検証83

本ページで取り上げるサイトはいずれも仮想通貨取引所 (暗号資産交換業者) に該当すると思われますが、いずれも日本の金融庁が公表している暗号資産交換業者の登録リストに該当がありません。ここで検証するサイトの多くは日本語対応しており、さらに少なくとも一部のサイトについて日本人に向けた勧誘が確認されていて単に無登録の違法業者であるというだけでなく、詐欺目的のサイトである疑いが極めて濃厚と考えられます。

▼本サイトでの検証は名誉棄損に当たらないと考えます。→ 雑記1

「検証63」「検証64」「検証65」「検証66」「検証67」「検証68」「検証69」「検証70」「検証71」「検証72」「検証73」「検証74」「検証75」「検証76」「検証77」「検証78」「検証79」「検証80」「検証81「検証82で検証してきたTinderを始めとするマッチングサイト (出会い系サイト) やSNSで外国人による勧誘が行われているという共通点がある一連の詐欺仮想通貨取引所のサイトについての検証21ページ目です。「検証84」「検証85」「検証86「検証87「検証88」「検証89「検証90「検証91「検証92「検証93「検証94「検証95「検証96「検証97「検証98「検証99「検証100「検証101「検証102「検証103「検証104「検証105「検証106「検証107「検証108「検証109「検証110「検証111「検証112」「検証113」「検証114」「検証115」「検証116」「検証117」「検証118」「検証119」「検証120」「検証121」「検証122」「検証123」「検証124」「検証125」「検証126」「検証127」「検証128」「検証129」「検証130」「検証131」「検証132」「検証133」「検証134」「検証135」「検証136」「検証137」「検証138」「検証139」「検証140」「検証141」「検証142」「検証143」「検証144」「検証145」「検証146「検証147」にも続編があります。勧誘の手口などについては「検証63」の最初に書いてあるので参照してください。 本ページでは以下のサイトを検証します。


●FUTAEX [BGEコイン] (futaex.com/)

Amazingtick Btc (www.amazingtickkbtc.com/)

●BIT Markets (ビットマーケッツ tatbit.com/)

●THSZSHOP (thszsc.com/)

●Mottcoin (モットコイン www.mottcoins.com/)

●COINB (コインB www.coinb.vip/web/index.html#/home)


まず以下を検証します。

●FUTAEX [BGEコイン] (futaex.com/)

これもYahoo知恵袋に出てきた以下のキャプに示す質問投稿で知ったサイトです。この投稿はmlccとBGEという仮想通貨が存在するか?という質問の投稿になっていてそれらの仮想通貨が販売、取引されているサイトとして表題のFUTAEXという仮想通貨取引所のURLが出てきています。これだけではmlccおよびBGEという仮想通貨に関して質問している経緯など何も分かりませんが、仮想通貨データーベースのCoinMarketCapでmlcc、BGEという仮想通貨に関する情報を探しても何も見つかりません。

しかしその後、このFUTAEXというサイトについて検索してみたところ、Reddit (www.reddit.com/) というサイトでFUTAEXが詐欺サイトであるとして警告する投稿を見つけました。この投稿は2020年11月3日頃に投稿されているようです。

この投稿にはマッチングサイトのTinderでアジア系の女性によって勧誘が行わわれているとしてFUTAEXが中国系の詐欺グループによる新たな詐欺サイトであるから販売されているBGEという仮想通貨を買わないようにということが書いてあります。これは「検証63」の冒頭にまとめがある中国系の詐欺グループによる勧誘の手口とまさに合致しているように思われたので検証することにしました。最初に引用したYahoo知恵袋の質問もこうした勧誘を受けた人からの投稿であった可能性が高いように思います。つまり日本人に対してもこのサイトへの投資勧誘が行われている可能性が充分に考えられます。まず以下にサイトの冒頭部のキャプを示します。

表示言語は英語だけのようです。この冒頭部は共に既に閉鎖されているサイトですが「検証67」で検証したKOLOmine (kolomine.com/) およびcksap (cksap.com//) というサイトに似ている印象があります。以下にKOLOmineおよびcksapのサイト冒頭のキャプを比較の為に再掲します。

FUTAEX、KOLOminecksapという3つのサイトは同じグループによる運営である可能性が高いように思われます。

この冒頭部に続いては取引されている仮想通貨のリストが出てきます。以下のキャプに示した21個の仮想通貨が取引されているようです。

ビットコイン (BTC)、イーサリアム (ETH)などメジャーな仮想通貨に加え、聞いたことがないような仮想通貨もかなり含まれていますが仮想通貨データーベースのCoinMarketCapで探していくと21個のうち、20個の仮想通貨については情報を確認することが出来ました。そして情報を確認出来なかったのが上で引用したYahoo知恵袋の投稿やRedditへの投稿に出てきていた、特にRedditの投稿では買ってはいけないとされていたBGEという仮想通貨です。上のキャプでは左側の列の上から5番目にBGEのロゴと現時点での相場が示されています。一方で最初に引用した知恵袋の投稿でBGEと一緒に質問に出ていたmlccという仮想通貨についてはこの取引リストに見当たりません。既に上場廃止されてしまったのか、あるいは他にmlccを扱っている取引所のサイトがあるのか状況は不明です。

とにかくこのBGEという仮想通貨のチャートを確認しました。まず以下は日足チャートです。

2020年10月15日にBGE1枚が0.22ドルで始まっており、この検証を書いている2020年11月7日の時点で約5倍の0.11ドル前後で取引されているようです。しかも日足チャートで見る限りほぼ一貫した右肩上がりのチャートになっており、しかも毎日の始値より終値が高い陽線ばかりが並んでいます。これほど一貫した右肩上がりのチャートには違和感があります。さらに以下に示した5分足チャートを見るとさらに強い違和感を感じました。

5分足チャートではさすがに陽線ばかり並ぶ一方的な右肩上がりのチャートではありませんが出来高の推移に非常に強い違和感があります。上のチャートを見ると5分間の出来高が50~70枚程度でかなり一定しているのです。しかもローソク足に加えて上ヒゲ、下ヒゲも付いていることから5分間に3回、4回以上の取引が成立していなければこうしたチャートにはなりません。このBGEという仮想通貨は現時点で0.11ドル=115円ぐらいなのですから50枚なら5600円ほどの出来高になります。少なくとも3回、4回の取引で5600円の取引ということはこのBGEという仮想通貨の取引は全て1000円単位以下で成立しているということになります。これは明らかにオカシイです。

しかもアクセス状況を解析出来るサイトでFUTAEXのサイトへのアクセス状況を調べてみると以下のキャプに示したように1日当たりの訪問者が45人という結果になります。

BGEという聞き慣れない、情報が見つからない仮想通貨の取引が5分間に3回、4回以上も成立しているのに1日当たりの訪問者がわずか45人というのはどう考えてもおかしいです。BGEのチャートは現実の取引を反映したものとは到底思えません。

さらにFUTAEXのサイトには連絡先情報が一切見当たりません。メールアドレスさえ開示されていないようです。About Usというページがあるのですが、記述は以下にあるだけです。

まず2012年に設立された取引所であるとあり、次いで100ものブロックチェーンアセット (つまり仮想通貨)を扱っていると書いてありますが、実際に取引されているのは上で示した通り21種類です。さらに世界90カ国の100万人単位の顧客にサービスを提供しているとありますが上で示した訪問者数の少なさから到底事実とは思えません。さらに韓国、シンガポール、香港、マルタなどにオペレーションセンターがあると書いてありますがそういった拠点の住所や電話番号など連絡先情報は一切開示されていません。到底真実とは思えない記述ばかり並んでおり、全く信用出来ません。経営者情報も皆無です。

言うまでもありませんがこのサイトでの取引、特にBGEという情報が全く見つからない謎の仮想通貨への投資は絶対に勧められません。


Amazingtick Btc (www.amazingtickkbtc.com/)

これは2020年10月27日にYahoo知恵袋に相次いで2つの質問が出てきたサイトで説明が非常に曖昧ですが取引所ではなく、仮想通貨の運用で利益を出すというサイトのようです。Yahoo知恵袋に出てきた質問を引用します。

質問1 

勧誘してきたのはネットで知り合った中国系の人物ということでまさに「検証63」で説明した詐欺勧誘の手口に通じるものがあります。回答者の1人はおそらくネットで勧誘された日本人の友人から間接的にこのサイトを紹介されて入金してしまったようです。

質問2

こちらは何故この質問をしているのか背景の説明がありません。しかし相次いで2件の質問が出てきたということはかなり多くの日本人が投資勧誘を受けている可能性が高いように思われます。とにかく質問に出てきたURLアドレスにアクセスしてみました。まず1つ目の質問にあったURLアドレス (http://amazingtickbtc.com/index/login/login.html) です。

このURLアドレスは見ての通り、ログインだけの画面になっていて何の情報もありません。注目するべきは全て日本語表記になっていることで他の表示言語の選択肢は用意されていません。次に知恵袋の回答に出てきたログイン後のURLアドレス (http://www.amazingtickkbtc.com/) です。

ログイン画面は日本語表示のみだったのにこちらは英語表示のみです。そして英語でよりよい生活の為にビットコインに投資しようといったことが書いてあります。どうやら長期でビットコインを保有して値上がりを待つというだけの投資ではなく、購入したビットコインを何らかの形で運用するという投資のようですが説明が具体性に欠けており投資の中身は全く不明です。過去にどれほどの運用利回りが得られているのかといった情報も見つかりません。

表示言語が日本語だけ、英語だけという状況にも違和感がありますがこのサイトはURLアドレスにも違和感があります。

ログイン画面:http://amazingtickbtc.com/index/login/login.html

ログイン後の画面:http://www.amazingtickkbtc.com/

2つのURLアドレスは暗号化されていることを示す「https」ではなく、暗号化非対応であることを示す「http」で始まっているのです。これはセキュリティに関して何の配慮もされていないことを示しており投資関係のサイトとして有り得ません。

次に連絡先情報やライセンス関係の情報を探しましたが開示されている情報は充分とは言い難いです。サイトの脚注部分に以下のキャプに示した記述があるだけです。

>Amazingtick Btc

>+41 67220921

>user@amazingtickkbtc.com

>11 Wilkie business center, 99 Wellington Street, Switzerland

>Swiss regulatory number AYB-226921

住所はスイスになっています。さらに電話番号も[+41]というスイスの国番号から始まっています。最初に引用したYahoo知恵袋の投稿でも勧誘役がスイスの会社であると説明したとなっていることに一致します。しかしこのスイスの住所には違和感があります。この住所ではスイスという国名の次がいきなりストリートアドレス (通りの名称)になっていて州名とか市名が抜けているように思われます。「11 Wilkie business center, 99 Wellington Street, Switzerland」という住所をそのままGoogle検索しても該当する住所が見つかりません。実在する住所かどうかも不明でかなり疑わしい状況です。

またスイスの公用語はドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語の4つとされています。スイスの会社ならばログイン画面が日本語のみの対応、ログイン後のページが英語のみ対応というのは明らかにオカシイです。

Amazingtick Btcのサイトには以下のキャプに示した記述もあります。Amazingtick BtcはFINMA (Swiss Financial Market Supervisory Authorityスイス金融市場調査局) という日本の金融庁的な金融機関の監督、規制を行う機関の監視下にあるということが書いてあるようです。上に示した連絡先情報のキャプには

>Swiss regulatory number AYB-226921

と書いてありましたがこれもスイスで金融ライセンスを得ているという意味でしょう。

そこでこのFINMAのサイト (www.finma.ch/en/) にあるSearch register」のページAmazingtick Btcの登録を探してみましたが見つかりません。ちなみにクレディスイス (Credit Suisse)とかUBSといったスイスの大手金融機関の登録を同じページで探してみると当然ですが登録の確認をすることは出来ます。Amazingtick Btcが本当にスイスで金融機関登録を得ているかどうか極めて疑問です。

一方で所在地情報に戻ると以下にキャプを示したWho Is情報に断片的な情報が見えます。

赤枠に囲った部分を書き出します。

>Registrant State/Province: GUANGXI

>Registrant Country: CN

登録者の所在地が「GUANGXI, CN」となっているのですがこれは中国の広西チワン族自治区を意味するようです。さらに色枠で囲っていない部分にありますがドメインネームの登録を代行したのは「22NET, INC.」という業者でその業者のサイト (www.22.cn)は中国語のサイトであって所在地が中国の浙江省杭州市となっています。このAmazingtick Btcというサイトの運営元はとてもではありませんがスイスの会社であるとは思えません。

最初に引用したYahoo知恵袋の投稿には詐欺に遭ったという明確な回答がついていますし、これはやはり危険なサイトと考えざるを得ません。投資勧誘されても応じないことを強く推奨します。


●BIT Markets (ビットマーケッツ tatbit.com/)

●THSZSHOP (thszsc.com/)

●Mottcoin (モットコイン www.mottcoins.com/)

互いに明らかに似たサイトなのでまとめて検証します。最初のビットマーケッツはYahoo知恵袋に出てきた質問に登場した仮想通貨取引所のサイトです。残りの2つのサイト、THSZSHOPとモットコインはビットマーケッツのサイトにある画像を画像検索に掛けて見つけたサイトでビットマーケッツのサイトに非常に似ており、同じグループによるサイトの可能性が極めて濃いので検証対象にします。まずビットマーケッツを知ることになったYahoo知恵袋の質問から引用します。

この質問にある情報はこれだけでなぜこの質問をすることになったのかという経緯は誰かに紹介されたとあるだけで不明です。しかし信頼性を疑いたくなる状況であった可能性が高いものと思われます。

ともかくこの質問にあったURLアドレスからサイトにアクセスしてみました。まず以下が順にビットマーケットとTUBIEXのサイト冒頭部のキャプです。

表示言語の選択肢は英語、中国語、香港語、韓国語、日本語となっています。次いで画像検索で見つかってきた他の2つのサイトについてもサイトの冒頭部を示します。まずTHSZSHOPのサイト冒頭のキャプです。この部分の画像検索でTHSZSHOPのサイトが見つかったわけではないのですがビットマーケッツとTHSZSHOPのサイトは明らかに同じ画像を使っています。

さらにTHSZSHOPの表示言語の選択肢は英語、中国語、香港語、韓国語、日本語とビットマーケッツと全く同じです。上のキャプでは日本語表示を選択しているのですが中国語の表記が残っていることはこのサイトを運営しているのが中国系の人物であることを示唆しているように思います。

最後はモットコインのサイトの場合ですがこちらは上の2つのサイトとこの部分については全く似ていません。

しかし表示言語の選択肢は英語、中国語、香港語、韓国語、日本語と同じ5言語でプルダウンメニューに見える国旗型のアイコンなどは上の2つのサイトと全く同じに見えます。

3つのサイトが互いに似ているのは冒頭部だけではありません。以下はサイトの特長をイラスト付きで3項目にまとめて説明している部分の英語版の比較です。以下、順にビットマーケッツ、THSZSHOP、モットコインからのキャプを並べてあります。

言うまでもなく3つのサイトはキャプの範囲で全く同じに見えます。さらにこれに続くマルチプラットフォーム対応を説明する部分もキャプで比較してみます。以下、順にビットマーケッツ、THSZSHOP、モットコインのサイトからのキャプです。

ビットマーケッツのこの部分の画像 (パソコンとスマホの部分) を画像検索に掛けてTHSZSHOPとモットコインのサイトを見つけてきたので画像部分が似ているのは当然なのですが、キャプの右側に見えるテキスト部分まで3つのサイトは互いに酷似しています。最後のモットコインの場合のみ背景色が黒ではなく白になっているだけです。

次いで連絡先情報を探しましたが殆ど開示されてません。まずTHSZSHOPについては連絡先情報が全く見当たりません。ビットマーケッツとモットコインについては脚注にメールアドレスだけ記されていますが両方とも無料登録出来るgmailのアドレスです (以下のキャプ参照)。仮想通貨取引所の連絡先情報がこれだけというのは話になりません。

次に3つのサイトで取引されている仮想通貨のリストを見ておきます。以下に示した3つのキャプが左から順にビットマーケッツ、THSZSHOP、モットコインのサイトそれぞれで取引されている仮想通貨のリストです。

3つのリストを比較するとビットマーケッツで取引されているビットコイン (BTC)、イーサリアム (ETH)、イオス (EOS)、リップル (XRP)の4つのメジャーな仮想通貨は他の2つのサイトでも共通して取引されていることが分かります。

THSZSHOPではこの4種に加えてBitshares (ビットシェアーズ, BTS)yearn.finance (ヤーン・ファイナンス, YFI)、さらにTHRという3つの仮想通貨が取引リストに含まれています。このTHRについては仮想通貨データーベースのCoinMarketCapで調べるとThoreCoinという仮想通貨が出てきますが、相場が示されていないのでTHSZSHOPで上場されているのがThoreCoinなのかどうか確認出来ません。最後のモットコインのサイトではビットマーケッツで取引されている4種に加えてドージー (DOGE)、Bitshares (ビットシェアーズ, BTS)、ライトコイン (LTC)、ビットコインキャッシュ (BCH)と最後にMZCという略号の仮想通貨が取引されていることになっていますが、この最後のMZCについてはCoinMarketCapで該当する仮想通貨が見つかりません。モットコインのサイトにもこの仮想通貨に関する情報は見つかりませんし、モットコインのサイトではチャートを見るのにログインが必要な設定になっていてチャートを見ることも出来ません。モットコイン独自の仮想通貨なのかもしれません。ちなみにチャートを見るのにログインが必要なのは3つのサイトの中でモットコインだけです。

これら3つのサイトについては本項の最初に触れたようにYahoo知恵袋にビットマーケッツを紹介されたという投稿がある以外、勧誘されたとか出金出来なくなったといった証言は確認されていません。しかしいずれのサイトも連絡先情報が殆ど開示されていないなど怪しげな点があり、そもそもこれだけ互いに似ているサイトが存在しているということ自体で不審を感じざるを得ません。これらのサイトへの投資を勧誘されることがあっても応じないことを推奨します。


●COINB (コインB www.coinb.vip/web/index.html#/home)

これもYahoo知恵袋に出てきた質問投稿で知ることになった仮想通貨取引所のサイトです。立て続けに出てきた2件の質問投稿をまず引用します。いずれも投稿日は2020年10月31日です。

▼投稿1 (その後削除)

出会い系サイトで出会ったアジア系女性から仮想通貨投資を勧誘されたという経緯は「検証63」の冒頭でまとめた中国の詐欺グループによると思われる勧誘のパターンに合致しています。質問投稿に記されていたURLアドレス

>coinb.vip//web/reg/index.html?invit_code=〇〇〇〇〇〇〇

>※〇は数字

の最後の「invit_code=〇〇〇〇〇〇〇」の部分はアフィリエイターの登録IDのように見えます。詐欺グループの疑いが濃いサイトの設立に関与しているグループに対して勧誘役はアフィリエイト報酬だけを目当てに集まってきているグループ外の人間なのかもしれません。ともかくこのURLアドレスからたどって表題にURLアドレスを記したトップページを見つけてきました。以下がそのトップページの冒頭部分のキャプです。

表示言語の選択肢は英語、日本語、韓国語、スペイン語、香港語の5つです。サイト冒頭は「検証63」以降で検証してきた一連の中国の詐欺グループによると思われるサイトに特に似ているような印象はありません。さらにこの冒頭部に続いてはサイトの特長をイラスト付きで3項目にまとめて説明している部分とかマルチプラットフォーム対応を説明する部分が出てくるのですがこれらの部分についてもこれまでに確認されているサイトと特に似ているような印象はありません (以下のキャプ参照)。

次に連絡先情報を探しましたが殆ど開示されていません。以下は脚注部分のキャプですが右下にメールアドレスだけ書かれています。

しかし書かれているメールアドレス

>COINB@gmail.com

はまたしても無料登録できるgmailのアドレスです。仮想通貨取引所の連絡先がフリーメールだけというのは有り得ません。さらに連絡先やサイトの開設日に関する情報を求めてサーバー情報やWho Is情報を探しましたが完全に秘匿されているようです。どうして開示出来ないのか不審を感じざるを得ません。

gmailのメールアドレス以外にはAbout Usの項目に所在地に関するような断片的な記述があります。冒頭部のキャプを以下に示します。

活字が小さくて読みにくいので以下に記載内容を書き出します。

>The starting capital of coinb exchange is US $30 million. It is planned to be established in June 2019. The founding team is established by senior trading teams of Canada and Wall Street's top quantitative institutions, and its headquarters are in the United States. Coinb mainly provides safe, professional and convenient digital asset services for the world. At present, it has obtained the US MSB futures contract trading license. 

コインBは2019年6月に資本金3000万ドルで設立され、設立チームはカナダの上級貿易チームとウォール街出身者で構成されており、本社は米国にあるといったことが書いてあります。 さらに米国のMSB先物契約取引ライセンスを取得しているとも書いてあります。しかしアメリカにあるという本社の具体的な住所とか電話番号については一切開示されていません。そこでアメリカのMSB先物契約取引ライセンスについて確認を試みました。まずアメリカのMSB先物取引ライセンスというものについて検索してみるとMSBはMoney Services Business (金融サービス事業) の略であり、アメリカのFinancial Crimes Enforcement Network (FinCEN www.fincen.gov/index.php/) という機関が与えているものであることが判明しました。日本に置き換えると金融庁による金融商品取引業者の登録制度のようなものと思われます。とにかくFinCENのサイトでコインBがMSBライセンスを保有していることを確認しようとして以下のキャプに示したMSB Registrant Search (登録情報検索)のページに行き着き、COINBの登録を検索してみました。

コインBのサイトには登録番号のような情報が何もないので「CoinB」を検索窓に入れて検索するよりないのですが結論としてはコインBの登録は確認出来ません。代わりに例えばcoinbase (コインベース www.coinbase.com/)というアメリカの大手仮想通貨交換業者の登録は確認することが出来ました。どうしてコインBの登録が確認出来ないのか全く分かりません。ライセンスが確認出来ない以上、コインBに遭った記述を信用する気になりません。

次にコインBで取引されている仮想通貨のリストについて触れておきます。以下のキャプの左端にコインBで取引されている仮想通貨のリストが見えます、

ビットコイン (BTC)、イーサリアム (ETH)、リップル (XRP)、ライトコイン (LTC)、イオス (EOS)の5つまではメジャーな仮想通貨ですが、BTZ、ASK、CCBT、WBT、ZNBCの5つについては仮想通貨データーベースのCoinMarketCapで探しても情報が見つかりません。厳密に言えば略号が一致するものがある場合もあるのですが相場水準が全く異なるので全く別の仮想通貨としか思えません。しかしこれらの謎の仮想通貨に関する説明は見当たりませんし、チャートを見ようとすると右のキャプに示したログインを要求する画面が出てきてチャートを見ることが出来ません。ログインせずに見ることが出来るのは上のキャプに見えるビットコインのチャートだけでそれ以外の9種類についてはログインしないとチャートが出てこない設定になっているようです。何故こうした設定になっているのか全く分かりません。

総合的に判断してコインBは信頼出来るサイトとは思えません。勧誘されても応じないことを推奨します。