「クローン病手記」
匿名希望 16 歳2014 年 3 月 5 日
匿名希望 16 歳2014 年 3 月 5 日
クローン病の疑いとの診断を受けた息子の現状について、現在も治療中であり、途中経過の段階ですが、この病気で苦しんでいると思われる皆さんに少しでも希望を与えることが出来ればと思い、現在に至るまでの経過を記したいと思います。
(症状のはじまり)
平成25年8月29日の夕食後に、トイレに行った息子が「ウンチに少し血が混じっている」と言ったことから、念のために近くの病院で検査をしたのがはじまりでした。病院で検査した結果、粘液も便に付着しているようなので、潰瘍性大腸炎かもしれないから近くの専門の病院を紹介するのでそちらでよく検査してもらって下さいと言われて、不安を感じながら紹介を受けた病院に行きました。
検査の結果でエロモナス菌が検出され、抗生物質を投与してそれでも症状が改善されなければ、潰瘍性大腸炎でしょうと言われ、ここから息子の初めての入院生活が始まりました。5日間にわたり抗生物質を投与した結果、エロモナス菌検出されませんでしたが、下痢の症状は一向に治まらず、かえって入院前よりひどくなり、1日に10回以上の下痢や血便が続きました。その日からペンタサという薬を飲み始めることになりました。
この頃から病気について色々と調べて行くうちにこの病気で完治することは無く、一生薬を飲み続けて症状を抑えるしかないという内容をインターネット上で確認し、息子にそれを伝えることが出来ずに親としても苦しい日々が続きました。
(症状の悪化)
2週間ほど入院してペンタサの服用を継続した結果、大便に行く回数は減少しましたが、内視鏡検査では潰瘍が依然存在していたことから、更に隣…の県にある九州では有名な大学病院への転院を勧められました。
病院に言われるままに紹介を受けた大学病院に行き、転院が決まりました。
担当医師の方針でペンタサによる一定の改善がみられるので、投薬の増量と注腸を併用することになり、同時に様々な検査を開始しました。
当初は、検査結果も軽症程度との事で少し不安が和らぎましたが、3日後にそれが一変しました。ペンタサアレルギーで、40度近い高熱が3日間ほど続いたのです。病院側も原因がわからず、解熱剤を使用して効果がなかったので、ペンタサを中断してみて熱が少し下がったのでアレルギーと認識したようです。
ここからの治療が、父親である私の判断ミスであり、後日、松本漢方クリニックに電話をした際に院長先生からひどく叱責されたもの、そう、プレドニンの投与でした。
(松本漢方クリニックを知るきっかけ)
高熱が続いた頃からインターネットで潰瘍性大腸炎が完治した例がないかと検索を続けているうちにnaokiさんのプログに辿り着き、そこから松本漢方クリニックの存在を知りました。
このタイミングで松本漢方クリニックを訪ねていれば、息子も早く今のような状態になれていたと思いますが、ネット上での松本漢方クリニックの評判については、賛否両論があり、本当にH:Pに記載されているように寛解ではなく完治することができるのかという疑念や九州から遠く離れた大阪の病院という事もあり、症状が少し落ちついたら行ってみようかなと当時は、ぼんやりと考える程度でした。
(一度目の退院)
プレドニンを50mm/日投与開始したところ、たちどころに症状は治まり、徐々に原料を重ねて、2週間程度で退院できるまでになりました。その頃から担当医師より、プレドニン依存から脱却するためにイムランの併用を告げられました。
松本先生が完全否定する免疫抑制剤でした。退院できる喜びに目がくらみ、そのことはあまり気にしなかったのですが、これがまた私の過ちで、すぐにその報いが息子の体に生じることになりました。
退院後は、プレドンニンを減量しつつ、イムランの服用を続けながら息子は学校へも復帰できました。2週間後に定期診断に行くまでは、食事制限はあるものの以前の生活に戻ったように感じていました。
(再入院)
定期診断のために大学病院に行き、担当医師の指示でプレドニンの減量の代わりにイムランの増量が決まりました。
ところが、翌日から息子の体に異変が生じました。初めは微熱が生じていた程度で、下痢などの症状もなく、妹が風邪を引いていたので風邪をこじらせたのだろうと思い、風邪薬を処方してもらいましたが、一向に症状が改善しなかったので再度4日後に大学病院に行くことになりました。
病院に着く直前から、息子は全身に痙攣が生じ、熱も40度に達していたので、すぐに病院に再入院することになりました。
ここでも大学病院では熱の原因がわからず、イムランの服用を中止したところで熱が下がったので、イムランアレルギーだろうという事になりました。
ここからは、検査、検査の毎日で息子は絶食でこれを我慢し続けていました。
本当に検査は苦しいらしくよく我慢できたなあと思います。
(潰瘍性大腸炎からクローン病へ)
検査結果について話があると言うので、担当医師を訪ねました。息子も一緒にとの事だったので、同席しました。そこで衝撃的な病名を告げられました。あくまでも疑いという段階だが恐らく息子さんはクローン病でしょうという話、食事をすれば症状が悪化するので、これからはヒュミラという免疫抑制剤を服用しながら、食事は一日1回程度であとは、エレンタールを飲んでエネルギー補給をしてもらいますという話をされました。
育ちざかりの息子にとっては、食べたいものも食べられないなんて死刑宣告に等しく、また、腹部に自己注射するヒュミラという薬の使用は、もはや治療といえるようなものではないと思い、以前調べた松本漢方クリニックの存在を思い出し、松本漢方クリニックを信じて大阪まで行こうとここで決意しました。
(いざ、松本漢方クリニックへ)
松本漢方クリニックに行くにあたって、事前に電話をして院長先生とお話しさせてもらいました。
経過を簡単に説明してすぐに先生から「うちの病院を知っていて何でプレドニンなんか使わせたんや。ちゃんと理論なんかも読んでたんやろ。あんたはアホか。」といきなり叱責されました。でも最後には「息子さんを直したいんやろ。プレドニンを大量に使っているから本人はリバウンドで苦しむやろうけど、必ず治せるからウチに来なさい」と言ってくれました。
平成25年11月5日に息子を大学病院から強制退院させました。大学病院側は、大慌てで、担当医師が不在なのでと退院に抵抗をしていましたが、毎日、実験動物のように検査から検査で一向に症状が改善せずに悪くなる一方で、松本漢方クリニックに早く連れて行かねばという強い思いで何とか退院をさせて、翌11月6日の朝5時に出発して新幹線で松本漢方クリニックに向かいました。
本人と父親である自分、祖母の3人で行きましたが、息子は退院するまで点滴のみの絶食状態だったので、大丈夫かな?と心配しながらでしたが、持参したおかゆをおいしそうに食べていたので少し安心しました。
4時間ほどで、目的地の松本漢方クリニックに到着しました。
(松本漢方クリニックでの診察)
医院に入ると、手記で皆さんが書いているとおり、漢方薬の香りが立ち込めており、清々しさを感じる待合室で、順番を待ちました。
先に予約を入れていた鍼灸の順番が回ってきたので、説明を受けつつ治療をしてもらいました。
インターネットで、「ツボにお灸を直接置くのでヤケドした。」というような書き込みを見ていたので心配でしたが、市販のお灸と変わらない安全なもので、初めてのお灸で緊張していた息子も半分眠っているような感じで非常にリラックスしていました。
鍼灸が終わって少しすると今度は採血をしました。採血をしてくれた看護師の方も実は自分もここの患者として先生にお世話になっていたんですよという話を聞きました。いよいよ院長先生とご対面です。
陽気な関西人気質そのまんまの語り口で、面白おかしく、そしてある時は怒りを交えて話をしてくれました。
先生は、「ストレス」や「化学物質」が原因でこの病気は引き起こされているから、息子にもそんな状況がなかったかと尋ねられました。
先生が「ストレス」の原因を尋ねられた時に、息子に当てはめて考えると思い当たることが2つありました。
一つは、3歳くらいから現在まで続いている吃音(どもり)で、このことが原因で息子は、どもることを恐れて、極力会話をしなくて済むようにしていき、内向的な性格になっていました。
二つ目は勉強で、小学校時代には特に勉強などせずにいたのですが、中学校から学習塾に通わせはじめ、今まで自分に自信がない感じだった息子も成績が学校でトップになったことで勉強に力を入れ始め、学習塾に勧められるままに、有名私立高校受験して合格することを目標に毎日夜遅くまで勉強をつづけました。受験した内の一校に合格しましたが、最初からその学校に行く予定ではなかったので、地元の公立の進学校に通うことになったのですが、この学校でも勉強中心の生活が続き、「ストレス」を蓄積させていたのだと思いました。
先生は、「どもりなんか気にせんでええ。君の癖や個性なんやと思えばええねん。おっちゃんかっていつも言葉が詰まって出ていけえへんで奥さんに何が言いたいのってしょっちゅう言われているで」と面白おかしく言ってくれましたが、息子は先生のノリに驚いて反応がいまいちでした。
先生は「君、もう少し笑ったり明るうならんと病気かて治らんで」と言われ、続けて「この病気はね、エエ子がなるんやで、いじっめっこは絶対にならへん。君はエエ子で頑張りすぎたんや。これからは勉強なんかそんな一生懸命せんでエエ。絶対に治るから、僕が直すんとちゃうで、君自身が、君の免疫が直すんや。頑張ろうな。」と言っていただきました。
(現在の状況)
現在、息子は普通どおり学校に通学できていますし、ほとんど食事制限もせずに生活できていますし、下痢や熱の症状も出ていません。
また、娘の方はインフルエンザにかかりましたが、息子は院長先生が言われた通りインフルエンザにはかかりませんでした。(松本漢方クリニックでの診察後、帰り際に先生よりインフルエンザの予防接種はしなくて良いと言われていました。)
ただ、ストレスだけは溜めないようには注意をしています。
○ 11月6日 松本漢方クリニックでの初診の際の血液検査結果
★CRPO.95 ★血沈35 ★リンパ球数11%
○ 11月16日地元の検査機関での血液検査結果
★CRPO.16 ★血沈13 ★リンパ球数30.7%
○ 1月18日地元の検査機関での血液検査結果
★CRPO.O1 ★血沈3 ★リンパ球数32%
ここまで改善できたのは、毎日の食前と食後の漢方薬、お灸、二日に一度の漢方風呂を欠かさず続けた結果だと思います。
これらは、全て家族の協力なく継続することは不可能で、院長先生も診察に来るときは必ず家族も一緒に来てくださいと言っていた意味を理解しました。
とにかく、色々な作業にすごく時間がかかりますので、家族で役割分担をしたり、タイムスケジュールが必要になります。
うちの場合は、朝起きてから朝食の前にまずお灸をし、同時に食前食後の漢方薬を煮出します。専用のやかんを食前用と食後用の2つ使用して、一度にやっています。学校に通っているので、息子には専用のミニ保温ボトル2個(食前食後用に各1個)持参させています。
他の皆さんの手記にあるような下痢や発熱等のこれといったリバウンドが出ていないのですが、漢方薬を飲み始めてから1週間後くらいから鼻の周辺や背中に赤いニキビのような発疹と咳や鼻づまりなどの症状が続いている状態で、院長先生からは「クラススイッチや」と言われており、それぞれの症状に合った漢方薬をすぐに処方してくれています。
(おわりに)
松本漢方クリニックでの治療についての考え方に疑問を持ち、行こうかどうか迷っている患者さんも多いと思いますが、他のどの病院に行っても「完治はしません」、「一生付き合っていく病気です」と言われるだけなら、うちのように思いきって松本漢方クリニックを尋ねられたらと本当に思います。
まだ、完治していない状況ですが、息子と松本漢方クリニックからの帰りの新幹線で約束したことを(完治したら、松本漢方クリニックにお礼を兼ねてまた訪ねて、今回食べられなかった大阪名物のたこ焼きを思いっきり食べようと話していました。)実現したいと思います。
院長先生をはじめ、スタッフの皆さんこれからもクローン病の完治までどうかよろしくお願いします。
※松本漢方クリニックを知るきっかけとなったnaokiさんのプログが2月になり久しぶりに確認できたので安心しました。私たちにとっても励みになるので日々の出来事だけで良いのでどんどん更新して下さい。