2017年8月11日
戸松孝夫
一般論として紀行文は、舞台が自分の行ったことのある場所でないと読んでみたいとの興味が湧かないものだが、国立国分寺支部山行会の旅行記は、丁寧な解説付きの綺麗な写真が沢山添えられているので、僕は毎回それらを眺めながら本文も読むのを楽しみにしている。風景写真は何処にでもあるものだが、大島君が発表する写真は対象が歴史的、地理的、人間的な観点から僕の好奇心をそそるものが多い。上杉謙信が敵に塩を送った美談に纏わる千国街道の写真などは200%にアップして立札の文字を読んでみたほどである。芸術の心に欠ける僕の場合、写真のプロに芸術的価値の高い写真だけを解説文なしに並べられてもAppreciate出来ないのは残念だが。
大島君の紀行文を読むときは、僕は毎回地図帳を取り出して、地名を辿ってみるが、今回の白馬地区も訪れた経験がない新地であり、姫川、青鬼、栂池など馴染みのない地名が登場している。特に「栂池」などは読み方すらも判らなかった(最後の解説で由来を知ったが)。何れにせよ大学一年生の夏、体育の単位をくれるというので訪れた妙高高原(多くのクラスメートと一緒にヘルマチ小屋に宿泊)の西側のようで地勢的自然環境の感覚は掴めた。
標高760mの「知る人とぞ知る12所帯の秘境集落」(冬季は2所帯)には是非訪れてみたいとの好奇心が刺激された。こういう所を定期的に訪れているグループ(国立国分寺支部山行会)に参加出来ないのは残念。写真で見る限り7名の皆さんはかなりご高齢のようだが(大島君が2番目の年寄りとか)、こうして定期的に秘境訪問に挑戦していることが元気で呆けない秘訣でしょうね。
「栂池から南小谷までの千国街道が前回(2011年)は心地よい土の道であったのに今回はほとんどが舗装道路であった」とのことだが、これは僕が暮らしている過疎地でも同じことで、日本中いたる所で税金を使っての自然破壊活動の一環だ。田中角栄以来の誤った国策をそろそろ廃止しないと日本列島はコンクリートに埋没する。
以上
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戸松兄
今日は山の日ですね。
大昔30歳前後の頃、後ろ立山縦走の最終日、白馬岳を、すぐ目の前だけを見ながら夢中で駆け下りて、列車に飛び乗った記憶があります。
今、白馬山麓の山行記を味わいながら読めるたっぷりした時間を幸せに思います。
もう一度、大島兄の紀行文と写真をゆっくり楽しみます。
森 2017.8.11