「話題のコラム」を中心に~坂本・真栄城対話
①真栄城兄 2016.5.30 坂本幸雄:qskmt33@spice.ocn.ne.jp
その後お元気にお過ごしのことと存じます。小生もその後何とか元気に打ち過ごしております。
ところで、小生は、日々の新聞・雑誌などの記事に触発され、毎月「話題のコラム」という駄文を書きつづり、それを十数名のメル友とのネット上での交信・交流に活用しております。
今月は「現代のアメリカに関する拙論」と、「オバマ大統領の広島訪問」他3編につき感想を書きました。
ついては、アメリカ在住の貴兄に上記2編につきご高覧頂き、拙稿の内容に関する貴兄のご意見をいただければと思い、森兄に頼んで貴兄に配信する次第です。
特に「オバマ氏の広島でのスピーチ」に関するアメリカでの受け止めについては、小生は身内に18名の原爆犠牲者がいるという点からも、アメリカでの受け止められ方には特に関心があります。そんな次第で今回特に森兄にその送信方を依頼した次第です。アメリカ発のIT時代という、誠に有り難い時代的恩恵に浴し、「IT上での仮想クラス会」にもなればとの願いでもあります。
ご高覧賜り、貴顕のご意見をお願いする次第です。よろしくお願い致します。
「話題のコラム:H28.5月」
・今回も何とか「話題のコラム」を継続できました。
いつもの「独りよがりの老いのつぶやき」ながらも、興味があれば読んでください。
●知の明日を築く:米スランフオード大「dスクール」(H28.5.4 日経)
・スタンフオード大学を選んだ学生の、その大学選択の大きな理由は「dスクール」の存在である。
スタンフオード大学の学長ジョン・ヘネシーも「複数の学科を融合させて成果を上げている」とこの自分自身が導入した、当「dスクール」を自画自賛している。
「dスクール」の天井には「失敗などない。ただ作るのみ」というスローガンが掲げられている。
このスクールの規模は少数精鋭を旨とし、クラスは25人までである。工学、コンピューター科学、医学、化学法学など、様々な分野から学生が参加し失敗を恐れずどんどん簡単な試作品やサービスを作りそれをもとに建設的な議論を促すのである。
・この建物の2階にはいつでも試作品づくりができるように材料や工具を詰め込んだ棚が置かれ、可動式の壁には、いつでもアイデアを書きとめるホワイトボードがあり、その表面にはまるで蝶がとまっているように多くのメモが貼られている。
そこには、素人目線で新たなニーズの仮説を立て、様々なしがらみに捉われること無くゼロから自由に考えると習慣をつける手法が伺える。
「dスクール」そのものは自らもパソコンン用のマウスをデザインしたことのある ハッソ・プラットナーが3500万ドル(38億円)もの私財を投じてつくったものであるが、このdスクールはシリコンバレーのエンジンとして「産業界に変革をもたらす道場」のような役割を果たしているとあり、そのカリキュラムは社会のニーズに合わせて毎四半期ごとに機動的に変わる。
そこには柔軟に進化し続ける教育の未来像が伺える。
感想(坂本):
<「dスクール」のアメリカらしい発想>
・この「dスクール」の構想を考えると、そこには、20世紀以降世界で独創的な“ものづくり“を牽引してきたアメリカ産業発展のベースにある考え方が内在しているように思われるのである。
小文字のdは“do”、“Do it Yourself”などのdoの頭文字であるが、その頭文字に小文字の"d“を使っているところが、最近の”ipad“などと同じで、いかにも「さぁ、やろうよ!。やってみようよ!」とお互いに「兎にも角にも行動を!」と呼びかけ合っているような素晴らしいネ―ミングに聴こえて一層の清新さを感じるのである。
しかもこの「dスクール」の運営は、そのテーマの選定などでは常に社会的ニーズを念頭に置いて進められている点などを併せ考えると、「独自性」、「公共性」、「創造性」という3つの「ものづくり」に必要な条件を更にもっと効率的に進めようとの考え方が基礎になっているようにも思われるのである。
・「dスクール」の天井には「失敗などない。ただ作るのみ」というスローガンが掲げられている、と記事にあるが、このスローガンは「失敗など恐れず、まずは試作してみよ」と呼び掛けているようで思われる。
<発想をまず“形”で確認しようという考え方>
・この「dスクール」の「“ものづくり”の創造過程」の素晴らしい点を考えて見るにまず驚くのは、その創造過程のプロセスをぐっと短縮して「試作品づくり」を最優先している点である。
あるグループで何か新しいものを創造する場合の“ものづくり“の工程を考えると、一般的には、
①そのメンバーの各人それぞれが、先ず自分自身の思い付き・アイデア・発想などを考え、
②その各人のアイデアなどをメンバー全員がブレーン・ストーミングなどでぶっつけ合い、
③その中の優れた幾つかのアイデアについて試作品を作るという3つの工程で”ものづくり“が進行するのが一般的なプロセスであろう。
・しかし、この「dスクール」の発想は、上記3つのプロセスを短縮し、メンバー各人が、何時でも、各自独自のアイデアや試作品だけでなく、他のメンバーのアイデアや試作品をも参考にしながら、かつ更に、ブレーン・ストーミングなどの中間的な合意形成などを省き、各人が一気に様々な試作品まで作っていくという点が、集団として“ものづくり”を進める上で革新的で創造的な方式であるように思う。
・この方式の優れた点は、各人の頭にある抽象的なアイデア段階で議論するのではなく、それを一歩進めそれを「形ある試作品で示す」ことによって、抽象的概念をより具体的な形あるものとして具現化しその商品としての可能性を議論する点である。将に“思索”の結果を“試作”で表現するのである。
<「形」にこだわって開発を進めたあのスティーブ・ジョブス>
・あのアメリカのIT業界の巨人:スティーブ・ジョブスは数々の名言を残しているが、その中で老生が一番感心するのは
「フォーカスグループ(注:消費者へのインタブーなどで消費者の望む商品を調査するグループのこと)によって製品をデザインするのはとても難しい。
多くの場合、人は形にして見せてもらうまで、自分は何が欲しいのかわからないものだ」という言葉である。
彼のそのような信念から、小文字(“i”)を付した“iPod” “iPad” “iPhones”など世界を席巻する数々のIT関連商品を世に送りだしたのである。
老生は、もう10年も前に彼の傑作品たる“iPod“をその発売直後に購入したが、その購入動機は、その優れた様々な機能性とは別に、操作ボタンなど一切ないその斬新でハンディーなデザインにもすごく惚れ込んだ上でのことであったと鮮明に記憶している。
・われわれは、上記の実例を通じて、最近のアメリカのIT関連の商品開発の技術力のベースには、それを支える「dスクール」のような、地道でより着実な成果に結びつく可能性を秘めた高い組織的取り組みが存在していることを教えられるのである。
・しかも、である。アメリカでの“ものづくり”はその発想の出発点からして「世界規模で、かつ、世界標準の開発を志向している点」でも素晴らしいのである。
そのことは、パソコンを動かす“ウインドウズ”が登場した時点で、それが既に世界標準のものとして他の追随を許さないほどの完璧さを持っていたことを想起すればよく理解できるのである。
<“ことづくり”でも世界標準での展開を図るアメリカ>
・昨日(H28.5.9日)最近その全作品を必見しているMETライブブーイング(*注参照)でプチーニーのオペラ「蝶々夫人」を観た。
LDでかって観た同オペラ(それはヨーロッパのオペラ座での伝統的な公演の映像であった)とはまるで異なる工夫が随所に窺える演出でもあり、その上に20台近くのカメラでその魅力を余すところなく記録した映像に大画面・大音響が加わっており、更に適時適切にクローズ・アップ画面が加わっている点などを考えると、舞台公演を超える、ある意味ライブ・ビューイングならではの魅力もたっぷりと付加されたものだった。
いろいろな面で感銘したが、何よりも驚くのは、一昨日大阪でも公開されているこの映画版オペラは、なんと僅か3、4週間前にNYのMETで実際に公演されたオペラを短期日で一篇の映画版として編集し、それを僅か数週間後には世界200ケ所以上の都市で一斉に公開されている点である。
・この企画は、最初から世界中のオペラフアンへの働きかけを計算に入れ、METでの舞台公演とほぼ即時性を保ってその映画版を公開し、それによって舞台公演に掛かった費用は世界の観客からの映画収益からもその相当部分を回収するという戦略に立脚しているのである。
従って、その舞台での公演費用にもたっぷり金をけられるのであろうか、今回の「蝶々夫人」を観ていて、アット驚くような独創的な演出が随所に見られた。
このオペラには、蝶々夫人と愛する夫“ピンカートン”との間に生まれた幼い男の子が登場する。
今回の演出では、その子供には浄瑠璃風の人形が使われ、その人形を3人の黒子が劇の進行に合わせて実に巧みに、かつ、表情豊かに操ることによって、愛する夫をひたすらに待ち焦がれている蝶々夫人の一途な貞淑さを一層際立たせる演出となっていた。
・こんな素晴らしいオペラを観て、アメリカは、オペラという芸術の分野での“ことづくり”に於いても、世界をその市場として、しかも初めから”世界標準の企画“にそれを仕立てた上でそれを世界中の都市で展開するという、抜群の能力を持った国であると思った。
オペラはもともとヨーロッパで誕生・発展した芸術である。
が、そんなヨーロパ生まれの芸術の世界でも、アメリカはヨーロッパ中のオペラの名歌手をヨーロッパ諸国から金に飽かして掻き集めて、世界標準の”ことづくり“を独創し、かつ、独走しているのである。
以上の事例を通じて、われわれは、20世紀以降に見るアメリカの“世界初のものづくり”の伝統は、文化・芸術の世界でも“世界初のことづくり”として見事に開花しているのである。“METライブビューイング”では本物オペラ同様幕間に20分程度のインターミッションが設けられ、その時間帯では、主演のオペラ歌手たちへのインタビューの映像が流れることになっている。
「蝶々夫人」では主役を演じるラトビア出身の名ソプラノ歌手“クリツチーヌ・オポライス”がそのインタビューの最後に、故郷ラトビアの人々にエールを送っていたのが印象的であった。
こういう点も含めてアメリカ製の“METライブビューイング”そのものが如何に初めからインターナショナルな世界標準の“ことづくり”といて企画されたものであるかが窺えるのである。
それと同時に、アメリカの世界初、世界標準という企画には、その背景に様々な形で世界中から巧みに金を集める集金システムが内在し、それがアメリカ経済を動かしている事実にも驚くのである。今やアメリカのIT企業数社は株価の時価総額でいずれも世界屈指の巨大企業に成長しているのである。
(注:METとはNYのメトロポリタン歌劇場の略で、“METライブビューイング”という言葉には、わざわざNYのMETまで足を運ばなくても本物のオペラが手ごろに楽しめますよ、という意味合いが言外に込められているように思うが、これを観ていると、確かにクローズアップで観たいと思う場面ではしっかりとクローズアップで観られるという点だけでも本物以上の迫力を感じるのである。
今月は他にドニゼッティーの「ロベルト・デヴュリㇽ-」というオペラもMETライブで観たが、これは、次の話題2(今回の送信文では省略)に出て来るイギリスのよるアイルランド攻略にからむ英国の女王:エリザベッタ(実名は、アイルランド攻略を積極的に進めたあのヘンリー8世の息女たるあのエリザベス女王一世)が臣下の将軍との老いらくの恋(彼はアイルランド攻略の手ぬるさに国家反逆罪を問われている)と国家への忠誠に揺れ動く心の葛藤を描いたもので面白かった。)
●オバマ大統領(以下“氏”と記す)の広島訪問時の心に残る言葉(H28.5.28 日経紙掲載)
<17分の演説にみるその感動の言葉>
・H28.5.27日の広島訪問時の氏の演説は17分に及ぶものであったが、翌日掲載された紙面全一ページに及ぶ英語・日本語の全文を読むことにより、現職米国大統領初の広島訪問という大きな使命に賭けた今回の氏の、「核廃絶への理念や人類の今後の選択への思い」を深く知り、大いなる感動を覚えたのである。
・その長文の演説文からその感動部分のみを下記に要約した。
・彼ら(犠牲者)の魂は我々に内面を見つめ、我々が何者であるか、これからどのようになっていくかを考えるように語りかけている。
・この空にあがったキノコ雲の姿は、人類が持つ矛盾を強く思い起こさせる。我々を人類たらしめている思考、想像力、言語、道具を作る能力、我々を自然と区別し、自然を自らの意志に従わせる能力は、同時に大きな破壊力をも生み出した。
・すべての偉大な宗教は愛や平和、正義への道を約束している。しかし、どの宗教も信条のもとで殺人が許されると主張する信者を抱えてきた。(坂本注:この問題は宗教でも解決できないのだ、との氏の思い)
・原子核の分裂を可能にした科学の進化と同様、道徳の進化も求められている。だから我々はこの場所を訪れる。広島の真ん中に立ち、原爆が落とされたときに想いを馳せる。目の前の光景に子供達が味わった恐怖を感じる。声なき声に耳を傾ける。再び苦しみを生まないために何かを変えなければならないかを問う共通の責任がある。(何かを変えなければ、という氏の思い)
・1945年8月6日朝の記憶は絶対に消えてはならない。この記憶によって我々は独りよがりではいられなくなる。道徳的な想像力がかきたてられ、変わることができるのである。
・我々は戦争そのものへの考え方を変えなければならない。外交の力で紛争を防ぎ、紛争が起きたら終わらせようと努力すべきだ。国と国が相互依存関係を深めるのは、平和的な協力のためで、暴力的な競争のためではない。軍事力によってではなく、何を築き上げるかで国家を評価すべきだ。
そして何にも増して、同じ人類として、互いのつながりを再び考えるべきだ。
・我々の国は、すべての人は平等で、神によって生命や自由に加え幸福を追求する譲歩不可能な権利を与えられているという理念を掲げて建国された。しかし、この物語の実現は米国民にとっても決して簡単なことではない。しかし、この物語を実現することは努力に値する。それは努力して、世界中に広めるべき理想の物語である。我々はその物語を語るために広島に来た。
・ここ広島で、世界は永遠に姿を変えてしまった。しかし、今日、この町の子供たりは平和の中に暮らしている。なんと貴重なことか。世界中の子供たちが同じように平和に過ごせるようになるべきだ。それこそが我々が選びうる未来だ。そして、その未来の中で広島と長崎は、核戦争の夜明けとしてではなく、我々の道義的な目覚めの始まりとして記憶されるだろう。
感想(坂本):
<謝罪という過去への向き合いではなく、核廃絶という未来志向を語ったオバマ氏>
・氏の今回の広島訪問に関しては、日本側には、その謝罪を求める声がある一方で、米国内では原爆投下という戦争中の行為は絶対に謝罪すべきでないという声もあり、その双方の声のはざまで氏が何を語るかが非常に注目されていた。結果として氏が選択した言葉とは、犠牲者に対する謝罪という過去を振り向く言葉ではなく、「核廃絶という人類共通のこれからの新たな選択」への決断を促す未来に向けての数々の言葉であった。その言葉には、氏の任期が後数か月で終わるという切羽詰まった中で、氏が2009年にチェコのプラハで“核なき世界”を訴えながらも、それが現時点で世界の政治を動かすほどの力にはなっていないことへの無念の思いから呼び覚まされた多くの感慨も含まれていたのであろう。
・紛争を暴力で解決しようとしてきた人間の愚かさ。今こそ人類に道徳的再武装が必要であることへの訴え。そのためには“核廃絶”という理想を掲げそれに向けて努力することへの人類の覚醒。だからこそ広島・長崎は「核戦争の夜明けとしてではなく、我々の道義的な目覚めの始まりとして記憶されるだろう」と氏は結んでいる。
<“俗”なる政治の世界でのオバマ氏のミッション>
・昨年老生は、塩野七海氏の名著「フリードリッヒ2世の生涯(上下2巻)」を読んで、あの中世ヨーロッパでは、ローマ法王と神聖ローマ帝国などの諸王が、それぞれに神に繋がる“聖”の世界と、人々の暮らしに関わり“俗”なる政治の世界を分担して人々を統治していた事実を学んだ。オバマ氏は紛れもなく、米国という世界最強の国の“俗”なる政治の代表である。従って氏が持つ本来のミッションとは、何よりも“俗”なる政治の領域での世界最強の政治家として、「核廃絶という21世紀最大の政治課題」への確かなる道筋をつけることであろう。今回の氏のそんな未来志向への確かな言葉は、被害者代表のお二人との短い出会いの中で交わされた被害者側からの言葉の中でも高く評価されていたことにも更なる感銘を受けたのである。
・老生は、多数の肉親を原爆で失っている。それだけに、両都市の原爆資料館はつぶさに見学してきたが、その資料館には、原爆投下の壮絶な悲惨さを今でも生々しく伝える数々の展示物がある。それらの展示物を実際に見て、あの一瞬の閃光の下にすべてを焼き尽くし、破壊し尽したその原爆の凄まじいばかりの恐ろしさを知ることこそが、政治的立場や様々な理屈を超えて、核廃絶を願う人類共通な大きなうねりに繋がるであろう、と確信している。
・その意味で、今回の氏の演説が、それら展示物を見た上での広島からの訴えであった点で「核廃絶への新たな決断」を世界にアピールする上でも今後大きな力になるのではなかろうか、と思うのである。以上(H28.5.30記す 坂本幸雄)
坂本幸雄:qskmt33@spice.ocn.ne.jp
---------------------------------------------------------------------------
From: Asatoshi Maeshiro Saturday, June 11, 2016 5:20 AM
②坂本兄 2016.6.11
雑事に追われて返事が遅れ、申し訳ございません。
貴兄の評論文に対する小生の意見如何にということですが、立ち入った点には触れませんので、簡単に私見を申し上げます。
1.知の明日を築く:米スタンフォード大「dスクール」
様々な分野から選ばれた学生の少数精鋭のクラスで、オリジナリティと実学を強調しているのですね。
アメリカでは、大学間の競争が激しく、夫々にユニークなプログラムを作るのに苦労しています。
物が溢れている現代は、実在するニーヅに応えるのではなく、社会的に望ましいニーヅを作り上げることが大事だと思います。
dスクールのような試みが成功するアメリカの基盤には、優秀な人材を世界中から誘致出来る開かれた移民社会としての受け皿があります。
恐らく、dスクールには、優秀な中国人やインド人が多数入っているでしょう。
「アメリカ人が作っているものとアメリカが作っているものは同じではない」ということです。
2.METライブビューイング
私の友人も当地で観ていますが、これは、若い人達のオペラを含むクラッシク音楽離れを食い止めるための一策ではないでしょうか。小生も、当地に来てから、Steinberg, Previn, Maazel, Janson, Honek の指揮で ピッツバーグシンホニーオーケスラを聴いて参りましたが、若い人達の客層が極端に減っています。
3.オバマ大統領のスピーチ
アメリカでは、地方紙を含めて多くの新聞が取り上げていました。
スピーチの全文を掲載したのは、ニューヨーク・タイムズだけだと思います。
小生も全文読みまして、貴兄同様に感動いたしました。
残念ながら、一般のアメリカ人大多数は、未だに原爆は、戦争を終わらせるのに必要だったと信じています。
長い歴史の中で虐げられた祖先を持ち、その足枷から逃れない現状に不満を持つ若者たちの怒りと苦しみを、どのように解消したらいいのかに思いを馳せる今日この頃です。
(微小ながら、United Negro College FundとAmerican Indian College Fundに毎年寄付しています。)
長らくお待たせした後に、素っ気無い返事で申し訳ございません。
真榮城 拝 From: Asatoshi Maeshiro Saturday, June 11, 2016 5:20 AM Sent from Mail for Windows 10
---------------------------------------------------------------------------
To Asatoshi Maeshiro
③真栄城兄 2016.6.11
ご多忙の中、突然の拙文に対する、きわめて明快なご回答を戴き心から感謝いたします。
ご回答の内容も成程と思われるもので、アメリカの様々な側面を理解する上でも大変役立つものでありました。
森兄が「33Qネット」を通じてQクラスネット利用者同士の情報交流に大変尽力されている状況に鑑み、小生も何とか協力したいと思っておりました。
たまたま小生がほぼ毎月“頭の訓練”のために書いている「話題のコラムH28.5月号」の2つの話題が“アメリカ関連の記事”であった関係で、貴兄との交信が、ネットによる国境を越えての「仮想Qクラス」での一問一答ともなれば、との思いで貴兄にご協力を仰いだわけであります。
ありがとうございました。
今やアメリカの生み出したIT、AIなどは、我々高齢者にとっても、たとえ体が不自由になったとしても、一瞬にして相互の交信・交流が出来る誠に有り難き時代的恩恵だと思っております。
小生はそのような理解に立ってこの十数年来、日々の知的訓練、友人・知人との意思の交流などにそれ等のニューテクノロジーを活用しています。
そして今回、“アメリカ関連の記事”を機会にアメリカ在住の貴兄も含めてQクラスのネッと上での交流の促進が図れればと願ったわけであります。本当にありがとうございました。
---------------------------------------------------------------------------
④ まとめ[感想] 坂本幸雄
真栄城さんからの素晴らしい返信を戴きました。
そのメールの文面を通じて小生は次のような感想も抱きました。
『氏は少年時代に米軍による沖縄攻略の悲劇を体験しています。
が敢えてそのアメリカで社会学者として身を立てて来られたその過程の中で、自分自身が体験したその悲劇を乗り越えて、むしろそれを学者として生きる糧として、社会の様々な問題を解決し取り組んでこられたのでありましょう。
返信の最後にさりげなく「ニグロとインデアンの人々への寄付を行っている氏の行為」に触れられたところにも、氏の学者としてヒューマニティを感じました』。
以上