「松本漢方クリニックの治療方針を信じて遠隔治療(経過報告)」
匿名希望 17 歳2015 年 9 月 23 日
匿名希望 17 歳2015 年 9 月 23 日
(お父様の記述)
【はじめに】
この手記を書いたのは、松本漢方クリニックの治療方針を信じて治療に取り組む方に、少しでもお役に立てればという思いからです。我が家もいろいろと迷ったときに、ここに掲載された手記に励まされ、また治療の参考とさせていただきました。我が家は東京で、めったに大阪までは行けず、電話での松本漢方クリニックとの交流となるため、さまざまな困難がありますが、松本漢方クリニックの治療方針を信じて治療に取り組んでいます。
さて、我が家の高2の娘がクローン病と診断されたのは、昨年2014年の7月。
当初は、近くの病院に入院していましたが、縁あって、2014年8月から松本漢方クリニックにお世話になっています。
【クローン病と診断】
無事に志望の高校に入学できた娘が、2014年4月ごろから「おなかが痛い」と言っていました。最初は、すぐ治るよと私も言っていましたが、だんだんひどくなってきたので、5月、近くの病院に行くと、「入試のストレスから来る腹痛でしょう」と。
次は高熱が出て…。5月、6月、さまざまな検査をしても原因が分からず、結局、6月末、近隣の大病院に緊急入院。再び、多くの検査(胃カメラ、血液検査、大腸カメラ、検便、尿検査、小腸造影剤CT…)。
検査の連続で、娘がかわいそうでした。検査結果は、クローン病。ショックでした。それも、「難病で、治らない。完治はしない」と…。目の前が真っ暗になりました。
【入院、治療】
クローン病は一般的に「大腸及び小腸の粘膜に慢性の炎症または潰瘍をひきおこす原因不明の疾患の総称を炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease:IBD)といい、その一つがクローン病」と言われています。入院後、絶食を続けながらの治療が続き、結果的に40日ほどの入院期間中の半分以上は絶食でした。
CRPの数値は落ち着いてきたので、低脂質低残渣の食事を始めました。
ところが、併用して、ペンタサ、エレンタール療法を続けても、CRPの数値が改善しなかったので、7月末、医師から「レミケードによる治療を」と勧められました。そのころ、妻が、病院から食事指導を受け顔色を変えて帰ってきました。あまりの食事制限に、「一生、この食事制限で娘は生きていくのか…」と。この時から、妻はインターネットで「クローン病治療」を調べ始め、松本漢方クリニックを知ることとなりました。
私も、インターネットでクローン病治療のことは徹底的に調べていて、「レミケードによる治療」に一度入ってしまうと大変だと思っていました。私は最初、半信半疑でしたが、妻から見せられた松本漢方クリニックのサイトの「クローン病の完治の理論と根拠」を何度も読み、妻と娘と話し合い、決断しました。「病院を変えるなら、レミケードに入る前の今だ!」。
数日後、医師から「レミケードの説明をしたい」と呼ばれたので、その場で率直に「レミケードに入る前に、大阪の松本漢方クリニックで漢方治療をしてみたい。娘に漢方治療が合わなければ、またこちらにお世話になります」と告げました。
この病院の医師、看護士の方々にはとてもよくしていただき、感謝しています。
7月28日に退院しましたが、入院前から退院までの期間、胃カメラ・血液検査・大腸カメラ…と、検査の連続。また長期間の首への点滴と、娘がかわいそうでした。退院したその日に、ペンタサの服用はやめました。
【東京から松本漢方クリニックへ】
退院した翌日、わらにもすがる思いで、妻と娘を連れ、松本漢方クリニックに行きました。松本先生の「絶対に治る!」「何でも食べていい」という言葉には、勇気づけられ、希望を感じました。「治らない病気。一生続く食事制限」と思っていたので、驚きました。松本漢方クリニックの治療の理論の核心は次の内容であると、私は理解して、娘の治療に取り組んでいます。
(松本漢方クリニックサイトより)
ストレスがなければ、元来簡単にIgEを作ってアレルギーで排泄すべき異物を、あらゆる組織の結合組織で膠原病を起こしてしまうのです。従って、クローン病は難病中の難病と言われますが、潰瘍性大腸炎と比べてことさら難病という必要もないのです。というよりも、潰瘍性大腸炎が消化管全てに及んだときにクローン病になると言った方が正しいのです。従って、クローン病の根本治療は、潰瘍性大腸炎の治療と同じく、膠原病の武器であるIgGを自然にクラススイッチして、アレルギーの武器であるIgEに変えてしまうと、クローン病の症状である腹痛や下痢や出血がアレルギーの痒みに変わり、最後は自然後天的免疫寛容を起こせばよいのです。このために様々な免疫を上げる東洋医学的手法を駆使すれば、自然にクラススイッチと免疫寛容が生じて、環境汚染物質である抗原と共存できるようになるのです。
上記のような考え方を信じて、翌日から、毎日、食前食後に漢方薬。週1回の漢方風呂を始めました。漢方の味に慣れるまで娘は、泣きながら飲んでいました。また、自宅でお灸をしていましたが、妻が近所に鍼灸院を見つけ、8月末からは週2回、今も継続して鍼灸院に通っています。松本漢方クリニックには2週間に一度、電話して、指導を受けています。食事は普通食に徐々に戻していきました。普通食で治療ができるというのは、本人も、家族にとっても、本当にありがたいことです。
【甘くない治療】
一年間、この治療を続けてきて思うことは、「根気と忍耐のいる治療だ」ということです。松本漢方クリニックで治療しても、リバウンド等に耐えきれず、一般の病院に戻る方もいると聞きますが、その気持ちも分かります。特に、電話での治療指導が主となる場合、病状をうまく伝えられず、限られた電話での会話では、どうしていいか分からなくなることがあります。もちろん、毎週のように大阪に行ければいいのですが、それは経済的に難しいです。
以下は、2014年12月までの治療日誌です。参考にしてください。
<7月>
・7/29以降、普通食に徐々に戻していく。
<8月>
・8月中はエレンタールも飲む。
・8月中はお灸をする。(8/26以降、週2回鍼灸院に通う)
・8/2 固い便が出る。
・8/4 背中、わきがかゆくなる。
・8/7 ももの裏に、ブツブツが出る。体調がよくなってきた。
・8/11 血便。38度発熱。
・8/14 太ももの裏や手に、赤いものが出てきた。かゆい。押すと痛い。38
度発熱。
・8/14 げり、血便。
・8/17 40度まで発熱。
・8/19 ブツブツが治ってきた。
・8/20 太ももの裏にまたブツブツが出てきた。38度発熱。げり。頭が痛い。
・8/22 太ももを中心に、すごいブツブツが出てきた。お風呂でちくちくし
た。
・8/24 体調がよかった。夜、38度発熱。
・8/25 口内炎。歯が痛い。固い便。
・8/26 鍼灸に通い始める。これ以降、毎週2回、各1時間。固い便。
・8/28 39度近くまで発熱。頭痛。
<9月>
☆食前食後に漢方を飲む。
☆週1回、漢方風呂。
☆週2回(各1時間)、鍼灸。
・9/2 学校へ行く。(昼まで)
・9/5 お腹が痛い。朝もお腹が痛くて起きた。38度発熱。
・9/7 体調がいい。便が固め。38度発熱。
・9/8 退院後、一番便が固く良かった。体調が良かった。べろ、のどが痛い。
・9/12 便が固く、良かった。腹痛。
・9/13 水のようなげり、血便。
・9/14 舌が痛い、口の中が痛い。頭がガンガンする。
・9/15 39度発熱。血便。口内炎。
・9/16 38度発熱。血便。口内炎。頭痛。
・9/17 38度発熱。血便。口内炎。
・9/20 39度発熱。頭痛。固めの便。
・9/23 38度発熱。腹痛で夜中3回起きた。
・9/24 38度発熱。悪寒。左の頭が痛い。舌にできもの。
・9/26 39度発熱。頭痛。
・9/29 39度発熱。
<10月>
・10/2 39度発熱。便が固め。腹痛。
・10/3 朝、頭がガンガンした。左の首が痛い。
・10/4 39度発熱。ひどい腹痛。
・10/9 38度発熱。げりが多い。夜中に腹痛で起きた。
・10/12 38度発熱。げりが多いが、最後は固めの便。
・10/13 固めの便。頭痛。呼吸が浅く、苦しい。
・10/18 39度発熱、夜には37度。
・10/19 お腹がグーと音が出る。
・10/24 便が固め。頭の左が痛い。
・10/26 便が固め。腹痛で夜中に4回起きた。頭痛。
<11月>
・11/1 唇が痛い。目がけいれん。腹痛。腰が痛い。
・11/2 夜にガスがよく出る。
・11/8 近所の胃腸科へ行き、採血・検査。
・11/10 38度発熱。お腹がすごく張る。
・11/15 腹痛のため、アシクロビルを飲み始めた。夜、39度発熱。
これから、夜に起きるようになり、腹痛、汗をたくさんかく。
翌朝、ひどいげり、血便。これから、げりが続く。夜に汗をかく。
・11/17 採血・検査の結果、ひどい貧血。造血剤の注射。夜に39度発熱。
結果は、松本漢方クリニックへ送る。
・11/19 造血剤のカプセルを飲み始める。
・11/23 39度発熱。げり。
・11/26 38度発熱。軟便に。(黒い)
・11/27 軟便に。ガスが出る。
・11/28 造血剤の注射。夜に39度発熱。ひどい腹痛。
・11/29 夜中ひどい血便。朝も3回血便。めまい。一日中だるい。夜に39度
発熱。
・11/30 39度発熱。腹痛。
<12月>
・12/1 夜中2回げり。昼間7回げり。だるい。38度発熱。腹痛。
・12/2 夜中起きなかった。昨日よりは体調がよかった。
・12/3 夜中2回げり。朝39.6度。昼間5回げり。だるい。腹痛。食欲もない。
・12/4 17時以降40度の発熱が続く。風呂に入り39度に。
・12/5 朝、36度。
・12/6 松本漢方クリニックへ行く。
【12月6日、松本漢方クリニックへ】
8月から治療を始め、一進一退が続く中、12月6日、松本漢方クリニックへ行き、以下のような指導を受けました。この内容は、我が家の台所に貼ってあります。
●日常生活は、ストレスのない生活、ゆったりした生活、規則正しい生活を心がけるように。
●食事:栄養をよくとる
・タンパク質(肉、魚…)、野菜をとる、炭水化物を減らす。
・発酵食品(納豆、みそ汁…)がよい
・自然のもの(何を食べてもいいが加工食品はできれば控える)
●発熱について
・免疫アップの取り組みをしていて、免疫の働きが強いから、熱が出る
・夜の発熱は膠原病熱
・熱が出ることは悪いことばかりでない
(高熱の時に風呂には入るのは良くない、温かくして休むのが良い)
【2015年になって】
1月も今までのような状態が続きましたが、2月からどうにか高校へ行けるようになり、3月の中間試験まで受けることができました。ところが、試験が終わった日の夜から、40度近くの熱が連日出るようになり、下痢、腹痛…。当然、学校には行けず、家で休んでいました。一番熱が出た時は42度までいきました。
この状態が続くことは、娘にとっても、親にとってもつらいことで、「大病院に行って、熱を下げてあげたい…」という思いにもなり、心が揺れました。
娘の体重は10キロ落ちました。食事をしたくても、吐き気が激しく、全く喉を通りませんでした。そんな状況なので、エレンタールを飲もうとするのですが、それも美味しくなくて、泣きながら飲んでいました。手足はガリガリになり、起き上がるときは、ヨロヨロしていました。しかし、12月に松本漢方クリニックに行った時に聞いた「免疫アップの取り組みをしていて、免疫の働きが強いから、熱が出る」という内容を、家族で確認して、乗り越えていきました。とにかく、「免疫の力で治す」ために、免疫を上げるための、漢方薬、漢方風呂、鍼灸を続け、漢方風呂も週2日にしました。漢方風呂ではない日も、湯船に1時間は必ず浸かっていました。こんな状況が1ケ月ぐらい続きました。
4月下旬、やっと症状が落ち着き始め、発熱、下痢の症状がなくなり、5月からどうにか学校に行けるようになりました。この期間を越えるのは、本当に大変でした。その後、夜は微熱が続いていましたが、少しずつ回復に向かっていきました。6月ごろからは、学校にお弁当をもっていき、午後まで授業を受けられるようになり、7月の試験も受けることができました。
【2015年7~8月】
夏休みに入り、回復してきた娘は、それまで会えなかった友達と会ったりしていましたが、8月初旬から再び、38度ほどの発熱、下痢等の症状が出てきました。松本先生に相談すると、「夏になり、体温が上がると、免疫力が上がるので、免疫の活動が活発なのだ」と言われました。「免疫の力で治す」ために、免疫を上げるための漢方薬、漢方風呂、鍼灸を続けました。
何度もこのような闘いを超えて、回復していくのだろうと今は思っています。
ここまで手記を書いて、松本漢方クリニックに8月中旬に送る予定でしたが、そのころ大変な事態になりました。娘が「お尻が痛い。お尻にできものができた」と言いだしましたが、以前も何度かあり、自然に治ると思っていると、痛くて夜も眠れないほどになってしまいました。お盆休み明けに、松本漢方クリニックに電話すると、「すぐに近くの肛門科の病院に連れていきなさい」と言われ、動揺しました。感染症かもしれないと、フロモックスを勧められ、ちょうど家にあったので飲ませました。「すぐには手術しない」という肛門科の病院を探し、翌々日、娘を連れていきました。
事情を説明すると、当院では診察できないので、大病院に行ってほしいと…。
そこをお願いして、診察してもらいました。「痔瘻ではないが、膿がたまっているようだ」と。大病院に行くことを強く勧められましたが、帰りました。行っていたら、間違いなくすぐに手術だったでしょう。帰宅後、松本漢方クリニックに電話すると、フロモックスとフラジールを飲むように言われ、それを飲み続けました。ある時から膿が出てきて、だんだん痛みがなくなり、安定してきました。
9月中旬になり、やっと高校に少し行けるようになりました。大病院に行っていたら、手術をして、まだ入院していたかもしれません。治療とは難しいと思います。以前は、医師の言うことは正しいものだと、思っていました。今の情報化社会の中では、調べればある程度のことは知ることができます。様々な医師の考え方、治療法がある中で、どれを信じていくか…。最後は自己責任なのでしょう。
【長い目で治療】
まだ治療の途中ですが、普通食を食べることができ、副作用のない治療なので、ありがたいです。すぐにクラススイッチが起こり、完治するのではないか、と思ったこともありますが、一生治らないと言われた病気です。まだ一年です。
そう自分に言い聞かせて、「免疫の力で治す」ために努力を続けていきます。
長くなってしまいましたが、同じようにクローン病と闘う方々の一助になればと思い、我が家の取り組みをすべて綴りました。