検証21

このページではPortfolio Coin (ポートフォリオコイン)、NAM Coin (NAMコイン) という2つの仮想通貨に関係している以下のサイトを検証しています。

●株式会社オレンジプラン [Portfolio Coin, ポートフォリオコイン] (orange-plan.jp/portfoliocoin/)
●Reelcause社 (www.rcitgroup.net)
●株式会社NAM [NAM Coin, NAMコイン] (nam-inc.jp)
●NAMコイン販売サイト (namcoin.net)


まずポートフォリオコインというアルトコインに関係する2つのサイトから検証します。

●株式会社オレンジプラン [Portfolio Coin, ポートフォリオコイン] (orange-plan.jp/portfoliocoin/)
●Reelcause社 (www.rcitgroup.net)

これは以下に示す知恵袋の質問に登場したことから検証対象にしたものです。ポートフォリオコインという仮想通貨への投資のようです。

この質問を読むだけで危険なネズミ講の臭いが感じられるので検証対象にすることにしました。検索で見つかってきたのが表題の株式会社オレンジプランのサイトです。このサイトを読むと冒頭から何かオカシイとしか思えないことが書いてあります。

>仮想通貨の投資で大きなキャピタルゲインを得るためには、ビットコインを初めとする複数の有望な仮想通貨を選定し、いち早く保有し売却するという専門的知識・経験・情報収集力・資金力が必要となってきます。

>ラスベガスに本社を持つ米国OTC Pinkの上場会社Reelcause社は、仮想通貨投資ファンドで世界でも最高峰の実績と経験を持っています。

>Reelcause社は、ポートフォリオコインという独自のビジネスモデルを構築しました。

>ポートフォリオコインとは、仮想通貨そのものではなく 会社の株のようなものです。

>Reelcause社の仮想通貨ファンド専門チームにより、複数の仮想通貨を売買し、 そこで得た利益をコインの保有数により分配するビジネスモデルです。

オレンジプラン社は、Reelcause社の提携会社として 日本マーケットの拡大を図るためにポートフォリオコインを日本に導入することが出来ました!

>日本の皆様は日本円でポートフォリオコインを保有することにより、複数の有望な仮想通貨を間接的に保有し売却してキャピタルゲインを得ることができるというわけです。

>現在の段階でReelcause社は週に約15%の利益を出し続け、ポートフォリオコインには週5%の配当を捻出しております。

>更にそれを自動キャッシュアウトシステムにより、毎週自動的に日本円にて、指定の口座にお振込みいたします。

全く意味不明ですが仮想通貨と名乗りながら仮想通貨ではなく「会社の株のようなものです」などと書いてあります。さらに内容をそのまま解釈するならば投資信託のようなものとしか思えません。「複数の仮想通貨」を運用の対象としているというだけです。仮想通貨と名乗るからには決済機能がなければならないはずですが決済機能に関する記述は全く見当たりません。投資信託のような金融商品を販売するならば当然金融商品取引業者の登録が必須ですが金融庁のサイトで公表されている金融商品取引業者の登録リストにはオレンジプランなどという登録は該当がありません。この時点で金融商品取引法の規制から逃れる為の方便として投資信託ではなく「仮想通貨」を名乗っているのではないかと疑わざるを得ません。

さらに「Reelcause社は週に約15%の利益を出し続け、ポートフォリオコインには週5%の配当を捻出」といった信じがたい高配当を生み出す投資運用が実際に可能か非常に疑わしいです。次に「Company」の項目にある連絡先情報を検証します。

まず株式会社オレンジプランの設立は昭和61年(1986年)となっていますから既に設立から30年以上という歴史のある会社ということになります。しかしサイトのドメイン情報を見るとサイトの開設日が2016年11月23日となっていてたったの1年前です。本当に30年以上もの歴史がある会社かどうか疑問です。

国税庁の法人番号公表サイトで調べると東京都港区浜松町の住所が完全に一致する株式会社オレンジプランの登録(法人番号 8011101058217)が確かに見つかりますが、短い間に新宿区西新宿4丁目→渋谷区千駄ヶ谷2丁目→(現在の住所である)港区浜松町1丁目と2度も転居しています。何が起こっているのでしょうか?

さらにオレンジプランの親会社であり、資金を複数の仮想通貨で運用しているReelecause社の方がもっと問題です。まず「米国OTC pink上場企業です。」という記載がありますけどアメリカの株式市場について知識があればこの時点で危ないことが分かります。OTC Pink市場というのは財務などに関する基準がないという要するにどんなゴミ会社の株でも上場できるような市場であり、かつてニューヨーク証券取引所やNASDAQ(ナスダック)市場に上場していたけれど経営破綻してしまった企業の株などが取り引きされているような市場なのです。

投資用語集 ピンクシート

Weblio辞書 ピンクシート

日本では上場企業と聞けばそれなりの信頼がある会社という印象があると思いますが、アメリカの主要な株式市場であるニューヨーク証券取引所やNASDAQ市場に上場されているのと上場基準がないにも等しいOTC Pink市場上場では全く信用度が異なるのです。

そしてこの項目を書いている時点でReelecause社のOTC市場における株価は以下のキャプに見られるようにたったの7.9セント(約8円)です。いわゆるボロ株です。

またこのOTCのサイトで公表されているReelecause社のFinancials (決算・財務状況)の項目を見ると以下に示すように2013年から直近の2017年第3四半期までTotal Revenue (総売上、総収入)が全てゼロになっていてOperating Income (営業利益)は全て経費の分だけマイナスです。

※2013年12月期~2016年12月期

※2017年第1四半期~2017年第3四半期

さらにReelcause社の公式サイトにある連絡先情報を見ると以下のキャプに示すようにネバダ州・ラスベガスの住所と電話番号が書いてありますが、メールアドレスは「@gmail.com」で終わっているのでGoogleの提供するフリーメールであることが分かります。情報漏洩に厳重に備えなければならない投資関係の会社がフリーメールを使うなんておよそ考えられないことです。

さらにOTCのサイトの「Company Profile (会社概要)」の項目にある「Business Description (事業内容)」を見ると環境に優しい小型の発電機を作っているなどと書いてあって仮想通貨とか投資関係の業務とは全く関係がありません。

Reelcause社の公式サイトをよく見ると仮想通貨関連の記述としては「Products」という項目の中に「GENERATOR (発電機)」などと並んで「COIN MINING (仮想通貨のマイニング)」という項目がありますが、一般的な仮想通貨の説明とかマイニングを最新鋭の設備を使って行っているなどという記述があるだけでオレンジプラン社のサイトにあるような仮想通貨を売買して利益を出すとか投資を募っているといった記述は見当たりません。また"Portfolio Coin"を検索しても日本以外で投資を募っている形跡がありません。Reelcause社で仮想通貨の売買が行われて莫大な利益を生み出しているのならば何故アメリカで投資を募らず、日本で投資を募っているのでしょうか?非常に不合理としか思われません。

さらにOTCのサイトで公開されているReelcause社の決算関係の書類を幾つか拾い読みしてみると2015年に出された「RCIT — Officer/Director Disclosureという書類によればどうやらReelcause社は以前は中国系の「China Green Energy Industries」という会社だったが2012年頃までに経営破綻し、株式が1株あたり0.1セントというタダ同然の価格で売却された結果、オーナーが変わって2014年12月に社名変更されたという経緯があったことが分かります。小型の発電機を作っていたのはおそらく「China Green Energy Industries」時代の話しでそれ以降は事業を行っていない休眠会社のままである可能性が高いです。少なくともオレンジプラン社のサイトで説明されている仮想通貨の取引で安定的に週15%の利益を出している投資関係の会社とは全く思えません。そもそもアメリカの本社で運用を行い、日本では投資を募っているのならばポートフォリオコインの価格はドル建てあるいはドル円相場に連動しているべきでしょう。しかしオレンジ社のサイトには以下に示すようにポートフォリオコインの価格が1枚あたり5万円と示されています。アメリカで運用されているならば投資単位の金額はドル建てで示されるべきであるはずでこれは著しく不合理と考えます。

要するに調べれば調べるほどReelcause社は単なるダミーに過ぎない、販売代理店と称するオレンジプラン社の方が本体ではないかという疑いが強くなるばかりです。そしてオレンジプラン社でも投資運用が行われているかどうかは甚だ疑問です。これは運用など行われてはいない単なるポンジースキームではないのかと疑いたくなるのは当然でしょう。百歩譲ってオレンジプラン社で運用が行われていたとしても登録なしに投資を募って集めた資金の運用を行うのは明らかに違法です。

ちなみに「検証12」で検証したAWAコインの関連で登場したWhite Fox Ventures Inc. (ホワイトフォックスベンチャーズ www.whitefoxventures.netwww.whitefoxventures.com/ja/)あるいは「検証16」の華コイン[WOW-e-Coin]の検証で登場したWorld Mobile International Holdingも米国のOTC Pink市場に一応は上場されいても企業活動は行われていない休眠会社と思われます。同じグループによるものかどうかは不明ですが同様の手口で怪しげな投資募集が繰り返されている可能性が高いと考えざるを得ません。

さらにこの件に関しては検証の端緒となった知恵袋の投稿にも出てくるようにネズミ講方式での投資勧誘が行われている疑いがあります。検索すると日本語で書かれたポートフォリオコインの勧誘目的と思われるサイトが幾つかありますが例えば「時間に制約がある主婦が稼ぐネットワークビジネスの始め方」というサイトにもポートフォリオコインの勧誘目的と思われる記述があります。サイトのタイトルに「ネットワークビジネス」という言葉が使われているだけでなく、このサイトでは「ネットワークビジネス」「MLM (マルチレベルマーケッティング)」という言葉が連発されています。

>更に紹介を出すとバイナリーボーナスが発生します。

といった記述もあります。

これは合法性に疑いのあるネズミ講的な販売方式を採用している疑いが濃いです。

結論として投資の実態があるかどうかも極めて疑問な上に合法性にも疑いがあると判断します。仮想通貨を名乗っていても仮想通貨として機能する可能性はおそらく皆無でしょう。この件への投資は絶対に推奨出来ません。

※付記1

この件に関して2018年5月29日付で証券取引等監視委員会からオレンジプラン社に対して金融商品取引法違反であるとして業務停止が申し立てられたようです。

この申し立てによれば41億円ものお金をポートフォリオコインの販売や登録料で集めていたようです。

>オレンジ社らは、平成28年11月から平成30年2月20日までの間に、少なくとも延べ約8,100名の一般投資家に対して延べ約31億円分の「ポートフォリオコイン」を販売している。

>また、オレンジ社は、会員からの登録料等として、約10億円の入金を受けている。

さらにこの業務停止申し立ての約2ヵ月後、2018年7月27日には東京地方裁判所より禁止及び停止命令の発令が行われたことが証券取引等監視委員会のサイトで公表されました。

>被申立人らは、いずれも、金融商品取引法29条所定の登録(ただし、業務の種別を第二種金融商品取引業とするもの)その他同法所定の適式の登録を受けずに、同法2条2項5号又は6号に掲げる権利について、募集又は私募の取扱いを業として行ってはならない。

またこの業務停止申し立てを報じた記事によれば

>監視委によると、海外法人に投資した形跡がなく、約41億円のうち約26億円は投資家への配当金になり、残りの約15億円は人件費に充てられたり、使途が分からなくなったりしているという。

となっていますから運用の実態はなく、当初から自転車操業を繰り返す典型的なポンジースキーム方式の詐欺だったと思われ、投資した人たちの大幅な損失は避けられないものと思われます。

さらにこの業務停止の件を知って再度オレンジプラン社のサイトを見てみましたがいつの間にか運用を担当するのが何の説明もなく「ラスベガスに本社を持つ米国OTC Pinkの上場会社Reelcause社」から「韓国のソウルが本社のCTM社」に変更になっていたようです。Reelcause社はオレンジプラン社の親会社でもあったはずなのですがどうして変更になったのか理解し難いです。

CTM社についてはオレンジプラン社のサイトのCompanyの項目に一応、連絡先情報がありますがこのCTM社のサイト (www.ictm.co.kr/) へのアクセスは殆ど無いようです(以下のキャプ参照)。この韓国企業に実体がある可能性は低いものと考えます。

この件についてこれだけ大きな被害が出たことは極めて残念としか言い様がありません。


※付記2

matomaというサイトでこの件に対する集団訴訟の呼びかけが行われています。

コメント欄には2019年12月2日付で

>京都で民事裁判を起こして勝訴しました。

という書き込みがあります。

●株式会社NAM [NAM Coin, NAMコイン] (nam-inc.jp)
●NAMコイン販売サイト (namcoin.net)

これは某ニュース関係のサイトで下に示すバナー広告を見かけたことによって検証対象としたものです。

検索するとプレスリリースサイト(会社の発表をそのまま掲載するサイト)にこの会社によると思われる資金調達の記事がありました。冒頭部のキャプを下に示します。

このプレスリリースによれば2017年12月24日から2018年1月末までの期間に100億円の資金調達を行い、医療業界向けAIサービスの研究開発費用に充てる予定とあります。仮想通貨とありますが「NAMコインはNAMが開発した製品の購入やサービスの利用にも使用できます。」としか書かれていませんから一般的な決済手段として普及させるような予定は無いように思われます。仮に研究が実を結んでこのグループによる医療サービスが提供されても医療サービスを必要としない人にとっては使い道のないコインで終わってしまうでしょう。ましてや研究が成功せずに医療サービスが提供されなければNAMコインが価値を持つとは思えません。これは事実上、株式公開などよりもハードルの低いICOという方式で研究資金を集めるだけと思われます。

そしてこのプレスリリース記事の末尾に表題の2つのサイトが書かれていたので主にこの2つのサイトを検証対象にすることにしました。

>株式会社NAM http://nam-inc.jp/

>社名 : 株式会社NAM(ナム)

>代表者 : 代表取締役社長 中野 哲平

>設立 : 2017年10月

>資本金 : 10,000,000円

>所在地 : 東京都中央区日本橋3-2-14 日本橋KNビル4階

>事業内容: 医療分野に特化したコンピュータソフトウェアとハードウェアの開発

>NAMコイン販売サイト: http://namcoin.net/

>ICOホワイトペーパー: http://nam-inc.jp/images/nam_white_paper.pdf

まずここに書かれている情報の中では資金調達主体である株式会社NAM(ナム)は2017年10月に設立された会社なのに会社創設2、3カ月ほどで100億円の資金を募ろうとしているという点にかなりの危うさを感じます。会社としての実績もほぼ皆無と思われるのに仮想通貨の新規公開という形をとれば100億円の資金も集まってしまうのであればあまりにもリスクが高いと感じます。また会社の所在地として東京都中央区日本橋の住所が記されていますが電話番号が見当たらないのは異様です。

会社の所在地ついてはNAMコイン販売サイトに「特定商取引法に基づく表記」があります。

しかし所在地は「東京都港区」という明らかに不完全な住所であるだけでなく、プレスリリースにあった東京都中央区日本橋の住所と全く異なります。またここにも電話番号がありません。少なくともNAMコイン販売サイトの「特定商取引法に基づく表記」は特定商取引法で定められた情報開示の要件を満たしていません。

住所がプレスリリース記事とNAMコイン販売サイトの記載で異なるので株式会社NEMの法人登録を探すと法人登録上の住所はプレスリリース記事にあった東京都中央区日本橋の住所であることが分かりました。しかしこの住所は調べてみるとウィズスクエアというレンタルオフィス・バーチャルオフィス業者の住所に一致します。本当にこの住所に株式会社NAMが実在するかどうか疑問ですし、バーチャルオフィス業者の住所で医学の研究開発が行われるなんて有り得ないでしょう。

さらに代表責任者となっている中野哲平なる人物が問題です。この人物の名前を検索すると「中野哲平公式サイト」なるサイトとかオンライン百科事典のWikipediaにもこの人物の項目が存在することが分かりました。以下のキャプは「公式サイト」にあったこの人物のプロフィール(経歴)です。ちなみにWikipediaにある経歴もNAMコインのホワイトペーパー(計画書)にある経歴もほぼ同じです。

この経歴によればこの人物は1992年5月生まれで25歳。慶応大学医学部を2017年春に卒業して半年後に株式会社NEMをバーチャルオフィス業者の住所で法人登録して100億円の研究資金を集めようとしていることになります。ちなみにNAMコインのNAMという名前の由来はホワイトペーパーの以下の部分によればNAKANO AI MEDICALの略称のようですからこの中野という人物がNAMコイン発行事業の中心人物ということになると思われます。

中野某の経歴が真実であるとして、私には医学部を卒業して1年も経たずに巨額の研究資金を集めようとしていることが常識外れとしか思えません。また2012年にアメリカ国立衛生所にて研究留学とありますがこれでは慶応大学医学部の2年生でアメリカの研究所に留学したことになります。大学2年生の「研究者」には程遠い若者をアメリカの研究所が受け入れるわけがありません。また「アメリカ国立衛生所」はおそらく「National Institute of Health 国立衛生研究所」の間違いです。この人物の経歴は信用出来るかどうかかなり疑問です。

さらにWikipediaの「中野哲平」の項目には興味深い記述が幾つかあります。

誰でも編集出来るWikipediaの記載を全てを信用できる情報とするのは問題がありますが例えば略歴の項目には中野某が株式会社NAM設立と並行して「株式会社シーミア」の代表取締役にも就任していると書かれています。

Wikipediaには「株式会社シーミア」の公式サイトのURLアドレス (simia.me/)も記されているのでその会社概要を見ると以下のようになっています。

>会社概要

>金融業界でお客様に愛される企業を我々エンジニアは目指します。一緒に日本を盛り上げて参りましょう。

>称号 株式会社 シーミア

>所在地 東京都

>設立年月日 平成29年7月3日

>資本金 5,001,000 円(資本準備金を含む)

>主な事業 金融にフォーカスしたコンピュータソフトウェア開発/投資運用のコンサルティング

>取引先銀行 三井住友銀行、りそな銀行、横浜銀行、城南信用金庫

>連絡先 info[-at-]teppei-nakano.com

この会社についても所在地は「東京都」としか書かれておらず、電話番号もありません。情報開示として明らかに問題ありです。業務内容は「金融にフォーカスしたコンピュータソフトウェア開発/投資運用のコンサルティング」となっています。

そしてこの件についても法人登録を見ると所在地住所が分かりました。

>法人番号 4010901040429

>商号又は名称 株式会社シーミア

>本店又は主たる事務所の所在地 東京都港区六本木4丁目8番7号

>法人番号指定年月日 平成29年7月6日

>事由発生年月日 平成29年11月21日

>変更の事由 本店又は主たる事務所の所在地の変更

>旧情報 東京都世田谷区深沢1丁目30番18号

まず会社の設立(法人登録)が平成29年(2017年)7月と株式会社NAMより3カ月早い時期になっています。そして東京都港区六本木4-8-7という住所を検索するとCROSSCOOP(クロスコープ)というレンタルオフィス / バーチャルオフィス業者の住所と一致することが分かりました。株式会社NAMの場合と同じでこの住所に会社の実体があるかどうかかなり疑問です。そしてWikipediaの続きには「ビジネス活動」なる項目があります。

>株式会社シーミアではAIによる仮想通貨の自動トレードソフトウェア「AIビットトレーダー」を開発。土屋ひろしや松本太陽と協力して多くのユーザーを獲得した[6][7]

ここでリンク先となっているのはYoutubeの動画でその内一つは視聴不可になっていますが2つ目のリンクは以下の動画に繋がっています。

「土屋ひろし×松本太陽 土屋ひろし × 中野鉄平 x 松本太陽」

動画は削除される恐れもあるので動画のキャプも付けておきます。

この動画に登場する3人の真ん中にいるのがホワイトペーパーなどでも顔が出てくる中野哲平氏かと思われます。動画のタイトルは中野哲平ではなく中野鉄平となっていますが単純な間違いでしょう。そして両脇の土屋ひろし、松本太陽という名前には聞き覚えがあります。土屋なる人物は「検証13」で検証したNOAH Coin (ノアコイン)という詐欺の疑いが極めて濃い仮想通貨を宣伝する動画で泉忠司という人物と並んでノアコインを絶賛していた人物です。もう一人の松本という人物もD9クラブという既にマスコミで詐欺案件として報じられ、集団訴訟騒ぎにもなっている詐欺の疑いが濃い投資案件を勧誘している人物の1人としてしばしば名前が出てくる人物です。Youtubeには松本某がD9クラブへの入金方法を解説している動画があります。

「D9送金説明動画 松本敏彦太陽」

これもキャプを用意しておきます。

ノアコインなどこのサイトで検証した案件に頻繁に登場する泉忠司という人物と松本某が並んで登場する動画もYoutubeにアップされています。

そして「土屋ひろし」「松本太陽」という名前をGoogle検索すると山ほど悪評が出てきます。到底信用に足る人物とは思えません。彼らが中野某のお仲間であるならば必然的に中野某およびこの人物が関与している投資案件についても警戒を要すると考えざるを得ません。そして知恵袋にもAIビットトレーダーに関する投稿があります。

どうやらこの中野某が開発したという「AIビットトレーダー」および中野某本人についても高い評価は難しいようです。また。少なくとも株式や外国為替証拠金取引(FX)などの自動売買ソフトをレンタルあるいは販売するならば投資顧問代理業(金融商品取引業者)の登録が必要であるという見解が金融庁から出ていますから仮想通貨の自動売買ソフト販売についても同様に投資顧問代理業の登録が必要である可能性があるように思えます。そして金融商品取引業者のリストを確認してみましたが「株式会社シーミア」は該当がありません。仮想通貨の自動売買ソフトについて登録が必要かどうか個人的興味で金融庁に質問してみたところ現時点では金融庁の方針が定まっていないようでいわばグレーゾーン扱い、個別判断という回答だったので直ちに違法とは断言出来ませんが疑問が残ることは確かです。

結論としてNAMコインの資金調達の目的とされている研究計画の内容やその実現性、会社の所在地情報など情報開示にも疑問があることも併せて考えるとNAMコインへの投資は推奨出来ないと判断せざるを得ません。

※付記

この案件に関して以下のキャプに示すように集団訴訟の呼びかけが行われているようです。

>ICOにてナムコインを発行

>3月末にはAIヘルスラボを開院予定が7月30日に変更

>予定日になっても何の発表なし

>仮想通貨ナムコインは7月27日に上場するも

>1、2分で2satosiまで暴落

>プレセールで買ってた人全員が被害

>運営は売ってないと言い張るも信用ならず


実際にこの付記を書いている2019年1月下旬の時点でNAMコインの市場価格をCoinmarketcapというサイトで調べると以下のキャプに示したようにわずか0.000074ドル=約0.008円でしかありません。

勧誘時に行われていた説明とは大きな齟齬が出ているようであり、これはやはり危険な案件であったものと思われます。