検証43

このページでは以下を検証します。

●OSA DC [OSA Token (OSAトークン)] (osadc.io/jptoken.osadc.io/jp/)

●World Friendship Coin (ワールドフレンドシップコイン www.worldfriendshipcoin.com/japanese)

●ベンチマーク株式会社 (xn--pck9a3dva7h8b.jp/index.html)

●Bit Point Global (ビットポイントグローバル www.bitpoint.hk/)


まずOSAトークンというアルトコインの検証から始めます。

●OSA DC [OSA Token (OSAトークン)] (osadc.io/jptoken.osadc.io/jp/)

OSA DCという運営元の名称のOSAは公式サイトのよくある質問の筆頭にあるトークン名の説明 (右のキャプ参照)にあるようにOptimal Shelf Availability (在庫管理最適化)の頭文字を並べたもののようです。DCはDecentralized (分散管理)の意味でしょう。OSAトークンは小売業における在庫管理を最適化出来る機能を持つ仮想通貨ということのようです。

そしてこの案件はYoutubeに以下に示すような勧誘動画が上がっているのを見て検証対象とすることにしました。

【仮想通貨】2018年5月有望なICO案件!OSAコインについて

投稿者:仮想通貨爆上げチャンネル/やっさん

公開日:2018/4/29

【仮想通貨】小売業を救うプロジェクト「OSA(オサ)」ミートアップ

投稿者:仮想通貨爆上げチャンネル/阿部悠人

公開日:2018/5/1

仮想通貨】10倍20倍も狙える!今激アツのICO案件!OSAとは!?

投稿者:こうじ

公開日:2018/8/9

これ以外にyoutubeには「OSA DC 公式チャンネル」というものがあり、現時点で15本の勧誘動画がアップされています。この公式チャンネルにアップされている動画の一部については以下で触れることにします。

「仮想通貨爆上げチャンネル/阿部悠人」という投稿者による2番目の動画は英語で話す演者が日本語通訳付きで話す様子を記録したものです。演者が冒頭で日本に来られて嬉しいと話しているので日本で行われた勧誘セミナーと思われます。

勧誘ブログもかなりの数が存在するようです。

脱サラして社長になった20代の僕が思うこと・・・ 大注目のロシア系ICO『OSA』AIとブロックチェーンを掛け合わせた小売業界の革命!ウォルマートの副社長が関わっている期待大のプロジェクト。

投稿日:2018/5/23

Coin Party OSAトークンとは? 小売業界に革命を起こす注目サービスの特徴、書い方、今後の動きを総まとめ!

投稿日:2018/7/5

ゼロからはじめるビットコイン 【ICO】OSA|小売の効率化で55兆円を削減!トークンの購入方法まで徹底解説

投稿日:2018/7/7 改定日:2018/7/9

ゴリゴリわかる仮想通貨 【仮想通貨OSA】小売ICO|最新技術を総動員して55兆円コストダウンする有望プラットフォーム

投稿日:2018/7/10 改定日:2018/7/27

CryptoDays 【ICO】仮想通貨OSAトークンとは?価格やプレセールの参加方法は?特徴と将来性を解説!

投稿日: 2018/7/19 改定日 2018/8/6

たそがれの仮想通貨女子 OSA!!小売業大好き女が調べてみた小売に.まつわるプロジェクトだぞ

投稿日:2018/7/20

仮想通貨でノマドワーカー OSAトークンとは?小売業を最適化し55兆円のコスト削減を目指すプラットフォーム

投稿日:2018/7/23

日本語化工房 【ICO】OSA Decentlized:小売のロスを効果的に減らす消費者にお得なトークンエコノミープロジェクト

投稿日:2018/8/14

これらの勧誘ブログの多く(最初の6つ)には共通して以下の様なURLアドレス (アフィリエイターのID部分を伏字)のアフィリエイトリンクが設けられています。

https://token.osadc.io/jp/?referral=●●●●●●

明らかにアフィリエイト報酬目的のブログと考えられます。

さらにTwitterには【公式】OSA DC 日本語版というアカウントが存在しています。アカウントの登録日は2018年5月になっています。さらに「OSA【公式】のTwitter URL」を自称するOSAコイン推し@仮想通貨というアカウントもあります。

これらのアカウントからの投稿によれば日本国内でOSAトークンの勧誘が積極的に行われていたようです。例えば2018年8月4日に横浜でミートアップと称する講演会(?)が開かれていたようですし、上のキャプに見えるように2018年8月10日にはOSA DCビジネス開発リーダー・夏井裕喜という人物によるYoutube Liveが行われていたようです。このYoutube Liveの様子は上で紹介したYoutubeの「OSA DC 公式チャンネル」に録画としてアップされているようです。ちなみにその録画動画のタイトルは「Прямая трансляция пользователя OSA DC Japan 公式チャンネル」となっています。タイトルの前半部分はロシア語と思われたのでGoogle翻訳で日本語に訳してみると「ユーザーのライブウェブキャスト」という訳になります。またこの動画 (冒頭の6分ほどはおそらく何かの手違いで無言の時間が続きます)を見ていくと19分付近で以下の様な発言が出てきます。

>我々のサービスはロシア、モスクワをベースに展開されています。

動画のタイトルが一部、ロシア語になっていることと併せ、この案件はおそらくロシア発ということになると思われます。

さらにこのYoutube Liveをやっていた夏井という人物は2018年6月26~27日に東京国際フォーラムで開かれていたJAPAN BLOCKCHAIN COFERENCEという催しで講演を行っていたようです。この催しの公式サイトにある6月26日の日程の中に右のキャプに示したように夏井某と思われる名前があって講演タイトルは「OSA Decentralized AI AND BLOCKCHAIN IN RETAIL」となっています。

要するに日本国内に向けてかなり盛んに勧誘活動が行われてきていることが確認されます。日本をかなり重要な資金調達先と位置づけているのは確実でしょう。

しかしこの項目の表題の公式サイトには日本で盛んに勧誘が行われている事実と矛盾するような記述があります。具体的にはこの項目の表題の公式サイトは日本語での表示が可能ですが、アクセスすると以下のキャプの様な表示が出ます。日本在住者からの投資は受付けていないように解釈されますが、既に書いたように公式サイトが日本語表示が可能であるだけでなく、ホワイトペーパーなども日本語版が用意されており、Twitterには日本語版専用アカウント、そして日本で勧誘セミナーまで行われているのですから日本の居住者からの投資を受け入れていないような記述は事実に明らかに反しています。

何故明らかに事実に反した記述があるのか考えてみましたが日本の金融庁の規制を避ける為だけに公式サイトにこうした表示を出しているだけとしか解釈出来ません。言うまでもないかもしれませんがこの案件では仮想通貨交換業者の登録が得られているとは思えません。

とにかく公式サイトやホワイトペーパーなどの検証を進めることにします。まず例によって連絡先情報を探しましたが、殆ど情報がありません。そもそもそ公式サイトにもホワイトペーパーのペーパーにも会社情報みたいな項目が存在しないのです。唯一公式サイトの「よくある質問」の項目に連絡先情報に関して断片的な情報が幾つかあります。連絡先情報に関係する「よくある質問」の項目を以下に抜粋します。

まず「お問い合わせ先」という項目に回答として書かれているのはメールアドレスが1つだけです。これは話になりません。次の「OSA DCはどこにありますか?」という質問への回答はアメリカ、ロシア、ウクライナ、韓国、イスラエルとなっていますがモスクワ、ソウルなど都市の名前が書いてあるだけでそれ以上の情報はありません。その他に中国と日本に拠点を構築していますとありますがやはり連絡先情報は皆無です。最後に「アメリカ国内の所在地はどこですか?」という質問に対してようやく具体的な住所が出てきましたが、電話番号はなく、さらにこのカリフォルニアの住所 (68 Willow Road Menlo Park, CA 94025)を調べるとBootUPというコワーキングスペースの住所に一致することが判明しました。

何度も書いていますが、仮想通貨の発行元となれば投資家の個人情報などを絶対に流出させるべきではない機密情報を扱わなければなりませんからコワーキングスペース/シェアオフィスで事業を行うなどおよそ有り得ないことだと思います。またこの案件ではロシアあるいはロシア語を話す国の人たちが事業の中心になっているのではないかと思われることなど考えるとこの唯一の住所に本当にこの案件の運営元が存在するかどうか疑問を感じざるを得ません。そもそもどうして少なくとも5カ国に存在するという運営拠点の連絡先情報を全部明らかに出来ないのでしょうか?何故電話番号が1つもないのでしょうか?情報開示は極めて不適切と判断せざるを得ません。

ビジネスモデルについても触れておきます。この項目の冒頭でも触れたようにOSAという仮想通貨の名称はOptimal Shelf Availability (在庫管理最適化)の頭文字を取ったものであり、この仮想通貨を使うことによって小売業における在庫管理が常に適切化されて賞味期限切れなどによる商品の廃棄や在庫切れによる機会逸失を防いで経済性と無駄を省くことを同時に実現するという触れ込みになっているようです。以下は日本語版ホワイトペーパーの冒頭部ですが、小売業界全体の効率化に貢献するといったことが書いてあります。

確かに在庫管理の適切化は小売業界において重要なことなのでしょうが、ホワイトペーパーや公式サイトを読んでいてかなりの違和感があります。まず在庫管理システムと仮想通貨が繋がっていることの必然性が全く分かりません。在庫管理と決済手段がどうして別ではいけないのか理解出来ません。また小売業の在庫管理の話をしていたはずなのに提携企業のリストに出てくるのは多くが小売業ではなく、メーカー(製造業)です。例えば以下はCryptoDaysという勧誘ブログに出てくる提携企業のリストですが

例えば提携先として筆頭に挙がっているJT (日本たばこ)はどう考えても小売業者ではなく製造業ですし、ヨーグルトで有名なDANONE (ダノン)、PEPSICO (ペプシコ)、Coca-Cola (コカ・コーラ)などもどう考えても小売業ではなく製造業です。あまり見慣れない企業ロゴについても調べてみましたが、EFES (エフェス)はトルコのビールを主力とする飲料会社、Sun InBevはバドワイザーなどを傘下に置くビール会社のアンハイザー・ブッシュ・インベブの系列企業、MARSはチョコレート会社であり、いずれも小売業ではなく食品関係の製造業です。この提携企業リストにある中では残りのMAGNITMETROX5RETAIL GROUPDIXYの4社だけが小売あるいは卸売業者のようです。ちなみにこの4社の内、METROを除く3社はロシアの小売業者です。この案件でロシアが重要な事業の拠点とされていることと矛盾しません。

とにかくこの案件は小売業界における在庫管理の適切化のプロジェクトのはずなのにむしろ食品関係の製造業者が多く提携先とされている点にかなりの違和感があります。製造業者でも在庫管理は小売業ほどではないにしろそれなりに重要ということなのかもしれませんが、特にコカ・コーラのような飲料会社では商品の賞味期限が結構長いはずですから賞味期限切れに伴う商品の廃棄問題などが大きな問題になるような気がしません。また在庫管理のシステムに仮想通貨とかブロックチェーン技術が必要なのかあるいはブロックチェーン技術を使って在庫管理を行うことに何らかの利点があるのか相変らず全く理解出来ません。ブロックチェーンによる帳簿管理は改竄が困難であるという利点はあっても管理(マイニング)には相当の計算能力が必要なのですから在庫管理にブロックチェーンを使う意味があるのか極めて疑問です。

またこれらの企業とOSA DCが本当に業務提携しているのか検索してみましたが調べた限りで情報が出てきません。ロシアの企業はロシア語で発表があっても分からないので例えばアメリカの企業であるコカ・コーラについてOSA DCと提携したという企業の発表や報道があるかどうか確認しようとしましたが見つかるのはOSA DC側からの情報だけです。同様に日本たばこやペプシコ(ペプシコーラ)についてもOSA DCとの業務提携に関する企業側の発表や報道を探そうとしましたがやはり出てきません。検索で見つからないからと言って絶対に業務提携が行われていないとは断言出来ませんがやはり違和感を感じざるを得ません。

さらに上で引用した業務提携先のリストには含まれていませんが、正解最大の小売業者として知られるアメリカのウォルマート社の副社長を名乗るDon Swannという人物がOSA DC社の在庫管理システムを取り入れていると発言する動画がOSA DC JAPAN公式チャンネルにアップされています。この動画の投稿日は2018年8月5日です。以下はその動画のキャプですが、この動画でOSA DCの在庫管理システムを高く評価しているDon Swann氏の肩書はRetail Industry Adviser, Vice President, Wallmartとなっています。

上で引用した勧誘ブログの1つでもサブタイトルに「ウォルマートの副社長が関わっている期待大のプロジェクト。」という文言が含まれているものがあります。しかしこのDon Swannという人物については疑問があります。この人物が本当にウォルマートの副社長(Vice President)であることを確認しようとしてウォルマート社の公式サイトにある役員名簿の項目を見ましたがDon Swannという人物は見当たりません。Don Swann氏を副社長とする動画がアップされたのがつい最近なのにどうして名前がないのか理解出来ません。ちなみにウォルマートの公式サイトの役員名簿には「Vice President」という肩書の付く人が37人いるようですがExecutive Vice Presidentが27人、Senior Vice Presidentが10人で単に「Vice President」という肩書の人は1人もいません。Don Swannという人物は少なくともウォルマート本社の副社長ではないと考えざるを得ません。またDon Swannという名前とWalmartで検索してもこの人物がウォルマートで副社長をやっていたという証拠みたいなものは見つかりません。Don Swann氏は例えばウォルマート本社ではなく、海外法人とか子会社の副社長、あるいはかつては副社長だった人物なのかもしれませんがそうだとすれば誤解のないように肩書をきちんと書くべきでしょう。このサイトの一連の検証では政府関係者とか大企業の幹部などの名前を勝手に語っているのではないかと思われる事例が多数登場していますが、この件についても同様に大企業の名を勝手に語っているのではないかと疑いたくなるのです。

総合的に判断してこの案件には信用度でもビジネスモデルでも疑問が非常に多く、投資は推奨出来ないという結論にならざるを得ません。

●World Friendship Coin (ワールドフレンドシップコイン www.worldfriendshipcoin.com/japanese)

Yahoo知恵袋にこの案件に関する質問が出ていたので検証してみることにしました。

検索して見つかってきた表題の公式サイトを見ると既にICOは終了しましたと書いてありますが、最初に引用した知恵袋の質問ではその後も勧誘が続いているようでもあります。

そもそもこの公式サイトにはコインの購入申し込み方法など何も書かれていないようですし、支払い方法とか最低購入単位とか通常のICOのサイトならば必ず記されているような情報が何もありません。ホワイトペーパーがあるので一応眺めてみましたが購入方法などに関する情報はやはり非常に乏しいです。これまで検証対象としてきたホワイトペーパーは50ページ以上でも普通ですが、この案件のホワイトペーパーは19ページしかない上に肝心な情報が欠けているのです。最後の部分に一応ICOという項目がありますが情報は非常に限られています。以下にホワイトペーパーから一部抜粋します。

まずワールドフレンドシップコインはイーサリアムのシステムを使って発行された仮想通貨であると書いてあります。この点に関しては後に再度取り上げます。そしてこのホワイトペーパーにも最低購入単位とかソフトキャップとかICOならば必ず記されているような情報が欠けているだけでなく、具体的な申込み手段などに関する情報も全く見当たりません。集めた資金の使い道についても上のキャプにあるように「開発費用のほか、マーケッティング費用などに当てられます」とあるだけであまりにも粗雑な印象があります。開発費用とは何の開発なんでしょうか?ホワイトペーパーにはダイヤモンド鉱山のことが延々と書いてあるのですが鉱山の開発費用なんでしょうか?それとも仮想通貨の決済システムの開発の件なんでしょうか?

公式サイトからはICOが終了してしまったから購入方法などに関する情報が削除されたのかもしれませんが、ホワイトペーパーの情報も非常に限られていることに関しては非常に違和感があります。そして仮に知恵袋の質問にあるように今でも購入の勧誘が続いているのだとしたら運営元とは関係のない誰かが勝手に売っているのでしょうか?

あるべき記述が見当たらないのは連絡先情報も同じです。公式サイトとホワイトペーパーを見ても連絡先情報らしきものが殆どありません。唯一の連絡先情報は公式サイトの一番下にあるメールアドレスだけだと思われます。これは話しになりません。

また公式サイトにはTHE TEAM (運営陣)として3人の名前と写真が挙げられていますがいずれにもRole (役割)がPartner of World Friendship Ltd.となっています。直訳すればワールドフレンドシップ社を主導どうする立場というよりも協力者といったことになるように思います。この3名が主導的な立場ではないのだとしたら運営の中核を担っているのは誰なのかという疑問が当然生じます。責任の所在が曖昧であり、情報開示として著しく不適切と感じます。

そしてこれら3名について調べてみるとそれぞれについてSNSのアカウントが見つかります。例えば最初のNobuhito Nieda氏について検索するとオフィシャルサイトとかSNSのアカウントが見つかります。

仁戸田 信人 Official Site (開設日:2018年1月26日)

仁戸田信人 Twitterアカウント (登録日:2018年1月)

Nobuhito Nieda Linked Inアカウント

Twitterアカウントのプロフィールにある写真(右のキャプ)とワールドフレンドシップコインのサイトにある写真を見比べると同一人物で矛盾はないように思います。

同様に他の2名についてもSNSのアカウントなどが見つかります。これらについてもプロフィール写真などからワールドフレンドシップコインのサイトにTeamのメンバーとして挙がっている人物と同一人物と思われます。

Samuel Bourque Twitterアカウント

しかしこれら3名のアカウントなどを見てもワールドフレンドシップコインに関する記述は全く出てきません。例えばAlexander Maruyama氏のインスタグラムアカウントのプロフィールにはマイニングなど仮想通貨に関係した部分があります。

>Alex Maruyama

>Cryptocurrency Mining / Asset Management firm, ICO turnkey biz, real estate, headhunter, consultant. Traveller, Toys: DJI Mavic Pro drone, GoPro hero5

「ICO turnkey biz」の意味がよく分かりませんが、ICOのセットアップ業務的なことでしょうか?さらにブロックチェーンの会議に出席する為にラスベガスに来たという投稿などもありますがワールドフレンドシップコインという案件名は出てきません。

同様にSamuel Bourque氏のTwitterアカウントを見ても仮想通貨関連の投稿があるのは確認出来ますが、そもそも2018年に入っての投稿は1件のみ、それ以前は2015年2月のマイニングファーム関連の投稿です。ワールドフレンドシップコインに関する投稿は確認出来ません。

最も違和感があるのは仁戸田氏の名前を検索して出てきたSNSアカウントです。仁戸田信人氏のTwitterアカウントからの投稿には政治がらみの意見表明的な投稿が多く、仮想通貨関係の投稿は少ない上に例えば右のキャプに示した投稿(投稿日は2018年3月6日)など見る限り、仁戸田氏は仮想通貨に関してかなり否定的な見解を持っているように思われます。こんな否定的な見解の持ち主がワールドフレンドシップコインのICOを主導するなど矛盾があるように思われます。本当にこれらTeamのメンバーとされている人物たちがワールドフレンドシップコインのICOで重要な役割を担っているのか疑問を感じます。

そして3名の肩書が揃ってPartner of World Friendship Ltd.となっていたことから、「World Friendship Ltd.」を探してみましたが、国税庁のサイト法人番号公表サイトで英文の「World Friendship」では該当がなく、カタカナの「ワールドフレンドシップ」での該当も以下の2件のみです。

▼株式会社ワールドフレンドシップ (法人番号:1130001039049)

住所:京都府城陽市

▼特定非営利活動法人ワールド・フレンドシップ・センター (法人番号: 3240005003384)

住所:広島県広島市

広島市の特定非営利活動法人については公式サイトが確認出来ますが、仮想通貨と関係しているとは思えません。京都の株式会社については公式サイトも見つからず、情報が乏しいですが法人登録は2015年10月5日より前ですからこの案件と関係している可能性は低いように思います。さらに台湾の台北市にWorld Friendship Company, Ltd.という企業が存在するようですがBloombergの情報によればこれはレクリエーション用車両に関連する会社、おそらく部品などを供給する会社のようです。仮想通貨に関係しているとは思えません。

ビジネスモデルについてもダイヤモンドの採掘とかマイニング事業を行うといったことがホワイトペーパーに書いてありますが実際にダイヤモンドの採掘事業が行われているのか確認が難しいですし、仮想通貨を名乗るならばワールドフレンドシップコインを決済手段として普及させることとダイヤモンドの採掘といった営利事業とは全く別のことでしょう。何やら焦点が定まっておらず、仮想通貨の事業計画として強い違和感があります。またワールドフレンドシップコインという名称や公式サイトの冒頭に掲げられた子供の写真は何を意味しているのでしょうか?ダイヤモンドの採掘や仮想通貨とどういう関係があるのでしょうか?慈善事業的な色合いで何かをごまかそうとしているような気がしてなりません。

それから先に一部引用したホワイトペーパーにも出てきましたけど公式サイトには以下のキャプに示すようにワールドフレンドシップコインはイーサリアム上に構築されているとあります。(「将軍プラットフォーム」の意味がよく分かりませんがGENERALの誤訳でしょうか?)

そこでイーサリアムベースのトークンの状況を確認出来るEtherscan (etherscan.io/tokens)というサイトでワールドフレンドシップコインを確認しようとしましたが、現時点で確認出来ません。既にICOが終了している状況で何故確認出来ないのか理解出来かねます。

そして検証の最後になって気が付きましたが、Yahoo知恵袋にこの件についての被害報告が出ているようです。投稿日は2018年7月10日です。

ここでワールドフレンドシップコインとテキシアジャパンの関連がどういう根拠から出てきているのかも分かりませんが、同様にこの2つが同一グループによるものであるというネット上の記述は他にもあるようです。どうやら勧誘を行っている人物が同じであるということのようです。

ワールドフレンドシップコインは詐欺 (投稿日:2018年7月25日)

そしてテキシアジャパンについてはYahoo知恵袋に月利3%といった有り得ない高利回りで勧誘された、友人が既に投資してしまったといった投稿が多数出ています。

2015年10月20日

2015年10月29日

2016年4月6日

2016年11月12日

2017年2月10日

2017年2月26日

2017年6月30日

2017年6月の投稿では配当が滞りつつあるとありますから金融商品取引業者の登録も無しに高利回りを約束してネズミ講方式で勧誘を拡大し、自転車操業を行った挙句に破綻させるという単純なポンジースキームの詐欺の可能性が強く疑われます。そしてこのテキシアジャパンの公式サイト (http://texsearjapanholdings.com/)は既に閉鎖されているようですし、内容は確認していませんが、テキシアジャパン被害者の会というサイトも存在しているようです。

この案件については会社の基本的な情報さえ開示されていないなど信用度は高く評価出来ませんし、公式サイトやホワイトペーパーに書かれている事業計画などには強い違和感が感じられる点が多数あります。事業計画などに関する記述は粗雑としか思えません。さらには被害報告まで出ているとあればもはや論外です。投資は全く推奨出来ません。


※付記1

テキシアジャパンについては2019年2月に詐欺の疑いで10人の逮捕者を出る事件となりました。投資の実態は存在せず「毎月3%配当」という架空の投資話で1万3000人から460億円を集めていたと報道されています。

「毎月3%配当」架空の話で詐欺容疑 460億円集金か (朝日新聞 2019年2月13日)

460億円集金か 詐欺容疑で投資会社幹部ら逮捕、愛知県警 (日本経済新聞 2019年2月13日)

続報で逮捕された10人の中に元岡山県警警察官や指定暴力団山口組弘道会系組織幹部もいたことが報じられています。

テキシア投資詐欺事件 銅子会長ら10人再逮捕へ (毎日新聞 2019年3月5日)


さらに出資してしまった人たちへの説明会では負債を仮想通貨の形で返済するといった説明がなされたようです。そしてこの仮想通貨というのがワールドフレンドシップコインだそうです。

弁済計画に不安の声 テキシア、大阪で説明会 (日本経済新聞 2019年2月21日)

>弁済に充てるとした仮想通貨は、東京都港区のコンサルティング会社が発行する「ワールドフレンドシップコイン」(WFC)。だが説明会では、WFCのレートやリスクなどは示されず、資料も配布されなかった。

会員に仮想通貨で被害弁済を提案 テキシア、警察へ相談防ぐ狙いか (福井新聞 2019年2月16日)

>同社関係者によると、仮想通貨は東京都港区のコンサルティング会社が発行する「ワールドフレンドシップコイン」(WFC)。西アフリカのシエラレオネ産ダイヤモンドの原石を通貨価値の担保とし、19年2月までに香港やシンガポールなど五つの取引所に上場したとしている。

テキシア詐欺弁済、仮想通貨を説明~発行会社が福井で、出資者ら参加 (福井新聞 2019年3月17日)

>説明に立ったコンサルティング会社社長は「テキシア社とは無関係」と強調した上で、WFCについて「通貨恐慌が起こったとしてもダイヤの原石と換えられる」「必ず高くなる」などと述べた。リスクに関する言及はなかった。

>ただ、この仮想通貨については「現在、ほとんど価値がなく、被害がさらに拡大する恐れがある」と指摘する専門家もいる。

やはりワールドフレンドシップコインとテキシアジャパンには何らかの組織的繋がりがあると思われます。テキシアジャパンが詐欺の疑いで摘発されたとなれば当然ワールドフレンドシップコインについても極めて信頼性は低いと考えざるを得ません。そして上の2019年2月16日付の福井新聞の記事によればワールドフレンドシップコインの発行元は東京港区のコンサルティング会社となっています。このコンサルティング会社について調べるとアクセスジャーナルというあまり聞いたことのないサイトに関係すると思われる以下の2つの記事を見つけました。それぞれの記事のタイトルと記事の一部のキャプを以下に示します。

「積水ハウス」主犯も関与ーー投資詐欺疑惑会社テキシアのアリバイとしての仮想通貨「WFC」 (アクセスジャーナル 2018年11月10日)

2つ目の記事によればこのワールドフレンドシップコインの発行元はインバウンドプラスとなっています。但しインバウンドプラスの代表はテキシアジャパンとの関係は否定していて、信じ難いですが被害者救済の為にワールドフレンドシップコインを無料配布するという立場のようです。

>インバウンドプラスサポートセンター

>080(3173)2580、070(1773)7825 / FAX03(4586)7250

ここには所在地が記されていないので法人登録を探すと確かに東京都港区にインバウンドプラスの法人登録を確認しました。

しかしこのインバウンドプラスという会社の公式サイトを検索しても全く出てきません。仮想通貨の発行元である企業が公式サイトを持たないということがあるのでしょうか?またインバウンドプラスがワールドフレンドシップコインの発行元であるなら何故その事実を表に出さずに適切な情報開示を怠っているのでしょうか?さらにインバウンドプラスがテキシアジャパンと無関係という主張は真実なのでしょうか?疑問だらけであることは確かです。

さらにアクセスジャーナルの記事に登場した「インバウンドプラス」の紙屋道雄代表という人物について検索してみると何やら怪しげな記事が幾つか出てきます。例えば以下のキャプはFACTA ONLINEというこれもあまり聞いたことのないサイトにあった2012年の記事の抜粋ですがセイクレストという不動産会社の経営破綻に際して暗躍した人物の1人として紙屋道雄という人物が登場しており、しかもこの紙屋という人物は以前に丸石自転車の架空増資事件で逮捕された経歴があるとなっています。紙屋道雄という名前はかなり珍しい名前としか思えず、同姓同名の別人とは考え難いように思います。

この紙屋という人物については聞いたことのないサイトからの記事にしか情報が確認出来ないので100%信じてよいかどうか確信は持てませんが、こうした怪しげな人物が本当にワールドフレンドシップコインの発行に主導的な役割を果たしているのだとすればこれはいよいよ信頼性を高く評価することは難しいと考えざるを得ません。

結論として新たな情報を加えてもワールドフレンドシップコインへの投資はやはり到底推奨出来ませんし、テキシアジャパンの被害者が被害弁済としてワールドフレンドシップコインを受け入れることも個人的意見として全く推奨出来ないという結論にならざるを得ません。


※付記2

2019年10月にも現代ビジネスという雑誌のサイトに以下のオンライン記事が出ていました。この記事にも紙屋道雄という人物の名前が出てきます。

またワールドフレンドシップコインの発行元であるインバウンドプラス社の法人登録を再確認したところ、2019年6月に社名を株式会社WFCに変更し、さらに渋谷区恵比寿に転居していることが分かりました。

法人登録情報で公開されている2017年10月以降で社名変更は2回目、転居は3回目です。頻繁に社名変更したり、転居する法人には正直言ってよい印象を持ちません。


※付記3

この件が詐欺事件として摘発されてインバウンド社の紙屋道雄元代表ら7人が逮捕されたようで2021年9月8日に一斉に記事が出ています。記事によればやはりテキシアの被害者救済を装ってワールドフレンドシップコインへの投資を勧誘していたようでワールドフレンドシップコインは換金出来ないようです。

8.7億円集金か 仮想通貨の無登録販売容疑で会社の元代表ら逮捕 (2021年9月8日 東京新聞)


●ベンチマーク株式会社 (xn--pck9a3dva7h8b.jp/index.html)

これもYahoo知恵袋の2つの投稿から検証することにした案件です。検証のきっかけになった投稿の1つ目は以下の様なものです。少し長いですが引用します。

およそ有り得ない14.4%という年利回りを提示して実際には100万円が10日で消えたというのですからこれが事実ならば話になりません。2つ目の投稿は投稿者により削除されたようで残っていませんが

>大阪と福岡にあるベンチマーク株式会社はビットコインの取引所にもなっている

ということで調べてみました。検索すると表題のサイトが引っかかってきましたが、サイトにある情報は極めて乏しいです。以下のキャプは表題のサイトのメニュー部分です。

まずビットコインの取引所になっているのかどうか記述を探すとメニューの中にある「取り扱いサービス」という項目でベンチマーク社が提供しているサービスが列挙されている最後にそれらしき項目がありました。提供しているサービスとして挙がっているのは以下の項目です。

▼太陽光発電システム

▼光回線訪問勧奨事業

▼エネルギーマネジメント

▼ホームオートメーション

▼ビットコインCFD取引

太陽光発電システムの営業販売とか光回線訪問勧奨とか金融や投資とは無関係で雑多な事業の最後に突然「ビットコインCFD取引」という項目が出てきます。この項目の記述は以下のキャプにあるのみです。

どうやらビットコインの現物取引ではなくCFD (差金決済取引)、すなわちビットコインを対象にしたFX取引のようなものを扱っているようです。これは確かに最初の知恵袋への投稿にあった「ビットコインのFX」という文言と一致するものです。

さらに下のキャプに示した会社案内という項目にも少しばかり関連すると思われる記述があります。まず連絡先情報が書かれています。

>社名 ベンチマーク株式会社

>代表者 松本 哲朗

>本社所在地 〒541-0057 大阪市中央区北久宝寺町1-9-6

>TEL. 06-4705-9411

>FAX. 06-4705-9410

>福岡オフィス 〒810-0042 福岡市中央区赤坂1-6-15

>TEL. 092-718-8031

>FAX. 092-718-7988

>設立 2010年11月25日

>取引銀行 三菱東京UFJ銀行

会社の所在地は大阪に本社、福岡に福岡オフィスとなっており、大阪の住所で法人登録も確認されます。法人登録を見ると4ヵ月ほどの間に福岡→大阪→大阪と2回も引っ越ししていることが若干気になりますけど特に問題は見当たりません。

会社案内の中でビットコイン取引に関与すると思われる部分は最後の「カバー先業者」という部分です。

>カバー先業者 BIT POINT GLOBAL

China Resources Building No. 26 Harbour Road, Wan Chai, Hong Kong

BIT POINT GLOBAL(ビットポイント・グローバル)は調べてみると仮想通貨交換業者の一つ、株式会社ビットポイントジャパンが香港に設立した海外法人のようです。このビットポイント・グローバルについてはそもそも何故ビットポイントジャパンが香港に海外法人を設立したのか理解しかねる点があるように思いますが、以下で別に検証してあります。ここで違和感を感じるのは何故国内の登録がある仮想通貨交換業者と取引せずにわざわざ海外法人と取引しているのかという点です。またカバー先業者という表現にはかなり違和感があります。仮想通貨交換業者をカバー先に使うということは仮想通貨交換業者的な業務をやっているようにしか聞こえません。

一体、このベンチマーク社はビットコインのどんな取引をやっているのでしょうか?

仮にカバー先という言葉から推定されるビットコインの売買仲介をやっているのならば仮想通貨交換業者の登録が必要なので違法性(資金決済法違反?)が疑われます。一応金融庁が公表している仮想通貨交換業者の登録リストなど確認しましたがベンチマーク社は登録業者ではありませんし、登録未決のみなし業者でもありません。しかし現物取引は扱わずに仮想通貨のCFD取引だけなら仮想通貨の法的な扱いが曖昧なままである現時点においてはセーフなのかもしれません。

一方で仮想通貨交換業ではなく、最初に引用した知恵袋の投稿内容からはむしろベンチマーク社は投資家からリターンを約束して投資名目で資金を集め、これを運用する投資信託とか一任勘定的な業務を行っていてその取引先がビットポイント・グローバルであるという意味でカバー先という言葉を使っているのならば資金決済法違反とはならないでしょうけど今度はまた別の疑問が生じます。すなわち出資法(正式名称は「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」)に抵触の疑いがあるのではないかと思われます。出資法の第一条、第二条は以下の様になっています。

>(出資金の受入の制限)

>第一条 何人も、不特定且つ多数の者に対し、後日出資の払いもどしとして出資金の全額若しくはこれをこえる金額に相当する金銭を支払うべき旨を明示し、又は暗黙のうちに示して、出資金の受入をしてはならない。

>(預り金の禁止)

>第二条 業として預り金をするにつき他の法律に特別の規定のある者を除く外、何人も業として預り金をしてはならない。

知恵袋の投稿にあった100万円に対して年間に14万4000円という「利息」を約束して資金を個人から集めている実態があるのだとすれば出資法に抵触している可能性が疑われます。さらに現時点では仮想通貨は金融商品とはされていないようですが、最近論議されているらしい仮想通貨を金融商品として扱われる方向に向かえば金融商品取引法違反という可能性も生じます。そして100万円が「利息」を生んで増えるどころか減り続けて10日で失われたというのが本当ならば最初から何らかの悪意があった疑いも生じます。

そしてベンチマーク社のサイトには何故これほど曖昧で明らかに不充分な記述しかないのでしょうか?少なくとも情報開示にはかなり問題があります。また金融関係とは明らかに無関係な会社が投資受入れ的な業務を行っているらしいことには非常に唐突な感じを受けざるを得ません。信頼性は低いとしか思えず、特にこの業者が実際に投資勧誘を行っているのならば投資は推奨出来ません。


●Bit Point Global (ビットポイントグローバル www.bitpoint.hk/)

これは前項のベンチマークの検証の中でカバー先という扱いで登場したことで調べてみることになりました。詳しくは上の「ベンチマーク株式会社」の検証を参照してください。そしてこの項目は違法性とか詐欺の可能性さえ疑われるようなサイトばかり扱ってきた一連の検証の中では異色なものになります。何しろこれは金融庁からきちんと登録を得ているBIT Point Japan (ビットポイントジャパン www.bitpoint.co.jp/)という仮想通貨交換業者の子会社あるいは関連会社です。しかもビットポイントジャパンは一応東京証券取引所に上場されているリミックスポイント (www.remixpoint.co.jp/)という企業の子会社のようです。しかし前項のベンチマーク社の検証で出てきたビットポイントグローバルについては調べてみると合法性に疑問があり、それ以外の細かい部分でも公明正大ではないものを感じるのです。この項目ではそれら問題と感じた部分についてまとめることにします。

まずビットポイントグローバルを検索して出てきた表題のサイトのメニュー部分が以下のキャプです。表示言語は英語、中国語(繁體中文と简体中文)そして日本語から選択出来るようになっています。

会社概要の項目(右のキャプ)を見ると以下の様な記述があります。

>信頼性

>アジア初の株式公開企業の関連暗号通貨取引所。親会社は日本で仮想通貨取引所大手のBIT Point Japan (東証 3825 Remix Point Inc 傘下)。

>カスタマーサポート

>カスタマーサービスを英語、中国語、広東語、日本語で提供。営業時間は月曜日から金曜日9:00から21:00 (香港時間)。

サイトが日本語表示可能で日本語でのカスタマーサポートまで用意されているとなれば明らかに日本からの顧客を積極的に受け入れていると考えて間違いないものと思われます。さらに日本からの顧客を積極的に受け入れていると分かるのは口座開設申し込みのフォームです。以下はそのタイトル部分ですがこの口座開設申し込みのフォームについても英語、中国語、日本語が用意されています。

また右はこの申し込みフォームの一部、申込者の住所を記入する部分を抜き出したものですが、最後の「国」の部分はプルダウンメニューから「日本」を選択出来るようになっています。

ちなみにこの申し込みフォームの表示言語を英語にした場合にも住所に国はプルダウンメニューから「JAPAN」を選択することが可能になっています。日本居住者でもビットポイントグローバルに口座開設が可能であるとしか解釈出来ません。

しかし日本の金融庁は仮想通貨交換業者が日本の居住者に対して日本語サイトを設けるなどして積極的に勧誘を行うならば日本の金融庁で仮想通貨交換業者の登録を得ることも求めているはずです。この方針に従って金融庁は例えばBINANCEという日本での登録を得ていない海外の仮想通貨交換業者に警告を出しており、BINANCEは一応は日本から撤退ということになったはずです。ビットポイントとビットポイントグローバルは別法人としか思えませんし、日本で仮想通貨交換業者の登録を得ているのは言うまでもありませんがビットポイントジャパンだけです。ビットポイントグローバルが日本からの口座開設を登録を得ずに積極的に勧誘している状況は違法としか解釈出来ないように思いますし、登録業者であるビットポイントジャパンがわざわざ海外に別法人を作って日本からの口座開設を勧誘しているのか非常に強い違和感があります。

さらにビットポイントグローバルのサイトには連絡先情報が殆ど見当たりません。「お問い合わせ」の項目を見ても右のキャプにあるようにメールアドレスがあるだけで住所も電話番号もありません。メールアドレスなのに受付時間が限定されていることにも違和感があります。

>Email: support@bitpoint.hk

>【受付時間】 09:00-21:00(祝日を除く月曜日から金曜日)

とにかくこれでは情報開示は明らかに不充分不適切です。さらに連絡先情報を探すとWho Is情報に香港の住所などがあることが分かりました。下のキャプがWho Is情報の一部です。赤枠で囲った部分に住所とメールアドレスがあります。

>Address: UNIT 1201-5 CHINA RESOURCES BUILDING, NO. 26 HARBOUR ROAD, WANCHAI, HONG KONG 1

>Country: Hong Kong (HK)

>Email: yoshida@topwisdom.net

メールアドレスはビットポイントグローバルのサイトにあったメールアドレスと全く異なります。このメールアドレスの前半部、「yoshida」という部分は日本人の名前としか思えません。またアットマーク以降の部分が気になったので調べてみると上で触れたビットポイントジャパンの親会社である上場企業、リミックスポイントのサイトにプレスリリースを見つけました。以下は一部を抜粋したキャプです。

ビットポイントグローバルのサイトのWho Is情報にあった連絡先のメールアドレス(yoshida@topwisdom.net )はこのビットポイントグローバルにリミックスポイントと共に出資しているTop Wisdomという会社のメールアドレスということのようです。検索するとTop Wisdomの公式サイト(topwisdom.net/index.php/jp)も見つかってきました。気になるのは上のTOP WISDOMの会社概要の中で赤枠で囲った代表者の項目です。このTOP WISDOMの代表者となっている澤城由人という名前は本サイトの姉妹サイトである「危ない投資の備忘録」「海外FX業者検証3」で検証したFOREX HEART (フォレックス・ハート www.fx-heart.com/jp) という違法な海外のFX業者に関連して登場した名前と同じです。さらにこの名前はフォレックス・ハートの検証の「付記」で説明してありますがTime-Saving FX (timesaving-fx.com/) という情報商材販売の運営統括責任者として登場している人物の名前とも一致します。この澤城という人物については何やら危うさを感じないわけにはいきません。

Top Wisdomの公式サイトに戻るとビットポイントグローバルのサイトと同じで表示言語は英語、中国語(繁體中文と简体中文)そして日本語から選択出来るようになっています。また連絡先情報は以下の様になっています。

>Unit 1201-5, China Resources Building, No. 26 Harbour Road, Wan Chai, Hong Kong

>+852-3507 6101

>+852-3507 6102

>info@topwisdom.net

ここにある香港の住所はビットポイントグローバルのサイトのWho Is情報にあった連絡先の住所と部屋番号(Unit 1201-5)まで完全に一致しています。しかしTop Wisdomのサイトを見てもビットポイントグローバルを運営しているという記述は全く出てきません。辛うじて業務内容の項目に「金融機関向け業務受託」、「ウエルスマネジメント」、「財務/M&Aアドバイザリー」と並んで「資本・業務提携」という項目があり、その中に「仮想通貨関連事業」が出てきますが以下のキャプに示すようにビットポイントグローバルという取引所名は出てきません。かなり違和感があります。

さらにビットポイントジャパンの公式サイト(www.bitpoint.co.jp/)にもビットポイントグローバルに関すると思われる記事があるのですが若干違和感を感じる部分があります。記事の日付は2017年6月26日、「BITPoint香港が7月28日よりサービス開始」となっています。下のキャプは記事の抜粋です。

まず、記事のタイトルが「ビットポイントグローバル」ではなく「ビットポイント香港」となっています。「ビットポイントグローバル」は「ビットポイント香港」の商号という扱いのようですが、「グローバル」と「香港」では前者が世界中を商圏にしているような印象があるのに対して後者では香港やせいぜい中国語圏を商圏としているような印象があるように感じます。そしてビットポイントグローバルのサイトを再度確認しましたが「ビットポイント香港」という社名は一切出てきません。そして上のキャプにあるようにビットポイントグローバルの連絡先情報が書いてありますが、電話番号がありません。香港の住所は部屋番号がなく、階数だけで終わっている部分を除けばWho Is情報にあった住所、Top Wisdom社の住所と同じです。

そしてこのビットポイントグローバルとTop Wisdom社で共有されている住所が問題です。すなわちこの住所を検索するとバーチャルオフィス/シャアオフィス業者・Regusの拠点の住所に部屋番号(Unit 1201-5)まで完全に一致します(右のキャプを参照)。

Regus社が提供しているバーチャルオフィスサービスを利用しているならばビットポイントグローバルやTOP Wisdom社はこの住所に実在しないことになりますし、レンタルオフィスを利用しているならば仮想通貨交換業者や経営コンサルタントといった極めてセキュリティが重要な業務が多数の契約者とスペースやオフィス機器を共有するようなレンタルオフィスで行われていることになります。これはいずれにしてもマトモな状況とは思えません。住所が公式サイトに明示されていなかったり、電話番号が明らかにされていないことなどと考え併せ、ビットポイントグローバルの信用度を高く評価することは出来ません。

実はビットポイントジャパンの設立している海外子会社はビットポイント香港(商号:ビットポイントグローバル)だけではないようです。ビットポイントジャパン公式サイトの会社情報にはビットポイント香港(ビットポイントグローバル)を含めて関連会社が6つ列挙されており、その内、仮想通貨取引所の運営コンサルティング業となっている1社を除く5社が仮想通貨交換業となっています。

◆BITPOINT HONG KONG LIMITED (www.bitpoint.hk/)

所在地:香港

表示言語:英語、中国語、日本語

◆BITPointKorea Co., Ltd. (www.bitpointkr.com/)

所在地:韓国・ソウル

表示言語:韓国語

◆BitPointApec (www.bitpoint-apec.com/)

所在地:サモア

表示言語:不明 (日本からのアクセス不可設定)

◆BitPointTaiwan (www.bitpoint-tw.com/)

所在地:台湾・台北

表示言語:中国語

◆BitPointMalaysia (www.bitpoint.com.my/)

所在地:マレーシア・クアラルンプール

表示言語:英語

複数の表示言語を選択出来るのは最初のビットポイント香港 (=ビットポイントグローバル)だけで韓国のサイトは韓国語、台湾のサイトは中国語、マレーシアのサイトは英語のみしかそれぞれ表示言語の選択肢がありません。それぞれの地域に向けられたサイトと考えて矛盾はありません。サモアのサイトは何処の地域の人に向けられたサイトなのかよく分かりませんが英語表示のみでアクセス解析のサイトで見るとアクセスの殆どは台湾からとなっています。いずれにしろこれらの中で表示言語に選択肢があるのも日本語表示が出来るのもビットポイント香港 (=ビットポイントグローバル)だけですから他の4つのサイトはここでは問題にしません。

表示言語が選択出来る以外にもビットポイント香港 (=ビットポイントグローバル)には他の4つのサイトと明確に異なる部分があります。すなわち企業ロゴが明確に異なります。以下のキャプに見えるように韓国のビットポイント(BITPointKirea)はビットポイントジャパンと同じロゴを使っています。ここにはキャプを示しませんがサモア、台湾、マレーシアのビットポイントも同じロゴを使っています。しかしビットポイント香港 (=ビットポイントグローバル)のロゴだけは明確に異なります。何を意味しているのか分かりませんがビットポイント香港 (=ビットポイントグローバル)だけ扱いが異なるのは明らかです。

繰り返しになりますがビットポイントグローバル (=ビットポイント香港)は日本の仮想通貨交換業者のライセンスを持っているビットポイントから40%の出資を受けているとは言え、日本での仮想通貨交換業のライセンスは持っていません。それにも関わらず、ビットポイントグローバルの公式サイトは日本語での表示が可能であり、口座開設申込書の選択肢には居住地・日本が用意されています。さらに例えばOWL HONGKONGというブログには「香港の日系仮想通貨取引所の強みは何か?Bit Point GlobalのManaging Directorにインタビュー!」題して、ビットポイントグローバルのManaging DirectorであるというRyu Yoshida氏のインタビュー記事が掲載されています。以下のキャプはその記事の一部を抜粋したものです。

日本の上場企業の孫会社であり、日本の仮想通貨交換業者(ビットポイントジャパン)から出資を受けていることを強調し、「日本の投資家の方にも信頼していただきやすい」と書いてありますから明らかに日本在住者を主要な顧客の標的としていることが分かります。ビットポイントジャパンは一体何を考えてわざわざ海外に自らの競合相手ともなる法人に出資しているのでしょうか?しかも共同出資の相手であるTOP WISDOM社についてこの記事では

>FXのシステム開発を行っている

>日本人設立の香港企業

といった記述がありますがバーチャルオフィス/レンタルオフィス業者の住所を所在地とするなど信頼出来る会社とは思えません。香港には企業実体が存在しないペーパーカンパニーの可能性もあるように思われます。また上で少し触れましたが、澤城というTOP WISDOM社の経営者についても危うげな情報が見つかります。

わざわざ怪しげな自らの分身的な海外法人を立ち上げているのは日本の金融庁による規制(例えば将来予期されるレバレッジ規制)逃れなどの意図が考えられますがいずれにしろ個人的にはこういった怪しげな仮想通貨交換御者を信用する気にはなりません。口座開設などは推奨しません。