「クローン病手記」
匿名希望 18 歳 2013 年 10 月 27 日
匿名希望 18 歳 2013 年 10 月 27 日
1. クローン病と診断されるまで
息子は子供のころからアトピーがありました。小学校の低学年~中学年のころ、風邪をひくと喘息のような症状が出てきました。高学年になるとアレルギー性鼻炎が出始め、初めは花粉の季節だけ耳鼻科に通い、アレルギーを抑える薬(クラリチン)を服用しておりましたが、中学に上がると、学校の耳鼻科検診ではいつも、アレルギー性鼻炎と診断され、いつしか、クラリチンは年中服用するのが当たり前のようになっていました。その時点で、なんでこのお薬で治らないのか?と疑問に思えばよかったのでしょうが、その時は、お薬を飲んでアレルギーが抑えられているのだから、お薬をやめるともっとひどくなるのではないかと思いこんでいました。この思い込みが、そもそもの間違いでした。
高 1 の秋(2011 年秋)になると、痔の症状がではじめ、近くの痔の治療では有名な個人の総合病院にかかりはじめました。切れ痔という事で、ボラザ G という坐薬で治療をはじめました。その後、腹痛や下痢の症状が出始め、血液検査だけはしましたが、その他の検査はなく、過敏性腸症候群だろうと診断され、ビオフェルミンとレパミド錠、ポリフル細粒という過敏性腸症候群のお薬と、ボラザ G 軟膏の坐薬による治療となりました。良くもならず、悪くもならずといった症状が続き、これ以上ひどくなりませんように。と祈りながらお薬を続けていました。本当はその頃から、もしかしては、クローン病ではないだろうか。と私は感じていました。いえ、それより、もっと以前より、クローン病に怯えていました。
年が明け、2012 年の 3 月、痔の痛みがひどくなり、その事を主治医に訴えると、痔ろうになっているといわれ、痔ろうは手術しか治らないから、今のうちに手術して、春からの進級に間に合うように手術をしてしまいましょうと、簡単に言われ、そんなに簡単に治ってしまうのだったら、その方がいいかと。高校 1 年の 3 学期の終業式を待たずに入院、手術をしました。
息子は初めての入院、手術でしたが、治るならと、素直に受け入れ頑張りました。春休みいっぱい入院し、退院したのは、4 月の高校 2 年の新学期が始まる前日でした。まだ、痛みがひどく、学校なんて行かなくていいんだから。と息子に言いましたが、息子は休みたくないと言って頑張って通学しました。
痔ろうの術後、痛みは日ごとに和らいでいきましたが、痔ろうの膿はぜんぜんなくなりませんでした。
腹痛もあったり、なかったり、便も下痢か軟便という感じが当たり前でした。
痔ろうの膿は夏になっても治まらず、ぜんぜん良くならないと焦りましたが、主治医は、傷の大きさで治り方は個人差があるから、大丈夫だと言うばかりでした。2 週間ごとに診察に通っていたにもかかわらず、症状は改善されず、それどころか次第に悪くなる様子に、やはり、息子の病気は過敏性腸症候群ではないのではなか、いえ、本当は、一番恐れているクローン病なのではないか。とビクビクしながら時は過ぎていきました。
2013 年 3 月、とうとう腹痛や嘔吐、痔ろうの痛みの症状が悪化し、大腸カメラ検査をすることになりました。どうか、クローン病ではありませんように。
検査中そんな祈るような思いで検査室から出てくる息子を待っていましたが、検査室から出てきて点滴室で寝かされている息子の口から出てきた言葉は、「クローン病だって」と一言でした。検査中にモニターを見ながら、検査技師がクローン病だと言っていたらしいです。検査結果は医師が親に説明するものだと思っていましたが、検査中に、しかも未成年の息子に簡単に言ってしまうものなのか、この病院には疑問が残ります。しばらくして、主治医不在との事で、代わりの先生が、検査の結果を説明して下さいましたが、口内炎のような白いポツポツがある写真を見せられ、大腸と小腸の間の位置に炎症が見られるので、クローン病だと思いますと説明がありました。生検にも出していますので、その結果が 1 週間後にわかりますので、それによって今後の治療は主治医が指示しますとの事でした。地獄に突き落とされた日でした。
どうしてこんなにもクローン病を恐れていたかと言いますと、息子の父親がクローン病を患い、入院手術を繰り返し、辛い経験をしておりましたので、クローン病とはどういう病気なのか、医師に説明されなくても十分にわかっていました。一生治らない病気だという事、辛い食事制限をしても症状が悪化してしまう事、手術をして悪いところをとってしまっても、病気が治る訳ではない事。息子の父親は、5 年前にクローン病の炎症が原因で亡くなりました。息子にこのような辛い思いは絶対にさせたくない。
そんな思いで、インターネットでクローン病の事を調べ、クローン病を完治させる事ができるという松本漢方クリニックを探し当てました。松本漢方クリニックで治療された患者さんの手記や、既にクローン病を完治されたという方のブログも探し当て、本当にクローン病が完治するなんてと、驚きと、そして何より希望が見えた事がすごく嬉しかったです。松本漢方クリニックの「免疫を抑えない治療」は今まで私の知っている、「クローン病は免疫を抑えて上手につきあっていくしかない」という標準治療と真逆の理論で、正直すぐには受け入れられませんでしたが、完治するにはもうこれしかない。標準治療のお薬を使う前に、松本漢方クリニックの治療を受けなければ完治しない。免疫を抑える薬など使ってはいけない!息子を早く救いたいという思いで、クローン病と診断された 3 日後に松本漢方クリニックを訪れました。
2. 松本漢方クリニックへ
2013 年 3 月末、松本漢方クリニックは、漢方薬の香りが漂う、小さな医院でした。
消毒薬のする普通の病院とは全く雰囲気が違います。松本先生は噂通りのエネルギッシュな方でした。夫がクローン病であった事、そして亡くなった事を話すと、大変お怒りになられて、どこの病院や!と。かかっていた大病院の名前を言うと、ここの病院は最低なんや!とすごい剣幕で標準医療の批判をされていました。でも、息子に「お父さんは残念やったけど、クローン病は絶対治るからね。僕が治すんと違うで。君の免疫が治すんやで。」と優しく微笑んで握手をして下さいました。
息子の治療薬は
1 断痢湯(煎じて食前に飲む 下痢を止める作用があるらしい)
2 鼻炎の漢方(顆粒 食前)
3 排膿散及湯(煎じて食後に飲む)
4 フロモックス錠 100mg (熱が出たとき用)
5 エルタシン軟膏(チューブの軟膏・痔ろうに)
6 赤と黄色の軟膏
7 消毒液
8 潤肌解毒湯(漢方の入浴剤 煎じてお風呂にいれる)
9 お灸
早速、翌日から漢方治療開始です。漢方薬は噂以上に苦くて、まずこれに慣れるのに苦労しました。はちみつを少し入れて飲ませましたが、息子は、漢方薬を飲むことがストレスだ。とぼやきながら飲んでいました。「松本漢方クリニックの治療を始めてすぐに下痢が治まった。」と手記に書かれている方が何人かいらっしゃったので、下痢はすぐに治まるのかと期待していましたが、息子の場合は、そうではありませんでした。大した変化もなく、痔ろうの膿は逆に増えてきて心配でしたが、それはリバウンドだから。と説明されました。息子はクローン病のお薬は一切使用していませんでしたが、今まで花粉症による鼻炎のお薬を服用していましたので、それが免疫を抑えるお薬だったようなのです。ただ症状を抑えるだけの見せかけの治療薬により、今まで抑えられていた免疫が、漢方治療により回復し、リバウンドとして症状に現れたのです。
花粉の季節がすぎ、鼻炎の症状がなくなると、次はひざの裏あたりにかゆみが出始めました。鼻炎の粉薬が、アトピーの粉薬に変更になりました。
腹痛は 1 週間続いて、1 週間治まるといったような症状が続き、なかなかすっきりしない毎日でしたが、不安をかき消すのは、松本漢方クリニックのホームページにある、患者の方々の手記でした。同じ病気でも、人それぞれ症状も違うし、治りの早さも違うという事がわかり、大変心強く感じました。松本先生の理論やコラムも何度も何度も読み返しました。私のようにクローン病を長年傍で見ていたものにとっては、「クローン病は治らない病気だ」と洗脳されたようなものでしたから、何でも食べていいなんて、まるで自殺行為のようですぐには受け入れられずに、私は息子の体にとって、本当に悪い事をしているのではないか?と不安になる事もありました。その不安をかき消すのは、やはり、松本先生の理論を少しでも理解する事しかないと、暇さえあれば、松本理論を読み返していました。
2013 年の 9 月、夏休みが終わり 2 学期が始まった頃から、息子の体調が悪くなり、今まで以上に腹痛が強く、腸が詰まりかけているのではないかと大変心配でした。クローン病で怖いのは、腸が詰まってしまう事です。完全に詰まってしまうと手術しかありません。2 週間ほど痛みが続き、熱も高熱ではないが微熱が数日ありました。1 度だけでしたが、激しい嘔吐もありました。幸いに、息子は、嘔吐した日を境に、激しい腹痛はなくなり、体がやたらとかゆいと言い始めました。9 月の下旬から便秘気味になり、断痢湯から補中益気湯という漢方の煎じ薬に変わりました。
漢方治療を始めて 6 か月が過ぎ、ようやく息子のクローン病の症状が治まってきたようです。便は一度も固形便にはなりませんが、軟便の状態で下痢はないようです。手術後、1 年以上も膿が治まる事のなかった痔ろうも、今はもうほとんど膿もなく、痛みも全くないようです。「ないようです」と言うのは、息子に確認したわけではないからです。初めのころは、トイレに行くたびに、下痢だった?今日はトイレに何回行った?なんて聞いていましたが、一番しんどいのは息子本人です。いちいち聞かれるのもストレスだと思い、聞くのをやめました。下痢か下痢でないかなんて、トイレの汚れでわかるし、食後すぐにトイレに行くこともなく、お腹を押さえる様子も見られないので、体調がよくなってきているのは聞かなくてもわかります。トイレの回数が少しくらい多くても、出ないより出る方がいいに決まっているのです。息子は受験生ですので、まだまだストレスとは無縁という訳にはいかず、すぐに完治という訳にはいかないでしょうが、これからも漢方薬、お灸、漢方風呂を楽しみながら続けていきたいと思います。
3. まだ漢方治療を始めておられない方へ
今この手記を読んでおられる方で、松本漢方クリニックの治療を迷っておられる方、まず、松本先生の理論を読んでください。標準治療をやめて、漢方薬を始めるだけで完治するというものではありません。患者さんの手記や先生の理論を何度も読むことが完治への近道だと思います。遠方だから松本漢方クリニックへ通えないと心配されておられる方は、その心配はいりません。遠方の方は、電話で先生とお話しができます。安心して下さい。治療費が高そうで心配だという方、保険の効かないお薬もありますが、症状によってお薬も変わってきますし、それにより金額も少なくなってきます。一生治らないと言われて治らないお薬を飲み続けるより、治る治療に少しの期間お金を使う事を惜しいと思わないで欲しいと私は思います。いつか、この治療が認められて、保険が適用になる事が一番の願いですが。
松本先生へ
先生のエネルギッシュなお言葉は、慣れるまで少し引いてしまいましたが、先生の理論を理解していくうちに、誠心誠意、私たち患者のためにこんなに一生懸命になって下さる先生は他にはいないと実感しています。いつでも電話してきてや。と携帯電話の番号のメモを下さる先生なんて他にいません。ストレスはあかんで。自分の免疫が治すんやで。と必ず電話の最後におっしゃって、有難う。と言って電話を切られます。
「有難う」は私たち患者がいう言葉です。
本当に有難うございます。
松本院長先生、副院長先生、スタッフの皆様、これからもうしばらくお世話になりますが宜しくお願い致します。