「膠原病手記 」
匿名希望43歳2012年4月8日
匿名希望43歳2012年4月8日
●はじめに・・・
この手記は、私が膠原病になり完治するまでのことを綴ったものです。
パンを焼くこと お料理を作ること食べることが仕事でもあり、何より大好きだった私。そんな私が、膠原病になりクローン病やリウマチと向き合った数ヶ月です。治療中、本当に治るのだろうか・・・そう思ったことも何度もありました。そんな時に「治らない病気はないよ」と励ましてくださった松本先生。
そして、多くの患者さんの手記にとても励まされました。これから病気と向き合って治していかれる方に少しでもお役に立てればと思っています。
●オーバーワークな日々
もともと、健康で病気で寝込むこともなかった私。
2010年~2011年春まで、今までにも増して、ハードな毎日を過ごしていました。心身ともに、時間にも余裕がなく、いくつもの役割を必死でこなしていた毎日でした。
●首にアトピー
多忙だった日々が一段落した春、時間にも心にも余裕ができました。
それから2ヶ月ほど経った5月頃から、首にアトピーのような湿疹が出たり引いたりするようになりました。
皮膚科へ行ってみると、こすったりクリームを塗ったりしていないかと聞かれ、弱いステロイドの入った塗り薬が処方されました。
髪の毛が、ちょうど首にあたる長さで、刺激になったのかな~などと自分では思ったりしました。
薬を塗ると、その時は良くなるけれど塗らないとまた元に戻る繰り返し。
ステロイドは怖い薬ということは知っていたので、薬を塗ることも病院へ行くこともすぐにやめました。
この時、私の身体の中では異物をIgEが処理してアトピーで出そうとしていたのだと思います。
●2010年秋~消化不良
その後も、自分のできるギリギリのところまでやってしまう性格が災いし、充実した日々ながらも睡眠不足ハードな毎日で、心にも身体にも知らず知らずのうちに負担をかけていました。
この頃から、油ののった鯖やブリなどを食べるとお腹を下すようになりました。
体質が変わって、青い魚のアレルギーになったのか・・・
それでも、お正月には、鯖をお酢でしめたきずしなどを作って食べましたが大丈夫で、やっぱりアレルギーとは違うのかな・・・と思っていました。
首のアトピーは、いつの間にか出なくなっていました。
私の身体の中で、IgEからIgGにクラススイッチしてしまったのです。
●2011年2月~5月
この頃から、食後にお腹が痛むようになりました。
食欲は、普通にあり食事をして2時間ほど経つとおへその周りが痛くなるのです。あわせて、腸の動きを異常なほど感じました。
グルグル動いているのと、大きな腹鳴、夜中でもお腹が異常に動き目が覚めてしまうほど。自分の身体の中で何か起きているのでは・・・と不安に感じました。知り合いの方に、相談したところ膵臓が悪い場合に同じような症状が出るから病院へ行ったほうがいいと言われ総合病院を受診しました。
ここで血液検査など受けましたが、膵臓もその他も異常はなく、どこも悪くないと言われ整腸剤だけ処方されました。
その後も、整腸剤を服用していても症状は治まらず便にも残渣が多く、食べたものが消化されていない感じでした。何かしんどくて自分の身体が明らかに今までと違うのに、どうして原因が分からないのだろうと不安でした。
改めて、消化器内科で診てもらったほうが良いのではと思い、近所の病院を受診しました。
ここでも血液検査など行い様子を見ていましたが、すっきりしない毎日。
もう、全部調べてもらって安心したいという気持ちもあり、胃カメラと大腸内視鏡検査、CTなどを受けました。
この結果、胃にピロリ菌がいることがわかり除菌を勧められました。
もともと、薬なども嫌いだったので、大量の抗生物質などを飲むことに抵抗がありましたが胃がんのリスクが減る自分の家族だったら除菌したほうが良いと言う・・・と先生がおっしゃるので気の進まないまま、除菌することにしました。
薬を服用中は、軽い味覚障害などありましたが、服用後には治り呼気検査でもピロリ菌(ー)となり除菌できたようです。ただ、この後、薬の影響で数日身体に湿疹が出ました。
●2011年6月~
いろいろな検査をしても悪いところは見つかりませんでしたが、体調はすぐれませんでした。
脂質が多く含まれるものを食べるとお腹を下すことを繰り返すので、できるだけ脂質を除去した食生活をしていました。
そして、毎日ネットでも調べるうちに、自分は特発性膵炎なのではないかと思うようになりました。
私のように、飲酒の習慣がなくても、検査結果に表れなくても原因不明の膵炎の場合があるということを知り症状も、私のものとよく似ていました。
脂質の消化吸収が、一番負担があり時間がかかることなどから下痢が起こるのかなと思い始めました。
体重は減ってきていましたが、それなりに工夫して食事はできていました。
しかし、脂質に対しての消化不良が一層激しくなってきました。
今まで、油っこいものを食べると便が緩くなったり、下す程度でしたが油をつかったものが何でもダメになってきました。蒸し野菜なら大丈夫でも油で炒めた野菜はダメ。ハード系の油脂を使っていないパンなら大丈夫だけど、油脂を使った菓子パンはダメという感じです。
●2011年7月~
症状がひどくなるばかりで、食事の制限もどんどん厳しくせざるを得ませんでした。ごはん、お味噌汁、煮物、お漬物などを毎日食べ油は調理にも使いませんでした。お味噌汁の具材も豆腐や油揚げなどは使わず、野菜ばかり食べていました。今まで見てもらっていた開業医の先生も、原因がわからず首をかしげるばかりなので大学病院を紹介してもらいました。
大学病院の先生は、しっかり最初からの話を聞いてくれました。
血液検査の結果CRPに炎症反応はなく、(血沈は、どこの病院でも調べませんでした。)CTも取り直しましたが異常はなし。微熱や痔の症状もあるならクローン病も疑うが、今の状態ではそこまで検査する必要はないだろう。
何らかの原因で膵臓の機能不全かな~画像で見て膵臓に異常はないからいつか治ると思うよ・・・と。私が特発性膵炎ではないか・・・という話もしていたので膵臓の薬フォイパンを処方され、栄養も補えるようにとエレンタールを処方され1ヶ月に1度様子を見ることになりました。
●2011年8月~
私は、先生の話から原因はわからないけれど膵臓の機能がうまく働いていないのだ・・・と考え少しでも早く回復するためにと、鍼治療をしている所へ通うことにしました。潰瘍性大腸炎の方が良くなっていることが、そこのHPに書かれてあり私の消化不良の状態も良くなるだろうか・・・少しでも早く回復するなら試してみたいと思い通いました。
ここで、鍼をしてもらうたびに身体は温かく感じ鼻炎のようなアレルギー症状が出てきました。このとき、私の身体はIgGからIgEへ、クラススイッチしようとしていたのだと思いますが、そのときは、そんな事とは知らず、良くなっている実感がはっきりとはわかりませんでした。
●2011年9月~
9月に入ってから微熱が続くようになりました。36、8~37、3ほどの微熱。
風邪の時とは違って、特にしんどくはないのですが身体が熱く熱っぽい日々が続きました。
毎日微熱が続き、自分でもクローン病ではないか・・・と思い始めた頃痔にもなり下血するようになりました。出産後に切れ痔になったことはありましたが、それとは全く違う。傷は肛門の中にあるような感じで、出血の量も多くとても怖かったです。そして、少しずつ減っていた体重も30㌔代に突入し、どこまで減るのだろうか・・・と体重計に乗ることがとても恐ろしくなりました。
食後の腹痛もひどくなり、食べることも怖くなり処方されていたエレンタールを飲んだりして栄養を取っていました。
そんなある日、軽い食事をした後2時間くらい経ったときに焼けるような腸の痛みに襲われました。痛くてとても辛かったですがまたしばらくすると、痛くなくなる。傷のある小腸で食べ物が消化するときに痛み、そこを超えたら痛くなくなるそんな感じでした。
クローン病は、消化器全般に炎症が起こる病気だけれど小腸限局型というのもあるとネットで調べて知っていたので、自分はこれに間違いないだろうと思いました。
大学病院で小腸の検査をすることになったら、入院は避けられない。
そして、クローン病の炎症が見つかったら入院投薬となるだろう・・・・
クローン病の話が出た時に、ネットで調べて松本先生のHPには出会えていました。この頃からもしも、クローン病だったら松本先生のところへ行こうと決めていました。
私は検査をして、クローン病と診断されたわけではないので、行っても治してもらえるのだろうか・・・。そんな不安はありましたが、元気になりたい一心でとにかく診てもらおうと決めました。
●松本先生との出会い
9月14日 初めて松本漢方クリニックを受診しました。高槻駅前の歩道橋の階段がしんどくて・・・貧血がひどかったのか、ふらふらになりながら辿り着きました。
看護師さんの説明を聞いているときから、ほっと安心して涙が出てきました。
「大丈夫よ!私も良くしてもらったから。こういう病気はね、真面目な人がなっちゃうのよ。長かったと思うけど早くここに来られた方よ~
薬も飲んだりしていないし、すぐに良くなると思いますよ」
そう、言っていただいて、ほんとに治るんだ・・・とまた涙が出てきました。
続いて、先生の診察でした。
今までのことと症状を話すと、「あ~クローン病やろな」と。
「あんたは、損なクジ引くタイプやわ~ オーバーワーク、ストレス、睡眠不足あったでしょ。」
クローン病の原因は、欧米化された食生活ネットで調べた病気の説明にはどのサイトにもそう書かれていました。
料理が好きで、インスタントものなど使うこともほとんどなく、添加物などにも気を配ってきました。パンを焼くのが好きでよく食べていましたが、同じように和食も好んでバランス良く食べていたつもりでした。
食事には、とても気をつけていたし、何でも手作りしていたような私がどうしてこんな病気になるのだろう・・・・
松本先生に出会って、病気の原因をそう言っていただくまで、自分のどこがいけなかったのだろう家族にも、良くないものを食べさせてきてしまったのか・・・と思い悩み辛かったです。
先生に言われたことで、いかに自分の身体に無理をさせてきたか、そして、副腎皮質ホルモンを出しすぎていたことに、やっと気づくことができました。
「覚悟のすすめ」 「このひと言が人生を変えるイチロー思考」「夢を実現する戦略ノート」自分が病気になる前に読んでいた本のタイトルの一部ですが、今考えると恐ろしい自己啓発本ばかりです(笑)
もともと、努力することが好きな私でしたが、身体はついていけなかったのです。そして、鍼もしていただいて、下痢を止める漢方と傷を治す漢方、そしてアミノバクトを処方していただきました。
カマヤミニも買って帰り家でのお灸も始めました。そして、毎日松本先生の理論を何度も読み返しました。
●初めての漢方薬
漢方を煎じて飲み始めました。あまりの苦さに驚きましたが、良くなりたい一心で飲みました。すると次の日から、便の状態がしっかりした形のあるものになり驚きました。
先生に、食べたいものは何を食べてもいいよ~と言っていただいたのもとてもとても嬉しかったです。私は、パンとお料理の教室を開いていて、レッスンメニューの試作なども思うようにできず、このまま仕事まで出来なくなってしまうのだろうか・・・と不安な日々を送っていたのです。
それが、作りたいものを作って、食べたいものを食べられる。
普通のことのようですが、このときの私にはとてもとても嬉しかったです!
1週間後、最初の血液検査の結果で、血沈とリウマチの数値が高く、膠原病であることがわかりました。
松本先生に、関節は痛くないかと聞かれ、5月頃股関節が痛み整形外科を受診していたことを話しました。
すでに下痢の症状は治まっていたので、腸の傷を治す漢方とリウマチの漢方に変えていただきました。
2週間に1度の診察と鍼治療、家でも毎日お灸をしました。
●2週間後にリバウンド
漢方を飲み始めてから、2週間体調も良くなってきた頃にリバウンドが起こりました。胃に大量の石が詰まっているかのような重苦しさ、高熱が1週間続きました。患者さんの手記にも、リバウンドのことがたくさん書かれていたのでこれでこのあとは、きっと良くなると思い乗り切りました。
●クラススイッチ
そして、10月8日忘れもしません。
お風呂上りに自分の身体を見ると下腹部を中心に,細かい湿疹がばーっと出ていたのです。
クラススイッチや~~!!と大騒ぎしました。
先生に、ステロイドなど免疫を抑えるような薬を飲んでいたわけじゃないから 早く良くなるよ~と言っていただいていましたが早すぎてびっくりしました。
●ぜんそく
クラススイッチしたら、すぐに良くなるのかな・・・と思っていましたが違いました。身体のたくさんのリンパ節で、順番にクラススイッチが行われ、少しずつ少しずつ良くなっていくそうです。
湿疹が出たり引いたりするようになって、合わせてぜんそくにもなりました。
風邪でもないのに、咳がひどく止まらず、先生に電話をするとぜんそくになったのやね・・・と咳を止める漢方を送ってくださいました。
そして、1週間ほど飲むと症状は治まりました。
●心の持ち方
順調に身体は回復していきましたが、リンパ球は20ほどの少ないままでなかなか増えませんでした。あるとき、先生に「あんたが自分で病気にしたんやから自分で治すんやで!!」と言われてはっとしました。
病院に通っていたら治してもらえる・・・どこかそんな受け身な気持ちを見抜かれたようでした。患者さんの手記にも自分で治そう、自分の免疫の力を信じて・・・そうすると体調がとても良くなったと書いてあったことも思い出しました。私も、どこか受け身だった自分の意識を変えました。
煎じ薬を飲むときは、手を腰にあてて「私の免疫、がんばれー!! 治すぞー!!」と声を出してから飲みました。
毎日ラジオ体操をしたり、ヨガをしたりして自分で治すのだ・・・と思いました。医院で松本先生や看護師さんにお会いできることも、パワーをいただける感じでとても楽しみでした。ストレスためたらあかんでー!と言いながらニカッと笑ってくださる、いつもお茶目な松本先生でした♪鍼の先生には、身体に良さそうなことを、いろいろ教えていただきました。そして、高槻には美味しいパン屋さんもたくさんあり帰りに寄るのも楽しみのひとつにしました。
●膠原病完治へ
そこからが早かったです。
体調もどんどん良くなり、食べた後の腸の重いような違和感も減ってきました。
小腸の傷が少しずつ良くなっていっているのがわかりました。
年明けに、リウマチの数値も規定内に入り腸の傷を治す漢方1種類のみになりました。その後、インフルエンザになり、CRPと血沈が跳ね上がりましたが次の検査では、またすぐに下がりました。
今は、検査結果も良好で鼻炎が残るくらいで普通の食事生活が送れています。
普通の食事ができなくなったとき、家族やお友達との楽しい時間まで奪われてしまったようでとても辛かったです。食は、お腹を満たすだけのものではなく、心も満たし幸せにしてくれるもの。人を幸せにできる食の力、だからこそ私は それを仕事にしています。
エレンタールで栄養を取っていた時、一生こんな生活が続くのだろうか・・・
子どもの成長は見守れるのだから、死なないだけましだろうか・・・・とも思いました。しかし、私にとっては、生きる意味を無くすほどのこと、死んだも同然と思うほどの出来事でした。
それでも、私は病気になってよかったです!せっかく病気になったのだから・・・と前向きに。家族みんなの薬や病院とのかかわり方も、考え直すことができました。松本先生に出会えて、病気になって、自分のことも見つめ直すことができました。
支えてくださった先生、松本漢方クリニックの皆様、家族やお友達にも感謝の気持ちでいっぱいです。
私は自分の免疫を信じて、膠原病を完治させることができました。
これからは、身体の声を聞きながら、あたり前だと思っていることに感謝して 楽しく暮らしていきたいと思います。
現在治療中の方も、これから治療を始める方も、自分で治す・・・・この気持ちがとても大切だと思います。
皆様が、元気になられますこと心より応援しています!!