「クローン病完治・角膜潰瘍の手記」
25歳 女性 2016年2月27日
25歳 女性 2016年2月27日
私がクローン病と診断されたのは2013年5月のことでした。その年の元旦ぐらいから差し込むような腹痛が毎日のように現れており、最初は食べ過ぎか何かだろうという気持ちでした。小さな診療所で胃カメラの検査を受けても胃炎という診断でしたので、胃薬を飲みながら過ごしていました。しかし、いつになっても腹痛が治まることはなく症状は悪化していく一方でしたので、今度は大学病院で大腸カメラの検査を受けることになりました。その結果、大腸に狭くなっている部分があることがわかり、さらに生検の結果でクローン病と判明しました。その病院では小腸まで調べることはできませんでしたので、小腸はどうなっていたか不明です。
結果が正式に伝えられるまでに担当の医師から「良くてクローン病か、可能性はとても低いけど悪くて大腸がんかもしれない」と言われていたので、母にもそのことを伝えていました。結果を待っている間、母が手際よくインターネットでクローン病の治療方法を調べてくれていたようで、幸運にも松本漢方クリニックのホームページを見つけてくれていました。母は検査の結果を聞く前から、「クローン病だったら松本漢方クリニックに行こう」と勧めてくれたのを覚えています。
正式な検査結果を聞いてクローン病であることが判明し、とりあえず大腸がんという最悪の結果ではなかったことに安心すると同時に、担当の医師にも「漢方で治す病院を見つけたので、そこで治療に専念します。」と伝えて何も治療を受けることなく去りました。腹痛になってから服用していた薬は胃薬(ガスター錠だったと思います)と整腸剤(ビオフェルミン錠)でした。しかし、後々知ることになるのですが、昔から鼻炎を患っていたので抗アレルギー剤(ジルテック錠)という薬を長期間服用していましたし、幼少期から小学校低学年ぐらいまでアトピーの治療も受けていました。これらの治療がクローン病を発症する引き金だったとは松本漢方クリニックに行くまで想像もしませんでした。
診断を受けた翌日、すぐに松本漢方クリニックへ足を運びました。2013年5月25日のことでした。ホームページの要約や論文をあまり読まないまま受診してしまいましたので、少し怒られてしまいましたがこの日から私のクローン病治療が始まりました。翌日からリバウンドの症状が現れたように思います。生まれて初めて経験するほどの高熱で体温計に39.9度という表示が出てとても驚きました。
クローン病の標準治療をしていなかったもののリバウンドは壮絶なもので、とにかくお腹が痛いのと食べられる量が極端に減って何を食べてもすぐに満腹になってしまう状況でした。下痢は断痢湯という強力な下痢止めの漢方薬を飲むことで治まっていましたが、なかなか味に慣れなくて後に飲むのをサボるようになってしまいました。8月頃から次第に毎食時に漢方薬を飲まなくなってしまい、松本漢方クリニックにもしばらく足を運ばなくなってしまいました。今から考えたら馬鹿なことをしたなぁと思い出してしまいます。再び松本漢方クリニックを訪れようと決意したのは翌年の4月のことでした。それまでの間は民間療法を試しながらも自然任せに、他の薬には頼らないように過ごしていました。腹痛が特に辛いと思う時だけはお灸をしていました。漢方薬をサボっていた間、下半身を中心にむくみが発生していましたから、足を揉んだりもしました。(むくみの原因はあとでアルブミンの不足によるものと判明しました)
11月末からリハビリを兼ねて週4日アルバイトに行くようになりましたが、これも今思えばかなり無理をしていたと思います(笑) 毎日下痢の状態で栄養状態が悪かったので足がむくみ、体力も続かない状態でしたから結局1ヶ月しか働くことができませんでした。年末の頃にはむくみが酷く、顔の輪郭が変わるほどでした。本当に怖かったです。年が明けて2014年1月4日、息苦しさを感じて救急で地元の公立病院に駆け込みました。医師に見てもらったところ腹水と胸水が溜まっているとのことでした。クローン病であることを告げると「入院したほうがいい」と言われましたが、やはり免疫を抑える医療は受けたくなかったので拒否して帰りました。
しかし確かに危険な状態ではありました。なんと血液検査でアルブミンの数値が1.1g/dlしかなかったのです。この時の身体はとても重く、立ち上がったり座ったりという動作が難しかったのと、やはり顔がむくんでいました。お腹も腹水の影響で腫れていました。4月に再び松本漢方クリニックを受診するまで何をしていたかと言えば、安静に過ごすことはもちろんですが、相変わらず民間療法にも頼っていました。
1月半ばには静岡県のとある健康施設で氣功をしてもらったり、1月下旬~3月半ば頃までは温泉地に滞在して湯治をやってみたりと、色々なことを試していました。これらの試みは遠回りだったかもしれませんし、もしかしたら無駄だったかもしれません。ですが精神的に落ち着くことができましたし、滞在先で出会った方から励ましやパワーも貰えたことに感謝していますし満足しています。たくさんのアイデアを考えてくれた母にも大変感謝しています。ですから遠回りだったとしても無駄ではなかったと思っています。
4月に再び「血液データだけ知りたい」と思い、まずは地元の公立病院に向かいました。適当に理由を考えて何とか血液検査を受けることはできましたが、やはりアルブミンは極端に少ない状態でした。1.5g/dlだったと思います。病院を受診した翌日、一度身体をリセットしようと思い一日だけ断食しました。一日断食や半日断食は度々していました。何も食べないわけではなく「ニンジンリンゴジュース」を食事がわりに飲んでいました。これもある民間療法の冊子か何かで知り得たものでした。低速型のジューサーでりんごと人参をすりおろすというものです。
断食の翌日ぐらいに急速に体調が回復していって、それから1週間ぐらいした頃にアトピーが出始めたのです。「これはクラススイッチか」と確信し、やっとのことで松本漢方クリニックに足を運ぶ決心がついたのでした。もちろん半年以上も受診はおろか電話もせずにいましたから、かなり叱られましたが事情をゆっくり話すと再び表情穏やかになり診察していただけました。私自身も「もう一度真面目に取り組もう」と思うことができました。その日から再び漢方薬を飲むようになり、断痢湯と補中益気湯を飲み始めました。アルブミンが不足していることからアミノ酸を取り入れるために「アミノバクト」という顆粒も飲むようになりました。
断痢湯のおかげで下痢はピタリと治まり、アミノバクトを飲むことで栄養状態も回復し、また食欲も増えて人並みに食べられるようになりました。下痢が治まったら、貧血も酷かったので今度は鉄剤(フェルムカプセル、メチコバール錠)とともに腸管の出血を止める漢方薬を処方していただきました。6月頃までは貧血が酷く何をしてもすぐにフラフラになる状況でした。特に用事がないときは相変わらず一日中寝ていることがほとんどでした。しかし10月頃には腹痛もほとんど感じなくなり貧血も感じなくなり、体力もそこそこに回復していました。
が、再び自分の悪い癖で体調が良く感じることを理由に受診しなくなり、翌年の2015年3月まで漢方薬も何も飲まない生活を続けてしまいました。すると再び貧血が起こるようになり4月が終わろうとしている頃になって、やっと受診。また先生を怒らせてしまいました。すみません。貧血はあるものの、腹痛や下痢は全くと言っていいほどなかったので、てっきりクローン病は完治しているものだと思い込んでいたのでしたがヘモグロビンが最低で3.0g/dlまで下がり、血清鉄も6μg/dlまで下がっていました。再び鉄剤(フェルムカプセル、メチコバール錠)と腸管の出血を止める漢方薬の服用を開始。徐々に回復していきました。
6月になって皮膚にヘルペスの水疱が現れました。患部を写真に撮り松本先生に確認していただくと「それはヘルペス(VZV)によるものです」との回答をいただきました。それから抗ヘルペス剤のアシクロビル錠を本格的に服用するようになりました。クローン病の治療を開始した頃にも飲んでいましたが、その頃は恥ずかしながら腹痛の原因にもヘルペスが関与していることはあまり理解していませんでした。皮膚に現れる水疱はその後3ヶ月ぐらい続き、かゆみが出たときに引っ掻くと水疱も潰れて血が出ると共に深い傷が現れて辛かったです。また、それほど暑いわけでもないのに火照るような感覚が症状として現れて、汗なのかリンパ液なのか分からない(おそらくリンパ液)ものが滲み出て不快でした。
9月が終わる頃、季節的にも涼しくなると症状はだんだんと治まりましたが10月に入って、今度は左眼に違和感を覚えました。ある日の朝、オートバイを運転しているときに左眼だけ異様に涙が出て瞼が開きにくいと感じたのです。最初は目にゴミが入っただけなのかと思っていましたが、半日経っても症状が続くのでその日は帰宅後しばらく横になることにしました。夕方になって少し回復したかと思いましたが翌日になっても左眼の違和感がありました。さらにその翌日、再び朝から外出したのですが朝日の光が異様に眩しかったのです。日陰に居ないと左眼がまともに開けていられないぐらいでした。電話で松本先生にそのことを話すと「それもヘルペスだろう」とのことでしたのでアシクロビル錠の服用量を増やすことにしました。しかしそれでも目の違和感は増していくばかりでしたので、月末の電話診察でさらに詳しく「涙が大量に出る、屋外の光が異様に眩しい、視界がぼやける」ということを伝えると「もしかしたらステロイド性白内障の可能性もあるので、眼科で検査してみては」とご意見をいただきましたので、地元の眼科で検査を受けてみると角膜に傷があり、瞼の裏側が腫れている状況でした。眼科からは抗アレルギー剤やステロイドの点眼薬を処方されそうになりましたが、「免疫抑制する類の薬は使いたくない」とお断りしました。白内障の可能性はないという診断で、少しほっとしましたが「眩しい、ぼやける」といった症状の原因は角膜の傷であることがわかりました。少し傷が深いので角膜潰瘍といえる程度とのことで、これについて松本先生に尋ねると「やっぱりヘルペスや!ヘルペス性潰瘍とでも言うべきや」との回答をいただきました。以降、アシクロビル錠を1日に16錠も服用していますが、なかなか回復しません。今年、2016年になってアシクロビル錠(1日16錠)に加えて目の免疫を高める効果がある「洗肝明目湯」という煎じ薬を服用するようになりました。眩しさは若干緩和しましたが、時々涙が出ますし何より角膜の傷が治っていないためか、左眼の視力がないと言える状態です。ぼやけてピンボケのようにしか見えていません。右眼だけ正常なのが唯一の救いです。
血液検査のデータを見てもVZV IgGの抗体価が高いことやリンパ球の量が極端に少ないことからステロイドを乱用したことによる弊害は甚大なものなんだと今になって実感しています。
2016年2月現在、クローン病の苦しみは過去のものとなりました。残すはアトピーとヘルペスによる角膜潰瘍の治療です。これらも辛い病気ですが、絶対的に完治できる見込みがあるものですから、完治後にやりたいことを想像しながら前向きに治療を進めたいと思っています。病気になって辛かったですが、いろいろと勉強にもなりましたし自分の生き方を見直すという良い機会にもなりました。
手記の提出が大変遅くなり申し訳のないことをしました。これからもアトピー性皮膚炎、ヘルペスの治療で引き続き松本漢方クリニックの院長先生、鍼灸の先生、スタッフの皆様にはお世話になりますが、どうぞよろしくお願いします。