「クローン病手記」
匿名希望 27 歳 2014 年 7 月 26 日
匿名希望 27 歳 2014 年 7 月 26 日
・発症
2009 年から働き始め、日々ノルマに追われて、朝から晩まで肉体も精神も酷使しながら生活していました。体に異変が現れ始めたのは働き出して 3 年と少し経った、2012 年の 5 月頃でした。最初は食後の腹痛と胸焼けがあり、それが徐々に酷くなっていきました。時に原因不明の激しい下痢に襲われることもあり、何度か病院で検査をしましたが、逆流性食道炎かあるいは潰瘍が出来ているのではないか、とはっきりした診断が下りませんでした。夏になると頻繁に悪寒に襲われるようになり、就業不能なほどの倦怠感を覚えるようになりました。加えて食欲不振、体重減少など、目に見えて異常が続いたため、インターネットで症状から病気を検索していきました。その中で、どうもクローン病らしい、ということが分かり、病院で自らクローン病の疑いがあるので検査してほしいと申し出ました。検査の結果、予想通りクローン病であることが判明し、入院生活が始まりました。医師からはレミケードなどを投与する免疫抑制療法を薦められましたが、自分の中では抵抗があり、エレンタールを中心とした栄養療法で凌いでいました。1 ヶ月の入院生活の後、何とか職場復帰しましたが、程なくして再び体調が悪化し、自宅療養を余儀なくされました。同時に退職も促され、健康と職を一遍に失ってしまいました。
・松本漢方クリニックへの通院
10 月に入り、全てを無くして絶望の毎日を送っていました。なんとかこの病気を、寛解維持という消極的な方法ではなく、完治させることはできないか、とインターネットで検索し始めました。すると、クローン病を完治させたという患者さんの手記と、その病院の院長による論文が見つかりました。それが松本漢方クリニックとの出会いでした。最初は手記を読み、次にクローン病完治に関する松本先生の論文を読み進めていきました。失礼ながら、始めは詐欺か何かかと疑っていましたが、読むにつれて、これは本物であるとの確信が湧いて来ました。
一番納得させられたのは、クローン病をはじめとする膠原病は、ストレスホルモンによって免疫を抑制された結果、アレルギーが逆クラススイッチして生じているものである、という点です。もともと私はアレルギー体質だったのですが、働き出してからその症状が治まったので、その時は体質が変わったのかと思っていましたが、これは過労によるストレスのせいでアレルギーが膠原病になったものなのだと理解できました。またステロイドのような免疫抑制剤は、免疫の遺伝子をみだりに変性させる毒物であり、絶対に使用してはいけないと繰り返し主張されており、私がレミケードにもった違和感を論理的に説明していただけたことに、大きな感動を覚えました。この時点ですでに松本先生の理論を信じていたので、大阪まで非常に遠距離でしたが、迷わず通院することにしました。
病院に入ると、奥から松本先生の大きな声が聞こえてきました。先生は非常にパワフルな方で、先生ご自身がこんなにお元気ならば漢方は絶対に効くに違いない、と確信させられました。そして、「絶対に治る!」という先生の強い言葉が、私の絶望を完全に取り払ってくれました。確かな握手を交わし、漢方をいただいて、その日は帰路に就きました。
・治療生活
2012 年 11 月より治療を始めましたが、家庭や身辺の事情でなかなか治療に専念できない日々が続き、中断せざるを得ない状況にもなりました。本当は一日でも早く病気を治したいのに、うまく行かない毎日の中で焦りや怒りを感じることもありましたが、ストレスはステロイドと同じ毒であると学んだので、なるべく気持ちを落ち着けて過ごしました。片手間での治療になってしまいましたが、それでも確実に効果があり、私の場合は大したリバウンドも経験せず、体重や食欲、体調が徐々に回復していきました。2013 年の夏頃には激しいアトピーを発症し、それは辛いものでしたが、クラススイッチがしっかり始まったのだ、と内心では喜んでいました。そして冬頃にはアトピーも落ち着き始め、今年の春になる頃には体重も 10kg以上増え、発病前の体重に近づいて来ました。
・現在
2014 年 7 月現在、食べ物は何も制限することなく、発熱も倦怠感もなくなり、胸焼けや腹痛も少なくなってきました。血液検査の結果も、治療前は何をしても 1.8 以下にならなかった CRP が、基準値の 0.3 を下回るまでになりました。
もう少し治療を続ければ、確実に完治できると思います。
・最後に
人間の体は数十億年の膨大な試行錯誤や淘汰の上に成り立っており、非常に良くできているのだということを今回教えて頂きました。この先、体に異変が現れても冷静に判断、対処できることと思います。もう二度と手に入らないのではと思っていた健康と、免疫に関する重要な知識を与えて下さり、松本先生と、素晴らしい手記を書き残してくださった患者様には感謝してもし尽くせない思いです。そのささやかなお返しとして、拙筆ながら手記を書かせて頂きました。この手記が、今、絶望に人生を閉ざされそうになっている方の目に留まり、希望の糸口になればと願っております。