「クローン病手記」
匿名希望 20歳 2011年11月8日
匿名希望 20歳 2011年11月8日
【クローン病発症】
クローン病のすべての始まりは痔からでした。大学受験のストレスからも開放され、約一年が過ぎた平成17年の冬のことでした。裂肛がひどくなり、肛門科にて手術にすることになったのですが、手術自体は無事成功し、あとはメスを入れた傷口が治るのを待つのみでした。しかし、そのメスを入れた部分の皮膚がなかなか形成せず、膿みたいな黄色汁がずっと出る状態が続きました。
そこで肛門科の先生が、傷が治らない原因は、大腸の病気によるものかもしれないとおっしゃったので、紹介状を書いてもらい、消化器科で内視鏡をすることになりました。この頃と同時期に、体重減少、血便、食欲不振、全身倦怠感など、立っているのもしんどいくらいの状態となり、ただ事ではない病気になったのだと感じたことを覚えています。
そして、消化器科に行き、内視鏡をしてもらったところ、腸の中は潰瘍だらけで、気持ちが悪いほどボコボコでした。その時、クローン病であると診断されました。「この病気は死には至らないけど、非常に難しい病気です。」とか、 「今日から食事制限が必要になります」などと当時主治医に言われ、大変な病気になってしまったのだなと、気分的にもかなり落ち込みました。
【5年に渡る食事制限及び薬物療法】
それから、エレンタール、ペンタサ、ステロイド、食事制限の生活が始まったのでした。 食事療法は基本的に消化の悪いものや、脂っこいものは食べず、また食事の量を減らし、その分エレンタールを飲み、栄養を補給するというものでした。 今、考えるとなぜそのような食事制限が必要なのかということに関する明確かつ論理的な理由についての説明がなかったように思います。
また、薬物療法では、基本的にペンタサを飲み続け、体調が悪くなったときにステロイドを処方するといった方法がとられました。このような方法を約五年間続けていたのですが、今ひとつ効果はなく、さらにペンタサの副作用のため腎臓(クレアチニン)の数値もおかしくなってきていました。 ステロイドを飲んだときは、確かに一時的には炎症値(CRP)は下がりますが、リンパ球等のほかの数値はめちゃくちゃになり、正直その場しのぎの感じが否めませんでした。
以上のような方法で治療を続けていましたが、なかなか効果的とは言えなかったので、自分なりにも、人から聞いた情報や、インターネットから情報収集し、良いであろうものはいろいろ試しました。その一例として、紫ウコン、キヨレヨピン、ノニジュースなどなど、様々のものを試しましたが、なかなか目に見えて効果のあるものはなかったように思えます。それでも貪欲に何とかこの腹痛や下痢で苦しい日常を変えたいと思い、インターネットで情報収集をしていたところ、松本医院のHPにたどり着いたのです。
HPにはちょうど小西さんの手記が掲載されており、松本医院に通院することで難病と言われたクローン病が治ったとのことでした。 その手記を見終わったら即座に母親と相談し、早速次の日に松本医院に受診しにいきました。ちょうど以前かかっていた医者にも症状があまりよくならないので、レミケードを勧められそうになっていたところでしたが、自分のなかでは、レミケードは副作用も多く、恐い薬であるという認識があったので、できればレミケードはしたくないのが本音でした。 ですので、ちょうどこのころ今度の治療方針の分岐点に立っていたと思います。そういう意味でこのタイミングで医院のHPに出会ったことは、何か運命めいたものを感じました。
【松本医院での治療】
そして、23年6月29日に松本医院を初めて訪れました。松本先生とお会いして、まず始めに言われてびっくりしたのが、「基本的に何でも食べてもいいよ」というお言葉でした。私は一番食べ盛りの20代前半に病気になってから、 ほとんどろくな食事も食べない生活が続いていたので、これほどうれしいことはありませんでした。その時の喜びの気持ちは今でも鮮明に覚えています。 要はクローン病や膠原病の原因は化学物質とストレスであり、体内に入った化学物質を体が異物と認識し、通常はIgEを使って、アレルギーで処理されるところを、ストレスなどの外的要因にて、IgGで処理されてしまうようになり、 それで膠原病となってしまうという理論でした。
リウマチも同じ原理で発生し、発症する場所が関節か、腸であるかの違いであるとのことでした。漢方、鍼、お灸などにより、人間が本来持つ免疫をあげることで膠原病をアレルギーにクラススイッチさせ、さらにアレルギーから後天的免疫寛容を起こせば、化学物質と共存できる体になり、膠原病は完治するというものでした。クローン病の原因は不明であり、とりあえずステロイドを処方し、その場しのぎである今までの西洋医学と比べて、松本先生の理論はクローン病の原因もはっきりしており、治療から完治へのプロセスも非常に論理的であるので、松本先生に付いていくことを決心しました。
それから、漢方は二種類飲み、家では、毎日カマヤミニによるお灸、通院の際は早田先生に鍼をしていただく毎日が始まりました。 下痢の漢方は非常に苦く、最初は飲む度に吐きそうになっていたのですが、毎日飲んでいるとだんだん慣れていき、途中からは苦いものの、普通に飲めるようになりました。
初診から約二週間経ったくらいに、37.8度の熱が出ました。松本先生に電話で確認したところ、リバンドが始まったみたいだから、フロモックス(抗生物質)を飲むように指示していただきました。その後すぐ、フロモックスを飲んだところ、たちまち熱は下がり、落ち着きました。
そして、漢方による治療を初めて、約一ヶ月が経ったころ、今まで悩まされていた下痢がようやく止まり、固形の便がでるようになりました。当時、他の人の手記を見ていると漢方を飲んだ翌日には下痢が止まったとの記事もあったので、自分の場合はなかなかすぐには下痢が治まらなかったので、少し焦りましたが、しっかり下痢が治まってくれたので、ほっとしました。 下痢が治まると同時に、鼻水がかなり出るようにアレルギー性鼻炎みたいな症状になったこともありました。このころから、少しずつクラススイッチが始まっていたのかもしれません。
そして、24年の1月に両足にアトピーが出て、アトピー用に漢方を処方していただきました。すると、2月から4月にかけて、アトピー及び蕁麻疹が全身のいたるところに発症し、非常に痒く、夜もなかなか寝つけなかったほどでした。右足のアトピーに関しては、足がパンパンに腫れるほどでした。松本先生曰く、やはり、アトピーや蕁麻疹に関しても、ステロイドなどで、症状をただ抑えるのではなく、むしろ免疫が戦っているための症状であることから、免疫を上げることにより、アトピー等の症状を出し尽くすことで、完治に向かうとのことでした。ですから、よく皮膚科の医者が言うアトピーは掻いたらダメというが、むしろアトピーは掻いて症状を出し尽すことで、治まっていくものであるとのことでした。
松本先生のおっしゃったとおり、アトピーや蕁麻疹は痒いときは掻きむしり、アトピー用の漢方を飲み、そして漢方風呂に入ることで、次第に症状はなくなり、アトピーや蕁麻疹が出ていた箇所も今ではすっかりきれいになりました。また、このころに便秘がかなりひどくなったので、松本先生にそのことを話すと下痢用の漢方の服用も止めていただきました。
そして、今現在はCRPの値だけがまだ少し完治したとは言えませんが、特に何の症状もなく、好きなものを食べ、普通に生活ができています。一年前までの生活が嘘のように、楽しく毎日を過ごしています。むしろ、今までのもがき苦しんだ五年間は何だったのかさえ思えます。
また、初診の時にも松本先生におっしゃっていただいた、「心を入れ替えんと病気は一生なおらへん!」の言葉のおかげで、かなり物事の考え方も変わり、 気分的に楽に人生を生きようと思えるようになりました。もともと、何もかも自分で背負い込み、追い込んでいくタイプの性格だったのですが、これからは、いい意味でがんばりすぎない自分で常にいようと思います。これまで、暗闇と不安でいっぱいだった将来も松本先生のおかげで少し、光が差してきたように思います。松本先生、鍼灸の早田先生、その他松本医院のスタッフさんには感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。 初診から現在までの血液検査における数値の推移グラフは下図の通りです。この手記を読んでいただいている方の参考になればと思います。
※【正常値CRP:0.05以下 血沈:5以下 TTT:4.0以下 MMP-3:36.9~121.0】
【最後に】
今現在、クローン病や潰瘍性大腸炎の患者は何十万人いますが、その人たちが間違った治療を受け続けることで、病気は治らないまま医療費は増え続け、 また新しい薬ができるたびに新しい病気を誘発し、さらに医療費は増え続けます。経済成長がこれ以上見込めない中、当然歳入は頭打ちの状態なのに対して、歳出がこのように増え続けば、間違いなく日本の財政が破綻していくのは目に見えているのではないでしょうか。医療費などの今後増加が見込まれる社会保障費の財源を確保するために、消費税の増税法案なども最近可決されましたが、増税する前に医療費等の削減など歳出削減を先にするほうが先決なのではないかと思います。クローン病及び潰瘍性大腸炎の患者がすべて完治するだけでも、何億もの歳出削減につながるのです。このような議論が国会でなされていないことが残念でなりません。この先日本はどうなるかわかりませんがいい方向に向かうことを願っています。
以上