「クローン病手記」
匿名希望34歳 2013年11月27日
匿名希望34歳 2013年11月27日
松本漢方クリニックを選んだ理由(クローン病の完治に向けて)
松本漢方クリニックでの治療に際して、自分なりに勉強し、いろんなことを考えました。
そこで改めて気付いたこと、感じたことなどを手記にしてみました。
クローン病という病態、消化管で慢性的な炎症の持続という事実に対して、現代医学では、根本となる原因は不明だが自己細胞を標的とした免疫反応が起きているとし、反応を抑えるため免疫担当細胞の働きを抑える薬や炎症反応を起こすサイトカインなどを無効にする薬などにより症状を抑えることを最新の療法としています(しかし、原因が不明なため完治の定義がなく、反応が収まっても寛解状態とされる)松本先生は、細胞に隠れている化学物質が標的であると指摘しています。私たちの免疫機能が化学物質や抗原となるもの(花粉や食物から得られるある種のタンパクなど)に対して過剰反応し、細胞傷害性の免疫反応を起こしている。だから、免疫機能を正常化させることにより完治が可能となると先生は唱えている。そのように私は理解しています。急速に増えているアレルギー疾患の罹患者数を考えれば、クローン病や潰瘍性大腸炎が免疫反応異常の一種であるという考え方が決して見当違いの仮説ではないと思い、先生のホームページを読み勉強を始めました。
目に見えないものを信じることは難しいことだと思います。たとえ目に見えている事実でさえも、どのように解釈し、理解するかを考えることも、とても難しいことだと思います。それは今まで自分で考える力を鍛えてこなかったからだと思っています。子供の頃は親や大人の言うこと、学校では先生の言うことを聞いていれば褒められ、教科書に書いてあることを丸暗記し、そのとおりに解答すれば成績は良くなる。現在はわかりませんが、私が子供時代の日本の教育は自分で考える力を鍛える場が少なかった気がします。医学部も然り。医者も、自分で考え答えを見つけるのが不得意な自分とそう変わらない人間ではないかと思いました。だから、治したいなら自分で考え、信じられる治療法を選び、そして責任は自分で取るしかないと思いました。
松本漢方クリニックでの治療を開始するにあたり、やはりリバウンドがどうなるかというのが一番の不安でした。またあの辛い日々がくるのか、仕事もできなくなるかもしれない。ひどいリバウンドで治療を断念した方もいらっしゃると聞きます。それなら薬を飲み続け、厳しい食事制限に経腸栄養療法の日々だとしても、仕事をして最低限のお金を稼ぎ生きていくことができる方がいいのかもしれない。少なくとも今までのように大学病院に任せていれば、最低限の生活は保障され、医療費についても国からの援助が得られます。何かあったときは医者や国に責任転嫁することができるかもしれません。でも、やっぱり自分の体です。生まれ持った体、死ぬまで付き合っていく体ですから、自分で納得したい。リスクを負ってでも先生の治療を試したいと思ったのです。松本漢方クリニックのホームページに出会って、諦めきれていなかった心に火がついたように思います。
現代医学は悪、すべて間違っているとは思いません。すばらしいオペ技術や最先端の検査、治療法もあります。当然、自分には及ばない学力を持ち、患者を治すためひたむきに勉強を続ける医者もたくさんいます。IBDに関しては私も松本理論を支持するひとりですが、現代医学で命を救えることは否定できない事実だと思います。先生も、いまの日本の医学がすべて間違っていると否定されているわけではありません。クローン病を含む膠原病に対する理解・解釈が間違っている。だから治療法も間違ってしまう。ただそれだけなのです。
先生のお言葉でとても印象的なものがあります。この病気になる人間はとても優しい、我慢して自分で免疫抑制ホルモンを放出し続けた結果、発病に至ったのだと。この病気になる人間の免疫機能は本来、とても優秀であると。優秀だからこそ、反応が起きてしまったと。なぜ免疫反応の異常(クラススイッチ)がおきてしまったのか?AID遺伝子の発現となるトリガーについては科学的な根拠はまだわかりません(私の勉強不足かもしれませんが)。でも、発病したときのストレスや長年かけて正常の免疫反応を抑えてきた結果だと思いました。子供のころからしつけの一環として我慢を強いられる(別に否定はしないが…)熱が出れば下熱剤、咳が出れば咳止め・・・。30数年の人生でも、いったいどれだけの免疫反応を抑え続けてきたのだろうと思い当たる節がありすぎます。考えれば考えるほど当然の結果で、松本先生の理論が正しいのではと思わざるを得ませんでした。
松本先生は自分の理論が真実だとおっしゃいます。でも実を言うと、松本理論が真実かどうかは私にはわかりません。なぜそう言えるのか、それはその理論を元にたくさんの患者が治っていくのを見てきたからだと思います。だから、先生の言葉をそのまま信じた訳ではなく、先生の理論に納得した自分を信じて治療を開始しました。そして先生はこれが真実であるという証拠として手記を残すようにおっしゃいます。当然、私が完治したときには、松本理論が真実であると証明できる一人になれることと思います。
こんな手記を書いたら、先生に嫌われてしまうのではないか、治療拒否されてしまうのでは?と考えたこともあります。でも、これが私にとってのいまの真実です。自分を信じて治療を続け、完治する日を待ちたいと思います。
この手記が治療に踏み切る勇気があと少し足りない方たちへの後押しになれば、書いた甲斐があったとうれしく思います。
以下に、私のクローン病の経過を記しておきます。完治まではもう少しかかりそうですが、自分と向き合う時間と思い、じっくり治していきたいと思います。
クローン病の経過
2004年9月 1回目の入院腹痛・発熱。急性胃腸炎と診断される。
退院後、ペンタサ、ラックビーを処方。
2006年9月 2回目の入院腹痛・発熱。
症状および2年間の経過よりクローン病の診断を受け入院中に難病申請。
ペンタサ、エレンタール療法以後、1日ペンタサ500mg6錠とエレンタール2~3袋の継続治療を6年続ける。
2012年4月 松本漢方クリニック初めての受診、漢方、鍼灸での治療開始。
大学病院での診察は念のため継続する。1回/月
5月 ペンタサ、エレンタールは中止。
通常の食事開始で腸管の動きが活発になる感じがあり少し不安を覚えるが、ひたすら漢方薬を飲み続けてみる。
6月、8月、10月、12月と松本漢方クリニック受診、漢方と鍼灸を続ける。特に症状はない。クラススイッチと思われる明らかな症状も出てこない。血液データ総蛋白正常下限、CRP正常上限~軽度高値、リンパ球
10~15%と低値、MMPは2回目の受診(6月以降)は正常範囲。
2013年4月 松本漢方クリニック再診特に変化なし。
このまま完治に向かうのかと思い、手記を書き始める。
5月 腹痛出現。下痢や発熱はなくクローン病の症状とは違うと思いながらも不安に思い松本先生へ電話。
抗ヘルペス薬をもらう。痛み出現時に頓服し、1ヶ月ほどで消失する。
7月 蕁麻疹の出現蚊に刺されたのかなぁ?と思うような発疹がひざの裏にできる。
翌日より腰周りを中心にふくらはぎから背中まで広がる。眼瞼が腫れたり、唇が腫れたりすることがまれに起こる。クインケ浮腫?。
9月 急な発熱(38℃)、2~3日微熱が続く。発熱時、腹痛時に飲むようにと言われた抗生剤を服用する。
週末に松本漢方クリニック受診。診察と鍼灸を受ける。
10月 唇が腫れる、蕁麻疹はほぼ毎日出現
11月 再び急な発熱(38℃)が2日続く。蕁麻疹や腹痛も時折出現。