産交換業者の登録リストに登録がありません。つまりCenciaは無登録の違法業者です。プレスリリース記事とは言え、まともな報道機関ならば無登録の違法業者を全面肯定するようなプレスリリース記事を掲載するだろうかと思って調べてみるとこの福岡新聞というサイト自体が普通の新聞社のサイトとは思えない部分があることが判明しました。まず「福岡新聞」というサイト名、「www.fukuoka-ken.com」というURLアドレスからすれば福岡県に拠点がある地方新聞社のサイトとしか思えないのですが、「福岡新聞」という新聞社に関する情報が検索しても何も見つかりません。Wikipediaの「日本の新聞一覧」という記事を見ても「福岡新聞」という新聞を確認出来ません。また以下は福岡新聞のサイトの「お問い合わせ」のページのキャプです。

左のキャプから連絡先情報の部分を以下に書き出します。

>お問い合わせ

>株式会社(福岡エクスプレス) 総務部 宛

>記事に関するお問い合わせ、情報提供

>Email:help#fukuoka-ken.com

>書籍の購入・ニューズレター購読の申し込み

>Email:sales#fukuoka-ken.com

>お問い合わせ

>03-3827-2643 全日 午前10時~午後8時

>ご意見

>03-3827-2643

>フォームでも受け付けています


まず住所が示されていません。連絡先情報として開示されているのはメールアドレスと「03-3827-2643」という電話番号だけです。そしてこの電話番号が大問題です。これは (03) という東京の市外局番から始まっていて明らかに福岡の電話番号ではありません。住所が開示されておらず、福岡新聞というサイト名なのに電話番号が東京の電話番号というのは明らかにおかしいです。

さらに福岡新聞のサイトのプレスリリース記事の一覧を見ると殆どが聞いたことのない仮想通貨などに関する記事が非常に多く、その中には姉妹サイトの「検証65」で検証しているCapital One FX (キャピタル ワンFX https://www.cofcorpfxs.jp/) というサイトへの投資を勧誘するLINEのグループを主催する藤崎義治という人物を絶賛するような全て2023年8月10日付の5本ものプレスリリース記事が含まれています。

金融アナリストの藤崎義治さんは、世界の経済に潜在する新しいチャンスを見い出しました (2023年8月10日付)

金融分析家である藤崎義治さんが、アメリカの信用格付けが下げられることに対して懸念を表明しました

凄腕投資家の藤崎義治氏は日本企業を率い、アメリカ進出で大活躍

日本金融界希望の星藤崎義治

藤崎義治(Yoshiharu Fujisaki)氏は、アメリカの大規模なインフラ投資で注目を浴びています

5本ものプレスリリース記事が同日に掲載されている意味が不明ですし、記事の日本語には不自然な部分がある、内容的にも重複や矛盾点があるように思われるといった点からこれらもステルスマーケッティングの為の記事である可能性が考えられます。

こうした状況を考えると福岡新聞のサイト自体が信頼できるサイトかどうか極めて疑わしいと考えざるを得ません。福岡新聞のサイトはステルスマーケティングの為に立ち上げられた架空の新聞社のサイトである疑いが濃いです。


※付記2

福岡新聞以外にもステルスマーケッティングの為に開設されたと思われる架空の新聞社と思われるサイトが続々と見つかってきました。「雑記3」でまとめてありますから参照してください。


※付記3

同じCenciaという名称でサイトの見かけもそっくりなサイトがさらに3つ見つかってきました。URLアドレスが微妙に異なるCenciaというサイトが少なくとも8つ確認されたことになります。以下で検証しているので参照してください。


●Cencia (http://cencia.asia/、スマホ用サイト:https://h5.cencia.asia/)

●Cencia (http://cencia.xyz/、スマホ用サイト:https://h5.cencia.xyz/)

●Cencia (http://cencia.live/、スマホ用サイト:https://h5.cencia.live/)

最初の2つのCenciaのサイトはYahoo知恵袋に質問が出てきたサイト、3番目は「Cencia」を検索して見つけてきたサイトで互いに極めて似ているだけでなく、上で検証した5つのCenciaのサイトとも非常によく似ています。明らかに同じグループによって同じテンプレートからURLアドレスのみ変更して量産されたサイトと考えられます。

まず最初の2つのCenciaのサイトに関してYahoo知恵袋に出てきた質問を引用します。

2023年9月16日投稿 (Cencia (http://cencia.asia/) に関する投稿)

「投資スクールのSNS」から接触してきてLINE登録してしまったようです。投資にかんする動向の紹介などを受けていたということなので「雑記2」で説明したLINEのグループ (オープンチャット) を勧誘の場として利用する勧誘方法が用いられていたものと思われます。質問の投稿者は怪しいと感じて結局入金はしなかったようですが、この質問に寄せられた10件の回答の中には入金してしまった人の投稿も幾つかあります。そして出金出来るか不安を感じているという回答、さらには出金しようとしたところ税金と称して追加入金を要求されている、事実上の出金拒否を受けているという投稿が2件出ています。以下に示します。

出金しようとすると税金とか保証金とか意味不明の名目で追加入金を要求してくるのはまさに「検証63」の冒頭で説明した中国系と思われる詐欺グループによる詐欺の手口に合致します。

次は表題2番目のCencia (http://cencia.xyz/) に関する投稿を引用します。

2023年9月22日投稿 (Cencia (http://cencia.xyz/) に関する投稿)

情報が断片的なのですが、明智健太、伊藤浩一、星野みつとし、などと名乗る人物が主催するLINEのグループでCencia (http://cencia.xyz/) での投資を勧誘されて総額450万円を入金したところ、数字の上では大きな利益が出たことになっているものの出金しようとすると1500万円もの税金を追加入金するように要求されているようです。海外の金融機関が日本の税金の源泉徴収に対応しているわけがないですし、税金ならば出ている利益の一部を留保すれば済むことなのですから税金分の追加入金を要求されるというのも明らかにおかしな話で「検証63」で説明した中国系と思われる詐欺グループによる詐欺の手口に合致します。追加入金の要求に応じたところで被害額が増えるだけでしょう。

そしてこの質問には17件の回答が寄せられていますが、やはりそれらの多くが自分も勧誘されて出金出来なくなったという被害報告になっています。幾つか引用します。

この回答者を勧誘してきたのは明智健太、北川香と名乗る人物でやはり出金しようとしたところ、追加入金を求められて事実上、出金出来なくなっているようです。そして北川香と名乗る人物に強く抗議したところ、「中国語が混じった」LINEで返信してきたようです。やはり中国系と思われる詐欺グループが関与していることが強く疑われます。

この回答者も少額の出金はできたけれど金額が大きくなったら税金として追加入金を要求されて事実上出金的亡くなったようです。勧誘役の一員として栗田秘書と名乗る人物が登場していたようです。

但しこうした回答として出てきた被害報告は複数のCenciaのサイトを区別しているかどうか疑問かもしれません。URLアドレスまで確認されているのは質問投稿者のケースのみと考えるべきかもしれません。しかし以下に示すように複数のCenciaのサイトは互いに明らかに非常によく似ていて明らかに同じグループによって同じテンプレートから量産されたサイトとしか思われないので同じグループによる被害者と考えてまず間違いないでしょう。とにかくCenciaというサイト名を検索して見つかってきた表題3番目のCencia (http://cencia.live/) を含めて本項の検証対象である3つのCenciaのサイトの冒頭部の画像をまず以下に示していきます。

▼Cencia (http://cencia.asia/) [表示言語:英語、日本語、韓国語、香港語、スペイン語、タイ語]

▼Cencia (http://cencia.xyz/) [表示言語:英語、日本語、韓国語、香港語、スペイン語、タイ語]

▼Cencia (http://cencia.live/) [表示言語:英語、日本語、韓国語、香港語、スペイン語、タイ語]

この冒頭部において本項の検証対象である3つのCenciaのサイトは互いに非常によく似ていますし、上で検証した5つの同名のサイトと比較しても非常によく似ています。以下には比較の為に上で検証したCencia (https://cencia.online/#/) のサイト冒頭部の画像を再掲します。表示言語の選択肢も同じで全く区別出来ません。

▼Cencia (https://cencia.online/#/) [表示言語:英語、日本語、韓国語、香港語、スペイン語、タイ語]

次に各サイトのログイン画面を比較します。表題と同じ順、Cencia (http://cencia.asia/) → Cencia (http://cencia.xyz/) → Cencia (http://cencia.live/) → 上で検証済みのCencia (https://cencia.online/#/) という順で4枚の画像を順に示します。

Cencia (http://cencia.xyz/) のログイン画面 (https://cencia.xyz/#/components/login)

URLアドレスが異なるだけで4つのサイトのログイン画面は全く同じに見えます。

さらに以下は冒頭部に続いて出てくるサイトの特長を説明している部分の比較です。やはり表題と同じ順、Cencia (http://cencia.asia/) → Cencia (http://cencia.xyz/) → Cencia (http://cencia.live/) → 上で検証済みのCencia (https://cencia.online/#/) という順でキャプ画像を以下に順に示します。

この部分でも同じ画像が4枚並んでいるようにしか見えません。

次はアプリをダウンロード出来るようになっている部分の比較です。やはり表題と同じ順、Cencia (http://cencia.asia/) → Cencia (http://cencia.xyz/) → Cencia (http://cencia.live/) → 上で検証済みのCencia (https://cencia.online/#/) という順で4枚のキャプ画像を以下に順に示します。

この部分でもこれら4つのサイトは互いに非常によく似ています。よく見るとQRコードの部分は本項の検証対象である3つのサイトでは同じですが、比較対象のCencia (https://cencia.online/#/) サイトのQRコードは異なるものになっているようです。

次に脚注部分について同様に表題と同じ順、Cencia (http://cencia.asia/) → Cencia (http://cencia.xyz/) → Cencia (http://cencia.live/) → 上で検証済みのCencia (https://cencia.online/#/) という順で4枚のキャプ画像を以下に順に示します。

この部分も4つのCinciaのサイトは互いに全く同じに見えます。「ヘルプ・お問い合わせ」と書いてある直下にメールアドレスが書いてありますが、いずれのサイトでも

>cs@cencia.org

となっています。これは上で検証した5つのCenciaのサイトの脚注に共通して記されていたメールアドレスと同じです。これらのサイトは間違いなく同じグループによるサイトでしょう。

連絡先情報がこれだけでは話にならないので例によってサイトのWho Is 情報も確認しましたが登録者に関する情報はいずれのサイトでも全く開示されていません。サイトの登録・開設日はいずれも2023年7月30日になっています。上で検証した5つのCenciaのサイトを含めた8つのCenciaのサイトの中で Cencia (https://cencia.org/#/) だけが2023年7月27日、それ以外の7つのCenciaのサイトはいずれも2023年7月30日に登録・開設されていることになります。

8つのCenciaのサイトの内、7つのサイトの登録・開設日が一致していること、残りの1つも他の7つのサイトの3日前に開設されているだけという状況からしてもこれらのサイトの内、どれかが本物のサイトで他の7つが本物のサイトを模倣した偽サイトであるという可能性も否定されると考えます。8つのCenciaのサイトは全て同じグループによるサイトで間違いないでしょう。そして全く同じにしか見えないサイトが8つも存在している、多数の被害報告が出ているサイトも含まれているということからこれらのサイトは非常に危険なサイトで間違いありません。

これらのサイトでの投資を勧誘されても絶対に応じるべきではありません。


※付記

Cencia (http://cencia.xyz/) での投資を勧誘するLINEのグループの登場人物として明智健太と名乗る人物が登場しているという情報があることを上で示しましたが、この明智健太という名前を検索したところ、ステルスマーケティングの為に中国系と思われる詐欺グループが立ち上げた可能性が濃厚でCenciaを絶賛する一連の記事を掲載していた福岡新聞 (http://www.fukuoka-ken.com/) という偽新聞社のサイトに明智健太を投資のプロとして称賛するような記事 (2023年5月5日付) が掲載されていることに気が付きました。

「雑記3」にまとめた福岡新聞と同様にステルスマーケティングの為に立ち上げられた一連のサイトでも同様に明智健太を絶賛するような記事が見つかります。

ダイバシティされた資産配分投資のマスター、明智健太 (神奈川新聞)

ダイバシティされた資産配分投資のマスター、明智健太 (北海道トラベルネット)

ダイバシティされた資産配分投資のマスター、明智健太 (今日の福井)

ダイバシティされた資産配分投資のマスター、明智健太 (徳島オンライン)

ダイバシティされた資産配分投資のマスター、明智健太 (埼玉ネット)

ダイバシティされた資産配分投資のマスター、明智健太 (銀座新聞)

ダイバシティされた資産配分投資のマスター、明智健太 (SENDAISHIMBUN)

ダイバシティされた資産配分投資のマスター、明智健太 (YAMATOCORE)

ダイバシティされた資産配分投資のマスター、明智健太 (東海通信)

ダイバシティされた資産配分投資のマスター、明智健太 (日光新聞)

ダイバシティされた資産配分投資のマスター、明智健太 (FUJIYAMA TIMES)

ダイバシティされた資産配分投資のマスター、明智健太 (明治発展日報)

ダイバシティされた資産配分投資のマスター、明智健太 (TKBER)


また明智健太名義のYoutubeチャンネルが存在することを確認しました。

またこのYoutubeチャンネルにリンクがあった明智健太名義のFacebookアカウント「健太の投資チャンネル」の表題部分と自己紹介欄を以下に示します。

住所: Japan, 大阪市 (Japan・大阪府)

電話番号: +880 1760-705879

メール: Biplob223545@gmail.com

X (Twitter): https://twitter.com/qvALwnT6f

Youtube: https://www.youtube.com/channel/UCMTb6vaNM-bp6K6nvo632CA

住所は大阪府大阪市になっていますが、電話番号は[+880] という国番号から始まっていてこれは国番号のリストで調べるとバングラデシュの国番号です。住所と電話番号が矛盾していることになります。メールアドレスは無料登録できるgmailのアドレスです。まともな連絡先情報とは思えません。


●AKSHAR (https://www.ashmkt.com/#/、スマホ用サイト:https://www.ashmkt.com/aksharh5/#/)

●AAA (https://www.telddfg.com/#/、スマホ用サイト:https://www.telddfg.com/aaah5/#/)

●GBSH (https://www.gbshs.com/#/、スマホ用サイト:https://www.gbshs.com/gbshh5/#/)

●GBSH (https://www.gbshex.com/#/、スマホ用サイト:https://www.gbshex.com/gbshexh5/#/)

最初の3つのサイトはYahoo知恵袋に質問が出てきたサイト、最後のGBSH (https://www.gbshex.com/#/) は画像検索で見つけてきたサイトです。この最後のGBSH (https://www.gbshex.com/#/) についてもこの検証を書いた後ですが、Yahoo知恵袋に質問が出てきました。この最後のGBSHというサイトはサイト名がGBSHと書かれている部分とGBSHEXと書かれている部分があって統一されておらず、どちらが正しいサイト名なのか不明ですが本項ではGBSHで統一します。

そしてこれら4つのサイトは互いに似ている部分があり、特に2番目のAAA以下の3つのサイトは互いに非常によく似ているのでまとめて検証します。まずこれらのサイトについてYahoo知恵袋に出てきた質問投稿を引用します。

2023年8月24日投稿 (AKSHARに関する投稿)

勧誘役は日本の某有名人を名乗っていたようですが、一度中国語のメッセージが届いたことがあり、中国系の人物である可能性があるように思われます。そして仮想通貨建てでAKSHARに入金してHESという仮想通貨を買ってしまったようです。そしてこの質問に対して自分もAKSHARに入金してHESという仮想通貨を購入してしまったという回答が4件も寄せられています。

HESを購入してしまった分はおそらくHESが上場されるまでということでしょうけど10月18日まで出金出来ないようです。一方でHESは上場前と思われるのにHESの相場が上昇し続けているというのですが、取引されていないのに相場が上昇しているというのは意味不明です。

さらにこの検証を書いた後ですがAKSHARについてさらに2件の質問投稿が出てきたので引用します。

2023年9月18日投稿 (AKSHARに関する投稿)

2023年9月28日投稿 (AKSHARに関する投稿)

いずれもAKSHARでの投資を勧誘されてかなりの金額を入金してしまってから詐欺の可能性に気が付いたということのようです。2023年9月28日の投稿によれば経済アナリスト・森永卓郎氏の名前が勧誘に使われていたようです。

次は表題2番目のAAAに関する質問投稿です。AAAに関しては2件の質問投稿が出ています。

2023年8月24日投稿 (AAAに関する投稿)

AAA取引所での投資を勧められて既に投資してしまったということですがAAA取引所の住所に疑問があるということで不安を感じているようです。勧誘してきた人物については全く情報がありません。

2023年8月30日投稿 (AAAに関する投稿)

Facebookの広告から「某投資有名人」を自称する人物のLINEの投資グループに加入し、株式投資の指南では利益が得られたので信頼してしまい、AAA国際取引所でHEOという仮想通貨への投資を勧められて入金してしまったようです。結局出金出来なくなったようで被害額は300万円とかなりの高額です。このLINEの投資グループに誘導されて勧誘されるというパターンでは多くの被害者が出ていることが確認されていて「雑記2」にまとめがあります。

次は表題3番目のGBSH (https://www.gbshs.com/#/) に関する質問投稿です。

2023年8月24日投稿 (GBSH (https://www.gbshs.com/#/) に関する投稿)

この質問でもLINEのグループで勧誘が行われているようです。水素エネルギーを取引対象としているという点、取引所の連絡先情報に電話番号がないといった点に違和感を感じて投資の勧誘を受けても、LINEグループが投資に乗り遅れるなという雰囲気で盛り上がっていても実際に投資することは避けていたようです。怪しげな、電話番号が見当たらない連絡先情報については後述します。

そして本項冒頭で書きましたがこの検証を書いた後ですが表題最後のGBSH (https://www.gbshex.com/#/) についてもYahoo知恵袋質問投稿が出てきました。以下に引用します。

2023年9月24日投稿 (GBSH (https://www.gbshex.com/#/)に関する投稿)

状況はよく分かりませんが、やはりLINEのグループで勧誘され、「悪意のこと」をコメントしたら強制的に退会させられ、さらに入金したGBSH (https://www.gbshex.com/#/) のサイトが閉鎖されてお金を取り戻せなくなってしまったようです。

とにかくこれらの投稿に出てきたサイトを初めとして表題の4つのサイトについてまずはPC用サイトの冒頭部のキャプ画像を以下に順に示します。

▼AKSHAR (https://www.ashmkt.com/#/) [表示言語:英語、香港語、韓国語、日本語]

▼AAA (https://www.telddfg.com/#/) [表示言語:英語、香港語、韓国語、日本語]

▼GBSH (https://www.gbshs.com/#/) [表示言語:英語、香港語、韓国語、日本語]

▼GBSH (https://www.gbshex.com/#/) [表示言語:英語、香港語、韓国語、日本語]

この冒頭部の比較では2番目のAAAと2つのGBSH、計3つのサイトが互いに酷似していることが明らかです。共通して使われている背景画像は中国・上海の空撮写真のようです。右側に栓抜きに形が似ているということで有名な上海ワールド・フィナンシャル・センター (上海環球金融中心) という高層ビルが見えます。これらのサイトは香港語 (繁体字) には対応していますが、中国本土で使われている中国語 (簡体字) には対応していません。また後述しますがこれらのサイトに記されている連絡先住所はアメリカになっています。それなのにサイト冒頭部の背景画像が上海の風景というのはかなり違和感があります。

一方、最初のAKSHARというサイトの冒頭部は他の3つのサイトの冒頭部と一見してかなり異なります。しかし全く異なるのは背景画像だけでそれ以外の部分には似ている点もあるようです。例えば表示言語の選択肢はこれら4つのサイトで共通して英語、香港語、韓国語、日本語の4つでその並び順も同じですし、言語選択のプルダウンメニューの形式、メニューバーの項目名やその並び順などにも似ている部分があります。

さらに以下はメニューバーにある「登録」あるいは「新規登録」をクリックして出てくる登録画面の比較です。まず左下がAKSHARの登録画面、右下がAAAの登録画面です。

同様に左下がGBSH (https://www.gbshs.com/#/) の登録画面、右下がGBSH (https://www.gbshex.com/#/) の登録画面です。

登録画面を比較するとサイト冒頭の比較では特に似ているようには見えなかったAKSHARのサイトを含めて4つのサイトが互いに非常によく似ていることが分かります。

また上のサイト冒頭部のキャプ画像で4つのサイトのいずれの場合でも右側に「連絡先」と書かれた青いダブが見えますが、この部分をクリックすると出てくる連絡先情報のポップアップウィンドウを以下に表題と同じ順、AKSHAR → AAA → GBSH (https://www.gbshs.com/#/) → GBSH (https://www.gbshex.com/#/) という順で示します。

それぞれ連絡先情報としてメールアドレスだけ書かれています。これらのメールアドレスについてはまた後述します。とにかくこれら4つのサイトで連絡先情報を示すポップアップウィンドウが互いに非常によく似ていることが分かります。

さらに以下ではスマホ用サイトとその設定画面を比較します。まず最初のAKSHARのスマホ用サイト (https://www.ashmkt.com/aksharh5/#/) とスマホ用サイトの設定画面を以下に示します。

次はAAAのスマホ用サイト (https://www.telddfg.com/aaah5/#/) とその設定画面です。

以下は表題3番目のGBSHのスマホ用サイト (https://www.gbshs.com/gbshh5/#/) とスマホ用サイトの設定画面です。

最後は表題4番目のGBSHのスマホ用サイト (https://www.gbshex.com/gbshexh5/#/) と設定画面です。

これら4つのスマホ用サイトとその設定画面を比較してみれば特に設定画面について互いに区別不能なほど似ていることが分かります。スマホ用サイトのトップページについてもキャプ画像の下端に見える「アプリをダウンロードする」と書かれていてAndroidとiPhone用のアプリのダウンロードボタンが並んでいる部分など非常によく似ています。

さらにPC用サイトに戻って冒頭部に続く部分の画像を以下に表題と同じ順、AKSHAR → AAA → GBSH (https://www.gbshs.com/#/) → GBSH (https://www.gbshex.com/#/) という順で示します。

この部分ではサイト冒頭部と同様、表題2~4番目のサイトは互いに非常によく似ていますが、最初のAKSHARのサイトだけ他の3つのサイトとかなり異なることが分かります。「複数の取引モデル/取引パターン」という項目名だけ似ているようです。しかしこの部分に続いて出てくるサイトの特長を説明している部分では再び4つのサイトが似ています。やはり以下に表題と同じ順、AKSHAR → AAA → GBSH (https://www.gbshs.com/#/) → GBSH (https://www.gbshex.com/#/) という順でキャプ画像を示します。

表題2~4番目のAAAと2つのGBSHというサイトについてはこの部分でも互いに区別が難しいほどよく似ています。最初のAKSHARのサイトについては画像部分は他の3つのサイトと全く異なりますが、文章部分はかなり似ています。4つの特長の項目名は2番目がAKSHARでは「資金の安全」、他の3つのサイトでは「資金セキュリティ」となっていて内容的には同じです。それ以外の3つの項目名はいずれのサイトでも「信頼できるシステム」「最高の体験」「プロフェッショナルサービス」となっていて同じです。添えられている文章も全く同じではありませんが翻訳の違いで説明できるぐらいの違いしかありません。

次は連絡先情報が書いてある脚注部分を比較します。同様に表題と同じAKSHAR → AAA → GBSH (https://www.gbshs.com/#/) → GBSH (https://www.gbshex.com/#/) という順でキャプ画像を示します。

それぞれメールアドレスと住所が書いてあるので以下に書き出します。

AKSHAR

メールアドレス: akshar16888@gmail.com

住所: 3714 EISENHOWER PKWY  MACON GEORGIA United States

AAA

メールアドレス: ckmm992@gmail.com

住所: 2790 Candler Rd Decatur  GEORGIA United States

GBSH (https://www.gbshs.com/#/)

メールアドレス: gbsh668@gmail.com

住所: 9200 Litzsinger Road St. Louis MO United States

GBSH (https://www.gbshex.com/#/)

メールアドレス: gbsm662@gmail.com

住所: 9200 Litzsinger Road St. Louis MO United States


メールアドレスは4つのサイトでそれぞれ異なりますが、いずれも無料登録できるgmailのアドレスです。まともな仮想通貨取引所の連絡先がフリーメールなんてことは絶対にないでしょう。電話番号は示されておらず、住所はいずれもアメリカで2つのGBSHのサイトの住所は全く同じです。これら4つのサイトは同じグループによるサイトである可能性が高く、特にAAAと2つのGBSHのサイトは互いに非常に似ていて同じグループのサイトとしか思われませんが、住所は異なります。この時点で記されている住所の信頼性も疑わしいとしか思えません。さらに3種類の住所をそれぞれ検索してみました。

まず最初のAKSHARの住所 (3714 EISENHOWER PKWY  MACON GEORGIA United States) ですがTopline Spirits (https://toplinespirits.gotoliquorstore.com/) という酒屋の住所に一致します。右にTopline Spirits のサイトから取得した連絡先情報のキャプ画像を示します。Google Street View でこの住所を確認してみると確かにTopline Spirits という酒屋がこの住所に存在するようです。 この住所にAKSHARが実在するかどうかは極めて疑問です。

次に表題2番目のAAAの住所 (2790 Candler Rd Decatur  GEORGIA United States) ですが検索するとやはり以下に示したようにKen & Chris Package StoreというLiquor Stores (酒屋) の住所に一致します。 そしてやはりGoogle Street View でこの住所を確認してみると確かにKen & Chris Package Storeという酒屋がこの住所に存在するようです。 この住所にAAAという仮想通貨取引所が実在するかどうかは極めて疑問です。

同様に2つのGBSHのサイトに記されている住所 (9200 Litzsinger Road St. Louis MO United States) についても同様に検索してみると以下に示したHolloran Schwartz & Gaertner LLP (https://holloranlaw.com/) という弁護士事務所の住所に一致します。 

そしてやはりGoogle Street View でこの住所を確認してみると確かにHolloran Schwartz & Gaertner LLPという弁護士事務所がこの住所に存在するようです。 この住所にGBSHという仮想通貨取引所が実在するかどうかは極めて疑わしいです。

住所が疑わしいということで例によって各サイトのWho Is 情報を確認しました。以下には表題最初のAKSHARのサイトのWho Is 情報の画像を示します。

まず黄色の枠で囲った部分に記されているサイトの登録・開設日ですが2023年7月27日となっています。本項の最初で引用したYahoo知恵袋に出てきたAKSHARでの投資を勧誘されて入金してしまったという質問投稿の日付が2023年8月24日付ですからサイトの開設から1ヵ月未満で既に勧誘が行われていたことになります。そして上の画像の赤枠で囲った部分に記されているサイトの登録者に関する情報は殆どの項目が非開示になっていますが、唯一登録者の所在地が香港であるということだけ示されています。

同様に本項で検証した4つのサイトのWho Is 情報に示されていた情報を以下にまとめました。

サイト名 (URLアドレス) 登録・開設日 所在地

AKSHAR (https://www.ashmkt.com/#/) 2023年7月27日 香港

AAA (https://www.telddfg.com/#/) 2023年81 香港

GBSH (https://www.gbshs.com/#/) 2023年6月13日 香港

GBSH (https://www.gbshex.com/#/) 2023年8月2 香港

4つのサイトはいずれも最近開設されており、所在地は香港となっています。サイトに記されている住所はいずれもアメリカでしたが、AAAと2つのGBSHのサイトの冒頭に上海の風景画像が使われていることなど考えてもやはりこれらのサイトは中国系のグループによるサイトの可能性が高いように思われます。また開示されている情報は明らかに不充分ですし、信頼性にも欠けます。

改めて結論するまでもなく、これらのサイトは信頼できる投資先とは到底思われません。これらのサイトでの投資を勧誘されても決して応じるべきではありません。