「クローン病の手記・中間報告 」
匿名希望25歳2010年3月14日
匿名希望25歳2010年3月14日
*はじめに*
私がクローン病を患って3年2ヵ月が経ちました。私が松本漢方クリニックを受診したのは、去年の6月の下旬で漢方治療歴があと3カ月で一年になります。こんなこと書くと先生に怒られてしまうかもしれませんが、正直言うと私はクローン病と診断されてから自分の病気と向き合うのが嫌で逃げていました。
診断された時のショックが大きくて病気に対する恐怖心を抱くようになったようです。今もクローン病のことを話す時は、胸が苦しくなり泣いてしまいます。少しずつではありますが、松本漢方クリニックを受診し始めて病気と向き合うようにもなりました。そんな私が松本漢方クリニックを受診するきっかけは、完治したというクローン病の手記を読んだことでした。受診してからも治療の流れや症状の具合、不安になった時など今までの手記を読んで勉強しています。私の手記もこれから治療する方や治療中の方に何か役に立てればと思います。
*クローン病と診断されるまで*
私がクローン病と診断されたのは3年半程前です。突然激しい腹痛が起こったのが始まりでした。痛みは、今までに体験したことのないくらい強い痛みで倒れてしまいそうにもなるほどでした。始めは掛かり付けの内科を受診しました。前日の食事から食あたりのようだというのでひとまず胃薬を処方して様子を見ることになりました。処方された薬は全く効き目がなく、痛みが増すばかりで毎日のように病院(内科)へ通院しました。その病院では、痛み止めの点滴をし、日を分けてレントゲンやCTを撮ったりしました。色々な検査をしてようやく1週間程経つ頃に腸炎と診断されました。症状が出てから具合は悪くなる一方で、次第に嘔吐を繰り返すようになりごはんも食べられなくなりました。
2週間程通院しましたが、痛みが消えないので某大学病院を紹介してもらいました。救急で受診し状態が悪いので緊急入院することになりました。
当直医師の診察により今までに撮ったCTや入院のため撮ったレントゲン、
痛み方を診て腸閉塞の疑いもあると診断されました。その状態でいると危ないと判断され手術を勧められました。腹痛がずっと消えず原因もはっきりしないままで苦しむなら開いて診た方がいいと家族に説得されました。
早くこの痛みから解放されたい早く元の生活に戻りたいと気が焦っていたのもあり、淡い気持ちで承諾してしまいました。
緊急手術をすると小腸の始めの辺りに大きな炎症があり腫れあがっていて膿も溜まっていたそうです。そして炎症の酷い部分(小腸)を1メートルくらい切除しました。切除したところからクローン病特有の症状が発見されクローン病と診断されました。診断されたあの日のことを思い出し、どれだけ泣いたかわかりません。
*術後*
クローン病と診断され絶望しました。私は、運動制限や食事制限により自由に生活出来ず、仕事も諦めなければならない状況となりました。傷付いた体では結婚や出産も出来ないと過剰に考えを巡らせました。直接生命には影響しないとはいうものの生き地獄かとも思いました。それだけでストレスでした。薬は毎日エレンタールを2パックとサラゾピリンを朝、昼、晩の食後に2錠を服用しました。術後の経過は順調に回復していき2ヶ月程で社会復帰しました。
診断されて3ヶ月が経った頃に新たにペンタサが処方されました。しかし、
飲み始めてみると体調不良が続いたのですぐに元の薬に戻りました。
それからは、薬がエレンタール2パックとサラゾピリンが朝、昼、晩、寝る前と1回分増えました。術後1年くらいは月に一度のペースで通院し経過を診察し、1年に一度内視鏡検査として大腸検査をしました。2年目に入ると免疫抑制剤のイムランを処方され毎朝1錠服用しました。2年目からの診察は、
2ヵ月に一度受診し採血からの検査結果を見ながら診察をしています。
一年に一度内視鏡検査で大腸検査をしています。
だんだん食事制限にも慣れていき、食べられないものをアレンジするなどして食事の楽しみも増えていきました。食事の量も増えて体重をキープ出来るようになりました。体重は保ち始めたもののイムランを服用し始めてから少しずつ体力が落ち始め運動も辛くなっていきました。そして徐々に排便の調子も崩れていき軟便や下痢を繰り返すようになっていました。
*松本漢方クリニックを受診*
便の調子も体調もどんどん悪くなっていった頃でした。彼から松本漢方クリニックのホームページを紹介され松本漢方クリニックを知りました。そして、クローン病を完治したという手記を読みました。すぐには手記を信じられずに疑っていました。受診を勧められましたが通院できるような距離でないし、何より私が完治することが出来ないとわかっていたので始めは受診しようと思っていませんでした。今の生活のリズムを壊したくない気持ちもあり、これ以上体に負担を掛けたくないので拒んでいました。それでも彼から何度も説得され、試しに一度受診してみることにしました。善は急げと言うので次の週末に彼と松本漢方クリニックを受診しました。急な話だったので夜光バスで京都へ向かいそこから電車で松本漢方クリニックへ向かいました。
前々から体調を崩していた上に長時間のバス移動で着いた時は最悪のコンディションでした。松本漢方クリニックに入ると漢方薬の香りがぷんぷんして来たなと実感していました。簡単に問診票を書き、別室で病気をどう治していくのかを説明されました。難しいことはわからないけど免疫力をあげて自分の体で病気に打ち勝つようにしていくのが松本漢方クリニックの治療だと理解しました。その後に先生の診察がありよく来てくれたと握手し歓迎してくれました。病気の経緯を簡単に話しました。先生に手術をしたと話すとなんでそんなことしたのか?と強く責め立てられました。私は何も言えなくなってしまいました。わかっていた事だけれど先生に手術したことで完治は出来なくなったとはっきり言われました。病院名を聞かれ病院を悪く言われました。私が産まれた病院で、身内が働いていた病院でもあったので少し複雑な気持ちでした。でも松本漢方クリニックに来たからにはクローン病を治していこうと再び握手を交わし、私の治療が始まりました。
松本先生からは、何か困ったことがあったら電話しなさい。それと食事制限はしなくていい好きなものを食べなさい。それでダメだったものは控えればいい。今飲んでいる薬を少しずつ減らしていき最終的にゼロにするなどと指導されました。まずイムランの服用を止めるよう言われました。先生の勢いが想像していたよりもすごくて衝撃を受けている間に診察が終わってしまいました。次に鍼とお灸で免疫を上げる治療しました。そうして初めての受診を終え、袋いっぱいの薬を処方され帰宅しました。
*漢方治療のはじまり*
薬は、断痢湯という緩くなったお腹や下痢の為の漢方薬と葛根黄連黄ごん湯というクローン病の為の漢方薬、塗り薬の軟膏やお灸など1週間分の薬を処方されました。初めて漢方薬を煎じ服用した時は今までに体験したことないくらい苦く不味くて薬を飲みながら吐き気がしました。こんなものを毎日飲むのかと思うと憂鬱でした。効果もすぐに出るものでないのでなかなか実感出来ないまま1週間が経ちました。薬がなくなり電話すると今まで飲んでいたサラゾピリンの量を減らすよう指示されました。何故だか漢方薬を服用し始めるとエレンタールが飲めなくなりました。薬が少しずつ減るのは不安でしたが飲まなくてもそこまでお腹が痛くなることがなかったので直ぐに不安感はなくなりました。受診から1ヶ月を過ぎた頃には以前から服用していた薬(サラゾピリン)は始めに飲んでいた半量にまで減りました。受診前にあった酷い下痢は緩和していき食事による腹痛もあまり起こらなくなりました。
*体に出た症状*
今までに出た主な症状は、体調不良とヘルペス、アトピーです。体調不良は、月に一度の頻度で起こりました。松本漢方クリニックを受診する前からも崩しがちでしたが、松本漢方クリニックを受診してから月に一度のペースで会社を休むようになりました。症状としては、体がだるくなったりお腹に違和感があったり熱が出たりと様々です。それからヘルペスは、以前から喉や下半身の方に症状が出ることがありました。漢方を服用してからは目眩や頭痛、出来物で症状の出方は変わりましたが受診してから2ヶ月半程経った頃から定期的に出るようになりました。
その都度自分で調節しつつベルクスロンというヘルペスの薬を服用しています。そしてアトピーですが、アトピーは抗体のスイッチの象徴で私の治療が中間地点を迎えたことを表しています。アトピーは、一番遅く6、7ヶ月頃から出始めました。今までに経験したことがなかったのでどういう状態がアトピーなのか解らず判明するのにも時間がかかりました。アトピーだとわかるとスイッチが出たと喜びました。今ではアトピーが更に酷くなり体の至るところが痒いです。特に酷いのは、背中と指です。今のところはっきりとしたリバウンドは出ていません。酷い熱や下痢など今までの手記には書いてありましたがそのような症状は出ていません。人によってリバウンドの出方は様々であるだろうし自分のリバウンドはこれからかもしれません。どんな症状が出てくるかわからないので心配や不安はありますが、スイッチが出てもう少しで治るのかもしれないという希望も出てきました。
*最後に*
松本漢方クリニックを受診して生活がガラッと変わりました。前はお腹の調子を優先していましたが、今では漢方中心の生活になりました。これまでクローン病の治療を続けられたのも周りの協力があったから出来たことです。一人では挫けていたことでしょう。そして、治療にあたり毎月3万円近く治療費が掛かるので(特定疾患の免除や保険が非対応などのため)金銭的にも負担が掛かることも治療を続けるのには大変なことでした。それらも乗り越えて治療を続けなければ病気は治せないので決して容易なことではありません。だからこそ周りの協力があってここまで治療できたのです。いつか必ずクローン病を治してまた手記が書くことができるよう希望を持ち治療を続けていきたいと思います。
松本先生に出合って病気に対してちゃんと向き合うようになりました。先生の熱意に応え、私も治療を頑張りたいと思います。これからも宜しくお願いします。同じ病気や別の病気で治療している人も一緒に頑張っていきましょう。治療は決して楽なものではないけれど、辛いのはあなた一人ではないです。いつか一緒に病気を治して先生と握手しましょう。私も頑張ります。