「アトピーからクローン病へ」
匿名希望 27歳 2016 年 8 月 28 日
匿名希望 27歳 2016 年 8 月 28 日
~背景~
2015年9月にクローン病と診断されてから松本漢方クリニックに通うようになった。
今回その前後の経緯と、現状報告のために手記を記す。
私は幼い頃から便秘、アトピー持ちであった。成長するにつれて肘、膝、上半身のアトピーは悪化傾向にあり、皮膚科で処方されたステロイドを使用し、アトピーを抑制していた。
高校時代半ばから母親はステロイドの副作用を危惧しており、私にステロイドを止めるよう提案があり、それに従ったが、リバウンドがひどく今まで発症しなかった顔にもアトピーが現れ、高校2~3年の時は部活を休むことがたまにあった。
大学院時代も主にアトピーが辛く、朝から晩までの研究生活の中で辛い時期があったが、ステロイドの使用は控えていた。
就活時期は気を引き締めていたこともあり、アトピーが意外と現れなかった。
今考えると、ヘルペスが腸や他の所に潜在していたのではないかと考えられる。
ただ、無事に就職も決まり、卒業も終えて2014年に現在の静岡の会社に研究職として入社し、初めての一人暮らしということもあってワクワクしていた。
~クローン病発症まで 2015年8月~
入社後も1年間はアトピーも現れずに仕事を進め、2年目の営業研修を迎えた。私はもともとお酒に弱くさらにお酒を飲むと体が熱くなりアトピーが悪化することが分かっていた。営業研修では平日は週4日ほど飲み会があるとの話を先輩から聞いており、研修に対して非常に後ろ向きであった。ただし、営業マンとの繋がりや仕事内容を把握する上で今回の研修は大切であると言い聞かせて頑張らなければと毎日気を張って研修に挑んだ。
便秘気味ではあったが、アトピーも酷くなることなく、研修を終えかけたが、最終日に38度の発熱と粘液便をもよおした。その時はただの風邪だろうと考えており、医者からも「お腹は張っているが多分風邪ですね。」と言われた。その後の土日も38℃の発熱は続いたが、救急病院で処方されたロキソニンを飲んでなんとか通常業務に戻ることができた。
ただしその1ヶ月後再度39℃を超える発熱と粘液便が3日間続き、近くの病院に入院することになった。血液検査の結果CRPが17.9、白血球が19000となった。もちろん発熱のために高くなっているが、しばらくロキソニンと点滴生活が続いた。40℃近くの熱は結局1週間続き、非常に辛い入院生活であった。
平熱に戻り、徐々に普通の食事に戻し、有給休暇もほぼ使い果たした私は職場復帰をまだかまだかと待っていた。その頃大腸の内視鏡検査を行った。病理の結果からクローン病であると告げられ、ステロイドを注射し、今後ペンタサとエレンタールを使用する必要があると説明を受けた。また食事も脂っこい肉等は控えて鶏肉などを中心にしてくださいと説明があった。「医師はクローン病については有名な先生です。」と看護師から聞いたので、その後の生活を特に深刻にとらえず私は若干安心し、取り敢えず早く職場に戻りたいと考えていた。
一方母親は相当ショックを受け、ステロイドを使用する他に方法はないかと医師に問い合わせたが、医師はあまりいい顔をせずに、「じゃあ他の病院の紹介状を書きましょうか?」と言うばかり。素人が診断に口を出すなんて、今考えればそれも当たり前かとも思う。ただ母親は諦めず、私の為に他の病院をずっと探し続けてくれた。そして松本漢方クリニックにたどり着いた。私も医師の対応に僅かながら不安感を覚え、手記を読んで松本漢方クリニックならと思い、ステロイドを使用する直前に医師には断りを入れて、3週間弱の入院生活を終えることとなった。
当時の血液検査ではCRPは0.6まで下がっていたが、やはりまだ正常値よりも僅かに高い値を推移していた。
~初めての松本漢方クリニック 2015年9月~
退院してそのままの足で、静岡から大阪まで向かい松本漢方クリニックにたどり着いた。
初めて先生と会った時の印象は強烈で圧倒されるばかりであった。ただ、母親がステロイドを控えるよう医師に掛け合った事を褒めていただき、先生は私と母親に握手をしてくれた。気になっていた今後の食事制限について聞いたところ「気にせんでええ、何食ってもええんや。」と言っていただき、母親と共に胸を撫で下ろす気持ちで聞いていた。それまで流動食ばかりであったが、退院後初めて一口食べた鯖の塩焼きの味は忘れない。
私は静岡に住んでいるため、遠隔治療も受けながら、月に1度のペースで通院した結果、発症から半年以内にCRPは下がり、今0.4~0.5の間を推移している。今はアトピーが主な悩みで通院を続けているが、むしろ今はアトピーが現れない場合の方が怖い。それはまたクローンに逆戻りする可能性を示しているからだ。私の中では便通も大事なバロメーターであり、日々便通のチェックは欠かせない。
先生の言った通り、今は無理をしない程度になんでも食べているが、1年通してCRPは正常値をキープしている。ただ、アトピーとは今後長い目で付き合っていく必要がある。今振り返ると入院中にステロイドを打たなくて良かったと心から思う。これは両親の協力と医師のお陰である。
今後、何不自由なく生活を送れるよう治療を続けていきたい。松本先生、今後ともよろしくお願いいたします。