「クローン病途中経過」
匿名希望 28歳 2017 年 1 月 24 日
匿名希望 28歳 2017 年 1 月 24 日
【発症までの経緯】
2011年に大学を卒業し、入社を機に地元を離れ一人暮らしを始めました。
慣れない環境に慣れない仕事、その時にいわゆるパワハラを受けました。そして2011年秋に肛門に激痛を感じ、病院に行ったところ肛門周囲膿瘍と診断され、膿が溜まっているので切って排膿をしました。しかしその後も改善することはなく膿が溜まっては切ってもらうという日々が続き、その後痔ろうであると診断されました。
そして2012年初旬から腹痛、下痢、強い倦怠感を感じるようになり、入社時に76キロあった体重が55キロにまで落ちていました。毎日 1 日に5~6回はトイレに駆け込むようになり、その際もそれを理由にパワハラを受けストレスは溜まっていくばかりでした。私は昔から負けず嫌いで、パワハラなんかに負けたくない!同期や友達が仕事を辞めていないのに自分だけ逃げだしたくない!との思いで必死に日々の仕事をこなしていました。その頃には仕事が終わり家に帰ったらすぐに倒れこみ、トイレに行く時以外は倦怠感で動く事ができませんでした、食事もまともにとらず、家事も調子の良い時に一気にこなすという生活を続けていました。実家に帰省した時には親が私の体を見てすぐ病院に行くよう勧めてきましたが、頑固な私は忙しいことを理由に病院にも行きませんでした。肛門の病院も全く良くならないのでこの頃には行かなくなり、ただ肛門の痛みも腹痛も耐えているだけでした。
そして2013年6月、その頃には転勤しパワハラ上司とは離れていましたが、体調は引き続き最悪でした。毎日のように午後になると熱を出しフラフラな状態で働いていると、上司より業務命令で病院に行くよう言われました。早退させてもらい近くの大きな病院で血液検査をしたところ、緊急入院と言われました。その際には体重は48キロにまで減っており、症状を医者に話すとクローン病の疑いがあるということで、絶食と点滴をしながら検査をするということになりました。その後3日間様々な検査をし、クローン病の可能性が高いということで、近くのクローン病に詳しい医師がいる病院に転院となりました。
新しい病院で大腸内視鏡検査や、造影剤を使った検査をし、クローン病だと診断されました。正直、その時はクローン病の恐ろしさよりも何の病気か判明してホッとしている自分もいました。しかし、インターネットで調べれば調べるほどこれからの人生が不安になるようなことしか書いてなくて、目の前が真っ暗になっていました。
そこでの治療は絶食、カテーテルを通しての点滴、1日ペンタサ6錠イムラン半錠を飲み、放置していたため悪化していた痔ろうに小さな管を通し排膿を促すというものでした。2週間後、生活が長引くようなので地元の大学病院に転院となり、実家の近くで親に支えてもらいながらの治療となりました。大学病院でも日々検査を改めて行い、栄養療法、そして薬での治療が続きました。
【退院そして松本漢方クリニックへ】
地元の病院に移ってから、痔ろうの排膿とシートンを入れる手術をすることとなり、手術後7月18日に退院となりました。退院時はCRP4.75でリンパ球16.0。治療としては1日にイムラン半錠、ペンタサ6錠、1食分をエレンタールに置き換え、普段の食事を低脂質なものにする栄養療法でした。
退院してからは、なるべくポジティブに考え、QOL(生活の質)を少しでも上げようとインターネットでクローン病についてずっと調べていました。その際に松本漢方クリニックのホームページを見つけ、他の患者さんの手記や松本先生の理論を読み、ここに行き完治させることを誓いました。親に相談し、症状が落ち着いたら行くということになりましたが、この時に無理を言ってでもすぐに松本漢方クリニックに行けばよかったと心底後悔しています。8月中旬に仕事に復帰し、体調を気にしつつ日々過ごしていましたが、CRPも高いままでその他の数値もあまり良くなりませんでした。そこで大学病院の医師から治験を受けるよう進められ、2014年2月12日から治験を開始しました。その時点でのCRPは2.84。この治験で使用した薬にステロイドが含まれていました。私は松本理論を知っていたにも関わらず、その場しのぎで一時期だけだとしても良くなるなら、と楽な道を選んでしまいました。本当に本当に後悔しています。
1ヵ月後、薬の効果は劇的で、CRP1.07、リンパ球9.8にまで下がりました。しかし治験が終わるとまたすぐに数値は元に戻り2014年9月の時点ではCRP3.78、リンパ球7.0になっています。以後も大学病院には2ヵ月に1度通い、1 日にイムラン半錠、ペンタサは9錠、エレンタール 1袋という生活が続いていました。そして数値が良くならない私に、医者はついにレミケードを薦めてきました。レミケード等の強い薬を使えばもう戻れない。
そう考えていた私はようやくその時松本漢方クリニックのことを思い出しました。行くなら今しかないと考え、母親と共に2015年2月24日大阪の松本漢方クリニックに行くこととなりました。
松本漢方クリニックはほかの患者さんも書かれているように、院内は漢方の匂いがたちこめ平日にもかかわらず沢山の患者さんがいたことが記憶に残っています。診察では病気を治すのは自分の免疫なのだと繰り返し言われました。そして体にとって悪いと知っていたにも関わらずステロイドを使用したことへの叱りと、「絶対に治る!」と言って力強い握手をして下さりました。クローン病と発覚してから初めて実際に治ると言われた事で本当に勇気付けられたことを覚えています。
【松本漢方クリニックでの治療】
自宅に帰り、漢方やお灸、漢方風呂での治療が始まりました。漢方は最初こそ飲むことが苦痛でしたがすぐ慣れることができました。お灸は毎日夜寝る前にすることで体が温まり、治療を始める前よりも深い眠りにつくことができました。漢方を始めてからは本当に体調は良くなり、腹痛や倦怠感を感じることが激減しました。しかし、仕事の忙しい時期やストレスを強く感じた時には体に現れるので気を抜かず治療を続けていこうと思います。今の状態にまで回復することが出来たのは松本先生や常に私を心配してくれる家族のおかげだと思っています。まだCRPは大きく下がってはいませんし、クラススイッチの予兆は出ていませんが治療を続け、自分の免疫の力を信じていれば必ず完治できると確信しています。