検証47

このページでは以下を検証します。


●MiningExpress (マイニングエクスプレス www.miningexpress.com/)

●Arbitao [ATAOコイン] (アービタオ www.arbitao.com/ja)

●SB101 [Atomic Coin, アトミックコイン] (www.raptino.com/index)

まずマイニングエクスプレスから検証します。

●MiningExpress (マイニングエクスプレス www.miningexpress.com/)

この項目はYahoo知恵袋に出てきた質問への回答として書いたものです。アルトコイン (ビットコイン以外の仮想通貨)のマイニングで高い配当を実現するというこれまでにも何件が出てきたような案件でセミナー形式&マルチレベルマーケッティング (ネズミ講方式)で勧誘が行われているようです。結論から言えばこれまでに検証したマイニング投資の案件と共通の問題を抱えているように思えます。

まず知恵袋の質問にあったリンクはどうやら勧誘目的で日本人が作ったサイトと思われたので検索して表題の公式らしきサイトを見つけてきました。それ以外に日本語で書かれた多数の勧誘サイト、勧誘ブログが見つかりますし、右のキャプに示したようにTwitterでの勧誘も行われているようです。このTwitterの投稿によれば

>毎月数回のMeet Upを開催しております。

となっていますからセミナー形式での勧誘も行われているようであり、最初に引用した知恵袋の質問者もセミナーで勧誘を受けたようです。さらにこの案件は海外の案件と思われますが、日本語の勧誘ブログ、勧誘サイトも多数見つかります。知恵袋の質問にあったサイトなどは公式サイトを装っているように見えますが単なる勧誘目的のサイトとしか思われません。但しこれらの勧誘サイトの記述内容は互いに酷似しており、おそらく同じ資料をコピペして作られています。

MINING EXPRESS (知恵袋の質問にあったサイト)

MINING EXPRESS(マイニングエクスプレス)

MINING EXPRESS Japan No.1 チーム

☆笑顔が1番☆

Mining Express Japan(マイニングエクスプレスジャパン)

マイニングエクスプレス徹底解説

MINING EXPRESS PERFECT Navi

はじめての人にもわかる!仮想通貨情報局!

マイニングエクスプレス(MingingExpress)について

CryptQuest-クリプトクエスト-

仮想通貨you Tuber 平谷暁の投資・資産構築系メディア

今からでも仮想通貨で稼げる MINING EXPRESS

ちなみにこれらの中で2番目のMINING EXPRESS(マイニングエクスプレス)にはマイニングエクスプレスに加えて「検証18」で扱ったトレードコインクラブの紹介勧誘もあります。またCryptQuest-クリプトクエスト-を運営している平谷という人物はYoutubeに「検証23」で検証したトークンペイなど多数の仮想通貨案件を勧誘する動画をアップしていた人物です。そしてこれらの勧誘サイト、勧誘ブログには以下の様な購入申し込みのリンクが用意されています。

https://backoffice.miningexpress.com/sponsor/●●●●●● (一部伏字)

最後の伏字の部分はそれぞれの勧誘サイトで異なり、アフィリエイターのIDと思われます。要するにこういったリンクを踏んで投資を申し込むとこれらのサイトを運営している人たちの子ネズミという扱いになってネズミ講的な組織に組み込まれ、投資した金額の一部がいわばピンハネさねて渡ることになるものと思われます。金儲け目的なので記述内容は必ずしも信用出来ないと思われますが、後述するように公式サイトの記述が非常に貧弱なのでこれらの

まず公式サイトと思われるサイトは以下のキャプに示したように日本語での表示が可能です。

さらに右のキャプに示したようにEN (英語)、PT (ポルトガル語)、KO (韓国語)、ES (スペイン語)、CN (中国語)での表示が可能になっています。さらにPLという選択肢もあるのですがこの選択肢は実際には機能しないようです。何故表示言語のことを説明しているのかと言えば、このマイニングエクスプレスの本拠について違和感があるからです。

マイニングエクスプレスの連絡先情報は公式サイトを見ても一切情報がありません。既にこの時点で不信を抱かざるを得ません。しかし勧誘サイト、勧誘ブログにはウクライナに本拠があるという記述が共通して存在します。例えば以下のキャプは上に列挙した勧誘サイトの1つ、MINING EXPRESS(マイニングエクスプレス)というサイトからのものですが運営会社がエヌティックホールディングスという会社であり、ウクライナの有力企業であるとなっています。

「エヌティックホールディングス」というカタカナ表記しか分かりませんが、ウクライナでは大企業であるとあるので「エヌティックホールディングス」をGoogleで検索してみましたが、何もそれらしき情報は出てきません。実在する企業かどうか確認は取れないということになります。さらにウクライナの企業であるのならば何故公式サイトの言語表示選択肢にウクライナ語あるいはロシア語がないのでしょうか?日本企業のホームページに日本語表記の選択肢がないといったことはおよそ考えられないのと同じでマイニングエクスプレスの本拠がウクライナにあるのならばウクライナで使われているウクライナ語やロシア語での表記が可能になっていなければオカシイと思います。非常に違和感があるのです。

さらに公式サイトを日本語表示にしたときに以下のキャプに見えるように一部、日本語で表示されない部分があります。

Google翻訳で翻訳してみるとこの部分はポルトガル語であることが分かりました。何故ポルトガル語の部分が残るのか理解出来ません。元々ポルトガル語でサイトが構築され、その後に日本語版への翻訳が行われた時に置き換えるのを忘れたという可能性が考えられますが、ウクライナの会社が自らのサイトをまずポルトガル語で書くということはかなり考えにくいです。

一方で関連してアクセス状況を解析出来るサイトでこの公式サイトへの国別アクセス状況を見ると以下の様な結果になります。

ウクライナに本拠があるはずの会社なのにウクライナからのアクセスは独立訪問者の6.4%、ページビューの2%を占めるだけです。圧倒的にアクセスが多いのはブラジルからで独立訪問者の30%、ページビューの53.4%を占めています。日本からのアクセスはランキングに入っていません。違和感のある点が幾つもあるのですが、マイニングエクスプレスは実は公用語がポルトガル語であるブラジルの会社ではないのかという推測に行き着きます。むしろそれ以外にこれらの違和感を説明出来る仮説を思いつきません。

とにかく住所も電話番号も公開されていない状況は異様としか言いようがありません。ウクライナの会社であるという主張にも強い違和感を感じざるを得ません。

次にビジネスモデルですが、公式サイトによれば投資額別に5つの選択肢があるようで投資額は100ドルから2万ドルとなっています。

この料金表にも違和感を感じる部分があります。通常、この手の料金表では大口の投資をすればお得になるのが通常でしょう。しかしこの料金表では大口の投資の方がより大きなマイニング能力を与えられるようにはなっていません。

1ドルの出資で割り当てられるマイニング能が一番お得なのは一番下のBeginner枠で一番損なのが最上級のMaster枠です。割り当てられるマイニング能力だけを見ると2万ドルを出してMaster枠を買うよりも最低のBeginner枠を200個買った方が得になる計算なのです。最も大口の2万ドルを出資した投資家が最も冷遇されていることになり、かなり異様です。

但し大口プランの方が有利な条件となっている点がない訳ではありません。以下は勧誘サイトのMining Express Japan(マイニングエクスプレスジャパン)からの引用ですが高額プランの方がネズミ講方式での勧誘に成功して子ネズミを獲得した時に得られる直接ボーナス (ダイレクトボーナス)の割合が高く、さらに下の階層からも間接ボーナスを受けとれるシステムになっているようです。新たな加入者が順調に次の勧誘者を増やすことに成功しなければこのシステムには大きな意味がありませんが、高額プランに加入することの有利はこの部分にあるようです。

この案件での勧誘報酬はこれだけではなく、下の公式サイトからのキャプに示したように計6つもあるようです。投資額の多い高額プランの方が有利になっているのは詳しく説明はしませんがMining Express Japan(マイニングエクスプレスジャパン)によれば上で触れた「直接(ダイレクト)ボーナス」「間接ボーナス」の項目だけではなく、メガマッチボーナスなどでも同様のようです。

そしてマイニング事業で得られた利益から配当を出し、投資資金の2倍になるまで配当を出すというのが事業の配当計画になっています。具体的な利回りが約束されている訳ではないようですが、幾つかの勧誘ブログ、勧誘サイトで現時点での配当利回りについて以下の様な記述があります。

>現在で月利3.7%程度

年間利回りだと44.4%という高利回りになります。投資した元金は返済されないと思われることを考慮しても実現出来るのか疑いたくなるような高利回りであり、4年半ほどで投資した資金が2倍になる計算です。

このサイトではこれまでにもマイニングで利益を出すという同様の投資案件を幾つか検証してきました。

▼Bitclub (ビットクラブ) → 検証13

▼BITCOIN JAPAN PROJECT (ビットコインジャパンプロジェクト) → 検証31

▼CloudMiner (クラウドマイナー) → 検証26

▼Earn-Bitcoin Miner (アーンビットコインマイナー)→ 検証26

▼Mining Share Bank (マイニングシェアバンク) → 検証31

▼Sky Mining (スカイマイニング) → 検証41

▼Trade Coin Club [トレードコインクラブ] → 検証18

これらの案件の中には例えばスカイマイニングのように既に破綻して運営元が逃亡しているような事態になっている案件もあります。そしてこれらの案件の検証でも同じことを書いてきましたが、ネズミ講方式で勧誘を行い、勧誘報酬に集めた資金のかなりの部分を還元してしまったら実際にマイニング事業に投じられる資金はかなり失われることになります。減ってしまった資金だけで約束したような高い投資利回りを実現出来るのかを考えるとこうしたネズミ講方式の勧誘報酬に力を入れたビジネスモデルには好意的な評価は難しいです。さらに情報が必ずしも充分ではなく、判断するのは難しいですがこのネズミ講方式での勧誘にはネズミ講防止法などに照らして法的な問題が存在する可能性も考えなくてはなりません。

それからマイニング事業ではマイニングに莫大な電気料金が掛かる他、他のマイナーとの競争に打ち勝つ為に必須なハードウエアの更新費用なども必須です。そして収益は採掘した仮想通貨の相場に大きく影響されます。このサイトを読んで下さるような人たちならばご存知だと思いますが、この検証を書いている2018年11月の現状として仮想通貨の相場はビットコインを筆頭に多くがかなりの下落になっており、マイニング事業者にとっては非常に厳しい環境になっています。例えば2018年11月21日付の以下の記事ではビットコインのマイニング事業が盛んに行われていた中国で仮想通貨相場の下落から採算割れに陥ったマイニング業者が事業を清算して撤退する事例が出ているといったことが報じられています。

マイニングエクスプレスはビットコインの採掘ではなく、ビットコイン以外のアルトコイン (特定はされていない)を採掘の対象としているとありますからビットコインの相場下落が直接には採算の悪化に結び付いているとは断言出来ません。しかしアルトコインのどれかを採掘対象にしているとしてもビットコイン相場が下落してビットコインの採掘で利益を得られなくなれば、これまでビットコインを採掘していたマイニング業者が稼げるアルトコインの採掘に競争相手として参入してくることが当然予想されます。採掘対象が明かされていなくても仮想通貨マイニング事業全般の採算が悪化していることは殆ど必然と考えざるを得ません。果たしてこういうマイニング事業に非常に厳しい状況でマイニングエクスプレスが約束しているような配当を続けることが出来るかどうか疑問を感じざるをません。

またマイニングエクスプレスは上で引用しましたがウクライナの大企業であると称する「エヌティックホールディングス」のオーナーが個人資金から118億円もの資金を投じて始めた事業であるとなっています。しかしそんな巨額の資金を持つオーナーが100ドルから2万ドルといった少額の投資を募り、高利回りを約束する経済的合理性は何処にあるのでしょうか?どうせならもう少し自己資金を出すか、銀行などから資金を借り入れるなどして資金を調達し、利益を独占するのが合理的ではないかと思います。経済的合理性が認められない投資案件は基本的に信用する気になりません。

そして所在地情報など当然開示されているべき情報が開示されていない点などこの投資案件には疑問点が多すぎます。結論としてこの案件への投資は推奨出来ません。


※付記1

特に2021年になってYahoo知恵袋でマイニングエキスプレスに関する質問投稿が非常に増えていることに気が付きました。急激に勧誘活動を拡大していると思われ、これは非常に危険な兆候と考えていました。自転車操業 (ポンジースキーム) の投資詐欺では急激に勧誘活動を活発化させて大量の資金を集め、直後に配当を停止して計画的に破綻させるということが行われます。急激に資金を大量に集めて直後に配当も元本の返済も停止すれば詐欺師は集めた金の大半をそのまま自分の懐に入れることが出来て最も儲かからです。マイニングエキスプレスについてもポンジースキームを疑わざるを得ないと考えていましたし、急激な勧誘活動の拡大が行われているとすれば計画破綻の直前に差し掛かっていることを意味するのではないかと考えていたら案の定で配当が停止されているとか解約・出金が出来ない、破綻したといった書き込みが出てきています。どれほど信頼出来るかは不明ですが最近の投稿を一部についてはキャプ付きで引用します。

マイニングエクスプレスという投資案件に勧誘されました。(2021年6月21日投稿)

マイニングエクスプレスはなんのコインをマイニングしてるのですか? (2021年6月27日投稿)

知人から断りきれずマイニングエクスプレスに参加してしまった。 (2021年7月6日投稿)

こうしたかなり多くの投稿を見てもやはりマイニングエキスプレスは当初から詐欺目的の案件だったとしか思われません。そして海外案件と称していますが、公式サイトへのアクセスは日本からが大半であることなど考えると仮に発祥が海外であったとしても活動の非常に大きな部分は日本国内で行われていたと考えられます。詐欺なのであれば適切な捜査が行われて案件の全体が解明されて犯罪者には刑罰が下されることを望む次第です。

※付記2

2022年6月に新型コロナ対策の持続化給付金詐欺で逮捕された東京国税局職員などのグループが騙し取ったお金をマイニングエキスプレスに投資させていたという記事が出てきました。

国税職員ら、高校生らを暗号資産事業に加入させ「収入減らした投資家」と給付金詐欺 (読売新聞オンライン)

詐取のコロナ給付金、8割が出国のリーダー格に 資金の行方不明 (毎日新聞・Yahooニュース)

持続化給付金2億円詐取か東京国税局職員ら7人逮捕 主犯格はドバイに逃亡 (FNNプライムオンライン)

>「暗号資産に投資すれば個人事業主になるので、給付金の申請ができる」と言って、不正な受給者を勧誘

していたようです。マルチ商法の勧誘報酬も狙っていたと思われます。


●Arbitao [ATAOコイン] (アービタオ www.arbitao.com/ja)

これはATAOコインという仮想通貨のICOということになっていますが、仮想通貨のICOというのは名目だけのことに過ぎないように思われ、実際には名称から予測出来るように主に仮想通貨のアービトラージ取引で利益を出すという投資案件と思われます。このサイトで検証した中にも既に仮想通貨のアービトラージ取引で利益を出すという案件が幾つか出ていますがそれらの案件とも比較していくつもりです。まず以下は公式サイトの冒頭部ですが日本語を含む16の言語での表示が可能になっており、ホワイトペーパーなども16カ国語で用意されています。

但し2018年11月末現在でこのサイトにアクセスすると右に示したポップアップが出てきます。この案件の募集が始まったのはおそらく2018年の夏頃ではないかと思われますが、既に日本からの新規募集は終了しているということになっているようです。

公式サイトにあるロードマップでも以下のキャプに示すように

2018年7月22日~8月7日 プレICO

2018年8月8日~9月9日 ICO

となっており、既に販売期間は終了していることになっています。

しかし後述しますが本当に日本での募集が終了しているかどうかについては疑問もあります。

そして公式サイトは日本からのアクセスに対して半ば閉鎖されたような形になっていますが、今でも日本語版のホワイトペーパーなどは以下のURLからPDFファイルの形でダウントードすることが出来るようで検証の対象にしています。

これらホワイトペーパーなどは当然検証の対象にしています。さらに検索するとこの案件の勧誘を行っているブログや勧誘サイトあるいは勧誘動画が今でも残っていることが確認されます。内容を確認したものを以下にまとめます。まず勧誘ブログとか勧誘サイトの類です。

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ICO開始の時期に対応しているのでしょうが、2018年の7月末前後に投稿されたものが多いようです。これらの勧誘サイト(ブログ)の幾つかには以下の様な形式のアフィリエイトリンクが用意されています。アフィエイターのIDと思われる部分はサイトによって異なっており伏字にしてあります。

https://ref.arbitao.net/●●●●●●●●/m

そしてこういったアフィリエイトリンクのあるサイトではアービタオが絶賛されてはいますが金儲け目的であることを考えると絶賛を鵜呑みにするのが危険なことが予測されます。さらに勧誘動画も日本語以外の言語によるものも含めればかなりの数存在します。日本語に対応した動画を幾つかリンクします。

Arbitao - アービトラージ取引の新しい形

投稿者:Arbitao

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ICO案件【Arbitao】自動の仮想通貨取引アプリで、誰でも参加できるアービトラージ!

投稿者:仮想通貨-資産爆増計画!

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投稿者:Trend Douga

投稿日:2018/11/03

上記の3つの動画の中で最初のものは運営元による動画と思われ、日本語版以外に各国語版が用意されているようです。

最後の動画は「検証13」で検証したノアコインやビットクラブ、「検証35」で扱ったチリーズ、ホットークン、仮想通貨バンク、さらに「検証38」のオーキッドなどこのサイトで検証した複数の案件で主催者あるいは広告塔的な役割を担っていることが確認されている泉忠司という人物によるプレゼンテーションの動画になっています。上のキャプはこの動画の脚注部ですが、「泉忠司さんからの紹介」と明記されている上に公開日が2018年11月3日となっていて2018年9月9日でICOが終了しているはずなのに「参加枠を確保してある」といったことが書いてあり、少なくともこの動画が投稿された2018年11月3日の時点でも投資が可能ということになると思われます。そういえば泉某が紹介してきたノアコイン以下の案件ではしばしば締め切り期間を超えても特別に枠を確保しましたなどと称して募集が行われていたことを思い出します。ちなみに動画によれば今回も泉某は運営元と交渉して「特別プラン」と称する運用期間の短いものを募集しているようです。以下の動画のキャプに示すように月利が15%となっており、1ヵ月で100万円が115万円、3ヵ月で100万円が145万円になるそうです。こういった高配当が現実的なのかどうか以下で検証することになります。

検証の第一歩は例によって連絡先情報ですが、驚いたことに住所、電話番号など連絡先情報らしきものは何処にも見当たりません。公式サイトにも会社情報とか連絡先といった項目が一切ありませんし、ホワイトペーパーの日本語版、英語版も確認しましたが会社の所在地や連絡先情報は全く見当たりません。勧誘サイトにリンクのあったTwitterの公式アカウント (twitter.com/arbitao) やFacebookのアカウント (www.facebook.com/atao.arbitao/)にも連絡先情報は皆無です。コインテレグラフというサイトの記事や上に引用した泉忠司による勧誘動画にはアービタオはイギリスのロンドンに本拠があるといった話しが出てくるのでさらに探すとLinked Inのアカウント (jp.linkedin.com/company/arbitao) が見つかりました。かなり長いですが概要の部分のキャプを以下に示します。ウェブサイトのURLアドレスは一致しています。本社がイギリスのロンドンにあり、他にモスクワと香港にオフィスがあると書いてありますが、具体的な住所とか電話番号はいずれについても全く示されていません。

他にこのアービタオのLinked Inアカウントには社員3名のLinked Inアカウントへのリンクがあります。

John Kinsey (Founder & CEO)

Jean Pierre Guarin Restrepo (Ruby On Rail Developer)

Karel Mirrin (Co-Founder & Lead Developer)

特に最初のJohn Kinseyと最後のKarel Mirrinについてはそれぞれ創業者兼CEO、共同創業者兼首席開発者となっていますから重要な役割を担っていると思われますがこれらの人物についても居住地などについては具体的な情報がありません。CEOのJohn Kinseyについては前職がHSBC Globalという大手金融機関になっていたので検索してみましたが裏付けとなるような情報は見つかりません。

とにかく会社の連絡先情報が皆無というのはあまりにも異様です。イギリスの会社であるということにはなっているのでイギリスの法人登録を確認出来るサイトでARBITAOを検索してみましたが右のキャプに示したように該当がありません。つまりARBITAOという名称の法人は既に閉鎖されているものも含めてイギリスに存在しないということです。会社がイギリスに存在するという主張と完全に矛盾しているとしか思えません。信頼性という点で到底高く評価出来ません。

ビジネスモデル、高利回りを実現する仕組みについても結論から言えば極めて疑わしい部分があります。まずは10ページャーという勧誘用資料にある数字を抜き出した数字に加え、勧誘動画に出てきた「泉忠司特別プラン」も含めて運用利回りや運用期間をまとめたのが以下の表です。

最低でも日利が0.5%、年間利回りにすれば180%以上という超高利回りになっています。さらに投資額が多くなるほど運用利回りが上昇し、最大では日利が0.75%、年利ならば270%以上というさらにべらぼうな利回りになります。何故大金を投資すると運用利回りも上昇するのか説明はありません。

そもそもこういった超高利回りをどうやって実現するのかと言えば主な運用は自動売買システムを使っての仮想通貨のアービトラージ取引ということになっています。具体的には以下のキャプにロゴが並んでいる10の取引所の相場を監視してアービトラージ取引の対象にするとしており、その中には日本の取引所 (ビットフライヤー)も含まれているようです。要するにこれらの10の取引所の相場をシステムで監視して安い取引所で買い、高い取引所で売ることを繰り返して利益を出すということと思われます。

しかしこれで果たして仮想通貨のアービトラージ取引で年利で180%とか270%以上といった高利回りをしかも安定して得ることが出来るかどうかは極めて疑問です。このサイトではこれまでにも同様に仮想通貨のアービトラージ取引で高利回りを実現するという案件の検証を行ってきましたが、それらの案件の検証でも指摘してきたのと同じような問題点が指摘されると思います。

まずこの案件では既に勧誘サイトにアフィリエイトリンクが用意されていることを指摘しましたが、かなり高額の勧誘報酬が支払われるようです。右のキャプは勧誘用の10ページャーからのキャプですが直接の紹介者に入金額の9%、さらにネズミ講方式のピラミッド組織の2段上、3段上までの上位者にも6%、3%の勧誘報酬がそれぞれ支払われることになっていて新規加入者が入金した金額の最大18%が勧誘報酬として投資に振り向けられることなく消えてしまうことになります。逆の言い方をすればこの時点で入金額の82%しか残らないことになります。

さらに同じく勧誘用の10ページャーの8ページ目にある「資金の用途」という図のキャプを右に示しましたが集めた資金は「インフラおよび運用」「研究開発」「マーケティング」「法務およびコンプライアンス」といった具体的に何に使われているのかよく分からない項目も含めて合計で40%がアービトラージ取引以外の部分に振り向けられ、アービトラージ取引に回るのは60%となっています。

「マーケティング」という項目は勧誘報酬として支払う分かとも思いましたが、「マーケティング」という項目への割り当ては7%しかないので最大18%も必要な勧誘報酬とは別と考えざるを得ません。だとすれば投資家が払い込んだ資金がまず勧誘報酬の支払いで82%に減少し、さらにその中で60%しかアービトラージ取引に回らないことになります。例えば投資家が100万円を投資したとすれば18万円が勧誘報酬になり、残りの82万円の中で60%、つまり82万円 X 60% = 49万2000円だけがアービトラージ取引による運用に回ることになります。アービトラージ取引に回るのは投資額の半分にも満たないことになります。

最初から半分以下に運用資金が減っているのに日利で0.5~0.75%、年利なら180%以上~270%以上という超高利回りを実現するにはさらに運用利回りを倍にする必要がある計算でしょう。日利で1%~1.5%、年利で360%~540%が必要ということになり、あまりにも非現実的としか思えません。さらに元本が勧誘報酬や経費の支払いで減少した部分まで運用益で埋め合わせするのならばさらに必要な運用利回りはさらに大きくなることになります。

それから資金規模の問題には触れておくべきでしょう。右のキャプで示したのはホワイトペーパーの62ページにある「コインセールの詳細」という項目からの抜粋です。この案件では8億枚のATAOコインの内、プレICO、ICOの合計で最大4億8000万枚を1枚当たり10セント (1ドルの10分の1)で販売することになっています。初期に購入した人にはボーナスが付加されるようですが、4億8000万枚の発行でおそらく50~55億円程度の資金が集まる計算です。既にICOが締め切られているはずの現時点でどれほどのコインが売れたのか情報が見つからないのですが、泉忠司という人物が予定されていたICOの時期を過ぎても特別枠と称して販売を継続していた実態があるのですから予定発行数が全部は消化されなかったのかもしれません。しかし仮に50億円の資金が集まったとすれば上で計算したように勧誘報酬や経費を差し引いてそのおよそ半分、25~27億円程度が仮想通貨のアービトラージ取引に投入されるはずということになります。

既にこのサイトで検証したアービトラージ取引で利益を出すという幾つかの案件の検証でも指摘しましたが、仮想通貨の様な株式や外為などと比べれば出来高の小さい仮想通貨のアービトラージ取引で数十億円といった巨額の資金を運用することは現実的なこととは思われません。市場に出ている売買注文の板が薄いので多くの投資家から集めた巨額の資金を使って大きな金額の買い注文、売り注文を出せば市場間のわずかな相場の違いなど吹き飛ばしてしまう程に相場を動かしてしまい、高く買って安く売るような事態となって利益が出るどころか逆に損失を被ることになりかねないからです。アービトラージ取引で利益が出せるのは市場での出来高からは無視出来る範囲の金額での取引だけであることは動かしようがないのです。

またそもそも仮想通貨は買値と売値の差、スプレッドが大きいので短期売買には向いていません。例えばアービタオが監視する市場の1つとして挙がっていた日本の取引所、ビットフライヤー(bitflyer.com/ja-jp/)でビットコインの相場を見ると右のキャプに示したように買値と売値の差が13000円以上、3%近くもあります。

3%近くも事実上の売買手数料として払わなければならない市場で毎日高額の配当を出せるほどアービトラージ取引で利益が出せるような市場間の相場の歪みが頻繁に存在しているのかどうか非常に疑問です。

この案件ではアービトラージ取引以外でも利益が生み出せると主張されています。勧誘用の1ページャーには「Arbitaoで利益を得る4つの方法」と題して以下の4項目が挙げられています。

第1項のアービトラージについては既に説明しました。第2項は要するに勧誘報酬のことでしょう。これは早期に加入した人が後から加入した人たちから勧誘報酬を奪っているだけですから利益が生み出されている訳ではありません。ATAOコインの発行枚数が限られているのですから全ての会員が勧誘報酬を得ることはそもそも不可能です。

第3項は「ステーキング」となっていますが、これが意味不明です。以下はホワイトペーパーにあるステーキングの説明の冒頭部ですがこの文章を読むとビットコインのマイニングに相当する作業をステーキングと呼んでいるように思われます。

しかし現時点でATAOコインが決済手段として使われている様子はありませんし、ホワイトペーパーなど読んでも決済手段としてATAOコインを普及させる方策については非常に曖昧で現実的とは思われないことが少々書かれているだけで全く説得力を感じません。決済手段として普及することがなければ帳簿管理に相当するマイニングの作業が行われることはなく、そこから収益が生まれることもないはずです。

同様に「Arbitaoで利益を得る4つの方法」の最後に挙げられているATAOコインの価格上昇から得られる利益というのもATAOコインが現時点では上場が実現していないと思われる上に決済手段として普及しなければ市場価値の上昇が何によって引き起こされるのか不明です。

また計画全体を眺めてみると本当にアービトラージ取引で日利で1%~1.5%、年利で360%~540%あるいはそれ以上の利益が確実に生み出せるのならばそのアービトラージ取引のシステムを作った人は不特定多数に投資の機会を公開したりせず、自らの資金あるいは金融機関から借り入れるなどして調達した資金だけを運用して自らの利益を増やすことにだけ使うのが最も合理的な選択です。わざわざ異様に高い勧誘報酬を掲示して世界中の不特定多数の人から投資を募り、利益を分け与えるなんて事業者として極めて愚かとしか言い様がありません。

総合的に判断して会社情報が公開されていないことなどから信頼性は高く評価出来ませんし、ビジネスモデルを見ても全く合理性に欠けているとしか思えません。また「検証21」で検証したポートフォリオコインが仮想通貨と称していても実際には金融商品であるとして金融機関の登録なしに金融商品を販売した金融商品取引法違反と判断された件を考えればアービタオ/ATAOコインについても配当を約束していることから同様に金融商品と判断され、金融商品取引業者の登録なしに販売することは違法行為になる可能性が高いと思われます。提示されている非常に高い投資利回りが実現出来るかどうかも極めて疑問としか思えず、投資は全く推奨出来ません。


※付記

2019年7月、matomaというサイトでアービタオに関して集団訴訟の呼びかけが行われていることに気が付きました。呼びかけは藤本弦太なる人物による勧誘を対象にしているようですが、概要などを読むと泉忠司の名前も出ており、いずれの場合にも出金出来ない事態に陥っているようです (以下のキャプおよびリンク先を参照)。


●SB101 [Atomic Coin, アトミックコイン] (www.raptino.com/index)

まず混乱を避ける為に書いておきますが、Atomic Coin (アトミックコイン)という名称の仮想通貨は他にも存在するようです。ここで検証対象にするのではないアトミックコインについては

公式サイト:https://www.atomicproject.org/

Coin Market Cap: https://coinmarketcap.com/ja/currencies/atomic-coin/

を参照してください。このアトミックコインについては全く調べていないのでその信頼性やビジネスモデルについては何も保証しません。一方でここで検証対象にするアトミックコインについてはYahoo知恵袋に出てきた以下の質問を端緒に検証を行うことになったものです。

結論から書けばオンラインカジノで使われる仮想通貨を中国のオンラインカジノ業者が発行するという案件のようですが、公式サイトの様なものが存在していないあるいは存在していても一般には開示されていないという状況のようです。表題のサイトは仮想通貨交換所のサイトで日本からはこの交換所を介して購入するということになっていますが開示されている情報は極めて限定的でホワイトペーパーのようなものも少なくとも一般には開示されていません。発行元についても同様です。会員登録するなどすればさらに情報が開示されるのかもしれませんがこれだけで不信を感じずにはおられません。またネズミ講方式で販売が行われているようで違法性が疑われます。

とにかく知恵袋の質問にあった「アトミックコイン」を検索すると幾つかの動画や勧誘目的と思われるサイト、ブログが見つかってきました。何しろ公式に開示されている情報が極めて限られているのでこれらの勧誘サイトにある情報も検証材料にせざるを得ません。

まず勧誘用と思われる動画がYoutubeに幾つかAtomic Coinの名義で投稿されています。但しそれらの動画は時間も短いですし内容は乏しいです。

Atomic Coin (公開日:2018/08/28)

Atomic Coin CM 日本語 (公開日:2018/09/10)

勧誘サイトやブログの類はかなりの数が確認されます。

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ICO無しでも上昇確実コイン

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これらの勧誘サイトの幾つかには以下の様なURLアドレスのアフィリエイトリンクが用意されていることが確認されています。

https://www.raptino.com/register/●●●●●●●● (アフィリエイターのIDと思われる部分を伏字)

そしてアトミックコインを買うにはこうしたアフィリエイトリンクを踏んでアフィリエイターあるいは代理店という資格を得なければならないようです。これは同時に勧誘サイトの運営者の子ネズミになるということになると思われます。こうしたリンクのあるサイトは報酬、利益目当てに書かれていると思われるので記述内容を鵜呑みには出来ませんが何しろ情報不足なので検証の中でも取り上げざるを得ません。

まずこのアフィリエイトリンクは表題にも掲げたSB101というサイトに繋がっています。そしてこのSB101というのはアクセスしてみると仮想通貨取引所のサイトのようです。

この取引所のサイトにはかなり違和感を感じる部分があります。まず表示言語ですがこの検証を書き始めた2018年12月11日頃には英語、中国語、日本語の3つから選択が可能でした。上のキャプの右上の部分に小さな日本国旗のアイコンがあるのが分かると思いますがこれは日本語表記が選択されていることを意味しています。ところが検証を書くのに時間が掛かっている10日ほどの間に何故か分かりませんが英語や中国語での表示することが出来なくなりました。下のキャプでは日本国旗のアイコンが消えていることが分かると思います。日本語表記しか選択肢がなくなったのです。

一方で意味が分からないのですが以下のキャプに示すように2018年12月から日本語表記を止めて英語表記だけにするという告知も出ています。実際には英語表記、中国語表記が選択不可能になって日本語表記だけになったという告知とは逆のことが行っているのですから意味が分かりません。

そもそもアクセス状況を解析するサイトで見ると1日当たり平均独立訪問者数が800人とそれなりにアクセスがあるのですが、国別のアクセスを見るとアクセスの全てが日本からになっているのです。何故日本語表記を停止して英語表記だけにするなどという告知が出されたのかまたしても意味が分かりません。

そしてSB101のサイトで連絡先情報を探したのですが殆ど情報がありません。「会社概要」という項目があるのですが、日本語表記を選んでも以下のキャプに示すようにこの部分だけ英文のしかも非常に小さいフォントで本部はジブラルタルにあるという記載があるだけです。ちなみにこのジブラルタルというのは租税回避地としても知られているイベリア半島にあるイギリスの海外領土です。仮にもっと詳しい住所が判明したとしてもジブラルタルではオフショア会社などを使った架空住所の可能性が考えられます。

日本語表記を選んでもこの部分だけは英語表記で残ること、非常に小さなフォントが使われていて読みにくいなどこの部分には目を止めて欲しくないという意図を感じずにはおられません。

>About Us

>(English Version Only)

>Subordinate to a well-known online game company, SB101 is the world's leading digital asset platform and our headquarter in Gibraltar. SB101 is dedicated to exploring potential investment opportunities to achieve digital currency trading market is more active, safer, and more convenient.


他に「お問い合わせ」という項目があり、こちらは日本語で書かれていますが下のキャプに示したようにここでも非常に小さいフォントが使われており、連絡先情報としてはメールアドレスがあるだけです。

>お問い合わせ

>カスタマーサポート対応時間:平日10:00-19:00(土日・祝日休み)

>何かご質問ございましたら、下記お問合せ先までお問い合わせください・お問合せ先:cs@raptino.com

結局具体的な住所や電話番号といった連絡先情報は明記されていません。これは本当に海外の仮想通貨取引所なのでしょうか?アクセスが日本からしかないこと、日本語表記だけになってしまったことなど考えると日本のグループが日本で仮想通貨交換業者のライセンスを得るのが困難であるが故に海外の業者を装ってでっち上げた幽霊取引所ではないのかという疑いを抱かざるを得ません。

また仮に幽霊取引所でないとしてもSB101は日本語で表記され、日本からのアクセスしか確認出来ない明らかに日本人相手の業者なのに金融庁のサイトで公開されている仮想通貨交換業者の登録リストの中にSB101は該当がありません。つまりSB101は違法な無登録業者と考えざるを得ません。

そしてSB101のサイトには以下のキャプに示したようにアトミックコインの購入に関する簡単な情報が用意されています。販売開始日、販売価格と「エージェント」というものにならなければ購入出来ないシステムになっていることだけは分かりますがそれ以上の情報はありません。

この「エージェント」については勧誘ブログに情報があります。例えば【宮崎情報発信】という勧誘ブログによれば下のキャプに示したようにアフィリエイトリンクを踏んで登録を行う必要があり、「エージェント」の登録を得るだけで登録料が2800ドル=約30万円も必要になるようです。ちなみにSB101の発行するデビットカードを取得するだけで140ドル=約1万5000円、アフィリエイター登録するにも500ドルが必要となっています。

そしてこれだけ高額な登録料のかなりの部分は勧誘報酬としてネズミ講方式の組織の上部にいる人たちに分配されるようです。以下のキャプは仮想通貨WalletとCardが合体したカードが世界新登場!!という勧誘サイトにあった勧誘報酬の分配に関する説明で使われていた図です。

誰かがエージェントに登録して支払われた2800ドルの内、最大で2000ドルが6段階に渡る勧誘組織ピラミッドの上部の登録者に分配されるとあります。例えば直接の紹介者には2000ドルの内、35%が支払われるとなっていますから勧誘報酬の割り当てが700ドルということになります。

詳細は省略しますが同じ勧誘サイトによればアフィリエイター登録の場合には500ドルの登録料の内、300ドル、デビットカードが使用可能になるだけのユーザー登録でも140ドルの登録料の内、90ドルが勧誘報酬に充当されるということになっているようです。

登録料だけでこれだけのお金が必要になるならアフィリエイターやエージェント登録した人たちは登録料を取り戻そうとして子ネズミの勧誘に必死になるのも必然でしょう。上で引用した「宮崎情報発信」というブログには「節税」と称してデビットカードを脱税に悪用することが出来るみたいなことが書いてあります。組織的なものではなく、一部のアフィリエイターの暴走なのでしょうが、子ネズミの勧誘で高額な登録料金を取り戻そうとして脱税を勧奨するなど論外としか思われません。また高額の登録料を分配していることなどからこれはネズミ講防止法に抵触している可能性が疑われます。仮想通貨の信頼性以前の問題だと思います。

次にアトミックコインの発行元についてですが勧誘サイトの1つ、オンラインカジノ比較.netには以下の様な記述があります。

具体的な名称を挙げず、アジアのオンラインカジノが開発した仮想通貨という曖昧で怪しげな説明になっています。何故開発元のオンラインカジノの名前を表に出せないのでしょうか?但しこのオンラインカジノ比較.netという勧誘サイトではこの後に以下の様な記述があります。

>アトミックコインの今後のロードマップとしては、フェニックスゲーミングを始めとする大手10社のオンラインカジノでの取り扱いが決定しています。

開発元ではなく、アトミックコインを決済手段として導入するオンラインカジノとしてフェニックスゲーミングという具体的な名称が出ているのです。そこでフェニックスゲーミングを検索してそのサイト (https://pggaming888.com/) を見ると以下のキャプに示すように確かにサイトの冒頭にSB101との関係が明示されています。

しかしこのフェニックスゲーミングというサイトには不自然な点が見つかります。まずフェニックスゲーミングの所在地情報は以下の様になっています。

>当サイトは、フィリピン共和国Cagayanカジノ場管理のもと、フェニックスゲーミングにオンラインゲームの運用権を委託したもので、無断転載および類似サイトの作成は、法律により禁じられており、違反者は、その責任が問われて厳しく罰せられます。

>©2014-2017 venetian by WINNER Mayfair LIMITED. RCBC Plaza, 6819 Sen. Gil Puyat corner Ayala Avenue,Makati City,Philippines

まずオンラインカジノなのですからカスタマーサービスの為の電話番号ぐらいは用意してしかるべきだと思うのですが電話番号がありません。そして所在地はフィリピンとなっているのにこのフェニックスゲーミングというサイトは日本語表記しか出来ないのです。一見するとサイトの右上に言語選択が用意されているように見えるのですが下のキャプに示したようにこの部分をクリックしても「日文」の選択肢しか用意されていません。これは明らかに異様です。

さらにフェニックスゲーミングへのアクセス状況を解析すると以下のキャプに示すように1日当たりの独立な訪問者数が約200人と微妙な数字です。これは本当にフィリピンに本拠を置く大手オンラインカジノのサイトなのでしょうか?

さらにという勧誘サイトには1800社ものオンラインカジノでアトミックコインが決済手段として採用されることが決まっていて爆上げ確実であるといった記述があります。

しかしそもそも1800ものオンラインカジノが存在しているのかどうかも分かりませんし、決済手段として導入するオンラインカジノのリストがどうして発表されないのでしょうか?現状では勧誘サイトにアトミックコインを採用するオンラインカジノとして名称が具体的に挙がっているのはフェニックスゲーミング以下ほんの数社でしかありません。しかもフェニックスゲーミングを調べた限りでは本当にこれがアジアの大手業者なのか疑わしいとしか思えません。

この案件でフェニックスゲーミング以外に具体的に名称が挙がっている業者として万博manbetx(マンベックス https://www.manbetx.uk/#/)というオンラインカジノがあります。このオンラインカジノについては例えばアトミックコイン研究所という勧誘サイトには以下のキャプに示した様な記述があります。

万博manbetx(マンベックス https://www.manbetx.uk/#/)というオンラインカジノ会社が開発の筆頭であるとされているのです。そこでこのマンベックスというオンラインカジノのサイトにアクセスしてみました。以下のキャプはこのオンラインカジノサイトの冒頭部です。マンベックスはイギリスのプロサッカーチーム・クリスタルパレスのスポンサーにもなっているようで選手のユニフォームにマンベックスのロゴが入った写真がサイト冒頭に掲げられています。オンラインカジノの要素より、スポーツの試合の結果予想などに賭けるいわゆるブックメーカーに近い印象のサイトです。

しかしこのマンベックスというブックメーカーあるいはオンラインカジノの会社が本当にアトミックコインの開発元であるのかについてマンベックスのサイトには何の記載も見つかりません。サイト冒頭にいきなりSB101仮想通貨取引所との繋がりが明示されていたフェニックスゲーミングのサイトとは全く様子が異なるのです。本当にこのマンベックスという業者がアトミックコインの開発元なのでしょうか?

以上の検証の結果、このアトミックコインについては怪しげな点が多数見つかることが判明しました。SB101という仮想通貨取引所は幽霊取引所の疑いがあり、ライセンス関係にも問題があります。開発元についても確認が取れませんし、オンラインカジノ業者が独自の仮想通貨を発行することの必然性や必要性にも説得力が感じられません。そもそもこの項目の最初に指摘した通り、公式サイトやホワイトペーパーが存在しないのはあまりにも異様だし、情報開示が明らかに不充分、不適切です。さらに高額の勧誘報酬を出してネズミ講方式での勧誘が行われていることについても違和感がありますし、違法性も疑われます。総合的に判断して投資は到底推奨出来ません。

※付記

金融庁から2019年2月15日付でSB101に対して警告が出たようです (以下のキャプ参照)。