検証79

本ページで取り上げるサイトはいずれも仮想通貨取引所 (暗号資産交換業者) に該当すると思われますが、いずれも日本の金融庁が公表している暗号資産交換業者の登録リストに該当がありません。ここで検証するサイトの多くは日本語対応しており、さらに少なくとも一部のサイトについて日本人に向けた勧誘や被害報告が確認されていて単に無登録の違法業者であるというだけでなく、詐欺目的のサイトである疑いが極めて濃厚と考えられます。

▼本サイトでの検証は名誉棄損に当たらないと考えます。→ 雑記1

「検証63」「検証64」「検証65」「検証66」「検証67」「検証68」「検証69」「検証70」「検証71」「検証72「検証73」「検証74」「検証75」「検証76「検証77「検証78で検証してきたTinderを始めとするマッチングサイト (出会い系サイト) やSNSで外国人による勧誘が行われているという共通点がある一連の詐欺仮想通貨取引所のサイトについての検証17ページ目です。「検証80」「検証81」「検証82」「検証83」「検証84」「検証85」「検証86「検証87「検証88」「検証89「検証90「検証91「検証92「検証93「検証94「検証95「検証96「検証97「検証98「検証99「検証100「検証101「検証102「検証103「検証104「検証105「検証106「検証107「検証108「検証109「検証110「検証111「検証112」「検証113」「検証114」「検証115」「検証116」「検証117」「検証118」「検証119」「検証120」「検証121」「検証122」「検証123」「検証124」「検証125」「検証126」「検証127」「検証128」「検証129」「検証130」「検証131」「検証132」「検証133」「検証134」「検証135」「検証136」「検証137」「検証138」「検証139」「検証140」「検証141」「検証142」「検証143」「検証144」「検証145」「検証146「検証147」にも続編があります。勧誘の手口などについては「検証63」の最初に書いてあるので参照してください。 本ページでは以下のサイトを検証します。


●Coinfield [VXUコイン] (コインフィールド coinfield.cc/)

●INC Exchange [INCコイン] (INCエクスチェンジ www.inc-group.org/)

●SCA Exchange [SCAコイン] (SCAエクスチェンジ www.zsca.org/)

●BaoBic Exchange [DWHコイン] (BaoBicエクスチェンジ www.baobic.com/)

●HandBic Exchange [HOPコイン] (HandBicエクスチェンジ www.handbic.com/)

●TRA Exchange [TRAコイン] (TRAエクスチェンジ www.tra-group.top/)

●ADK-GROUP [ADKコイン] (ADKグループ www.adk-group.top/)

●BIYING [JMTコイン] (www.oabangong.xyz/)

●KBTC [JMTコイン、KBTCコイン] (www.okbtc.xyz/)

●Eagle (イーグル www.eaglepro-ex.com/html5/index.html#/official)

●Quality BCoin (クオリティ Bコイン www.qibicoin.com/index/)

●Gate (gate.eyootrips.com/)

●1g10k (h5.1g10k.com/)


まず以下を検証します。

●Coinfield [VXUコイン] (コインフィールド coinfield.cc/)

検証を準備している間に閉鎖されたようなのですが、運営元に結び付くかもしれない情報が出ていたこともあって検証します。結論から言えば「検証63」で検証したMobimn Exchange (モビ・エクスチェンジ www.mobimn.com/) というサイトと酷似しており、同じグループによるサイトの可能性が高いです。また同じグループによる似たサイトが出現する可能性が高いこともこのサイトを検証する動機になりました。まずこのサイトもYahoo知恵袋に出てきた以下のキャプに示した投稿で知ることになったサイトです。勧誘役はTinderで知り合った中国系の美女というお馴染みのパターンでVXUという仮想通貨の購入を勧められたようです。

マッチングサイトのTinderで知り合った中国系の美女から勧誘されているという経緯はまさに「検証63」の冒頭でまとめた中国系の詐欺グループによる詐欺の勧誘手口に合致するものです。早速上の投稿にあったリンク先のサイトにアクセスしてみると以下にサイトの冒頭部のキャプを示したコインフィールドという仮想通貨取引所のサイトに繋がりました。

右上のプルダウンメニューから選択出来る表示言語は日本語、中国語、英語、韓国語となっています。そして本項目の最初にも書いたようにこのサイトは「検証63」で検証したMobimn Exchange (モビ・エクスチェンジ www.mobimn.com/) というサイトと酷似しているのですが、そのモビ・エクスチェンジのサイト冒頭のキャプを以下に再掲します。

2つのサイトを比較すると例えばメニューバーに並ぶ項目は

▼コインフィールド:ホーム、コイン交換センター、パーソナルセンター、ホワイトペーパー、ログイン、サインアップ、表示言語メニュー

▼モビエクスチェンジ:ホーム、コイン交換センター、パーソナルセンター、ヘルプ、ログイン、サインアップ、表示言語メニュー

となっており、モビエクスチェンジの「ヘルプ」という項目がコインフィールドで「ホワイトペーパー」に入れ替わっているだけです。言語選択のプルダウンメニューもかなり似ています。これだけでも偶然とは思えませんがさらにこの冒頭部に続いてはサイトの特長をイラスト付きで4項目にまとめて説明する部分があってこの部分を見て2つのサイトの関連に気づくことになりました。以下順に2020年9月下旬に取得したコインフィールドのサイトからのキャプ、2020年5月初旬に取得したモビエクスチェンジのサイトからのキャプですが互いにそっくりです。

次にコインフィールドで取引されていた仮想通貨のリストを以下に示します。

ビットコイン (BTC)、イーサリアム (ETH)、ビットコインSV (BSV)、イオス (EOS)、ライトコイン (LTC)、ダッシュ (DASH)、リップル (XRP)、ビットコインキャッシュ (BCH)、モネロ (XMR)、イーサリアムクラシック (ETC)といった比較的よく知られた仮想通貨が並んでいる中に最初に引用したYahoo知恵袋の投稿で購入を勧められたというVXUという仮想通貨が確認出来ます。しかし仮想通貨データーベースのCoinMarketCapで探してもこのVXUという仮想通貨に関する情報は出てきません。コインフィールドのサイトのメニューバーにあった「ホワイトペーパー」という項目をクリックするとこのVXUという仮想通貨のホワイトペーパーがPDFファイルで一応は出てくるのですがたったの6ページしかない非常に短いものです。本サイトの怪しげな仮想通貨の検証では50ページ以上あってもさして関連があるとも思えない文章が並んでいるだけで非常に内容の乏しいホワイトペーパーも数々見てきましたが6ページしかないというのは最も短い部類です。以下はそのホワイトペーパーの冒頭部です。

既に閉鎖されてしまったサイトということだけで詐欺の意図があったと考えざるを得ない案件を詳しく調べて評価する気になりませんがどうやらオンライン広告動画をブロックせずに見た人にVXUコインを配布することで広告動画を見て貰うというのがビジネスモデルということのようです。広告主が運営からVXUコインをまとめて購入し、広告動画を視聴した消費者がコインを受け取って買い物などに利用するということでしょう。「検証9」で検証したc0ban [コバン] という仮想通貨に似たビジネスモデルだと思われますが、こんなビジネスモデルが実際に成り立つかは極めて疑問です。上の図にあるようにスマホで広告動画を見ようとすればそれなりの通信料が掛かってしまうことになり、わずかな仮想通貨を貰ったところで割に合わないでしょう。

ちなみに右のキャプもホワイトペーパーからのキャプですが取引所での新規売り出し (IEO) が2020年7月1日に始まり、総発行枚数100億枚の内、26%に相当する26億枚を1枚当たり0,001ドル (約0.1円)で売り出したようです。売り出した26億枚が全て売れれば総額260万ドルということになります。そして以下に示したのがこのVXUという仮想通貨の日足チャートです。

この日足チャートによれば0.001ドルで売り出されたVXUコインはこのチャートのキャプを取得した2020年9月下旬の時点で5.8ドルほどで取引されていることになっています。売り出し価格の5800倍にまで暴騰したことになりますが、このチャートは非常に不自然でまずローソク足に上ヒゲ、下ヒゲがありませんし、一番下の棒グラフで示されている出来高が2020年9月初旬の8日ほどだけ極端に多くてその後の相場の急騰の時期でも殆ど出来高がないことになっています。さらに同じ2020年9月下旬の時点での5分足チャートを下に示しますが5分ごとの出来高が8万枚ほどで安定していることになっています。5分間で8万枚の出来高があるなら1時間で96万枚、24時間では2300万枚ほどの出来高があるはずで上の日足チャートの出来高情報と矛盾します。

また同じ2020年9月下旬の時点でアクセス状況を解析出来るサイトで調べてみると以下のキャプに示した通り、訪問者数が検出限界以下という結果になっていました。5分足チャートでも盛んに取引が行われていることになっているチャートの示すデーターと矛盾しているとしか思えません。

結局VXUのチャートは全くの虚構の可能性が高いと考えざるを得ません。

次に連絡先情報を探しましたが以下のキャプに示したメールアドレスが1つあるだけです。

>Contact-Email: coinfieldvxu@gmail.com

しかもこれは無料登録出来るgmailのアドレスです。ちなみにコインフィールドと同じグループによると思われるMobimn Exchange (モビ・エクスチェンジ www.mobimn.com/) の連絡先情報も「検証63」にまとめたようにgmailのアドレス1つだけと共通した状況だったことが思い出されます。

そしてサイトに書かれている連絡先情報はこれだけなのですが、Who Is情報を見ると以下の赤枠で囲った部分に登録者の氏名や連絡先情報が記されていることに気が付きました。

赤枠で囲った登録者に関する情報の部分を書き出します。

>Registrant Name: 展 爽

>Registrant Organization: -

>Registrant Street: 宁江区铁西街繁辉委 

>Registrant City: 松原市

>Registrant State/Province: 吉林省

>Registrant Postal Code: 138000

>Registrant Country: cn

>Registrant Phone: +86.16533242572

>Registrant Email: tuzime@yahoo.com

登録者は中国の吉林省松原市宁江区铁西街繁辉委という住所に住む「展爽」という個人名になっています。少なくとも吉林省松原市 (しょうげん-し)までは実在の住所のようです。その他に中国の国番号[+86]から始まる電話番号とYahooのメールアドレスが記されています。これらの情報がどれ程あてになるかは分かりませんが重要な情報の可能性もあるので記録として残しておきます。

最初に書いた通りこのサイトは既に閉鎖されたようですが、また同じグループによる似たサイトが立ち上がって詐欺に使われる可能性は充分に考えられます。厳重な注意が必要です。


※付記

また同じグループによる似たサイトが立ち上がって詐欺に使われる可能性」を書きましたがやはり危惧していた通り、同じグループによる詐欺サイトの可能性が高いサイトが見つかってきました。それがINCエクスチェンジ、SCAエクスチェンジ、そしてBaoBicエクスチェンジという3つのサイトです。次項以下に検証を書いたので参照してください。


●INC Exchange [INCコイン] (INCエクスチェンジ www.inc-group.org/)

●SCA Exchange [SCAコイン] (SCAエクスチェンジ www.zsca.org/)

いずれもYahoo知恵袋に質問が出てきたサイトです。互いに似ているだけでなく上で検証したCoinfield (コインフィールド)、「検証63」で検証したMobimn Exchange (モビ・エクスチェンジ)と類似性が認められ、同じグループによるサイトの可能性が高いです。

まずこれら2つのサイトを知ることになったYahoo知恵袋の投稿を引用します。

2020年11月17日投稿

サイトが信頼できるかという質問だけで質問の背景など何も説明がないのですが、この質問には質問対象のサイト (携帯版) のキャプ画像が添付されており、URLアドレスを読み取ることが出来ました。これが表題のINCエクスチェンジのサイトです。次に表題の2つ目、SCAエクスチェンジに関してYahoo知恵袋に出てきた2つの質問を引用します。

2020年11月20日投稿

この質問では背景の説明などはなく、回答の方で出金出来ないという被害報告が出ています。URLアドレスは出てきません。そして翌日になって同じ質問者からと思われる以下の投稿が出てきました。

20202年11月21日投稿

この投稿でようやくSCAエクスチェンジのURLアドレスが分かりました。質問者も既に出金出来ない事態に陥っていたことも判明しました。

そしてこれら2つのサイトにアクセスしてみると互いに似ている部分があることが分かりました。まず以下はサイト冒頭のキャプです。

表示対応言語の選択肢はINCエクスチェンジが日本語、香港語、英語、韓国語の4つ。SCAエクスチェンジが英語と香港語の2つです。この冒頭部だけ見ると2つのサイトは特に似ているようには見えません。しかし例えば2つのサイトを英語表示にしてメニューバーの項目を比較してみると完全に一致していることが分かります (以下のキャプ参照)。

さらに2つのサイトが互いに似ていることが明確になるのが冒頭部に続く部分に出てきます。それが以下のキャプに示したサイトの特長をイラスト付きで4項目にまとめている部分です。以下は順にINCエクスチェンジ、SCAエクスチェンジからのキャプですが背景が違うだけでイラストやテキストは全く同じです。

さらにこの部分を見て上で検証しているコインフィールドという閉鎖済みのサイトにも部分があったことに気が付きました。以下がコインフィールドのサイトからのキャプ (比較の為に英語版) ですが上のSCAエクスチェンジからのキャプと背景含めて全く同じに見えます。

上のコインフィールドの検証でコインフィールドと「検証63」で検証したMobimn Exchange (モビ・エクスチェンジ www.mobimn.com/) というサイトが同じ部分で一致していることを指摘していますからモビエクスチェンジ、コインフィールド、本項で検証しているINCエクスチェンジ、SCAエクスチェンジの4つが同じグループによるサイトである可能性が高いということになると思われます。

次にこれらのサイトで連絡先情報を探しましたが脚注にメールアドレスが記されているだけです (以下のキャプ参照)。

>inc.group.reply@gmail.com

>sca.reply@gmail.com

しかもこれらは無料登録できるgmailのアドレスです。「検証63」以降の一連の中国系と思われる詐欺仮想通貨取引所の連絡先としてしばしばgmailのアドレスが出てきますがセキュリティに最大限の配慮が必要なはずの仮想通貨取引所のメールアドレスとして有り得ません。

次にそれぞれのサイトで取引されている仮想通貨のリストを確認します。以下は順にINCエクスチェンジ、SCAエクスチェンジで取引されている仮想通貨 (ペア) のリストです。この取り扱いリストの表示形式もINCエクスチェンジとSCAエクスチェンジで似ているだけでなく、上で検証したコインフィールドでの表示形式と非常によく似ています。

ビットコイン (BTC)、イーサリアム (ETH)、イオス (EOS)、ライトコイン (LTC)などお馴染みの仮想通貨が並んでいる中にINCエクスチェンジではINC、SCAエクスチェンジではSCAという取引所の名称と一致する聞き慣れない仮想通貨がリストされています。これらINCとSCAについては仮想通貨データーベースのCoinMarketCapで情報を探してみましたが該当がありません。これらは取引所独自の仮想通貨と思われます。そこでこれらの仮想通貨についてチャートを確認しました。以下、順にINCのUSDT建て日足チャート、SCAのUSDT建て日足チャートです。

活字が小さくなってチャートを読み取りにくいので少し説明するとINCについては2020年8月25日に始値0.02153ドルで取引が始まり、その後はほぼ一歩的な右肩上がりのチャートを描いて2020年11月末現在では1.893ドルほどで取引されています。およそ3ヶ月で88倍にも上昇したことになります、

SCAについても2020年8月16日に始値 0.04916ドルで取引が始まり、その後は右肩上がりの上昇相場が続いて2020年11月末現在では684ドルほどで取引されていることになっています。3か月半弱で実に13900倍という暴騰ぶりです。

しかしこれらのチャートは非常に不自然です。INCについては毎日の出来高が80万枚、SCAについては300万枚ほどでほぼ一定しており、ローソク足チャートは殆どが(始値より終値が高い) 陽線ばかりです。iNCでは現在の相場が1.893ドルで1日の出来高が80万枚ですから金額では151万4400ドル、1ドル=100円で計算すると1日に1億5000万円余りのお金が動いているということになります。これでも全く情報が見つからない仮想通貨としてかなり不自然ですがSCAについては684ドルの現在の相場で300万枚の取引があるとなれば1日に20億5200万ドル、1ドル=100円で計算しても1日に2000億円以上のお金がSCAという聞いたことがない仮想通貨の取引で動いているということになります。

一方でアクセス状況を解析出来るサイトでINCエクスチェンジへのアクセス状況SCAエクスチェンジへのアクセス状況を調べてみると以下のキャプに示したようにいすれのサイトについても検出限界以下の訪問者しかいないという結果になります。

サイトへのアクセスが非常に少ないのにINC、SCAという聞いたことがない、情報も見つからない仮想使の取引で1億5000万円とか2000億円といったお金が毎日動いているというのは到底現実的とは思えません。これらのチャートは現実の取引を反映しているとは思えません。

同じグループによるサイトである可能性が高いモビ・エクスチェンジでのCTCコインのチャート、コインフィールドでのVXUコインのチャートも同様の非常に非現実的な右肩上がりのチャートになっていたことが思い出されます。これらのチャートは詐欺の意図があってこれらのおそらく換金出来ない仮想通貨を買わせる為のチャートである可能性が極めて高いと考えざるを得ません。

最初に引用したYahoo知恵袋への投稿にある通り、少なくともSCAエクスチェンジについては既に出金出来ないという事態が発生しているようですし、これらのサイトは極めて危険なサイトと考えられます。これらのサイトでの口座開設や投資を勧誘されても決して応じないことを強く推奨します。


●BaoBic Exchange [DWHコイン] (BaoBicエクスチェンジ www.baobic.com/)

●HandBic Exchange [HOPコイン] (HandBicエクスチェンジ www.handbic.com/)

●TRA Exchange [TRAコイン] (TRAエクスチェンジ www.tra-group.top/)

●ADK-GROUP [ADKコイン] (ADKグループ www.adk-group.top/)

これらもYahoo知恵袋に質問が出てきたサイトで「検証63」で検証したMobimn Exchange (モビ・エクスチェンジ www.mobimn.com/) というサイトや上で検証したコインフィールド、INCエクスチェンジ、SCAエクスチェンジのサイトに似ているようなのでここで検証します。まずYahoo知恵袋に出てきた質問投稿を引用します。

2021年8月23日投稿 (BaoBicエクスチェンジに関する投稿)

残念ながらなぜこのBaoBicエクスチェンジというサイトで取引することになったのかについては情報がないのですが、日本の仮想通貨交換業者であるビットフライヤーから入金して1度は出金出来たものの2回目の出金で支障が生じているという状況のようです。そして添付画像にURLアドレスが確認出来ます。

2021年9月7日投稿 (HandBicエクスチェンジに関する投稿)

この投稿者はマッチングサイトのTinderで知り合った勧誘役に誘導されて既に50万円も入金してHOPという仮想通貨を購入してしまったようです。こちらはURLアドレスが記されていないので「handbic」を検索してサイトを見つけてきました。

2021年10月4日投稿 (TRAエクスチェンジに関する投稿)

この質問投稿では質問の背景に関する情報が何もありません。単に連絡先が知りたいというだけの質問です。

2021年10月27日投稿 (ADKグループに関する投稿)

自称・シンガポール出身の日本国籍女性とSNSで知り合って仮想通貨への投資を勧められているという状況のようです。仮想通貨投資で得た利益に関する日本の税金が国内業者より海外業者の方が有利という主張は事実とは思えません。脱税を勧めているのでしょうか?

とにかくこれらの質問で質問対象になっているサイトにアクセスしてみるとこれらは互いによく似たサイトであることが分かりました。まず以下BaoBicエクスチェンジHandBicエクスチェンジの2つのサイトの冒頭部のキャプを示します

これら2つのサイトはキャプ左上のロゴ以外は全く同じに見えます。いずれも表示言語の選択肢は日本語、香港語、英語、韓国語の4つです。上のキャプは日本語表示を選択した状態のキャプですが「全球領先・・・」という文章は中国語としか思われず、最初から中国系のサイトだろうと判断しました。そしてこの部分を見て気が付いたわけではないのですが、これら2つのサイトの冒頭部は以下にキャプを再掲しましたが「検証63」で検証したモビ・エクスチェンジ (www.mobimn.com/) のサイトの冒頭部にかなり似ています。

BaoBicエクスチェンジ、HandBicエクスチェンジモビ・エクスチェンジのサイト冒頭のキャプを比較すると例えばキャプ右上の表示言語選択するプルダウンメニューに見える選択肢が日本語、香港語、英語、韓国語の4つで並びも同じ、そして国旗アイコンも互いに非常に似ています。またメニューバーに見える項目がいずれのサイトでも左端から「ホーム」「コイン交換センター」「パーソナルセンター」「ヘルプ」「ログイン」「サインアップ」の6項目となっていますし、背景画像に使われているイラストの作風も何となく似ている、背景画像の中に記されている文章も中国語は全く分かりませんがいずれの場合も「全球」から始まっているなど偶然とは思えない一致があることが分かりました。

次に表題3番目のTRAエクスチェンジ、4番目のADKグループのサイト冒頭部のキャプを示します。

これらTRAエクスチェンジ、ADKグループのサイトはBaoBicエクスチェンジHandBicエクスチェンジのサイトとは背景画像が全く異なるので随分と違った印象を受けます。しかしこれらのサイトをよく見ると多くの共通点が見つかります。例えばTRAエクスチェンジでもADKグループでも表示言語の選択肢は日本語、香港語、英語、韓国語の4つで右上のプルダウンメニューに4つの国旗アイコンが並んでいる状況は互いに非常によく似ています。国旗のアイコンも互いに非常によく似ています。日本国旗のアイコンは明らかに赤い丸の部分が全体に対して大きすぎて殆ど赤一色の円にしか見えません。またメニューバーに並んでいる項目はTRAエクスチェンジの場合左端から「ホーム」「コイン交換センター」「パーソナルセンター」「ヘルプ」「ログイン」「サインアップ」の6項目となってい手項目名とその並びがBaoBicエクスチェンジ、HandBicエクスチェンジモビ・エクスチェンジのサイトと共通です。偶然とは思えません。ADKグループのメニューバーの項目もかなり似ています。

次にサイトの特長を4項目にまとめて説明している部分が出てくるのですがこの部分でも本項で検証している4つのサイトや上で検証したコインフィールド、INCエクスチェンジ、SCAエクスチェンジのサイトと明らかに似ています。以下にBaoBicエクスチェンジ、HandBicエクスチェンジ、TRAエクスチェンジ、ADKグループ、モビ・エクスチェンジの5つのサイトからのキャプ画像を順に並べてみます。

黒一色の背景を使っている4番目のADKグループの場合を除いてソフトフォーカスの背景画像は共通です。4つの簡単なイラストは全く同じに見えます。添えられている短い文章も全く同じあるいは非常によく似ています。明らかに同じテンプレートを使って作られたサイトでしょう。

次に連絡先情報を探しましたがBaoBicエクスチェンジHandBicエクスチェンジ、ADKグループについては脚注部分に唯一の連絡先情報としてメールアドレスがあります。以下にキャプを示します。

BaoBicエクスチェンジ baobic00@gmail.com

HandBicエクスチェンジ: handbcoin@gmail.com

ADKグループ: adk.group.global@gmail.com

これは無料登録できるgmailのアドレスです。ちなみにこれらのサイトと明らかに似ている部分があるモビ・エクスチェンジなど4つのサイトでも開示されている連絡先情報はメールアドレスのみで、しかもいずれもgmailのアドレスばかりです。

モビ・エクスチャンジ: mobimn8@gmail.com 

コインフィールド: coinfieldvxu@gmail.com

INCエクスチェンジ inc.group.reply@gmail.com

SCAエクスチェンジ: sca.reply@gmail.com

開示されている連絡先がフリーメールのアドレスのみでは話になりません。TRAエクスチェンジの場合にはこのメールアドレスさえ見当たりません。そこでサイトのWho Is 情報を確認しました。以下にまずBaoBicエクスチェンジのサイトのWho Is 情報のキャプを示します。

まず黄色の枠で囲った部分を見るとサイトの登録・開設日が2021年5月26日であることが分かります。最初に引用したYahoo知恵袋への質問投稿が2021年8月23日付ですからその時点でサイトの開設から3ヵ月未満という新しいサイトということになります。

そして赤枠で囲った部分に断片的な所在地情報があります。

>Jiangxi, CN

は中国の江西省を意味すると思われます。連絡先情報がこれだけでは明らかに不足ですし、江西省という所在地もどれほど信用出来るか疑問です。

次にHandBicエクスチェンジのサイトのWho Is 情報のキャプを示します。

残念ながらこちらには運営元に関する情報が一切見当たりません。黄色の枠で囲った部分にあるサイトの登録・開設日を見ると2021年6月17日となっており、BaoBicエクスチェンジのサイトよりもさらに新しいことが分かります。

次はTRAエクスチェンジのWho Is 情報ですがこの場合も運営元に関する情報はありません。

黄色の枠で囲った部分にあるサイト開設日は2020年12月28日となっていてサイトが見つかってきたのは最も新しいのにサイトの開設はBaoBicエクスチェンジやHandBicエクスチェンジより以前のことのようです。

最後はADKグループのサイトのWho Is 情報ですがやはり運営元に関する情報はありません。

ADKグループのサイトの登録・開設日は2021年6月5日です。

次にそれぞれのサイトで取引されている仮想通貨について触れておきます。以下BaoBicエクスチェンジ、HandBicエクスチェンジ、TRAエクスチェンジ、ADKグループでUSDT建てで取引されている仮想通貨のリストを順に示します。

ビットコイン (BTC)、イーサリアム (ETH)、ビットコインSV (BSV)、イオス (EOS)、ライトコイン (LTC)、ダッシュ (DASH)、リップル (XRP)、ビットコインキャッシュ (BCH)、モネロ (XMR)、イーサリアムクラシック (ETC) といったメジャーな仮想通貨が並んでいる中でリストの上段BaoBicエクスチェンジではDWH、HandBicエクスチェンジの場合HOP、TRAエクスチェンジではTRA、ADKグループの場合はADKという仮想通貨データーベースのCoinMarketCapで探しても情報が見つからない仮想通貨が取引されていることになっています。厳密にいえばHOPという略号の仮想通貨としてHOPPY、TRAという略号の仮想通貨としてはTrabzonspor Fan Token、ADKという略号の仮想通貨としてはAidos Kuneenという仮想通貨が出てくるのですがそれぞれ相場水準が全く異なるので別物としか思えません。そして最初に引用したHandBicエクスチェンジに関するYahoo知恵袋の質問投稿では勧誘役にHOPへの投資を勧められて購入してしまったとあります

これらの聞き慣れない仮想通貨については何の情報も見当たらないのですが同じグループによって同じテンプレートから立ち上げられたと思われる4つのサイトでも以下のような取引所独自と思われる仮想通貨が取引されていました。

モビ・エクスチャンジ: CTC

コインフィールド: VXU

INCエクスチェンジ: INC

SCAエクスチェンジ: SCA

おそらくDWH、HOP、TRA、ADKといった仮想通貨もこれらの仮想通貨取引所独自の仮想通貨と思われます。そしてまず以下がBaoBicエクスチェンジで取引されているDWHという謎の仮想通貨のUSDT建て日足チャートです。

このチャートにはかなり違和感を感じる部分があります。取引が始まった (初めて出来高が記録されている) のは2021年6月20日となっており、それから2021年9月上旬の現在まで2ヶ月以上の期間で前日終値よりも当日終値が下回った陰線 (チャート上では赤のバー が2回だけになっており、それ以外は連日が緑のローソク足で示されていますが前日終値より当日終値が上回る陽線ばかりです。つまり殆ど連日一方的な値上がりを続けています。これだけでも異様なのですがこのチャートのローソク足には上ヒゲ、下ヒゲが確認出来ません。連日始値が当日の最安値、終値が最高値ということになります。また毎日の出来高を示すチャート下段の棒グラフを見ると7月末に2日ほど出来高がゼロという時期があったことになっているのを除けば連日の出来高が2億3000万枚ほどでほぼ一定しています。このキャプを取得した時点での相場は0.47ドル、およそ50円ほどなので1日で100億円を優に超える金額の取引が成立していることになります。さらに以下は5分足チャートです。

この5分足チャートでもローソク足は間断なく並んでいるのが分かります。すなわち5分毎で区切ってみても少なくともローソク足を形成するのに必要な2回以上の取引が成立しているということになります。5分毎の出来高も70万枚前後でほぼ一定しています。こうしたチャートが現実の出来高を反映したものであるなら相当多くの人がこのDWHという謎の仮想通貨の取引に参加しているということになるでしょう。

しかしアクセス数を解析出来るサイトBaoBicエクスチェンジのサイトへのアクセス状況を調べてみると以下のキャプに示した通り、検出限界以下のアクセスしかありません。

同様にHandBicエクスチェンジのサイトで取引されているHOPという仮想通貨についでもまず日足チャートを確認します。

このHOPの日足チャートもDWHの日足チャートと似ています。2021年6月20日から出来高が確認できますが、この日から毎日の出来高は5700万枚ほどでほぼ一定しており、相場は一貫しての右肩上がり、陽線ばかりのローソク足には上ヒゲ、下ヒゲさえ殆どありません。つまり毎日の始値がその日の最安値、終値がその日の最高値という状況が毎日続いているということになっています。

さらに以下はHOPの5分足チャートです。

この5分足チャートでもまず5分ごとの出来高水準が20万枚ほどでほぼ一定であることがまず非常に気になります。そしてローソク足が間断なく続いており、上ヒゲ、下ヒゲも確認できます。となれば5分間に少なくとも4回以上は約定していなければならないことになり、非常に多くの人が取引に参加していなければならないはずです。

しかしこのHandBicエクスチェンジのサイトについてもアクセス状況を調べられるサイトでアクセス状況を調べると以下のキャプに示した通り、検出限界以下の訪問者しかいないという結果になります。

次はTRAエクスチェンジで取引されているTRAの日足チャートを以下に示します。

このチャートも殆ど一方的な右肩上がりのチャートになっています。そしてなぜかこのチャートには日付の目盛りが出ないのでよく分からないのですが最初の1、2ヶ月は8000万枚台、それから以降は5000万枚台の取引が毎日判を押したように行われていたようですが最近は突然取引が停止したのか出来高がゼロになっているようです。そしてこのサイトについてもアクセス状況を見るとやはりこの謎の仮想通貨について毎日8000万枚もの出来高があったとは思われないほど非常にアクセスが少ないようです (以下のキャプ参照)。

最後はADKグループのサイトで取引されているADKの日足チャートです。

やはりチャートは基本的に右肩上がりで1日の出来高は3億枚強というかなりの高水準でほぼ一定しています。そしてADKグループのサイトについても以下に示したようにアクセス数解析の結果は検出限界以下という結果になります。

BaoBicエクスチェンジで取引されているDWH、HandBicエクスチェンジで取引されているHOP、TRAエクスチェンジで取引されているTRA、ADKグループで取引されているADKという4つの謎の仮想通貨のチャートは到底実際の取引を反映したものとは思えません。架空の右肩上がりのチャートを作って投資すれば儲かるような錯覚を与えてお金を騙し取ろうとしているとしか思えません。

そして本項で検証しているBaoBicエクスチェンジなど4つのサイトと明らかに似ている部分が認められ、同じグループによって同じテンプレートから作られたと思われるモビ・エクスチャンジ、コインフィールド、INCエクスチェンジ、SCAエクスチェンジのサイトはいずれも何の告知もなく閉鎖されています。これらのサイトが詐欺サイトであったことを示しているものと思われ、ここで検証している4つのサイトについてもいずれ何の告知もなく閉鎖される可能性が極めて高いものと考えます。

改めて結論するまでもなくこれら4つのサイトは詐欺サイトの疑いが濃厚です。投資を勧誘されても決して応じないことを強く推奨します。


●BIYING [JMTコイン] (www.oabangong.xyz/)

●KBTC [JMTコイン、KBTCコイン] (www.okbtc.xyz/)

互いに非常に似たサイトで同じグループによると思われるサイトなのでまとめて検証します。1つ目のBIYINGは2020年9月末にYahoo知恵袋に出てきた以下の質問で知ることになったサイトです。

「韓国と日本のハーフ」と名乗る女性から勧誘されたというパターンは珍しいですが勧誘の場になったのは最も事例が多いTinderというマッチングサイトとなっています。購入してしまったJMTという耳慣れない仮想通貨については検証の中で触れることにします。そして出金に支障が出ているということなので検証前から詐欺サイトの可能性が高いと考えざるを得ません。とにかくこの投稿からBIYINGというサイトを確認してみました。さらに経緯は後述しますがBIYINGと似たKBTCというサイトが見つかってきたので2つのサイトの冒頭部を以下に並べてみます。

説明の必要もないほど2つのサイトは互いに酷似しています。選択出来る表示言語は英語、中国語、日本語、韓国語と共通しています。この2つのサイトが似ているのは冒頭部だけではありません。例えばサイトの特長を4項目にまとめてイラスト付きで説明する部分がありますが以下のキャプに示した通り2つのサイトで全く同じです。

次に連絡先情報を探しましたがこれが非常に複雑なことになっています。まず2つのサイトでは共に脚注部分にメールアドレスが書かれています。左下がBIYING、右下がKBTCの脚注にあるメールアドレスです。住所や電話番号はいずれのサイトにもありません。

BIYINGの方には営業時間も記されているのですが、住所がないので何処の国の時間帯で営業時間が示されているのか全く分かりません。そして3つのメールアドレスが記されていますがドメイン名の部分はサイトのURLアドレスのドメイン名と一致しています。これに対して右上のKBTCの方にはメールアドレスが1つあるだけでしかもこれは無料登録出来るgmailのアドレスです。仮想通貨取引所のメールアドレスがフリーメールのアドレスというのは有り得ないでしょう。

そして非常に不可解なのですが、2つのサイトに共通して脚注にある「お問い合わせ (Contact Us)」の項目を見るとそちらにも住所や電話番号はなく、それぞれ5つのメールアドレスが記されていて脚注にあるメールアドレスとは全く異なるのです。左下がBIYING、右下がKBTCの「お問い合わせ」のページにあるメールアドレスです。

わざわざ指摘するまでもなく、2つのサイトにあるこれら5つのメールアドレスは全く同じです。またメールアドレスのドメイン名の部分は「powex.pro」となっていていずれのサイトのURLのドメイン名とも一致しません。実は先にBIYINGのサイトでこれらの不可解なメールアドレスをみてこれは「powex.pro」をURLに含む別のサイトで使われていたメールアドレスではないかと考えてこのドメイン名で検索したところ予期したサイトは見つからなかったもののKBTCのサイトの存在に気が付いたという経緯があります。「powex.pro」をURLに含む別のサイトは既に閉鎖されてしまったのかもしれませんが2つのサイトが同じグループによるものであることはいよいよ間違いないでしょう。

次に2つのサイトで取引されている仮想通貨について触れておきます。以下が2つのサイトで取引されている仮想通貨のリストです。

ビットコイン (BTC)、イーサリアム (ETH)、リップル (XRP)などメジャーな通貨の中にこの項目の最初に引用したYahoo知恵袋の投稿で購入してしまったというJMTという仮想通貨が両方のサイトで取引されているようです。さらにKBTCのサイト限定でKBTCというサイトの名称と同じ名前の仮想通貨も取引されていることになっています。このJMT、KBTCという聞きなれない仮想通貨について仮想通貨データーベースのCoinMarketCapで情報を探してみましたが両方とも情報がありません。JMTについてはJMTIMEという仮想通貨の略号と一致しますがJMTIMEは現状では取引されていないようで別案件だと思われます。

とにかくJMTとKBTCのチャートを確認しました。2つのサイトで取引されているJMTについてはチャートも一致するので全く同じ仮想通貨と考えてよいかと思います。以下はKBTCのサイトから取得したJMTのUSDT建て日足チャートのキャプです。

「検証63」以降で検証してきた中国系と思われる詐欺サイトで取引されている謎の仮想通貨のチャートでしばしば見られる特徴ですが異様とも思われるほどの右肩上がりの上昇が続いており、ローソク足を見ても1日の始値より終値の方が高い陽線の割合が異常に多いです。毎日の出来高も平均して40億枚ほどとかなり多いことになっています。

次はKBTCのサイトのみで取引されているKBTCのUSDT建て日足チャートのキャプです。

2020年9月16日からチャートが始まっていてこの検証を書いている時点でまだ20日間ほどの期間のチャートしかない為に情報が少なくて果たしてこれでも右肩上がりのチャートと言えるかどうかは微妙なところですが、出来高は毎日5億枚前後はあることになっています。

しかしJMTやKBTCのチャートが実際の取引を反映しているようには思えません。アクセス解析出来るサイトで調べたBIYINGへのアクセス状況KBTCへのアクセス状況の結果を以下のキャプに示します。

要するにこれら2つのサイトへの毎日のアクセスは検出限界以下のレベルで非常に少ないようです。とてもではありませんが、情報が全く見つからない独自通貨が毎日数億枚、数十億枚の単位で活発に取引されている仮想通貨取引所のサイトとは思えません。JMTの日足チャートが不自然な右肩上がりのチャートであることも考えるとJMTやKBTCのチャートは現実のチャートを反映していない可能性が高いと思います。

結論としてこれら2つの仮想通貨取引所のサイトは全く信用出来ません。これらのサイトでの投資を勧誘されても応じないことを強く推奨します。


●Eagle (イーグル www.eaglepro-ex.com/html5/index.html#/official)

これもYahoo知恵袋に出てきた質問投稿で知ることになったサイトです。以下に質問のキャプを示します。

「ネットで仲良くなった台湾人」に勧誘を受けて200万円分のビットコインを送金してしまったところ出金出来なくなったようです。まさに「検証63」で説明した中国系の詐欺グループによる勧誘の手口に合致するものと思われます。さらにこの投稿には送られてきた(日本の)金融庁からの通知と称するものの画像が添付されていました。その添付画像を右に示しますが明らかに違和感のある点が幾つも目につきます。

例えば通知日が「平成32年9月24日」となっていますが平成という元号は平成31年4月30日までで終了して令和に切り替わっていることは日本人なら誰もが知っているはずです。こんな実在しなかった日付の文書が金融庁から出るはずがありません。

さらに本文の冒頭に「金融管理強化法」と書いてありますが日本に「金融管理強化法」という法律はありません。日本の法律で名称が似ていると思われるのは「金融機能強化法」という法律ですが金融庁がそんな間違いをするとは全く思えません。その後の本文も日本人が書いたとは到底思えない不自然な日本語になっていて意味が判然としない部分もあります。例えば本文の最後の部分は以下のようになっています。

>審査が完了したら口座の凍結状態を解除して、口座の正常を回復して、保証金額は資産口座の中で、口座の正常を回復すれば貨幣を引き上げて、違反の疑いのある口座の解除は自動的に自然人口座に入れる

知恵袋の投稿に書いてあるように7日以内に28647ドル支払わないと口座の凍結を解除できないということらしいのですが日本人が書いた文章とは全く思えません。28647ドルを払ったところで泥棒に追い銭になるだけの可能性が高いと考えざるを得ません。

とにかく知恵袋の投稿に出てきたリンクからこのイーグルというサイトに行ってみましたが殆ど何の情報もありません。まず以下は知恵袋の投稿に出てきたURLアドレス (www.eaglepro-ex.com/web/down/hb) のページですがアプリをダウンロード出来るようになっているだけで何も情報がありません。

さらに以下はURLアドレス自体を検索に掛けて見つけてきた表題のページのキャプですがやはり何も情報がありません。会員登録してログインしすれば何か情報が出てくるのかもしれませんがログインしないと情報が開示されないというのは明らかに不適切でしょう。

さらにこの検証を書く為にサイトに再度アクセスしようとしたところパスワードやカード番号が盗まれる可能性があるということでアクセスしないようにという警告が出るようになっていました。意味がよく分かりませんが安心してアクセスできるサイトではないということになりそうです。

結論として開示されている情報がほぼ皆無なのできちんとした検証は出来ませんが、既に出金出来ない事例が発生している上に明らかにフェイクと思われる日本の金融庁の名前を使った通達を出すなど非常に危険なサイトで間違いないものと思われます。取引は全く推奨出来ません。


●Quality BCoin (クオリティ Bコイン www.qibicoin.com/index/)

これもYahoo知恵袋に質問投稿が出てきたサイトです。

状況がよく分かりませんがまとめるとYahooパートナーズで知り合った自称・台湾人アナリストに投資を勧められ、日本の仮想通貨取引所でビットコインを買い、相手の指定するサイトに送金して少しは利益が出ているけどさらに100万円の追加投資を求められているということのようです。相手が送ってきたというリンクには明らかにアフィリエイターのIDが付いているので勧誘してきた自称・台湾人アナリストの目的はアフィリエイト報酬ではないかと思われます。「検証63」でまとめた中国系と思われる一連の詐欺の勧誘手口に似ていることは間違いないので検証することにしました。

とにかく質問に出てきたURLアドレスにアクセスしてみましたが開示されている情報は皆無に近く、検証も非常に困難です。以下がサイトのキャプですが、これが冒頭部という訳ではなく、ほとんどこれでトップページの全てです。表示言語は英語のみのようです。

メニューバーも脚注もなく、ログインしない状態では何の情報も見ることが出来ません。連絡先情報、運営者情報、ライセンス情報など皆無です。ログインしてもどれほど情報が開示されているのかは疑問です。以下のキャプに示したWho Is情報を見るとサイトの登録、開設が2020年9月2日と非常に新しいことが分かります。上で引用したYahoo知恵袋の質問が9月27日付ですから開設から1ヶ月もしない時期に勧誘が行われていたことが分かります。

検証するにも検証材料となる情報が極端に少ない状況ですから何もはっきりとしたことは言えませんが、勧誘の手口はまさに頻発している中国系の詐欺グループによると思われる詐欺の手口に合致しますし、極端に開示情報が少ないということだけで信用出来るサイトとは到底思えません。投資勧誘されても決して応じないことを強く推奨します。


※付記

このサイトでの被害者によるTwitterアカウントと詐欺被害に遭った状況を説明するブログを発見しました。

▼Twitter:マッチングロマンス詐欺600万円

▼ブログ:www.qibicoin.comでマッチングアプリ投資詐欺に遭いました

かなり詳しい状況が記されているので参考にしてください。


●Gate (gate.eyootrips.com/)

●1g10k (h5.1g10k.com/)

いずれもYahoo知恵袋の質問に登場したサイトで互いに明らかに似ているのでまとめて検証します。但し開示されている情報は極めて乏しいのできちんとした検証は困難です。またこの2つのサイトはサイトの名称さえ不明確です。一応サーバー情報のサイトのタイトルという項目に書いてあるのが「Gate」と「1g10k」なのでそれをタイトルとしていますがサイトには明確な記述はありません。とにかくこれらのサイトを知ることになったYahoo知恵袋の投稿の引用から始めます。

2020年9月27日投稿 (Gateに関する質問投稿)

少なくともGateのサイトに関しては「検証63」で説明した中国の詐欺グループによると思われる詐欺勧誘の手口に一致するようです。

まずそれぞれの質問投稿に出てきたURLアドレスにアクセスしてみると以下のキャプに示したような非常に情報の少ない互いに酷似したサイトであることが判明しました。以下、順にGate、1g10kのサイトの冒頭部のキャプです。

2つのサイトが互いに酷似しているのは明らかです。両方のサイトに共通して「Beware of fraud! (詐欺に注意!)」と書いてあるのがキャプで確認出来ますが皮肉としか思えません。この冒頭部に続いては取引されている仮想通貨のリストが出てきます。左下がGate、右下が1g10kの取り扱い仮想通貨リストで全く同じです。

そしてここに並んでいる仮想通貨リストを見ていくとビットコイン (BTC)、イーサリアム (ETH)、イオス (EOS)、リップル (XRP)、ダッシュ (DASH)、ジーキャッシュ (ZEC)まではメジャーな仮想通貨が並んでいますが最後のYGBという全く聞き慣れない仮想通貨が問題です。このYGBという仮想通貨については仮想通貨データーベースのCoinMarketCapにも情報がありません。

そこで特にこのYGBという謎の仮想通貨についてチャートを確認しようとしました。まず以下はGateのサイトでのビットコインのチャートですがどうやらこれは1分足チャートのようで時間スケールを変えて例えば日足チャートを見ることは出来ないようです。これは異様です。

そして問題の謎の仮想通貨、YGBのチャートですが一瞬以下のキャプのようなチャートが表示されるのですが、これも1分足チャートのようです。

しかも数秒後にはチャートが消えて以下のキャプに示したような状態になってしまいます。

数秒でYGBのチャートが消えてしまうのはGateのサイト1g10kのチャートで共通しており、チャートが消えるのはYGBのチャートだけのようです。何故チャートがすぐに消えてしまう設定になっているのか全く分かりません。チャートを表示することに何か不都合がある、何かの理由があって隠しておきたいと考えているとしか思えません。強い不審を感じざるをえません。そもそも1分足チャートしか表示出来ないというのは仮想通貨取引所のサイトとして有り得ないでしょう。

そしてこれら2つのサイトに共通して連絡先情報とか運営者情報が全く開示されていません。到底信用出来るサイトとは思えません。絶対に投資するべきではありません。