「クローン病手記」
匿名希望 13歳 2013 年 3 月 1 日
匿名希望 13歳 2013 年 3 月 1 日
●発病まで
私達家族は、主人の仕事関係で、ほぼ2年間隔で転勤にともなう転居をしてきました。
息子は小さなころからお腹が弱く、腹痛や下痢になることも多く、また口内炎もよくできていました。
母親同士で話をすると「男の子はメンタル弱いよね~うちの子もお腹弱いよ」という話もよく聞き、そんなものかと思っておりました。
転校が多く心配しましたが、息子は順応するのが早く友達もすぐでき、学校の行事も勉強も適度にがんばるごく普通の明るい少年でした。
息子が小学校 6 年の 3 月、主人に中国への辞令が出て、初めての海外帯同をどうするか話し合い、私と息子は 8 月から行くことに決めました。
●中国にて発病
2011 年 8 月中国広東省に転居。
息子が新しい環境にも慣れてきた 9 月末、発熱と右下腹部の痛みが続いたため盲腸のおそれありとのことで入院しました。MRI やレントゲン、エコーなどの検査をしたものの結局原因が分からず、そのうち血液検査の結果も正常になり10 日ほどで退院しました。
翌年 3 月と 8 月にも同じような症状になり、CRP 値がこんなに高くなるのはやはり腹部に何か原因があるかもしれないとカプセルカメラで消化器の検査をしたところ、小腸と大腸のつなぎ目あたりに 30 センチにわたり腸壁の盛上がりがみつかりました。今思えばこれは 3 回の発熱と腹痛のときにできた潰瘍の痕だったのです。
2012 年 10 月はじめ、私達の住んでいた地域では大腸の内視鏡検査のできる設備がないため香港の病院を紹介してもらい、検査のため入院しました。内視鏡検査のすぐあと、先生に無数の潰瘍の写真を見せられ「感染症の可能性もあるので組織の病理検査の結果がでないと分からないが、クローン病の可能性が高いです。そうであればステロイドでの治療になります。」と告げられました。
聞いたこともない病名なのですぐにインターネットで調べると難病、原因不明、完治しない、手術率が高いなど調べれば調べるほど愕然とする言葉ばかりで一体息子はどうなってしまうのかと体が震えました。
そして気になったのはステロイドという言葉・・・以前、アトピーのお嬢さんが説明もされず長期にわたり処方されたリンデロンを塗り続け、顔がひどい状態になり訴訟をおこした経緯をつづった本を読んだことがあり、ステロイドは怖いという知識だけはあったので、何かほかの治療法はないかと検索しました。
いくら探してもみな同じで薬物療法と食事制限ばかり・・・何度かキーワードを変えてみたところ、松本漢方クリニックの 16 歳の少年の手記にヒットしたのです。
松本先生の理論と皆さんの手記を何度も何度も読みました。免疫学はとても複雑で理解するのは難しいですが、一番大事なところは「免疫を抑えてはいけない。免疫を上げればクラススイッチが生じアレルギーとなり、最後は免疫寛容をおこし化学物質とも共存できる」と明快で根拠もはっきりしており、この先生だったら完治できると希望が持てました。息子にも説明すると、ステロイドより苦くても漢方の方がいいと納得し、松本漢方クリニックへ行こうと決めました。その後香港の医師が病室にやって来てやはりクローン病だと告げ、ステロイド 45mg を 8 週間服用してもう1度内視鏡検査をやり様子を見て減らしてゆき、副作用の少ない薬に変えていくと言いました。
「やっぱりそうきたか」と思いつつ、「ステロイドは飲みたくありません。すぐ日本に帰国しますので医療データを下さい」と言うと、「日本でも治療は同じですよ」と言いながら了承してくれました。それでも帰国までに潰瘍が破裂する危険があるからと「ステロイドではない新薬ですから」とたくさん薬を処方されました。一応最後に「漢方で治りますか?」と聞いてみたら「私は漢方医でもあります。この病気は漢方では治りません」と言われてしまいました。
もらった薬を調べてみたら Salofalk500mg(ペンタサ)と Arcoxia60mg(抗炎症剤)で、その赤い包装の錠剤は免疫を抑える薬だと分かってみると禍々しい毒薬にしか見えず、すぐ捨てました。漢方医でもあるというたくさん肩書きを持つその医師は、免疫を上げて治す東洋医学を修めていながら、どんな気持ちで遺伝子や免疫を抑える薬を出すのか理解できません。
中国の街中には中医がたくさんあり、やかんを並べて煎じた漢方を道端で売っているのを見たことがあります。言葉の壁があるので飲んでみたことはありませんでしたが、大病院には行けない市井の人は体が不調なら漢方を飲んだり鍼灸で治しているのでしょう。大病院で最新の医療を受けた人が治らない病気になってしまうのだから皮肉な話です。
●松本漢方クリニックにて治療開始
自宅にもどると、すぐに最速で大阪に行ける飛行機の予約をしましたが、先生の理論どうり、香港にいる間に受けたストレスが数日して免疫が復活し口内炎がいくつもできて何日も食べられず、大阪についた頃は歩くのがやっとの状態でした。松本漢方クリニックにつくと手記で読んだ通りの威勢のよい声が診察室から聞こえて頼もしい気持ちがしました。診察が始まり中国から来たことを告げると「遠いところからご苦労さん」と言っていただき、中国の社会や環境汚染についてや、医学会や製薬メーカーに支配された間違った医療について、ひっきりなしに掛かってくる電話の対応をしながら熱く語ってくれました。
薬での治療はしていない事を告げると「良かったな~」と言って下さいましたが、小さい頃から腹痛や口内炎が多かったと言うと「この子は繊細な子なんや。
自分で副腎皮質ホルモンを出してたんや」と、自分の欲を「捨てる」、自分の能力以上は「諦める」、他人の欲を「受け入れる」という心の持ち方が一番大事だと教えてくれました。
口内炎のたびにケナログ口腔用軟膏を塗っていたと言うと「そりゃステロイドや」と言われショックでした。ステロイドだと説明を受けたことは無かったし、いつも気軽に処方されていたので・・・知らないうちに長い間ステロイドを飲んでいたのです。今まで病院で出された薬にあまり疑問を持たなかったことを悔やみました。また腹痛や下痢が多かったことも、先生が論文で書いておられる様にアレルギー性消化下痢であったものを「男の子なんてこんなもの」と軽く考えていました。引越し転校のたび上手に馴染んでいく息子に安心していましたが、息子なりに子供の社会での処世術を身につけて、親を心配させないように小さな体にストレスをためながら頑張ってくれていたのかと思うと申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
松本先生は「まだ 13 歳の子が治らん病気なんかない!必ず治るよ」と言って何度も握手をして下さり、息子が希望しているのでできればそのまま中国で治療したいと言うと「送ってあげるよ」と言って下さいました。食前食後の漢方と薬湯、赤い軟膏を処方してもらい、カマヤミニのお灸も買って中国に帰り漢方治療をはじめました。
漢方を飲み始めたらすぐ次の日から発熱と腹痛が 10 日間ほど続きました。
手記で皆さんが書いておられたので、これがリバウンドなんだと分かりました。それでも心配で松本先生に電話すると「リバウンドやね。熱が出たらフロモックスを飲んでね。何かあったらいつでも電話して」と言って下さり、ずいぶん安心しました。
後日、血液検査の結果を聞くため電話すると、「この子ストレスがすごいで。リンパ球が 5.9 しかない、13 歳でこんな数値みたことないで。コレステロールも低い。中国に行ってからこうなったんやろ、親の責任や!このまま中国におったら治らんぞ。治す環境の整ってない人には薬は送れん!」と言われ、家族で話し合い私と息子だけ環境のいい私の実家の静岡に帰ることにしました。この時 CRP は 11.43、血沈 20、コルチゾール 23.1 でした。
●帰国して漢方治療
2012 年 10 月末、リバウンドの症状が軽くなった頃、日本に帰国しました。
松本先生に電話すると「よっしゃ!必ず治るよ!この病気はまじめで良い子しかならん。この子はまじめ過ぎるんや。勉強はがんばり過ぎず、他人に気を遣わないで少しはやんちゃになれるように大事にしてやりなさい」と励まして下さいました。
また転校になってしまいそれがストレスになるのが心配でしたが、田舎の小さな学校はみんなフレンドリーで、病気に対しても理解があり部活も体育の授業も具合の良くない時は無理せず自己申告で休ませてもらえました。倦怠感はありましたが下痢も無く、給食もみなと同じものを食べ、学校生活を普通におくることができました。
2012 年 12 月半ば、首に少しアトピーが出ました。それと同時に倦怠感、腹痛、関節痛というヘルペスの症状がすこしきつくなってきました。
2013 年 2 月はじめ、治療開始から 3 ヶ月半、2 回目の診察。鍼灸の先生に診ていただくと少しリウマチで手指の関節が腫れているので、リウマチにいいお灸を教えてもらいました。診察の番になると「中国から帰ってきた子やね。なんかイメージが変わったな~初めて来た時は全然しゃべらなかったもんな~なんやイケメンやったんや」と笑わせてくれました。クローン病としての症状はもう無く、リウマチとヘルペスの症状なので漢方も変えてくれました。「中国から帰って来て正解やったろ?」と言われ確かにそうだと思いました。ニュースにもなっている様に中国の大気は大変に汚染され、また食べ物にもたくさんの化学物質が含まれています。その上、外国なので早くから受験を意識する傾向にあり、クラスのほとんどが日系の進学塾に通っており、息子も週 3 回通っていました。それがプレッシャーになったり、自由な時間を奪ってストレスの元になっていたのだと思います。
血液検査の結果は、CRP1.3、血沈 3、コルチゾール 3.9、リンパ球も好中球も正常値とだいぶ改善されて「大丈夫!治るよ!」と言っていただき嬉しかったです。
2 月中はずっとヘルペスの腹痛と関節炎と戦っていました。特に夜免疫が上がると痛みが増すようですが、ベルクスロンを飲んでなんとかやり過ごしています。
痛みというのはつらいものでしょうが、免疫が正しく働いているから出る正しい症状だと理解できているので、息子は「ずっと続かないって分かっているから大丈夫」と言って痛みと向き合っています。
まだ一部しかクラススイッチが行われていませんが、完治に向かってする治療はストレスが無いので、気長に病気とつきあっていける様にサポートしたいと思います。
●おわりに
幸いにも息子は薬を飲む前にこのホームページを知ることができました。
大多数の人がそうである様に、私も病院の医師の出してくれる薬に疑問を抱くことなどありませんでした。ましてやその薬が病気を作っているなんて考えもしません。ですが、今回治療に疑問を持った事によって真実の医療を受けることができたのです。ですからどうか自分や家族の病気と治療、飲まされている薬に興味と疑問を持って欲しいと思います。そしてこのホームページにたどり着いて欲しいと願ってやみません。