下記の拙文を「33Qネット」に投稿します。
貴兄のご尽力で進めておられる「33Qネット」は我らクラスメート各人の協力によって育てる「薔薇の園」のようなものです。その園に、最近感じた「企業経営の明と暗」の対照に驚きを込めて一本の薔薇を植えたいと思います。
「今もトルストイの名言が生きている現代の企業経営の明と暗」
―「組織風土とは何か(H28.6.11日経大機小機)を読んで―
◎日経大機小機の内容
・繰り返される企業不祥事をみると、危機の際に対応を誤った企業には、危機に際してその悪しき組織風土を変革できなかった共通点があるように思う。
・トルストイの「アンナ・カレーニナ」の冒頭部分に「幸福な家庭はみな似通っているが、不幸な家庭は不幸の相も様々である」とある通り、うまくいっている企業は似通っているかも知れないが、不祥事の起因となる組織風土は様々だ。問題の多い組織は不祥事の度に対象療法的に仕組みを変えても真正面から組織風土と向き合うことを避ける。人間の病気に例えると、本当は生活習慣病的な病状であるにも拘らず、表面的な病状の対症療法的治療に専念しているのに似ている。
・組織風土とは組織に根づくDNAではなく、組織を構成する者の考え方・行動様式の積み重ねで醸成され自らの意識として作るものである。価値を共有できるビジョンやその具体的な行動を積み重ねることが、環境変化に適応できる風土を生み出し組織のブランドを作り出すものである。
・だからこそ、変革は容易ではない。場合によってはこれまでの組織風土自体が変革の障害にもなる。変革には経営トップの本気で変えたいという強い意志と率先垂範が前提であり、時代の変革に抵抗し適合しない者には去ってもらう覚悟が必要である。時には経営陣の総入れ替えも必要である。
・また社員が一体となって変革していくには、場合によってはそれまでの仕事の仕組みや制度を抜本的に見直すともに日常的な行動を具体的に変えるための施策が鍵を握るのである。全員が共有できる価値をビジョンとして示すと同時に、日々の業務に直接結びつく具体的な施策を即座に実践することだ。日々の行動を変えれば組織の風土は目に見えて変わる。
◎感想:
<「不幸な家庭は不幸の相も様々である」:不祥事相次ぐ三菱自動車の場合>
・文芸春秋7月号には、最近またぞろ発覚した三菱自動車の燃費不正事件に関して「三菱財閥 失敗の本質」という特集を組み、その中で2つの関連記事を掲載している。その一つは、今回の不正発覚後いち早く三菱自動車との資本提携に踏む切った日産自動社のカルロス・ゴーン社長のインタビュー記事である。その中でゴーン氏は、「どこまで三菱自動車の経営に関わるのか」という質問に対して「日産は三菱に結果を求める」と述べ、相次ぐ不正発覚にまみれた三菱自動車の改革は、あくまでも三菱側の責任で遂行しなければならないとの考え方を明確にしている。当然なことであろう。
・もう一つの関連記事は「最強グループの財務研究」という記事で、その中では、名だたる三菱グループ主要各社の財務体質が如何に強固で盤石なものであるかという論証と併せて、三菱自動車自体も、前回99年の不祥事に較べてみても、その財務体質自体は著しく改善されていることを示しているのである。それにも拘らず、今回の対応は同業ライバルの企業:日産の資本参加である。しかもその上、肝心の三菱自動車トップは、不思議なことに、「今回の不祥事で更なる信頼失墜に陥った自社の企業改革を今後いかにして押し進めようとしているのか」という肝心な点についての何らの所信表明は一切記載されていないのである。当特集の編集者は、当然にその点をトップに問い質したに違いない。しかし今回の取材の眼玉になるべきトップの肝心な決意表明は引き出せなかったのである。その恨み節だろうか、この特集記事の最後は『「強さ」に驕って、身内ばかりに気を配り、消費者に目が届かなくなると、企業は危うくなる。これは、歴史が証明している』という一般的なコメントでお茶を濁しているのである。三菱自動車は「井の中蛙大海を知らず」の譬えよろしく、三菱グループという豊かな井の中でいて、周りの蛙の様子ばかり窺って、世の中の動きという大海を知ろうしないのであろうか。
・上記の大機小機の記事には「組織の規模や業態、社会からの期待や役割は日々変化している。良い組織風土を守るためにはどうすべきか考え、組織の改革に手を入れなければ変容する社会に適応できなくなる。組織は常に改善する努力が必要だ。環境変化が激しい社会では、組織風土の変革こそ競争力の源泉である」と書かれている。三菱自動車の今後の改革の行方を探る「三菱財閥 失敗の本質」という特集では、将に、三菱自動車自身の鼎の軽重が問われているのである。不祥事に際しては、トップが中心になってその改革に向けて会社全体を奮い立たせる努力を行うのが普通の企業の当然の姿であろう。トルストイの名言「・・・不幸な家庭は不幸の相も様々である」とはけだし名言というべきか。
<「幸福な家庭はみな似通っている」:創業の経営理念に輝く「鳥貴族チェーン」>
・上記日経の大機小機には「組織風土とは組織に根づくDNAではなく、組織を構成する者の考え方・行動様式の積み重ねで醸成され自らの意識として作るものである」という一節がある。最近そのような見事な組織風土の実例を体験した。すこぶる繁盛している焼鳥屋チェーン店「鳥貴族」である。そこで焼鳥を食べてみて、成程「繁盛するお店には創業者の創業に賭ける思いが日々の営業の繁盛のベースで輝き続けている」ことを実感したのである。
・「創業以来貫いてきた均一価格。ずらりと並んだお得なメニュー、食べて納得のおいしさ、お会計でビックリの安さ。280円均一に、「お客様に感動してもらいたい」という鳥貴族の想いを込めました。280円均一の低価格で、高価値なサービスをお楽しみいただく。たかが焼き鳥で「世の中を明るくしていきたい」。 それが鳥貴族の誇りです。以上はネットで検索した当店の店舗運営のコンセプトである。
・お酒は、老生にとって嬉しいことに、プレミアムモルツ中ジョッキ、ジムビーム、角瓶のハイボールのみならず、“響のハイボール”までもが、やや個ぶりのグラスながら、すべて280円とは驚きである。
・更に感心したのはお店の壁に貼られた下記の創業者の創業の言葉である。
『 鶏貴族のうぬぼれ
たかが焼鳥屋で世の中を変えたいのです。
心を込めて焼いた焼き鳥
その焼鳥に真心こめた笑顔で
お客様に提供していきたい
焼鳥を食べられたお客様の幸せそうな顔
帰るがけに「美味しかったよ」と温かい一言
「ありがとうございます」と感謝の気持ち
お客様のその顔、その一言が
私たちの喜びなのです
そんな心と心のふれあいで
世の中を明るくしたい
たかが焼鳥屋 されど焼鳥屋
そんなうぬぼれを
鶏貴族は永遠に持ち続けたい』
・お店の従業員の皆さんの動きも、お客様へのきびきびした対応に溢れており、心地よい飲食のひと時を気持ちよく過ごせるのである。
お客の支持を得て今や関東・中部・関西の3地域で400店以上の店舗展開を果しているとのことである。皆さんも一度鳥貴族を訪ねてみられたら如何でしょうか!。
・「良き組織風土とは、共通して、創業者の創業の理念と日々その理念に基づいて活動を展開する従業員の努力から醸成されるものである」ことを実感。
「幸福な家庭はみな似通っている」というトルストイの言葉を噛みしめたのである。
坂本幸雄(H28.6.15記す)
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[鳥貴族]google検索結果
https://www.torikizoku.co.jp/
鳥貴族は大阪、東京、名古屋を中心に店舗を増進している焼鳥屋(居酒屋)です。280円均一と低価格ながらも国産鶏肉を使用した高品質な焼き鳥をご提供させて頂いております!
東京都 - 大阪府 - 神奈川県 - 千葉県 - 京都府 - ...
鳥貴族のこだわり. 創業以来貫いてきた均一価格。ずらりと並んだお得な ...
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2016.6.15 森 「鳥貴族」初耳です。
残念ながら栃木県未出店です。小平に2店あるので、今度孫連れて行ってみます!
高校生ふたり、小学生ひとりなので、まだ鳥だけですが。
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