・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・[吉田 茂の自問] Q田中慎造 2016.9.25・・・
田中 慎造 兄
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・下條 剛一 2016.9.26
掲題の貴殿の力作を拝見しました。
十年前の受講記録とは言え、今日でも、いや永遠に生きるテーマで、感心しました。
小生も以前より、満州事変、支那事変、太平洋戦争の原因について関心を持っていましたので、
実に興味深く読ませてもらいました。
特に、日本が国際連盟脱退のきっかけとなったリットン調査団報告書(訳文)は数年前じっくり
読んだ記憶があります。
確か論点として、下記のような趣旨だったと思います。
〇 柳条湖事件とその後の日本軍の活動は自衛行為とは言い難い(つまり、侵略行為)。
〇 日本の満州における既得権益、居住権、商権は認める。
〇 中華民国の満州に関する名目的主権は認めるが、民国の統治能力が乏しい状況下、
国際連盟の委任統治とする。
このリットン調査報告書の提言は、冷静に考えると中々良く出来ていると解釈されるのですが、
時の日本政府、特に軍部は血が頭に上ってカッとなり、連盟脱退となってしまい、日本が
世界の厄介者と見做される結果となってしまったのですね。
貴兄の寄稿に触発されて、又、歴史の勉強に力を入れたいと思っています。
下條 剛一
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下 條 兄
前略、申し遅れましたが、貴兄のコメント中の指摘(リットン調査団報告の中心論点の第一項、自衛権)により、 1933.2.24の連盟総会で、松岡代表が大演説をぶった三点の論旨が、小生に明瞭に理解できましたこと、深く御礼申し上げます。
英国は、この大義をもって、アヘン戦争(1840~42)以来、数々の権益を中国より取得しており、日本の主張も一理あるものの、米国の参入や時代の変化により、このような折衷案(1~3項)となったと考えられます。 貴兄の申すとおり、日本がこれを許容すれば、別の良き将来があったでしょう。
まずは御礼まで。 田中拝 2016.9.28
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・[吉田 茂の自問] Q田中慎造 2016.9.25